JPH11226481A - 高固形分高粘度クリヤ塗料の塗装方法 - Google Patents

高固形分高粘度クリヤ塗料の塗装方法

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JPH11226481A
JPH11226481A JP3605998A JP3605998A JPH11226481A JP H11226481 A JPH11226481 A JP H11226481A JP 3605998 A JP3605998 A JP 3605998A JP 3605998 A JP3605998 A JP 3605998A JP H11226481 A JPH11226481 A JP H11226481A
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coating
paint
coated
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coating material
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JP3605998A
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English (en)
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Masayuki Kagamiyama
真行 鏡山
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Kansai Paint Co Ltd
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Kansai Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高固形分高粘度クリヤ塗料を仕上り外観の良
好な塗膜に形成することができる塗装方法を提供する。 【解決手段】 固形分65重量%以上で、かつ20℃に
おけるフォードカップ#4による粘度が100秒以上で
あるクリヤ塗料を回転霧化式塗装機にて塗装する方法で
あって、回転霧化式塗装機から吐出される塗料粒子の平
均粒子径が60μm以下であり、しかも1個の塗料粒子
が被塗物に塗着する際の衝撃エネルギーが0.25pJ
(ピコジュール)以上であることを特徴とする高固形分
高粘度クリヤ塗料の塗装方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高固形分高粘度ク
リヤ塗料を回転霧化式塗装機を用いて塗装して良好な塗
面外観に仕上げることができる塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
自動車塗装用などの上塗クリヤ塗料は回転霧化式塗装機
によって塗装することによって良好な仕上がり外観が得
られていた。
【0003】近年、地球環境保護、地球資源の有効活用
などの観点から有機溶剤量の少ない高固形分クリヤ塗料
の開発が活発に行われている。また高固形分クリヤ塗料
を塗装する際には、上記の観点などから、できるだけ高
粘度で塗装することが求められている。
【0004】高固形分高粘度クリヤ塗料を回転霧化式塗
装機によって通常の方法で塗装すると、塗装機から吐出
される塗料粒子の飛行速度が遅く、被塗物に塗着した塗
料粒子の被塗物に対する濡れが悪く、濡れ不良に起因す
る塗面不良が生じるといった問題があった。また、エア
霧化式塗装機によって高固形分高粘度クリヤ塗料を塗装
すると、得られる塗膜は平滑性、耐ワキ(耐発泡)性に
劣るという問題があった。
【0005】本発明の目的は、高固形分高粘度クリヤ塗
料を仕上り外観の良好な塗膜に形成することができる塗
装方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため鋭意研究を行った結果、高固形分高粘度ク
リヤ塗料を回転霧化式塗装機によって塗装するに際し
て、塗料粒子の微粒化がよく、しかも塗料粒子が被塗物
に塗着する際の衝撃エネルギーを大きくすることによっ
て上記目的を達成できることを見出し本発明を完成し
た。
【0007】すなわち、本発明は、固形分65重量%以
上で、かつ20℃におけるフォードカップ#4による粘
度が100秒以上であるクリヤ塗料を回転霧化式塗装機
にて塗装する方法であって、回転霧化式塗装機から吐出
される塗料粒子の平均粒子径が60μm以下であり、し
かも1個の塗料粒子が被塗物に塗着する際の衝撃エネル
ギーが0.25pJ(ピコジュール)以上であることを
特徴とする高固形分高粘度クリヤ塗料の塗装方法を提供
するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明方法によって塗装される塗
料は、固形分65重量%以上、なかでも65〜90重量
%で、特に68〜85重量%であり、かつ20℃におけ
るフォードカップ#4による粘度が100秒以上、なか
でも100〜200秒、特に120〜180秒の範囲で
ある高固形分高粘度クリヤ塗料である。
【0009】上記クリヤ塗料の樹脂系としては、例えば
アクリル樹脂−メラミン樹脂系、アクリル樹脂−イソシ
アネート化合物系、エポキシ化合物−多価カルボン酸化
合物系、及びこれらの樹脂系に反応性シリル化合物を組
合せた系などを挙げることができる。
【0010】本発明方法で使用される回転霧化式塗装機
は、それ自体既知の回転体の遠心力によって塗料を霧化
できる塗装機であり、回転体の形状としては、ベル型、
カップ型、ディスク型などが挙げられる。
【0011】本発明方法は、上記高固形分高粘度クリヤ
塗料を上記回転霧化式塗装機を用いて塗装する方法であ
って、この塗装機から霧化された塗料粒子の粒子径が6
0μm以下、好ましくは1〜30μmの範囲であり、か
つ被塗物に衝突する際の衝撃エネルギーが塗料粒子1個
当り、0.25pJ(ピコジュール)以上、好ましくは
0.4〜4.0pJの範囲内である。塗料粒子の粒子径
が60μmを超えると塗膜の平滑性が低下しやすくな
る。また、塗料粒子1個当りの衝撃エネルギーが0.2
5pJ未満では、被塗物に衝突した際に高固形分高粘度
である塗料粒子の変形が小さく被塗物への濡れが悪くな
り平滑でかつ耐ワキ性の良好な塗膜を得ることが困難と
なる。
【0012】本発明において衝撃エネルギー(E)は、
下記式によって計算して求めた値である。
【0013】E=(1/2)×(M)×(R)2 式中、各記号は下記の意味を有する。
【0014】E:衝突エネルギー、pJ=10-12 N・
m=10-5g・cm2 /s2 、 M:塗料粒子の重量、単位はg、 R:被塗物に衝突する直前の塗料粒子の速度、単位はc
m/s、 上記塗料粒子の重量Mは、(塗料粒子の体積)×(塗料
粒子の比重)から計算することができ、塗料粒子の体積
は、塗料粒子を球体として粒子径から計算によって求め
ることができる。上記被塗物に衝突する直前の塗料粒子
の速度Rは、例えば、レーザードップラー式流速計FL
V8853(日本科学工業(株)製)を使用して測定す
ることができる。
【0015】本発明方法において、クリヤ塗料を回転霧
化式塗装機を用いて塗装する条件としては、通常、塗料
吐出量が30〜180cc/分、好ましくは50〜15
0cc/分、塗料吐出圧が0.5〜5kg/cm2 、回
転数が15,000〜50,000回/分、好ましくは
30,000〜40,000回/分、シェーピングエア
圧が0.5〜5kg/cm2 、好ましくは1.5〜3.
0kg/cm2 の範囲内であることが好ましい。また、
塗装に際して、塗装機と被塗物との間に電圧を印加して
静電塗装してもよいし、電圧を印加せずに塗装(無静電
塗装)してもよい。静電塗装する場合には、塗装機の印
加電圧は通常、−10〜−90kVの範囲である。
【0016】本発明方法において、塗料粒子の粒子径を
60μm以下と微粒化をよくするためには、回転数を多
くしたり、塗料吐出量を少なくすることが効果的であ
る。
【0017】本発明方法において、塗料粒子の衝撃エネ
ルギーEを0.25pJ以上とする方法としては、塗料
粒子が被塗物に衝突する直前の塗料粒子の飛行速度を、
4m/秒以上、好ましくは5〜15m/秒の範囲となる
ように速くする方法を挙げることができる。このために
は、塗料のスプレーパターンを制御するシェーピングエ
アの圧力を、例えば1.5〜5.0kg/cm2 と高く
して、回転霧化式塗装機から吐出される塗料粒子の吐出
速度を速く、例えば6〜16m/秒の範囲となるように
する方法を挙げることができる。また、回転霧化式塗装
機の塗料吐出口と被塗物との距離(塗装距離)を短くす
る、例えば10cm以内とすることによって塗料粒子の
速度低下を少なくすることができる。塗料粒子の吐出速
度を速くする方法と塗装距離を短くする方法とを組合せ
ることによってより効果的に塗装することができる。
【0018】上記のように塗装距離を短くすることによ
って、霧化された塗料粒子中の溶剤が飛行中に揮散する
量が少なくなり塗面の平滑性の面で有利であり、また、
塗着効率が向上するため無静電塗装でも高塗着効率を達
成することができる。無静電塗装においては、静電塗装
のための高電圧の印加を省略でき、高電圧による危険の
回避及び設備コストの低減というメリットがある。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0020】実施例1 固形分が75重量%で、塗料粘度が120秒(20℃に
おけるフォードカップ#4での測定による)のクリヤ塗
料(エポキシ化合物−多価カルボン酸化合物−反応性シ
リル化合物を主成分とする)を回転霧化式塗装機(ラン
ズバーグ・インダストリイズ社製、「μμベル」)に
て、塗料吐出量が80cc/分、回転数が30,000
回/分、シェーピングエア圧が2.0kg/cm2 の条
件にて、塗装機に−90kVの電圧を印加して、ブリキ
板に塗装機吐出口と被塗物であるブリキ板との距離を3
0cmとして静電塗装を行った。その時の霧化された塗
料粒子の粒子径は20μmであり、塗料粒子がブリキ板
に塗着する直前の塗料粒子の速度は5.0m/sであっ
た。
【0021】実施例2〜6及び比較例1 実施例1で使用した同様の回転霧化式塗装機を用い、シ
ェーピングエア圧や塗装距離を変動させて、後記表1に
示す条件とする以外は実施例1と同様に塗装を行った。
実施例2〜4及び6並びに比較例1は静電塗装によるも
のであり、実施例5は無静電塗装によるものである。
【0022】比較例2 実施例1で使用したと同様のクリヤ塗料をエア霧化式塗
装機(ランズバーグ(株)製、「REA90Fガン−A
A90F型」)にて、塗料吐出量が100cc/分、霧
化エアが4.0kg/cm2 、パターンエア圧が3.0
kg/cm2 の条件にて、塗装機に−90kVの電圧を
印加して、ブリキ板に塗装機吐出口と被塗物であるブリ
キ板との距離を30cmとして静電塗装を行った。その
時の霧化された塗料粒子の粒子径は80μmであり、塗
料粒子がブリキ板に塗着する直前の塗料粒子の速度は1
2.0m/sであった。
【0023】上記実施例1〜6並びに比較例1及び2の
方法について、下記試験方法に基いて、塗着塗料粒子の
濡れ性、塗面の平滑性、塗膜の耐ワキ性の試験を行っ
た。これらの試験結果及び塗着効率を後記表1に示す。
【0024】試験方法 塗着塗料粒子の濡れ性:ブリキ板に乾燥膜厚を変動させ
て塗装し、140℃で20分間乾燥させた後の塗面の外
観を目視評価した。
【0025】 ◎:乾燥塗膜重量17g/m2 において連続膜が形成さ
れている、 ○:乾燥塗膜重量17g/m2 では連続膜が形成されて
いないが、乾燥塗膜重量22g/m2 では連続膜が形成
されている、 △:乾燥塗膜重量22g/m2 では連続膜が形成されて
いないが、乾燥塗膜重量膜厚28g/m2 では連続膜が
形成されている、 ×:塗膜重量膜厚28g/m2 でも連続膜が形成されて
いない。 ここで、乾燥塗膜重量17g/m2 は平均乾燥膜厚約1
5μmに相当し、乾燥塗膜重量22g/m2 は平均乾燥
膜厚約20μm、乾燥塗膜重量28g/m2 は平均乾燥
膜厚約25μmに相当する。
【0026】塗面の平滑性:ブリキ板に乾燥膜厚が約4
0μmとなるように塗装し、140℃で20分間乾燥さ
せた後の塗面の平滑性を目視にて判定した。 ○:塗面の平滑性が良好である、 △:塗面に凹凸が少し認められ、平滑性がかなり劣る、 ×:塗面に著しく凹凸が認められ、平滑性が著しく劣
る。
【0027】塗膜の耐ワキ性:ブリキ板に乾燥膜厚が約
50μmとなるように塗装し、140℃で20分間乾燥
させた後の塗面の平滑性を目視にて判定した。 ○:塗膜にワキ(発泡)が認められずが耐ワキ性良好で
ある、 △:塗膜にワキ(発泡)が僅かに認められる、 ×:塗膜にワキ(発泡)が著しく認められる。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明塗装方法によると、高固形分高粘
度クリヤ塗料から、被塗物への濡れ性、平滑性、耐ワキ
(耐発泡)性などの仕上り外観の良好な塗膜を形成する
ことができる。また、本発明塗装方法において、塗装距
離を短くすると無静電塗装においても塗着効率の優れた
ものとでき、この場合には静電塗装のための高電圧の印
加を省略でき、高電圧による危険の回避及び設備コスト
の低減というメリットがある。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形分65重量%以上で、かつ20℃に
    おけるフォードカップ#4による粘度が100秒以上で
    あるクリヤ塗料を回転霧化式塗装機にて塗装する方法で
    あって、回転霧化式塗装機から吐出される塗料粒子の平
    均粒子径が60μm以下であり、しかも1個の塗料粒子
    が被塗物に塗着する際の衝撃エネルギーが0.25pJ
    (ピコジュール)以上であることを特徴とする高固形分
    高粘度クリヤ塗料の塗装方法。
  2. 【請求項2】 回転霧化式塗装機から吐出される塗料粒
    子が被塗物に塗着する直前の粒子速度が、5〜15m/
    秒であることを特徴とする請求項1記載の塗装方法。
  3. 【請求項3】 回転霧化式塗装機の塗料吐出口と被塗物
    との距離が10cm以下である請求項1又は2記載の塗
    装方法。
  4. 【請求項4】 塗料と被塗物間に電圧を印加して静電塗
    装を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項
    に記載の塗装方法。
JP3605998A 1998-02-18 1998-02-18 高固形分高粘度クリヤ塗料の塗装方法 Pending JPH11226481A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114345661A (zh) * 2020-10-14 2022-04-15 关西涂料株式会社 形成多层涂膜的方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114345661A (zh) * 2020-10-14 2022-04-15 关西涂料株式会社 形成多层涂膜的方法
US11628469B2 (en) 2020-10-14 2023-04-18 Kansai Paint Co., Ltd. Method for forming multilayer coating film
CN114345661B (zh) * 2020-10-14 2023-05-30 关西涂料株式会社 形成多层涂膜的方法

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