JPH11225795A - 細胞障害マーカー - Google Patents
細胞障害マーカーInfo
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- JPH11225795A JPH11225795A JP10046349A JP4634998A JPH11225795A JP H11225795 A JPH11225795 A JP H11225795A JP 10046349 A JP10046349 A JP 10046349A JP 4634998 A JP4634998 A JP 4634998A JP H11225795 A JPH11225795 A JP H11225795A
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 エノラーゼ、ピルビン酸キナーゼ、NA
DH、乳酸デヒドロゲナーゼを含有する試薬を用いて、
細胞培養液中のホスホグリセリン酸ムターゼ(PGA
M)濃度を測定する。 【効果】 各種細胞の障害マーカー及び/又は細胞毒性
マーカーとして有用である。
DH、乳酸デヒドロゲナーゼを含有する試薬を用いて、
細胞培養液中のホスホグリセリン酸ムターゼ(PGA
M)濃度を測定する。 【効果】 各種細胞の障害マーカー及び/又は細胞毒性
マーカーとして有用である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、細胞障害及び/又
は細胞毒性の測定システムに関するものであって、例え
ば虚血障害等による細胞障害の判断や測定に利用するこ
とができる。
は細胞毒性の測定システムに関するものであって、例え
ば虚血障害等による細胞障害の判断や測定に利用するこ
とができる。
【0002】
【従来の技術】ホスホグリセリン酸ムターゼ(Phosphog
lyceric acid mutase)(PGAMということもある:
EC5.4.2.1)は、解糖系酵素の一つで、2,3
−ビスホスホグリセリン酸(2,3-bisphosphoglycerate
: Glycerate-2,3-P2)の存在下、2−ホスホグリセリ
ン酸(2-phosphoglycerate : Glycerate-2-P)と3−ホ
スホグリセリン酸(3-phosphoglycerate : Glycerate-3
-P)の相互交換を触媒する。
lyceric acid mutase)(PGAMということもある:
EC5.4.2.1)は、解糖系酵素の一つで、2,3
−ビスホスホグリセリン酸(2,3-bisphosphoglycerate
: Glycerate-2,3-P2)の存在下、2−ホスホグリセリ
ン酸(2-phosphoglycerate : Glycerate-2-P)と3−ホ
スホグリセリン酸(3-phosphoglycerate : Glycerate-3
-P)の相互交換を触媒する。
【0003】哺乳動物にはPGAMをコードする遺伝子
が二つ存在する。Mサブユニット(分子量約3万)の遺
伝子は成人の骨格筋、心筋で発現され、これらの組織で
はMMホモダイマー(M型PGAM、M−PGAM、P
GAM−MM、PGAM−M又はM型アイソザイムとも
いう)が存在する。Bサブユニット(分子量約3万)の
遺伝子は成人の脳、肝、腎および赤血球で発現され、こ
れらの組織ではBBホモダイマー(B型PGAM、B−
PGAM、PGAM−BB、PGAM−B又はB型アイ
ソザイムともいう)が存在する。従って、M型PGAM
は筋肉特異的アイソザイムに、またB型PGAMは非筋
肉型あるいは脳型アイソザイムに分類される。Mおよび
Bの両サブユニットの遺伝子は心筋で特異的に発現され
ており、この組織ではB型およびM型PGAMに加えて
MBヘテロダイマー(MB型PGAM、MB−PGA
M、PGAM−MB又はMB型アイソザイムともいう)
も存在する。
が二つ存在する。Mサブユニット(分子量約3万)の遺
伝子は成人の骨格筋、心筋で発現され、これらの組織で
はMMホモダイマー(M型PGAM、M−PGAM、P
GAM−MM、PGAM−M又はM型アイソザイムとも
いう)が存在する。Bサブユニット(分子量約3万)の
遺伝子は成人の脳、肝、腎および赤血球で発現され、こ
れらの組織ではBBホモダイマー(B型PGAM、B−
PGAM、PGAM−BB、PGAM−B又はB型アイ
ソザイムともいう)が存在する。従って、M型PGAM
は筋肉特異的アイソザイムに、またB型PGAMは非筋
肉型あるいは脳型アイソザイムに分類される。Mおよび
Bの両サブユニットの遺伝子は心筋で特異的に発現され
ており、この組織ではB型およびM型PGAMに加えて
MBヘテロダイマー(MB型PGAM、MB−PGA
M、PGAM−MB又はMB型アイソザイムともいう)
も存在する。
【0004】YatesらはPGAMアイソザイムを分別定
量できるisoelectric focusingを使って、正常血漿中の
PGAM活性が専らB型アイソザイムに由来することを
示した。また、Markertは正常ヒト胎児および成人の脳
では、主にPGAMのB型アイソザイムが存在するが、
脳腫瘍組織ではMB型およびM型アイソザイムが認めら
れ、発現レベルが腫瘍の悪性度と相関すること、それに
対して筋肉特異的酵素であるクレアチンキナーゼ(Crea
tine kinase:CK)ではそのような変化は認められないこ
とを示した。しかし、これまで、PGAMやそのアイソ
ザイムの利用についてはあまり研究が進行しておらず、
本発明者らが先に特許出願したB型PGAMの脳卒中マ
ーカー(血清試料)としての利用が報告されている程度
である(特開平8−322595)。また、本発明のよ
うに細胞レベルにおける酸素量とPGAMとの関連につ
いての報告もなく、ましてや細胞障害や細胞毒性マーカ
ーとしての利用に至っては全く何も知られていない。
量できるisoelectric focusingを使って、正常血漿中の
PGAM活性が専らB型アイソザイムに由来することを
示した。また、Markertは正常ヒト胎児および成人の脳
では、主にPGAMのB型アイソザイムが存在するが、
脳腫瘍組織ではMB型およびM型アイソザイムが認めら
れ、発現レベルが腫瘍の悪性度と相関すること、それに
対して筋肉特異的酵素であるクレアチンキナーゼ(Crea
tine kinase:CK)ではそのような変化は認められないこ
とを示した。しかし、これまで、PGAMやそのアイソ
ザイムの利用についてはあまり研究が進行しておらず、
本発明者らが先に特許出願したB型PGAMの脳卒中マ
ーカー(血清試料)としての利用が報告されている程度
である(特開平8−322595)。また、本発明のよ
うに細胞レベルにおける酸素量とPGAMとの関連につ
いての報告もなく、ましてや細胞障害や細胞毒性マーカ
ーとしての利用に至っては全く何も知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】虚血等低酸素状態にな
ったり、pHや温度等の各種条件の変化によっても細胞
障害がひき起こされることが知られており、細胞障害や
細胞毒性を正確且つ迅速に測定するシステムの開発が強
く求められている。
ったり、pHや温度等の各種条件の変化によっても細胞
障害がひき起こされることが知られており、細胞障害や
細胞毒性を正確且つ迅速に測定するシステムの開発が強
く求められている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した当業
界の要望に応える目的でなされたものであって、各方面
から研究の結果、低酸素状態では細胞培養液中のPGA
M値が上昇することをはじめて見出し、また、そのPG
AMの測定にあたり、全PGAMの測定のほか、そのア
イソザイムの測定によっても低酸素状態の測定が可能で
あって細胞の傷害度が判るだけでなく、各種条件の変化
による細胞の障害度が判るという新規にして有用な知見
を得、更に研究を行い、遂に完成されたものである。
界の要望に応える目的でなされたものであって、各方面
から研究の結果、低酸素状態では細胞培養液中のPGA
M値が上昇することをはじめて見出し、また、そのPG
AMの測定にあたり、全PGAMの測定のほか、そのア
イソザイムの測定によっても低酸素状態の測定が可能で
あって細胞の傷害度が判るだけでなく、各種条件の変化
による細胞の障害度が判るという新規にして有用な知見
を得、更に研究を行い、遂に完成されたものである。
【0007】すなわち、本発明者らは、PGAM(全P
GAM、B型PGAM、M型PGAM)が細胞の傷害マ
ーカーや細胞の毒性マーカーとして有用であることをは
じめて明らかにしただけでなく、細胞や細胞培養液中の
PGAMを測定することによって細胞の低酸素状態やそ
の他の条件の変化やそれによる傷害の程度を判定するこ
とができ、更に、PGAM、そのアイソザイムの測定方
法として、本発明者らが先に開発した方法(特開平8−
322595)が適用可能なことも確認して、本発明の
完成に至ったものである。
GAM、B型PGAM、M型PGAM)が細胞の傷害マ
ーカーや細胞の毒性マーカーとして有用であることをは
じめて明らかにしただけでなく、細胞や細胞培養液中の
PGAMを測定することによって細胞の低酸素状態やそ
の他の条件の変化やそれによる傷害の程度を判定するこ
とができ、更に、PGAM、そのアイソザイムの測定方
法として、本発明者らが先に開発した方法(特開平8−
322595)が適用可能なことも確認して、本発明の
完成に至ったものである。
【0008】以下、本発明を詳しく説明するが、本発明
において、酸素、pH、温度、各種薬物等の各因子の変
化によって細胞が障害を受ける場合、これらの因子を細
胞毒性と総称する。したがって、細胞障害マーカーは間
接的に細胞毒性マーカーとなるものであって、両者は表
裏一体をなすものである。なお、本発明において、酸素
とは大気中の酸素含量未満〜無酸素の状態を指すもので
ある。
において、酸素、pH、温度、各種薬物等の各因子の変
化によって細胞が障害を受ける場合、これらの因子を細
胞毒性と総称する。したがって、細胞障害マーカーは間
接的に細胞毒性マーカーとなるものであって、両者は表
裏一体をなすものである。なお、本発明において、酸素
とは大気中の酸素含量未満〜無酸素の状態を指すもので
ある。
【0009】本発明に係るPGAMの測定方法を、先
ず、B型アイソザイムについて述べる。B型PGAMを
測定する方法は、サンプルをPGAM阻害剤によって処
理し、特定のアイソザイムを失活せしめた後、残存のP
GAM活性を測定することからなるものである。例えば
PGAM阻害剤として四チオン酸を用いた場合、M型ア
イソザイムはほぼ100%失活し、MB型は約50%失
活し、B型はほとんど失活しない。したがって、血清に
四チオン酸を添加してM型アイソザイムを失活させた
後、残存のPGAM活性を測定することにより、B型ア
イソザイムを分別定量することができるのである。
ず、B型アイソザイムについて述べる。B型PGAMを
測定する方法は、サンプルをPGAM阻害剤によって処
理し、特定のアイソザイムを失活せしめた後、残存のP
GAM活性を測定することからなるものである。例えば
PGAM阻害剤として四チオン酸を用いた場合、M型ア
イソザイムはほぼ100%失活し、MB型は約50%失
活し、B型はほとんど失活しない。したがって、血清に
四チオン酸を添加してM型アイソザイムを失活させた
後、残存のPGAM活性を測定することにより、B型ア
イソザイムを分別定量することができるのである。
【0010】なお、PGAMの精製アイソザイムを用い
た阻害実験によれば、四チオン酸処理によってMB型は
50%しか失活せず、50%は活性が残存するが、現実
において、正常血清及び脳組織のPGAM活性のほとん
どは、B型アイソザイムによるものであるので、MB型
アイソザイムの残存活性は、生体サンプルにおいては、
これを無視することができる。
た阻害実験によれば、四チオン酸処理によってMB型は
50%しか失活せず、50%は活性が残存するが、現実
において、正常血清及び脳組織のPGAM活性のほとん
どは、B型アイソザイムによるものであるので、MB型
アイソザイムの残存活性は、生体サンプルにおいては、
これを無視することができる。
【0011】PGAM阻害剤としては、酸化剤、SH試
薬等PGAM又はそのアイソザイムの活性を選択的に阻
害しうる物質がすべて使用できる。その非限定例として
は、ポリチオン酸及び/又はその誘導体が挙げられる。
ポリチオン酸は、三〜六チオン酸がいずれも使用可能で
あって、その誘導体としてはカリウム塩、ナトリウム塩
等が使用可能であり、好適例のひとつとして、四チオン
酸カリウムが例示される。
薬等PGAM又はそのアイソザイムの活性を選択的に阻
害しうる物質がすべて使用できる。その非限定例として
は、ポリチオン酸及び/又はその誘導体が挙げられる。
ポリチオン酸は、三〜六チオン酸がいずれも使用可能で
あって、その誘導体としてはカリウム塩、ナトリウム塩
等が使用可能であり、好適例のひとつとして、四チオン
酸カリウムが例示される。
【0012】本発明に係る測定方法は、試料に四チオン
酸カリウム等の阻害剤を作用させてPGAM−Mを失活
させ(PGAM−MBの活性は上記したように本生体測
定系においては無視できる)、残存のPGAM−Bを測
定試薬を用いて測定するものである。
酸カリウム等の阻害剤を作用させてPGAM−Mを失活
させ(PGAM−MBの活性は上記したように本生体測
定系においては無視できる)、残存のPGAM−Bを測
定試薬を用いて測定するものである。
【0013】その測定原理は、下記表1に記載したよう
に、M型PGAMアイソザイムの阻害剤である四チオン
酸カリウムを用いてM型アイソザイムを失活せしめた
後、次のようにして活性測定を行うことからなるもので
ある。すなわち、2,3−ビスホスホグリセリン酸(Gl
ycerate-2,3-P2)の存在下、PGAM−Bによって、3
−ホスホグリセリン酸(Glycerate-3-P)を2−ホスホ
グリセリン酸(Glycerate-2-P)とし、これをエノラー
ゼによりPEPとH2Oとする。次いでPEPを、AD
Pの存在下ピルビン酸キナーゼ(PK)によりピルビン
酸(Pyruvate)とATPとにし、得られたピルビン酸
に、NADHの存在下、乳酸デヒドロゲナーゼ(LD
H)を作用させ、NADHの減少をレートアッセイ(ra
te assay)するものである。
に、M型PGAMアイソザイムの阻害剤である四チオン
酸カリウムを用いてM型アイソザイムを失活せしめた
後、次のようにして活性測定を行うことからなるもので
ある。すなわち、2,3−ビスホスホグリセリン酸(Gl
ycerate-2,3-P2)の存在下、PGAM−Bによって、3
−ホスホグリセリン酸(Glycerate-3-P)を2−ホスホ
グリセリン酸(Glycerate-2-P)とし、これをエノラー
ゼによりPEPとH2Oとする。次いでPEPを、AD
Pの存在下ピルビン酸キナーゼ(PK)によりピルビン
酸(Pyruvate)とATPとにし、得られたピルビン酸
に、NADHの存在下、乳酸デヒドロゲナーゼ(LD
H)を作用させ、NADHの減少をレートアッセイ(ra
te assay)するものである。
【0014】
【表1】
【0015】NADHの減少は市販の測定機器によって
容易に測定することができ、PGAM−Bが正確に且つ
迅速に測定できる(全PGAMも同様である)。しかも
後述する実施例からも明らかなように、細胞培養液サン
プル中のPGAM値は、高酸素よりも低酸素状態で培養
した細胞の培養液の方が高く、しかもこの現象は各種細
胞において広範に認められ且つそれぞれの細胞において
測定しやすいPGAM(全PGAM、B型PGAM、M
型PGAM又は他のアイソザイム)を選んでその値を測
定すればよいことから、PGAMの測定によって細胞の
低酸素状態(虚血性等)の測定が可能であることが判明
し、PGAMは細胞障害マーカー、特に、虚血障害ない
し低酸素障害を受けた細胞の障害マーカーとしてきわめ
て好適であることも実証された。このようなことは従来
全く知られておらず、PGAMは新規な細胞障害マーカ
ーと認められる。また、本発明によれば、低酸素以外の
各種細胞毒性に起因する細胞障害も測定できるので、極
めて広範な細胞障害マーカーとして利用できるし、この
マーカーは、換言すれば、細胞毒性マーカーとしても利
用できる。
容易に測定することができ、PGAM−Bが正確に且つ
迅速に測定できる(全PGAMも同様である)。しかも
後述する実施例からも明らかなように、細胞培養液サン
プル中のPGAM値は、高酸素よりも低酸素状態で培養
した細胞の培養液の方が高く、しかもこの現象は各種細
胞において広範に認められ且つそれぞれの細胞において
測定しやすいPGAM(全PGAM、B型PGAM、M
型PGAM又は他のアイソザイム)を選んでその値を測
定すればよいことから、PGAMの測定によって細胞の
低酸素状態(虚血性等)の測定が可能であることが判明
し、PGAMは細胞障害マーカー、特に、虚血障害ない
し低酸素障害を受けた細胞の障害マーカーとしてきわめ
て好適であることも実証された。このようなことは従来
全く知られておらず、PGAMは新規な細胞障害マーカ
ーと認められる。また、本発明によれば、低酸素以外の
各種細胞毒性に起因する細胞障害も測定できるので、極
めて広範な細胞障害マーカーとして利用できるし、この
マーカーは、換言すれば、細胞毒性マーカーとしても利
用できる。
【0016】また、本発明によれば、エノラーゼ、ピル
ビン酸キナーゼ(PK)、NADH、乳酸デヒドロゲナ
ーゼ(LDH)、PGAM阻害剤(四チオン酸カリウム
等:PGAM−B測定の場合のみ)を含有し、更に必要
に応じて、基質、緩衝液を含有したPGAM−B測定試
薬を提供することができ、これは低酸素状態測定用試薬
として利用できるだけでなく、低酸素以外の各種細胞毒
性測定用試薬として利用することもできる。本試薬は、
後記実施例に例示したように試薬1及び試薬2としてキ
ットとして市販することも可能である。
ビン酸キナーゼ(PK)、NADH、乳酸デヒドロゲナ
ーゼ(LDH)、PGAM阻害剤(四チオン酸カリウム
等:PGAM−B測定の場合のみ)を含有し、更に必要
に応じて、基質、緩衝液を含有したPGAM−B測定試
薬を提供することができ、これは低酸素状態測定用試薬
として利用できるだけでなく、低酸素以外の各種細胞毒
性測定用試薬として利用することもできる。本試薬は、
後記実施例に例示したように試薬1及び試薬2としてキ
ットとして市販することも可能である。
【0017】以上、PGAM−Bの測定について述べた
が、全PGAM(単にPGAM又はT−PGAMという
こともある)も、B型アイソザイムと同じ行動を示し、
T−PGAMやPGAM−MもPGAM−Bと全く同様
に低酸素状態の測定や、その他細胞に害作用を与える物
理的、化学的、生物的要因の測定(つまり細胞毒性の測
定)や、細胞障害及び/又は細胞毒性マーカーに利用す
ることができる。
が、全PGAM(単にPGAM又はT−PGAMという
こともある)も、B型アイソザイムと同じ行動を示し、
T−PGAMやPGAM−MもPGAM−Bと全く同様
に低酸素状態の測定や、その他細胞に害作用を与える物
理的、化学的、生物的要因の測定(つまり細胞毒性の測
定)や、細胞障害及び/又は細胞毒性マーカーに利用す
ることができる。
【0018】T−PGAMの測定方法も、阻害剤を使用
しないだけで、他はB型アイソザイムの場合と全く同一
であって(その測定原理も、表1に示した測定原理の
内、阻害剤を使用する(1)を除き、そして(2)のP
GAM−BをT−PGAMに代えた点を除き、全く同一
である)、NADHの減少をレートアッセイ法で測定す
ればよく、B型アイソザイムの場合と同様に、T−PG
AMの測定も細胞の低酸素状態その他細胞毒性の測定に
利用することができる。この場合は、阻害剤を使用する
ことなく測定することができる。またM型アイソザイム
については、T−PGAM値からB−PGAM値を差し
引けばその値を得ることができる。
しないだけで、他はB型アイソザイムの場合と全く同一
であって(その測定原理も、表1に示した測定原理の
内、阻害剤を使用する(1)を除き、そして(2)のP
GAM−BをT−PGAMに代えた点を除き、全く同一
である)、NADHの減少をレートアッセイ法で測定す
ればよく、B型アイソザイムの場合と同様に、T−PG
AMの測定も細胞の低酸素状態その他細胞毒性の測定に
利用することができる。この場合は、阻害剤を使用する
ことなく測定することができる。またM型アイソザイム
については、T−PGAM値からB−PGAM値を差し
引けばその値を得ることができる。
【0019】T−PGAMの測定試薬及び同キットにつ
いても、阻害剤を使用する点を除き、B型アイソザイム
の場合と全く同一であり、上記理由と同じ理由により、
これ(ら)も低酸素状態ないし細胞障害(毒性)の測定
用試薬として極めて有効に利用することができる。M−
PGAMの測定試薬及び同キットも同様である。
いても、阻害剤を使用する点を除き、B型アイソザイム
の場合と全く同一であり、上記理由と同じ理由により、
これ(ら)も低酸素状態ないし細胞障害(毒性)の測定
用試薬として極めて有効に利用することができる。M−
PGAMの測定試薬及び同キットも同様である。
【0020】本発明を実施するには、細胞培養液及び/
又は細胞粉砕物あるいはその分離液について、上記した
方法にしたがってPGAMを測定すればよく、例えば次
のとおりである。
又は細胞粉砕物あるいはその分離液について、上記した
方法にしたがってPGAMを測定すればよく、例えば次
のとおりである。
【0021】(平滑筋細胞の培養)雄性8〜10週齢S
HRSPの胸部大動脈よりエクスプラント法(explant
method)により平滑筋細胞を採取し、10%ウシ胎児血
清を含むDMEM培地で培養する。 (アストロサイトの培養)胎生15日齢SHRSPのラ
ット脳よりトリプシン消化法(trypsin digestion meth
od)により培養アストロサイトを採取し、10%ウシ胎
児血清を含むDMEM培地で培養する。
HRSPの胸部大動脈よりエクスプラント法(explant
method)により平滑筋細胞を採取し、10%ウシ胎児血
清を含むDMEM培地で培養する。 (アストロサイトの培養)胎生15日齢SHRSPのラ
ット脳よりトリプシン消化法(trypsin digestion meth
od)により培養アストロサイトを採取し、10%ウシ胎
児血清を含むDMEM培地で培養する。
【0022】(低酸素実験)これらの細胞は、0.01
〜1%、好ましくは0.1%ウシ胎児血清にて12〜6
0時間程度(細胞によって異なるが、通常は48時間)
培養した後、各種酸素濃度雰囲気下で(例えば20%酸
素又は1%酸素下)一定期間(例えば2、4、8日間)
培養して培養液を得る。これらの培養液について、PG
AMの測定を行う。その場合、いずれの培養液について
も同一のPGAMを測定してもよいが、例えばアストロ
サイト培養液のように脳由来の細胞液の場合には、B型
アイソザイムを測定する等、それぞれの細胞に適したP
GAM、そのアイソザイムの種類を選択してもよい。以
下、本発明の実施例について述べる。
〜1%、好ましくは0.1%ウシ胎児血清にて12〜6
0時間程度(細胞によって異なるが、通常は48時間)
培養した後、各種酸素濃度雰囲気下で(例えば20%酸
素又は1%酸素下)一定期間(例えば2、4、8日間)
培養して培養液を得る。これらの培養液について、PG
AMの測定を行う。その場合、いずれの培養液について
も同一のPGAMを測定してもよいが、例えばアストロ
サイト培養液のように脳由来の細胞液の場合には、B型
アイソザイムを測定する等、それぞれの細胞に適したP
GAM、そのアイソザイムの種類を選択してもよい。以
下、本発明の実施例について述べる。
【0023】
【実施例1】雄性8〜10週齢SHRSPの胸部大動脈
よりエクスプラント法により平滑筋細胞を採取し、これ
を培養して培養平滑筋細胞を調製した。
よりエクスプラント法により平滑筋細胞を採取し、これ
を培養して培養平滑筋細胞を調製した。
【0024】(エクスプラント手順) (1)クリーンベンチ内に解剖道具をおき、60mmペ
トリ皿にPBSを分注した。 (2)ラットをペントバルビタール麻酔した後、腹部を
剃毛し、次いでTMSシート上に仰向けにおいた。 (3)腹部大動脈から脱血(シリンジによる採血)後、
胸腔を開き、大動脈を横隔膜上から大動脈弓に向かって
採取し、PBSの入った60mmペトリ皿に移した。
トリ皿にPBSを分注した。 (2)ラットをペントバルビタール麻酔した後、腹部を
剃毛し、次いでTMSシート上に仰向けにおいた。 (3)腹部大動脈から脱血(シリンジによる採血)後、
胸腔を開き、大動脈を横隔膜上から大動脈弓に向かって
採取し、PBSの入った60mmペトリ皿に移した。
【0025】(クリーンベンチ内手順) (4)大動脈外膜のルーズ結合組織をピンセットにて除
き、小ハサミで縦に大動脈を切開した。 (5)付着した血液等を洗い落とした後、コラーゲナー
ゼ(1mg/ml)液が5ml入った15ml容試験管
に移してCO2インキュベーター内で20分間インキュ
ベートした(SP、SRは25分間、WKYは35分間
程度)。 (6)インキュベート終了後、大動脈をPBSの入った
ペトリ皿に移して軽く洗浄した。ペトリ皿の蓋の方に大
動脈を移し、内腔を上にして開いた。綿棒をPBSに浸
して内膜面を軽くこすり、内皮の残りをとった。一端に
メスで軽く切れ目を入れ、切れ目より時計鉗子にて内中
膜を外膜から剥離した(この作業は、組織を乾燥させな
いよう、手早くする必要があった)。
き、小ハサミで縦に大動脈を切開した。 (5)付着した血液等を洗い落とした後、コラーゲナー
ゼ(1mg/ml)液が5ml入った15ml容試験管
に移してCO2インキュベーター内で20分間インキュ
ベートした(SP、SRは25分間、WKYは35分間
程度)。 (6)インキュベート終了後、大動脈をPBSの入った
ペトリ皿に移して軽く洗浄した。ペトリ皿の蓋の方に大
動脈を移し、内腔を上にして開いた。綿棒をPBSに浸
して内膜面を軽くこすり、内皮の残りをとった。一端に
メスで軽く切れ目を入れ、切れ目より時計鉗子にて内中
膜を外膜から剥離した(この作業は、組織を乾燥させな
いよう、手早くする必要があった)。
【0026】(7)中膜組織をメスにて1mm角程度に
細切した(この作業も、組織を乾燥させないように、手
早くする必要があった。) (8)綿棒の先に26G針で各組織片をひろい、25c
m2フラスコの底にはりつけた。その際、1つのフラス
コに30片程度に組織片をはりつけた(この作業も手早
く行った)。 (9)組織片に培地がかからないように5mlのDME
M−F(+)培地を加えた。 (10)フラスコにキャップをし、組織片をフラスコ面
に接着させるため立てた状態でCO2インキュベーター
内においた。組織片が接着後(10〜20分後;組織片
の周囲のPBSが少なくなったら可)、フラスコをゆっ
くり横にして組織片を培地につけた(組織片が乾燥しな
いように注意した)。 (11)5〜7日間静置し、遊走状態を観察した。遊走
したものは培地を取りかえ、更に静置した。 (12)充分量の細胞が遊走、繁殖したら継代培養(pa
ssage)を行った(組織片は可及的に除去するのが良い
が、残っていても構わない。)。
細切した(この作業も、組織を乾燥させないように、手
早くする必要があった。) (8)綿棒の先に26G針で各組織片をひろい、25c
m2フラスコの底にはりつけた。その際、1つのフラス
コに30片程度に組織片をはりつけた(この作業も手早
く行った)。 (9)組織片に培地がかからないように5mlのDME
M−F(+)培地を加えた。 (10)フラスコにキャップをし、組織片をフラスコ面
に接着させるため立てた状態でCO2インキュベーター
内においた。組織片が接着後(10〜20分後;組織片
の周囲のPBSが少なくなったら可)、フラスコをゆっ
くり横にして組織片を培地につけた(組織片が乾燥しな
いように注意した)。 (11)5〜7日間静置し、遊走状態を観察した。遊走
したものは培地を取りかえ、更に静置した。 (12)充分量の細胞が遊走、繁殖したら継代培養(pa
ssage)を行った(組織片は可及的に除去するのが良い
が、残っていても構わない。)。
【0027】
【実施例2】実施例1で調製した培養細胞(5〜10代
継代した細胞)を0.1%ウシ胎児血清にて48時間培
養した後、20%酸素又は1%酸素雰囲気下で、2、
4、8日間培養し、それぞれ培養液を得、試料とした。
これらの試料(各群ともにn=6)について、下記表2
の作業手順、条件にしたがい、全PGAM(T−PGA
M)値を日立7150自動分析器を用いて測定した。
継代した細胞)を0.1%ウシ胎児血清にて48時間培
養した後、20%酸素又は1%酸素雰囲気下で、2、
4、8日間培養し、それぞれ培養液を得、試料とした。
これらの試料(各群ともにn=6)について、下記表2
の作業手順、条件にしたがい、全PGAM(T−PGA
M)値を日立7150自動分析器を用いて測定した。
【0028】
【表2】
【0029】測定試薬としては、下記組成を有する試薬
1(R−1)及び試薬2(R−2)を用いた。
1(R−1)及び試薬2(R−2)を用いた。
【0030】 (試薬1):R−1 (ml) TEA緩衝液 (0.1mol/l、pH7.6) 40.32 MgSO4 (0.1mol/l) 0.54 NADH (14mmol/l) 0.90 ADP (21mmol/l) 1.80 G−2,3−P2 (7mmol/l) 0.90 LDH (5mg蛋白質/ml) 0.18 PK (2mg蛋白質/ml) 0.18 エノラーゼ (10mg蛋白質/ml) 0.18 (合計:45.00ml)
【0031】 (試薬2):R−2 (ml) G−3−P (95mmol/l) 3.00 TEA緩衝液 (0.1mol/l,pH7.6) 5.20 (合計:8.20ml)
【0032】試薬1(R−1)250μlと、培養液サ
ンプル5μlを混合し、5分間放置した。次いで試薬2
(R−2)を用いてPGAMの活性を測定した。試薬2
(R−2)にはグリセリン酸−3−リン酸(基質)が含
まれているので、試薬2を41μl添加することによっ
て反応を開始せしめた(基質スタート)。試薬2の添加
から約1.5分後に測定を開始した。
ンプル5μlを混合し、5分間放置した。次いで試薬2
(R−2)を用いてPGAMの活性を測定した。試薬2
(R−2)にはグリセリン酸−3−リン酸(基質)が含
まれているので、試薬2を41μl添加することによっ
て反応を開始せしめた(基質スタート)。試薬2の添加
から約1.5分後に測定を開始した。
【0033】測定には日立7150自動分析装置を用
い、アッセイコードをRATE−A:32−39、測定
温度を37℃に設定し、約1.5分NADHの減少によ
る吸光度A340nmの減少を測定した。なお、副波長
は405nmで測定を行った。得られた結果を下記表3
に示す。なお、同時に、従来から知られている細胞障害
マーカーLDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)の値も併記し
た。
い、アッセイコードをRATE−A:32−39、測定
温度を37℃に設定し、約1.5分NADHの減少によ
る吸光度A340nmの減少を測定した。なお、副波長
は405nmで測定を行った。得られた結果を下記表3
に示す。なお、同時に、従来から知られている細胞障害
マーカーLDH(乳酸デヒドロゲナーゼ)の値も併記し
た。
【0034】
【表3】
【0035】上記したSHRSP由来培養平滑筋細胞を
用いた低酸素暴露における細胞障害試験の結果から明ら
かなように、低酸素暴露において全PGAM値(U/L
/mg蛋白質)は高酸素暴露の場合よりも高く、PGA
Mは、細胞障害におけるマーカーとして利用できること
が明らかとなり、むしろLDHよりも更に感度の高いマ
ーカーであることが確認された。
用いた低酸素暴露における細胞障害試験の結果から明ら
かなように、低酸素暴露において全PGAM値(U/L
/mg蛋白質)は高酸素暴露の場合よりも高く、PGA
Mは、細胞障害におけるマーカーとして利用できること
が明らかとなり、むしろLDHよりも更に感度の高いマ
ーカーであることが確認された。
【0036】
【実施例3】胎生15日齢SHRSPのラット脳よりト
リプシン消化法によって培養アストロサイトを採取し、
これを培養して培養アストロサイト細胞を調製した。
リプシン消化法によって培養アストロサイトを採取し、
これを培養して培養アストロサイト細胞を調製した。
【0037】(アルコール消毒下) (1)胎生15〜22日齢ラットの脳を取り出した。 (2)ペトリ皿内のPBS(−)の中に入れた。
【0038】(クリーンベンチ内処理) (3)硬膜をはがした。脳をきれいにした後、細切し
た。 (4)細切する過程でペトリ皿を3回程度取り換えてき
れいにした。 (5)抗生物質(ストレプトマイシン及びペニシリン)
を通常使用の10倍程度添加して5分間放置した(2
回)。 (6)細切片を0.25%トリプシン処理した(37
℃、5〜7分)。 (7)パスツールピペットを用いて組織片が崩れる程度
に(10〜20回)ピペッティングをした。 (8)12,000rpmで5分間遠心処理して、ペレ
ットを採取した。
た。 (4)細切する過程でペトリ皿を3回程度取り換えてき
れいにした。 (5)抗生物質(ストレプトマイシン及びペニシリン)
を通常使用の10倍程度添加して5分間放置した(2
回)。 (6)細切片を0.25%トリプシン処理した(37
℃、5〜7分)。 (7)パスツールピペットを用いて組織片が崩れる程度
に(10〜20回)ピペッティングをした。 (8)12,000rpmで5分間遠心処理して、ペレ
ットを採取した。
【0039】(9)DMEM+10% FCS培地を加
え、トリプシン反応を止めた。 (10)12,000rpmで5分間遠心処理して、ペ
レットを採取した。 (11)脳1個あたり6ml培地で25cm2フラスコ
で培養した。
え、トリプシン反応を止めた。 (10)12,000rpmで5分間遠心処理して、ペ
レットを採取した。 (11)脳1個あたり6ml培地で25cm2フラスコ
で培養した。
【0040】
【実施例4】上記細胞培養液についてB−PGAMの測
定を行うに先立ち、四チオン酸カリウムのPGAM−B
及びPGAM−Mに対する影響を自動分析法によって検
討した。試料としては、B型及びM型の標準品(いずれ
もプール血清ベース)を用い、生理食塩水で希釈して1
/1〜1/8のサンプルを用意した。これらのサンプル
に各種濃度の四チオン酸カリウムを添加し、5分間反応
させた後、B型及びM型PGAM量を自動分析法を利用
して測定した。
定を行うに先立ち、四チオン酸カリウムのPGAM−B
及びPGAM−Mに対する影響を自動分析法によって検
討した。試料としては、B型及びM型の標準品(いずれ
もプール血清ベース)を用い、生理食塩水で希釈して1
/1〜1/8のサンプルを用意した。これらのサンプル
に各種濃度の四チオン酸カリウムを添加し、5分間反応
させた後、B型及びM型PGAM量を自動分析法を利用
して測定した。
【0041】実施例2の試薬を用い、自動分析法によっ
てPGAM−B、PGAM−M量をそれぞれ測定し、下
記表4の結果を得た。その結果から明らかなように、四
チオン酸カリウムによってM型アイソザイムのみが特異
的に失活し、B型アイソザイムは全く影響されないこと
が判った。
てPGAM−B、PGAM−M量をそれぞれ測定し、下
記表4の結果を得た。その結果から明らかなように、四
チオン酸カリウムによってM型アイソザイムのみが特異
的に失活し、B型アイソザイムは全く影響されないこと
が判った。
【0042】
【表4】
【0043】
【実施例5】実施例3で調製した培養細胞(5〜10代
継代した細胞)を0.1%ウシ胎児血清にて48時間培
養した後、20%酸素又は1%酸素雰囲気下で、2、
4、8日間培養し、それぞれ培養液を得、試料とした。
継代した細胞)を0.1%ウシ胎児血清にて48時間培
養した後、20%酸素又は1%酸素雰囲気下で、2、
4、8日間培養し、それぞれ培養液を得、試料とした。
【0044】この試料について、M型PGAMアイソザ
イム阻害剤として四チオン酸カリウムを用いて、PGA
M活性の測定を行った。測定試薬としては、実施例1で
使用したPGAM活性測定試薬(R−1)に2.25m
M(最終濃度1.9mM)となるように四チオン酸カリ
ウム(分子量302.4)を添加溶解し(R−1)試薬
22mlに四チオン酸カリウムを15mg溶解)、M型
を失活させ、B型PGAM活性測定試薬を調製した。
イム阻害剤として四チオン酸カリウムを用いて、PGA
M活性の測定を行った。測定試薬としては、実施例1で
使用したPGAM活性測定試薬(R−1)に2.25m
M(最終濃度1.9mM)となるように四チオン酸カリ
ウム(分子量302.4)を添加溶解し(R−1)試薬
22mlに四チオン酸カリウムを15mg溶解)、M型
を失活させ、B型PGAM活性測定試薬を調製した。
【0045】試薬1(R−1)に四チオン酸カリウムを
添加溶解した液250μlと、サンプル5μlを混合
し、5分間放置した。その間にサンプル中のM型(及び
MB型)PGAMが失活、阻害されるので、以下、試薬
2(R−2)を用いてB型PGAM値(U/L/mg蛋
白質)を測定し、得られた結果を表5に示した。
添加溶解した液250μlと、サンプル5μlを混合
し、5分間放置した。その間にサンプル中のM型(及び
MB型)PGAMが失活、阻害されるので、以下、試薬
2(R−2)を用いてB型PGAM値(U/L/mg蛋
白質)を測定し、得られた結果を表5に示した。
【0046】
【表5】
【0047】上記したSHRSP由来培養アストロサイ
ト細胞を用いた低酸素暴露における細胞障害試験の結果
から明らかなように、低酸素暴露においてB−PGAM
値は高酸素暴露の場合よりも高く、B−PGAMも細胞
障害におけるマーカーとして利用できることが明らかと
なった。なお、LDHについても測定を試みたが、あま
りにも低値であってマーカーとしては使用できなかっ
た。
ト細胞を用いた低酸素暴露における細胞障害試験の結果
から明らかなように、低酸素暴露においてB−PGAM
値は高酸素暴露の場合よりも高く、B−PGAMも細胞
障害におけるマーカーとして利用できることが明らかと
なった。なお、LDHについても測定を試みたが、あま
りにも低値であってマーカーとしては使用できなかっ
た。
【0048】
【発明の効果】本発明により、PGAM(T−PGA
M、B−PGAMその他のアイソザイムも包含する)を
測定することによって、低酸素状態を測定することがで
き、もって、細胞の障害、特に虚血性障害等の低酸素に
よる障害を測定することができ、また、PGAMは各種
細胞の障害マーカーとして広く利用することができる。
更に本発明によれば、低酸素以外の各種細胞毒性に起因
する細胞障害も広く測定でき、広範な細胞障害マーカー
(視点を変えれば、細胞毒性マーカー)として利用でき
る。
M、B−PGAMその他のアイソザイムも包含する)を
測定することによって、低酸素状態を測定することがで
き、もって、細胞の障害、特に虚血性障害等の低酸素に
よる障害を測定することができ、また、PGAMは各種
細胞の障害マーカーとして広く利用することができる。
更に本発明によれば、低酸素以外の各種細胞毒性に起因
する細胞障害も広く測定でき、広範な細胞障害マーカー
(視点を変えれば、細胞毒性マーカー)として利用でき
る。
フロントページの続き (72)発明者 谷口 嘉之 東京都板橋区小豆沢三丁目6番10号 オリ エンタル酵母工業株式会社内 (72)発明者 松尾 雄志 東京都板橋区小豆沢三丁目6番10号 オリ エンタル酵母工業株式会社内
Claims (10)
- 【請求項1】 ホスホグリセリン酸ムターゼ(PGA
M)又はそのアイソザイム測定試薬からなる細胞障害及
び/又は細胞毒性測定用試薬。 - 【請求項2】 PGAMのアイソザイムがB型アイソザ
イム又はM型アイソザイムであること、を特徴とする請
求項1に記載の試薬。 - 【請求項3】 PGAM測定試薬が、エノラーゼ、ピル
ビン酸キナーゼ、NADH、乳酸デヒドロゲナーゼを含
有するものであること、を特徴とする請求項1又は2に
記載の試薬。 - 【請求項4】 B型アイソザイム測定試薬がPGAM阻
害剤を含有すること、を特徴とする請求項1〜3のいず
れか1項に記載の試薬。 - 【請求項5】 PGAM阻害剤がポリチオン酸及び/又
はその誘導体であること、を特徴とする請求項4に記載
の試薬。 - 【請求項6】 PGAM阻害剤が四チオン酸のカリウム
塩及び/又はナトリウム塩であること、を特徴とする請
求項5に記載の試薬。 - 【請求項7】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の試
薬を用いて試料中のPGAMをレートアッセイ法によっ
て測定すること、を特徴とする細胞障害及び/又は細胞
毒性の測定方法。 - 【請求項8】 PGAM阻害剤を用いて材料を処理した
後、PGAMアイソザイムをレートアッセイ法によって
測定すること、を特徴とする細胞障害及び/又は細胞毒
性の測定方法。 - 【請求項9】 PGAM又はそのアイソザイムからなる
細胞障害又は細胞毒性マーカー。 - 【請求項10】 細胞障害が低酸素に起因する細胞障害
であること、を特徴とする請求項9に記載の細胞障害又
は細胞毒性マーカー。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10046349A JPH11225795A (ja) | 1998-02-13 | 1998-02-13 | 細胞障害マーカー |
EP99102683A EP0937779A3 (en) | 1998-02-13 | 1999-02-12 | Cell damage marker |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10046349A JPH11225795A (ja) | 1998-02-13 | 1998-02-13 | 細胞障害マーカー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11225795A true JPH11225795A (ja) | 1999-08-24 |
Family
ID=12744679
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10046349A Pending JPH11225795A (ja) | 1998-02-13 | 1998-02-13 | 細胞障害マーカー |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
EP (1) | EP0937779A3 (ja) |
JP (1) | JPH11225795A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008026290A (ja) * | 2006-07-25 | 2008-02-07 | Ehime Univ | 腫瘍マーカ、腫瘍診断キットおよび腫瘍マーカの測定方法 |
JP2009533056A (ja) * | 2006-04-10 | 2009-09-17 | ウィスコンシン・アルムニ・リサーチ・ファウンデーション | ヒト胚性幹細胞を使用して薬学的化合物および他の化学物質の毒性を評価するための試薬および方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3073667B2 (ja) * | 1995-06-01 | 2000-08-07 | オリエンタル酵母工業株式会社 | 脳卒中の新規マーカー |
-
1998
- 1998-02-13 JP JP10046349A patent/JPH11225795A/ja active Pending
-
1999
- 1999-02-12 EP EP99102683A patent/EP0937779A3/en not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009533056A (ja) * | 2006-04-10 | 2009-09-17 | ウィスコンシン・アルムニ・リサーチ・ファウンデーション | ヒト胚性幹細胞を使用して薬学的化合物および他の化学物質の毒性を評価するための試薬および方法 |
JP2008026290A (ja) * | 2006-07-25 | 2008-02-07 | Ehime Univ | 腫瘍マーカ、腫瘍診断キットおよび腫瘍マーカの測定方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0937779A2 (en) | 1999-08-25 |
EP0937779A3 (en) | 2000-05-17 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050210 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070925 |
|
A02 | Decision of refusal |
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