JPH1122544A - 耐摩環およびその製造方法ならびに耐摩環を装着したピストン - Google Patents

耐摩環およびその製造方法ならびに耐摩環を装着したピストン

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JPH1122544A
JPH1122544A JP19647497A JP19647497A JPH1122544A JP H1122544 A JPH1122544 A JP H1122544A JP 19647497 A JP19647497 A JP 19647497A JP 19647497 A JP19647497 A JP 19647497A JP H1122544 A JPH1122544 A JP H1122544A
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Yoshio Naruse
芳夫 成瀬
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    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2201/00Metals
    • F05C2201/02Light metals
    • F05C2201/021Aluminium

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  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造性がよく、熱伝導性が良好な焼結合金製
耐摩環を提供する。また、冷却路を有する耐摩環を提供
する。 【解決手段】 アルミニウム合金製ピストン1のリング
溝部に鋳包まれてトップリング溝3を形成する焼結合金
製耐摩環10は、リング溝上面とリング溝底面上部を形
成する上環状片11と、リング溝下面とリング溝底面下
部を形成する下環状片12とを接合して構成し、かつ、
銅合金で溶浸する。銅合金の溶浸工程で接合と溶浸を同
時に行える。耐摩環は、上環状片および下環状片の各接
合面に形成した環状凹部で冷却空洞を形成することがで
き、また、内周面に形成した環状凹部に環状パイプを配
置固定して冷却空洞を形成することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関用ピスト
ンのリング溝部に鋳包む焼結合金製耐摩環に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金製ピストンのトップリ
ング溝部の耐熱性・耐摩耗性を向上する技術として、 1.耐摩環をピストンのリング溝部に鋳包む技術 2.リング溝部をFRMとする技術 3.電子ビームによってピストンのリング溝部を高合金
化する技術 4.ピストンのリング溝部を陽極酸化する技術 等がある。
【0003】上記1.の耐摩環材料はニレジスト鋳鉄が
一般的である。このニレジスト鋳鉄製耐摩環は、重量が
大きく、材料費や機械加工費が高く、また熱伝導性が悪
いのでトップリング位置を上げることが困難になる。こ
の場合、未燃焼ガスが多くなるので、排ガス対策上不利
である。
【0004】上記欠点を解消するために、耐摩環を焼結
合金製とする提案がある(特公昭57−32743号、
特開平8−332562号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、耐摩環
を焼結合金製とする上記技術は、耐摩環を一体焼結する
ので、粉末の圧粉成形や機械加工でリング溝部形状の耐
摩環を形成することが困難であった。このため、ピスト
ンのリング溝部に焼結合金製耐摩環は使用されていな
い。
【0006】本発明の目的は、製造性がよく、熱伝導性
が良好な焼結合金製耐摩環を提供することである。本発
明のさらに別の目的は、冷却路を有する耐摩環を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、ピストンのリ
ング溝部に鋳包む焼結合金製の耐摩環において、前記耐
摩環は、リング溝上面とリング溝底面上部を形成する上
環状片と、リング溝下面とリング溝底面下部を形成する
下環状片とが接合された構造を有しており、かつ、銅合
金で溶浸されていることを特徴とする。
【0008】ピストンのリング溝部を冷却するために、
耐摩環には冷却路が設けられるのが望ましく、下記の構
成を備えているのがよい。
【0009】すなわち、前記上環状片および下環状片の
各接合面に環状凹部が形成され、これらの環状凹部が組
み合わされて冷却空洞を形成し、かつ、この冷却空洞に
連通する入口孔が前記上下の環状片のいずれかに形成さ
れているとともに、前記冷却空洞に連通する出口孔が前
記上下の環状片のいずれかに形成される。
【0010】あるいは、次のように構成してもよい。す
なわち、前記上環状片および下環状片の内周面と接合面
とが交わる各稜部に切り欠きが形成され、これらの切り
欠きが組み合わされて形成された環状凹部に環状の冷却
用パイプが配置され、この冷却用パイプに入口孔と出口
孔とが形成される。
【0011】本発明の耐摩環は、上環状片と下環状片と
が接合されている構造を有しているため、上下の環状片
をそれぞれ圧粉成形し、焼結で製造できる。したがっ
て、製造性がよい。上下の環状片は圧粉成形金型から容
易に抜くことができ、完成寸法に近い素材を製造でき
る。そのため、重量が少なく、機械加工費も少なくでき
る。
【0012】そして、本発明の耐摩環は銅合金の溶浸工
程で溶浸と上下の環状片の接合を同時に行うことができ
る。溶浸工程でスケルトンの空孔が銅合金で溶浸され
て、熱伝導性が向上し、鋳包み性のよい耐摩環が得られ
る。
【0013】また、本発明の耐摩環に上述したようにし
て冷却路を形成するようにすれば、可溶性中子を用いて
冷却空洞を形成する鋳造法によらず、容易に冷却路を形
成することができる。本発明は、耐摩環に冷却路が設け
られているので、鋳包みの際の取扱いが容易であり、ピ
ストンのリング溝部を直接冷却できる利点の他、コンパ
クトにできてピストン設計上の自由度が大きくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1〜図3により、本発明の一実
施形態を説明する。
【0015】ピストン1はアルミニウム合金製で、外周
面2に形成されているトップリング溝3にトップリング
4が装着されている。5はトップリング4が摺動するシ
リンダ6の内壁面である。
【0016】トップリング溝3は耐摩環10が鋳包まれ
て構成されている。耐摩環10は外周に切欠部が形成さ
れている断面コ字状の環状部材であり、ピストン1のリ
ング溝部に鋳包まれてトップリング溝3の上面と下面と
底面とを形成している。
【0017】耐摩環10は焼結合金製で、銅合金で溶浸
されている。焼結合金の組成は例えばC0.5%以下、
Cr5〜7%、Mo1〜5%、Co2〜10%、Ni1
〜20%、V0.2〜0.8%、残りFeおよび不純物
からなっている。
【0018】以下、耐摩環の詳細な構造を説明する。
【0019】耐摩環10は、リング溝上面とリング溝底
面上部とを形成する断面L字状の上環状片11と、リン
グ溝下面とリング溝底面下部とを形成する断面L字状の
下環状片12とが接合されて形成されている。
【0020】上環状片11は、外周下部に切り欠き13
が形成されている断面L字状の環状部材であり、上面1
4と2つの下面15,16と内周面17と2つの外周面
18,19とを有している。上面14はピストン1のリ
ング溝部の上壁面と接合する面であり、リング溝底面側
の端部は水平面に形成され、残りの面は外周側に向かっ
て切り欠き13側に傾斜している円錐面に形成されてい
る。上面14の端部の水平面は耐摩環の製造時に圧粉成
形体を積層しやすくする。2つの下面15,16のう
ち、切り欠き13に臨んでいる下面15は水平面に形成
されてリング溝上面になり、下側の下面16は水平な接
合面を形成している。内周面17はピストン1のリング
溝部の底壁面と接合する面で垂直面に形成されている。
2つの外周面18,19のうち、外側の外周面18は垂
直面に形成されてピストン1の外周面になり、切り欠き
13に臨んでいる外周面19は垂直面に形成されてリン
グ溝底面になる。
【0021】下環状片12は上環状片11と上下対称に
形成されている。すなわち、下環状片12は外周上部に
切り欠き20が形成されている断面L字状の環状部材で
あり、下面21と2つの上面22,23と内周面24と
2つの外周面25,26とを有している。下面21はピ
ストン1のリング溝部の下壁面と接合する面であり、リ
ング溝底面側の端部は水平面に形成され、残りの面は外
周側に向かって切り欠き20側に傾斜している円錐面に
形成されている。2つの上面22,23のうち、切り欠
き20に臨んでいる上面22は水平面に形成されてリン
グ溝下面になり、上側の上面23は水平な接合面を形成
している。内周面24はピストン1のリング溝部の底壁
面と接合する面で垂直面に形成されている。2つの外周
面25,26のうち、外側の外周面25は垂直面に形成
されてピストン1の外周面になり、切り欠き20に臨ん
でいる外周面26は垂直面に形成されてリング溝底面に
なる。
【0022】上環状片11と下環状片12は上下対称に
配置され、上環状片11の下面(接合面)16と下環状
片12の上面(接合面)23とが接合されて耐摩環10
が形成され、上環状片11と下環状片12の外周側の切
り欠き13,20は合体してリング溝を構成する。
【0023】以下、上記焼結合金製耐摩環10の製造方
法を説明する。
【0024】Fe粉、フェロクロム粉末、フェロモリブ
デン粉末、フェロバナジウム粉末およびCo粉末、Ni
粉末を上述した組成範囲となるように混合して、上環状
片11(下環状片12)の形状に圧粉成形する。
【0025】次に、粉末成形体としての上環状片11と
下環状片12を、上環状片11の下面(接合面)16と
下環状片12の上面(接合面)23との間に環状の溶浸
用銅合金板27を介装して積層し、さらにこの積層品を
多数組、環状の溶浸用銅合金板28を介装して上下に積
層し、焼結と同時に銅合金溶浸する。この溶浸工程で、
上環状片11の下面(接合面)16と下環状片12の上
面(接合面)23が接合されるとともに、上下の環状片
11,12が銅合金で溶浸される。焼結および銅合金溶
浸後、耐摩環10同士を分離する。
【0026】なお、耐摩環10同士は上環状片11の上
面14端部と下環状片12の下面21端部の水平面部分
が銅合金で接合されるが、前記水平面部分の長さは短
く、さらに溶浸用銅合金の量を所要量に比べて過大にな
らないようにすれば、溶浸後、耐摩環10同士は容易に
分離可能である。
【0027】上記耐摩環10をピストン1に鋳包むに
は、耐摩環10を予熱し、圧力鋳造機のピストン金型に
セットして、アルミニウム合金を注湯、充填後、加圧し
て、凝固後、取り出せばよい。
【0028】図4および図5は本発明の別の実施形態2
を示している。本実施形態2の耐摩環10Aは、前記実
施形態1で説明した耐摩環10の内周側に全周にわたっ
て冷却空洞形成部分が突出形成されているものである。
【0029】すなわち、本実施形態2の耐摩環10Aの
上環状片11Aは、前記実施形態1で説明した上環状片
11の内周面の全周にわたって下面(接合面)16が内
周側に延長するようにして冷却空洞形成部分30が突出
形成されており、この環状の冷却空洞形成部分30の下
面(接合面)16に環状凹部31が形成されている。な
お、冷却空洞形成部分30の上面14aは前記実施形態
1で説明した上環状片11の上面14の水平面よりも少
し下側に位置されている。
【0030】下環状片12Aは、上環状片11Aと上下
対称に形成されている。すなわち、下環状片12Aは、
前記実施形態1で説明した下環状片12の内周面の全周
にわたって上面(接合面)23が内周側に延長するよう
にして冷却空洞形成部分32が突出形成されており、こ
の環状の冷却空洞形成部分32の上面(接合面)23に
環状凹部33が形成されている。冷却空洞形成部分32
の下面21aは前記実施形態1で説明した下環状片12
の下面21の水平面よりも少し上側に位置されている。
なお、下環状片12Aには冷却空洞形成部分32の環状
凹部33にそれぞれ連通する冷却液の入口孔34と出口
孔35とが、円周上の所定位置に冷却空洞形成部分32
を軸方向に貫通するように形成されており、この部分が
上環状片11Aと相違している。
【0031】上環状片11Aと下環状片12Aは上下対
称に配置され、上環状片11Aの下面(接合面)16と
下環状片12Aの上面(接合面)23とが接合されて耐
摩環10Aが形成され、上環状片11Aと下環状片12
Aの外周側の切り欠き13,20は合体してリング溝を
構成し、さらに、上環状片11Aと下環状片12Aの内
周側の環状凹部31,33は合体して冷却空洞36を構
成する。
【0032】耐摩環10Aは、前記実施形態1で説明し
たのと同じようにして製造する。すなわち、粉末成形体
としての上環状片11Aと下環状片12Aを、上環状片
11Aの下面(接合面)16と下環状片12Aの上面
(接合面)23との間に環状の溶浸用銅合金板を介装し
て積層し、さらにこの積層品を多数組、環状の溶浸用銅
合金板を介装して上下に積層し、焼結と同時に銅合金溶
浸する。この溶浸工程で、上環状片11Aの下面(接合
面)16と下環状片12Aの上面(接合面)23が接合
されるとともに、上下の環状片11A,12Aが銅合金
で溶浸される。焼結および銅合金溶浸後、耐摩環10A
同士を分離する。
【0033】上記耐摩環10Aをピストン1に鋳包む際
は、耐摩環10Aの冷却空洞36に連通している入口孔
34と出口孔35にそれぞれスチール製の冷却用パイプ
の一端を差し込み、それを予熱し、圧力鋳造機のピスト
ン金型にセットする。次に、アルミニウム合金を注湯、
充填後、加圧して、凝固後、取り出せばよい。
【0034】図4に上記冷却用パイプが示されている。
ただし、図4は入口側の冷却用パイプ37を示してお
り、一端は入口孔34に接続し、他端はピストン1の中
空部内に突出配置されている。出口側の冷却用パイプも
入口側の冷却用パイプ37と同じように構成され、一端
は出口孔35に接続し、他端はピストン1の中空部内に
突出配置されている。40はセカンドリング溝41に装
着されているセカンドリングであり、42はオイルリン
グ溝43に装着されている組合せオイルリングである。
【0035】したがって、冷却油が図示外の冷却油供給
手段により、入口側の冷却用パイプ37を通じて冷却空
洞36内に送り込まれると、冷却油は冷却空洞36内を
流れてピストン1のトップリング溝3を冷却した後、出
口側の冷却用パイプからピストン1の中空部内に排出す
る。スケルトンの空孔は銅合金の溶浸工程で溶浸され封
孔されるので、冷却空洞36からトップリング溝3へ冷
却油が漏れることはない。
【0036】図6および図7は本発明のさらに別の実施
形態3を示している。本実施形態3の耐摩環10Bは、
前記実施形態1で説明した耐摩環10の内周側に全周に
わたって環状の冷却用パイプ50が配置されているもの
である。
【0037】すなわち、本実施形態3の耐摩環10Bの
上環状片11Bは、前記実施形態1で説明した上環状片
11の内周面17と下面(接合面)16とが交わる稜部
に全周にわたって断面円弧状の切り欠き51が形成され
ている。
【0038】下環状片12Bは、上環状片11Bと上下
対称に形成されている。すなわち、下環状片12Bは、
前記実施形態1で説明した下環状片12の内周面24と
上面(接合面)23とが交わる稜部に全周にわたって断
面円弧状の切り欠き52が形成されている。なお、下環
状片12Bの内周面には、後述する入口用冷却パイプと
出口用冷却パイプが配置するための断面半円状の軸方向
溝が円周上の所定位置に2箇所形成されている。図7に
入口用冷却パイプが配置するための軸方向溝53が示さ
れており、出口用冷却パイプが配置するための軸方向溝
も同じように構成されている。
【0039】上環状片11Bと下環状片12Bは上下対
称に配置され、上環状片11Bの下面(接合面)16と
下環状片12Bの上面(接合面)23とが接合されて耐
摩環10Bが形成され、上環状片11Bと下環状片12
Bの外周側の切り欠き13,20は合体してリング溝を
構成し、さらに、上環状片11Bと下環状片12Bの内
周側の切り欠き51,52が合体して断面半円状の環状
凹部が構成され、その環状凹部に環状のスチール製冷却
用パイプ50が配置される。冷却用パイプ50には円周
上の所定位置の下面に入口孔54と出口孔55とが形成
されている。
【0040】耐摩環10Bは、前記実施形態1で説明し
たのと同じようにして製造する。すなわち、粉末成形体
としての上環状片11Bと下環状片12Bを、上環状片
10Bの下面(接合面)16と下環状片12Bの上面
(接合面)23との間に環状の溶浸用銅合金板を介装し
て積層する。この際、内周側に形成される環状凹部に環
状の冷却用パイプ50を配置する。冷却用パイプ50は
スチール製のパイプを環状に成形し、合口を溶接した
後、入口孔54と出口孔55を孔あけ加工して形成され
る。そして、上記積層品を多数組、環状の溶浸用銅合金
板を介装して上下に積層し、焼結と同時に銅合金溶浸す
る。この溶浸工程で、上環状片10Bの下面(接合面)
16と下環状片12Bの上面(接合面)23が接合され
るとともに、上下の環状片11B,12Bが銅合金で溶
浸される。焼結および銅合金溶浸後、耐摩環10B同士
を分離する。以上により、内周に環状の冷却用パイプ5
0が配置固定されている耐摩環10Bが製造される。
【0041】上記耐摩環10Bをピストン1に鋳包む際
は、耐摩環10Bの内周に配置されている環状パイプ5
0の入口孔54と出口孔55にそれぞれスチール製の冷
却用パイプの一端を差し込み、それを予熱し、圧力鋳造
機のピストン金型にセットする。次に、アルミニウム合
金を注湯、充填後、加圧して、凝固後、取り出せばよ
い。
【0042】各冷却用パイプは上記実施形態2で説明し
たと同じように、入口側の冷却用パイプは一端が入口孔
54に接続し、他端はピストン1の中空部内に突出配置
され、出口側の冷却用パイプは一端が出口孔55に接続
し、他端はピストン1の中空部内に突出配置される。図
6において、40はセカンドリング溝41に装着されて
いるセカンドリングであり、42はオイルリング溝43
に装着されている組合せオイルリングである。
【0043】したがって、冷却油が図示外の冷却油供給
手段により、入口側の冷却用パイプを通じて環状の冷却
用パイプ50内に送り込まれると、冷却油は環状の冷却
用パイプ50内を流れてピストン1のトップリング溝3
を冷却した後、出口側の冷却用パイプからピストン1の
中空部内に排出する。
【0044】なお、以上の実施形態で示したように、上
環状片と下環状片を上下対称に構成すると、1種類の焼
結素材を上環状片と下環状片の両方に使用可能である。
【0045】また、上記実施形態では、焼結と銅合金溶
浸を同時に行っているが、焼結工程と銅合金溶浸工程を
分離して行ってもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、製
造性がよく、熱伝導性が良好な焼結合金製耐摩環を提供
することができる。また、冷却路を有する耐摩環を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す縦断面図である。
【図2】(a)は図1に示す耐摩環の平面図、(b)は
(a)におけるX−X線断面図である。
【図3】上下の環状片と溶浸用銅合金板との積層状態を
示す縦断面図である。
【図4】本発明の別の実施形態を示す縦断面図である。
【図5】(a)は図4に示す耐摩環の底面図、(b)は
(a)におけるY−Y線断面図である。
【図6】本発明のさらに別の実施形態を示す縦断面図で
ある。
【図7】(a)は図6に示す耐摩環の底面図、(b)は
(a)におけるZ−Z線断面図である。
【符号の説明】
1…ピストン、2…外周面、3…トップリング溝、4…
トップリング、5…シリンダ内壁面、6…シリンダ、1
0,10A,10B…耐摩環、11,11A,11B…
上環状片、12,12A,12B…下環状片、13…切
り欠き、14…上面、15,16…下面、17…内周
面、18,19…外周面、20…切り欠き、21…下
面、22,23…上面、24…内周面、25,26…外
周面、27,28…溶浸用銅合金板、30,32…冷却
空洞形成部分、31,33…環状凹部、34…入口孔、
35…出口孔、36…冷却空洞、37…冷却用パイプ、
40…セカンドリング、41…セカンドリング溝、42
…組合せオイルリング、43…オイルリング溝、50…
冷却用パイプ、51,52…切り欠き、53…軸方向
溝、54…入口孔、55…出口孔。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピストンのリング溝部に鋳包む焼結合金
    製の耐摩環において、前記耐摩環は、リング溝上面とリ
    ング溝底面上部を形成する上環状片と、リング溝下面と
    リング溝底面下部を形成する下環状片とが接合された構
    造を有しており、かつ、銅合金で溶浸されていることを
    特徴とする耐摩環。
  2. 【請求項2】 前記上環状片および下環状片の各接合面
    に環状凹部が形成され、これらの環状凹部が組み合わさ
    れて冷却空洞を形成しており、かつ、この冷却空洞に連
    通する入口孔が前記上下の環状片のいずれかに形成され
    ているとともに、前記冷却空洞に連通する出口孔が前記
    上下の環状片のいずれかに形成されていることを特徴と
    する請求項1記載の耐摩環。
  3. 【請求項3】 前記上環状片および下環状片の内周面と
    接合面とが交わる各稜部に切り欠きが形成され、これら
    の切り欠きが組み合わされて形成された環状凹部に環状
    の冷却用パイプが配置されており、この冷却用パイプに
    入口孔と出口孔とが形成されていることを特徴とする請
    求項1記載の耐摩環。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の耐摩環がリング溝部に鋳
    包まれていることを特徴とするアルミニウム合金製ピス
    トン。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の耐摩環がリング溝部に鋳
    包まれているとともに、この耐摩環の冷却空洞に連通し
    ている入口孔に一端部が接続し他端部がピストンの中空
    部内に臨んでいる冷却用パイプと、前記耐摩環の冷却空
    洞に連通している出口孔に一端部が接続し他端部がピス
    トンの中空部内に臨んでいる冷却用パイプとがピストン
    内部に鋳包まれていることを特徴とするアルミニウム合
    金製ピストン。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の耐摩環がリング溝部に鋳
    包まれているとともに、この耐摩環の内周に配置されて
    いる環状の冷却用パイプの入口孔に一端部が接続し他端
    部がピストンの中空部内に臨んでいる冷却用パイプと、
    前記環状の冷却用パイプの出口孔に一端部が接続し他端
    部がピストンの中空部内に臨んでいる冷却用パイプとが
    ピストン内部に鋳包まれていることを特徴とするアルミ
    ニウム合金製ピストン。
  7. 【請求項7】 リング溝上面とリング溝底面上部を形成
    する上環状片と、リング溝下面とリング溝底面下部を形
    成する下環状片とをそれぞれ焼結により形成し、これら
    を銅合金の溶浸工程で接合して、焼結合金製耐摩環を製
    造することを特徴とする耐摩環の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100444863B1 (ko) * 2002-02-19 2004-08-21 현대자동차주식회사 피스톤 링의 구조

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