JPH1122455A - 自動車排気系用フレキシブルチューブ - Google Patents

自動車排気系用フレキシブルチューブ

Info

Publication number
JPH1122455A
JPH1122455A JP18191597A JP18191597A JPH1122455A JP H1122455 A JPH1122455 A JP H1122455A JP 18191597 A JP18191597 A JP 18191597A JP 18191597 A JP18191597 A JP 18191597A JP H1122455 A JPH1122455 A JP H1122455A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bellows
outer cylinder
flexible tube
fitted
conical coil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP18191597A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiichi Nitta
誠一 新田
Shoji Watanabe
省司 渡辺
Kenji Kodaira
健司 小平
Hiroyuki Aihara
広之 相原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Marelli Corp
Original Assignee
Calsonic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Calsonic Corp filed Critical Calsonic Corp
Priority to JP18191597A priority Critical patent/JPH1122455A/ja
Publication of JPH1122455A publication Critical patent/JPH1122455A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Exhaust Silencers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン側に取り付けられる第1排気管とマ
フラ側に取り付けられる第2排気管の相対変位を吸収す
る自動車排気系用フレキシブルチューブにおいて、小型
軽量、低コスト、高変位吸収性、高耐久性という要求性
能を全て満足する実用価値の高いフレキシブルチューブ
を提供すること。 【解決手段】 第1排気管1と第2排気管2に両端部が
接続され、両排気管1,2の変位を吸収するベローズ3
と、鋼板材によりベローズ3の外周を覆う筒状に形成さ
れ両端に内向きのアール曲げ部11a,11bが設けら
れた外筒4と、外筒4と同軸上に配置され該外筒4のア
ール曲げ部11a,11bに沿って大径部が嵌着し該嵌
着部分が栓溶接固定され、小径部がサポートカラー6
a,6bに固定された円錐コイルバネ7a,7bと、を
備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用排気系の
エンジン側に取り付けられる第1排気管とマフラ側に取
り付けられる第2排気管の相対変位を吸収するベローズ
を有する自動車排気系用フレキシブルチューブの技術分
野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車排気系用フレキシブルチュ
ーブとしては、例えば、下記に列挙するようなものが知
られている。
【0003】(1) 実開昭61−187916号公報 この公報に記載のフレキシブルチューブは、図8に示す
ように、排気管に接続されるベローズと、ベローズの外
周に配置されるアウタブレードと、アウタブレードの両
端部に設けられ、アウタブレードとベローズとをスポッ
ト溶接するプロテクタを備えた構成である。
【0004】(2) 実開平2−14418号公報 この公報に記載のフレキシブルチューブは、図9
(イ),(ロ)に示すように、排気管に接続されるベロ
ーズと、ベローズの両端外周にそれぞれ配置されるバネ
支管と、両バネ支管の間に架設されるバネ材を備えた構
成である。
【0005】(3) 実開平4−6523号公報 この公報に記載のフレキシブルチューブは、図10に示
すように、排気管に接続されるベローズと、ベローズの
外周に配置され、一端がベローズに固定された網状のア
ウタブレードと、アウタブレードの他端部に固定された
クランプ材とベローズに固定された円筒体との間に介装
された圧縮スプリングとを備えた構成である。
【0006】(4) 特開平6−117243号公報 この公報に記載のフレキシブルチューブは、図11に示
すように、排気管に接続されるベローズと、ベローズの
外周に配置され、一端がベローズの一端に固定された第
1アウタカバーと、一端がベローズの他端に固定され他
端がベローズおよび第1アウタカバーの外周に配置され
た第2アウタカバーと、第1アウタカバーと第2アウタ
カバーとの間に複数介装されたスプリングとを備えた構
成である。
【0007】(5) 実開平3−47421号公報 この公報に記載のフレキシブルチューブは、図12に示
すように、ベローズ503の外周の全体にワイヤメッシ
ュ502を介して円筒形のシェル501を設け、サポー
トカラー505とシェル501の折り曲げ部分で形成し
た迷路構造内にもワイヤメッシュ502を配設した構成
となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の自動車排気系用フレキシブルチューブにあっては、
それぞれ下記に列挙するような問題がある。
【0009】(1) 図8に記載のフレキシブルチューブ
は、アウタブレードの製造バラツキによってフレキシブ
ルチューブのバネ定数が大きく影響され、振動変位の吸
収特性にバラツキが出る。また、ステンレス鋼線を編ん
で作られるアウタブレードが高価である。よって、振動
変位の吸収特性を確保するために採用される山数の多い
ベローズにより大型化し、また、ベローズを保護するた
めに採用されるアウタブレードにより高コスト化を招
く。
【0010】(2) 図9に記載のフレキシブルチューブ
は、ベローズの中央部が外部露出状態となるため、飛び
石等によりベローズが損傷され易く、ベローズ耐久性に
劣る。
【0011】また、バネ材が外方に大きく突出している
ため、外径の大きなフレキシブルチューブとなる。走行
中、外方に大きく露出状態で突出しているバネ材に泥等
が付着した場合、バネ特性が変化し、所望の変位吸収性
が得られなくなる。
【0012】(3) 図10に記載のフレキシブルチューブ
は、基本的にはステンレス鋼線を編んで作られるアウタ
ブレードを用いたものであるため、上記(1) の問題点を
有する。加えて、圧縮スプリングにより引っ張り変位に
対する吸収性は高まるが、圧縮変位に対する吸収性の向
上は見込めない。
【0013】(4) 図11に記載のフレキシブルチューブ
は、ベローズの外周に配置される第1・第2両アウタカ
バーの外周に、さらにスプリング径プラスアルファ−の
張り出し部が形成されるため、外径の大きなフレキシブ
ルチューブとなり、取付場所に制約を受け易く、車両の
最低地上高や路面干渉性に悪影響を与える。
【0014】また、スプリングはベローズの周方向に複
数配置されるため、スプリング特性のばらつきによる
悪影響、即ち、曲げ方向のバネ定数に左右あるいは上下
方向で差が生じ、振動吸収力にむらが発生し、また、引
っ張り圧縮荷重が印加された場合にベローズ曲げ方向の
力が掛かることが考えられる。バネ単品のバネ定数
は、相対的に弱い設計となるため、排気系の振動で振ら
れて他部品との干渉音が発生し易くなる。曲げ変形ま
たは剪断変形力の作用する方向によっては、両アウタカ
バーおよびベローズに加わる応力に差異が発生するた
め、耐久性の点で不利である。
【0015】(5) 図12に記載のフレキシブルチューブ
は、ベローズ503の変形と同時にワイヤメッシュ50
2が弾性変形するから、フレキシブルチューブのバネ定
数は、ベローズのバネ定数にワイヤメッシュのバネ定数
を加えたものとなり、変移量が増大するのにしたがって
大きくなる。特にワイヤメッシュ502が部分変形など
をしてベローズ503の谷に入り込んだ場合は、圧縮に
対してバネ定数が高くなるから製品にばらつきが生じる
ことがある。また、ワイヤメッシュの分、重量が増える
し、ベローズの熱が外部に開放されにくいことで熱影響
を受け、耐久性が低下するなどの欠点がある。
【0016】(6) ところで、図6に示すように、コイル
バネ301の端部を外筒302やサポートカラー303
に固定する構造とする場合、このコイルバネの大径部を
外筒端に固定する部分では、まずコイルバネ外周面と外
筒端縁とで形成される角部304に対して隅肉溶接する
固定方法が簡単に考えられる。
【0017】ここで、前記のようなフレキシブルチュー
ブにおいて、ベローズ305を固定するサポートカラー
303は(インナーカバー306がある場合はそのイン
ナーカバーも含めて)、その端部同士を排気管307に
対して一体に溶接止めされている。この場合、その溶接
によるスパッタがコイルバネに付着しコイルバネの性能
劣化を招く恐れがある。従って、このスパッタ付着防止
のため、図6に示すように延長代308を設けることに
より、溶接位置309をコイルバネ301からできるだ
け離す必要がある。
【0018】しかしながら、前記のような隅肉溶接方法
では、溶接トーチ310を管軸方向から斜めに傾けなけ
ればならないから、実際はサポートカラーなどが干渉し
てこの方向からの溶接は不可能となっている。
【0019】以上のように、それぞれについて一長一短
があり、小型軽量、低コスト、高変位吸収性、高耐久性
という自動車排気系用フレキシブルチューブに要求され
る性能を全て満足するものではなく、現在最も一般的に
採用されている図8に記載のフレキシブルチューブに代
わる新たなフレキシブルチューブの出現が望まれている
ところである。
【0020】本発明が解決しようとする課題は、自動車
用排気系のエンジン側に取り付けられる第1排気管とマ
フラ側に取り付けられる第2排気管の相対変位を吸収す
るベローズを有する自動車排気系用フレキシブルチュー
ブにおいて、組み立てが容易で小型軽量、低コスト、高
変位吸収性、高耐久性という要求性能を全て満足する実
用価値の高いフレキシブルチューブを提供することにあ
る。
【0021】
【課題を解決するための手段】
(解決手段1)上記課題を達成するため請求項1記載の
発明では、第1排気管と第2排気管に両端部が接続さ
れ、両排気管の変位を吸収するベローズと、プレート材
により前記ベローズの外周を覆う筒状に形成され、かつ
一端側に内向きのアール曲げ部が設けられた外筒と、前
記外筒の他端側から延設され先端部がベローズの他端部
に嵌着固定されたプロテクタと、前記ベローズの他端部
に嵌着固定されたサポートカラーと、前記外筒と同軸上
に配置され該外筒のアール曲げ部に沿って大径部が嵌着
し該嵌着部分がアール曲げ部に栓溶接固定され、かつ小
径部が前記サポートカラーに固定された円錐コイルバネ
と、を備えていることを特徴とする。
【0022】よって、第1排気管と第2排気管とが管軸
方向に変位しフレキシブルチューブに対し外力が作用す
る場合、圧縮荷重と引張荷重はベローズと円錐コイルバ
ネとの両方に作用する。
【0023】このため、ベローズの板厚を薄くしてベロ
ーズのバネ定数を低く設定してもフレキシブルチューブ
のトータルバネ定数は円錐コイルバネで補うことがで
き、フレキシブルチューブの小型軽量低コスト化が達成
される。
【0024】第1排気管と第2排気管に管軸方向の変位
を与えるような外力が作用した場合、ベローズと円錐コ
イルバネが、荷重の作用方向に追従する圧縮または引っ
張り変形することにより変位が吸収される。尚、円錐コ
イルバネはベローズと同心円の単独バネであって曲げ変
形や剪断変形方向によるバネ定数に差がないため、第1
排気管と第2排気管に曲げ方向や剪断方向の変位を与え
るような外力が作用しても、変形自由度の高いベローズ
と円錐コイルバネがその外力の作用方向に係らず均一に
荷重の作用方向に追従して曲げ変形や剪断変形すること
により吸収される。つまり、ベローズと円錐コイルバネ
との両方を用いた変位吸収作用が達成されると共に、曲
げ変形や剪断変形方向によるバネ定数に差がないため、
変位および振動吸収力にムラがなく、耐久性向上が達成
される。
【0025】さらに、円錐コイルバネは圧縮荷重にも引
張荷重にも作用し、フレキシブルチューブに加わる外力
がベローズと円錐コイルバネに分散されるため、ベロー
ズの荷重負担が軽減される。
【0026】また、走行中に石跳ね等があった場合、外
筒による保護作用でベローズ及び円錐コイルバネの変形
や損傷が防止される。
【0027】円錐コイルバネは、大径部が外筒端部のア
ール曲げ部に嵌着し、この嵌着部分がアール曲げ部に対
し栓溶接される。前記嵌着部分は管軸に対し斜め外方に
向いているから、このアール曲げ部に対し円錐コイルバ
ネを栓溶接する場合、その溶接トーチは管軸に対し外方
から向けられるので、他の構造物に干渉されることな
く、簡単に溶接固定することができる。
【0028】(解決手段2)請求項2記載の発明では、
第1排気管と第2排気管に両端部が接続され、両排気管
の変位を吸収するベローズと、プレート材により前記ベ
ローズの外周を覆う筒状に形成され、かつ両端にそれぞ
れ内向きのアール曲げ部が設けられた外筒と、前記ベロ
ーズの両端部にそれぞれ嵌着固定されたサポートカラー
と、前記外筒と同軸上に配置され該外筒のアール曲げ部
に沿ってそれぞれ大径部が嵌着し該嵌着部分がアール曲
げ部に栓溶接固定され、かつ小径部が前記サポートカラ
ーに固定された円錐コイルバネと、を備えていることを
特徴とする。
【0029】よって、上記請求項1記載の発明の作用が
得られる他、第1・第2両円錐コイルバネにより外筒が
両持ち状態で完全な弾性支持状態となり、円錐コイルバ
ネの変形範囲では外筒に応力が作用することがないた
め、耐久的にさらに有利である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0031】(実施の形態1)まず、構成を説明する。
実施の形態1は請求項2記載の発明に対応する。図1は
実施の形態1の自動車排気系用フレキシブルチューブA
1を示す半断面図である。
【0032】図1において、1は第1排気管、2は第2
排気管、3はベローズ、4は外筒、6aは第1サポート
カラー,6bは第2サポートカラー、7aは第1円錐コ
イルバネ,7bは第2円錐コイルバネ、8aは第1イン
ナカバー,8bは第2インナカバーである。
【0033】前記ベローズ3は、第1排気管1と第2排
気管2にそれぞれ装着されたインナカバー8a,8bの
上から両端部を挿入して接続されている。尚、ベローズ
3の両端には前記第1サポートカラー6aと第2サポー
トカラー6bが挿入され固定されている。前記ベローズ
3の素材としては、厚み0.2mm(従来は厚み0.3
mm)のステンレス薄肉板を2層重ね合わせた薄肉多層
品を使用し、山数を従来より大幅に削減し(21〜28
山→8〜9山)、等価のバネ定数を得ている。
【0034】前記外筒4は、鋼板材によりベローズ3の
略全長に亘る外周を覆う筒状に形成され、その両端には
図2にも示すように、それぞれ筒状部両端を管軸に直交
する方向に曲げ加工して形成した内向きのアール曲げ部
11a,11bが設けられている。このアール曲げ部1
1a,11bは、それぞれ内径が円錐コイルバネ7a,
7bの線径と略同一大きさとなるように形成されてい
る。そして、前記アール曲げ部11a,11bには、そ
れぞれ栓溶接用の楕円形状の穴12a,12bが複数個
ずつ均等に開設されている。
【0035】前記第1,第2円錐コイルバネ7a,7b
は、それぞれ小径部70a,70bの内径がサポートカ
ラー6a,6bの外径と略同一大きさに形成され、大径
部71a,71bの外径が前記外筒4の内径と略同一大
きさに形成されている。
【0036】前記円錐コイルバネの溶接固定作業は、図
3に示すように、まず小径部70aがサポートカラー6
aに溶接固定された第1円錐コイルばね7aの大径部7
1aをアール曲げ部11aに嵌着させると、穴12a内
に大径部71aの外表面が露出する。従って溶接トーチ
13は、管軸の外方から斜め内方に向けた状態にして栓
溶接14aを行なうことができる。第2円錐コイルバネ
7b側も同様にして栓溶接14bを行なうことができ
る。
【0037】図4は実施の形態1のフレキシブルチュー
ブが適用された自動車排気系を示す斜視図である。
【0038】図4において、A1はフレキシブルチュー
ブ、Bはエキゾーストパイプ、Cは触媒コンバータ、D
はサブマフラ、Eはメインマフラであり、フレキシブル
チューブA1は、図外のエンジンと触媒コンバータCと
を連結するエキゾーストパイプBの途中に設けられ、エ
ンジンや車体等からの入力による変位を吸収する。
【0039】次に、作用を説明する。
【0040】[バネ定数の設定作用]フレキシブルチュ
ーブA1のバネ定数を設定するにあたっては、図5に示
すように、ベローズ3のバネ定数をK1とし、第1円錐コ
イルバネ7aと第2円錐コイルバネ7bのバネ定数をK2
とすると、ベローズ3と両円錐コイルバネ7a,7bと
が並列配置になっているので、フレキシブルチューブバ
ネ定数Kは、下記の式により表される。
【0041】K=K1+(K2/2) このように、ベローズ3のバネ定数K1と、両円錐コイル
バネ7a,7bのバネ定数K2と、フレキシブルチューブ
バネ定数Kのうち2つが明らかであれば残りの1つのバ
ネ定数は決まる。
【0042】よって、フレキシブルチューブバネ定数K
として良好な変位吸収ができる値に設定する場合、ベロ
ーズ3のバネ定数K1を一定値に設定し、管理しやすく選
択自由度が高い両円錐コイルバネ7a,7bのバネ定数
K2を多数の値の中から選択して決めると、所望のフレキ
シブルチューブバネ定数Kが得られることになる。
【0043】このように、バネ定数調整代を、ベローズ
3のバネ定数K1の変更によるものではなく両円錐コイル
バネ7a,7bのバネ定数K2の変更に委ねることで、ベ
ローズ3のバネ定数K1を一定値に設定することもでき
る。
【0044】この結果、実施の形態1のベローズ3のよ
うに、従来よりも薄肉で山数の少ない2層品をベローズ
素材として使用し、ベローズ3のバネ定数K1を低い値の
一定値に設定しても両円錐コイルバネ7a,7bのバネ
定数K2により補うことができ、フレキシブルチューブの
小型軽量低コスト化が図られる。
【0045】[変位吸収作用]エンジンや車体等から第
1排気管1と第2排気管2に管軸方向に変位を与えるよ
うな荷重が入力された時の変位吸収作用について説明す
る。
【0046】変位荷重のうち圧縮荷重が作用した場合に
は、ベローズ3は圧縮され第1,第2円錐コイルバネ7
a,7bは引っ張り方向に伸長されて両排気管1,2が
圧縮変位する。つまり、図5に示すように、圧縮荷重が
作用すると、ベローズ取付スパンL1がΔLだけ短くな
り、円錐コイルバネ取付スパンL2はそれぞれΔL/2
だけ長くなる。
【0047】変位荷重のうち引張荷重が作用した場合に
は、ベローズ3は引っ張られ第1,第1円錐コイルバネ
7a,7bは圧縮方向に短縮されて両排気管1,2が引
張変位する。つまり、図5に示すように、引張荷重が作
用すると、ベローズ取付スパンL1がΔLだけ長くな
り、円錐コイルバネ取付スパンL2はそれぞれΔL/2
だけ短くなる。
【0048】すなわち、ベローズ3の伸縮と、引っ張り
と圧縮の両方で同じバネ特性が発揮される第1,第2円
錐コイルバネ7a,7bにより、管軸方向に振動的に引
っ張りと圧縮が繰り返される変位が整然と吸収される。
【0049】尚、第1排気管1と第2排気管2には、管
軸方向以外にも曲げ方向や剪断方向の変位を与えるよう
な外力が作用することがあるが、この場合にも変形自由
度の高いベローズ3と両円錐コイルバネ7a,7bが、
荷重の作用方向に追従して曲げ変形や剪断変形すること
により曲げ変位や剪断変位が吸収される。
【0050】[ベローズ耐久性確保作用]ベローズ3の
耐久性は、後述するように、荷重負担の分担と、伸び切
りの防止と、飛び石等からの保護とにより確保される。
【0051】フレキシブルチューブA1に加わる外力
は、ベローズ3に加わる力と、両円錐コイルバネ7a,
7bに加わる力とに分散されるため、ベローズ3の荷重
負担が軽減される。
【0052】フレキシブルチューブA1は車両の底部に
露出して配置されるため、車両走行中にタイヤにより石
等を跳ねるような場合、この跳ね石等がフレキシブルチ
ューブA1に衝突することがあるが、走行中に跳ね石等
があった場合、ベローズ3の全外周を覆う外筒5による
保護作用でベローズ3の変形や損傷が防止される。尚、
外筒4は、第1,第2円錐コイルバネ7a,7bの外周
も覆う配置であるので、跳ね石等に対し第1,第2円錐
コイルバネ7a,7bの変形や損傷も防止される。
【0053】次に、効果を説明する。
【0054】(1)第1排気管1と第2排気管2に両端
部が接続され、両排気管1,2の変位を吸収するベロー
ズ3と、鋼板材により前記ベローズ3の外周を覆う筒状
に形成され、かつ両端にそれぞれ内向きのアール曲げ部
11a,11bが設けられた外筒4と、前記ベローズ3
の両端部にそれぞれ嵌着固定されたサポートカラー6
a,6bと、前記外筒4と同軸上に配置され該外筒4の
アール曲げ部11a,11bに沿ってそれぞれ大径部が
嵌着し該嵌着部分がアール曲げ部11a,11bに栓溶
接固定され、かつ小径部が前記サポートカラー6a,6
bに固定された円錐コイルバネ7a,7bと、を備えた
構成としたため、小型軽量、低コスト、高変位吸収性、
高耐久性という要求性能を全て満足する実用価値の高い
フレキシブルチューブA1を提供することができる。
【0055】(2)円錐コイルバネ7a,7bを外筒4
に栓溶接によって取付けするので、取付けに関する他の
特殊部品や小物部品を必要とせず、また、排気管に対す
る溶接部のスパッタを円錐コイルバネに付着させないよ
うにサポートカラーなどを長くしても該サポートカラー
などに溶接トーチが干渉されないようにして適正な溶接
をすることができる。また、このため、円錐コイルばね
もバネ特性が劣化することなく初期の効果を維持した状
態で高耐久性が得られる。
【0056】(3)ベローズ3の両端にそれぞれ円錐コ
イルバネ7a,7bを接続したため、第1排気管1と第
2排気管2とに曲げ方向や剪断方向の力が作用したと
き、ベローズ3の両端位置においてそれぞれ管軸の傾斜
やズレが許容され、力の作用方向に追随して変移する高
い自由度が得られる。
【0057】(実施の形態2)まず、構成を説明する。
【0058】図7は請求項1記載の発明に対応する実施
の形態2の自動車排気系用フレキシブルチューブA2を
示す半断面図である。
【0059】この実施の形態2のフレキシブルチューブ
A2は、前記実施の形態1のフレキシブルチューブA1
が一対の第1・第2円錐コイルバネ7a,7bで外筒4
を両持ち状に支持したのに対し、一方の円錐コイルバネ
を省略し、外筒4を1つの円錐コイルバネ7aで片持ち
状に支持した点で実施の形態1と異なる。
【0060】この一方の円錐コイルバネの省略に伴い、
円錐コイルバネで支持されていない方の外筒4の端部
は、異径円筒状プロテクタ5の大径部5bが接続され、
その小径部5aがベローズ3の一端に接続され、それぞ
れスポット溶接により接続固定されている。
【0061】尚、他の構成は実施の形態1と同様である
ので説明を省略する。
【0062】次に、バネ定数の設定作用において、フレ
キシブルチューブバネ定数Kは、下記の式により表され
る。
【0063】K=K1+K2 従って、実施の形態1と同様に、ベローズ3のバネ定数
K1と、円錐コイルバネ7aのバネ定数K2と、フレキシブ
ルチューブバネ定数Kのうち2つが明らかであれば残り
の1つのバネ定数は決まることになる。
【0064】この結果、実施の形態1と同様に、従来よ
りも薄肉で山数の少ない2層品をベローズ素材として使
用し、ベローズ3のバネ定数K1を低い値の一定値に設定
しても円錐コイルバネ7aのバネ定数K2により補うこと
ができ、フレキシブルチューブの小型軽量低コスト化が
図られる。
【0065】次に、効果を説明する。
【0066】実施の形態2にあっては、実施の形態1の
(1)、(2)の効果に、下記の効果が加えられる。
【0067】(3)一方の円錐コイルバネの省略によ
り、部品点数が削減され、部品コストを低減することが
できる。
【0068】(他の実施の形態)実施の形態では、外筒
4の端部外周のアール曲げ部11や11a,11bに栓
溶接用の楕円穴を均等に複数カ所設けるとしたが、穴は
丸穴でも良いし、その配置も任意である。
【0069】実施の形態では、円錐コイルバネを一方の
みに設けた場合、外筒の他方側はプロテクタを接続する
としたが、深絞りによって外筒とプロテクタを一体に形
成するようにしてもよい。
【0070】さらに、実施の形態では、外筒と第1排気
管断面形状が円形であるフレキシブルチューブの例を示
したが、楕円形のフレキシブルチューブにおいても同様
の作用効果が得られる。
【0071】
【発明の効果】請求項1記載の自動車排気系用フレキシ
ブルチューブにあっては、第1排気管と第2排気管に両
端部が接続され、両排気管の変位を吸収するベローズ
と、プレート材により前記ベローズの外周を覆う筒状に
形成され、かつ一端側に内向きのアール曲げ部が設けら
れた外筒と、前記外筒の他端側から延設され先端部がベ
ローズの他端部に嵌着固定されたプロテクタと、前記ベ
ローズの他端部に嵌着固定されたサポートカラーと、前
記外筒と同軸上に配置され該外筒のアール曲げ部に沿っ
て大径部が嵌着し該嵌着部分がアール曲げ部に栓溶接固
定され、かつ小径部が前記サポートカラーに固定された
円錐コイルバネと、を備えた構成としたため、円錐コイ
ルバネにサポートカラーなどの排気管に対する溶接時の
スパッタを付着させない構造とした上で、トーチでの溶
接を可能とし、また、小型軽量、低コスト、高変位吸収
性、高耐久性という要求性能を全て満足する実用価値の
高いフレキシブルチューブを提供することができるとい
う効果が得られる。
【0072】請求項2記載の発明にあっては、第1排気
管と第2排気管に両端部が接続され、両排気管の変位を
吸収するベローズと、プレート材により前記ベローズの
外周を覆う筒状に形成され、かつ両端にそれぞれ内向き
のアール曲げ部が設けられた外筒と、前記ベローズの両
端部にそれぞれ嵌着固定されたサポートカラーと、前記
外筒と同軸上に配置され該外筒のアール曲げ部に沿って
それぞれ大径部が嵌着し該嵌着部分がアール曲げ部に栓
溶接固定され、かつ小径部が前記サポートカラーに固定
された円錐コイルバネと、を備えた構成としたため、上
記効果に加え、一方の円錐コイルバネの省略により、部
品点数が削減され、部品コストを低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の自動車排気系用フレキ
シブルチューブを示す半断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1の外筒の要部を示す斜視
図である。
【図3】本発明の実施の形態1の栓溶接工程を示す説明
図である。
【図4】本発明の実施の形態1のフレキシブルチューブ
が適用された自動車排気系を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態1の自動車排気系用フレキ
シブルチューブのバネ吸収作用説明図である。
【図6】溶接トーチを使用した場合の問題点を示す説明
図である。
【図7】本発明の実施の形態2の自動車排気系用フレキ
シブルチューブを示す半断面図である。
【図8】従来例1の自動車排気系用フレキシブルチュー
ブを示す半断面図である。
【図9】従来例2の自動車排気系用フレキシブルチュー
ブを示す正面図(イ)及び側面図(ロ)である。
【図10】従来例3の自動車排気系用フレキシブルチュ
ーブを示す半断面図である。
【図11】従来例4の自動車排気系用フレキシブルチュ
ーブを示す半断面図である。
【図12】従来例5の自動車排気系用フレキシブルチュ
ーブを示す半断面図である。
【符号の説明】
A1,A2 フレキシブルチューブ 1 第1排気管 2 第2排気管 3 ベローズ 4 外筒 5 プロテクタ 6,6a,6b サポートカラー 7,7a,7b 円錐コイルバネ 11,11a,11b アール曲げ部 12a,12b 栓溶接用穴 14a,14b 栓溶接
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相原 広之 東京都中野区南台5丁目24番15号 カルソ ニック株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1排気管(1)と第2排気管(2)に
    両端部が接続され、両排気管(1),(2)の変位を吸
    収するベローズ(3)と、 プレート材により前記ベローズ(3)の外周を覆う筒状
    に形成され、かつ一端側に内向きのアール曲げ部(1
    1)が設けられた外筒(4)と、 前記外筒(4)の他端側から延設され先端部がベローズ
    (3)の他端部に嵌着固定されたプロテクタ(5)と、 前記ベローズ(3)の他端部に嵌着固定されたサポート
    カラー(6)と、 前記外筒(4)と同軸上に配置され該外筒(4)のアー
    ル曲げ部(11)に沿って大径部が嵌着し該嵌着部分が
    アール曲げ部(11)に栓溶接固定され、かつ小径部が
    前記サポートカラー(6)に固定された円錐コイルバネ
    (7)と、 を備えていることを特徴とする自動車排気系用フレキシ
    ブルチューブ。
  2. 【請求項2】 第1排気管(1)と第2排気管(2)に
    両端部が接続され、両排気管(1),(2)の変位を吸
    収するベローズ(3)と、 プレート材により前記ベローズ(3)の外周を覆う筒状
    に形成され、かつ両端にそれぞれ内向きのアール曲げ部
    (11a),(11b)が設けられた外筒(4)と、 前記ベローズ(3)の両端部にそれぞれ嵌着固定された
    サポートカラー(6a),(6b)と、 前記外筒(4)と同軸上に配置され該外筒(4)のアー
    ル曲げ部(11a),(11b)に沿ってそれぞれ大径
    部が嵌着し該嵌着部分がアール曲げ部(11a),(1
    1b)に栓溶接固定され、かつ小径部が前記サポートカ
    ラー(6a),(6b)に固定された円錐コイルバネ
    (7a),(7b)と、 を備えていることを特徴とする自動車排気系用フレキシ
    ブルチューブ。
JP18191597A 1997-07-08 1997-07-08 自動車排気系用フレキシブルチューブ Pending JPH1122455A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18191597A JPH1122455A (ja) 1997-07-08 1997-07-08 自動車排気系用フレキシブルチューブ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18191597A JPH1122455A (ja) 1997-07-08 1997-07-08 自動車排気系用フレキシブルチューブ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1122455A true JPH1122455A (ja) 1999-01-26

Family

ID=16109138

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP18191597A Pending JPH1122455A (ja) 1997-07-08 1997-07-08 自動車排気系用フレキシブルチューブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1122455A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6824745B2 (en) * 2000-12-21 2004-11-30 Delphi Technologies, Inc. Integrated catalytic converter and flexible endcone assembly

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6824745B2 (en) * 2000-12-21 2004-11-30 Delphi Technologies, Inc. Integrated catalytic converter and flexible endcone assembly

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2517688C (en) A flexible tube for an exhaust pipe of an automobile
US5506376A (en) Apparatus for absorbing vibrations in an exhaust system of a vehicle
EP1326043B1 (en) Flexible tube
KR100353123B1 (ko) 자동차 배기관용 연결구
JPH09250339A (ja) 可撓継手
KR100294471B1 (ko) 자동차배기관용플랙시블튜브
CA2479448C (en) A flexible tube for an exhaust pipe of an automobile
KR20210021563A (ko) 배기관의 플렉시블 조인트 구조
US6047993A (en) Arrangement for connection pipe pieces and method of making same
JP3853903B2 (ja) 自動車排気系用フレキシブルチューブ
JPH1122455A (ja) 自動車排気系用フレキシブルチューブ
JPH1122457A (ja) 自動車排気系用フレキシブルチューブおよびそれに使用するコイルバネの固定方法
JPH11210455A (ja) 自動車排気系用フレキシブルチューブ
JP3819521B2 (ja) 自動車排気系用フレキシブルチューブ
JP3853904B2 (ja) 自動車排気系用フレキシブルチューブ
KR100457210B1 (ko) 자동차 배기관용 연결구
KR100492081B1 (ko) 자동차 배기관용 플렉시블 튜브
JPH06117243A (ja) 排気系の伸縮継手
JP3853906B2 (ja) 自動車排気系用フレキシブルチューブ
KR200240736Y1 (ko) 자동차용 플렉시블 커플링
JPH11210456A (ja) 自動車排気系用フレキシブルチューブ
JPH10259716A (ja) 自動車排気系用フレキシブルチューブ
JPH11200855A (ja) 自動車排気系用フレキシブルチューブ
JPH10131747A (ja) 自動車排気系用フレキシブルチューブ
JP2506335Y2 (ja) 排気管用フレキシブルパイプ装置