JPH11223618A - 液体の汚染劣化検出装置 - Google Patents

液体の汚染劣化検出装置

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JPH11223618A
JPH11223618A JP10089866A JP8986698A JPH11223618A JP H11223618 A JPH11223618 A JP H11223618A JP 10089866 A JP10089866 A JP 10089866A JP 8986698 A JP8986698 A JP 8986698A JP H11223618 A JPH11223618 A JP H11223618A
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electrodes
liquid
deterioration
contamination
electrode
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JP10089866A
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English (en)
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Ryusaburo Koreeda
隆三郎 是枝
Takahiro Miyata
孝博 宮田
Hiroya Adachi
広弥 足立
Mizuho Kobayashi
瑞穂 小林
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MAINTENANCE KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体の汚染や劣化状態をその使用箇所におい
て簡単に検出することができる液体の汚染劣化検出装置
を提供すること。 【解決手段】 液体貯留部O内に固有電位が相互に異な
る2本の電極4A,4Bを相互に電気的絶縁状態を維持
するようにして配設し、液体貯留部Oの外部に配設さ
れ、液体に浸漬したときに現れる前記2本の電極4A,
4B間における電位差から前記液体の汚染劣化度を検出
する検出器7を前記各電極4A,4Bと接続し、前記検
出器7が検出した汚染劣化度を表示する表示器9をこの
検出器7と接続したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、広範囲な分野で使
用される機械の潤滑油・作動油・切削油剤あるいはエン
ジンオイルなど各種液体の汚染状態や劣化状態を検出す
る液体の汚染劣化検出装置に係り、特に少なくとも2本
の電極を用いて電位差により汚染状態や劣化状態を検出
する液体の汚染劣化検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】現代の機械文明の中で潤滑油をはじめと
し、広範囲な分野で各種の油剤が使用されているが、そ
の品質の管理については、航空機など一部の業種を除き
一般的に関心が低かった。このように関心の低い原因の
一因として、汚染あるいは劣化度を調べるためには、高
度な機器分析か専門知識の必要な化学分析が用いられ、
油剤の使用現場において簡単かつ適切な検出方法がなか
ったことがある。
【0003】水溶性切削液については一般的にpHメー
タ・屈折計などが簡単な方法として用いられているが、
いずれも液体管理の方法としてあまり適当でないこと
は、当業者の間では広く知られていることである。
【0004】一方、エンジンオイルは、エンジン内にお
いてシリンダに対し摺動するピストンと前記シリンダと
の摺動部の摩擦、摩耗の低減をはかるとともに、ピスト
ンとシリンダとの気密を保持し、さらに高温部の冷却を
行うために用いられる。
【0005】ところが、このような目的で使用されるエ
ンジンオイルは、熱分解、摩擦によるせん断と酸化重合
あるいはエンジン内での燃焼による生成物の混入により
劣化することになる。
【0006】そして、エンジンオイルの劣化が進むと、
酸化重合によりエンジンオイルの粘度が増し、浸透性が
悪化することにより潤滑不良となるおそれがある。ま
た、燃焼生成物や水分の混入により不溶性物質やゲル状
物質が生成され、油路を閉塞し、潤滑不良となるおそれ
がある。さらに、エンジン内部にスラッジやワニスが堆
積し、油路を閉塞したり、ピストンリングを膠着した
り、あるいは、エンジンの始動不良をおこしたりする。
【0007】このため、従来からエンジンオイルには、
酸化防止剤、清浄分散剤、錆止め剤などの有極性物質が
添加されていた。そして、このような有極性物質の添加
によりエンジンオイルの汚染や劣化はある程度防止され
るが、エンジンオイルの汚染劣化を完全に防止できるわ
けではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のエン
ジンオイルの汚染劣化状態を検出するためには、自動車
などからエンジンオイルをサンプリングして分析機器を
備えている研究所などにおいてエンジンオイルの粘度、
酸価、塩基価、不溶解分の測定などによりエンジンオイ
ルの汚染劣化状態を検出していた。
【0009】しかしながら、このようにエンジンオイル
をサンプリングして汚染劣化状態を検出するのでは、手
間がかかるし、また、エンジンオイルの粘度、酸価、塩
基価、不溶解分の測定などによりエンジンオイルの汚染
劣化状態を検出するのでは、エンジンオイルの汚染劣化
状態を簡単には検出できず、よって、運転者が自動車の
運転中にその自動車において使用しているエンジンオイ
ルの汚染劣化状態を知ることができなかった。
【0010】そこで、従来は、初期のエンジンオイルの
交換を3000Km走行時とし、その後は5000Km
走行ごとにエンジンオイルを交換することを基準にして
いた。
【0011】また、エンジンオイル以外の機械潤滑油、
金属加工油、作動油などの汚染状態や劣化状態を検出す
るためにも、これらの油をサンプリングして分析しなけ
ればならず、簡単に汚染劣化状態を検出できなかった。
【0012】本発明は、前述した従来のものにおける問
題点を克服し、各種油剤やエンジンオイルなどの液体の
汚染状態や劣化状態をその使用箇所において簡単に検出
することができる液体の汚染劣化検出装置を提供するこ
とを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、液体中の有極
性物質および新生の金属摩耗粉は活性が強いため、有極
性物質の減少および新生の金属摩耗粉、水分などの増加
を2本の電極間における電位差の減少あるいは増加の変
曲点を見ることにより、液体の汚染、劣化を判定するこ
とができる。
【0014】換言すると、エンジンオイルを始め各種油
剤においては、劣化によって添加剤である有極性物質が
消耗し、電極間の電位差が低減したり、あるいは、摩擦
によって発生するきわめて活性の強い金属の摩耗粉や水
分の作用により油中にラジカルが発生し、電極間の電位
差が上昇することにより、汚染や劣化の実態を把握する
ことができる。また、エンジンオイルにおいては、この
電位差の下降から上昇に移行する変曲点において、酸化
防止剤の効果が消滅し、酸化および金属摩耗粉などが増
加し始めることを意味し、この変曲点をオイル交換の一
つの目安とすることができる。
【0015】そこで、前述した目的を達成するため請求
項1に記載の本発明の液体の汚染劣化検出装置の特徴
は、液体貯留部内に固有電位が相互に異なる2本の電極
を相互に電気的絶縁状態を維持するようにして配設し、
前記液体貯留部の外部に配設され、液体に浸漬したとき
に現れる前記2本の電極間における電位差から前記液体
の汚染劣化度を検出する検出器を前記各電極と接続し、
前記検出器が検出した汚染劣化度を表示する表示器をこ
の検出器と接続した点にある。そして、このような構成
を採用したことにより、液体の汚染劣化状態に応じ2本
の電極の固有電位に基づく電位差が発生するので、検出
器がこの電位差から液体の汚染劣化度を演算し、これを
表示器に表示することができる。
【0016】請求項2に記載の本発明の液体の汚染劣化
検出装置の特徴は、2本の電極からなる電極対と同種の
2種類の材料とされた他の2本の電極からなり検出器と
接続された他の電極対を設け、これらの両電極対を相互
に極性を逆にして並列に接続し、一方の電極対を液体貯
留部内に相互に電気的絶縁状態を維持するようにして配
設するとともに、他方の電極対を液体貯留部内の液体と
同一の液体の新液貯留部内に相互に電気的絶縁状態を維
持するようにして配設し、温度補償するようにした点に
ある。そして、このような構成を採用したことにより、
液体貯留部と新液貯留部の温度環境を同一にして、両貯
留部において各2本の電極間の電位差をそれぞれ検出す
ることにより、電位差の温度による影響は相殺され、液
体の汚染劣化度を正確に検出することができる。
【0017】請求項3に記載の本発明の液体の汚染劣化
検出装置の特徴は、同種の材料からなる各2つの電極の
電気特性を一致させるために各電極の表面積を調整した
点にある。そして、このような構成を採用したことによ
り、電極表面の酸化膜の状態や表層の残留応力の影響に
よる電極の電気特性のばらつきを電極の表面積を調整す
ることにより均一にすることができる。
【0018】請求項4に記載の本発明の液体の汚染劣化
検出装置の特徴は、液体貯留部内に2本の電極を囲繞す
るように2本の補助電極を配設し、これらの補助電極に
両電極の電位差が任意の時点において0となるように所
定の外部電圧を掛けるようにした点にある。そして、こ
のような構成を採用したことにより、補助電極に作用さ
せた電圧により2本の電極それぞれの固有の電位による
電界を打ち消すようにしてその時点における電位差を0
にすることができる。
【0019】請求項5に記載の本発明の液体の汚染劣化
検出装置の特徴は、補助電極に外部電圧を掛け感度向上
する点にある。そして、このような構成を採用したこと
により、被検査用液体として無極性油を使用した場合、
摩耗粉や水分が混入して被検査用液体が汚染しても電位
差が微小なので、補助電圧に掛ける外部電圧により2本
の電極が検出した電位差を増幅して感度のよい検出を行
うことができる。
【0020】請求項6に記載の本発明の液体の汚染劣化
検出装置の特徴は、液体貯留部内に同種金属製の2本の
電極を相互に電気的絶縁状態を維持するようにして配設
し、同種金属間における電位差を発生させるため前記液
体貯留部内に前記2本の電極を囲繞するように位置し所
定の外部電圧を掛けるようにされている2本の補助電極
を配設し、前記液体貯留部の外部に配設され、前記2本
の電極間における電位差から前記液体の汚染劣化度を検
出する検出器を前記各電極と接続し、前記検出器が検出
した汚染劣化度を表示する表示器をこの検出器と接続し
た点にある。そして、このような構成を採用したことに
より、同種金属製の電極を用いても電位差を発生させて
液体の汚染劣化度を検出することができる。
【0021】請求項7に記載の本発明の液体の汚染劣化
検出装置の特徴は、各電極の表面を均一化するため各電
極の表面に鍍金した点にある。そして、このような構成
を採用したことにより、各電極の表面特性を均一化して
良好な精度で液体の汚染劣化度を検出することができ
る。
【0022】請求項8に記載の本発明の液体の汚染劣化
検出装置の特徴は、各電極を金属により形成した点にあ
る。そして、このような構成を採用したことにより、被
検査用液体が導電性のよくない油剤であっても、各電極
の導電性がよいので、良好な精度で液体の汚染劣化度を
検出することができる。
【0023】請求項9に記載の本発明の液体の汚染劣化
検出装置の特徴は、各電極を炭素を主成分とする材料に
より形成した点にある。そして、このような構成を採用
したことにより、被検査用液体が導電性のよい水分を多
く含むものであっても、各電極の導電性を悪くして、良
好な精度で液体の汚染劣化度を検出することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る液体の汚染
劣化検出装置の一実施形態としてのエンジンオイル汚染
劣化検出装置の実施の形態を示すものである。
【0025】図1において、符号1は、自動車内に配設
されエンジンオイルが貯留されている貯留部としてのオ
イルパンであり、このオイルパン1から自動車内の図示
しないエンジンその他の必要な箇所にエンジンオイルO
が供給されるようになっている。
【0026】前記オイルパン1の周壁2の下端部で常時
エンジンオイルOが充填されている部位の外側にはコネ
クタ3が固定されており、このコネクタ3には、前記オ
イルパン1の周壁2に形成されている図示しないスリッ
トによりオイルパン1の周壁2を貫通し、前記オイルパ
ン1内に臨む1対の電極4A,4Bが接続されている。
なお、前記周壁2の内側には、前記スリットからのエン
ジンオイルOの漏洩を防止するためのシール部材5が前
記各電極4A,4Bの基部に装着されるようにして配設
されている。
【0027】前記両電極4A,4Bは、図2に示すよう
に、それぞれほぼ長方形をなす平板状に形成され、前記
オイルパン1内において上下方向に間隔を隔てて配設さ
れている。なお、これらの電極の形状は、図2に示した
ものに限定されるものではなく、図3に示すように、各
電極4C,4Dを直径を異にする円筒状に形成し、両電
極4C,4Dを間隔をおいて同心状に配設するようにし
てもよい。もちろん、この図3の実施の形態において
は、図2の実施の形態に示す平板状の電極4A,4Bの
先端に、両電極4A,4Cと電極4B,4D間の電気的
絶縁状態が保持されるようにして電極4C,4Dを支持
するようにするとよい。
【0028】前記両電極4A,4Bは、相互に固有の電
位を異にする2種類の金属単体あるいは合金により形成
されている。なお、これらの金属単体と合金を金属と総
称する。これらの電極4A,4Bに使用される金属とし
ては、エンジンオイルOの汚染劣化度を検出するためア
ルミニウムと銅というように固有電位の差が大きいもの
が好ましいが、これらのほかの金属としては、耐食性と
いう観点から金、白金などの貴金属やチタン合金などが
好ましい。
【0029】なお、金属組織にはばらつきがあるので、
これらの金属の表面に白金やクロムなどの鍍金を施して
電極4A,4Bの表面を均質化することにより検出精度
をさらに良好にできるし、また、耐食性を向上すること
も可能となる。
【0030】前述したように、固有電位を異にする金属
からなる2本の電極4A,4Bを、酸化防止剤、清浄分
散剤、錆止め剤などの有極性物質を含有しているエンジ
ンオイル0内に浸漬すると、この有極性物質の濃度に比
例して2つの電極4A,4B間に電位差を生じる。そし
て、この電位差4A,4BはエンジンオイルOに汚染劣
化が進むと低下することになる。なお、有極性物質を含
有していないと電位差は生じない。
【0031】前記両電極4A,4B間における電位差
は、前述した有極性物質の濃度のみならず、両電極4
A,4Bの間隔、各電極4A,4Bの表面積、エンジン
オイルOの温度、金属の種類などによっても変化する。
【0032】ところで、一般的には電極の表面積は電池
に見られるように、両電極間の電位差には影響を及ぼさ
ないが、極性物質を含む誘電体の液体に浸漬した異種金
属の電極間での電位差は、ほぼその表面積に比例すると
いう実験事実がある。そこで、両電極4A,4Bの表面
積を変化させて両電極4A,4Bの電位差の微調整を行
うことができる。
【0033】前述した両電極4A,4Bの特性は、図3
の両電極4C,4Dにおいても共通である。
【0034】前記両電極4A,4Bを固定しているコネ
クタ3には、導線6を介してエンジンオイルOの検出器
7が電気的に接続されている。この検出器7は、前記両
電極4A,4Bにおいて発生した電位差からエンジンオ
イルOの汚染劣化度を演算するためのものであり、電位
差を微小値まで検出するためのハイインピーダンス入力
回路や、電位差から汚染劣化度を演算するためのCPU
などを有している。なお、このCPUにおいては、エン
ジンオイルOに含まれている有極性物質の濃度、両電極
4A,4Bの間隔、各電極4A,4Bの表面積、エンジ
ンオイルOの温度、金属の種類などから正確にエンジン
オイルOの汚染劣化度を演算し得るように種々のデータ
があらかじめ入力されている。
【0035】前記検出器7には、自動車の運転席の計器
板に配設されている表示器9が導線8を介して電気的に
接続されている。この表示器9は、前記検出器7におい
て検出されたエンジンオイルOの汚染劣化度を表示する
ためのものである。また、この表示器9は、警報手段
(図示せず)を有しており、エンジンオイルOの汚染劣
化度が設定値に達すると、警報音を発するようになって
いる。
【0036】つぎに、前述した構成からなる本実施の形
態の作用について説明する。
【0037】オイルパン1内の下端部に臨んでおり相互
に異なる固有電位を有する金属製の両電極4A,4Bは
常時オイルパン1内のエンジンオイルO内に浸漬されて
おり、このエンジンオイルOには有極性物質が含まれて
いるので、両電極4A,4Bには電位差が生じる。この
両電極4A,4Bにおける各電位は、コネクタ3および
導線6を介して検出器7に入力され、この検出器7にお
いて両電極4A,4Bの電位差からエンジンオイルOの
汚染劣化度が演算され、この汚染劣化度の値が導線8を
介して表示器9に表示される。この表示器9は自動車の
運転席の計器板に配設されているので、運転者は表示器
9を目視することによりエンジンオイルOの汚染劣化度
を監視できるので、エンジンオイルOの交換時期を認識
することができる。もし、エンジンオイルOの汚染劣化
度が進んだのに運転手が気づかないとしても、エンジン
オイルOの交換時期がくると表示器9が警報音を発する
ので、運転者はエンジンオイルOの交換時期を認識する
ことができる。
【0038】本実施の形態のエンジンオイル汚染劣化検
出装置によれば、エンジンオイルOをオイルパン1から
サンプリングしてエンジンオイルOの汚染劣化度を分析
するという面倒な作業なしに常時運転者が運転している
自動車のエンジンオイルOの汚染劣化状態を認識するこ
とができるので、交換が必要となったときに容易にエン
ジンオイルOを交換することができる。
【0039】図4は本発明に係る液体の汚染劣化検出装
置の他の実施形態を示すものであり、図4に示す液体の
汚染劣化検出装置は携帯用のものとされている。
【0040】図4において、一端に開口12を有する有
底筒状のケーシング11内の前記開口12の近傍にはコ
ネクタ13が装着されており、このコネクタ13には、
固有電位を異にする金属からなる2本の電極15A,1
5Bを1組とした電気的特性の等しい2組の電極対14
A,14Bがそれぞれケーシング11の長手方向に延在
するように相互に極性を逆にして並列に接続され支持さ
れている。これらの各組の電極対14A,14Bの各2
本の電極15A,15Bの材質は前述した第1実施形態
における電極4A,4Bと同様である。前記両組の電極
対14A,14Bは、前記ケーシング11の長手方向に
直交する方向に相互に離間した位置の前記コネクタに支
持されており、また、各電極15A,15Bは前記ケー
シング11の前記開口12から大きく突出している。
【0041】前記両電極対14A,14Bは相互に逆極
性となるように並列に接続されており、前記ケーシング
11内に位置し前記第1実施形態の検出器7と同様の機
能を有する検出器16に図示しない導線を介して並列に
接続されている。すなわち、電極対14A,14Bの電
極15A,15Bの材質によって決まるものであって、
極性を逆にして相互に並列に接続するということは、電
極対14Aの電極15Aと電極対14Bの電極15Bと
を結合して一方の合成電極とし、電極対14Bの電極1
5Aと電極対14Aの電極15Bとを結合して対極の合
成電極とするということであり、この場合、どちらの合
成電極がプラスでどちらの合成電極がマイナスとなるか
は、被検査液体の汚染劣化状態によって変化することに
なる。例えば、被検査液体が未使用で汚染劣化していな
いときの電位差は0(ゼロ)となる。また、液体の性質
によっては、汚染劣化度の検出の際に直ちに一定値にな
るものと、一定値になるまでに時間を要するものとがあ
るが、逆特性に並列接続とされた2組の電極対14A,
14Bを使用することにより瞬時に汚染劣化度を検出す
ることができる。
【0042】また、前記検出器16には、前記ケーシン
グ11内に位置し検出器16において検出された液体の
汚染劣化度を表示する表示部17が図示しない導線を介
して接続されている。さらに、前記ケーシング11の最
深部には、前記検出器16と図示しない導線を介して接
続されている電源部18が配設されている。
【0043】そして、前記ケーシング11には、その開
口12から突出している両電極対14A,14Bの4本
の電極15A,15Bを被覆する蓋体を兼ねる検査用容
器19が着脱可能に装着されるようになっている。この
検査用容器19は、検査時電源部が最上部に位置するよ
うに縦向きにしたときに最下位置となるが、この検査用
容器19には、被検査用液充填部20Aとこの被検査用
液の新品が充填される新液充填部20Bとが仕切壁21
により区画形成されている。
【0044】つぎに、前述した構成からなる本実施形態
の作用について説明する。
【0045】まず、検査用容器19の被検査用液充填部
20Aに被検査液を充填するとともに、検査用容器19
の新液充填部20Bに新液を充填する。そして、これら
のうち、被検査用液充填部20Aの被検査液に電極対1
4Aの両電極15A,15Bを浸漬するとともに、新液
充填部20Bの新液に他の電極対14Bの両電極15
A,15Bを浸漬するようにして、ケーシング11と検
査用容器19とを一体化する。すると、新液中の活性物
質である有極性物質は汚染劣化が進むにつれ減少し、一
方、液体中に混入される同じく活性物質である新生の摩
耗粉などは次第に多くなるので、被検査液における両電
極15A,15Bの電位差と新液における両電極15
A,15Bの電位差とから被検査液の汚染劣化度が温度
補正をした状態で検出される。
【0046】図5は本発明の第3実施形態を示すもので
あり、本実施の形態においては、図1の第1実施形態の
電極4A,4Bの外周にこれらの両電極4A,4Bを囲
繞するようにそれぞれ彎曲状の補助電極23A,23B
を配設し、これらの補助電極23A,23B間に外部電
圧を掛けるようにしたものである。
【0047】このような構成によれば、補助電極23
A,23B間に掛ける外部からの逆電圧の高さを調整す
ることにより、前述した第2実施形態におけるように新
液を用いることなく、初期値を0にすることができる。
【0048】また、補助電極23A,23Bに補助電圧
を掛けることにより、両電極4A,4B間における電位
差を増幅して感度のよい汚染劣化度検出を行うことがで
きる。
【0049】さらに、このように補助電極23A,23
Bに所定の電圧を掛けることにより、両電極4A,4B
を同種の金属としても、両電極4A,4B間に電界が発
生しこれらの両電極4A,4Bに液による電位差を生じ
させることができる。
【0050】なお、本発明は、前述した実施の形態に限
定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能
である。たとえば、本発明の汚染劣化検出装置によりそ
の汚染劣化を検出される液体はエンジンオイルや各種油
剤に限られるものではなく、種々のものを適用すること
ができる。例えば、水分を多く含む液体の場合、導電性
がよいため、炭素棒や鉛筆の芯など炭素を多く含んだ電
極とすることが好ましい。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、液
体の汚染劣化状態をその使用箇所において簡単に検出す
ることができるので、交換が必要となったときに容易に
その液体を交換することができる。
【0052】すなわち、液体の汚染劣化状態に応じ2本
の電極の固有電位に基づく電位差が発生するので、検出
器がこの電位差から液体の汚染劣化度を演算し、これを
表示器に表示することができる。
【0053】また、2本の電極からなる電極対と同種の
2種類の材料とされた他の2本の電極からなり検出器と
接続された他の電極対を設け、これらの両電極対を相互
に極性を逆にして並列に接続し、一方の電極対を液体貯
留部内に相互に電気的絶縁状態を維持するようにして配
設するとともに、他方の電極対を液体貯留部内の液体と
同一の液体の新液貯留部内に相互に電気的絶縁状態を維
持するようにして配設し、温度補償することにより、電
位差の温度による影響は相殺され、液体の汚染劣化度を
正確に検出することができる。
【0054】さらに、同種の金属からなる各2つの電極
の電気特性を一致させるために各電極の表面積を調整す
ることにより、電極表面の酸化膜の状態や表層の残留応
力の影響による電極の電気特性のばらつきを電極の表面
積を調整することにより均一にすることができる。
【0055】さらにまた、液体貯留部内に2本の電極を
囲繞するように2本の補助電極を配設し、これらの補助
電極に両電極の電位差が任意の時点において0となるよ
うに所定の外部電圧を掛けるようにすることにより、補
助電極に作用させた電圧により2本の電極それぞれの固
有の電位による電界を打ち消すようにしてその時点にお
ける電位差を0にすることができる。
【0056】また、補助電極に外部電圧を掛け感度向上
することにより、被検査用液体として無極性油を使用し
ても、補助電圧に掛ける外部電圧により2本の電極が検
出した電位差を増幅して感度のよい検出を行うことがで
きる。
【0057】さらに、液体貯留部内に同種金属製の2本
の電極を相互に電気的絶縁状態を維持するようにして配
設し、同種金属間における電位差を発生させるため前記
液体貯留部内に前記2本の電極を囲繞するように位置し
所定の外部電圧を掛けるようにされている2本の補助電
極を配設し、前記液体貯留部の外部に配設され、前記2
本の電極間における電位差から前記液体の汚染劣化度を
検出する検出器を前記各電極と接続し、前記検出器が検
出した汚染劣化度を表示する表示器をこの検出器と接続
することにより、同種金属製の電極を用いても電位差を
発生させて液体の汚染劣化度を検出することができる。
【0058】さらにまた、各電極の表面を均一化するた
め各電極の表面に鍍金することにより、各電極の表面特
性を均一化して良好な精度で液体の汚染劣化度を検出す
ることができる。
【0059】また、各電極を金属により形成したことに
より、被検査用液体が導電性のよくない油剤であって
も、各電極の導電性がよいので、良好な精度で液体の汚
染劣化度を検出することができる。
【0060】さらに、各電極を炭素を主成分とする材料
により形成したことにより、被検査用液体が導電性のよ
い水分を多く含むものであっても、各電極の導電性を悪
くして、良好な精度で液体の汚染劣化度を検出すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るエンジンオイル汚染劣化検出装
置の実施の形態を示す概略説明図
【図2】 Aは図1の電極の平面図、BはAの正面図
【図3】 Aは図1の電極の他例を示す平面図、BはA
の縦断面正面図
【図4】 本発明に係るエンジンオイル汚染劣化検出装
置の他の実施の形態を示す概略説明図
【図5】 本発明に係るエンジンオイル汚染劣化検出装
置のさらに他の実施の形態を示す電極近傍の図で、Aは
正面図、Bは平面図
【符号の説明】
1 オイルパン 2 周壁 3 コネクタ 4A,4B,4C,4D 電極 5 シール部材 6 導線 7 検出器 8 導線 9 表示器 11 ケーシング 14A,14B 電極対 15A,15B 電極 16 検出器 17 表示部 19 検査用容器 23A,23B 補助電極

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体貯留部内に固有電位が相互に異なる
    2本の電極を相互に電気的絶縁状態を維持するようにし
    て配設し、 前記液体貯留部の外部に配設され、液体に浸漬したとき
    に現れる前記2本の電極間における電位差から前記液体
    の汚染劣化度を検出する検出器を前記各電極と接続し、 前記検出器が検出した汚染劣化度を表示する表示器をこ
    の検出器と接続したことを特徴とする液体の汚染劣化検
    出装置。
  2. 【請求項2】 前記2本の電極からなる電極対と同種の
    2種類の材料とされた他の2本の電極からなり前記検出
    器と接続された他の電極対を設け、これらの両電極対を
    相互に極性を逆にして並列に接続し、一方の電極対を前
    記液体貯留部内に相互に電気的絶縁状態を維持するよう
    にして配設するとともに、他方の電極対を前記液体貯留
    部内の液体と同一の液体の新液貯留部内に相互に電気的
    絶縁状態を維持するようにして配設し、温度補償するよ
    うにしたことを特徴とする請求項1に記載の液体の汚染
    劣化検出装置。
  3. 【請求項3】 同種の材料からなる各2つの前記電極の
    電気特性を一致させるために各電極の表面積を調整した
    ことを特徴とする請求項2に記載の液体の汚染劣化検出
    装置。
  4. 【請求項4】 前記液体貯留部内に前記2本の電極を囲
    繞するように2本の補助電極を配設し、これらの補助電
    極に前記両電極の電位差が任意の時点において0となる
    ように所定の外部電圧を掛けるようにしたことを特徴と
    する請求項1に記載の液体の汚染劣化検出装置。
  5. 【請求項5】 前記補助電極に外部電圧を掛け感度向上
    するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の液体
    の汚染劣化検出装置。
  6. 【請求項6】 液体貯留部内に同種の材料からなる2本
    の電極を相互に電気的絶縁状態を維持するようにして配
    設し、 同種材料間における電位差を発生させるため前記液体貯
    留部内に前記2本の電極を囲繞するように位置し所定の
    外部電圧を掛けるようにされている2本の補助電極を配
    設し、 前記液体貯留部の外部に配設され、前記2本の電極間に
    おける電位差から前記液体の汚染劣化度を検出する検出
    器を前記各電極と接続し、 前記検出器が検出した汚染劣化度を表示する表示器をこ
    の検出器と接続したことを特徴とする液体の汚染劣化検
    出装置。
  7. 【請求項7】 前記各電極の表面を均一化するため各電
    極の表面に鍍金したことを特徴とする請求項1ないし請
    求項6のいずれかに記載の液体の汚染劣化検出装置。
  8. 【請求項8】 前記各電極を金属により形成したことを
    特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の
    汚染劣化検出装置。
  9. 【請求項9】 前記各電極を炭素を主成分とする材料に
    より形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項7
    のいずれかに記載の汚染劣化検出装置。
JP10089866A 1997-12-02 1998-04-02 液体の汚染劣化検出装置 Pending JPH11223618A (ja)

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JP33187497 1997-12-02
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010091394A (ja) * 2008-10-08 2010-04-22 Fujitsu Ltd 電解溶液中の作用電極電位印加方法および作用電極の電位制御装置

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