JPH11222784A - 繊維強化複合材料ケーブル及びその製造方法 - Google Patents

繊維強化複合材料ケーブル及びその製造方法

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JPH11222784A
JPH11222784A JP10023567A JP2356798A JPH11222784A JP H11222784 A JPH11222784 A JP H11222784A JP 10023567 A JP10023567 A JP 10023567A JP 2356798 A JP2356798 A JP 2356798A JP H11222784 A JPH11222784 A JP H11222784A
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fiber
reinforced composite
wire
convex portion
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JP10023567A
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Ietsugu Santou
家嗣 山藤
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い破断荷重を発揮しつつ、モルタルやコン
クリートとの付着性が良好で、かつ、リール巻等が容易
にできる可撓性を有する繊維強化複合材料ケーブル及び
その製造方法。 【解決手段】 周面に凸部30が形成された複合材料線
材12を1本以上有して撚り合わされ、凸部の形成され
た複合材料線材が、表面に露出する位置に配置されてい
る。各複合材料線材は撚り合わされているだけで互いに
接着はしておらず、本数を多くする等して破断荷重レベ
ルが大きくなっても複合材料線材間が滑動するので、繊
維強化複合材料ケーブルとして高い可撓性を発揮する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維強化複合材料ケ
ーブルに関するもので、特に、モルタルやコンクリート
等の補強材として使用されるケーブルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】強化繊維に樹脂を含浸させた繊維強化プ
ラスチック(FRP)は軽量でありながら高い強度を発
揮するものとして広く利用されている。中でも、線状に
形成された繊維強化複合材料ケーブル(FRPケーブ
ル)は、緊張材や補強材となる補強ケーブルとして、モ
ルタルやコンクリート(以下、特記しない限り、コンク
リートと略記する)中に埋め込むことで、コンクリート
の強度を大きく向上させることができ、しかも、耐蝕性
に富み、非磁性であることから、種々の建材に利用され
ている。このような補強材としてコンクリート中に埋設
して用いるFRPケーブルにおいては、高い破断荷重を
有することは勿論のことながら、コンクリートとの付着
性が高いことが必要である。その為、FRPケーブルの
表面に凹凸を形成したものが種々開発されている。例え
ば、特開昭61−274036号公報には、繊維の表面
にエンボスを形成してコンクリートとの機械的結合性を
強化した構造用ロッドが、実開昭63−51014号公
報および実開平7−1127号公報には、撚線ストラン
ドの上に表面積増加用材を巻回して凹凸を形成したコン
クリート用補強材が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、FRPケー
ブルは、使用前には長尺であるので、保管時や輸送時に
は、リール巻或いはコイル巻状態とされている。その
為、そのリール巻等を容易に可能ならしめる為には、可
撓性を有することが望まれる。しかしながら、上述した
技術によるFRPケーブルにおいては、いずれも、破断
荷重を大きくさせるに従い、剛直になり、可撓性に乏し
くなって、リール巻が困難、または支障なくリール巻を
するにはそのリールの胴径を2.5m以上と大きくさせ
なければならず、リールの大型化により保管や輸送等に
支障をきたすという問題があった。また、リール巻から
取り出して使用する際にも、剛直であることから作業性
が悪い。特開平4−214487号公報には、被覆繊維
を軸方向に直角に近い角度で緻密に巻き付けた複合スト
ランドを複数本撚り合わせて構成した複合撚合型抗張力
体が開示されている。この技術は緻密に巻き付けた被覆
繊維で細かな凹凸を形成してコンクリートとの付着性を
高めるものであるが、マトリックス樹脂の熱硬化性樹脂
を硬化させる際に複合ストランド間に樹脂が滲み出し
て、複合ストランド間が接着し易く、剛直となりリール
巻が難しいものであった。この問題を解決するものとし
て、特開平6−17389号公報には、構成素線間の接
着を機械的に破壊し、リール巻が可能な可撓性を発揮さ
せた技術が開示されている。しかし、この技術は構成素
線間の接着を機械的に破壊するという煩雑な工程が必要
であり、実用的でない。また、これら特開平4−214
487号公報や特開平6−17389号公報に記載の発
明は、強化繊維束の周りに被覆繊維を緻密に巻きつける
ことにより、コンクリートへの付着性を向上させるもの
であるが、その被覆繊維の巻量の割にはコンクリートへ
の付着性は十分でない。
【0004】本発明は前記課題を解決するためになされ
たもので、高い破断荷重を発揮しつつ、モルタルやコン
クリートとの付着性が良好で、かつ、リール巻等が容易
にできる可撓性を有する繊維強化複合材料ケーブル及び
その製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維強化複合材
料ケーブルは、周面に凸部が形成された複合材料線材を
1本以上有して撚り合わされ、かつ、その凸部の形成さ
れた複合材料線材が、表面に露出する位置に配置されて
いることを特徴とするものである。その凸部は、複合材
料線材の周面に、間隔を有した螺旋状に形成されている
か、または、独立して複数個形成されていることが望ま
しい。凸部が螺旋状に形成されている繊維強化複合材料
ケーブルは、強化繊維の周囲にマトリックス樹脂層を形
成した複合材料線材に、凸部用繊維を間隔を有した螺旋
状に巻回し、マトリックス樹脂層を硬化させ、得られた
複数本の複合材料線材を集束して撚り合わせて製造する
方法が望ましい。凸部が独立して複数個形成されている
繊維強化複合材料ケーブルは、強化繊維の表面に揺変性
を有する熱硬化性樹脂からなるマトリックス樹脂層を形
成し、そのマトリックス樹脂層にそれぞれが独立した凸
部を賦形した後、マトリックス樹脂層を加熱硬化し、得
られた複数本の複合材料線材を集束して撚り合わせて製
造する方法が望ましい。その場合、独立した凸部の賦形
は、マトリックス樹脂層を部分的に切削するか、また
は、マトリックス樹脂層に部分的に締結糸条を巻き付け
ることにより行なうことが望ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の繊維強化複合材料ケーブ
ルは、モルタルやコンクリートとの付着性を発現させる
為に、複数本、例えば、7本、19本、37本の複合材
料線材が撚り合わされてなるものである。例えば図1
に、7本の複合材料線材12,14,16,18,2
0,22,24が撚り合わされてなる繊維強化複合材料
ケーブル10を示す。各複合材料線材は撚り合わされて
いるだけで互いに接着はしておらず、本数を多くする等
して破断荷重レベルが大きくなっても複合材料線材間が
滑動するので、繊維強化複合材料ケーブルとして高い可
撓性を発揮する。従って、曲率半径を小さくして撓める
ことができるので、コンパクトにリール巻等ができ、保
管や運搬の効率が高い。また、使用時にも、曲線状態で
コンクリート中に埋設することも可能となる。繊維強化
複合材料ケーブルを構成する複合材料線材の本数は3〜
91本が好ましく、3〜37本であればより好ましい。
本数が2本より少ないと、曲げ剛性が高く、リール巻が
困難であり、他方、91本よりも多くなると複合材料線
材の配置が乱れやすくなって好ましくない。撚り方にも
よるが、複合材料線材の本数が4本以上であると、他の
複合材料線材に囲まれて表面に露出しない複合材料線材
の形成が可能となる。このような場合に、本発明におい
ては、表面に露出し、例えばコンクリート中に繊維強化
複合材料ケーブルを埋設した際にコンクリートと直接接
触する複合材料線材(図1,2中、複合材料線材12,
14,16,18,20,22)を外部素線とし、他
方、表面に露出しない複合材料線材(図1,2中、複合
材料線材24)を内部素線と称する。
【0007】各複合材料線材は、強化繊維26の周囲を
マトリックス樹脂層28で被覆して構成される。強化繊
維26は、繊維強化複合材料に通常使用できるものであ
れば特に制限されるものではなく、例えば、炭素繊維、
アラミド繊維、ガラス繊維等が好適であり、中でも炭素
繊維が特に好適である。ポリエステル繊維、ポリアミド
繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等の化学
繊維なども使用できる。繊維の形態は連続マルチフィラ
メントヤーンが好ましい。紡績糸等の切断繊維や短繊維
からなる紡績糸でも良い。強化繊維は複数本の強化繊維
を合糸した繊維束とすることが適当であり、その場合、
単一種の強化繊維トウでも良いし、また、複数種の強化
繊維トウの合糸でも良い。
【0008】複合材料線材のマトリックス樹脂層28
は、用途に応じて、熱硬化性、熱可塑性、光硬化性また
は電子線硬化等のいずれの樹脂でも用いることができ
る。熱硬化性樹脂ではエポキシ樹脂、フェノール樹脂、
ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが好
適である。強化繊維への樹脂含浸方法についても特に限
定されるものではない。製造工程中のインラインで行な
ってもよいが、予め樹脂を含浸させたトウプリプレグま
たはヤーンプリプレグを使用するのが好ましい。また、
図3に示すように、各複合材料線材50を複数本の複合
材料線材51からなる繊維束とすることもできる。その
場合、単一種の複合材料線材からなる繊維束としても良
いし、また、複数種の複合材料線材からなる繊維束とし
ても良い。また、各複合材料線材若しくは複合材料線材
束の周囲に、さらに熱可塑性樹脂などからなる繊維を配
置させて被覆層を形成することも可能である。その際に
は、複合材料線材を滑らかにするために複合材料線材の
繊維配向とほぼ同じ配向でその被覆層用繊維を配置させ
ることが好ましい。複合材料線材においては、強化繊維
へのマトリックス樹脂の被覆が十分でない場合等に、強
化繊維が剥き出しになるおそれがあるが、この被覆層
は、そのような強化繊維の露出を防止することができ
る。
【0009】本発明の繊維強化複合材料ケーブルにおい
ては、それを構成する複数の複合材料線材のうちの少な
くとも1本は、その周面に凸部が形成されているもので
ある。以下、この凸部の形成されている複合材料線材を
凸部形成素線と称する。この凸部形成素線が、繊維強化
複合材料ケーブルの表面に露出する位置に、即ち、外部
素線として配置されることにより、コンクリートとの付
着性が向上する。凸部としては、例えば、図1に示すよ
うに複合材料線材の周面に螺旋状に形成された凸部3
0、図4に示すように独立して円環状に形成された凸部
32、図5に示すように点状のものが散点した凸部34
などが例示できる。このような凸部は、繊維を巻回した
り、樹脂を所定形状に形成すること等により設けられ
る。例えば、螺旋状凸部30は、炭素繊維、アラミド繊
維、ガラス繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、
ポリエチレン繊維等を巻回することにより容易に形成さ
れる。繊維を巻回して凸部を形成する場合、その凸部用
繊維は撚りがあってもなくても良い。凸部用繊維は複数
本のトウを合糸して使用することもできる。このよう
に、螺旋状凸部は、その形成が容易であるという利点が
ある。尚、螺旋状凸部であると、繊維強化複合材料ケー
ブルに引張力が作用されたときに、繊維強化複合材料ケ
ーブルに回転力が生じ、凸部に対応した箇所のモルタル
が破壊される可能性が生じるが、本発明においては、後
述するように、繊維強化複合材料ケーブル若しくは複合
材料線材の撚方、または組合わせる各複合材料線材に形
成された凸部の態様(例えば、螺旋方向など)を調整す
ることにより、このような不具合を解決することができ
る。また、独立して形成された円環状または点状の凸部
であると、このような不具合が生じることもなく、安定
して埋設使用することができる。
【0010】凸部高さは0.01〜1.0mmが適当であ
る。1.0mm以上であるとモルタルまたはコンクリー
ト付着性は良好であるものの、複合材料線材間の摩擦が
大きくなり、摩耗が激しくなる。他方、0.01mm未
満であると、モルタルまたはコンクリート付着性が発現
しない。螺旋状凸部の場合、その幅は0.5〜10mm
が好ましく、ピッチ(螺旋巻周期)は0.6〜10mm
が好ましい。内部素線には凸部形成素線を用いても良い
が、コンクリート付着性に直接影響を与えないので、凸
部形成素線とする必要性はない。螺旋状凸部の場合、そ
の螺旋巻は図1に示すように、螺旋が重なり合うことな
く間隔を有して巻回することが望ましい。緻密に巻回
(螺旋巻周期が0mm以下)して隣り合う螺旋が接触す
るようにすると、実質的な高さが減少し、コンクリート
付着性が十分に発揮されないが、間隔を有して螺旋状に
巻回することにより、凸部によるコンクリート付着性は
格段に向上する。
【0011】繊維強化複合材料ケーブルとしては、同種
の凸部の形成された単一種の複合材料線材を撚り合せて
用いることの他、異なる種類の凸部の形成された複合材
料線材を混在して用いることができる。例えば、螺旋状
凸部の形成された複合材料線材と、円環状の凸部の形成
された複合材料線材とを併用することができる。また、
螺旋状凸部においても、螺旋方向の異なる複合材料線
材、例えば、左回りの螺旋状凸部の形成された複合材料
線材(図1中、複合材料線材12,18,20)と、右
回りの螺旋状凸部の形成された複合材料線材(図1中、
複合材料線材14,16,22)とを併用することもで
きる。また、螺旋巻のピッチや螺旋状凸部の幅の異なる
複合材料線材を併用してもよい。また、凸部の形成され
ていない複合材料線材(図1中、複合材料線材24)を
併用することもできる。この場合には、凸部の形成され
ていない複合材料線材は、コンクリート付着性の寄与が
少ないので、内部素線となるように配置しておくことが
望ましい。本発明においては、外部素線における凸部形
成素線の本数や凸部形状等を調整することによりコンク
リート付着強度を制御することができる。また、硅砂等
の粒状物をマトリックス樹脂からなる被覆層に散布する
ことで、表面の摩擦係数を増加して付着性をさらに向上
させることもできる。
【0012】本発明の繊維強化複合材料ケーブルである
と、複合材料線材が互いに接着していないので、コンク
リートと接触していない内部素線が抜け出る可能性があ
るが、その場合には、内部素線の表面に凸部を多数形成
することにより、複合材料線材間の摩擦を増加調整して
内部素線の抜け出しを防止することができる。また、内
部素線の径を大きくすることによっても、外部素線との
摩擦を増加させることができる。さらにまた、施工時
に、外部素線の端部の撚りをばらし、外部素線と内部素
線を接着してしまうことによっても対処できる。
【0013】本発明の繊維強化複合材料ケーブルの製造
方法の一例を図6を参照して説明する。尚、次の製造例
は、螺旋状凸部の形成された複合材料線材からなる繊維
強化複合材料ケーブルについてのものである。まず、強
化繊維26は、樹脂含浸槽36においてマトリックス樹
脂中に浸漬され、続いて、好ましくはその樹脂量および
形態制御の為、ダイス38を通過する。含浸されたマト
リックス樹脂が熱可塑性樹脂の場合、ダイス38は加熱
状態とされる。強化繊維として合糸した強化繊維束を用
いる場合には、合糸した後に、樹脂含浸層36中に導入
してもよいが、各強化繊維を樹脂含浸槽36でマトリッ
クス樹脂中に浸漬した後に、ダイス38にて合糸した方
が樹脂の含浸が十分になされやすく好ましい。
【0014】ダイス38を経た複合材料線材(複合材料
線材束を含む)には、凸部形成用螺旋巻装置40によっ
て、凸部用繊維が巻き回され、凸部が形成される。凸部
用繊維は樹脂含浸済みでも未含浸でもかまわない。未含
浸の場合は複合材料線材の樹脂を吸い上げることにより
含浸されればよい。この後の加熱等工程で樹脂は低粘度
化されるので含浸は促進する。
【0015】そして、表面に凸部が形成された複合材料
線材は、加熱炉および冷却機等を備えた硬化装置42を
経た後、仮撚装置44によって加撚される。この際、含
浸されたマトリックス樹脂が熱硬化性樹脂の場合には、
仮撚装置44により加えられた撚りはマトリックス樹脂
が未だ硬化しないダイス38近傍で主として加撚され、
また、含浸されたマトリックス樹脂が熱可塑性樹脂の場
合は、加熱装置42において主として加撚される。この
ように、仮撚装置44の仮撚側(仮撚装置44よりも上
流側)に樹脂軟化と樹脂硬化を行なう硬化装置42を設
け、仮撚を付与しながら、樹脂軟化、硬化を行なうこと
により、仮撚装置44近傍の加撚側において加撚により
円型断面が維持された加撚硬化した複合材料線材が得ら
れる。また、表面への凸部用繊維の螺旋巻は複合材料線
材の断面の円型化を促進する。尚、樹脂軟化は、熱硬化
性樹脂の場合は加熱による樹脂の低粘度化、熱可塑性樹
脂の場合は加熱による可塑化を意味し、樹脂硬化は、熱
硬化性樹脂の場合は加熱による硬化、熱可塑性樹脂の場
合は冷却による固化を意味する。また、硬化装置42
は、マトリックス樹脂が光硬化性樹脂若しくは電子線硬
化性樹脂の場合には、樹脂軟化用として加熱装置、樹脂
硬化用として光照射装置若しくは電子線照射装置を備え
たものとすればよい。また、仮撚装置44としては、例
えば、図7に示すように、複合材料線材50を下流側に
送給するローラ45,45,・・・を内部に備えた円筒状
の回転体47であって、複合材料線材50の送給方向を
軸中心として回転する装置などが採用され得る。
【0016】こうして凸部の形成された複数本の複合材
料線材は、図8に示すように、ガイドプレート46で相
対位置が制御された後に集束ガイド52で集束し、加撚
巻取ボビン48に巻き取られる。加撚巻取ボビン48
は、巻取方向に垂直な方向Bに回転することによって、
複数の複合材料線材の有する撚トルクの消去に相当する
加撚を行なうと同時に、巻取方向Aに回転することによ
って、撚り合わされた繊維強化複合材料ケーブル10を
得る。このように、この製造方法であると、強化繊維か
ら繊維強化複合材料ケーブルまでを一工程で製造するこ
とが可能である。
【0017】凸部が図4に示すように円環状の場合、次
のようにして製造することが望ましい。まず、例えば樹
脂をポンプで圧送するコーティングダイを利用して図9
に示すように、強化繊維26または強化繊維束に、揺変
性を有する熱硬化性樹脂からなるマトリックス樹脂を塗
布し、マトリックス樹脂層54を形成する。揺変性と
は、塗布使用が可能であって、かつ、硬化に際して実質
的に大幅な流動が生じない性状を云い、一般に市販され
ている揺変性熱硬化性樹脂(例えば、「1液エポキシ#
2247」スリーボンド(株)製)を使用できるが、樹
脂に、アセチレンブラック、コロイド状シリカ等の極性
基をもつ微粉末を混合することにより容易に付与され
る。また、鉛やバナジウム等の金属の酸化物および官能
基を有するアルコキシシランとを組合わせてもよい。強
化繊維束である場合には、可撓性をより高めるために、
マトリックス樹脂が強化繊維束の表面のみに存在し、各
強化繊維間に侵入しない樹脂粘度、塗布方法とすること
が望ましい。
【0018】そして、この複合材料線材60に、図10
に示すように、円筒状回転体56の内周面に取り付けら
れた舌状ブレード58の先端をマトリックス樹脂層54
に断続的に接触させ、部分的にマトリックス樹脂層を切
削し、層厚の薄い箇所を形成することにより、凸部3
2,32,・・・をマトリックス樹脂層54に賦形する。
尚、円筒状回転体56と複合材料線材60は相対的に回
転運動すればよく、円筒状回転体56を固定し、複合材
料線材60を回転させてもかまわない。また、円筒状回
転体56に回転コーティングダイを兼ねさせることも可
能である。
【0019】また、次のような方法によって、独立円環
状の凸部を形成することも望ましい。上記同様に、マト
リックス樹脂層を形成した複合材料線材に対し、図11
に示すように、締結糸条62をその締結糸条62の幅と
同等またはそれ以下のピッチで密に巻き付ける。そして
締結糸条62を締め付けることにより、マトリックス樹
脂が下流側(図11において左方)に寄せられ、盛り上
がる。締結糸条62の巻付け幅が所定幅になったら、締
結糸条62を切断または締結力を緩ませることにより、
締結糸条62を巻き付けない箇所を所定幅設け、再び、
締結糸条62でマトリックス樹脂層54に巻き付け、締
め上げる。このように、締結糸条62で断続的に締め付
けて巻き付けることにより、締結糸条62を巻き付けな
い箇所が凸部32,32,・・・となる。この操作を繰返
すことにより、複数個の独立した円環状の凸部32,3
2,・・・が賦形される。
【0020】上述した独立円環状の凸部を賦形した後、
上記同様に、これを加熱し、マトリックス樹脂を硬化さ
せると共に、加撚して、加撚硬化した複合材料線材と
し、さらにそれらを集束し、加撚巻取ボビンで巻き取っ
て、繊維強化複合材料ケーブルとする。この例示した手
段では、マトリックス樹脂が揺変性を有していることに
より、加熱硬化時の樹脂だれが抑制され、より正確に凸
部を形成することができる。このような手段による独立
円環状の凸部の形成方法であると、金型等の複雑な手段
を用いることなく、正確な形状の所定サイズの凸部を形
成することができる。特に、締結糸条を断続的に締め付
けて巻き付ける手段であると、複合材料線材に生じるお
それのある割れの発生防止効果があり、また、経済的に
も優れている。尚、凸部の形成は、螺旋状または独立形
状のどちらにおいても、特開平1−65872号公報に
記載されているように、ダイスを用いて賦形することも
可能ではある。しかし、この方法では、加熱ダイスでマ
トリックス樹脂の熱硬化性樹脂を完全に硬化させないと
脱型が困難となることから、製造が容易でなく、また、
加撚も行ないにくい。
【0021】
【実施例】[実施例1]図6に示す装置を用いて繊維強
化複合材料ケーブルを製造した。まず、0.8g/mの
炭素繊維トウ(三菱レイヨン(株)製「炭素繊維パイロ
フィルTR30W12L」)を13本合糸した後、1m当り5回
の撚りをかけ、これらを合糸してなる7本の強化繊維束
を準備した。そして、これらの強化繊維束を硬化物の2
次転移温度が約120℃のエポキシ樹脂が満たされた樹
脂含浸槽36に導き、含浸させた後、ダイス38で樹脂
含有量34%までエポキシ樹脂を除去した。その後、7
本の複合材料線材束のうち、1本は螺旋巻きせず、その
他の6本の複合材料線材束に対して、凸部形成用螺旋巻
装置40で840デニールのナイロン繊維を3本合糸し
た凸部用繊維を撚りピッチ3.5mmで螺旋巻にした。
その後、これら7本の複合材料線材束50を硬化装置4
2を経て仮撚装置42に導いた。仮撚装置42により、
エポキシ樹脂が含浸された複合材料線材束は1m当り、
約10回転のZ方向の撚りが加えられた状態で硬化し
た。このようにした得た7本の複合材料線材束50をガ
イドプレート46ないし集束ガイド52で集束し、1m
当り、約2.0回のZ撚りを加えながら、1.5m胴径の
加撚巻取ボビン48に巻き取り、繊維強化複合材料ケー
ブルを製造した。凸部は高さが約0.1mm、幅が約2.
0mmであった。
【0022】[実施例2]実施例1で使用した炭素繊維
(「TR30W12L」)を30本用いた複合材料線材束を1m
当り、3回の撚りをかけ、その複合材料線材束3本に対
して実施例1と同様に840デニールのナイロン繊維を
3本合糸した凸部用繊維で螺旋巻を行なって凸部を形成
した。その後、仮撚機で加撚した後、引取機でZ方向に
1m当り、1.5回の撚りをかけて2m胴径の加撚巻取
ボビンに巻き取った。複合材料線材の全撚数はZ方向に
1m当り5回で、複合材料線材上の凸部の螺旋ピッチは
4.0mm、凸部の幅は2.0mm、凸部高さは0.1m
mであった。
【0023】[試験例]上記実施例1,2の各繊維強化
複合材料ケーブル及びPC鋼撚線(比較例)について、
土木学会「連続繊維補強材を用いたコンクリート構造物
の設計・施工指針」の「引抜き試験による連続繊維補強
材とコンクリートとの付着強度試験方法(JSCE-E539-19
95)」に基づき、コンクリート付着性試験を行なった。
また、実施例1,2の繊維強化複合材料ケーブルについ
て、引張荷重の強度利用効率も計測した。強度利用効率
とは、繊維強化複合材料ケーブルの実測破断荷重をその
理論値で除した値である。理論値とは、1本当りの強化
繊維の破断荷重を使用本数倍したものである。また、実
施例1,2の繊維強化複合材料ケーブルについて、種々
の胴径の芯体にリール巻し、支障なくリール巻すること
のできる最小径を調べた。これらの結果を表1に示す。
【0024】
【表1】 表1から明らかなように、本実施例の繊維強化複合材料
ケーブルであると、コンクリートに対する付着性が高
く、しかも、強度利用効率も高い。さらに、十分な可撓
性を有し、小径にリール巻することが可能である。
【0025】
【発明の効果】本発明の繊維強化複合材料ケーブルであ
ると、モルタルまたはコンクリートとの付着性が良好
で、かつ、破断荷重を大きくさせても可撓性を有するの
で、曲率半径の小さいリール巻等によりコンパクトに保
管、輸送等を行なうことができる。特に、請求項2記載
の繊維強化複合材料ケーブルであると、コンクリート付
着性が高い上に、請求項4記載の方法により容易に製造
可能である。また、請求項3記載の繊維強化複合材料ケ
ーブルであると、コンクリート付着性が高い上に、安定
してコンクリート中に埋設、使用ができる。請求項5,
6記載の製造方法であると、この繊維強化複合材料ケー
ブルを容易に製造することができ、特に、請求項6記載
の方法により製造した繊維強化複合材料ケーブルは耐久
性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 繊維強化複合材料ケーブルの一例を示す側面
図である。
【図2】 図1のII−II側断面図である。
【図3】 複合材料線材束例を示す側面図である。
【図4】 複合材料線材の一例を示す側面図である。
【図5】 複合材料線材の一例を示す側面図である。
【図6】 繊維強化複合材料ケーブルの製造法の一例を
示す概略構成図である。
【図7】 仮撚装置の一例を示す側断面図である。
【図8】 繊維強化複合材料ケーブルの製造法の一例を
示す部分斜視図である。
【図9】 複合材料線材の一例を示す側面図である。
【図10】 複合材料線材の製造例を示すもので、図1
0(a)は側断面図、図10(b)は正面図である。
【図11】 複合材料線材の製造方の一例を示す側面図
である。
【符号の説明】
10 繊維強化複合材料ケーブル 12 複合材料線材 14 複合材料線材 16 複合材料線材 18 複合材料線材 20 複合材料線材 22 複合材料線材 24 複合材料線材 26 強化繊維 28 マトリックス樹脂層 30 凸部 32 凸部 34 凸部 50 複合材料線材 54 マトリックス樹脂層 60 複合材料線材 62 締結糸条

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周面に凸部が形成された複合材料線材を
    1本以上有して撚り合わされ、該凸部の形成された複合
    材料線材が、表面に露出する位置に配置されていること
    を特徴とする繊維強化複合材料ケーブル。
  2. 【請求項2】 前記凸部は、複合材料線材の周面に、間
    隔を有した螺旋状に形成されていることを特徴とする請
    求項1記載の繊維強化複合材料ケーブル。
  3. 【請求項3】 前記凸部は、独立して複数個形成されて
    いることを特徴とする請求項1記載の繊維強化複合材料
    ケーブル。
  4. 【請求項4】 強化繊維の周囲にマトリックス樹脂層を
    形成した複合材料線材に、凸部用繊維を間隔を有した螺
    旋状に巻回し、マトリックス樹脂層を硬化させ、得られ
    た複数本の複合材料線材を集束して撚り合わせることを
    特徴とする繊維強化複合材料ケーブルの製造方法。
  5. 【請求項5】 強化繊維の表面に揺変性を有する熱硬化
    性樹脂からなるマトリックス樹脂層を形成し、該マトリ
    ックス樹脂層にそれぞれが独立した凸部を賦形した後、
    該マトリックス樹脂層を加熱硬化し、得られた複数本の
    複合材料線材を集束して撚り合わせることを特徴とする
    繊維強化複合材料ケーブルの製造方法。
  6. 【請求項6】 独立した凸部の賦形は、マトリックス樹
    脂層を部分的に切削することにより行なうことを特徴と
    する請求項5記載の繊維強化複合材料ケーブルの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 独立した凸部の賦形は、マトリックス樹
    脂層に部分的に締結糸条を巻き付けることにより行なう
    ことを特徴とする請求項5記載の繊維強化複合材料ケー
    ブルの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013231265A (ja) * 2012-04-02 2013-11-14 Kongo Sangyo Kk 合成繊維ロープを用いた流体エネルギー減衰部材及び合成繊維ロープを用いた流体エネルギー減衰装置
IT201800002988A1 (it) * 2018-02-23 2019-08-23 Sireg Geotech S R L Trefolo composito in fibre di vetro e/o basalto per cemento precompresso

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