JPH11222770A - セルロース編織物の加工法 - Google Patents

セルロース編織物の加工法

Info

Publication number
JPH11222770A
JPH11222770A JP2685598A JP2685598A JPH11222770A JP H11222770 A JPH11222770 A JP H11222770A JP 2685598 A JP2685598 A JP 2685598A JP 2685598 A JP2685598 A JP 2685598A JP H11222770 A JPH11222770 A JP H11222770A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
processing
cellulose
knitted fabric
compound
mixture
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2685598A
Other languages
English (en)
Inventor
Teruo Akashi
輝雄 明石
Masataka Ikeda
昌孝 池田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2685598A priority Critical patent/JPH11222770A/ja
Publication of JPH11222770A publication Critical patent/JPH11222770A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】風合が柔軟で、鮮明性、色濃度、染色堅牢度、
防皺性等に優れた性能を得ることができ、さらに染色工
程と仕上工程とを同時に行った場合でも優れた上記性能
を得ることができるセルロース編織物の加工法を提供す
る。 【解決手段】(1) 一般式HO−R−SO2 −(X)m−R
−OH(ただし、Rは炭素数2または3のアルキレン
基、mは0または1、Xは−(RO)m1 −R−SO 2
(m1は1〜4の整数)を示す)で表される化合物の少な
くとも1種と、アルカリ触媒と、酸化防止剤、ホスフェ
ート類またはこれらの混合物とを含む混合液を、セルロ
ース編織物に付与し、次いで熱処理を行うセルロース編
織物の加工法。(2) 前記混合液中に反応性染料を含有さ
せたセルロース編織物の加工法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はセルロース編織物の
加工法に関し、さらに詳しくはセルロース編織物の形態
安定性、防皺性、ウォッシュ・アンド・ウェアー性等の
性能向上を目的とした仕上加工(以下、単に防皺加工と
称することがある)を行うセルロース編織物の加工法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セルロース編織物の防皺加工は、
セルロース分子間を架橋させる架橋剤およびセルロース
分子と架橋剤を反応させる触媒を含む溶液にセルロース
編織物を浸漬し、マングル等を用いて均一に絞り、乾燥
し、乾燥空気中で熱処理工程を経ることにより行われて
いる。その際、使用する架橋剤としては、いわゆる低ホ
ル樹脂と称されるジメチロールジヒドロキシエチレン尿
素または編織物からの環境衛生上問題となるホルムアル
デヒドの発生のないいわゆるノンホル樹脂と称されるジ
メチルジヒドロキシエチレン尿素が一般的に使用されて
いる。さらにノンホル架橋剤としてブタンテトラカルボ
ン酸、エポキシ樹脂、ビス(2−ヒドロキシエチル)ス
ルホン(以下、BHESと略す)等が検討されている。
【0003】しかしながら、上記ジメチロールジヒドロ
キシエチレン尿素を用いると上記したように環境衛生上
問題となるホルムアルデヒドが発生し、またジメチルジ
ヒドロキシエチレン尿素を用いる場合には、加工時に触
媒として使用する酸が乾燥濃縮時にセルロースに悪影響
を及ぼし、繊維脆化、風合硬化等を引き起こすため、強
度低下防止剤や柔軟剤の使用が必要であり、またこれら
の薬剤を使用したとしても優れた経時的な耐久性が得ら
れないという問題があった。またブタンテトラカルボン
酸およびエポキシ樹脂は高価であり、一般的には使用し
にくいという欠点がある。
【0004】一方、BHESの使用では風合が柔軟に仕
上がるという効果が得られるが(加工技術,31.P.
890(1996))、触媒として、高濃度かつ強アル
カリ剤を使用するため、加工時の乾燥熱空気中でセルロ
ースが黄変するという問題が生じる。この黄変は、BH
ES加工液中に硼素化合物を添加することにより軽減さ
れるが完全ではなく、また染料種により変色程度が異な
り、特に鮮明色に問題があることが指摘されている(染
色工業,24,(2),P.76(昭和51年))。例
えば、鮮明色を希望する場合に、鮮明色が得られる反応
性染料を用いて染色しても鮮明色が得られにくく、また
鮮明色以外を希望する場合でも変色を見越した色合わせ
が必要であり、希望色に合致させるのが困難であった。
【0005】セルロース繊維の染色には各種属の染料が
使用されるが、染色の容易さ、色の鮮明さ、高堅牢性な
どの点から、反応性染料が多く使用されている。セルロ
ース編織物の仕上加工は、通常、染色後に行われている
が、合理化の点から、染色仕上同時加工法の検討が種々
なされいる。BHESと反応性染料を使用した染色仕上
同時加工法についても検討がなされているが(加工技
術,12.P.712(1996))、黄変防止剤とし
て使用する硼砂により、染色濃度が低下するという問題
点が挙げられている。
【0006】また、一般にセルロース繊維を染色する際
には、浸染法、連続染色法を問わずセルロース繊維の還
元性により生じる染料の変色、分解を防止するために、
メタニトロベンゼンスルホン酸ソーダなどの還元防止剤
を、浸染浴またはパッド浴に添加することが常道となっ
ている。また、セルロース編織物の連続染色法には、例
えばパッド・ドライ法、パッド・ドライ・ベーク法また
はパッド・ドライ・サーモフィックス(以下、PDT法
と略す)、さらにコールド・パッド・バッチ法(以下、
CPB法と略す)などの種々の方法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点をなくし、風合が柔軟で、鮮明性、色濃度、
染色堅牢度、防皺性等に優れた性能を得ることができ、
さらに染色工程と仕上工程とを同時に行った場合でも優
れた上記性能を得ることができるセルロース編織物の加
工法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題に
鑑み、特定の化合物とアルカリ触媒を使用して加工する
際の変色防止剤について検討した結果、酸化防止剤、ホ
スフェート類またはこれらの混合物を使用することによ
り優れた防皺加工性が得られること、および該混合液に
反応性染料を含有させて染色仕上同時加工を行っても優
れた染色性が得られることを見いだし、本発明に到達し
たものである。具体的には、セルロース編織物の染色布
に、BHESとアルカリ触媒とセルロース繊維の黄変防
止剤(例えば、硼酸ナトリウム)を含む溶液を付与し、
乾燥、熱処理、水洗、ソーピング、水洗、乾燥して得ら
れる防皺加工されたセルロース編織物が、加工前のセル
ロース編織物と異なった色相となることに注目し、また
多量の硼酸ナトリウムの添加により、加工時の変色を低
減する効果は認められるが、防皺性の向上を阻害する現
象が観察されること、および硼酸ナトリウムの溶解度か
ら多量の硼酸ナトリウムの添加は現実的には困難である
ことを念頭において他の黄変・変色防止剤について探索
した結果、従来とは全く逆の酸化防止剤またはホスフェ
ート類を、BHES等とアルカリ触媒と反応性染料を含
む溶液に混合させることによりPDT法以上の発色性が
得られ、また一般的にPDT法では発色性が低くて使用
できないCPB法用反応性染料を、BHES等とアルカ
リ触媒を含む溶液に混合するこにより使用が可能となる
ことを見いだしたものである。
【0009】すなわち、本願で特許請求される発明は以
下のとおりである。 (1)一般式(I) HO−R−SO2 −(X)m−R−OH (I) (ただし、Rは炭素数2または3のアルキレン基、mは
0または1、Xは−(RO)m1 −R−SO2 −(m1は1
〜4の整数)を示す)で表される化合物の少なくとも1
種と、アルカリ触媒と、酸化防止剤、ホスフェート類ま
たはこれらの混合物とを含む混合液を、セルロース編織
物に付与し、次いで熱処理を行うことを特徴とするセル
ロース編織物の加工法。 (2)前記混合液中に反応性染料を含有させたことを特
徴とする(1)記載のセルロース編織物の加工法。 (3)前記一般式(I)で表される化合物が、ビス(2
−ヒドロキシエチル)スルホンであることを特徴とする
(1)または(2)記載のセルロース編織物の加工法。
【0010】(4)前記酸化防止剤が、ラジカル連鎖停
止剤であるフェノール系化合物、過酸化物分解剤である
燐系化合物または硫黄系化合物、紫外線吸収剤であるベ
ンゾトリアゾール系化合物および多機能安定剤であるヒ
ンダードアミン系化合物の少なくとも1種であることを
特徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載のセル
ロース編織物の加工法。 (5)前記酸化防止剤が、エチレンジアミン四酢酸また
はエチレンジアミン四酢酸のアルカリ塩であることを特
徴とする(1)ないし(3)のいずれかに記載のセルロ
ース編織物の加工法。 (6)前記ホスフェート類が、一般式(II) (R1 O)nP(O)(OZ) 3- n (II) (ただし、R1 は炭素数1〜24のアルキル基、nは1
〜3の整数、Zは水素またはアルカリ金属を示す)で表
される化合物であることを特徴とする(1)ないし
(5)のいずれかに記載のセルロース編織物の加工法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明におけるセルロース編織物
の加工には、上記一般式(I)で表される化合物と、ア
ルカリ触媒と、酸化防止剤、ホスフェート類またはこれ
らの混合物とを含む混合液が用いられ、また該混合液に
反応性染料を含有させてた混合液を用いて染色仕上同時
加工を行うことができる。
【0012】本発明に用いられる上記一般式(I)で表
される化合物の例として、ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)スルホン、ビス(2−ヒドロキシプロピル)スルホ
ン、その他、例えば、Textile Researc
h Journal,32,P.189(1962)に
記載されたスルホン化合物などが挙げられる。これらの
スルホン化合物のうち、製造の容易さ、優れた防皺加工
性等の点から、特にビス(2─ヒドロキシエチル)スル
ホン(BHES)が好ましい。上記一般式(I)で表さ
れる化合物は単独で用いてもよいが、通常は2種以上混
合したものが用いられる。この理由は上記スルホン化合
物の製造において、上記一般式中のm1 の値が必ず一定
値のものが得られるとは限らないからである。なお、意
識的に2種以上の化合物を混合して使用してもよい。
【0013】上記一般式(I)で表される化合物の混合
液(染料を含む混合液を包含する)中の濃度は、絞率、
セルロース繊維の種類、編織物の種類、希望する防皺性
の程度により適宜設定されるが、木綿100%の平織ブ
ロード地で、絞率100%の場合は通常3〜20%とさ
れ、好ましくは6〜15%とされる。なお、本発明にお
いて、絞率は下記式で算出された値をいい、また%は特
に限定しないかぎり重量%を示す。 絞率(%)=(編織物に付与した混合液重量/編織物重
量)×100
【0014】本発明に用いられるアルカリ触媒は、水溶
性の無機または有機化合物で、その水溶液がアルカリ性
を呈する物質または熱処理によりアルカリを遊離する物
質(潜在性アルカリ)である。水溶液がアルカリ性を呈
する物質としては、カリウム、ナトリウム等のアルカリ
金属の水酸化物、炭酸塩、燐酸塩、硅酸塩等、具体的に
は水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、燐酸三ナトリウム
等が挙げられる。また潜在性アルカリとしては、重炭酸
ナトリウム、トリクロル酢酸ナトリウム等が挙げられ
る。
【0015】アルカリ触媒の混合液中の濃度は、その種
類、絞率などに応じて適宜設定されるが、炭酸ナトリウ
ムの場合は通常2〜6%とされる。アルカリ触媒の濃度
が低すぎると防皺性の向上が得られない場合があり、ま
た濃度が高すぎるとセルロース繊維の黄変が増大するこ
とがある。染料を含む混合液の場合には、反応性染料を
固着するのに要する量が加算されるため、混合液中のア
ルカリ触媒の濃度は、炭酸ナトリウムの場合、2〜8%
の範囲とするのが好ましい。
【0016】本発明に用いられる酸化防止剤としては、
プラスチックスの安定剤として多用されているラジカル
連鎖停止剤であるフェノール系化合物、過酸化物分解剤
である燐系または硫黄系化合物、紫外線吸収剤であるベ
ンゾトリアゾール系化合物および多機能安定剤であるヒ
ンダードアミン系化合物が挙げられ、これらの酸化防止
剤は単独でまたは混合して使用することができる。これ
らの化合物の具体例としては、化審法既存化学物質番号
で示せば、(2)−919、(2)−1399、(3)
−540、(3)−1118、(3)−3509、
(4)−550、(4)−1471、(5)−373
2、(4)−5928等が挙げられる。
【0017】またこれらの市販品としては、スミライザ
イ−WX−R(住友化学工業社製商品名、上記番号
(3)−1118:フェノール系化合物)、アンテージ
2LX(川口化学工業社製商品名、上記番号(3)−5
40:フェノール系化合物)等が挙げられる。上記酸化
防止剤の混合液中の濃度は、酸化防止剤の種類により異
なるが、防皺加工性および経済性の点から、通常0.0
1〜3.0%とされ、好ましくは0.05〜0.5%の
範囲とされる。これらの酸化防止剤は水難溶性であるた
め、アセトン、メタノール等の有機溶媒に溶解し、界面
活性剤で乳化して使用するのが好ましい。
【0018】また酸化防止剤として、食品添加物である
エチレンジアミン四酢酸またはそのアルカリ塩を用いる
ことができる。これらのうち、混合液がアルカリ性であ
り、アルカリ塩の方が溶解度が高いことから、エチレン
ジアミン四酢酸のナトリウム塩またはカリウム塩が好ま
しく、より好ましくはエチレンジアミン四酢酸の四ナト
リウム塩(以下、EDTA・4Naと記す)である。混
合液中のエチレンジアミン四酢酸またはそのアルカリ塩
の濃度は、防皺加工性および経済性の点から、0.2〜
2.0%の範囲が好ましい。これらのエチレンジアミン
四酢酸またはそのアルカリ塩は上記した酸化防止剤と混
合して用いることができる。
【0019】本発明に用いられるホスフェート類は、上
記一般式(II)で表される化合物であり、エチルアシッ
ドホスフェートなどが挙げられ、その他の化合物を、化
審法既存化学物質番号で示せば、(2)−1086、
(2)−1986、(2)−2014、(3)−260
7、(7)−128等が挙げられる。これらは単独でま
たは混合して使用することができる。これらのホスフェ
ート類には水易溶性のものと水難溶性のものとがあり、
水難溶性の場合は有機溶媒に溶解し、界面活性剤で乳
化、分散して使用されるが、水易溶性の化合物を用いる
のが好ましい。混合液中のホスフェート類の濃度は、防
皺加工性および経済性の点から、0.01〜1.0%の
範囲が好ましい。
【0020】本発明においては、上記した各種の酸化防
止剤および各種のホスフェート類はそれぞれ単独で用い
てもよいが、これらを混合して使用することにより相乗
効果、相加効果が得られるので好ましい。特に各種の酸
化防止剤を混合して使用するとその効果が増大する。ま
た混合液には従来の黄変防止剤である硼素化合物を添加
することができる。硼素化合物としては硼酸ナトリウム
の10水塩(以下、硼砂と略す)が好ましい。硼砂と酸
化防止剤やホスフェート類との併用により相乗的な効果
が得られる。多量の硼砂の添加はその溶解度から困難で
あり、また染料を含む混合液中への多量の硼砂の添加
は、反応性染料のセルロース繊維への染着率を低下さ
せ、かつ防皺性向上の効果を減じさせる。従って、酸化
防止剤やホスフェート類と硼砂を混合して使用すると硼
砂の添加量を減少させることができ、上記欠点を解消す
ることができる。混合液中の硼砂の添加量は0.5〜
3.0%の範囲が好ましい。
【0021】本発明に用いられる反応性染料としては、
ジクロロトリアジン型、ジクロロキノキサリン型、ビニ
ールスルフォン型、フロロメチルクロロピリミジン型、
モノクロロトリアジン型、ビニールスルフォンモノクロ
ロトリアジン二官能型、トリクロロピリミジン型等の一
般に市販されているセルロース繊維用の反応性染料(商
標;シバクロン、スミフィックス、レマゾール、レバフ
ィックス、プロシオン等)などが挙げられ、これらのう
ち特にビニールスルフォン型、ビニールスルフォンモノ
クロロトリアジン二官能型等が好ましい。
【0022】反応性染料は希望する色相に従って1種以
上混合して使用され、混合液中の反応性染料濃度は、使
用する反応性染料の溶解度、色相、希望する色濃度およ
び絞率などにより適宜設定される。本発明に用いられる
混合液には、上記成分のほかに柔軟平滑剤、撥水剤、消
泡剤、帯電防止剤、浸透剤、糊剤、抗菌剤等をその目的
に沿って適宜添加することができる。またセルロース繊
維以外の他の繊維を染色することができ、かつアルカリ
性に対して変色等の問題を惹起しない染料を添加するこ
ともできる。
【0023】本発明に用いられるセルロース繊維として
は、木綿、麻等の天然セルロース繊維、レーヨン、キュ
プラ、ポリノジック等の再生セルロース繊維が挙げられ
る。本発明において、セルロース編織物とは、上記セル
ロース繊維を30%以上含む編地または織物をいい、編
地または織物を構成する糸がセルロース繊維100%か
らなるフィラメント、紡績糸等の他に、セルロース繊維
以外の他の繊維からなるフィラメント、紡績糸またはセ
ルロース繊維とセロース繊維以外の他の繊維との紡績
糸、混繊糸、交撚糸等を含み、編織物全体として、セル
ロース繊維を30%以上含むものをいう。
【0024】本発明におけるセルロース編織物の加工
は、上述した混合液をセルロース編織物に付与した後に
熱処理を施すことにより行われる。本発明において、混
合液中に染料が含まれない場合には、あらかじめ、セル
ロース編織物を精練、精練・漂白または染色した後に、
また染料を含有する混合液を用いる場合には、あらかじ
めセルロース編織物を精練または精練・漂白した後に本
発明の加工を行うのが好ましい。またセルロース編織物
がセルロース繊維以外の他の繊維を含有している場合
は、他の繊維を予め染色してから本発明の加工を施すこ
とも可能である。
【0025】セルロース編織物に混合液を付与する方法
としては、コーティング法、スプレー法、パディング
法、ローラー捺染法、スクリーン捺染法等の公知の方法
を採用することができる。これらのうち、セルロース編
織物を拡布状で、連続的に混合液中に浸漬し、マングル
で絞液するパディング法が好ましい。また混合液の含有
成分のうち、アルカリ触媒とアルカリ性物質とを溶解混
合してA液とし、他のアルカリ性を呈しない物質を溶解
混合してB液とし、該A液とB液をアルカリミキサーで
混合した後に、直ちにパディング法で行うのがより好ま
しい。
【0026】また混合液が付与されたセルロース編織物
を熱処理する前に、赤外線乾燥機、熱風乾燥機等で常温
から110℃で乾燥してもよい。本発明における熱処理
は110〜210℃の気体中で行うのが好ましい。該気
体としては特に制限はなく、通常は空気中で行われ、水
蒸気を含有していてもよく、またプロパンガス等の燃料
による燃焼ガス等を含有していてもよいが、乾燥した空
気がより好ましい。熱処理時間は温度が低い場合は長
く、高い場合は短くするのが効果的であり、150〜1
90℃で1〜5分が好ましい。熱処理には各種熱処理機
が使用可能であるが、編織物の幅、長さの規制のため、
ピンまたはクリップテンターが好ましい。熱処理後、未
反応の架橋剤、触媒等を除去するため、その後、水洗、
ソーピング、水洗、乾燥することが好ましい。乾燥前ま
たは乾燥後に柔軟平滑剤、撥水剤、吸水剤等を付与し、
乾燥仕上を行ってもよい。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳しく説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、
例中の%は特に限定しない限り重量%を意味する。また
セルロース編織物の試料Aには、JIS染色堅ろう度試
験用(JISL0803準拠)綿布帛(かなきん3号)
を用い、また試料Bには、50デニール30フィラメン
トのキュプラ繊維(旭化成工業社製、商標、ベンベル
グ)をたて糸とし、75デニール54フィラメントのキ
ュプラ繊維をよこ糸とした目付70g/m2 のタフタ地
を、常法に従い糊抜・精練・脱水・乾燥した布帛を用い
た。
【0028】混合液の付与はパッディング法で行い、絞
率は80%とした。また水には軟水を使用し、乾燥およ
び熱処理にはピンテンターを使用した。ソーピングはグ
ランアップPL(三洋化成工業社製、非イオン系界面活
性剤)0.3%水溶液中、90℃で2分間行った。さら
に特に断らない場合の温度は混合液、水洗水、気温は2
5℃とした。また測色にはマクベス分光光度計CE−3
000型(サカタインクス社製)を使用した。測色設定
条件は、光源:C、UV光:含む、鏡面光沢:含む、視
野:2度で、表色にはCIELabを使用し、白色度を
WIで、黄色度をbで示した。また色濃度は可視光部の
光吸収が最大である波長におけるK/S(Kubelk
a−Munkの式)で示した。さらに防皺率は「織物の
防しわ性試験方法」JIS L 1059、A法(針金
法)により測定した。
【0029】実施例1 試料Aに、BHES−50(明成化学工業社製商品名:
ビス(2−ヒドロオキシエチル)スルホンを50%含
有)を16.0%、無水炭酸ナトリウムを4.0%、硼
砂を2.0%およびEDTA・4Naを1.0%含む混
合液を付与し、100℃で3分間乾燥し、170℃で1
分間の熱処理を行い、水洗、ソーピング、水洗、乾燥し
た。 比較例1 実施例1において、EDTA・4Naを含有しない混合
液を用いた以外は実施例1と同様の処理を行った。
【0030】実施例2 実施例1において、試料Aのかわりに試料Bを用いた以
外は実施例1と同様の処理を行った。 比較例2 実施例2において、EDTA・4Naを含有しない混合
液を用いた以外は実施例2と同様の処理を行った。
【0031】実施例3 試料Aに、BHES−50を16.0%、無水炭酸ナト
リウムを4.0%、硼砂を1.0%、EDTA・4Na
を1.0%、無水硫酸ナトリウムを1.0%および反応
性染料(Remazole Brill Blue
R:ダイスタージャパン社製商品名、以下、CINoB
19と略す)を0.05%含む混合液を付与し、100
℃で3分間乾燥し、160℃で3分間の熱処理を行い、
水洗、ソーピング、水洗、乾燥した。 比較例3 実施例3において、EDTA・4Naを含有しない混合
液を用いた以外は実施例3と同様の処理を行った。
【0032】実施例4 試料Bに、BHES−50を16.0%、無水炭酸ナト
リウムを4.0%、硼砂を0.5%、EDTA・4Na
を1.0%、無水硫酸ナトリウムを1.0%、アルギン
酸ナトリウムを0.1%および反応性染料CINoB1
9を1.0%含む混合液を付与し、100℃で3分間乾
燥し、160℃で3分間の熱処理を行い、水洗、ソーピ
ング、水洗、乾燥した。 比較例4 実施例4において、EDTA・4Naを含有しない混合
液を用いた以外は実施例4と同様の処理を行った。
【0033】実施例5 試料Bに、スミライザイーWX−R(住友化学工業社製
商品名:化審法既存化学物質番号(3)−1118)
0.5gアセトン1.0gに溶解し、ノニオン系界面活
性剤(エマルゲン930(花王社製商品名)2.0gで
乳化・分散し、またBHES−50を16.0g、無水
炭酸ナトリウムを4.0gおよび反応性染料(Sumi
fix supra Blue BRF150%:住友
化学工業社製商品名、以下、CINoB221と略す)
を1.0g、各々水に溶解して混合し、全量を100g
とした混合液を付与し、100℃で2分間乾燥し、16
0℃で3分間の熱処理を行い、水洗、ソーピング、水
洗、乾燥した。 比較例5 実施例5において、スミライザイーWX−Rの分散液を
含有しない混合液を用いた以外は実施例5と同様の処理
を行った。
【0034】実施例6 試料Bに、アンテージ2LX(川口化学工業社製商品
名:化審法既存化学物質番号(3)−540を主体と
し、他にアニオン界面活性剤等を含有する)を0.2
%、BHES−50を16.0%、無水炭酸ナトリウム
を4.0%および反応性染料(CINoB221)を
1.0%含む混合液を付与し、100℃で2分間乾燥
し、160℃で3分間の熱処理を行い、水洗、ソーピン
グ、水洗、乾燥した。 比較例6 実施例6において、アンテージ2LXを含有しない混合
液を用いた以外は実施例6と同様の処理を行った。
【0035】実施例7 試料Bに、エチルアシッドホスフェートを0.01%、
BHES−50を16.0%、無水炭酸ナトリウムを
4.0%、硼砂を1.0%および反応性染料(Sumi
fix supra Brill Red 3BF150
%、住友化学工業社製商品名、以下、CINoR195
と略す)を1.0%含む混合液を付与し、100℃で2
分間乾燥し、160℃で3分間の熱処理を行い、水洗、
ソーピング、水洗、乾燥した。 比較例7 実施例7において、エチルアシッドホスフェートを含有
しない混合液を用いた以外は実施例7と同様の処理を行
った。
【0036】<試験例>実施例1、2および比較例1、
2で得られた加工処理した布帛の白色度(WI値)およ
び黄色度(b値)を測定し、その結果を表1に示した。
表1から、実施例1、2で得られた布帛は、比較例1、
2のものに比べて白色度は高く、かつ黄色味が少ないた
め、鮮明性に優れることが示される。
【表1】
【0037】また実施例3〜7および比較例3〜7で得
られた加工処理布帛の色濃度(K/S値)および黄色度
(b値)を測定し、その結果を表2に示した。表2か
ら、実施例4〜7の加工処理布帛の色濃度(K/S値)
は、比較例4〜7のものに比べて高いことが示される。
また実施例3の色濃度は、比較例3のものと同じである
が、黄色度が低く鮮明な淡色青色であることが示され
る。さらに実施例3〜6の加工処理布帛は、比較例3〜
6のものに比べて黄色度の低い、鮮明な青色であること
が示される。さらに実施例7の黄色度は比較例7のもの
より高い値を示すが、これは色濃度が比較例7に比べて
極端に高いためであり、黄色度が高いことは赤色として
鮮明な色相であるといえる。
【0038】
【表2】
【0039】加工処理前の布帛と加工処理後の布帛の防
皺率を調べた。その結果、加工処理前の試料Aの防皺率
は、たて34%、よこ36%であったが、加工処理後の
実施例1、3および比較例1、3で得られた布帛の防皺
率は、たて、よこ共に48〜52%の範囲にあった。ま
た試料Bの加工処理前の防皺率は、たて36%、よこ3
0%であったが、加工処理後の実施例2、4〜7および
比較例2、4〜7で得られた布帛の防皺率は、たて、よ
こ共に50〜56%の範囲にあった。これらの結果か
ら、本発明の加工処理を行うことにより防皺性に悪影響
のないことが確認された。さらに本発明の布帛は染色堅
牢性に優れることが確認された。
【0040】
【発明の効果】本発明のセルロース編織物の加工法によ
れば、BHES等による防皺加工時の黄変・変色が少な
く、またBHES等と反応性染料による染色仕上同時加
工時の染料の分解・変色が少ないため、色濃度が高く、
鮮明な色のセルロース編織物が得られる。また、染色と
同時に仕上加工を行っても上記効果が得られ、また色合
わせも容易となる。さらに加工後の編織物からのホルマ
リン等の発生がなく、染色堅牢度および防皺性の良好な
セルロース編織物を得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) HO−R−SO2 −(X)m−R−OH (I) (ただし、Rは炭素数2または3のアルキレン基、mは
    0または1、Xは−(RO)m1 −R−SO2 −(m1は1
    〜4の整数)を示す)で表される化合物の少なくとも1
    種と、アルカリ触媒と、酸化防止剤、ホスフェート類ま
    たはこれらの混合物とを含む混合液を、セルロース編織
    物に付与し、次いで熱処理を行うことを特徴とするセル
    ロース編織物の加工法。
  2. 【請求項2】 前記混合液中に反応性染料を含有させた
    ことを特徴とする請求項1記載のセルロース編織物の加
    工法。
  3. 【請求項3】 前記一般式(I)で表される化合物が、
    ビス(2−ヒドロキシエチル)スルホンであることを特
    徴とする請求項1または2に記載のセルロース編織物の
    加工法。
  4. 【請求項4】 酸化防止剤が、ラジカル連鎖停止剤であ
    るフェノール系化合物、過酸化物分解剤である燐系化合
    物または硫黄系化合物、紫外線吸収剤であるベンゾトリ
    アゾール系化合物および多機能安定剤であるヒンダード
    アミン系化合物の少なくとも1種であることを特徴とす
    る請求項1ないし3のいずれかに記載のセルロース編織
    物の加工法。
  5. 【請求項5】 酸化防止剤が、エチレンジアミン四酢酸
    またはエチレンジアミン四酢酸のアルカリ塩であること
    を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のセル
    ロース編織物の加工法。
  6. 【請求項6】 前記ホスフェート類が、一般式(II) (R1 O)nP(O)(OZ) 3- n (II) (ただし、R1 は炭素数1〜24のアルキル基、nは1
    〜3の整数、Zは水素またはアルカリ金属を示す)で表
    される化合物であることを特徴とする請求項1ないし5
    のいずれかに記載のセルロース編織物の加工法。
JP2685598A 1998-02-09 1998-02-09 セルロース編織物の加工法 Pending JPH11222770A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2685598A JPH11222770A (ja) 1998-02-09 1998-02-09 セルロース編織物の加工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2685598A JPH11222770A (ja) 1998-02-09 1998-02-09 セルロース編織物の加工法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11222770A true JPH11222770A (ja) 1999-08-17

Family

ID=12204902

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2685598A Pending JPH11222770A (ja) 1998-02-09 1998-02-09 セルロース編織物の加工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11222770A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006063477A (ja) * 2004-08-26 2006-03-09 Tokai Senko Kk セルロース系編織物の洗い晒し調加工方法
JP2009007731A (ja) * 2007-05-31 2009-01-15 Lion Corp 紫外線吸収性繊維処理剤組成物
WO2016017815A1 (ja) * 2014-07-31 2016-02-04 エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社 紡糸用麻繊維の製造方法及び紡糸用麻繊維
WO2016017814A1 (ja) * 2014-07-31 2016-02-04 エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社 紡糸用麻繊維の製造方法及び紡糸用麻繊維
CN113652880A (zh) * 2021-08-16 2021-11-16 浙江鑫兰纺织有限公司 一种植物靛蓝染牛仔面料抗氧化生产工艺
CN114032680A (zh) * 2021-12-23 2022-02-11 深圳市科纺实业发展有限公司 一种抗黄抗皱功能的再生纤维素织物的制备方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006063477A (ja) * 2004-08-26 2006-03-09 Tokai Senko Kk セルロース系編織物の洗い晒し調加工方法
JP2009007731A (ja) * 2007-05-31 2009-01-15 Lion Corp 紫外線吸収性繊維処理剤組成物
WO2016017815A1 (ja) * 2014-07-31 2016-02-04 エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社 紡糸用麻繊維の製造方法及び紡糸用麻繊維
WO2016017814A1 (ja) * 2014-07-31 2016-02-04 エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社 紡糸用麻繊維の製造方法及び紡糸用麻繊維
JPWO2016017814A1 (ja) * 2014-07-31 2017-06-29 エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社 紡糸用麻繊維の製造方法及び紡糸用麻繊維
JPWO2016017815A1 (ja) * 2014-07-31 2017-06-29 エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社 紡糸用麻繊維の製造方法及び紡糸用麻繊維
TWI670403B (zh) * 2014-07-31 2019-09-01 日商愛貝克思集團控股公司 紡紗用麻纖維之製造方法及紡紗用麻纖維
US10415155B2 (en) 2014-07-31 2019-09-17 Avex Group Holdings Inc. Production method of hemp fiber for spinning and hemp fiber for spinning
CN113652880A (zh) * 2021-08-16 2021-11-16 浙江鑫兰纺织有限公司 一种植物靛蓝染牛仔面料抗氧化生产工艺
CN114032680A (zh) * 2021-12-23 2022-02-11 深圳市科纺实业发展有限公司 一种抗黄抗皱功能的再生纤维素织物的制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR970007924B1 (ko) 알칼리 또는 환원제 부재하에서 셀룰로즈 섬유를 염색 및 날염하는 방법
US5910622A (en) Method for treating fibrous cellulosic materials
CN111910446A (zh) 一种涤棉混纺纱线染色工艺
JPH11222770A (ja) セルロース編織物の加工法
Kohand et al. Application of phthalimide‐based alkali‐clearable azo disperse dyes on polyester and polyester/cotton blends
JP2003049372A (ja) 天然色素によるセルロース繊維製品の染色法
US4289496A (en) Finishing process
TWI415995B (zh) 改善熱穩定性的方法
Hauser et al. Printing of Cationized Cotton with Acid Dyes.
US3504996A (en) Dyeing of polyester and cellulose fiber blends with a silicone-containing solution of a reactive dye and a disperse dye and an aminoplast precursor treatment thereof
US3498736A (en) Inhibiting cellulose fiber yellowing in alkaline processing at elevated temperatures through utilization of boron salts
US5902355A (en) Method for pattern dyeing of textile fabrics containing blends of cellulose regenerated fiber
Elsherbiny et al. One-bath one-step dyeing of a polyester/cotton blend using the pad-dry-fixation process
Karypidis et al. The Effect of Crosslinking Agents and Reactive Dyes on the Fibrillation of Lyocell.
AU609460B2 (en) Dyeing and printing fibres
JP2863893B2 (ja) セルロース系織物の加工法
US4077771A (en) Process for treating fibrous material
EP4146851A1 (en) Spundyed cellulosic fiber
US5542954A (en) Production of aminated cotton fibers
JPH10219571A (ja) セルロース編織物の染色加工法
JP2863894B2 (ja) 改質セルロース再生繊維
CN114541127B (zh) 珍珠白面料及其制备方法和纺织制品
Islam et al. Effect of Functional groups of Reactive dyes on the Dyeing Properties of Cotton Knit fabric
JPS6233348B2 (ja)
Gemci et al. Examining the effect of mercerization process applied under different conditions via the degree of whiteness and color efficiency