JPH10219571A - セルロース編織物の染色加工法 - Google Patents

セルロース編織物の染色加工法

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JPH10219571A
JPH10219571A JP9021762A JP2176297A JPH10219571A JP H10219571 A JPH10219571 A JP H10219571A JP 9021762 A JP9021762 A JP 9021762A JP 2176297 A JP2176297 A JP 2176297A JP H10219571 A JPH10219571 A JP H10219571A
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water
dyeing
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reactive dye
cellulose
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JP9021762A
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Teruo Akashi
輝雄 明石
Masataka Ikeda
昌孝 池田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工程が簡略化し得、且つ、濃色で、または鮮
明で、染色堅牢度の良い、防皺性の良いセルロース編織
物を得ることが出来る、セルロース編織物の染色と仕上
加工の合理化のための染色仕上同時加工方法を提供す
る。 【解決手段】 式(1)で表される化合物の少なくとも
一種、反応性染料溶液およびアルカリ触媒溶液をセルロ
ース編織物に付与し、次いで熱処理を行う。 HORSO2 (X)n1ROH −(1) 〔Rは炭素数2または3のアルキレン基を示し、n1は0
または1であり、Xは(RO)n2RSO2 (但し、n2
1〜4)を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース編織物
の染色と、形態安定性、防皺性、ウォッシュ・アンド・
ウェアー性等の性能向上を目的とした仕上加工とを同時
に行う方法(以下、染色仕上同時加工、と称する)に関
する。
【0002】
【従来の技術】セルロース繊維の染色は、各種属の染料
が使用されるが、染色の容易さ、色の鮮明さ、高堅牢性
の点より、反応性染料が多く使用されている。セルロー
ス編織物の仕上加工は、通常、染色後に行われている
が、合理化のために、古来から現在に至るまで、染色仕
上同時加工の検討が種々なされている。
【0003】反応性染料を使用した染色仕上同時加工に
ついて検討された文献例として、.American
Dyestuff Reporter,49 p.8
10(1960)、.Society of Dye
rs and Colourists,78〔2〕p.
69(1962)、.特開昭61─124681号公
報、.American Dyestuff Rep
orter,78〔8〕p.24(1989)、.J
ournal of Applied Poymer
Science,54 p.2107(1994)等が
挙げられる。
【0004】しかし、文献は、尿素ホルマリン樹脂と
アルカリ触媒を使用しているため、加工品から遊離する
ホルマリンの毒性問題があり、文献は、ホルマリンの
発生がより少ないジメチロールジヒドロキシエチレン尿
素(以下、DMDHEUと略称する。)その他の架橋剤
と酸性触媒を使用しているが、得られた加工品の色濃度
が低い欠点がある。文献は、アリール化剤とアルカリ
触媒をセルロース編織物に付与し、一晩浸けた後、18
0℃の乾熱処理を行う様に、加工に長時間を要する。文
献はDMDHEUと各種潜在性酸触媒の検討と、各種
工程について検討されているが、色濃度の低い欠点を解
決するに至っていない。文献はブタンテトラカルボン
酸とイミダゾールを使用して検討されているが、架橋剤
が高価で工程合理化の効果を維持し得ない。
【0005】一方、工程合理化とは別に、セルロース編
織物の染色仕上加工品から、全く、ホリマリンの発生の
ない架橋剤、仕上加工方法が検討されている。例えば、
上記引用文献のアリール化剤、引用文献のブタンテ
トラカルボン酸以外に、エポキシ樹脂、ビス(2─ヒド
ロキシエチル )スルホン(以下、BHESと略称す
る。)等の架橋剤およびこれらの架橋剤を使用した仕上
加工方法である。
【0006】引用文献、の欠点は、前述のとおり
で、また、エポキシ樹脂は高価である。BHESは、ア
ルカリ触媒下、セルロース繊維の防皺加工に効果がある
が、しかし、セルロース繊維の染色後において加工さ
れ、加工時にセルロース繊維が黄褐変する問題があり、
この黄褐変はBHES加工液中にほう素化合物を添加す
ることにより軽減されるが完全ではなく、染料種によ
り、変色程度が異なり、特に鮮明色には問題が有ること
が指摘されている{染色工業、24〔2〕p.76(昭
51)}。鮮明色を希望する場合は、鮮明色が得られる
反応性染料で染色しても鮮明色が得難い問題が有り、鮮
明色以外でも、変色を見越した色合わせが必要であり、
希望色に合致させるのが困難である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、染色仕上同
時加工により得られたセルロース編織物の、鮮明性、色
濃度、染色堅牢度、防皺性等の性能が、染色と仕上の別
工程で得られたセルロース編織物の性能と同等または同
等以上であり、また、ホルマリン等の毒性問題が無く、
更には、染色仕上同時加工により得られた合理化が、架
橋剤価格、触媒価格、長時間加工により、合理化利点が
相殺されることのないセルロース編織物の染色加工法を
提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため、反応染料を使用した染色仕上同時加工
を行うことが出来る架橋剤と触媒を探索し、本発明に至
った。即ち、本発明は、下記式(1)で表される化合物
の少なくとも一種、反応性染料溶液およびアルカリ触媒
溶液をセルロース編織物に付与し、次いで熱処理を行う
ことを特徴とするセルロース編織物の染色加工法、であ
り、また、下記式(1)で表される化合物の少なくとも
一種、反応性染料溶液およびアルカリ触媒溶液を混合溶
液として、セルロース編織物に付与することを特徴とす
る請求項1記載のセルロース編織物の染色加工法、であ
る。
【0009】 HORSO2 (X)n1ROH −(1) 〔上式において、Rは炭素数2または3のアルキレン基
を示し、n1は0または1であり、Xは(RO)n2RSO
2 (但し、n2は1〜4)を示す。〕 本発明において使用する式(1)の化合物の例として、
BHES、ビス(2─ヒドロキシプロピル)スルホン、
その他のスルホン化合物の例{例えば、Textile
Research Journal,32 p.18
9(1962)、記載の化合物}が挙げられる。
【0010】これらのスルホン化合物のうち、製造の容
易さ、本発明の目的に対する効果から、特に好ましい代
表例として、BHESを挙げることが出来る。BHES
は、アルカリ触媒下、セルロース繊維の防皺加工に効果
があることが上記文献に記載されている。但し、セルロ
ース繊維の染色後において加工され、加工時の変色につ
いては前述したとおりである。
【0011】本発明者らは、セルロース繊維に反応性染
料とBHESとアルカリ触媒の混合溶液を付与し、乾
燥、熱処理、水洗、ソーピング、水洗、乾燥により得ら
れた加工品は、従来、通常行われている染色と、仕上加
工の別工程による方法(以下、単に、従来法と称す
る)、即ち、セルロース繊維に反応性染料とアルカリ触
媒の混合溶液を付与し、乾燥、熱処理、水洗、ソーピン
グ、水洗、乾燥する染色工程、または、反応性染料とア
ルカリ触媒の混合溶液中に、セルロース繊維を浸漬攪拌
しつつ、一定温度まで昇温し、一定時間処理を行い、次
いで、水洗、ソーピング、水洗、乾燥する染色工程を経
た後、BHESとアルカリ触媒の混合溶液を付与し、乾
燥、熱処理、水洗、ソーピング、水洗、乾燥により得ら
れた加工品、または、染色工程を経た後、BHES以外
の架橋剤とその架橋剤をセルロース繊維に架橋させるた
めの触媒の混合溶液を付与し、乾燥、熱処理により得ら
れた加工品に比較して、鮮明であることを見出した。
【0012】一般常識的に、セルロース繊維にアルカリ
触媒を使用して、反応性染料を化学結合させ、同時に、
セルロース繊維にアルカリ触媒を使用して、反応性染料
と異種の結合基を有する架橋剤を化学結合させ得るとは
想定されない。言を変えれば、セルロース繊維と反応染
料、セルロース繊維と架橋剤を化学結合させるための触
媒が同じであっても、セルロース繊維と反応染料が化学
結合させ得る条件では、セルロース繊維と架橋剤を充分
に化学結合させ得ず、セルロース繊維と架橋剤を化学結
合させ得る条件では、セルロース繊維と反応染料を充分
に化学結合させ得ないと想定される。
【0013】本発明者らは、鋭意検討した結果、適正な
アルカリの使用、温度、時間等の適正な条件下で、反応
性染料とBHESを同時にセルロース繊維に処理するこ
とによって、反応性染料とBHESを同時にセルロース
繊維に化学結合させ得ることを見出し、従来法以上の鮮
明色、色濃度、防皺性を達成し、本発明に至ったもので
ある。
【0014】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明において、セルロース繊維とは、木綿、麻等の天然
セルロース繊維、レーヨン、キュプラ、ポリノジック等
の再生セルロース繊維である。また、セルロース編織物
とは、上記、セルロース繊維を30%以上含む編地また
は織物であり、編地または織物を構成する糸はセルロー
ス繊維100%からなるフィラメント、紡績糸等の他
に、セルロース繊維以外の他の繊維からなるフィラメン
ト、紡績糸又はセルロース繊維とセロース繊維以外の他
の繊維との紡績糸、交撚糸等を含み、編織物全体とし
て、セルロース繊維を30%以上含む場合を言う。本発
明の適用は、セルロース編織物を予め、精練または精練
・漂白後、行われるのが好ましい。セルロース編織物が
セルロース繊維以外の他の繊維を含有している場合は、
他の繊維を予め染色してから、本発明を適用することが
可能である。
【0015】本発明において、反応性染料とは、ジクロ
ロトリアジン型、ジクロロキノキサリン型、ビニールス
ルフォン型、フロロメチルクロロピリミジン型、モノク
ロロトリアジン型、ビニールスルフォンモノクロロトリ
アジン二官能型、トリクロロピリミジン型等の一般に市
販されているセルロース繊維用の反応性染料(商標;シ
バクロン、スミフィックス、レマゾール、レバフィック
ス、プロシオン等)であり、ビニールスルフォン型、ビ
ニールスルフォンモノクロロトリアジン二官能型等が好
ましい。
【0016】反応性染料は希望する色相に従って、1種
以上混合するのは従来通りである。反応性染料の溶液中
の濃度は、使用する反応性染料の溶解度、色相、希望す
る色濃度および編織物重量に対する付与溶液重量〔即
ち、絞率=(付与溶液重量/編織物重量)×100〕に
従う。本発明で、式(1)の化合物は、ただ一種のみの
使用に限定されない。即ち、スルホン化合物の製造にお
いて、式(1)のn2が一定値を必ずとるとは限らないか
らである。また、意識的に一種以上の式(1)の化合物
を混合使用することを妨げるものではない。
【0017】本発明において、式(1)の化合物の溶液
中の濃度は、絞率、セルロース繊維の種類、編織物の種
類、希望する防皺性の程度により異なり規定されない
が、木綿100%の平織ブロード地で、絞率100%の
場合は、スルホン化合物の溶液中の濃度は3〜20%、
好ましくは、8〜15%である。本発明において、アル
カリ触媒とは、水溶性の無機または有機化合物で、その
水溶液がアルカリ性を呈する物質または熱処理により、
アルカリを遊離する物質(所謂、潜在性アルカリ)であ
る。
【0018】アルカリ触媒はカリウム、ナトリウム等の
アルカリ属の水酸化物、炭酸塩、燐酸塩、硅酸塩等で、
具体的には水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、燐酸三ナ
トリウム等が挙げられ、潜在性アルカリとして、重炭酸
ナトリウム、トリクロル酢酸ナトリウム等が挙げられ
る。アルカリ触媒の溶液中の濃度は、反応染料の場合と
同様、絞率、アルカリ触媒の種類に左右され、規定され
ないが、反応性染料を固着するに要する量が最低限必要
である。この量は又、反応性染料の種類・濃度、および
工程条件により左右される。
【0019】アルカリ触媒の溶液中の濃度は、また、式
(1)の化合物がセルロース繊維と架橋するに要する量
が必要である。この量もまた、絞率、アルカリ触媒の種
類、工程条件により左右され、後工程の熱処理温度が高
ければ、少量でよく、熱処理温度が低ければ、多量必要
とする。木綿100%の平織ブロード地で、BHESの
濃度が10%、絞率100%の場合、アルカリ触媒とし
て炭酸ナトリウムを使用した場合は、炭酸ナトリウムの
溶液中濃度は、2〜8%、好ましくは、3〜6%であ
る。
【0020】本発明の適用は、式(1)で表される必要
量の化合物と、水に溶解した必要量の反応性染料と、ア
ルカリ触媒が固体の場合は水に溶解した必要量のアルカ
リ触媒の水溶液の3種の内、1種または2種の混合溶液
をセルロース編織物に付与し、乾燥後、未付与の2種の
混合溶液または未付与の1種を付与する方法か、もしく
は、3種の混合溶液を同時に付与してもよい。好ましく
は、本発明の趣旨から3種の混合溶液を同時に付与する
のがよい(以下、1種の溶液、2種の混合溶液および3
種の混合溶液を総称して加工液と称する)。
【0021】加工液に、添加剤、例えば、ナトリウムボ
ロハイドライド、ほう酸ナトリウム、過ほう酸ナトリウ
ム等の黄変防止剤を添加することは自由である。特に、
淡色鮮明色を希望する場合は効果的である場合が多い。
他の添加剤として、柔軟平滑剤、撥水剤、消泡剤、帯電
防止剤、金属イオン封鎖剤、浸透剤、糊剤、還元防止
剤、抗菌剤等がその目的に沿って、適宜、添加され得
る。また、セルロース繊維以外の他の繊維に染色され
得、且つ、アルカリ性に対して変色等の問題を惹起しな
い染料を加工液に添加することも可能である。
【0022】セルロース編織物への加工液の付与方法
は、コーティング法、スプレー法、パディング法、ロー
ラー捺染法、スクリーン捺染法等が挙げられる。好まし
い方法は、セルロース編織物を拡布状で、連続的に、加
工液中に浸漬し、マングルで絞液する、パディング法で
ある。反応性染料、BHESおよび添加剤を溶解混合し
た加工液とアルカリ触媒溶液とをアルカリミキサーで混
合し、直ちに、パディング法で行うのが最も好ましい。
【0023】セルロース編織物に加工液を付与後、熱処
理を行う。熱処理に先立ち、赤外線乾燥機、熱風乾燥機
等で、常温〜110℃にて乾燥することも可能である。
本発明において、熱処理とは、110〜210℃の気体
中処理を言う。気体成分は空気または水、または空気と
水の混合または、プロパンガス等の燃料による燃焼ガス
等、いづれでもよい。好ましくは乾燥された空気が良
い。
【0024】熱処理時間は温度が低い場合は長く、高い
場合は短くするのが効果的である。好ましくは150〜
190℃で、1〜5分が良い。熱処理機は各種熱処理機
が使用可能であるが、編織物の幅、長さの規制のため
に、ピンまたはクリップテンターが好ましい。熱処理
後、未固着の反応性染料、未反応の架橋剤、残存アルカ
リ触媒の除去のために、セルロース繊維の反応性染料に
よる連続染色法と同様の水洗、酸洗、ソーピング、水
洗、脱水、乾燥を行う。乾燥前または乾燥後に柔軟平滑
剤、撥水剤、吸水剤等を付与し、乾燥仕上を行ってもよ
い。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、実施例を掲げて、より詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。尚、比較例は、他の染色仕上同時加工法お
よび従来法の例で、参考例はこの従来法の染色工程まで
の例である。%は重量%である。加工液の付与方法はす
べてパッディング法で、絞率は全て80%である。ま
た、使用水は軟水で、乾燥および熱処理は全て、ピンテ
ンターを使用した。ソーピングは全て、グランアップP
L〔三洋化成工業(株)製、非イオン系界面活性剤)
0.3%水溶液で行った。特に断らない場合およびJI
S試験方法以外の温度は加工液、水洗水、気温等全て、
25℃である。
【0026】反応性染料の試料に対する固着率(以下、
単に、染着率と称する)は〔(付与染料量─脱落染料
量)/付与染料量〕×100、で表し、脱落染料量とは
水洗およびソーピング中に水洗水およびソーピング液中
に脱落した染料量である。測色はマクベス分光光度計C
E−3000型〔サカタインクス(株)販売〕を使用し
た。測色設定条件は、光源;C、UV光;含む、鏡面光
沢;含む、視野;2度である。表色はCIELab(但
し、L、a、bいずれも各々に“*”の上付き半角文字
を必要とするが省略する)で、色濃度は可視光部の光吸
収が最大である波長におけるK/S(Kubelka−
Munkの式)で表す。
【0027】染色堅牢度は“洗濯に対する染色堅ろう度
試験方法”JISL0844、A−2.“摩擦に対する
染色堅ろう度試験方法”JISL0849、摩擦試験機
II型.により、“日光に対する染色堅ろう度試験方
法”JISL0841、第3露光法.により、また、防
皺性は“織物の防しわ性試験方法”JISL1059、
A法(針金法).により測定し、評価した。
【0028】
【実施例1】50デニール30フィラメントのキュプラ
繊維〔旭化成工業(株)製、商標、ベンベルグ〕をたて
糸とし、75デニール54フィラメントのキュプラ繊維
をよこ糸とした目付70g/m2 のタフタ地を、常法に
従い、糊抜・精練・脱水・乾燥した試料(試料1とす
る)に、商品名、BHES−50〔明成化学工業(株)
製、BHESの50%品〕を25.0%、無水炭酸ナト
リウムを4.0%、商品名、Remazole Bla
k B liq50〔ダイスタージャパン(株)販売
品、反応性染料、以下、CINoB5と略称する〕を1
0.0%、軟水を61.0%を含む加工液を付与した。
【0029】次いで、100℃の乾燥空気中で2分間乾
燥後、160℃の乾燥空気中で3分間熱処理を行い、水
洗し、90℃、2分間のソーピングを行った。次いで、
水洗し、乾燥した。各項目の測定結果を表1に示す。
【0030】
【参考例1,比較例1,2,3】セルロース編織物の反
応性染料による従来法の一染色方法である、パッド・サ
ーモ法を参考例とする。即ち、試料1に、水酸化ナトリ
ウムを1.0%、尿素を2.0%、CINoB5を1
0.0%、軟水を87.0%含む溶液を付与した。実施
例1と同様の乾燥、熱処理、水洗、ソーピング、水洗、
乾燥を行った。この試料を参考例1とする。
【0031】参考例1の試料に、下記の仕上加工を行っ
た。即ち、BHES−50を25.0%、無水炭酸ナト
リウムを4.0%、ほう酸ナトリウムの10水塩(以
下、ほう砂と略称する)を1.0%、軟水を70.0%
含む溶液を付与した。次いで、100℃の乾燥空気中で
2分間乾燥後、160℃の乾燥空気中で3分間熱処理を
行い、水洗し、70℃、5分間のソーピングを行い、水
洗、乾燥した。得られた試料を比較例1とする。
【0032】また、参考例1の試料に、下記の仕上加工
を行った。即ち、商品名、ArkofixNFLcon
c〔ヘキストジャパン(株)販売、DMDHEU系樹
脂)を10.0%、キャタリスト3282J〔ヘキスト
ジャパン(株)販売、ArkofixNFLconc用
触媒)を3.0%、軟水を87.0%含む溶液を付与し
た。次いで、100℃の乾燥空気中で2分間乾燥後、1
60℃の乾燥空気中で3分間熱処理を行った。得られた
試料を比較例2とする。
【0033】また、試料1に下記の染色仕上同時加工を
行った。即ち、ArkofixNFLconcを10.
0%、キャタリスト3282Jを3.0%、CINoB
5を10.0%、軟水を77.0%含む溶液を付与し、
実施例1と同様の乾燥、熱処理、水洗、ソーピング、水
洗、乾燥を行った。得られた試料を比較例3とする。参
考例1,比較例1,2,3の各項目の測定結果を表1に
示す。
【0034】表1に示す様に、本発明による実施例1は
充分な防皺性および染色堅牢度を示しており、且つ、参
考例1(反応性染料による染色)と同等の色濃度を示し
ている。対して、従来法による比較例1(反応性染料に
よる染色とBHESによる仕上の別加工)は、BHES
による仕上加工時に使用したアルカリ性物質および変色
物質の洗浄除去工程が必須要件であり、洗浄による染料
の脱落もあるためか、K/S、即ち、色濃度の低下が激
しい。また、従来法による比較例2(反応性染料による
染色とDMDHEUによる仕上の別加工)と同等の防皺
性を与える従来法による比較例3(反応性染料とDMD
HEUによる染色仕上同時加工)は染着率が低く、従っ
て、色濃度が低い。
【0035】
【実施例2】試料1に、BHES−50を25.0%、
無水炭酸ナトリウムを6.0%、尿素を10.0%、商
品名、Remazole Brill Blue R
〔ダイスタージャパン(株)販売品、反応性染料、以
下、CINoB19と略称する〕を3.0%、軟水を5
6.0%を含む加工液を付与した。次いで、実施例1と
同様の乾燥、熱処理、水洗、ソーピング、水洗、乾燥を
行った。各項目の測定結果を表1に示す。
【0036】
【参考例2,比較例4,5,6】試料1に、無水炭酸ナ
トリウムを2.0%、尿素を10.0%、CINoB1
9を3.0%、軟水を85.0%含む溶液を付与し、実
施例1と同様の乾燥、熱処理、水洗、ソーピング、水
洗、乾燥を行った。この試料を参考例2とする。参考例
2の試料に、下記の仕上加工を行った。即ち、BHES
−50を25.0%、無水炭酸ナトリウムを4.0%、
軟水を71.0%含む溶液を付与した。次いで、比較例
1と同様の乾燥、熱処理、水洗、ソーピング、水洗、乾
燥を行った。得られた試料を比較例4とする。
【0037】また、参考例2の試料に、下記の仕上加工
を行った。即ち、U−RAMINTFSN〔三井東圧化
学(株)製、DMDHEU系樹脂〕を7.5%、キャタ
リストGT−3〔大日本インキ化学工業(株)製、潜在
性酸触媒〕を2.5%、軟水を90%含む溶液を付与し
た。次いで、比較例2と同様の乾燥、熱処理を行った。
得られた試料を比較例5とする。
【0038】また、試料1に、下記の染色仕上同時加工
を行った。即ち、U−RAMINTFSNを10.0
%、キャタリストGT−3を3.0%、CINoB19
を3.0%、軟水を84.0%含む溶液を付与し、実施
例1と同様の乾燥、熱処理、水洗、ソーピング、水洗、
乾燥を行った。この試料を比較例6とする。参考例2,
比較例4,5,6の各項目の測定結果を表1に示す。
【0039】表1に示す様に、実施例1の反応性染料お
よび実施例1に対する比較例のDMDHEUを、他の反
応性染料および他のDMDHEUに変更した実施例2、
実施例2に対する比較例の結果は、色濃度、染色堅牢度
および防皺性について、実施例1、実施例1に対する比
較例の結果と同様の結果である。
【0040】
【実施例3】JISL0803に準拠する染色堅ろう度
試験用添付白布〔綿(金巾3号)、試料2とする。〕
に、BHES−50を30.0%、無水炭酸ナトリウム
を4.0%、商品名、Procion Red MXG
〔ゼネカ(株)販売品、反応性染料、以下、CINoR
5と略称する。〕を1.0%、軟水を65.0%含む加
工液を付与した。次いで、実施例1と同様の乾燥、熱処
理、水洗、ソーピング、水洗、乾燥を行った。各項目の
測定結果を表2に示す。
【0041】
【参考例3,比較例7,8】試料2に、無水炭酸ナトリ
ウムを1.0%、尿素を2.0%、CINoR5を1.
0%、軟水を96.0%含む溶液を付与した。実施例1
と同様の乾燥、熱処理、水洗、ソーピング、水洗、乾燥
を行った。この試料を参考例3とする。参考例3の試料
に、下記の仕上加工を行った。即ち、BHES−50を
30.0%、無水炭酸ナトリウムを4.0%、軟水を6
6.0%含む溶液を付与した。次いで、比較例1と同様
の乾燥、熱処理、水洗、ソーピング、水洗、乾燥を行っ
た。得られた試料を比較例7とする。
【0042】また、試料2に、下記の染色仕上同時加工
を行った。即ち、U−RAMINTFSNを10.0
%、キャタリストGT−3を3.0%、CINoR5を
1.0%、軟水を86.0%含む溶液を付与し、実施例
1と同様の乾燥、熱処理、水洗、ソーピング、水洗、乾
燥を行った。この試料を比較例8とする。参考例3,比
較例7,8の各項目の測定結果を表2に示す。
【0043】表2に示す様に、実施例2の試料および反
応性染料を、他の試料および他の反応性染料に変更した
実施例3の結果は、色濃度、染色堅牢度および防皺性に
ついて、実施例2と同様に良い結果である。
【0044】
【実施例4】試料1に、BHES−50を25%、無水
炭酸ナトリウムを4.0%、ほう砂を1.0%、Sum
ifix Supra Blue BRF〔住友化学工
業(株)製、反応性染料、以下、CINoB221と略
称する。)を0.1%、軟水を69.9%含む加工液を
付与した。次いで、実施例1と同様の乾燥、熱処理、水
洗、ソーピング、水洗、乾燥を行った。各項目の測定結
果を表3に示す。
【0045】
【参考例4,5,比較例9,10】試料1に、無水炭酸
ナトリウムを1.0%、尿素を10.0%、CINoB
221を0.10%、軟水を88.9%含む溶液を付与
した。次いで、参考例1と同様の乾燥、熱処理、水洗、
ソーピング、水洗、乾燥を行った。この試料を参考例4
とする。
【0046】参考例4の試料に、下記の仕上加工を行っ
た。即ち、BHES−50を25.0%、無水炭酸ナト
リウムを4.0%、ほう砂を1.0%、軟水を70.0
%含む溶液を付与した。次いで、比較例1と同様の乾
燥、熱処理、水洗、ソーピング、水洗、乾燥を行った。
得られた試料を比較例9とする。セルロース編織物の反
応性染料による従来法の一染色方法である、浸染法を参
考例5とする。即ち、浴比=1:40で、CINoB2
21を試料1の重量に対し0.12%含む水溶液中に、
試料1を投入し、浸漬攪拌しつつ、20℃より60℃ま
で10分間で昇温し、60℃で80分間処理を行う。処
理中、無水硫酸ナトリウムを20%、無水炭酸ナトリウ
ムを10%(いずれも、試料1に対する重量%で、10
分間隔で3回にわたり、分割投入する)添加した。次い
で、水洗、酸洗し、90℃で5分間のソーピングを行
い、水洗、乾燥した。この試料を参考例5とする。
【0047】参考例5の試料に、下記の仕上加工を行っ
た。即ち、BHES−50を25.0%、無水炭酸ナト
リウムを4.0%、ほう砂を1.0%、軟水を70.0
%含む溶液を付与した。次いで、比較例1と同様の乾
燥、熱処理、水洗、ソーピング、水洗、乾燥を行った。
得られた試料を比較例10とする。参考例4,5,比較
例9,10の各項目の測定結果を表3に示す。
【0048】表3に示す様に、本発明による加工法によ
れば、比較例9,10(反応性染料による染色とBHE
Sによる仕上の別加工)に比較して鮮明で、パディング
法(参考例4)、浸染法(参考例5)と殆ど差のない鮮
明色が得られる。染色堅牢度、防皺性も充分である。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【発明の効果】以上の実施例、比較例に示す様に、本発
明による加工法は、従来法による染色後、BHESによ
る仕上加工法または従来法による染色仕上同時加工法に
比較して、染着率が高く、従って色濃度が高く、加工中
の変色は僅少で、鮮明な色が得られ、染色と同時に仕上
加工されているため、色合わせも容易である。加工後の
編織物からのホルマリン等の毒性問題のない、染色堅牢
度および防皺性の良好なセルロース編織物を得ることが
出来る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1)で表される化合物の少なく
    とも一種、反応性染料溶液およびアルカリ触媒溶液をセ
    ルロース編織物に付与し、次いで熱処理を行うことを特
    徴とするセルロース編織物の染色加工法。 HORSO2 (X)n1ROH −(1) 〔上式において、Rは炭素数2または3のアルキレン基
    を示し、n1は0または1であり、Xは(RO)n2RSO
    2 (但し、n2は1〜4を示す。)を示す。〕
  2. 【請求項2】 下記式(1)で表される化合物の少なく
    とも一種、反応性染料溶液およびアルカリ触媒溶液を混
    合溶液として、セルロース編織物に付与することを特徴
    とする請求項1記載のセルロース編織物の染色加工法。 HORSO2 (X)n1ROH −(1) 〔上式において、Rは炭素数2または3のアルキレン基
    を示し、n1は0または1であり、Xは(RO)n2RSO
    2 (但し、n2は1〜4を示す。)を示す。〕
  3. 【請求項3】 下記式(1)の化合物がビス(2−ヒド
    ロキシエチル)スルホンである請求項1または2のいず
    れかに記載のセルロース編織物の染色加工法。 HORSO2 (X)n1ROH −(1)
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002020895A1 (fr) * 2000-09-04 2002-03-14 Toray Industries, Inc. Procede de debouillissage d'un melange de fibres de polyamide et de polyurethane, procede de fabrication de tissus de fibres colores, et tissus ainsi produits
JP2006200058A (ja) * 2005-01-19 2006-08-03 Tokai Senko Kk セルロース系編織物の異色染色方法
CN115341396A (zh) * 2022-09-13 2022-11-15 浙江迎丰科技股份有限公司 一种提高棉织物活性染料上染率的方法

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