JPH11221867A - 偏肉成形品の製造方法 - Google Patents
偏肉成形品の製造方法Info
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- JPH11221867A JPH11221867A JP2699698A JP2699698A JPH11221867A JP H11221867 A JPH11221867 A JP H11221867A JP 2699698 A JP2699698 A JP 2699698A JP 2699698 A JP2699698 A JP 2699698A JP H11221867 A JPH11221867 A JP H11221867A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 大型偏肉成形品を短時間で成形し、樹脂の焼
けや樹脂の分解や成形品の反りや歪みも見られない美し
い成形品を製造する方法を提供する。 【解決手段】 (Tk+40)〜(Tk+140)℃に
加熱された熱可塑性樹脂板を、(Tk+45)〜(Tk
+140)℃に加熱された凸面の成形型と、(Tk−2
0)〜(Tk+35)℃に加熱された凹面の受け型とに
より、加圧して偏肉のある成形品に成形する偏肉成形品
の製造方法(TkはJIS K 7207に基づき測定
した熱可塑性樹脂板の加重たわみ温度を示す。)。
けや樹脂の分解や成形品の反りや歪みも見られない美し
い成形品を製造する方法を提供する。 【解決手段】 (Tk+40)〜(Tk+140)℃に
加熱された熱可塑性樹脂板を、(Tk+45)〜(Tk
+140)℃に加熱された凸面の成形型と、(Tk−2
0)〜(Tk+35)℃に加熱された凹面の受け型とに
より、加圧して偏肉のある成形品に成形する偏肉成形品
の製造方法(TkはJIS K 7207に基づき測定
した熱可塑性樹脂板の加重たわみ温度を示す。)。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平面を有する大型
偏肉成形品、特に凹レンズ等の偏肉のあるレンズの大型
成形品等の光学用途に用いられる大型偏肉成形品の製造
方法に関する。
偏肉成形品、特に凹レンズ等の偏肉のあるレンズの大型
成形品等の光学用途に用いられる大型偏肉成形品の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】凹レンズのような端部に偏肉のある成形
品(端部偏肉成形品)を成形する方法として以下のもの
が知られている。 キャスティング重合法 モノマー及び重合開始剤を混合した溶液を凹凸形状をし
た型の中に流し込み、油浴もしくは湯浴で重合硬化させ
て成形品を製造する方法。 紫外線硬化法 紫外線硬化樹脂を凹凸形状をした透明性の型の中に流し
込み、紫外線を照射して、硬化させて成形品を製造する
方法(特開昭61−114232号公報)。 研磨法 樹脂の固まりをサンドペーパー、研磨粉等の研磨剤を用
いて樹脂に所望の形状を付けて製造する方法。 射出成形方法 溶融した熱可塑性樹脂を閉鎖型に射出して成形品を製造
する方法(特開昭55−137513号公報)。 圧縮成形法 熱可塑性樹脂を、加熱した凹凸形状をした型に挟み込み
圧力をかけて成形品を製造する方法(特開昭56−24
339号、特開昭59−104601号公報)。
品(端部偏肉成形品)を成形する方法として以下のもの
が知られている。 キャスティング重合法 モノマー及び重合開始剤を混合した溶液を凹凸形状をし
た型の中に流し込み、油浴もしくは湯浴で重合硬化させ
て成形品を製造する方法。 紫外線硬化法 紫外線硬化樹脂を凹凸形状をした透明性の型の中に流し
込み、紫外線を照射して、硬化させて成形品を製造する
方法(特開昭61−114232号公報)。 研磨法 樹脂の固まりをサンドペーパー、研磨粉等の研磨剤を用
いて樹脂に所望の形状を付けて製造する方法。 射出成形方法 溶融した熱可塑性樹脂を閉鎖型に射出して成形品を製造
する方法(特開昭55−137513号公報)。 圧縮成形法 熱可塑性樹脂を、加熱した凹凸形状をした型に挟み込み
圧力をかけて成形品を製造する方法(特開昭56−24
339号、特開昭59−104601号公報)。
【0003】しかしながら、このような従来の製造方法
では以下に述べるような問題があった。上記の方法で
は、重合硬化させるのに時間が1〜2日かかるために生
産性が悪く、その上、モノマー時の体積と重合した体積
とが異なるため、寸法精度も悪い。の方法では、選択
される樹脂は紫外線硬化樹脂に限定されるため、衝撃性
が悪く、長期使用で成形品が割れたり、脱型中に成形品
にカケが生じたりする。また、気泡の混入が生じるため
成形品の出来が良くない。さらに、紫外線硬化樹脂は高
価であるため、成形品のコストが高くなる。の方法
は、小サイズの成形品については、現在この方法が行わ
れているが、大サイズについては、手間がかかりすぎる
ため、製造コストが高くなる。、の方法が、現在一
般的に行われているが、偏肉成形するための加熱、加圧
に20〜30分かかり、特にでは、熱可塑性樹脂を完
全溶融しているので冷却時間に更に時間がかかり、トー
タルとして通常1工程に50〜60分の時間がかかり、
成形サイクルが長くなり好ましくない。また、熱可塑性
樹脂と型の間に、気泡が残り、成形品の出来が良くな
い。では、溶融した熱可塑性樹脂を用い、金型は樹脂
の硬化温度以下で行うため、冷却時間がかかるのと、樹
脂全体が流動しながら、且つ冷却されていくのでフロー
マークが出来やすく好ましくない。また、もも大型
偏肉成形品の場合には上下の型の温度を高くしなければ
ならず、また、樹脂の流動距離が長くなるため、樹脂の
流れ模様(フローマーク)や、長時間、加熱した型に樹
脂が当たり続けるために樹脂の焼けや樹脂の分解が生
じ、成形品として好ましくない。
では以下に述べるような問題があった。上記の方法で
は、重合硬化させるのに時間が1〜2日かかるために生
産性が悪く、その上、モノマー時の体積と重合した体積
とが異なるため、寸法精度も悪い。の方法では、選択
される樹脂は紫外線硬化樹脂に限定されるため、衝撃性
が悪く、長期使用で成形品が割れたり、脱型中に成形品
にカケが生じたりする。また、気泡の混入が生じるため
成形品の出来が良くない。さらに、紫外線硬化樹脂は高
価であるため、成形品のコストが高くなる。の方法
は、小サイズの成形品については、現在この方法が行わ
れているが、大サイズについては、手間がかかりすぎる
ため、製造コストが高くなる。、の方法が、現在一
般的に行われているが、偏肉成形するための加熱、加圧
に20〜30分かかり、特にでは、熱可塑性樹脂を完
全溶融しているので冷却時間に更に時間がかかり、トー
タルとして通常1工程に50〜60分の時間がかかり、
成形サイクルが長くなり好ましくない。また、熱可塑性
樹脂と型の間に、気泡が残り、成形品の出来が良くな
い。では、溶融した熱可塑性樹脂を用い、金型は樹脂
の硬化温度以下で行うため、冷却時間がかかるのと、樹
脂全体が流動しながら、且つ冷却されていくのでフロー
マークが出来やすく好ましくない。また、もも大型
偏肉成形品の場合には上下の型の温度を高くしなければ
ならず、また、樹脂の流動距離が長くなるため、樹脂の
流れ模様(フローマーク)や、長時間、加熱した型に樹
脂が当たり続けるために樹脂の焼けや樹脂の分解が生
じ、成形品として好ましくない。
【0004】また、の方法の改良で、特開平7−14
8857号公報に見られるように軟化温度以上に加熱し
た熱可塑性透明樹脂板を離型可能温度以下に保持した金
型で圧縮成形する方法が挙げられているが、これでは、
偏肉部分に樹脂が流動する最中に樹脂が金型に当たるた
びに冷却され、流れ模様が生じ、また、偏肉が大きいと
樹脂が偏肉部分に充填できず、成形品にカケが生じて好
ましくない。
8857号公報に見られるように軟化温度以上に加熱し
た熱可塑性透明樹脂板を離型可能温度以下に保持した金
型で圧縮成形する方法が挙げられているが、これでは、
偏肉部分に樹脂が流動する最中に樹脂が金型に当たるた
びに冷却され、流れ模様が生じ、また、偏肉が大きいと
樹脂が偏肉部分に充填できず、成形品にカケが生じて好
ましくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、大型偏肉成
形品を短時間で成形し、樹脂の焼けや樹脂の分解や成形
品の反りや歪みも見られない美しい成形品を製造する方
法を提供することを目的とする。
形品を短時間で成形し、樹脂の焼けや樹脂の分解や成形
品の反りや歪みも見られない美しい成形品を製造する方
法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、材料に特定の温度に加熱された熱可塑性樹脂板を用
い、特定の温度条件に加熱された凸部及び凹部の型で、
この加熱された熱可塑性樹脂板を圧縮成形することで、
外観の美しい偏肉成形品が短時間で得られることを見い
だし、本発明に至った。
に、材料に特定の温度に加熱された熱可塑性樹脂板を用
い、特定の温度条件に加熱された凸部及び凹部の型で、
この加熱された熱可塑性樹脂板を圧縮成形することで、
外観の美しい偏肉成形品が短時間で得られることを見い
だし、本発明に至った。
【0007】すなわち本発明は、(Tk+40)〜(T
k+140)℃に加熱された熱可塑性樹脂板を、(Tk
+45)〜(Tk+140)℃に加熱された凸面の成形
型と、(Tk−20)〜(Tk+35)℃に加熱された
凹面の受け型とにより、加圧して偏肉のある成形品に成
形することを特徴とする偏肉成形品の製造方法である。
なお、TkはJIS K 7207に基づき測定した熱
可塑性樹脂板の加重たわみ温度を示す。
k+140)℃に加熱された熱可塑性樹脂板を、(Tk
+45)〜(Tk+140)℃に加熱された凸面の成形
型と、(Tk−20)〜(Tk+35)℃に加熱された
凹面の受け型とにより、加圧して偏肉のある成形品に成
形することを特徴とする偏肉成形品の製造方法である。
なお、TkはJIS K 7207に基づき測定した熱
可塑性樹脂板の加重たわみ温度を示す。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられる熱可塑性樹脂は、例えば、スチレン樹脂、ア
クリル−スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂等が用いられ、特に光学用途では、屈折率の低い
アクリル樹脂が好ましい。該熱可塑性樹脂は透明でも良
いし、染料や顔料等で着色されていても良い。また、本
発明においては熱可塑性樹脂の板、すなわち熱可塑性樹
脂板を用い。該板の製法は特に限定されることはない
が、キャスト重合法により作成された板よりは、押出成
形法により成形された板の方が分子量が低く成形しやす
いので特に好ましい。また、初めに用意する熱可塑性樹
脂板の体積は、製造する成形品と同等か、もしくは多少
多い方が、成形したときに完全に樹脂が充填できるため
に、成形品に充填不足のためのカケが生じないので好ま
しい。体積を調整するためには、板の厚みを調整するこ
とで簡単に調整することが出来る。
用いられる熱可塑性樹脂は、例えば、スチレン樹脂、ア
クリル−スチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネー
ト樹脂等が用いられ、特に光学用途では、屈折率の低い
アクリル樹脂が好ましい。該熱可塑性樹脂は透明でも良
いし、染料や顔料等で着色されていても良い。また、本
発明においては熱可塑性樹脂の板、すなわち熱可塑性樹
脂板を用い。該板の製法は特に限定されることはない
が、キャスト重合法により作成された板よりは、押出成
形法により成形された板の方が分子量が低く成形しやす
いので特に好ましい。また、初めに用意する熱可塑性樹
脂板の体積は、製造する成形品と同等か、もしくは多少
多い方が、成形したときに完全に樹脂が充填できるため
に、成形品に充填不足のためのカケが生じないので好ま
しい。体積を調整するためには、板の厚みを調整するこ
とで簡単に調整することが出来る。
【0009】熱可塑性樹脂板を加熱する方法は特に限定
無く、熱線ヒーターを用いて加熱しても良いし、赤外線
ヒーターを用いて加熱しても良い。特に好ましいのは、
短時間で板内部まで加熱することの出来る赤外線ヒータ
ーを用いることである。加熱については、受け型内で行
っても良いし、受け型外の例えば電気加熱炉等で行っ
て、受け型内に挿入しても良い。熱可塑性樹脂板の加熱
温度は、(Tk+40)〜(Tk+140)℃である。
TkはJIS K 7207に基づき測定した熱可塑性
樹脂板の加重たわみ温度を示す。例えばアクリル樹脂の
場合、Tkは約100℃であるから、加熱温度としては
140〜240℃である。(Tk+40)℃より低い
と、型を加圧して成形時に時間がかかりすぎ、このため
に加圧の圧力も高くなり好ましくない。(Tk+14
0)℃より高いと、熱可塑性樹脂板がドローダウンして
取り扱いしにくくなる。好ましくは、(Tk+50)〜
(Tk+120)℃である。
無く、熱線ヒーターを用いて加熱しても良いし、赤外線
ヒーターを用いて加熱しても良い。特に好ましいのは、
短時間で板内部まで加熱することの出来る赤外線ヒータ
ーを用いることである。加熱については、受け型内で行
っても良いし、受け型外の例えば電気加熱炉等で行っ
て、受け型内に挿入しても良い。熱可塑性樹脂板の加熱
温度は、(Tk+40)〜(Tk+140)℃である。
TkはJIS K 7207に基づき測定した熱可塑性
樹脂板の加重たわみ温度を示す。例えばアクリル樹脂の
場合、Tkは約100℃であるから、加熱温度としては
140〜240℃である。(Tk+40)℃より低い
と、型を加圧して成形時に時間がかかりすぎ、このため
に加圧の圧力も高くなり好ましくない。(Tk+14
0)℃より高いと、熱可塑性樹脂板がドローダウンして
取り扱いしにくくなる。好ましくは、(Tk+50)〜
(Tk+120)℃である。
【0010】凸面の成形型及び凹面の受け型を加熱する
方法は、特に限定されることなく公知の方法が用いられ
る。例えば、予め、別の加熱炉で該型を加熱する方法
や、該型にヒーターを内蔵させたり、加熱したオイルを
該型内に循環させる方法、ヒーターブロックを型の逆面
に接して直接加熱する方法等が用いられる。なお、凸面
の成形型及び凹面の受け型の温度条件は型の樹脂に接す
る面の温度をいう。
方法は、特に限定されることなく公知の方法が用いられ
る。例えば、予め、別の加熱炉で該型を加熱する方法
や、該型にヒーターを内蔵させたり、加熱したオイルを
該型内に循環させる方法、ヒーターブロックを型の逆面
に接して直接加熱する方法等が用いられる。なお、凸面
の成形型及び凹面の受け型の温度条件は型の樹脂に接す
る面の温度をいう。
【0011】本発明で用いられる凸面の成形型及び凹面
の受け型の材質は特に限定されることはなく、金属の
型、特に研磨されたステンレスや銅、真鍮等が用いられ
る。光学用途に用いる場合にはその表面のミクロな傷が
問題となる場合があるため、この場合には、耐熱強化ガ
ラス等の耐熱及び、耐圧のあるガラス材料や、ガラスと
金属とを組み合わせた材料で型を作成しても良い。
の受け型の材質は特に限定されることはなく、金属の
型、特に研磨されたステンレスや銅、真鍮等が用いられ
る。光学用途に用いる場合にはその表面のミクロな傷が
問題となる場合があるため、この場合には、耐熱強化ガ
ラス等の耐熱及び、耐圧のあるガラス材料や、ガラスと
金属とを組み合わせた材料で型を作成しても良い。
【0012】本発明における製造方法を図面に従って説
明する。図1は本発明の製造方法を実施するための凸面
の成形型及び凹面の受け型の一例の断面概略図、図2は
図1の凹面の受け型に熱可塑性樹脂板を入れた断面概略
図である。このとき、凸面の成形型1の温度は(Tk+
45)〜(Tk+140)℃である。(Tk+45)℃
より低いと、成形時間が長くなり、成形圧力も高くなり
好ましくない。(Tk+140)℃より高いと、熱可塑
性樹脂板の焼けや分解が生じてくる。好ましくは(Tk
+60)〜(Tk+130)℃である。
明する。図1は本発明の製造方法を実施するための凸面
の成形型及び凹面の受け型の一例の断面概略図、図2は
図1の凹面の受け型に熱可塑性樹脂板を入れた断面概略
図である。このとき、凸面の成形型1の温度は(Tk+
45)〜(Tk+140)℃である。(Tk+45)℃
より低いと、成形時間が長くなり、成形圧力も高くなり
好ましくない。(Tk+140)℃より高いと、熱可塑
性樹脂板の焼けや分解が生じてくる。好ましくは(Tk
+60)〜(Tk+130)℃である。
【0013】凹面の受け型2の温度は(Tk−20)〜
(Tk+35)℃である。これは、成形すべき熱可塑性
樹脂板の加熱温度より低い必要がある。熱可塑性樹脂板
の加熱温度より低いことで、圧縮成形を始めたときに、
板は受け型の温度に冷却していく方向へと向かい、これ
により、冷却、型からの離型を早くすることが出来る。
また、凹面の受け型2の温度がこの条件にあり、凸面の
成形型2の温度が先の条件にあると、図3に示すよう
に、熱可塑性樹脂板は、板が加熱されているためと、凸
面の成形型の温度の両方の要因から、凸面の成形型側周
辺の樹脂が流動し、凹面の受け型側の樹脂は、あまり流
動することなく、必要なだけの型の転写が出来て、相対
的には、熱可塑性樹脂板の平坦な部分を生かすことが出
来る。凹面の受け型の温度が(Tk−20)℃より低い
と、加熱した熱可塑性樹脂板の温度が急激に下がり、そ
のため、成形時間が長くなり、また、型の転写性が悪く
なる。凹面の受け型の温度が(Tk+35)℃より高い
と、凹面の受け型と熱可塑性樹脂板部との間の空気が抜
けにくく、また、樹脂の流動性は凸面の成形型側の樹脂
が流動せず、凹面の受け型側の樹脂が流動してゆくた
め、成形する際に流動する樹脂量が多くなり、フローマ
ークや樹脂の焼けの原因となることから好ましくない。
更に好ましくは凹面の型の温度は(Tk)〜(Tk+2
0)℃である。
(Tk+35)℃である。これは、成形すべき熱可塑性
樹脂板の加熱温度より低い必要がある。熱可塑性樹脂板
の加熱温度より低いことで、圧縮成形を始めたときに、
板は受け型の温度に冷却していく方向へと向かい、これ
により、冷却、型からの離型を早くすることが出来る。
また、凹面の受け型2の温度がこの条件にあり、凸面の
成形型2の温度が先の条件にあると、図3に示すよう
に、熱可塑性樹脂板は、板が加熱されているためと、凸
面の成形型の温度の両方の要因から、凸面の成形型側周
辺の樹脂が流動し、凹面の受け型側の樹脂は、あまり流
動することなく、必要なだけの型の転写が出来て、相対
的には、熱可塑性樹脂板の平坦な部分を生かすことが出
来る。凹面の受け型の温度が(Tk−20)℃より低い
と、加熱した熱可塑性樹脂板の温度が急激に下がり、そ
のため、成形時間が長くなり、また、型の転写性が悪く
なる。凹面の受け型の温度が(Tk+35)℃より高い
と、凹面の受け型と熱可塑性樹脂板部との間の空気が抜
けにくく、また、樹脂の流動性は凸面の成形型側の樹脂
が流動せず、凹面の受け型側の樹脂が流動してゆくた
め、成形する際に流動する樹脂量が多くなり、フローマ
ークや樹脂の焼けの原因となることから好ましくない。
更に好ましくは凹面の型の温度は(Tk)〜(Tk+2
0)℃である。
【0014】本発明における圧縮成形時にかける主とな
る圧力は、圧力が高ければ、それだけ成形時間が短かく
することができるが、高くしすぎると型を傷めやすく、
また成形品の内部歪みが残りやすいので、好ましくは5
〜70kg/cm2 である。冷却方法は特に限定するこ
とはなく、公知の方法でよい。例えば、型で圧縮した状
態で徐冷や、水冷、油冷等で冷却する事が好ましい。ま
た、成形時に圧縮した型の圧を一度解放し、冷却の圧縮
成形装置に型を移動した後、再び型を圧縮して冷却して
も良い。冷却の際の圧力は、10〜50kg/cm2 が
好ましい。
る圧力は、圧力が高ければ、それだけ成形時間が短かく
することができるが、高くしすぎると型を傷めやすく、
また成形品の内部歪みが残りやすいので、好ましくは5
〜70kg/cm2 である。冷却方法は特に限定するこ
とはなく、公知の方法でよい。例えば、型で圧縮した状
態で徐冷や、水冷、油冷等で冷却する事が好ましい。ま
た、成形時に圧縮した型の圧を一度解放し、冷却の圧縮
成形装置に型を移動した後、再び型を圧縮して冷却して
も良い。冷却の際の圧力は、10〜50kg/cm2 が
好ましい。
【0015】本発明における圧縮する凸面の成形型もし
くは凹面の受け型に必要に応じて、型と板との間に出来
る空気を除くために、減圧するための小孔を設けて、そ
こから減圧して空気を取り除いても良い。本発明におけ
る熱可塑性樹脂板の供給は、市販の熱可塑性樹脂板を用
いて良い。また、押出成形による熱可塑性樹脂板の製造
中の樹脂板の工程中に型のついた圧縮成形装置を設け
て、樹脂板をシート押出成形機から供給しながら圧縮成
形を行なうと、熱可塑性樹脂板の加熱を新たに行う必要
が無いので工程が省略できて好ましい。
くは凹面の受け型に必要に応じて、型と板との間に出来
る空気を除くために、減圧するための小孔を設けて、そ
こから減圧して空気を取り除いても良い。本発明におけ
る熱可塑性樹脂板の供給は、市販の熱可塑性樹脂板を用
いて良い。また、押出成形による熱可塑性樹脂板の製造
中の樹脂板の工程中に型のついた圧縮成形装置を設け
て、樹脂板をシート押出成形機から供給しながら圧縮成
形を行なうと、熱可塑性樹脂板の加熱を新たに行う必要
が無いので工程が省略できて好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる製造方法を
実施例に従って説明する。
実施例に従って説明する。
【0017】
【実施例1】図4に示す凸面の成形型と凹面の受け型を
用いて成形を行った。熱可塑性樹脂板として厚さ13m
mの透明なアクリル樹脂板(旭化成工業(株)製 デラ
グラスA999)を用いた。このアクリル樹脂板のJI
S K 7207に基づき測定した加重たわみ温度は9
8℃であった。このアクリル樹脂板を電気加熱炉により
予め180℃に加熱した。図5のように、このアクリル
樹脂板6をヒータを内蔵することで100℃に加熱した
凹面の受け型5に入れた。その後直ちに、200℃に凹
面の受け型同様に加熱した、凸面が側面より見て楕円形
状をした凸面の成形型4を凹面の受け型5の方向にスラ
イドして15.0kg/cm2の圧力で8分間で図6の
ように圧縮成形を行った。その後、圧力を12.0kg
/cm2まで低下して、型4、5に水を10分間流して
アクリル樹脂板を55℃まで水冷した。型の圧力を解放
し、図7のように凹面の受け型4を上方にスライドし、
成形品7を取り出した。この成形品7は中心の肉厚が2
mmであり端部の肉厚が20mmの偏肉成形品であり、
樹脂の焼けや、樹脂の分解が見られず、また、成形品の
そりや歪みも見られなかった。また、圧縮成形及び冷
却、成形品の取り出しの全行程に要した時間は、19分
と短い時間で成形することが出来た。
用いて成形を行った。熱可塑性樹脂板として厚さ13m
mの透明なアクリル樹脂板(旭化成工業(株)製 デラ
グラスA999)を用いた。このアクリル樹脂板のJI
S K 7207に基づき測定した加重たわみ温度は9
8℃であった。このアクリル樹脂板を電気加熱炉により
予め180℃に加熱した。図5のように、このアクリル
樹脂板6をヒータを内蔵することで100℃に加熱した
凹面の受け型5に入れた。その後直ちに、200℃に凹
面の受け型同様に加熱した、凸面が側面より見て楕円形
状をした凸面の成形型4を凹面の受け型5の方向にスラ
イドして15.0kg/cm2の圧力で8分間で図6の
ように圧縮成形を行った。その後、圧力を12.0kg
/cm2まで低下して、型4、5に水を10分間流して
アクリル樹脂板を55℃まで水冷した。型の圧力を解放
し、図7のように凹面の受け型4を上方にスライドし、
成形品7を取り出した。この成形品7は中心の肉厚が2
mmであり端部の肉厚が20mmの偏肉成形品であり、
樹脂の焼けや、樹脂の分解が見られず、また、成形品の
そりや歪みも見られなかった。また、圧縮成形及び冷
却、成形品の取り出しの全行程に要した時間は、19分
と短い時間で成形することが出来た。
【0018】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
では、大型偏肉成形品を短時間で成形し、樹脂の焼けや
樹脂の分解や成形品の反りや歪みも見られない美しい成
形品を製造することが可能となる。
では、大型偏肉成形品を短時間で成形し、樹脂の焼けや
樹脂の分解や成形品の反りや歪みも見られない美しい成
形品を製造することが可能となる。
【図1】本発明の製造方法の説明図で、用いる型の一例
の断面概略図である。
の断面概略図である。
【図2】本発明の製造方法の説明図で、用いる凹面の受
け型に加熱した熱可塑性樹脂板を挿入した断面概略図で
ある。
け型に加熱した熱可塑性樹脂板を挿入した断面概略図で
ある。
【図3】本発明の製造方法の説明図で、圧縮成形を行っ
ている過程での熱可塑性樹脂板の樹脂の流動を示す断面
概略図である。
ている過程での熱可塑性樹脂板の樹脂の流動を示す断面
概略図である。
【図4】本発明の実施例1に用いた型の断面概略図であ
る。
る。
【図5】本発明の実施例1に用いた凹面の受け型に加熱
したアクリル樹脂板を挿入した断面概略図である。
したアクリル樹脂板を挿入した断面概略図である。
【図6】本発明の実施例1の圧縮成形を行っている状態
の断面概略図である。
の断面概略図である。
【図7】本発明の実施例1の圧縮成形及び冷却が終わっ
て型を開いて成形品を取り出している状態の断面概略図
である。
て型を開いて成形品を取り出している状態の断面概略図
である。
1 凸面の成形型 2 凹面の受け型 3 熱可塑性樹脂板 4 凸面の成形型 5 凹面の受け型 6 アクリル樹脂板 7 成形品
Claims (1)
- 【請求項1】 (Tk+40)〜(Tk+140)℃に
加熱された熱可塑性樹脂板を、(Tk+45)〜(Tk
+140)℃に加熱された凸面の成形型と、(Tk−2
0)〜(Tk+35)℃に加熱された凹面の受け型とに
より、加圧して偏肉のある成形品に成形することを特徴
とする偏肉成形品の製造方法。(TkはJIS K 7
207に基づき測定した熱可塑性樹脂板の加重たわみ温
度を示す。)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2699698A JPH11221867A (ja) | 1998-02-09 | 1998-02-09 | 偏肉成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2699698A JPH11221867A (ja) | 1998-02-09 | 1998-02-09 | 偏肉成形品の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11221867A true JPH11221867A (ja) | 1999-08-17 |
Family
ID=12208779
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2699698A Pending JPH11221867A (ja) | 1998-02-09 | 1998-02-09 | 偏肉成形品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11221867A (ja) |
-
1998
- 1998-02-09 JP JP2699698A patent/JPH11221867A/ja active Pending
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