JPH11219005A - 帯電装置 - Google Patents

帯電装置

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JPH11219005A
JPH11219005A JP3658298A JP3658298A JPH11219005A JP H11219005 A JPH11219005 A JP H11219005A JP 3658298 A JP3658298 A JP 3658298A JP 3658298 A JP3658298 A JP 3658298A JP H11219005 A JPH11219005 A JP H11219005A
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electrode
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charging electrode
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JP3658298A
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English (en)
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Yoshitaka Nagamori
由貴 長森
Tsutomu Sugimoto
勉 杉本
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導電性の円筒状帯電電極を電荷受容体と接
触させて支持する帯電装置において、帯電電極を安定し
て電荷受容体に接触させながら回転させることにより、
均一かつ安定した帯電を得る。 【解決手段】 電荷受容体1と間隔をおいて保持され、
帯電電極2を電荷受容体1に接触させるように支持する
突き当て部材3を配設する。帯電電極2の外周面には、
突き当て部材3に対して帯電電極2を挟み込むように支
持する切削部材5を設置する。この切削部材5は、帯電
電極2に接触しながらほぼ均一に、ごく微量ずつ帯電電
極2に付着した異物等を削り取るようになっており、こ
れにより帯電電極2の周面がリフレッシュされる。この
ため、長期にわたり帯電が安定化し、均一な帯電電位が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定の電荷受容体
との間で電荷の授受を行う荷電装置に関し、具体的に
は、感光体等の被帯電体の表面を帯電する装置、感光体
や中間転写体等の被除電体に蓄積した電荷を除電する装
置、トナー像を被転写体に転写する装置などを含んだ電
子写真記録装置、静電記録装置などに適用される帯電装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば電子写真プロセスを応
用した複写機やプリンタなどの画像形成装置では、上述
の荷電装置、すなわち具体的には、帯電、除電などを行
う装置が広く採用されている。上記の画像形成装置で
は、感光体ドラムなどの電荷受容体表面を帯電装置によ
り帯電させ、像露光することにより、その電荷受容体表
面に静電潜像を形成し、現像剤の付着によりその静電潜
像を可視化して現像像を得、その現像像を記録紙などに
転写し、定着するというプロセスにより、記録紙上に画
像を形成する。このような画像形成装置で用いられる帯
電装置としては、従来より、コロナ放電などを利用した
非接触帯電方式と、微小ギャップでの放電を利用した帯
電ロールなどによる接触帯電方式とがある。
【0003】コロナ放電を利用した帯電装置は、シール
ドケース内に電荷受容体の表面と近接・隔離させてワイ
ヤーを張架し、これに高電圧を印加してコロナ放電を発
生させ、電荷受容体に所定の電荷を付与するものであ
る。このような帯電装置は、帯電均一性には優れている
ものの、オゾン、NOX などの放電生成物が大量に発生
するため、その対処が必要となり、装置の大型化、高コ
スト化を招きやすいという欠点がある。また、空気中の
ごみやトナー、放電生成物、フューザーオイル等により
電極ワイヤーが汚れ、帯電が不均一となって得られる画
像に欠陥を生じる恐れもある。
【0004】そのため、最近では、電荷受容体に帯電電
極を直接接触させて帯電する接触帯電方式が検討されて
いる。この帯電装置は、電荷受容体表面に接触するよう
に半導電性を有する導電性部材を配置し、その導電性部
材に電圧を印加して接触部近傍の微小空隙で放電を発生
させることにより帯電を行うものである。このような装
置で用いられる導電性部材としては、ロール状やブラシ
状のものが挙げられる。この方式では、コロナ放電を利
用していないため、オゾン発生量が極めて低いという利
点をもつ。また、電荷受容体に接触しているため、装置
の小型・軽量化に適しており、現在ではロール型、ブラ
シ型の帯電装置を用いた画像形成装置が製品化されてい
る。このほか、クリーニングブレードに帯電機能を兼用
させるもの(特開平1−93760号公報、特開平2−
282279号公報参照)や、フィルム状の帯電部材か
らなる帯電装置(特開平4−249270号公報参照)
が提案されており、各種の接触帯電装置の実用化研究が
進められている。
【0005】しかし、上記の接触帯電装置のうち、導電
性の弾性ロールを用いるものでは、ロールの支持装置な
どが必要となるため、構造が複雑になりやすいという欠
点がある。また均一な帯電を行うためには電荷受容体と
の密着性を良くして、安定した微小空隙を形成する必要
があり、ゴムの硬度を低くするなどの対策が必要にな
る。そのため、ゴム中に多量のプロセスオイルを含有さ
せる必要があり、このオイルが電荷受容体に転移して画
質に悪影響を及ぼしやすいという欠点がある。一方、こ
のような欠点を解消するためには、ロールの外形精度を
上げるといった方法もあるが、弾性体の外形精度を上げ
ることは非常に難しく、歩留りの低下等といったコスト
アップにつながってしまう。
【0006】また、上記帯電装置のうち、導電性ブラシ
を用いるものでは、上記弾性ロールに比べ、接触を均一
にすることは容易であるものの、ブラシの製作に手間が
かかる上、ブラシの掃き目が帯電ムラとして画像に出や
すいという問題がある。
【0007】また、ブレード状の帯電電極をクリーニン
グブレードと兼用する方法では、クリーニング精度と放
電に必要な微小空隙の設定とを両立させることが困難で
あり、均一かつ良好な帯電を行うことが難しい。たとえ
クリーニング機能を兼用させないとしても、電荷受容体
に対して帯電器が常に静止しているため、転写後に電荷
受容体上に付着している残留トナーや外添剤などの汚れ
をため込みやすく、画質欠陥や異常放電を生じてしまう
という大きな欠点がある。
【0008】一方、フィルム状部材を用いる帯電装置
(例えば特開平4−249270号公報参照)では、他
の導電性部材に比べて簡単な構成で安定した接触が得や
すく、部材のコストも安価であるものの、電荷受容体に
押し付けられたまま帯電を行うため、摩擦帯電や帯電電
極の振動により帯電電位が不安定になりやすい。また、
ブレード状帯電装置と同様に、接触ニップにトナーなど
の異物が付着して帯電電位が不均一になるという問題点
もある。このような問題点を改善するための手段とし
て、上記の接触帯電装置に交流電圧を重畳した直流電圧
を印加する方法もあるが、電荷受容体の表面エネルギー
が増加してしまうため、クリーニング不良の発生や電荷
受容体の磨耗が顕著になるといった問題が生じる。ま
た、フィルム状部材に交流の周波数に応じた振動が起こ
り、帯電音が発生してしまうという欠点もある。さら
に、上記のような交流電圧を重畳した直流電圧を印加す
る場合は、帯電効率が極めて低いという問題がある。例
えば、エネルギー消費効率を算出すると、帯電装置の消
費電力エネルギーに対する、電荷受容体を帯電させる静
電エネルギーの割合は、スコロトロンが0.5%、直流
電圧に交流電圧を重畳した電圧を印加した帯電ロールが
2.6%であり、いずれも低効率になっている。
【0009】このような低帯電効率や電荷受容体の劣化
促進などの問題を解決するため、上記の半導電性の電極
を電荷受容体に接触させて直流電圧を印加し、電荷受容
体を帯電させる帯電装置も再度検討されている。しか
し、このような方式では、エネルギー消費効率は27.
3%と大きくなるものの、帯電電位が放電開始電圧と帯
電電極の抵抗とにより一義的に決定されてしまうため、
帯電電極の抵抗ムラや、抵抗の環境変動などによって帯
電電位が不均一になってしまうという欠点がある。特
に、帯電電極の表面材料として使用される高分子材料
は、抵抗のばらつきが0.5桁〜1桁程度あるうえ、雰
囲気の温湿度によって2桁程度変動してしまうという性
質をもっている。さらに、帯電電極を電荷受容体に押し
つけて接触させるので、トナーや放電生成物、空気中の
ほこり、紙粉といった汚れが帯電電極表面に付着しやす
いうえ、このような汚れが付着すると、異常放電や不安
定な放電が発生し、かぶりなどの画質欠陥が起こりやす
いという欠点がある。この汚れに対する不安定さは、直
流電圧を印加する場合に特に顕著となり、汚れが大量に
付着することによる不均一な帯電は、特に高画質を目的
とする画像形成装置には不向きであるという致命的な欠
陥もある。
【0010】そこで、上記欠点を回避するために、特開
平4−232977号公報や特開平5−72869号公
報に開示される帯電装置が提案されている。この帯電装
置は、可撓性を有するフィルム状部材を円筒状に形成し
た帯電電極を用い、これを支持ローラの周面に当接させ
るように支持して撓ませた状態で電荷受容体に接触させ
るものである。この帯電電極は、支持ローラの回転駆動
により周面が無端移動するようになっており、その移動
方向が電荷受容体との接触部で同方向となるように設定
されている。また、帯電電極を支持ローラに安定して接
触させるため、帯電電極を支持ローラの周面に押しつけ
る押圧部材を設けることもできる。
【0011】このような帯電装置では、帯電電極と電荷
受容体との摩擦帯電が最小限になり、振動による帯電不
良の発生を解消できるという利点がある。さらに、トナ
ー等の異物も付着しにくく、不均一な帯電の発生を低減
することが可能となる。また、異物が付着しても帯電電
極が回転するため、同位置にとどまることがなくなり、
縦筋状の画質欠陥の発生を回避することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平4−232977号公報や特開平5−72869号
公報に記載の帯電装置では、以下に示すような問題点が
ある。電荷受容体に接触するという点においては前述の
各種帯電装置と同様であるため、長期の使用により帯電
不良が発生し、同じような画質低下を招いてしまう。特
に電荷受容体のクリーニング装置を用いないクリーナレ
ス画像形成装置では、電荷受容体上に未転写トナーや放
電生成物等が付着したまま帯電装置と摺擦されるため、
帯電装置表面の異物付着が助長されるという大きな不具
合が生じる。このような不具合を改善するため、従来の
ロール状帯電装置に見られるように、ブラシやスポンジ
などのクリーニングパッドを帯電装置表面に設置して汚
れを除去することも考えられる。しかし、このような方
法では、従来のロール帯電と同様の欠点、すなわち帯電
電極表面の汚れがすじ状になってしまい、たてすじ状の
画質欠陥が発生してしまうという根本的な問題点があ
る。
【0013】さらに、上記のような帯電装置では、静電
気力の変動や帯電電極内面および外面、その他の接触物
の表面粗さの変動によって帯電電極の回転が不安定にな
ってしまう。したがって、経時もしくは環境変動などに
よって帯電電位が不安定になり、不均一な帯電電位にな
ってしまうという大きな欠点もある。
【0014】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的は、帯電電極を常に安定し
て電荷受容体に接触させながら回転させることにより均
一かつ安定した帯電もしくは除電、転写を行うことが可
能であり、長期にわたり安定した画質が得られる帯電装
置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明に係る帯電装置は、 周面
が電荷受容体と接触又は近接対向するように支持された
円筒状の帯電電極と、この帯電電極に電圧を印加する電
源とを備え、 前記電荷受容体の移動にともなって、前
記帯電電極をその周方向に回転させながら、該帯電電極
と前記電荷受容体との接触部分近傍又は近接対向する部
分における微小間隙で放電を発生させ、これにより該電
荷受容体を帯電する帯電装置であって、 前記帯電電
極の外周面に接触し、該帯電電極の外周面に付着した異
物を削り取る切削部材と、 円筒状となった前記帯電電
極の内側の前記切削部材と対向する位置に設けられ、前
記帯電電極を介して前記切削部材に突き当てられる突き
当て部材とを有することを特徴とする帯電装置である。
【0016】このような帯電装置では、周回移動する帯
電電極の外周面と接触するように切削部材が備えられて
おり、帯電電極の外周面に付着したトナーなどの異物が
削り取られ、少しずつ電極表面がリフレッシュされる。
このため、長期にわたり放電が安定化し、帯電電位をほ
ぼ均一に維持することができる。また、帯電電極を介し
て突き当て部材を切削部材に突き当てるように配置する
ため、帯電電極の外径ムラなどに影響されることなく、
帯電電極の回転を安定化することもできる。
【0017】また本発明では、帯電電極を電荷受容体と
接触させてもよいが、非接触に配置することもできる。
この場合、帯電電極に電圧が印加されると、帯電電極は
電荷受容体との間に発生する静電気力によって、電荷受
容体が一定方向に移動するのにともなって周回移動す
る。帯電電極と電荷受容体との間では静電気力によって
ほぼ均一な微小空隙が得られ、両者を接触させた場合と
同じように安定した帯電が行われる。帯電電極を電荷受
容体に対して非接触に配置することにより電荷受容体を
傷つけたりすることもなく、より長期にわたって安定し
た帯電電位を得ることができる。
【0018】上記切削部材としては、請求項2に記載さ
れる発明のように、先端部に鋭利な刃先を有し、この刃
先が帯電電極の外周面に接触するように支持されている
構成とすることができる。また、請求項3に記載される
発明のように、上記切削部材は表面が粗に仕上げられた
研磨面を有し、この研磨面が帯電電極の外周面に接触す
るように支持されている構成とすることもできる。
【0019】鋭利な刃先や研磨面によって帯電電極表面
がほぼ均一に少量づつリフレッシュされるため、長期に
わたり異物の付着を防止することが可能となり、安定し
た帯電電位を得ることができる。
【0020】請求項4に記載の発明に係る帯電装置は、
請求項1、請求項2又は請求項3に記載の帯電装置にお
いて、 前記帯電電極内に挿入され、該帯電電極の内周
面の一部と接触するように配置されたロール部材を有
し、該ロール部材の外周面もしくは前記帯電電極の内周
面又はこれらの双方に、該ロール部材と帯電電極との接
触部分で周方向又は該ロールの軸線方向への相対変位を
拘束する係止手段を有することを特徴とする帯電装置で
ある。
【0021】このような帯電装置は、係止手段によって
帯電電極の回転を安定化することができ、切削部材を安
定して帯電電極表面に接触させることができる。また、
帯電電極が長手方向に移動することがないため、ウォー
クによる回転の不安定さが全くなくなり、長期に渡って
安定した帯電電位を得ることができる。
【0022】上記係止手段は、ロール部材と帯電電極と
の接触部分で、周方向又は軸線方向への相対変位を拘束
できれば如何なるものでも使用可能であり、例えば、請
求項5に記載される発明のように、ロール部材の端部に
周方向に沿ってほぼ等間隔で設けられた複数の突起と、
帯電電極の縁付近に周方向に沿って設けられ、前記突起
と係合する複数の開口とを含むような構成とすることが
できる。
【0023】請求項6に記載の発明に係る帯電装置は、
請求項3に記載の帯電装置において、 前記切削部材
は、前記帯電電極の外周面と接触する無端状周面を有す
る回転体であり、前記帯電電極の回転によって周方向に
従動周回するか、もしくは独立して周回駆動されるもの
であることを特徴とする帯電装置である。このような帯
電装置では、切削部材を帯電電極の外周面と接触する無
端状周面を有する回転体とすることにより、帯電電極の
回転をより安定化することができる。この場合、切削部
材を独立して周回駆動したほうが帯電電極を研磨する効
果が大きくなる。
【0024】請求項7に記載の発明に係る帯電装置は、
請求項6に記載の帯電装置において、 前記切削部材
は、前記帯電電極と異なる周速度で周回駆動されるか、
又は接触部で周面が前記帯電電極と逆方向に移動するよ
うに周回駆動されるものであることとを特徴とする帯電
装置である。
【0025】切削部材の周速度を適宜に設定することに
より、帯電電極の研磨効果をよりいっそう高めることが
できる。また、突き当て部材を回転させる場合、突き当
て部材と切削部材の回転速度が異なると帯電電極の回転
が不安定になり易いが、帯電電極の回転を安定化するよ
うに切削部材の回転速度を調整することもできる。
【0026】請求項8に記載の発明に係る帯電装置は、
請求項1から請求項7までのいずれかに記載の帯電装置
において、 前記切削部材によって前記帯電電極から削
り取られた粉状体を回収する回収手段を有することを特
徴とする帯電装置である。
【0027】このような帯電装置では、回収手段によっ
て、帯電電極から削り落とされたトナーなどの異物や粉
状体が回収されるので、削られたり研磨されることによ
って発生する粉状体が装置内に飛散することが防止さ
れ、他の装置に悪影響を及ぼすことがない。また、これ
らの粉状体が電荷受容体を汚したりすることもなく、よ
り長期に渡って安定した帯電電位を得ることができる。
【0028】請求項9に記載の発明に係る帯電装置は、
請求項1から請求項8までのいずれかに記載の帯電装置
において、 前記帯電電極に印加される電圧が、前記電
荷受容体の表面電位をほぼ0Vとするように設定されて
いることを特徴とする帯電装置である。
【0029】請求項10に記載の発明に係る帯電装置
は、請求項1から請求項9までのいずれかに記載の帯電
装置において、 前記帯電電極は、電子写真法によって
像担持体上に形成されたトナー像が転写される被転写体
と接触又は近接対向するように配置され、 該帯電電極
に印加される電圧は、前記被転写体の表面電位をほぼ0
Vとするように設定されていることを特徴とする帯電装
置である。
【0030】上記のような帯電装置は、感光体などの電
荷受容体、又は中間転写体などの被転写体の残留電荷を
除去する除電装置として機能するものである。感光体な
どの電荷受容体を除電するものとして光除電装置がある
が、光による除電を行うと光疲労が促進され、感光体の
寿命が短くなるという欠点がある。本発明の帯電装置で
は、微小間隙での放電により除電を行うため、そのよう
な欠点を解消できる。また、電荷受容体又は被転写体の
性質によって、直流電圧、又は直流と交流との重畳電圧
を適宜に設定することができ、簡単な構成で効率的に除
電することが可能である。また、本発明では、帯電電極
表面が切削部材によって常にリフレッシュされるため、
長期に渡り安定した除電を行うことができる。
【0031】請求項11に記載の発明に係る帯電装置
は、請求項1から請求項9までのいずれかに記載の帯電
装置において、 前記帯電電極は、静電電位の差による
潜像が形成される像担持体又は中間転写体と対向する位
置に配置され、該帯電電極と前記像担持体又は前記中間
転写体との間を通過する被転写体に電荷を付与し、前記
潜像にトナーが付着することによって形成されたトナー
像又は前記中間転写体上のトナー像を、前記被転写体に
転写するものであることを特徴とする帯電装置である。
【0032】このような帯電装置は、像担持体上に形成
されたトナー像又は中間転写体上のトナー像を被転写体
に転写するための転写装置として機能するものである。
本帯電装置では、被転写体との接触圧力が非常に弱く、
また切削部材によって帯電電極表面がリフレッシュされ
るため、被転写体や像担持体などに汚れが付着するのを
防止することができる。このため、帯電装置を押し付け
ることによる画質欠陥の発生や用紙の裏面汚れなどを防
止することができる。
【0033】上記帯電装置における帯電電極の材料とし
ては、半導電性を有するものであればどのようなもので
もよく、たとえばポリエステル、ポリアミド、ポリエチ
レン、ポリカーボネ−ト、ポリオレフィン、ポリウレタ
ン、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、PEN、PE
K、PES、PPS、PFA、PVdF、ETFE、C
TFE等の樹脂、もしくはシリコーンゴム、EPDM、
エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、
ウレタンゴム、ニトリルゴム等の合成ゴムにカーボンブ
ラックや金属粉末、金属酸化物等の導電性の粉末を混入
したものを使用することができる。また、エピクロルヒ
ドリンゴム、クロロプレンゴム、EPDMゴム等の有極
性ゴムや、酸化チタン、アモルファスシリコン等の半導
電性の無機材料を絶縁体の基体上に薄膜もしくは厚膜蒸
着して形成してもよい。ただし、有極性ゴムなどは付着
力が高く、表面粗さも粗いため、低付着材料等で表面を
コーティングするといった工夫を施すことによって、よ
りいっそう均一な帯電電位を得ることができる。また、
薄膜もしくは厚膜蒸着した場合は、硬度が大きいため、
電荷受容体に対して非接触に配置することが好ましい。
同様に、非接触に設置する場合は、従来の接触型では使
用不可能であった、硬度は高いが精度よく作成すること
ができる金属円筒等を好適に用いることも可能であり、
絶縁破壊を防止するため、その表面に上記の各種材料を
塗布、もしくは蒸着することによって好適に用いること
が可能である。
【0034】このとき、好ましい体積抵抗率となるよう
に導電性粒子の混入量を調整する必要があり、102 Ω
・cm以下では火花放電が発生しやすく、1011Ω・c
m以上ではドット状の帯電不良を起こしやすいため、1
3 Ω・cm〜1010Ω・cmの範囲で使用するのが望
ましい。特に、104 Ω・cm〜107 Ω・cmでは、
帯電装置に印加する帯電電圧を比較的低く設定すること
が可能であるうえ、プロセススピードが150mm/s
ec以上の高速機で使用する場合には、電位変動を小さ
く抑えることが可能になるため、最も好ましい。
【0035】帯電電極に印加する帯電電圧は、直流電
圧、あるいは直流電圧に帯電開始電圧の2倍以上の交流
電圧を重畳した電圧でもいずれでも良い。しかし、直流
電圧に交流電圧を重畳した電圧では、電荷受容体および
帯電装置表面の表面エネルギーを上昇させ、さらには電
荷受容体に対して悪影響を及ぼすことから、直流電圧を
用いることが望ましい。
【0036】帯電電極は円筒状であり、その厚さとして
は、10μm〜1mm程度のものが好適に用いられる。
最適な厚さは、上述のバインダー材料として何を選択す
るかや、静電吸引力による回転が停止してしまう条件
(主として重さ)などによって異なるが、電荷受容体に
対して柔らかく当たる方が好ましいため、薄い程よいと
いえる。しかし、あまり薄すぎると耐久性が低下してし
まうため、厚さのおおよその目安としては、真直度や同
軸度とヤング率を組み合せてその指標にするとよい。本
発明によれば、ヤング率が500[kg/cm2 ]〜3
0000[kg/cm2 ]となるように成形された電極
が好適に用いられる。特に電荷受容体に対して低ストレ
スであることを要求される場合には、23000[kg
/cm2 ]以下が望ましい。また、電荷受容体に対して
非接触に設置する場合は、ヤング率が500[kg/c
2 ]〜10000[kg/cm2 ]となるように成形
された柔らかい電極では、真直度は2mm以下であれば
好適に用いることができる。ヤング率が10000[k
g/cm2 ]以上の比較的硬い電極では、要求される帯
電均一性や電荷受容体の真直度によっても異なるが、真
直度は1mm以下、好ましくは0.5mm以下にすると
よい。ただし、ヤング率は、同じ材料の場合、厚さを変
えても一定の物理量であるが、実際の硬度という観点で
は、同じ材料の場合、薄いほど柔らかくなる。したがっ
て、上記の目安を参考に、ヤング率が大きい場合には薄
くすることによって柔軟性を引き出すことができ、ヤン
グ率が小さい場合には、厚くすることによって耐久性を
向上させることができる。
【0037】帯電電極に帯電電圧を供給する方法として
は、後述するように、帯電電極内に保持されている支持
部材や回転ロールを用いることも可能であり、またそれ
とは別に、帯電電極外周面に接触するように給電電極を
設けてもよい。もちろん本発明による鋭利な形状をして
いる接触部材や研磨部材などで兼用することも可能であ
る。
【0038】帯電電極に帯電電圧を供給する給電電極の
材料としては、導電性を有するものであればどのような
ものでもよく、たとえばポリエステル、ポリアミド、ポ
リエチレン、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリ
ウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、PE
N、PEK、PES、PPS、PFA、PVdF、ET
FE、CTFE等の樹脂、もしくはシリコーンゴム、エ
チレンプロピレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ウ
レタンゴム、ニトリルゴム等の合成ゴムにカーボンブラ
ックや金属粉末等の導電性の粉末を混入したものを使用
することができる。また、エピクロルヒドリンゴム、ク
ロロプレンゴム、EPDMゴム等の有極性ゴムや、アモ
ルファスシリコン等の半導電性の無機材料を絶縁体の基
体上に薄膜もしくは厚膜蒸着して形成してもよい。ただ
し、有極性ゴムなどは付着力が高いため、低付着材料等
で表面をコーティングするといった工夫が必要である。
さらに、上記のような高分子材料に限ったものではな
く、例えばSUS、アルミニウム、黄銅等の金属、水、
アルコール、液体金属等の導電性液体等も使用すること
ができる。ただし、導電性液体を使用する場合は、液体
が帯電電極等に付着・飛散したり、蒸発するのを防止す
るための機構が必要である。
【0039】給電電極の形状は、帯電電極表面もしくは
裏面に接触することが可能であればどのような形状でも
よく、たとえば、スポンジ、繊維、フェルト、ゴム、不
織布、フォーム、ブラシ、ウエブ、ブレード、パドル、
ゲル、樹脂、金属などからなるブロック体やロール等の
回転体、もしくは往復運動をする刷毛状の部材などが好
適に用いられる。ただし、帯電装置の形状によっては、
接触部の圧力が小さいほうが望ましい場合があり、ブラ
シ、フェルト、不織布、スポンジ、ロールなどが好適に
用いられる。
【0040】給電電極の抵抗値としては、基本的には帯
電電極の抵抗値よりも小さければ十分にその機能を果た
すことができる。しかし、環境変化や経時変化による抵
抗値の変動を考慮すると抵抗値はできるだけ小さいほう
が、より安定した給電を行うことができる。本実験では
103 Ω・cm以下に調整すると、最も安定した結果が
得られているが、特にこの範囲に限られるものではな
い。
【0041】本発明による帯電装置が組み込まれる画像
形成装置としては、従来の感光体(被帯電体)のクリー
ニング装置が備えられている白黒、カラー複写機、プリ
ンタなどが好適である。また、クリーニング装置が備え
られていないクリーナレスの画像形成装置、もしくは、
疑似的なクリーニング装置が備えられている場合におい
ても好適に用いることが可能である。さらに、帯電電極
を電荷受容体に対して非接触に設置することも可能であ
るため、トナー像を感光体上に次々に重ね合わせ、最後
に一括して紙に転写するIOI(Image On I
mage)プロセスの帯電装置および除電装置(感光体
上のトナーの帯電/除電も含む)、転写装置としても十
分に使用することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る実施の形態を
図に基づいて説明する。図1は、請求項1および請求項
2に記載される発明の一実施形態である帯電装置を示す
概略構成図である(以下、第1の実施形態と称する)。
この帯電装置10は、図1(a)に示される矢印のよう
に、一定方向に移動可能な電荷受容体1との対向位置に
支持されており、半導電性のフィルム状部材を無端移動
可能な周面を有するように円筒状に形成した帯電電極2
と、この帯電電極2内に挿入され、円筒状の帯電電極2
を電荷受容体1と接触させるように支持する突き当て部
材3とを有している。さらにこの突き当て部材3は図示
しないモータ等に接続されて回転駆動するようになって
いる。また、帯電電極2の外周面には、図1(b)に示
されるように、突き当て部材3に対して帯電電極2を挟
むように対向してナイフ状の接触部材(切削部材)5が
設置され、帯電電極2の表面に接触しながら長手方向に
ほぼ均一に、かつごく微少ずつ帯電電極2の外周面の異
物等を削りとるようになっている。また上記突き当て部
材3は、電源4と接続されていて、該突き当て部材3を
介して帯電電極2に帯電用の電圧を印加するようになっ
ている。
【0043】上記電荷受容体1は、例えば円筒状の導体
基板1a上に光導電層1bが積層された構成のものであ
り、導体基板1aは電気的に接地されている。そして、
帯電電極2との接触部近傍の微小空隙で放電が発生する
ことによって電荷受容体1の表面が帯電されるようにな
っている。
【0044】上記帯電電極2は、周長が突き当て部材3
の周長よりも大きく形成されており、帯電電圧を印加し
ていない時は自重で電荷受容体1と接触しているが、電
圧が印加されると、電荷受容体1との間に働く静電吸引
力によって電荷受容体1に引っ張られるように密着す
る。そして電荷受容体1の移動に伴って、その移動方向
にやや引っ張られるような撓んだ形状になる。さらに電
荷受容体1が矢印方向に移動すると、静電吸引力によっ
て図中矢印方向に無端移動するようになる。このときの
撓み量は、柔らかい帯電電極を用いるほど大きくなり、
硬度が高い金属薄肉円筒などではほとんど変形しない。
また、静電吸引力は印加電圧に比例して大きくなるた
め、パラメータ設計に注意が必要である。
【0045】この帯電電極2を構成するフィルム状部材
としては、厚さが30〜200μm程度の可撓性を有す
る半導電性の部材が用いられている。このフィルム状部
材は、たとえばポリエステル、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリオレフィ
ン、ポリウレタン、ポリフッ化ビニリデン、アクリルな
どの高分子材料から形成されるフィルム中にカーボンブ
ラックなどの導電性粒子を混入することにより形成され
ており、好ましい体積抵抗率(103 Ω・cm〜1010
Ω・cm)となるように導電性粒子の混入量を調整して
いる。また、電荷受容体1に直接接触することを考慮し
て、フィルムは引張弾性率10〜280kg/mm2
度に設定されている。このとき、体積抵抗率が102 Ω
・cm以下では火花放電が発生し易く、1011Ω・cm
以上ではドット状の帯電不良を起こし易いため、103
〜1010Ω・cmの範囲で使用するのが望ましい。特に
103〜107 Ω・cmでは、使用する帯電電圧を比較
的低く設定することが可能となり、消費電力を節約でき
る点でも好ましい。
【0046】上記突き当て部材3は、帯電電極2への給
電を兼ねるため周面が導電性材料で形成されており、例
えばアルミニウム、SUSなどの金属、或は体積抵抗率
が帯電電極2の体積抵抗率以下になるように形成された
導電性高分子材料、例えばポリエステル、ポリアミド、
ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポ
リウレタン、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、PE
N、PEK、PES、PPS、PFA、PVdF、ET
FE、CTFE等の樹脂、もしくはシリコンゴム、エチ
レンプロピレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレ
タンゴム、ニトリルゴム等の合成ゴムにカーボンブラッ
クや金属粉末等の導電性の粉末を混入したものを使用す
ることができる。また、エピクロルヒドリンゴム、クロ
ロプレンゴム、EPDMゴム等の有極性ゴムや、アモル
ファスシリコン等の半導電性の無機材料を絶縁体の基体
上に薄膜もしくは厚膜蒸着して形成してもよい。この突
き当て部材3は、帯電電極2の長手方向における全長よ
り若干長く設けられており、回転しないように帯電装置
内で固定支持されている。
【0047】上記電源4は、電荷受容体1の帯電工程で
帯電電極2に直流電圧を印加できるものである。また、
図中の点線で示すように、直流に交流を重畳した電圧を
印加するように設定してもよい。この電源4の印加電圧
については後述する。
【0048】上記接触部材5を構成する材料としては、
絶縁性の材料でも導電性の材料でもどのような材質で形
成されていてもよい。絶縁性の場合には、例えばポリエ
ステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリ
カーボネート、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリフ
ッ化ビニリデン、アクリル、POM、フェノール、フッ
素等の高分子材料が好適に用いられる。また、導電性の
場合には、上記の絶縁性の材料の他に、導電性の材料、
例えばポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリ
カーボネ−ト、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリフ
ッ化ビニリデン、ポリイミド、PEN、PEK、PE
S、PPS、PFA、PVdF、ETFE、CTFE等
の樹脂、もしくはシリコーンゴム、エチレンプロピレン
ゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、ニト
リルゴム等の合成ゴムにカーボンブラックや金属粉末等
の導電性の粉末を混入したものを使用することができ
る。また、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴ
ム、EPDMゴム等の有極性ゴムや、アモルファスシリ
コン等の半導電性の無機材料を絶縁体の基体上に薄膜も
しくは厚膜蒸着して形成してもよい。また、アルミニウ
ム、SUSなどの金属も好適に用いることができる。
【0049】ただし、接触部材5は、僅かずつではある
が、帯電電極2の表面を削りとる作用を有するので、硬
度および先端の形状が非常に重要になる。一般に、帯電
電極2よりも柔らかい材料では上記の削りとる効果がほ
とんどなくなってしまうため、硬いものが好ましい。そ
の点からいえば、金属特に硬度が高いシリコンカーバイ
ト、アルミナ、タングステンカーバイト、セラミックな
どが好適に用いられる。
【0050】このような帯電装置では、直流電源4から
導電性の突き当て部材3を介して帯電電極2に所定の電
圧が印加されると、帯電電極2と電荷受容体1との接触
部近傍に形成される微小な空隙で空気のイオン化が発生
する。電極突き当て部材3に電源4の負極性側が接続さ
れていれば、−のイオンまたは電子が電荷受容体1側へ
流れてこれを帯電し、+のイオンは帯電電極2側へ到達
して中和される。さらに、電圧の印加によって帯電電極
2が電荷受容体1の移動方向に引っ張られ、帯電電極2
と電荷受容体1との接触が安定になる。また、帯電電極
2は抵抗が十分大きいため、放電は安定し、火花放電に
至ることはない。さらに、帯電電極2に半導電性抵抗体
を用いたことにより、空隙のどの部分にも過大な電流が
流れるのを防止することが可能であり、電荷受容体1に
対して均一な帯電が可能である。
【0051】一方、帯電電極2は、突き当て部材3と接
触部材5との間に挟みこまれているため、静電吸引力だ
けで回転させることは困難な場合もある。したがって、
突き当て部材3を回転駆動させ、突き当て部材3と帯電
電極2の内側面との摩擦力によって回転させてもよい。
その際、突き当て部材3と帯電電極2との摩擦力が小さ
いと、接触部材5の圧力に負けてしまい、回転が不安定
になったり停止したりしてしまい、帯電電位が不安定に
なってしまう。このため、突き当て部材3と帯電電極2
内側の表面粗さを大きくしたり、高付着性の材料を使用
すると、より安定した回転力を得ることができる。
【0052】また、上記帯電電極2は可撓性を有してい
るため、その製造上の制約から、同軸度や伸直度等がば
らついてしまう。そのため、帯電電極2が回転しはじめ
ると、帯電電極2が長手方向に移動しようとする、いわ
ゆるウオーク現象が発生したり、帯電電極2の外径ムラ
等により回転が不安定になり、バウンド等が発生すると
いう問題がある。しかし、本発明では突き当て部材3に
接触部材5を突き当てるように設置しているため、この
ような現象が発生しにくく、帯電電極2の回転安定性も
向上するという効果がある。
【0053】次に、図2に示すような帯電試験装置を用
いて上記帯電装置の帯電テストを実施した結果を示す。
この帯電試験装置は、矢印方向に回転するドラム状の電
荷受容体(感光体)1の周囲に、電荷受容体1の表面電
位を検知する表面電位センサー11と、電荷受容体1の
表面電荷を除電する除電ランプ13とを有しており、表
面電位センサー11に表面電位計12が接続されてい
る。電荷受容体1の回転方向における表面電位センサー
11の上流側には、本実施形態の帯電装置10が配置さ
れ、導電性の帯電電極2が電荷受容体1の表面に接触す
るように突き当て部材3で支持されている。また、突き
当て部材3には直流電源14が接続され、直流の帯電電
圧が印加されるようになっている。この直流電源14
は、出力電圧を任意に変えることができるものであり、
印加電圧の増減にともなって変化する電荷受容体1の表
面電位を、表面電位計12で測定するようになってい
る。
【0054】帯電装置10に使用されるフィルム状の帯
電電極2は、PVdF、ナイロン、ポリカーボネートを
体積抵抗率がそれぞれ105 Ω・cm、107 Ω・cm
となるように生成した30μm、50μmの可撓性のフ
ィルムチューブ、および500μmの薄肉円筒状電極を
用いた。また、帯電電極2の内径は12.5mmとし
た。また、突き当て部材3として、Φ10のアルミ柱に
ローレット加工を施し、表面粗さを高くしたものを用い
た。
【0055】図3は、上記帯電試験装置を用いた帯電テ
ストにおいて、帯電電極2に直流電圧を印加した際の印
加電圧と電荷受容体1の表面電位との関係を示したもの
である。この図において、直流電源14から0V〜−2
000Vの直流電圧を印加した時の電荷受容体1の表面
電位を測定したところ、電荷受容体1の表面電位は約−
550Vの印加電圧から急激に上昇しはじめ、−200
0Vの印加電圧で約−1450Vに達することが確認さ
れた。この間、帯電装置10による異常放電の発生は見
られなかった。また、帯電電極2の材料については、上
記すべての場合において、良好な結果を得た。
【0056】図4は、上記の帯電装置10が適用される
画像形成装置を示す概略構成図である。この画像形成装
置は、一様に帯電された後に像光を照射することによっ
て潜像が形成される感光体(電荷受容体)20を備え、
この感光体20の周囲には、該感光体20の表面を帯電
させる、図1に示す実施形態の帯電装置10のほか、露
光装置21、現像装置22、転写装置25、クリーニン
グ装置27、および除電ランプ28が備えられている。
さらに、この画像形成装置内には、用紙24を収納する
用紙カセット23、トナー像を定着する定着装置26も
備えられている。
【0057】このような画像形成装置では、帯電装置1
0により感光体20が所定の電位に帯電された後、露光
装置21によって画像情報に対応したレーザー光が照射
され、感光体20の表面に静電潜像が形成される。この
静電潜像は、現像装置22によって現像され、感光体2
0へのトナーの付着による可視像が形成される。さら
に、用紙カセット23から、用紙24が、ペーパーガイ
ド29に沿って感光体20と転写装置25との間に搬送
され、転写装置25により感光体20上のトナー像が用
紙24上に転写される。転写されたトナー像は、定着装
置26で定着され、用紙24上にプリント像が形成され
る。一方、転写工程後、感光体20の回転に伴い、感光
体20上に残留した未転写トナーはクリーニング装置2
7により清掃され、除電ランプ28により感光体20表
面が除電された後、再び帯電装置10による帯電工程に
はいる。なお、上記工程において、帯電装置10へ印加
される電圧は約ー900Vの直流電圧、または−350
Vの直流成分にピーク間電圧1500Vの交流成分を重
畳した電圧が設定されており、これにより、電荷受容体
20の表面電位はほぼー350Vに帯電される。
【0058】このような画像形成装置を用いてプリント
像を形成し、上記帯電装置10の信頼性テストを行った
結果を図5に示す。同図(a)より、本実施形態の帯電
装置では、画質欠陥のない良好な画像が得られることが
確認された。比較のため、本実施形態の接触部材5をブ
ラシ状に形成したものを用いて同様の実験を行った。そ
の結果、初期的には本実施形態と同等の画質が得られた
ものの、500枚プリントしたころから徐々にかぶりが
発生し、100枚プリント後には図5(b)に示される
サンプルのように、たて筋状の画質欠陥と、帯電電極ピ
ッチの帯電不良が発生してしまった。これは、帯電電極
2の表面に付着したトナーなどの異物が、ブラシによっ
て筋状に堆積してしまったためである。それに対し、本
実施形態の帯電装置では1000枚プリント後も初期の
サンプルと変わらない画質を得ることができた。これよ
り、長期に渡って帯電電位を均一に保持するためには、
鋭利な接触部材を帯電電極表面に当接させ、少しづつ削
りながら表面をリフレッシュさせる本発明による構成が
非常に有効であることが実証された。
【0059】上記帯電装置10は、上記図4に示すよう
な画像形成装置において適用されるが、例えば帯電装置
をトナーカートリッジ等と一体化し、画像形成装置に着
脱可能に支持されるようにしてもよい。これにより、使
用済のカートリッジを回収し、工場で帯電電極2のみを
交換すれば帯電装置の再使用が可能であり、リサイクル
のために有効であるとともに、低コスト化を実現でき
る。
【0060】さらに、上記帯電装置10は、前述の図4
に示すような画像形成装置において適用されるが、図6
に示すように、クリーニング装置を用いないクリーナレ
ス画像形成装置においても同様に適用することができ
る。この画像形成装置のプロセスは、前述の図4とほと
んど同じであるが、電荷受容体30上に残留した未転写
トナーはそのまま帯電装置10を通過し、現像装置32
で回収される。もしくは、転写装置35によって100
%に近い転写を行うことにより、未転写トナーを極力少
なくしている。
【0061】このような画像形成装置では、電荷受容体
30上に残留するトナーや紙粉、放電生成物などによっ
て帯電装置10の帯電電極2が汚れやすくなる傾向があ
る。また、転写効率を上げるために感光体や帯電電極な
どに微粒子を塗布するような構成にすることもあるた
め、最初から付着物が存在する状態になることもある。
したがって、このような場合には、本実施形態による帯
電装置10が特に有効であることがわかる。
【0062】図7は、請求項1に記載される発明の他の
実施形態を示す概略構成図である。この帯電装置は、図
1に示される帯電装置10とほぼ同じ構成であるが、接
触部材45の形状が異なり、ブレード状の部材から構成
されている。このような構成においても、図1に示され
る帯電装置と同様に、良好な帯電特性、およびプリント
サンプルが得られることが確認された。接触部材は図1
のように特にナイフ状のものでなくても、ブレード状の
ものや、金属の薄い板なども用いることが可能であると
いえる。しかし、帯電電極の表面を積極的に削りとる効
果を期待する場合には、図1に示される鋭利な接触部材
が最も優れている。
【0063】次に、図1に示される帯電装置10の突き
当て部材3の構成を変化させて、本発明によるリフレッ
シュ効果を調べる実験を行った。突き当て部材は以下の
ような材料を用いて構成した。 (1)EPDMを用いてロール状に成形した硬度約40
のゴムロール (2)EPDMを用いてロール状に成形した硬度約60
のゴムロール (3)テフロン樹脂を用いてロール状に成形したロール
で、表面の水の接触角が約90° (4)硬質アルミ硬質アルマイト処理を施したロール
で、表面粗さを1.5s〜6s程度になるよう高摩擦処
理をしたもの なお、(1)から(4)は全て適当な方法を用いて導電
処理されており、帯電電極に印加電圧を供給するように
なっている。
【0064】以上4種の突き当て部材を用いて実験した
結果は以下に示す通りであった。(1)の硬度が比較的
低いものでは、接触部材による削りとり効果が低減して
しまった。また、柔らかい帯電電極を柔らかい突き当て
部材で突き当てているため、帯電電極表面の削れ具合が
不均一になってしまい、帯電電位が不安定になってしま
った。この現象は、(2)の比較的固めのゴムローラを
用いた場合にも、若干程度はよくなるものの、同様に発
生した。これは、たとえばゴムからなるロール状の帯電
装置などにも起きる現象である。ロール帯電は電荷受容
体に接触しながら帯電するため、表面の硬度はある程度
低硬度であることが要求される。したがって、本実施形
態のような鋭利な接触物を当接させると長手方向に不均
一に接触してしまい、均一に削りとることは不可能なの
である。
【0065】(3)については、ロールの硬度が高いた
め、上記(1)、(2)に比べて安定した帯電電位を得
ることができた。しかし、ロール表面が平滑であるた
め、帯電電極の裏面とスリップしてしまい、帯電電極の
回転が不安定になってしまった。本実施形態の構成で
は、このように表面が平滑なロールを用いると、帯電電
極の回転が不安定になったり停止したりしてしまう不具
合が生じやすいことが確かめられた。なお、このような
ロールでも、後述する係止手段を有する帯電装置では好
適に用いることが可能である。
【0066】(4)については、ロールの硬度も高く、
表面の摩擦力も大きいため、本実施形態において長期に
渡って安定した帯電電位を得ることができた。本発明の
ように、薄肉状の可撓性を有する帯電電極を用いる最大
の利点は、電荷受容体にはその可撓性を活かして柔軟に
接触し、それ以外の領域で、例えば本例のように硬いロ
ールを突き当てることによって硬度を高めることができ
るという点である。これは、従来のロール帯電器やブラ
シ帯電器にはない、フィルム帯電器だけが持つ大きな特
徴である。つまり、それぞれ必要な場所において必要な
物性が引き出せるような機能分離型の帯電装置であると
いえる。なお、表面を高摩擦処理する方法としては、や
すりで研磨する方法や、サンドブラスターを用いて粗面
化する方法、ローレット加工などさまざまな方法が挙げ
られるが、どのような方法を用いても同様の効果を引き
出すことができる。
【0067】なお、本実験では突き当て部材から帯電用
の電源を供給しているが、もちろん帯電電極の外周面か
ら供給することも可能である。この場合は、突き当て部
材を絶縁性の材料で構成することも可能であるため、突
き当て部材と電荷受容体との距離が近接してリークする
危険がある時などに非常に有効である。外周面から供給
する場合、ブラシ、スポンジ、ゴム、ロール状の部材と
いった新たな供給電極を設けることも可能であるが、帯
電電極を削りとる接触部材を導電性の材料で構成し、供
給電極を兼用することも可能である。
【0068】図8(a)は、請求項1および請求項3に
記載される発明の一実施形態である帯電装置を示す概略
構成図である。この帯電装置は、図1に示す帯電装置と
ほぼ同じ構成であるが、接触部材55の形状が異なって
おり、帯電電極52の外周面と接触する面が、図8
(b)に示されるように、ローレット加工されている。
接触部材55は、帯電電極52を介して突き当て部材5
3に突き当てられるように固定されている。なお、その
他の構成、材料については図1と同様である。
【0069】このような帯電装置では、図1と同様に帯
電電極52に電圧が印加されると、静電吸引力によって
回転方向に引っ張られるため、多少撓んだ形状になる。
突き当て部材53は、図示しない駆動手段によって電荷
受容体51とほぼ等速度になるように回転駆動されてお
り、接触部材55との摩擦力によって帯電電極52もほ
ぼ等速度で回転駆動している。このとき、接触部材55
のローレット加工されている面55aが帯電電極52と
の摺擦によって電極表面を少しずつ削りとり、研磨する
働きをしている。
【0070】本実施形態では、接触部材としてローレッ
ト加工を施したステンレスを用いているが、もちろんこ
の材料に限ったものではなく、たとえばやすり状の加工
など各種の高摩擦処理を施したものやタングステンカー
バイトなど、研磨作用を持つ材料、形状であればどのよ
うなものでも良い。また、本実施形態では接触部材が固
定して配置されているが、たとえば長手方向に往復運動
をするようにオシレーションさせても同様の効果が得ら
れる。また、突き当て部材の局面と沿うように湾曲さ
せ、帯電電極との接触面積を大きくすることにより、一
層研磨効果が高まり、回転を安定化することができる。
さらに、接触部材に帯電電極の回転方向とほぼ直角にな
るように溝加工を施したり、その溝が帯電電極の回転方
向とある角度を有するように配置する方法など、接触部
材の表面形状によって適切な配置方法を選択することに
より、より一層研磨の効果を高めることが可能である。
【0071】このような帯電装置を用いて図2に示され
る帯電試験装置による帯電性試験を行ったところ、図1
に示す帯電装置と同様に良好な結果が得られることが確
認された。また、図4に示される画像形成装置を用いて
プリントテストを行ったところ、かぶりなどの画質欠陥
のない良好な画像が得られることが確認された。また、
帯電電極52の表面が、接触部材55の研磨効果によっ
て均一に少量づつリフレッシュされるため、長期に渡っ
て異物の付着を防止することが可能となり、安定した帯
電電位を得ることができるという効果も有している。ま
た、図1のように鋭利な端部を当接する場合は突き当て
部材との精度が重要になるが、図8に示す接触部材55
の場合は、面全体で接触しているため、設計上の自由度
が高いという利点もある。
【0072】上記の帯電装置は、第1の実施形態と同様
に、図6に示される、クリーニング装置を用いないクリ
ーナレス画像形成装置においても同様に適用することが
できる。この場合、特に微粒子などを感光体上に少量塗
布して転写効率を上昇させるような装置では、帯電電極
表面に付着した微粒子を均一化する効果も有するため、
図8の接触部材55の形状で帯電電極を研磨する構成は
特に適しているといえる。
【0073】なお、本実験では突き当て部材から帯電用
の電源を供給しているが、もちろん帯電電極の外周面か
ら供給することも可能である。この場合は、突き当て部
材を絶縁性の材料で構成することも可能であるため、突
き当て部材と電荷受容体との距離が近接してリークする
危険がある時などに非常に有効である。外周面から供給
する場合、ブラシ、スポンジ、ゴム、ロール状の部材と
いった新たな供給電極を設けることも可能であるが、帯
電電極を削りとる接触部材を導電性の材料で構成し、供
給電極を兼用することも可能である。
【0074】図9は、請求項4に記載の発明の一実施形
態である帯電装置を示す概略構成図であり、図9(a)
は帯電装置の断面図、図9(b)は突き当て部材の側面
図である。この帯電装置は、図1に示す帯電装置とほぼ
同じ構成であるが、突き当て部材63の形状が異なって
いる。突き当て部材63は、図9(b)に示されるよう
に、両端部に凹状のくぼみ63aを持つ滑車のような形
状をしており、このくぼみ63aと帯電電極62の凸部
62aは、回転しながら係合するように設定されてい
る。さらに、突き当て部材63は駆動装置(図示せず)
によって図9中に示される矢印方向に回転駆動されてお
り、この外力と静電吸引力によって帯電電極62は無端
移動するようになっている。なお、この装置のその他の
構成については図1と同様である。
【0075】本実施形態では、凸部62aとしてPET
を帯電電極62の内周面端部に接着しているが、もちろ
んこの方法に限ったものではない。例えば、ゴム等の弾
性体や各種エラストマー、樹脂等を電極内面に接着もし
くは熱融着してもよい。また、帯電電極形成時に端部の
みを厚くするように形成しても同様の効果が得られる。
ただし、その幅はくぼみ63aの幅よりも小さくしなけ
ればならない。また、帯電電極62の係止手段としても
本実施形態に限ったものではなく、例えば帯電電極62
の端部に突き当て部材63を接着もしくは熱融着によっ
て固定する方法、外周部から締めつけるような部材で止
める方法など、各種の方法が考えられる。ただし、この
ような方法を用いる場合は、帯電電極を介して突き当て
部材が電荷受容体に当接されるため、リークしたり、電
荷受容体が傷ついたりする恐れがある。したがって、こ
のような場合には、例えば両端部のみ回転駆動のローラ
状に成形し、画像領域においては少なくとも接触部材に
当接する近辺だけ突き当たり、電荷受容体とは離間して
設置できるようにするなど、突き当て部材全体の構成を
適切に設計する必要がある。
【0076】このような帯電装置を用いて図2に示され
る帯電試験装置による帯電性試験を行ったところ、図1
に示す帯電装置と同様に良好な結果が得られることが確
認された。また、図4に示される画像形成装置を用いて
プリントテストを行ったところ、かぶりなどの画質欠陥
のない良好な画像が得られることが確認された。また、
帯電電極62が長手方向に移動することがないため、ウ
オークによる回転の不安定さが全くなくなり、長期に渡
って安定した帯電電位を得ることができるという効果も
有している。
【0077】上記帯電装置は、第1の実施形態と同様
に、図6に示される、クリーニング装置を用いないクリ
ーナレス画像形成装置においても同様に適用することが
可能であり、第1の実施形態と同様に良好な画像が得ら
れることが確認された。なお、本実験では突き当て部材
から帯電用の電源を供給しているが、もちろん帯電電極
の外周面から供給することも可能である。この場合は、
突き当て部材を絶縁性の材料で構成することも可能であ
るため、突き当て部材と電荷受容体との距離が近接して
リークする危険がある時などに非常に有効である。外周
面から供給する場合、ブラシ、スポンジ、ゴム、ロール
状の部材といった新たな供給電極を設けることも可能で
あるが、帯電電極を削りとる接触部材を導電性の材料で
構成し、供給電極を兼用することも可能である。
【0078】図10は、請求項5に記載の発明の一実施
形態である帯電装置を示す概略構成図である。この帯電
装置は、図1に示す帯電装置とほぼ同じ構成であるが、
突き当て部材73の周面の両端部には、周方向に沿って
複数の突起73aがほぼ等間隔で配設されている。一
方、帯電電極72の両端部には突起73aとほぼ同じ大
きさの開口がほぼ等間隔に設けられており、突起73a
に係合するようになっている。さらに、突き当て部材7
3は図示しないモータなどの駆動手段によって矢印方向
に回転駆動されており、これによって帯電電極72は、
複数の開口が順次突起7aと係合しながら無端移動する
ようになっている。なお、この帯電装置のその他の構成
については、図1と同じである。
【0079】本実施形態では、突き当て部材73に突起
を設けているが、もちろんこの構成に限ったものではな
い。例えば電荷受容体71の両端に凸部を構成し、帯電
電極72に同様に設けた開口部62aと係合させる構成
にしても同様の効果が得られる。
【0080】図10に示されるような構成にすることに
より、回転にともなう帯電電極72のウオークを防止す
ることが可能になるだけでなく、回転がスリップするこ
ともないため、非常に安定した回転力を得ることができ
るという大きな長所がある。したがって、突き当て部材
73と接触部材75の摩擦力を考慮する必要がないた
め、接触部材75の突き当て力を自由に設定することが
可能になる。さらに、突き当て部材73の形状や材料を
選択する自由度も大きく向上する。この構成では、接触
部材75により帯電電極72は突き当て部材73に接触
するようになっているので、回転に伴って開口部が突起
73aから外れてしまうこともなく、長期に渡る摩擦力
の変化などを考慮する必要もないため、非常に安定した
構成であるといえる。なお、このような構成では、帯電
電極72の両端に設けられた開口部に力が加わり、開口
が広がったり破れてしまったりしてしまうことがある。
その場合は、端部を同素材もしくは異なる素材で持ち手
補強するなどの工夫を施すと良い。
【0081】このような帯電装置を用いて図2に示され
る帯電試験装置による帯電性試験を行ったところ、図1
に示す帯電装置と同様に良好な結果が得られることが確
認された。また、図4に示される画像形成装置を用いて
プリントテストを行ったところ、かぶりなどの画質欠陥
のない良好な画像が得られることが確認された。また、
帯電電極72が長手方向に移動することがないため、ウ
オークによる回転の不安定さが全くなくなり、長期に渡
って安定した帯電電位を得ることができるという効果も
有している。
【0082】上記帯電装置は、第1の実施形態と同様
に、図6に示される、クリーニング装置を用いないクリ
ーナレス画像形成装置においても同様に適用することが
可能であり、第1の実施形態と同様に良好な画像が得ら
れることが確認された。なお、本実験では突き当て部材
から帯電用の電源を供給しているが、もちろん帯電電極
の外周面から供給することも可能である。この場合は、
突き当て部材を絶縁性の材料で構成することも可能であ
るため、突き当て部材と電荷受容体との距離が近接して
リークする危険がある時などに非常に有効である。外周
面から供給する場合、ブラシ、スポンジ、ゴム、ロール
状の部材といった新たな供給電極を設けることも可能で
あるが、帯電電極を削りとる接触部材を導電性の材料で
構成し、供給電極を兼用することも可能である。
【0083】図11は、請求項6に記載される発明の一
実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。この
帯電装置は、図1に示す帯電装置とほぼ同じ構成である
が、接触部材85がロール状に構成されており、帯電電
極82の回転に伴って回転するようになっている。図1
1(b)に示すように、接触部材85の表面は図8に示
される接触部材と同様にローレット加工が施されてお
り、帯電電極82と接触することにより少しずつ研磨す
る働きをしている。突き当て部材83は図示しないモー
タなどの駆動装置により駆動するようになっており、接
触部材85との摩擦によって帯電電極82に回転力を与
えている。なお、この帯電装置のその他の構成について
は図1と同様である。
【0084】本実施形態では接触部材85を帯電電極8
2の回転に伴って従動回転するように設定しているが、
特にこの構成に限ったものではない。例えば、突き当て
部材83と同様に駆動装置によって駆動する構成にする
ことも可能である。この場合、特に帯電電極を研磨する
効果が大きくなるという特徴を持っている。また、帯電
電極82の回転がより一層安定するという利点もある。
また、接触部材85は、長手方向に帯電電極82とほぼ
同じ長さで設置してもよいし、短いロールを間隔を開け
るなどして複数設置することも可能である。短いロール
を複数配置する場合は、突き当て部材に偏心があっても
帯電電極との接触を安定化できるという利点がある。
【0085】このような帯電装置を用いて図2に示され
る帯電試験装置による帯電性試験を行ったところ、図1
に示す帯電装置と同様に良好な結果が得られることが確
認された。また、図4に示される画像形成装置を用いて
プリントテストを行ったところ、かぶりなどの画質欠陥
のない良好な画像が得られることが確認された。また、
帯電電極82の回転が安定し、長期に渡って安定した帯
電電位を得ることができるという効果も有している。ま
た、接触部材85を複数のロールとし、各ロールの回転
軸が帯電電極82の回転方向に対して角度を持つように
設置することにより、帯電電極82のウオークを簡単に
低減することができるという効果も有している。
【0086】上記帯電装置は、第1の実施形態と同様
に、図6に示される、クリーニング装置を用いないクリ
ーナレス画像形成装置においても同様に適用することが
可能であり、第1の実施形態と同様に良好な画像が得ら
れることが確認された。なお、本実験では突き当て部材
から帯電用の電源を供給しているが、もちろん帯電電極
の外周面から供給することも可能である。この場合は、
突き当て部材を絶縁性の材料で構成することも可能であ
るため、突き当て部材と電荷受容体との距離が近接して
リークする危険がある時などに非常に有効である。外周
面から供給する場合、ブラシ、スポンジ、ゴム、ロール
状の部材といった新たな供給電極を設けることも可能で
あるが、帯電電極を削りとる接触部材を導電性の材料で
構成し、供給電極を兼用することも可能である。
【0087】図12は、請求項1又は請求項2に記載さ
れる発明の他の実施形態である帯電装置を示す概略構成
図である。この帯電装置は、図1に示す帯電装置とほぼ
同じ構成であるが、帯電電極92が電荷受容体91と非
接触になるように配置されている。この帯電装置では、
帯電電圧が印加されると、帯電電極92は電荷受容体9
1との間に発生する静電気力によって、電荷受容体1が
一定方向に移動するのにともなって回転する。このと
き、帯電電極92は図12に示されるように長手方向に
ほぼ一定の静電吸引力を受けるため、電荷受容体91と
の近接点近傍でその移動方向に若干膨らんだような形状
となる。そして帯電電極92と電荷受容体91との近接
部近傍の微小間隙で放電が生じ、電荷受容体91を帯電
する。なお、この帯電装置のその他の構成については、
図1と同じである。
【0088】このように上記帯電装置では、帯電電極9
2と電荷受容体91との間で均一な微小空隙が得られ、
両者を接触させた場合と同じように安定した帯電が行わ
れる。また、静電気力によって帯電電極92が電荷受容
体91と近接する静電吸引力作用領域が増加し、適切な
間隙を保持した放電領域が広がるため、充分な帯電電位
を得ることができる。なお、図12では、静電吸引力の
作用によって帯電電極92が大きく撓んでいるが、この
撓み量は帯電電極92の硬度によって異なり、硬度が増
すほどたわみ量は減少する。
【0089】このような帯電装置を用いて図2に示され
る帯電試験装置による帯電性試験を行ったところ、図1
に示す帯電装置と同様に良好な結果が得られることが確
認された。また、図4に示される画像形成装置を用いて
プリントテストを行ったところ、かぶりなどの画質欠陥
のない良好な画像が得られることが確認された。また、
帯電電極92が電荷受容体91に対して非接触に配置さ
れているため、電荷受容体91に傷を付けたりすること
もなく、より長期に渡って安定した帯電電位を得ること
ができるという効果を有している。
【0090】上記帯電装置は、第1の実施形態と同様
に、図6に示される、クリーニング装置を用いないクリ
ーナレス画像形成装置においても同様に適用することが
可能であり、第1の実施形態と同様に良好な画像が得ら
れることが確認された。特に、図12の構成では、帯電
電極92が電荷受容体91に接触していないため、クリ
ーナレスだけでなく、トナー像を感光体上に順次重ねて
一括して用紙に転写するIOI(Image on I
mage)画像形成装置においても好適に用いることが
可能である。ただし、本装置は非接触である分、パッシ
ェンの法則にしたがって帯電開始電圧が上昇するため、
図1などの接触型に比べて、同じ電位を得るための印加
電圧が大きくなるので注意が必要である。
【0091】なお、本実験では突き当て部材から帯電用
の電源を供給しているが、もちろん帯電電極の外周面か
ら供給することも可能である。この場合は、突き当て部
材を絶縁性の材料で構成することも可能であるため、突
き当て部材と電荷受容体との距離が近接してリークする
危険がある時などに非常に有効である。外周面から供給
する場合、ブラシ、スポンジ、ゴム、ロール状の部材と
いった新たな供給電極を設けることも可能であるが、帯
電電極を削りとる接触部材を導電性の材料で構成し、供
給電極を兼用することも可能である。
【0092】図13は、請求項7に記載される発明の一
実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。この
帯電装置は、図1および図10に示す帯電装置とほぼ同
じ構成であるが、接触部材105が突き当て部材103
の回転速度に対して周速度をもつように、図示しない駆
動装置によって回転駆動されている。このように接触部
材105を突き当て部材103と異なる周速度に設定す
ることにより、帯電電極102の外周面が効果的に研磨
されるため、付着物などを除去する効果が特に高くな
る。ただし、突き当て部材103と接触部材105の回
転速度が異なるため、帯電電極102の回転が不安定に
なりやすい。したがって、図13に示すように、突き当
て部材103の回転速度とずれないように、周方向に移
動しないような構成が最も適している。ただし、帯電電
極102の回転が不安定にならない場合には、図13の
構成に限らない。なお、接触部材105の位置が図1と
は異なっているが、これは本実施形態で接触部材105
に周速差を与えているため、接触圧が多少弱くても十分
研磨できるために帯電電極102の回転が比較的安定す
る同図の位置に設置しているのであって、これまでの実
施形態と同様の位置に設置してももちろん構わない。
【0093】このような構成の帯電装置では、帯電電極
102の両端に設けられた開口部に力が加わり、開口が
広がったり破れてしまったりすることがある。そのよう
な時は、端部を同素材もしくは異なる素材を用いて補強
するなどの工夫を施すと良い。なお、この帯電装置のそ
の他の構成については、図1と同じである。
【0094】接触部材105の表面は、帯電電極102
の外周面を研磨できる構成であればどのようなものでも
よく、金属、特に硬度が高いシリコンカーバイト、アル
ミナ、タングステンカーバイト、セラミックなどをロー
レット加工したものや、樹脂中にアルミナなどの高硬度
粉末を混入させて研磨剤にしたもの、やすりなどが好適
に用いられる。また、薄い金属プレートをパドル状に形
成し、帯電電極102の表面を削りとるような構成にす
ることも可能である。
【0095】このような帯電装置を用いて図2に示され
る帯電試験装置による帯電性試験を行ったところ、図1
に示す帯電装置と同様に良好な結果が得られることが確
認された。また、図4に示される画像形成装置を用いて
プリントテストを行ったところ、かぶりなどの画質欠陥
のない良好な画像が得られることが確認された。また、
図13では帯電電極102が電荷受容体101と接触し
ているが、非接触に配置してもよい。非接触とすること
により、電荷受容体101に傷を付けたりすることがな
く、より長期に渡って安定した帯電電位を得ることがで
きるという効果がある。
【0096】上記帯電装置は、第1の実施形態と同様
に、図6に示される、クリーニング装置を用いないクリ
ーナレス画像形成装置においても同様に適用することが
可能であり、第1の実施形態と同様に良好な画像が得ら
れることが確認された。
【0097】なお、本実験では突き当て部材から帯電用
の電源を供給しているが、もちろん帯電電極の外周面か
ら供給することも可能である。この場合は、突き当て部
材を絶縁性の材料で構成することも可能であるため、突
き当て部材と電荷受容体との距離が近接してリークする
危険がある時などに非常に有効である。外周面から供給
する場合、ブラシ、スポンジ、ゴム、ロール状の部材と
いった新たな供給電極を設けることも可能であるが、帯
電電極を削りとる接触部材を導電性の材料で構成し、供
給電極を兼用することも可能である。
【0098】図14は、請求項8に記載される発明の一
実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。この
帯電装置は、図1に示す帯電装置とほぼ同じ構成である
が、接触部材115の上流側に、帯電電極112と軽く
接触するように、回収部材116が設置されている。こ
の回収部材116は、接触部材115によって削り落と
されるトナー、放電生成物などの異物や、帯電電極11
2の粉末を受け止め、蓄積するようになっている。この
ような構成にすることにより、削られたり研磨されるこ
とによって発生する粉末が装置内にまき散るのを防止す
ることができるため、他のサブシステムに悪影響を及ぼ
すことがなくなるという利点がある。なお、この帯電装
置のその他の構成については図1と同じである。
【0099】本実施形態では、粉末が回収装置116内
に蓄積するような構成になっているが、粉末の回収方法
はこれに限ったものではない。たとえば、スコロトロン
に設けられるエアフローのような装置を用いて吸引した
り、クリーニング装置のパドルのような機構を用いて粉
末を別の場所に移動させて蓄積する方法などである。し
かし、本発明によって発生する粉末は、未転写トナーの
回収などとは異なり少量であるため、図14のように簡
単な回収部材でも、十分に効果を発揮することができ
る。
【0100】このような帯電装置を用いて図2に示され
る帯電試験装置による帯電性試験を行ったところ、図1
に示す帯電装置と同様に良好な結果が得られることが確
認された。また、図4に示される画像形成装置を用いて
プリントテストを行ったところ、かぶりなどの画質欠陥
のない良好な画像が得られることが確認された。また、
帯電電極112から欠落した粉末が回収装置116で回
収されているため、電荷受容体111を汚したりするこ
ともなく、より長期に渡って安定した帯電電位を得るこ
とができるという効果も有している。
【0101】上記帯電装置は、第1の実施形態と同様
に、図6に示される、クリーニング装置を用いないクリ
ーナレス画像形成装置においても同様に適用することが
可能であり、第1の実施形態と同様に良好な画像が得ら
れることが確認された。なお、本実験では突き当て部材
から帯電用の電源を供給しているが、もちろん帯電電極
の外周面から供給することも可能である。この場合は、
突き当て部材を絶縁性の材料で構成することも可能であ
るため、突き当て部材と電荷受容体との距離が近接して
リークする危険がある時などに非常に有効である。外周
面から供給する場合、ブラシ、スポンジ、ゴム、ロール
状の部材といった新たな供給電極を設けることも可能で
あるが、帯電電極を削りとる接触部材を導電性の材料で
構成し、供給電極を兼用することも可能である。
【0102】図15は、請求項9および請求項10に記
載される発明の一実施形態である帯電装置が適用される
画像形成装置を示す概略構成図である。この画像形成装
置は、転写装置として、複数の中間転写体を用いるもの
である。画像形成ユニット122a、122b、122
c、122dは、それぞれ図4に示される画像形成装置
と同じ構成になっており、各現像装置にはそれぞれマゼ
ンタ、イエロー、ブラック、シアンの4色のトナーが入
っている。また、除電ランプの代わりに本発明の除電用
の帯電装置121が各画像形成ユニットの図示しない帯
電装置の上流側に設置されている。また、この画像形成
装置には被転写体として、中間転写ドラム127、12
8a、128bが配置され、それぞれ図示されない電源
に接続されており、図中矢印方向に回転するようになっ
ている。
【0103】この装置による画像形成プロセスは、まず
中間転写ドラム128a上に、画像形成ユニット122
bからイエロー、画像形成ユニット122aからマゼン
タが順番に多重転写され、中間転写ドラム127に一括
して二次転写される。一方、中間転写ドラム128bは
画像形成ユニット122dからシアン、画像形成ユニッ
ト122からブラックの順に多重転写され、中間転写ド
ラム127上のイエロー像、マゼンタ像の上から重ね合
わさるように転写される。このように形成された中間転
写ドラム127上の4色画像は、転写装置125によっ
て用紙123に転写され、用紙パス124を通って定着
装置126によって定着され、プリント像が得られる。
【0104】中間転写ドラム127、128は、例えば
金属シャフトのまわりに形成したウレタンゴム、シリコ
ーンゴム、EPDMゴム等にカーボンブラック、金属酸
化物等の導電性フィラーを添加したものからなる弾性層
の表面に、PTFE等のフッ素樹脂や、ウレタン、アク
リル等のバインダー樹脂にPTFE等のフッ素樹脂粒子
等を添加したもの、さらに導電性フィラーを添加したも
の等からなるトナー離型層を形成したものなどが好適に
用いられる。中間転写ドラム127、128は、転写装
置も兼用しているため、それぞれ転写に必要な電圧が供
給されており、例えば中間転写ドラム127a、127
bには+1kV、中間転写ドラム128には+2kV程
度の電圧が印加される。転写装置125、定着装置12
6などは図4と同じものを用いることができる。
【0105】このような中間転写ドラムを複数用いる理
由としては、例えば次のようなものが挙げられる。中間
転写ドラムは剛体であるため、ベルトのような伸びやウ
ォーク等がない。そのため、中間転写体としてベルトを
用いた画像形成装置に比べて、色重ねの精度を出しやす
く、多重転写に非常に適している。しかし、中間転写ド
ラムを一つしか使わない場合は、中間転写体が円筒であ
るため、画像形成ユニットが放射状に配置されることに
なる。したがって、現像装置等の部品の共通化ができな
い、あるいはROSの配置が複雑になるといった問題点
が発生してしまう。そこで、中間転写ドラムを複数用い
ることにより色重ねの精度を確保し、かつ現像器等の部
品の共通化を計るため、図15のような画像形成装置が
有効になる。
【0106】一般に、画像形成装置の帯電装置に直流電
圧が印加されている場合、侵入電位のパターンによって
帯電電位が変動しやすくなり、ゴーストという画質欠陥
が発生しやすくなるという欠点がある。したがって、特
にカラー画像のように高画質が要求される画像形成装置
においては、帯電装置の上流側に光除電装置、もしくは
放電による除電装置を設ける必要がある。感光体を除電
する場合、光による除電を行うと、光疲労が促進され、
感光体の寿命が短くなるという欠点がある。したがっ
て、本実施形態に示されるような放電型の帯電装置も用
いられるが、交流電圧を印加すると、前述のように感光
体表面の表面エネルギーが増加するため、他のプロセス
に各種の悪影響を及ぼしてしまう。そこで、直流電圧を
印加することによってなるべく感光体を劣化させない工
夫が必要になるのである。
【0107】一方、中間転写体は、絶縁性もしくは高抵
抗の材料によって形成されるため、何回も転写を繰り返
すうちに残留電位が大きくなり、転写不良が発生しやす
いという欠点がある。転写ベルトは感光体と異なり光導
電性を持たないものが一般的であるため、放電デバイス
による除電が必要になってくる。しかし、転写ベルト上
の残留電位は、感光体と異なり、プラスからマイナスま
で大きく変動していることがほとんどであり、その大き
さは時には2000Vを越えることもある。したがっ
て、転写ベルト等の除電には、どのような侵入電位に対
しても常に0V近辺にすることが可能なロバスト性が求
められる。そこで、直流電圧ではなく、AC放電を利用
する必要が生じる。また、転写ベルトなどの被転写体
は、表面エネルギーが増加してもほとんど弊害がないた
め、AC放電が最適なのである。
【0108】このような画像形成装置を用いて図2に示
される帯電試験装置による帯電性試験を行ったところ、
帯電装置への侵入電位がほぼ均一に0Vとなり、イレー
ズランプと同等の結果が得られることが確認された。ま
た、図15の画像形成装置を用いてプリントテストを行
ったところ、かぶりなどの画質欠陥のない良好なカラー
画像が得られることが確認された。以上の結果から、本
発明の帯電装置が感光体および中間転写体の除電用の装
置として非常に有効であることが明らかになった。
【0109】上記帯電装置は、第1の実施形態と同様
に、図6に示される、クリーニング装置を用いないクリ
ーナレス画像形成装置においても同様に適用することが
可能であり、第1の実施形態と同様に良好な画像が得ら
れることが確認された。なお、本実験では突き当て部材
から除電用の電源を供給しているが、もちろん電極の外
周面から供給することも可能である。この場合は、突き
当て部材を絶縁性の材料で構成することも可能であるた
め、突き当て部材と電荷受容体との距離が近接してリー
クする危険がある時などに非常に有効である。外周面か
ら供給する場合、ブラシ、スポンジ、ゴム、ロール状の
部材といった新たな供給電極を設けることも可能である
が、電極を削りとる接触部材を導電性の材料で構成し、
供給電極を兼用することも可能である。
【0110】図16は、請求項9および請求項10、請
求項11に記載される発明の一実施形態である帯電装置
が適用される画像形成装置を示す概略構成図である。こ
の画像形成装置はカラーのタンデム型画像形成装置であ
り、4台の画像形成ユニット162a、162b、16
2c、162dを有している。これらの画像形成ユニッ
トの構成は、それぞれ図4と同じ構成になっているが、
各現像装置にはそれぞれイエロー、マゼンタ、シアン、
ブラックの4色のトナーが入っている。また、この画像
形成装置には被転写体として、ロール168に張架され
た中間転写ベルト167が備えられており、この中間転
写ベルト167は、イエローユニット162a、マゼン
タユニット162b、シアンユニット162c、ブラッ
クユニット162dにまたがって延在し、循環移動する
ように駆動されている。各ユニットから中間転写ベルト
167に転写する際は、転写用帯電装置165a〜16
5dに転写用の電圧が印加される。さらに、4台の画像
形成ユニット162a、162b、162c、162d
の感光体と中間転写ベルト167には、それぞれ本発明
による帯電装置161a、161b、161c、161
d、161eが設けられている。但し、本実施形態で
は、この帯電装置は、感光体および中間転写ベルト16
7上に残留した電荷を除去する除電装置として機能して
おり、感光体の帯電用としては、別に設置されている。
【0111】この画像形成装置では、図中矢印方向に移
動する中間転写ベルト167上に、各色のトナーが順次
重ね合わさるように一次転写され、その中間転写ベルト
167から、トナー像が転写用帯電装置165eによっ
て用紙163上に一括して二次転写されるようになって
いる。用紙163は、用紙パス164に沿って移動し、
定着装置166で定着され、プリント像が完成する。一
方、トナーを転写した後の画像形成ユニット162a、
162b、162c、162dは、図示しないクリーニ
ング装置によって残留トナーが除去される。そして、本
発明の除電用帯電装置161a、161b、161c、
161dによって、残留電荷が除電され、帯電装置への
侵入電位は0Vに均一化される。除電用帯電装置161
a、161b、161c、161dには、図示しない電
源から+950V〜+1000V程度の電圧が印加され
ている。また、二次転写後の中間転写体167は、画像
形成ユニット161aに侵入する前に本発明の除電用帯
電装置161eによって残留電荷が除電される。除電用
帯電装置161eには、図示しない交流電源から、ピー
ク間電圧が約2.2kV程度のAC電圧が印加されてい
る。
【0112】中間転写ベルト167は、ポリイミド、ポ
リカーボネート、PVdF等の高分子フィルムや、シリ
コーンゴム、フッ素ゴム等の合成ゴムにカーボンブラッ
ク等の導電性フィラーを添加して導電化したもの等が用
いられる。転写用帯電装置165a〜165eは、シリ
コーンゴム、EPDM、ウレタンゴム等の合成ゴムにカ
ーボンブラック等の導電性フィラーを添加して導電化し
たもの等であり、その直径は10〜30mm程度のもの
である。
【0113】転写用帯電装置165a〜165dには、
図示しない電源から+0.5〜1.5kV程度の電圧が
印加されており、画像形成ユニット162a、162
b、162c、162dからトナー像が静電気力で転写
されるようになっている。一方、用紙163へ転写する
転写用帯電装置165eには、図示しない電源から+
1.5〜3.0kV程度の電圧が印加されており、中間
転写ベルト167から多重のトナー像が、静電気力で用
紙163に一括して転写されるようになっている。その
他画像形成ユニット162a、162b、162c、1
62d内の構成や材料については第1の実施形態と同じ
である。
【0114】一般には、転写装置としてゴムローラなど
の弾性体を押しつけて用紙を搬送するとともにトナーを
転写する方法が採用されることが多い。実際、図16の
装置においても、転写用帯電装置165a〜165eを
ゴムローラにすることも可能である。しかし、このよう
に接触帯電装置を押しつけると、トナーの凝集力とゴム
ロールの押し当て力の兼ね合いから、ホロキャラという
画質欠陥が発生しやすいという欠点がある(ホロキャラ
とは、文字や線の中央部付近のトナーが未転写となる現
象である)。また、感光体や転写ベルトなど、トナーが
付着しているものと直接接触するため、表面がより一層
汚れやすくなるという問題もあるが、弾性体であるため
清掃が難しく、転写装置が汚れた結果、用紙の裏面汚れ
などが発生してしまうという欠点もあった。しかし、本
装置では、被帯電体との接触圧力が非常に弱く、また硬
度の高い突き当て部材に接触部材を突き当てて電極表面
をリフレッシュしているため、ほぼ完全に汚れを除去す
ることができ、上記のような画質欠陥、用紙汚れなどの
問題はほとんど発生しないという利点がある。
【0115】このような画像形成装置を用いて図2に示
される帯電試験装置による帯電性試験を行ったところ、
帯電装置への侵入電位がほぼ均一に0Vとなり、イレー
ズランプと同等の結果が得られることが確認された。ま
た、図16の画像形成装置を用いてプリントテストを行
ったところ、かぶりなどの画質欠陥のない良好なカラー
画像が得られることが確認され、ホロキャラ、ブラーな
どの転写不良も発生せず、用紙の裏面汚れもなかった。
以上の結果から、本発明の帯電装置が感光体および中間
転写ベルトの除電装置および転写装置として非常に有効
であることが明らかになった。
【0116】上記画像形成装置は、第1の実施形態と同
様に、図6に示される、クリーニング装置を用いないク
リーナレス画像形成装置に置き換えても同様に適用する
ことができる。クリーナレス装置は、このようなタンデ
ムタイプの画像形成装置に適用することにより、カラー
画像形成装置として使用することができる。
【0117】
【発明の効果】以上述べたように、本願発明に係る帯電
装置によれば、帯電電極の外周面に当接して表面を削り
とるもしくは研磨する接触部材を設置しているため、帯
電電極の異物付着を回避することができる。これによ
り、安定してリフレッシュされた放電面を常に電荷受容
体に接触させることが可能となり、長期に渡って均一な
帯電電位を得ることが可能である。さらに、清掃部では
硬い突き当て部材に突き当てて確実に清掃し、柔らかく
接触することが好ましい電荷受容体に対しては接触圧力
が極力小さくなるように構成することができるという機
能分離型の帯電装置であるため、電荷受容体に傷を付け
たりすることがなく、またクリーナレス装置やカラー画
像形成装置にも好適に用いることができる帯電装置、除
電用帯電装置、および転写用帯電装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1または請求項2に記載の発明の第1
の実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
【図2】 上記帯電装置の試験を行うための帯電試験装
置を示す概略構成図である。
【図3】 上記図1に示す帯電装置の試験結果を示す図
であって、帯電装置に印加する直流電圧と、帯電された
電荷受容体の表面電位との関係を示す図である。
【図4】 上記図1の帯電装置を用いて構成される画像
形成装置の概略構成図である。
【図5】 上記図4の画像形成装置を用いて出力された
画像の例を示す図である。
【図6】 上記図1の帯電装置を用いて構成されるクリ
ーナレスタイプの画像形成装置の概略構成図である。
【図7】 請求項1または請求項2に記載の発明の第2
の実施形態を示す概略構成図である。
【図8】 請求項1または請求項3に記載の発明の一実
施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
【図9】 請求項4に記載の発明の一実施形態である帯
電装置を示す概略構成図である。
【図10】 請求項5に記載の発明の一実施形態である
帯電装置を示す概略構成図である。
【図11】 請求項6に記載の発明の一実施形態である
帯電装置を示す概略構成図である。
【図12】 請求項1または請求項2に記載の発明の第
3の実施形態である帯電装置を示す概略構成図である。
【図13】 請求項7に記載の発明の一実施形態である
帯電装置を示す概略構成図である。
【図14】 請求項8に記載の発明の一実施形態である
帯電装置を示す概略構成図である。
【図15】 請求項9および請求項10に記載の発明の
一実施形態である帯電装置を表す概略構成図である。
【図16】 請求項9および請求項10、請求項11に
記載の発明の一実施形態である帯電装置を示す概略構成
図である。
【符号の説明】
1、41、51、61、71、81、91、101、1
11 電荷受容体 2、42、52、62、72、82、92、102、1
12 帯電電極 3、43、53、63、73、83、93、103、1
13 突き当部材 4、44、54、64、74、84、94、104、1
14 直流電源 5、45、55、65、75、85、95、105、1
15 接触部材 11 表面電位センサー 12 表面電位計 13 除電ランプ 14 直流電源 20、30 感光体 21、31 露光装置 22、32 現像装置 23、33 用紙カセット 24、34 用紙 25、35 転写装置 26、36 定着装置 27 クリーニング装置 28、38 除電ランプ 29、39 用紙パス 116 回収装置 121 除電用帯電装置 122 画像形成ユニット 123 用紙 124 用紙パス 125 転写装置 126 定着装置 127 中間転写体 128 中間転写体 161 除電用帯電装置 162 画像形成ユニット 163 用紙 164 用紙パス 165 転写用帯電装置 166 定着装置 167 中間転写ベルト 168 ロール

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周面が電荷受容体と接触又は近接対向す
    るように支持された円筒状の帯電電極と、 この帯電電極に電圧を印加する電源とを備え、 前記電荷受容体の移動にともなって、前記帯電電極をそ
    の周方向に回転させながら、該帯電電極と前記電荷受容
    体との接触部分近傍又は近接対向する部分における微小
    間隙で放電を発生させ、これにより該電荷受容体を帯電
    する帯電装置であって、 前記帯電電極の外周面に接触し、該帯電電極の外周面に
    付着した異物を削り取る切削部材と、 円筒状となった前記帯電電極の内側の前記切削部材と対
    向する位置に設けられ、前記帯電電極を介して前記切削
    部材に突き当てられる突き当て部材とを有することを特
    徴とする帯電装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の帯電装置において、 前記切削部材は先端部に鋭利な刃先を有し、この刃先が
    前記帯電電極の外周面に接触するように支持されている
    ことを特徴とする帯電装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の帯電装置において、 前記切削部材は表面が粗に仕上げられた研磨面を有し、
    この研磨面が前記帯電電極の外周面に接触するように支
    持されていることを特徴とする帯電装置。
  4. 【請求項4】請求項1、請求項2又は請求項3に記載の
    帯電装置において、 前記帯電電極内に挿入され、該帯電電極の内周面の一部
    と接触するように配置されたロール部材を有し、該ロー
    ル部材の外周面もしくは前記帯電電極の内周面又はこれ
    らの双方に、該ロール部材と帯電電極との接触部分で周
    方向又は該ロールの軸線方向への相対変位を拘束する係
    止手段を有することを特徴とする帯電装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の帯電装置において、 前記係止手段は、前記ロール部材の端部に周方向に沿っ
    てほぼ等間隔で設けられた複数の突起と、 前記帯電電極の縁付近に周方向に沿って設けられ、前記
    突起と係合する複数の開口とを含むことを特徴とする帯
    電装置。
  6. 【請求項6】 請求項3に記載の帯電装置において、 前記切削部材は、前記帯電電極の外周面と接触する無端
    状周面を有する回転体であり、前記帯電電極の回転によ
    って周方向に従動周回するか、もしくは独立して周回駆
    動されるものであることを特徴とする帯電装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の帯電装置において、 前記切削部材は、前記帯電電極と異なる周速度で周回駆
    動されるか、又は接触部で周面が前記帯電電極と逆方向
    に移動するように周回駆動されるものであることとを特
    徴とする帯電装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項7までのいずれか
    に記載の帯電装置において、 前記切削部材によって前記帯電電極から削り取られた粉
    状体を回収する回収手段を有することを特徴とする帯電
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項8までのいずれか
    に記載の帯電装置において、 前記帯電電極に印加される電圧が、前記電荷受容体の表
    面電位をほぼ0Vとするように設定されていることを特
    徴とする帯電装置。
  10. 【請求項10】 請求項1から請求項9までのいずれ
    かに記載の帯電装置において、 前記帯電電極は、電子写真法によって像担持体上に形成
    されたトナー像が転写される被転写体と接触又は近接対
    向するように配置され、 該帯電電極に印加される電圧は、前記被転写体の表面電
    位をほぼ0Vとするように設定されていることを特徴と
    する帯電装置。
  11. 【請求項11】 請求項1から請求項9までのいずれ
    かに記載の帯電装置において、 前記帯電電極は、静電電位の差による潜像が形成される
    像担持体又は中間転写体と対向する位置に配置され、該
    帯電電極と前記像担持体又は前記中間転写体との間を通
    過する被転写体に電荷を付与し、前記潜像にトナーが付
    着することによって形成されたトナー像又は前記中間転
    写体上のトナー像を、前記被転写体に転写するものであ
    ることを特徴とする帯電装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009042445A (ja) * 2007-08-08 2009-02-26 Ricoh Co Ltd 画像形成装置及びこれに用いられるプロセスカートリッジ
CN117984598A (zh) * 2024-04-03 2024-05-07 耀能新能源(赣州)有限公司 一种防过压的锂电池极片辊压装置和方法

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