JPH11217466A - 古紙を利用した強化ゴムの製造方法およびそれを用いたゴム組成物 - Google Patents

古紙を利用した強化ゴムの製造方法およびそれを用いたゴム組成物

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JPH11217466A
JPH11217466A JP2117098A JP2117098A JPH11217466A JP H11217466 A JPH11217466 A JP H11217466A JP 2117098 A JP2117098 A JP 2117098A JP 2117098 A JP2117098 A JP 2117098A JP H11217466 A JPH11217466 A JP H11217466A
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JP
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rubber
latex
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reinforced
paper
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JP2117098A
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修二 ▲高▼橋
Shuji Takahashi
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴムの強化に役立つ、古紙の有効利用に関す
る。 【解決手段】 古紙を予めアルカリ水溶液中で離解状態
として、これをゴムラテックスに混合後ゴムを凝固させ
ることにより、古紙で強化したゴムを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、古紙をゴム強化に
利用した強化ゴムの製造方法、およびそのゴム組成物、
ゴム製品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ゴム、エラストマーの強化方
法として有機繊維や無機繊維を短く切断したものをゴム
に混合する方法が知られている。短繊維を配合すること
でゴムの弾性率や引き裂き性などが向上し、タイヤやベ
ルト、ホース等のゴム製品におけるゴム使用量が削減で
き、省資源や軽量化に効果的である。しかしながら、こ
れらに使用される繊維材料は、短繊維強化用として新た
に紡糸した繊維を繊維メーカーで切断されたものが通常
用いられており、経済的に高いものとなってしまう。ま
た、強化材として紙等を利用したものも、例えば、特開
昭62−104851号公報、米国特許第3,697,
364号、同第3,709,845号明細書および特開
昭52−84243号公報等に開示され、知られてい
る。しかしながら、これらの紙原料は古紙を原料とする
ものではなく、また、ゴム中へのセルロース繊維の分散
も未だ満足できるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、強化ゴム
に用いる補強材を、環境保護・省資源の立場から廃棄物
である古紙を有効に活用し、これをゴムの強化に有効に
活用することを目的としている。また、本発明では、従
来のように予め繊維を切断したりフィブリル化したもの
をゴムの補強材として用いたり、あるいは単にゴムに対
して古紙を裁断混合して利用するものに比して、破壊特
性の向上のみならずその特性の変動も小さいような古紙
で強化したゴム組成物を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、古紙を
予めアルカリ水溶液中で離解状態とし、それをゴムラテ
ックスに混合後、ゴムを凝固させた古紙で強化したゴム
の製造方法が提供される。
【0005】また、本発明によれば、前記強化ゴムの古
紙の固形分割合が、ゴムラテックスの固形分100重量
部に対して1〜40重量部であること、そして前記古紙
が新聞紙であることを特徴とする古紙で強化したゴムの
製造方法が提供される。
【0006】更に、本発明によれば、前記方法で製造さ
れる古紙で強化したゴムを配合してなるゴム組成物、お
よびそれを用いたゴム製品が提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、一般に古紙を再生する
過程で古紙をアルカリ水溶液下でパルパーにより離解す
ること、一方では、多くの原料ゴムは乳化重合から製造
され、得られたpHがアルカリのゴムラテックスを凝固さ
せて製造されることの事実に着目してなされたものであ
る。そこで、本発明では、先ず古紙をアルカリ水溶液中
(酸性水溶液では、これをゴムラテックス中に添加する
と直ちに凝固して分散しない、また、水では、紙の離解
が悪く同様に分散性が低下する。)で分散させ、次いで
この分散水溶液をゴムラテックス中に混合し、酸或いは
金属塩などでゴムを凝固した後、水洗し強化ゴムを得る
ことを特徴としている。また、このようにして得られた
古紙強化ゴムに他の慣用の添加剤を混入してゴム組成物
とし、それをタイヤ、ベルト、ホースなどのゴム製品へ
適用することを特徴とする。
【0008】本発明における補強材としての古紙には、
古新聞紙、古コピー紙、古ダンボール紙などが使用され
るが、このうち古新聞紙が最もバラツキが小さく好まし
い。また、これをアルカリ水溶液下でパルパーにより離
解する際のpH条件は、pH9〜10で実施することが好ま
しい。この古紙のゴムに対する配合割合は、ゴム100
重量部に対して0.5〜60重量部とするのが好まし
く、より好ましくは、1〜40である。
【0009】また、本発明の強化ゴムの製造に用いられ
るゴムラテックスとしては、本発明のゴム組成物が使用
される最終用途との関係で任意のものが選定使用される
が、典型的には、天然ゴムラテックス、SBRラテック
ス、NBRラテックス、CRラテックス、水素化NBR
ラテックスおよびクロロスルホン化ポリエチレンラテッ
クス等が挙げられる。そして、前記ゴムラテックス中に
前記古紙の分散液を混合した後、適宜の酸或いは金属塩
を所定量添加してゴムを凝固させるが、この場合に使用
する酸或いは金属塩には、塩酸、酢酸、硫酸、ギ酸、塩
化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩
化マグネシウム、硫酸アルミニウム、硝酸カルシウム、
酢酸カルシウム、硫酸アルミニウムなどが用いられる。
その使用量は、前記ゴムラテックスの安定性によって異
なり適宜調整すればよい。
【0010】また、得られた古紙強化ゴムには、慣用の
添加剤を混入してゴム組成物となし、更に最終用途での
タイヤ、ベルト、ホースなどの所定製品のゴム材に使用
されるが、前記添加剤としては、かかるゴム材に他の未
強化ゴムポリマーや一般に用いられる充填剤(炭酸カル
シウム、酸化チタン、アルミナ等)、カーボンブラッ
ク、ホワイトカーボン等の補強剤、軟化剤、可塑剤、加
工助剤、顔料、染料、老化防止剤等が適宜配合、使用さ
れる。
【0011】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に説明する
が、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでな
いことは言うまでもない。
【0012】実施例1、比較例1〜2、従来例1 実施例1 古新聞紙を約5mm角に裁断したもの5gを5%のNaO
H水溶液50gに加え、一昼夜放置した後にスターラー
で撹拌した。これに60%固形分の天然ゴムラテックス
167g(固形分として100g)を混合した。これに
5%の塩酸を100g添加しゴムを凝固させた。凝固さ
せたゴムを水洗し、風乾した。このゴムに亜鉛華5.0
g、ステアリン酸2.0g、イオウ2.8gおよびDM
(ジベンゾチアジルジスルフィド)1.0gを加えて加
硫し、ゴムの破壊特性を調べた。
【0013】比較例1 天然ゴムラテックス167gに5%塩酸100gを加え
てゴムを凝固させた。このゴムを水洗し、風乾した。こ
のゴムに実施例1と同じ配合剤を加えて加硫し、ゴムの
破壊特性を調べた。
【0014】比較例2 天然ゴムラテックス167gに5%塩酸100gを加え
てゴムを凝固し、このゴムを水洗し、風乾した。このゴ
ムに古新聞紙を約5mm角に裁断したものと実施例1と同
じ配合剤とを加えて混合し、加硫後の破壊特性を調べ
た。
【0015】従来例1 米国特許第3,697,364号明細書に記載の方法に
従って、古新聞紙を約5mm角に裁断したもの5gを50
gの水に加え、一昼夜放置した後にスターラーで撹拌し
た。これに60%固形分の天然ゴムラテックス3.3g
(固形分として2g;新聞紙100重量部に対してゴム
40重量部の割合)を混合した。これを60℃に加熱
し、高速撹拌した。天然ゴムの凝集は完全ではなかった
ので、金網にて濾過し、これを水洗し、風乾し、重量を
測定した。重量は、6.3g(ゴム分1.3g)であっ
た。これを、実施例1と同様に、天然ゴムラテックスを
凝固させたもの98.7gと実施例1と同じ配合剤を合
わせて混合し、加硫した後に破壊特性を測定した。以上
のゴムの引張り特性(引張強さ、破断伸び)および破壊
特性(100%モジュラスについて以下の表1にまとめ
て示す。
【0016】なお、表中の引張強さ(MPa )、破断伸び
(%)および100%モジュラス(MPa )は、次の試験
法により測定したものであり、また、それらの変動係数
(CV)は、n=5回測定し、(σ/5回の平均値)×
100%の式により求めた。引張強さ(MPa )、破断伸び(%)、100%モジュラ
ス(MPa )の試験法 JIS K 6301−1995(加硫ゴム物理試験方
法3項)に準拠。但し、試験結果は、上述のようにn=
5回の測定値の算術平均値とσを求めた。
【0017】
【表1】
【0018】表1の結果により、本発明の実施例1によ
る古紙補強ゴムは、明らかにゴムのモジュラスが大幅に
向上する。また、比較例1および2や古紙を裁断し水中
に分散したものを混合した従来例1のものに比して、破
壊特性の向上だけでなくそれら特性の変動も小さくなる
ことがわかる。
【0019】実施例2〜4 これらの実施例では、本発明におけるゴム(天然ゴム)
固形分に対する古紙(古新聞紙)の割合を変化させた古
紙強化ゴムを用いた場合の結果を以下の表2に示す。な
お、こゝでは、ゴム組成物中の古紙の割合が、ゴム10
0重量部に対して古紙5重量部となるように調整した。
即ち、所定の古紙/ゴム割合となるように実施例1に従
って製造した古紙強化ゴムを、最終的にゴム/古紙割合
が100/5となるようにゴムで希釈し、実施例1と同
じ配合剤を加えて混合した。実施例1と同様に引張特性
を測定し、そのバラツキ(変動係数)で評価した。
【0020】
【表2】
【0021】表2の結果により、古紙/ゴム比率が40
重量部を超えると、引張り特性のバラツキが大きくなる
ことがわかる。
【0022】実施例5〜6 これらの実施例では、古紙として古新聞紙、古コピー用
紙および古ダンボール紙を用いた場合について示した。
古コピー用紙および古ダンボール紙による古紙強化ゴム
は、実施例1と同様に作製した。結果は、引張特性のバ
ラツキ(変動係数)で評価し、以下の表3に示す。
【0023】
【表3】
【0024】表3の結果より、古紙として古新聞紙の場
合が最もバラツキが小さい。これは、アルカリ水溶液中
での離解性の差がゴム中での分散性に影響を与えた結果
と考えられる。
【0025】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明では、強化
ゴムに用いる補強材として、環境保護・省資源の立場か
ら廃棄物である古紙の有効活用を図り、これを用いて破
壊特性に優れた強化ゴムを提供することができる。した
がって、この強化ゴムは、タイヤやベルト、ホース等の
ゴム製品に有効に活用しうるものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 古紙を予めアルカリ水溶液中で離解状態
    とし、それをゴムラテックスに混合後、ゴムを凝固させ
    ることを特徴とする古紙で強化したゴムの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記強化ゴムの古紙の固形分割合が、ゴ
    ムラテックスの固形分100重量部に対して1〜40重
    量部であることを特徴とする請求項1に記載の古紙で強
    化したゴムの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記古紙が新聞紙であることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の古紙で強化したゴムの製造
    方法。
  4. 【請求項4】 少なくとも前記請求項1〜3に記載のい
    ずれかの製造方法で製造された古紙で強化したゴムを配
    合してなるゴム組成物。
  5. 【請求項5】 前記請求項4のゴム組成物を用いたゴム
    製品。
JP2117098A 1998-02-02 1998-02-02 古紙を利用した強化ゴムの製造方法およびそれを用いたゴム組成物 Pending JPH11217466A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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