JPH11216582A - 磁気目盛付きロッドの製造方法およびピストンロッド - Google Patents
磁気目盛付きロッドの製造方法およびピストンロッドInfo
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- JPH11216582A JPH11216582A JP10034165A JP3416598A JPH11216582A JP H11216582 A JPH11216582 A JP H11216582A JP 10034165 A JP10034165 A JP 10034165A JP 3416598 A JP3416598 A JP 3416598A JP H11216582 A JPH11216582 A JP H11216582A
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Abstract
材の選択に特別の制限を受けることなくロッドに磁気目
盛を付与することができるようにする。 【解決手段】 強磁性の鉄系材料からなるロッド基体1
0の表面にクロムめっき層11とニッケルめっき層12
とを積層形成した複合体13を用意し、この複合体13
の表面にレーザトーチ14から出射させたレーザビーム
を局部的に照射し、ガスノズル15から噴出させた不活
性ガス雰囲気中で前記照射部を溶融して、その溶込み部
16を鉄、クロム、ニッケルを主成分とするオーステナ
イト系ステンレス鋼の合金層に変質させて非磁性化し、
レーザビームの照射を複合体13の軸方向に所定のピッ
チで繰り返して、非磁性部と磁性部とを交互に配列した
磁気目盛を形成する。
Description
するための磁気目盛を付したロッドを製造する方法およ
びこの方法によって製造した磁気目盛付きピストンロッ
ドに関するものである。
るため、図2に示すように、ピストンロッド1の表面に
磁性部2と非磁性部3とをストローク方向に交互に形成
してこれを磁気目盛4とし、シリンダ本体に内蔵したセ
ンサ部からロッド移動量に対応した磁気パルス信号を取
出して、ストローク制御に用いることが従来より行われ
ている。
盛4を形成するには、例えば、特開平4−147785
号公報に記載されるように、強磁性の鉄系材料からなる
母材(ロッド基体)表面に所定の間隔で溝を形成した
後、レーザビーム等の高密度熱エネルギー媒体を用いて
前記溝内にオーステナイト系ステンレス材料を溶融肉盛
りし、この溝部分を非磁性部とする方法、あるいは「塑
性と加工(日本塑性加工学会誌),第30巻第347号
(1989−12),第1593〜1599頁」に記載されるように、
オーステナイト系ステンレス材料よりなるロッド基体を
冷間引抜きして、その表層部を加工誘起変態させてマル
テンサイト化し、その後、ロッド基体表面にレーザビー
ムを所定の間隔で局部的に照射し、その照射部分を溶融
して非磁性のオーステナイト組織に変質させる方法があ
った。
た2つの方法のうち、前者の方法によれば、ロッド基体
表面に溝を加工するため、この溝がノッチ効果となって
ピストンロッド自体の強度を低下させる原因となり、一
方、後者の方法によれば、ロッド基体として高価なオー
ステナイト系ステンレス材料を用いなければならないた
め、コスト負担の増大が避けられず、何れも問題を有す
るところとなっていた。
めになされたもので、その課題とするところは、強度低
下をきたすことなく、しかもロッド素材の選択に特別の
制限を受けることなくロッドに磁気目盛を付与すること
ができるようにすることにある。
め、本発明の製造方法は、強磁性の鉄系材料からなるロ
ッド基体の表面にニッケル皮膜とクロム皮膜とを積層形
成した複合体を用意し、前記複合体の表面に高密度エネ
ルギー媒体を所定の間隔で局部的に照射し、その照射部
分を溶融合金化して、非磁性のオーステナイト組織に変
質させるようにしたことを特徴とする。
とクロム皮膜とを積層形成した複合体に高密度エネルギ
ー媒体を照射することで、幅が狭くかつ深さの深い溶込
み部が得られ、したがって、ニッケル皮膜とクロム皮膜
とを適宜厚さに設定しかつ溶込み深さと幅とを適当に設
定することで、その溶込み部が、鉄、ニッケル、クロム
を適当な比率で含有するオーステナイト組織に変質して
非磁性化し、強磁性の鉄系材料の影響を強く受ける隣接
の非照射部分との間に大きな磁気特性の差が生じ、磁気
目盛が形成される。
皮膜とクロム皮膜とは、ニッケル皮膜が上層となるよう
にロッド基体の表面に積層形成するのが望ましい。この
場合は、高密度エネルギー媒体を照射して非磁性化した
部分の相互間に強磁性のニッケルが表層として配置され
るので、照射部分と非照射部分との間により大きな磁気
特性の差が生じ、磁気目盛としての精度が向上する。
ッケル皮膜とクロム皮膜とを形成する方法は任意である
が、簡単かつ安価に形成できるところから、めっき法を
採用するのが望ましい。
盛付きピストンロッドは、機械的なノッチがないので強
度的に優れたものとなることはもちろん、汎用の鋼材を
ロッド素材として使用できるのでコスト的にも割安とな
り、車両に装備される車高調整用のシリンダ装置や各種
機械設備に装備される駆動用シリンダ装置に向けて好適
となる。
図面に基いて説明する。
の製造方法の一つの実施の形態を示したものである。本
発明の実施に際しては、予め強磁性の鉄系材料(例え
ば、低炭素乃至中炭素鋼)からなるロッド基体10の表
面に、クロムめっき層(クロム皮膜)11とニッケルめ
っき層(ニッケル皮膜)12とを積層形成した複合体1
3を用意する。この複合体13の製造に際しては、クロ
ムめっき層11が下層、ニッケルめっき層12が上層と
なるように両者を積層すると共に、クロムめっき層11
がニッケルめっき層12より厚肉となるように両者を積
層する。
ーチ14から出射させた高密度熱エネルギー媒体として
のレーザビームを照射し、レーザトーチ14に併設した
ガスノズル15から噴出させた不活性ガスの雰囲気中
で、複合体13の表層部を局部的に溶融する。この時、
表面のニッケルめっき層12からロッド基体10まで到
達する十分な溶込み深さdが得られるように、かつ所定
の溶込み幅(最大幅)wが得られるようにレーザトーチ
14の位置とレーザ出力とを設定し、複合体13を軸線
回りに回転させながらレーザビームの照射を複合体13
の周方向へ所定の距離だけ行う。これにより、複合体1
3の表層部には、前出図2に示した非磁性部2のごと
き、周方向に延びる帯状の溶込み部(ビード)16が形
成される。
2と、クロムめっき層11とロッド基体10の素材とし
ての鉄系材料の溶融混合により、鉄、クロムおよびニッ
ケルを主成分とする合金層に変質し、したがって、いま
ニッケルめっき層12およびクロムめっき層11をそれ
ぞれ適当な厚さに設定し、かつ上記した溶込み深さdと
溶込み幅wとを適当な大きさに設定することで、該溶込
み部16は、例えば、JIS304に規定されるステン
レス鋼(18%Cr −8%Ni )に類似の合金層となる。
しかして、この合金層(溶込み部16)は、溶融後の急
冷によりオーステナイト組織となって非磁性化し、一
方、レーザビームの照射を受けない部分は、強磁性を有
する表面のニッケルめっき層12と下地のロッド基体1
0の影響を受けて強磁性を有しており、したがって、該
溶込み部16とこれに隣接する部分との間には大きな磁
気特性の差が生じるようになる。なお、溶込み部16
は、一例として溶込み深さd: 0.3〜0.5mm ,溶込み幅
w: 0.5〜1.0mm ,長さ:10〜20mm程度の大きさに形成
される。
の照射を複合体13の軸方向に所定のピッチで繰り返す
ようにする。これにより、非磁性化された溶込み部16
が複合体13の軸方向に所定のピッチで形成され、前出
図2に示したごとき、磁性部2と非磁性部3とが交互に
配列した磁気目盛4を有するピストンロッド1が得られ
るようになる。なお、このピストンロッド1は研磨加工
を行って所定の表面粗さに仕上げた後、実用に供され
る。
を有しているが、その厚さは数十μm程度であるため、
これをニッケルめっき層12の上層に配置(図1に示し
たものと上下逆に配置)しても、上記複合体13の表面
は、強磁性を有する下地のニッケルめっき層12とロッ
ド基体10の影響を強く受けて、全体として磁性部とし
て提供されることになる。したがって、本発明の他の実
施の形態としては、上記ロッド基体10の表面に、ニッ
ケルめっき層12とクロムめっき層11とを、クロムめ
っき層11が上層となるように積層形成した複合体13
を用意し、この複合体13に上記実施の形態と同様の手
順でレーザビームを照射して溶込み部16を形成するよ
うにしても良く、この場合も、上記実施の形態と同様に
磁性部2と非磁性部3とが交互に配列した磁気目盛4を
有するピストンロッド1(図2)が得られるようにな
る。
エネルギー媒体としてレーザビームを用いるようにした
が、その種類は任意であり、レーザビーム以外にも、例
えば電子ビーム、プラズマアーク等を用いることができ
る。また、上記実施の形態において、めっき法を利用し
てロッド基体上にニッケル皮膜とクロム皮膜とを積層形
成するようにしたが、これら皮膜の形成方法も任意であ
り、めっき法に代えて、例えば蒸着法、スパッタリング
法等を用いることができる。また、上記実施の形態にお
いて、非磁性化された溶込み部16を周方向に部分的に
形成したが、この溶込み部16は、全周にわたって形成
してもよいことはもちろんである。さらに、本発明の方
法は、上記したピストンロッド1の製造に限るものでは
ないことはもちろんで、例えば、シリンダ装置以外の機
械装置に装備される各種作動ロッドや直線移動量を検知
する検知装置のセンサロッドの製造にも適用することが
できる。
付きロッドの製造方法によれば、ロッド基体表面にニッ
ケル皮膜とクロム皮膜とを積層形成した複合体に高密度
エネルギー媒体を照射して、その照射部分を鉄、ニッケ
ル、クロムを適当な比率で含有するオーステナイト組織
に変質させて非磁性化するので、強度低下の原因となる
溝を形成する必要がなくなるばかりか、ロッド素材とし
て汎用の鉄系材料を選択することが可能になり、強度的
に優れかつコスト的に割安な磁気目盛付きロッドを得る
ことができる。また、本発明の方法によって製造した磁
気目盛付きピストンロッドは、強度的に優れかつコスト
的に割安となっているので、ストローク制御を行う各種
シリンダ装置に向けて好適となる。
一つの実施の形態を示す断面図である。
す斜視図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 強磁性の鉄系材料からなるロッド基体の
表面にニッケル皮膜とクロム皮膜とを積層形成した複合
体を用意し、前記複合体の表面に高密度熱エネルギー媒
体を所定の間隔で局部的に照射し、その照射部分を溶融
合金化して非磁性のオーステナイト組織に変質させるこ
とを特徴とする磁気目盛付きロッドの製造方法。 - 【請求項2】 ニッケル皮膜とクロム皮膜とを、ニッケ
ル皮膜が上層となるようにロッド基体の表面に積層形成
することを特徴とする請求項1に記載の磁気目盛付きロ
ッドの製造方法。 - 【請求項3】 ニッケル皮膜とクロム皮膜とをめっき法
により形成することを特徴とする請求項1または2に記
載の目盛付きロッドの製造方法。 - 【請求項4】 請求項1乃至3の何れか1項に記載の方
法によって製造した磁気目盛付きピストンロッドであっ
て、表層部に非磁性部と磁性部とを交互に配列したも
の。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10034165A JPH11216582A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 磁気目盛付きロッドの製造方法およびピストンロッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10034165A JPH11216582A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 磁気目盛付きロッドの製造方法およびピストンロッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11216582A true JPH11216582A (ja) | 1999-08-10 |
Family
ID=12406608
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10034165A Pending JPH11216582A (ja) | 1998-01-30 | 1998-01-30 | 磁気目盛付きロッドの製造方法およびピストンロッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11216582A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013522630A (ja) * | 2010-03-16 | 2013-06-13 | イートン コーポレーション | 耐食位置測定システム及びこのシステムを形成する方法 |
JP2014515997A (ja) * | 2011-05-25 | 2014-07-07 | アールエルエス メリルナ テニカ ディー.オー.オー. | 基板内にパターンを書き込むための装置および方法 |
-
1998
- 1998-01-30 JP JP10034165A patent/JPH11216582A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013522630A (ja) * | 2010-03-16 | 2013-06-13 | イートン コーポレーション | 耐食位置測定システム及びこのシステムを形成する方法 |
JP2014515997A (ja) * | 2011-05-25 | 2014-07-07 | アールエルエス メリルナ テニカ ディー.オー.オー. | 基板内にパターンを書き込むための装置および方法 |
US10578418B2 (en) | 2011-05-25 | 2020-03-03 | Rls Merilna Tehnika D.O.O. | Apparatus and method for writing a pattern in a substrate |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20041125 |
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A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20041129 |
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A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20041201 |
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A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070720 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070725 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071121 |