JPH1121459A - ガスバリア材およびガスバリア性フィルム - Google Patents

ガスバリア材およびガスバリア性フィルム

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JPH1121459A
JPH1121459A JP12333998A JP12333998A JPH1121459A JP H1121459 A JPH1121459 A JP H1121459A JP 12333998 A JP12333998 A JP 12333998A JP 12333998 A JP12333998 A JP 12333998A JP H1121459 A JPH1121459 A JP H1121459A
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JP
Japan
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gas barrier
barrier material
material according
group
ethylene
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JP12333998A
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English (en)
Inventor
Akira Hanada
暁 花田
Tatsuma Kuroda
竜磨 黒田
Taiichi Sakatani
泰一 阪谷
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリア性と延伸性のバランスに優れ
るガスバリア材を提供すること。 【解決手段】 樹脂が主成分であって、下記式(1)、
(2)を満足することを特徴とするガスバリア材。 ln(OTR1/22.5)+4.78ln(Fy/Fy')<-0.13 (1) T2−T1≦20 (2) (ただし、式(1)において、Fy'は標準エチレン−酢
酸ビニル共重合体ケン化物の60℃における降伏応力を
表わし、FyおよびOTR1はそれぞれ前記ガスバリア材
の60℃における降伏応力、および前記ガスバリア材か
らなる膜の厚み1μmあたりの23℃、0%RH(相対
湿度)の酸素透過度(cc/m2・day・atm)を
表わす。また式(2)において、T1は前記ガスバリア材
からなる厚さ30μmのフィルムの、23℃、48%R
Hの条件下で48hr放置後のヘイズ値であり、T2
前記ガスバリア材からなる厚さ30μmのフィルムの、
40℃、90%RHの条件下で24hr放置後のヘイズ
値を表わす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガスバリア材および
ガスバリア性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】包装分野においては多様な形態の物品を包
装する必要があり、その包装方法としては熱収縮性のフ
ィルムを用いた収縮包装が工業的に広く採用されてい
る。収縮包装の一般的な操作手順は、例えば、延伸フィ
ルムを袋状物として該袋状物に内容物を入れ、必要に応
じて減圧下で袋内の空気を除去し、袋の開口部を密閉し
た後、加熱処理することにより延伸フィルムを熱収縮さ
せるというものであり、熱収縮させることで美麗な包装
体が得られるという利点がある。
【0004】したがって、このような収縮包装に使用さ
れるフィルムとしては、加熱によって充分に熱収縮する
特性を有するフィルムであることが望まれており、さら
に収縮包装工程サイクルの短縮化という観点から、フィ
ルムの熱収縮温度の低温化が望まれていた。延伸フィル
ムを熱収縮させるためには延伸温度よりも高い温度で加
熱処理をする必要があり、熱収縮温度は延伸温度に依存
すると考えられている。
【0005】一方、エチレン−ビニルエステル共重合体
ケン化物は、他の樹脂に比べて透明性およびガスバリア
性、特に酸素ガスバリア性に優れた樹脂であり、そのフ
ィルム等は包装用途に広く用いられている。しかしなが
ら、エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物、特に
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物は剛性が高く、
延伸性、特に低温での延伸性に劣るため、エチレン−ビ
ニルエステル共重合体ケン化物からなるフィルムの延伸
温度は高く、低温で延伸しようとすると延伸割れや延伸
むら、および白化等が起こり、フィルムの外観が損なわ
れるという問題が生じ、包装用途、特に熱収縮包装用途
へのさらなる展開という観点から、エチレン−ビニルエ
ステル共重合体ケン化物の延伸性のさらなる改良が望ま
れていた。
【0006】そこで、エチレン−ビニルエステル共重合
体ケン化物の延伸性の改良が試みられており、例えば特
開昭53−88067号公報や特開昭59−20345
号公報には、各種可塑剤を添加する方法が記載されてい
る。しかしながら、これら従来の方法ではガスバリア性
と延伸性のバランスは未だ充分なものとは言い難かっ
た。
【0007】さらに従来からナイロン、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリビニルアルコール、液晶高分子等もガスバリ
ア性材料として用いられているが、ナイロンおよびポリ
塩化ビニリデンはエチレン−ビニルエステル共重合体ケ
ン化物よりガスバリア性は劣り、一方、ポリビニルアル
コールおよび液晶高分子の延伸性はエチレン−ビニルエ
ステル共重合体ケン化物よりもさらに劣ることが知られ
ており、これらガスバリア性材料においても、ガスバリ
ア性と延伸性のバランスは満足のいくものではなかっ
た。
【発明が解決しようとする課題】
【0008】そこで本発明者らは、エチレン−ビニルエ
ステル共重合体ケン化物と同等のガスバリア性を有しか
つエチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物よりも延
伸性に優れるガスバリア材の開発を目的に、鋭意検討し
た結果、酸素透過度とある特定の物性に着目すること
で、ガスバリア性と延伸性のバランスに優れるガスバリ
ア材が得られることを見出し、本発明に至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は樹脂
が主成分であって、下記式(1)、(2)を満足するこ
とを特徴とするガスバリア材を提供することである。 ln(OTR1/22.5)+4.78ln(Fy/Fy')<-0.13 (1) T2−T1≦20 (2) (ただし、式(1)において、Fy'は標準エチレン−酢
酸ビニル共重合体ケン化物の60℃における降伏応力を
表わし、FyおよびOTR1はそれぞれ前記ガスバリア材
の60℃における降伏応力、および前記ガスバリア材か
らなる膜の厚み1μmあたりの23℃、0%RH(相対
湿度)の酸素透過度(cc/m2・day・atm)を
表わす。また式(2)において、T1は前記ガスバリア材
からなる厚さ30μmのフィルムの、23℃、48%R
Hの条件下で48hr放置後のヘイズ値であり、T2
前記ガスバリア材からなる厚さ30μmのフィルムの、
40℃、90%RHの条件下で24hr放置後のヘイズ
値を表わす。)以下本発明を詳細に説明する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のガスバリア材は樹脂を主
成分とするものであり、上記式(1)および(2)を満
足するものである。上記式(1)を満足しなければ、酸
素透過度が高すぎるか、即ちガスバリア性が充分でない
か、低温での延伸倍率が低くく、また延伸倍率を高くし
ようとすると延伸温度を高くする必要があり、ガスバリ
ア性と延伸性のバランスに優れたガスバリア材とは言い
難い。ガスバリア性と延伸性のバランスの観点から、式
(1)において、ln(OTR1/22.5)+4.78ln(Fy/Fy')<
-0.4が好ましく、ln(OTR1/22.5)+4.78ln(Fy/Fy')<
-0.7がより好ましい。
【0011】また例え式(1)を満足したとしても、式
(2)を満足しなければ延伸性の改良効果が小さいか、
ガスバリア性が低下する結果となる。
【0012】ここで式(1)において、OTR1とは本発明
のガスバリア材からなる膜の厚み1μmあたりの23
℃、0%RH(相対湿度)における酸素透過度(cc/
2・day・atm)である。ガスバリア性の観点か
ら、OTR1は22.5未満が好ましく、18以下がより好
ましく、11以下がさらに好ましい。
【0013】また、Fyは本発明のガスバリア材の60
℃で測定した降伏応力であり、Fy'は標準エチレン−酢
酸ビニル共重合体ケン化物の60℃で測定した降伏応力
である。ここでいう標準エチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物とは、共重合体中のエチレン単位の含有量が4
4mol%、ケン化度98%以上、190℃で6分間予
熱後、190℃、荷重2.16kgの条件で測定したM
I(メルトインデックス)が5.5g/10min、厚
み1μmあたりの23℃、相対湿度0%における酸素透
過度が22.5cc/m2・day・atm、融点が15
7℃であるエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物であ
る。共重合体中のエチレン単位の含有量およびケン化度
はいずれも赤外線吸収法で求めることができる。
【0014】上述したような標準エチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物は上記エチレン単位の含有量、ケン化
度およびMIを満足するようにエチレンと酢酸ビニルと
の共重合とそれに続くケン化を行なって得ることができ
る。一般に市販されているものとしては例えば、株式会
社クラレ製、EP−E105B等が例示できる。これと
実質的に同等のものが標準エチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物として用いられる得る。
【0015】また上記降伏応力FyおよびFy'は、同
一作成条件、方法にて本発明のガスバリア材および標準
エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物それぞれから測
定用試験片を作成し、かかる各試験片を用いて、同一測
定条件、方法にて測定した時のそれぞれの値である。試
験片としては、例えば、200℃、3分間の熱プレス
後、30℃5分間の冷却プレスにより、厚み300μm
のプレスシートを作成し、該プレスシートからJIS
K-6301に規定の1号ダンベル形状としたもの等が
例示できる。
【0016】また測定方法としては、恒温室等のような
測定雰囲気の温度制御が可能な自動引張試験機(例え
ば、島津製作所製、AGS500D)にて、60℃で引
張速度1000mm/minの条件下で測定する方法等
が例示できる。
【0017】上記式(2)において、T1は本発明のガス
バリア材を厚み30μmにフィルムに成形後、23℃、4
8%RHの条件下で48hr放置後のヘイズ値であり、
2は本発明のガスバリア材を厚さ30μmのフィルムに
成形後、40℃、90%RHの条件下で24hr放置後
のヘイズ値である。フィルムに成形する方法は、例え
ば、200℃、3分間の熱プレス後、30℃5分間の冷
却プレスによりプレスフィルムとする方法等が例示でき
る。
【0018】ヘイズの測定はJIS K 7105の方
法により測定される値であり、 (散乱光透過率/全光線透過率)×100 で求められる、%表示で示される値であり、ヘイズ値は
小さいほど透明性がよいことを示す。得られるフィルム
の透明性の観点から、T1は4.9%以下が好ましく、4
%以下がより好ましい。
【0019】本発明のガスバリア材は上記式(1)、
(2)を満足する、樹脂を主成分とするものであり、樹
脂からなるものであってもよいし、樹脂を主成分として
含有する樹脂組成物からなるものであってもよい。な
お、通常、樹脂に配合される添加剤等は配合されていて
もよい。
【0020】例えば、ポリビニルアルコールおよびその
類縁体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のエチ
レン−ビニルエステル共重合体ケン化物、ポリエチレン
(低密度、高密度)、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合
体、エチレン−オクテン共重合体、ポリプロピレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタク
リレート共重合体、アイオノマー樹脂等のポリオレフィ
ン系樹脂、
【0021】ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリヒ
ドロキシ安息香酸等のポリエステル系樹脂、ナイロン−
6、ナイロン−6,6、メタキシレンジアミン−アジピ
ン酸縮重合体、ポリメチルメタクリルイミド、ジエチレ
ントリアミン−アジピン酸共重合体及びその塩等のアミ
ド系樹脂、アラミド系樹脂、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリ
−2−ヒドロキシエチルアクリレート、ポリ−2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、エ
チレン−アクリル酸共重合体およびその塩などのアクリ
ル系樹脂、
【0022】ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリ
ル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン
共重合体、ポリアクリロニトリル等のスチレンないしア
クリロニトリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニ
リデン、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエ
チレン等のハロゲン含有樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリエ
ーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシド樹
脂、ポリメチレンオキシド樹脂等のエンジニアリングプ
ラスチック樹脂などの樹脂を上述した式(1)(2)を
満足するようにグラフト変成、架橋あるいは高分子鎖末
端を修飾等した、いわゆる変成樹脂からなるガスバリア
材、あるいは上記樹脂あるいは上記樹脂を変成した変成
樹脂の2種以上、または上記樹脂と他の樹脂あるいは上
記樹脂と樹脂以外の第3成分とを上述した式(1)
(2)を満足するように混合等した樹脂組成物からなる
ガスバリア材等が例示できる。
【0023】上記例示のガスバリア材のなかでも、樹脂
と第3成分とをブレンドした樹脂組成物からなるガスバ
リア材はガスバリア性、延伸性等の物性をコントロール
しやすいという観点からより好ましい。
【0024】また上記例示のガスバリア材において、ガ
スバリア性の観点から、エチレン−ビニルエステル共重
合体ケン化物をグラフト変成、架橋あるいは末端修飾等
した、変成エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化物
からなるガスバリア材、またはエチレン−ビニルエステ
ル共重合体ケン化物と第3成分とを含有する樹脂組成物
からなるガスバリア材が好ましく、ビニルエステルとし
ては酢酸ビニルがより好ましい。
【0025】エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化
物としては、耐湿性の観点から、共重合体中のエチレン
単位の含有量は20〜60モル%が好ましく、20〜4
5モル%がより好ましく、25〜40モル%のものが特
に好ましい。またビニルエステル成分のケン化度は通
常、90モル%以上のものが使用され、95モル%以上
が好ましく、98モル%以上がより好ましい。
【0026】エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化
物と、例えば、後述するようなアルコール系化合物のよ
うな第3成分とを含有する樹脂組成物を用いる場合、ガ
スバリア性、加工性、および延伸性の観点から、エチレ
ン−ビニルエステル共重合体ケン化物の含量は、樹脂組
成物中、99〜50wt%が好ましい。
【0027】エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化
物と共に用いられる第3成分としては、エチレン−ビニ
ルエステル共重合体ケン化物との相溶性の観点から、下
記一般式(3) (式中、R1〜R6は水素原子、または炭素、水素、酸
素、窒素、硫黄およびリンから選ばれる少なくとも2種
以上の原子から構成される原子団であって、R2を構成
する全原子の原子量の合計はR1を構成する全原子の原
子量の合計以上である)で表わされる1、3−ジオール
骨格を有し、かつ溶解性パラメーター(以下、SPと略
記する場合もある)が12以上、分子量をMWとしてた
時SP×MW1/2が225以上であるアルコール系化合
物が好適な例として挙げられる。
【0028】上記アルコール系化合物は1種または2種
以上を用いてもよいが、2種以上を用いる場合のSPと
は下記式(4)で定義される2種以上のアルコール系化
合物の平均溶解性パラメーターであり、MWとは下記式
(5)で定義される重量平均分子量である。 SP=(ΣαiΔEvi/Σαii1/2 (4) (式中、ΔEvi、Vi、αiはそれぞれ各アルコール系
化合物のモル凝集エネルギー(the energy
of vaporization at a given temperature)、
モル容積(molar volume)および全アルコール系化合
物中の各アルコール系化合物のモル分率を表わす) MW=Σφimwi (式中、φiおよびmwiはそれぞれ全アルコール系化合
物中の各アルコール系化合物の重量分率および各アルコ
ール系化合物の分子量である)
【0029】なお、SPとは、POLYMER ENG
INEERING AND SCIENCE(1974
年発刊、第14巻、NO.2、147〜154頁)に記
載されているように、下記式(6)で定義される。 SP=(ΔEv/V)1/2 (式中、ΔEvはモル凝集エネルギー(the ene
rgy of vaporization at a given temperat
ure)、Vはモル容積(molar volume)を表わす) ここでΔEvおよびVはそれぞれΔEv=ΣΔeiおよ
びV=ΣΔviで表わされ、eiおよびviは上記POL
YMER ENGINEERING AND SCIE
NCE(1974年発刊、第14巻、NO.2、147
〜154頁)中のTable 5に記載の値である。
【0030】上記アルコール系化合物を用いる場合、相
溶性の観点から13以上がより好ましく、その上限値は
通常20である。またアルコール系化合物のブリードア
ウト抑制の観点から、SP×MW1/2は235以上が好
ましい。また上限値は通常、20000である。
【0031】一般式(3)において、R1〜R6は水素原
子または炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、リンから選ば
れる少なくとも2種以上から構成される原子または原子
団である。また、R2を構成する全原子の原子量の合計
はR1を構成する全原子の原子量の合計以上である。こ
れら原子および原子団はSPおよびMWが上述した条件
を満足するように選定すればよいが、例えば、R1〜R6
としては、以下のような原子または原子団が例示でき
る。
【0032】即ち、水素原子、アルキル基、シクロアル
キル基、芳香族炭化水素基、複素環式基等の原子団、ヒ
ドロキシル基、カルボニル基、カルボキシル基、アルコ
キシ基、エポキシ基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ
基、スルフィニル基、スルフォニル基、フォスフィノ
基、フォスフィノイル基等の官能基、およびこれら官能
基を少なくとも1種有する上記した原子団等が例示でき
る。
【0033】これら例示の原子および原子団の中でも、
1としては水素原子、ヒドロキシアルキル基、アルキ
ル基、アミノ基またはアミノ基を有する原子団が好まし
く、メチロール基、メチル基、エチル基またはアミノ基
がより好ましい。R2としては、OH基を含有しかつR2
を構成する全原子の合計原子量が31以上の原子団が好
ましく、さらにエーテル結合を有する原子団がより好ま
しい。また、R3〜R6としては水素原子または炭素数1
から6の低級アルキル基が好ましく、低級アルキル基と
してはメチル基またはエチル基がより好ましい。
【0034】アルコール系化合物のより具体例として
は、ジ−ペンタエリスリトール、トリ−ペンタエリスリ
トールなどの、ポリ−ペンタエリスリトール、ジ−トリ
メチロールメタン、トリ−トリメチロールメタンなどの
ポリ−トリメチロールメタン、ジ−トリメチロールエタ
ン、トリ−トリメチロールエタンなどのポリ−トリメチ
ロールエタン、ジ−トリメチロールプロパン、トリ−ト
リメチロールプロパンなどのポリ−トリメチロールプロ
パン、ジ−2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3
−プロパンジオール、トリ−2―アミノ−2―ヒドロキ
シメチル−1,3−プロパンジオールなどの、ポリ−2
−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジ
オールが例示できる。また、これら例示化合物とモノカ
ルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸等のカルボン
酸とのエステル化物であって、1、3−ジオール骨格を
有する化合物が例示できる。モノカルボン酸の具体例と
しては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン
酸、エナント酸、カプリル酸、カプリン酸、ペラルゴン
酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、トリデカン酸、ミリス
チン酸、ミリトレイン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、オレイン酸、リノール酸、アラキン酸、ベヘン酸、
シクロヘキサンカルボン酸、メチルシクロヘキサンカル
ボン酸等の脂環式モノカルボン酸、あるいは安息香酸、
トルイン酸、エチル安息香酸、フェニル酢酸等の芳香族
モノカルボン酸などが挙げられる。
【0035】ジカルボン酸の具体例として、マロン酸、
コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベ
リン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン
酸、テトラデカンジオン酸、ヘキサデカンジオン酸、オ
クタデカンジオン酸、オクタデセンジオン酸、エイコサ
ジオン酸、エイコセンジオン酸、ドコサンジオン酸、
2,2,4−トリメチルアジピン酸等の脂肪族ジカルボ
ン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環
式ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル
酸、キシレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸等を
例示することができる。
【0036】上記例示化合物の中では、ポリ−トリメチ
ロールプロパンまたはジ−ペンタエリスリトールが好ま
しく、トリメチロールプロパンの2〜5量体がより好ま
しい。
【0037】また、本発明において、アルコール系化合
物の2種以上を含有せしめたエチレン−ビニルエステル
共重合体ケン化物含有樹脂組成物を用いる場合は、より
延伸性が改良されるという点から、各アルコール系化合
物の溶解性パラメーターをsp、分子量をmwiとした
とき、spが16以上であり、かつsp×mwi 1/2が2
80以上であるアルコール系化合物(以下、アルコール
系化合物(a)と称する場合もある)の少なくとも1種
を含有せしめることが好ましい。アルコール系化合物
(a)を含有させる場合、その含有量は全アルコール系
化合物中、効果の観点から20重量%以上が好ましく、
ブリード抑制の観点から70重量%以下が好ましい。
【0038】かかるアルコール系化合物(a)として
は、例えばポリペンタエリスリトールが挙げられ、なか
でもジペンタエリスリトールが好ましい。
【0039】さらに上記アルコール系化合物とエチレン
−ビニルエステル共重合体ケン化物とを反応させて変成
エチレン−ビニルエステル共重合体としたり、アルコー
ル系化合物を共重合モノマーとして用いるなど、第3成
分と樹脂とを反応させてもよいし、共重合体としてもか
まわない。
【0040】本発明のガスバリア材が変成樹脂である場
合、その製造方法としては、例えば、グラフトによる変
成方法として、幹ポリマーに重合開始点をつくり、単量
体を重合させる方法、高分子間反応による方法等、通常
のグラフト変成で用いられる方法が例示でき、反応は均
一系(例えば溶液反応)、不均一系(例えば固−液反
応)いずれでも構わない。また、架橋方法としては架橋
剤による方法、熱による方法等の通常の架橋方法が例示
でき、高分子鎖の末端を修飾する方法としては、重合停
止時に機能性原子団を導入する通常の末端修飾方法が例
示できる。これら変成はフィルム成形機等の成形機中で
行い、フィルム等の成形体を得てもよい。
【0041】また、本発明のガスバリア材が樹脂組成物
の場合、混練に用いられる一般の単軸あるいは二軸押出
機を用いて、溶融混練押出し方法等の製造方法が例示で
きる。例えば第3成分等が粘稠な流体である場合、水あ
るいは有機溶媒などに溶解して用いればよいが、この場
合には樹脂の熱溶融押出下に、例えば上記押出機のシリ
ンダー中に第3成分含有液を液送ポンプにて注入し、樹
脂と熱混練等する方法や、樹脂ペレットと添加物含有液
とをヘンシェルミキサー等のミキサーにてブレンドした
後、上記押出機に供給、熱混練する方法等を例示するこ
とができる。また、予め第3成分の高濃度マスターバッ
チを作製しておいて、それを樹脂とペレットブレンド
し、フィルム成形機等の成形機に直接供給し、フィルム
等の成形体を得ることもできる。粉体の場合は、通常の
ドライブレンド法、コンパクターなどにより、押出機内
へ直接粉体供給する方法等が挙げられる。
【0042】本発明のガスバリア材には本発明の効果を
損わない範囲で、充填剤、帯電防止剤、各種安定剤、核
剤、着色剤、滑剤等の通常樹脂に配合されるを添加剤等
やゴム成分等を配合することができる。
【0043】本発明のガスバリア材はフィルムとして好
適に用いることができる。フィルムとしては単層フィル
ム、多層フィルムいずれでもよく、また多層フィルムに
おいては本発明のガスバリア材からなる層を少なくとも
一層有していればよく、基材層や熱融着層等の他の樹脂
層と本発明のガスバリア材からなる層からなる多層フィ
ルム等が例示できる。フィルムは通常の押出し成形方法
等により製造することができる。またフィルムは延伸フ
ィルム、未延伸フィルムいずれでもよく、延伸フィルム
を得る方法は、一般的に行なわれる延伸法、例えば、一
軸延伸、ゾーン延伸、フラット逐次延伸、同時二軸延
伸、チューブラー延伸等の方法が例示できるが、設備コ
ストの点からはチューブラー延伸法が好ましく用いられ
る。
【0044】フィルムの厚みは、通常、10〜500μ
mであり、包装用途に用いる場合は、通常、15〜10
0μmである。また多層フィルムの場合、ガスバリア材
からなる層の厚みは、多層フィルムの厚みの5%〜30
%が効果と経済性の観点から好ましい。多層フィルムの
層構成は特に制限はないが、例えば基材層、本発明のガ
スバリア材からなる層、熱融着層となるような層構成が
例示できる。
【0045】基材層および熱融着層等の他の樹脂層に用
いられる樹脂は、特に制限はなく、例えば基材層として
用いられる樹脂は、ポリエチレン(低密度、高密度)、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重
合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン−オクテ
ン共重合体、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、ア
イオノマー樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポ
リエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナ
イロン−6、ナイロン−6,6、メタキシレンジアミン
−アジピン酸縮重合体、ポリメチルメタクリルイミドな
どのアミド系樹脂、ポリメチルメタクリレート、などの
アクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジ
エン共重合体、ポリアクリロニトリルなどのスチレンお
よびアクリロニトリル系樹脂、トリ酢酸セルロース、ジ
酢酸セルロースなどの疎水化セルロース系樹脂、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデ
ン、テフロンなどのハロゲン含有樹脂、ポリビニルアル
コール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、セルロ
ース誘導体などの水素結合性樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポ
リエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンオキシ
ド樹脂、ポリメチレンオキシド樹脂、液晶ポリエステル
樹脂などのエンジニアリングプラスチック系樹脂などが
あげられる。それらのなかで、二軸延伸されたポリプロ
ピレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロンやKコ
ートと呼ばれるポリ塩化ビニリデンをコートした二軸延
伸されたポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ナイロンおよびアルミニウム蒸着フィルム、アルミ
ナ蒸着フィルム、シリカ蒸着フィルム、等の各種蒸着フ
ィルムおよび液晶ポリエステル樹脂、アラミド樹脂など
が好ましく使用される。これらの樹脂のなかでも、強度
の観点からポリオレフィンが好ましく、ポリエチレン、
ポリプロピレンあるいはこれら樹脂からなる樹脂組成物
が特に好ましい。
【0046】熱融着層を設ける場合、ヒートシール強度
や樹脂臭などの脱着の問題から、ポリエチレン(低密
度、高密度)、エチレン−ビニルアルコール共重合体、
エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重
合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エチレン―4―メ
チル―1−ペンテン共重合体、エチレン−オクテン共重
合体、ポリプロピレン、エチレンー酢酸ビニル共重合
体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン
−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共
重合体、アイオノマー樹脂などのポリオレフィン系樹
脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂、ア
クリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、アクリ
ロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル共重
合体ポリメチルメタクリレート等のポリアクリレート等
が挙げられる。
【0047】また、積層フィルムとしたとき、各層間の
接着力が充分でない場合は、接着性樹脂層を設けてもよ
い。接着性樹脂層としては、実用段階でデラミネーショ
ンを起こさないものであればよく、特に限定はされない
が、不飽和カルボン酸またはその無水物をオレフィン系
重合体に、例えば付加反応、グラフト反応等の化学的に
結合されて得られる、カルボキシル基を含有する変性オ
レフィン系重合体からなる層等が例示できる。具体的に
は無水マレイン酸グラフト変性ポリエチレン、無水マレ
イン酸グラフト変性ポリプロピレン、無水マレイン酸グ
ラフト変性エチレン−エチルアクリレート共重合体、無
水マレイン酸グラフト変性エチレン酢酸ビニル共重合
体、エチレンーアクリル酸共重合体、アイオノマー樹脂
から選ばれた1種または2種以上の混合物が好適なもの
として挙げられる。
【0048】積層フィルムの製造方法は、共押出法、溶
融コーティング法、押出ラミネーション法、ドライラミ
ネーション法が等が挙げられる。
【0049】さらに本発明のガスバリア材は、フィルム
以外にシート、チューブ、カップ、ボトル等に成形でき
る。成形法としては熱成形、射出成形、ブロー成形、延
伸ブロー成形等の通常の成形法が使用できる。この様に
して得られた成形品は、一般食品包装用、レトルト食品
包装用、医薬品包装用、電子部品包装用、ガソリンタン
ク用容器として好適であり、また本発明のガスバリア材
からなる層と熱融着層とを有する積層フィルムは熱収縮
性フィルムとして特に好適に用いることができる。
【0050】
【発明の効果】本発明のガスバリア材は従来のエチレン
−ビニルエステル共重合体と同等かそれ以上のガスバリ
ア性を有し、しかもガスバリア性と延伸性のバランスに
優れたものである。さらに本発明のガスバリア材は透明
性に優れ、また経時による透明性の低下も小さいもので
ある。
【0051】また本発明のガスバリア材からなるフィル
ムやシート等、および本発明のガスバリア材からなる層
を少なくとも1層有する多層フィルムは、ガスバリア性
と延伸性のバランスに優れ、外観も良好であり、食品包
装用途等に好適に用いることができる。
【0052】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。 各種
物性の測定方法を以下に記す。
【0053】[酸素透過度]JIS K−7126に準
じて行った。すなわち、200℃、3分間の熱プレス
後、30℃、5分間の冷却プレスにより作成したシート
を試験片とし、酸素透過度測定装置(商品名:OX−T
RAN 10/50A、米国MOCON社製)に試験片
を装着し、酸素透過度を測定した。測定においては、試
験片の酸素透過度を連続的に測定し、酸素透過度が実質
的に一定になった時(通常は、測定開始から数時間〜3
日程度の後)の値をその試験片の酸素透過度とした。測
定は23℃、相対湿度(RH)0%の条件下でおこな
い、得られた酸素透過殿値から厚み1μmあたりに換算
し、その値をOTR1とした。OTR1の単位はcc/m2・da
y・atmである。
【0054】[降伏応力および破断点伸び率]JIS K
−7113に準じ、加熱下における引張り試験により6
0℃での降伏応力を測定した。すなわち、200℃、3
分間の熱プレスの後、30℃、5分間の冷却プレスによ
って、厚み300μmのプレスフィルムとし、該フィル
ムからJIS K−6301に規定の1号ダンベル形状
としたものを試験片とした。これを温度制御可能なオー
トグラフ(島津製作所:AGS500D)を用い、60
℃で1000mm/minの速度で試験片を破断するまで引張
り、得られるS−Sカーブから降伏応力を求めた。また
破断時の試験片の伸びを測定し、下記式により破断点伸
び率、l(%)を求めた。 l=((L−L0)/L0)×100 (ただし、L0:予め試験片に付けた標線間距離 L:破断時の標線間距離) lが大きいほど60℃での延伸倍率が高いことを意味
し、延伸性に優れるといえる。
【0055】なお標準エチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物((株)クラレ製、商品名EP−E105B、以
下EVOH−Eと略する場合もある)から、上記方法に
て作成した試験片を上記方法にて測定したときの降伏応
力Fy'は296kg/cm2であた。
【0056】[T1の測定]200℃/3minの熱プレス後、
30℃/5minの冷却プレスにより得られた厚み30μmの
プレスフィルムを23℃、48%RHの条件下で48時
間放置後、JISK−7105に記載の方法に従って測
定した。測定器は、スガ試験機製、ヘーズメーターを使
用した。
【0057】[T2の測定]上と同様にして作成した厚
さ30μmのフィルムを40℃、90%RHで24時間
エージング後、T1と同様の方法で測定した。
【0058】[延伸性評価]上述した破断点伸び率が標
準エチレン−酢酸ビニルケン化物とほぼ同等のものを△
とし、それより高い値を示すものを○、それより低い値
を示すものを×とした。
【0059】[ガスバリア性評価]上述した酸素透過度
が標準エチレン−酢酸ビニルケン化物とほぼ同等のもの
を△とし、それより低い値を示すものを○、それより高
い値を示すものを×とした。
【0060】[総合評価]上記延伸性の評価とガスバリ
ア性の評価から、総合評価をガスバリア性と延伸性のバ
ランスに優れる方から○、△、×とした。
【0061】(実施例1)広栄化学社製ジペンタエリス
リトール(以下DPと略記)と、ジトリメチロールプロ
パン(以下DTMPと略記)を重量比1/1で混合し混
合物とした。DPのspは18.7、mwiは272、
sp×mwi 1/2は308、DTMPのspは14.4、
mwiは250、sp×mwi 1/2は228で有り、混合
物の平均溶解性パラメーター、SPは16.4、重量平
均分子量、MWは261、SP×MW1/2は265であ
った。この混合物とエチレン含有量44モル%、ケン化
度98%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
(EVOH−E)とを重量比10/90wt%でドライ
ブレンドし、二軸押出機(プラスチック工学(株)製、
L/D60,40mmφ押出機BT-40-S2-60-L)で溶融
混練することにより樹脂組成物とした。得られた樹脂組
成物の評価結果を表1に示す。
【0062】(実施例2)エチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物(EVOH)としてエチレン含有量38モル
%、ケン化度98%以上のEVOH((株)クラレ製E
S−H101B:以下EVOH−Hと略記)を用いた以外
は実施例1と同様に樹脂組成物を得た。得られた樹脂組
成物の評価結果を表1に示す。
【0063】(実施例3)EVOHとしてエチレン含有
量32モル%、ケン化度98%以上のEVOH((株)
クラレ製EP−F101A:以下EVOH−Fと略記)
を用いた以外は実施例1と同様に樹脂組成物を得た。得
られた樹脂組成物の評価結果を表1に示す。
【0064】(実施例4)DTMPとEVOH−Eとを
重量比10/90wt%でドライブレンドした以外は実
施例1と同様に樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物
の評価結果を表1に示す。
【0065】(実施例5)DTMPとEVOH−Hとを
重量比10/90wt%でドライブレンドした以外は実
施例2と同様に樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物
の評価結果を表1に示す。
【0066】(実施例6)DTMPとEVOH−Fとを
重量比10/90wt%でドライブレンドした以外は実
施例3と同様に樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物
の評価結果を表1に示す。
【0067】(比較例1)標準エチレン−酢酸ビニルエ
ステル共重合体ケン化物(EVOH−E)の評価結果を
表1に示す。
【0068】(比較例2)EVOH−Hの評価結果を表
1に示す。
【0069】(比較例3)EVOH−Fの評価結果を表
1に示す。
【0070】(比較例4)ジグリセリンとEVOH−E
とを重量比10/90wt%でドライブレンドした以外
は実施例1と同様に樹脂組成物を得た。得られた樹脂組
成物の評価結果を表1に示す。
【0071】実施例に示したように、本発明のガスバリ
ア材はガスバリア性にすぐれ、かつ破断点伸び率も高く
延伸性に優れており、ガスバリア性と延伸性のバランス
に優れたものである。
【0072】
【表1】 1)ln(OTR1/22.5)+4.78ln(Fy/Fy')=Cとおいた。

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂が主成分であって、下記式(1)、
    (2)を満足することを特徴とするガスバリア材。 ln(OTR1/22.5)+4.78ln(Fy/Fy')<-0.13 (1) T2−T1≦20 (2) (ただし、式(1)において、Fy'は標準エチレン−酢
    酸ビニル共重合体ケン化物の60℃における降伏応力を
    表わし、FyおよびOTR1はそれぞれ前記ガスバリア材
    の60℃における降伏応力、および前記ガスバリア材か
    らなる膜の厚み1μmあたりの23℃、0%RH(相対
    湿度)の酸素透過度(cc/m2・day・atm)を
    表わす。また式(2)において、T1は前記ガスバリア材
    からなる厚さ30μmのフィルムの、23℃、48%R
    Hの条件下で48hr放置後のヘイズ値であり、T2
    前記ガスバリア材からなる厚さ30μmのフィルムの、
    40℃、90%RHの条件下で24hr放置後のヘイズ
    値を表わす。)
  2. 【請求項2】ln(OTR1/22.5)+4.78ln(Fy/Fy')<-0.4
    である請求項1記載のガスバリア材。
  3. 【請求項3】ln(OTR1/22.5)+4.78ln(Fy/Fy')<-0.7
    である請求項1記載のガスバリア材。
  4. 【請求項4】T1が4.9%以下である請求項1記載のガス
    バリア材。
  5. 【請求項5】樹脂組成物からなる請求項1記載のガスバ
    リア材。
  6. 【請求項6】樹脂組成物がエチレン−ビニルエステル共
    重合体ケン化物含有樹脂組成物である請求項5記載のガ
    スバリア材。
  7. 【請求項7】エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化
    物の含有量が99〜50wt%である請求項6記載のガ
    スバリア材。
  8. 【請求項8】エチレン−ビニルエステル共重合体ケン化
    物含有樹脂組成物が、エチレン−ビニルエステル共重合
    体ケン化物に、下記式(3)で表わされるアルコール系
    化合物の1種または2種以上を含有せしめてなる樹脂組
    成物であって、該アルコール系化合物が、溶解性パラメ
    ータ(SP)が12以上であり、分子量をMWとしたと
    きにSP×MW1/2が225以上であることを特徴とす
    る請求項6または7記載のガスバリア材(ただし、アル
    コール系化合物を2種以上含有せしめた樹脂組成物の場
    合、SPおよびMWはそれぞれ、平均溶解性パラメータ
    ーおよび重量平均分子量である)。 (式中、R1〜R6は水素原子、または炭素、水素、酸
    素、窒素、硫黄およびリンから選ばれる少なくとも2種
    以上の原子から構成される原子団であって、R2を構成
    する全原子の原子量の合計はR1を構成する全原子の原
    子量の合計以上である)
  9. 【請求項9】アルコール系化合物のSPが13以上であ
    る請求項8記載のガスバリア材。
  10. 【請求項10】アルコール系化合物のSP×MW1/2
    235以上20000以下である請求項8記載のガスバ
    リア材。
  11. 【請求項11】アルコール系化合物の置換基R1が、水
    素原子、ヒドロキシアルキル基、アルキル基、アミノ基
    またはアミノ基を有する原子団である請求項8記載のガ
    スバリア材。
  12. 【請求項12】ヒドロキシアルキル基がヒドロキシメチ
    ル基である請求項11記載のガスバリア材。
  13. 【請求項13】アルキル基がメチル基またはエチル基で
    ある請求項11記載のガスバリア材。
  14. 【請求項14】アルコール系化合物の置換基R2が、O
    H基を有する原子団でありかつR2を構成する原子の原
    子量の合計が31以上である請求項8記載のガスバリア
    材。
  15. 【請求項15】OH基を有する原子団がさらに同一原子
    団中にエーテル結合を有している請求項14記載のガス
    バリア材。
  16. 【請求項16】アルコール系化合物の置換基R3〜R6
    水素原子または低級アルキル基である請求項8記載のガ
    スバリア材。
  17. 【請求項17】低級アルキル基がメチル基またはエチル
    基である請求項16記載のガスバリア材。
  18. 【請求項18】エチレン−ビニルエステル共重合体ケン
    化物含有樹脂組成物が式(3)で表わされるアルコール
    系化合物の2種以上を含有せしめてなる樹脂組成物であ
    って、アルコール系化合物の少なくとも1種は、溶解性
    パラメーター(sp)が16以上であり、かつ分子量を
    mwiとしたときにsp×mwi 1/2が280以上である
    請求項8記載のガスバリア材。
  19. 【請求項19】アルコール系化合物がポリ−トリメチロ
    ールプロパンである請求項8記載のガスバリア材。
  20. 【請求項20】ポリ−トリメチロールプロパンが、トリ
    メチロールプロパンの2〜5量体である請求項19記載
    のガスバリア材。
  21. 【請求項21】アルコール系化合物の少なくとも1種
    が、ジ−ペンタエリスリトールである請求項18記載の
    ガスバリア材。
  22. 【請求項22】請求項1または8記載のガスバリア材か
    らなるフィルム。
  23. 【請求項23】請求項1または8記載のガスバリア材か
    らなる層を少なくとも一層有する多層フィルム。
  24. 【請求項24】請求項1または8記載のガスバリア材か
    らなる層と熱融着層を有する熱収縮性フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20210079199A1 (en) * 2018-03-16 2021-03-18 Mitsui Chemicals, Inc. Acrylonitrile-butadiene rubber composition, and laminate having layer of the composition

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20210079199A1 (en) * 2018-03-16 2021-03-18 Mitsui Chemicals, Inc. Acrylonitrile-butadiene rubber composition, and laminate having layer of the composition

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