JPH11211990A - 全反射照明型顕微鏡装置および試料ステージ - Google Patents

全反射照明型顕微鏡装置および試料ステージ

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JPH11211990A
JPH11211990A JP1712498A JP1712498A JPH11211990A JP H11211990 A JPH11211990 A JP H11211990A JP 1712498 A JP1712498 A JP 1712498A JP 1712498 A JP1712498 A JP 1712498A JP H11211990 A JPH11211990 A JP H11211990A
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JP
Japan
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slide glass
illumination light
flat plate
transparent flat
plate
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JP1712498A
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English (en)
Inventor
Shigetoshi Okazaki
茂俊 岡崎
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BUNSHI BIO PHOTONICS KENKYUSHO
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
Original Assignee
BUNSHI BIO PHOTONICS KENKYUSHO
Bunshi Biophotonics Kenkyusho KK
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Publication date
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    • G02B21/26Stages; Adjusting means therefor
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    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B21/00Microscopes
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度で操作性に優れた全反射照明型顕微鏡
装置を提供する。 【解決手段】 照明光Aは、スライドガラス1の下方か
らプリズム31を介してスライドガラス1へ導入され、
スライドガラス1の上面および下面で全反射を繰り返し
ながらスライドガラス1内部を伝搬し、プリズム32を
介して外部へ廃棄される。スライドガラス1の上面に載
置された試料2は、スライドガラス1内部を伝搬する照
明光Aによりエバネセント照明される。エバネセント照
明に伴い試料2から発生した被測定光は、スライドガラ
ス1の下方に配された対物レンズ41に入射し、検出器
により検出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料をエバネセン
ト照明しその試料の特定部位を観察する全反射照明型顕
微鏡装置、および、これに好適に用いられる試料ステー
ジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】試料をエバネセント照明して観察する全
反射照明型顕微鏡装置は、その試料の極めて限られた特
定部位のみを照明して観察するものであり、不要な散乱
光の発生が少ないことから、その特定部位のみをS/N
比よく観察することができる。例えば、全反射照明型顕
微鏡装置が蛍光顕微鏡として用いられる場合には、試料
の特定部位のみに励起光が照射され、その特定部位のみ
から発生した蛍光が観察される。
【0003】このような全反射顕微鏡装置の光学系とし
て種々の態様のものが従来より知られている。図9〜図
11それぞれは従来の倒立型の全反射顕微鏡装置の光学
系を示すものであり、図12〜図14それぞれは従来の
正立型の全反射顕微鏡装置の光学系を示すものである。
【0004】図9に示す光学系では、ステージ101の
上にスライドガラス102を置き、そのスライドガラス
102の上方に配された断面が三角形のプリズム103
の底面で励起光Aを全反射させ、スライドガラス102
とプリズム103との間に置かれた試料104をエバネ
セント照明する。そして、試料104から発生した蛍光
を、スライドガラス102の下方に配された対物レンズ
105により観察する。
【0005】図10に示す光学系では、ステージ111
の上にスライドガラス112を置き、そのスライドガラ
ス112の上方に配された断面が台形のプリズム113
の底面で励起光Aを全反射させ、スライドガラス112
とプリズム113との間に置かれた試料114をエバネ
セント照明する。そして、試料114から発生した蛍光
を、スライドガラス112の下方に配された対物レンズ
115により観察する。
【0006】図11に示す光学系では、ステージ121
の上にスライドガラス122を置き、そのスライドガラ
ス122の上面に密着して配されたプリズム123によ
り励起光Aをスライドガラス122内に導入し、その励
起光Aをスライドガラス122の上面および下面で全反
射させながら伝搬させ、スライドガラス122の上に置
かれた試料124をエバネセント照明する。そして、試
料124から発生した蛍光を、スライドガラス122の
下方に配された対物レンズ125により観察する。
【0007】図12に示す光学系では、ステージ131
の上にスライドガラス132を置き、そのスライドガラ
ス132の下面に断面が三角形のプリズム133を密着
して配し、下方から励起光Aをプリズム133を介して
導入しスライドガラス132の上面で全反射させ、スラ
イドガラス132の上面に置かれた試料134をエバネ
セント照明する。そして、試料134から発生した蛍光
を、スライドガラス132の上方に配された対物レンズ
135により観察する。
【0008】図13に示す光学系では、ステージ141
の上にスライドガラス142を置き、そのスライドガラ
ス142の下面に断面が台形のプリズム143を密着し
て配し、下方から励起光Aをプリズム143を介して導
入しスライドガラス142の上面で全反射させ、スライ
ドガラス142の上面に置かれた試料144をエバネセ
ント照明する。そして、試料144から発生した蛍光
を、スライドガラス142の上方に配された対物レンズ
145により観察する。
【0009】図14に示す光学系では、ステージ151
の上にスライドガラス152を置き、そのスライドガラ
ス152の上面に密着して配されたプリズム153によ
り励起光Aをスライドガラス152内に導入し、その励
起光Aをスライドガラス152の上面および下面で全反
射させながら伝搬させ、スライドガラス152の上に置
かれた試料154をエバネセント照明する。そして、試
料154から発生した蛍光を、スライドガラス152の
上方に配された対物レンズ155により観察する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の光学系それ
ぞれは以下のような問題点を有している。すなわち、図
9,図10,図11および図14それぞれに示す光学系
では、試料の観察部位を変更しようとしてスライドガラ
スをステージ上で移動させると試料の照明部位が対物レ
ンズの視野外に出ることから、試料観察が容易ではな
い。図9〜図14それぞれに示す光学系では、ステージ
上面にプリズムまたは対物レンズがあることから、試料
に対して何等かの操作を施す際の妨げとなる。図12お
よび図13それぞれに示す光学系では、プリズムとスラ
イドガラスとの間に通常存在するマッチングオイルで蛍
光が発生し、その蛍光がノイズとなることから感度が低
い。図9,図10,図11および図14それぞれに示す
光学系では、試料交換の度にプリズムを取り外す必要が
あることから、その度に光学系の調整が必要となり、取
り扱いが容易ではない。
【0011】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、高感度で操作性に優れた全反射照明型
顕微鏡装置を提供することを目的とする。また、この全
反射照明型顕微鏡装置に好適に用いられ得る試料ステー
ジを提供することをも目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る全反射照明
型顕微鏡装置は、(1) 透明平板を一方の面の側に支持す
る支持板と、(2) 支持板により支持された透明平板の互
いに平行な2つの表面それぞれで全反射しながら所定方
向に伝搬する照明光を支持板側から透明平板内に導入
し、その導入位置から一定距離だけ離れた透明平板上の
所定位置に置かれた試料をエバネセント照明する照明光
導入手段と、(3) エバネセント照明された試料から発生
した被測定光を入力する対物レンズと、を備えることを
特徴とする。
【0013】この全反射照明型顕微鏡装置によれば、照
明光は、照明光導入手段により、支持板により支持され
た透明平板内に支持板側から導入され、透明平板の互い
に平行な2つの表面それぞれ全反射しながら所定方向に
伝搬する。その導入位置から一定距離だけ離れた透明平
板上の所定位置に置かれた試料は照明光によりエバネセ
ント照明されて、被測定光が発生する。その被測定光は
対物レンズに入射し検出される。なお、照明光導入手段
は例えばプリズムであり、支持板による透明平板の支持
は該プリズムを介した支持を含むものとする。
【0014】また、本発明に係る全反射照明型顕微鏡装
置は、支持板が開口を有するとともに、透明平板が支持
板の開口上に支持され、対物レンズが支持板の開口を通
過した被測定光を入力することを特徴とする。この場合
には、エバネセント照明された試料から発生した被測定
光は、透明平板を透過し、支持板の開口を通過して対物
レンズに入射する。
【0015】また、本発明に係る全反射照明型顕微鏡装
置は、透明平板内から支持板側の外部へ照明光を廃棄す
る照明光廃棄手段を更に備えることを特徴とする。この
場合には、透明平板内部を伝搬し試料をエバネセント照
明した後の照明光は、照明光廃棄手段により、透明平板
内から支持板側の外部へ廃棄される。
【0016】また、本発明に係る全反射照明型顕微鏡装
置は、透明平板の表面に平行であって上記所定方向に略
垂直な方向に透明平板を移動させる透明平板移動手段を
更に備えることを特徴とする。この場合には、透明平板
移動手段により透明平板を移動させることにより、透明
平板上の試料の観察部位を変更することができる。
【0017】また、本発明に係る全反射照明型顕微鏡装
置は、装着された対物レンズを上記所定位置付近におい
て透明平板の表面に平行であって上記所定方向に略垂直
な方向に移動させるレボルバを更に備えることを特徴と
する。この場合には、それぞれの倍率が互いに異なる複
数の対物レンズをレボルバに装着し、このレボルバを回
転させることにより対物レンズを移動させることがで
き、試料の観察倍率を変更することができる。
【0018】本発明に係る試料ステージは、(1) 透明平
板を一方の面の側に支持する支持板と、(2) 支持板によ
り支持された透明平板の互いに平行な2つの表面それぞ
れで全反射しながら所定方向に伝搬する照明光を支持板
側から透明平板内に導入し、その導入位置から一定距離
だけ離れた透明平板上の所定位置に置かれた試料をエバ
ネセント照明する照明光導入手段と、を備えることを特
徴とする。また、支持板が開口を有するとともに、透明
平板が支持板の開口上に支持される、ことを特徴とす
る。また、透明平板内から支持板側の外部へ照明光を廃
棄する照明光廃棄手段を更に備えることを特徴とする。
これらの試料ステージは、上記全反射照明型顕微鏡装置
において好適に用いられ得るものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。尚、図面の説明におい
て同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省
略する。
【0020】先ず、本発明に係る全反射照明型顕微鏡装
置の1実施形態の要部の構成について図1〜図4を用い
て説明する、なお、当該要部は本発明に係る試料ステー
ジの1実施形態でもある。
【0021】図1は、本実施形態に係る全反射照明型顕
微鏡装置の要部である試料ステージの構成図である。図
1(a)は平面図であり、図1(b)は正面図であり、
図1(c)は側面図である。円形支持板10は、中央領
域に略矩形の開口10aを有する円形平板である。この
円形支持板10の略矩形の開口10aの互いに対向する
2辺それぞれの近傍には、支持具21および22がねじ
止めにより取り付けられている。支持具21はプリズム
31を保持し、支持具22はプリズム32を保持する。
そして、プリズム31の上面31aおよびプリズム32
の上面32aの上に透明平板であるスライドガラス1が
置かれる。すなわち、円形支持板10は、支持具21,
22それぞれを介してプリズム31,32を固定し、さ
らに、これらを介してスライドガラス1をその上方に支
持するものである。
【0022】図2は、支持具の斜視図である。支持具2
1は、3つの平面部21a〜21cからなる。平面部2
1aには、円形支持板10にねじ止めするための2つの
孔部21dおよび21eが設けられている。平面部21
bは、平面部21aと垂直であり、矩形の孔部21fが
設けられている。また、平面部21cは、平面部21b
と繋がっており、プリズム31の位置決めを行うもので
ある。支持具22も同様である。
【0023】図3は、支持具およびプリズムの斜視図で
ある。プリズム31は、互いに直交する上面31aおよ
び側面31bを有し、直角三角形の断面形状を有する。
プリズム31は、その側面31bが支持具21の平面部
21bに接して保持される。そして、円形支持板10に
支持具21が取り付けられ且つ支持具21にプリズム3
1が取り付けられた状態では、プリズム31の上面31
aは、円形支持板10の反対側の面の上方に現れる(図
1(b)を参照)。支持具22およびプリズム32も同
様である。
【0024】そして、図1に示すように、円形支持板1
0、支持具21,22およびプリズム31,32が組み
立てられた状態では、プリズム31の上面31aおよび
プリズム32の上面32aは互いに同一の平面上にあ
り、プリズム31および32それぞれの側面は互いに略
平行である。
【0025】図4は、本実施形態に係る全反射照明型顕
微鏡装置の要部の説明図である。この図には、既述した
円形支持板10、支持具21,22およびプリズム3
1,32の他に、対物レンズ41も記されている。スラ
イドガラス1は、プリズム31の上面31aおよびプリ
ズム32の上面32aの上にマッチングオイルを介して
置かれる。試料2は、スライドガラス1表面上であっ
て、プリズム31による照明光の導入位置から一定距離
だけ離れた所定位置に載置される。対物レンズ41は、
スライドガラス1の下方に配されている。
【0026】次に、本実施形態に係る全反射照明型顕微
鏡装置の要部の作用について図4を用いて説明する。
【0027】光源(図示せず)から出力された照明光A
は、支持具21の平面部21bの矩形の孔部21fを通
過してプリズム31の側面31bに入射し、プリズム3
1内部を透過し、プリズム31の上面31aの先端から
出射し、マッチングオイルを経てスライドガラス1へ導
入される。スライドガラス1へ導入された照明光Aは、
スライドガラス1の上面および下面で全反射を繰り返し
ながらスライドガラス1内部を伝搬する。そして、スラ
イドガラス1内部を伝搬した照明光Aは、スライドガラ
ス1とプリズム32とがマッチングオイルを介して接し
ている位置に到達すると、スライドガラス1の下面から
出射し、マッチングオイルを経てプリズム32の上面3
2aの先端に入射し、プリズム32内部を透過し、プリ
ズム32の側面32bから外部へ廃棄される。
【0028】すなわち、プリズム31は、スライドガラ
ス1の上面および下面の間で全反射しながら伝搬する照
明光Aをスライドガラス1の下方から導入する照明光導
入手段として作用する。また、プリズム32は、スライ
ドガラス2内から下方の外部へ照明光Aを廃棄する照明
光廃棄手段として作用する。
【0029】このように照明光Aがスライドガラス1の
上面および下面で全反射を繰り返しながらスライドガラ
ス1内部を伝搬する際に、スライドガラス1の上面およ
び下面それぞれの近傍の外部にエバネセント波が生じ
る。したがって、スライドガラス1上の所定位置に載置
された試料2のうちスライドガラス1表面近傍の部分の
みが、このエバネセント波により照明される。
【0030】このようにして試料2がエバネセント照明
されると、試料2の照明部位から被測定光が発生する。
その被測定光の一部は、スライドガラス1を透過して、
円形支持板10の開口10aを通過して対物レンズ41
に入射し、例えば検出器(図示せず)により検出され
る。ここで、この全反射照明型顕微鏡装置が通常の顕微
鏡として用いられる場合には、被測定光は散乱光であ
る。また、全反射照明型顕微鏡装置が蛍光顕微鏡として
用いられる場合には、照明光Aは試料2中の蛍光物質を
励起する励起光であり、被測定光は蛍光である。
【0031】したがって、スライドガラス1に対して円
形支持板10およびプリズム31,32は互いに同一の
側にあるので、スライドガラス1の移動や交換が容易に
行える。また、試料2の観察部位を変更しようとしてス
ライドガラス1を移動させても、プリズム31に依る照
明光Aの導入位置およびプリズム32に依る照明光Aの
廃棄位置は共に不変であるので、対物レンズ41から見
たときに、スライドガラス1内部を照明光Aが伝搬する
経路も不変である。すなわち、スライドガラス1が移動
したとしても、対物レンズ41を含む光学部品の何れを
も移動させたり調整したりする必要はないので操作性に
優れる。さらに、蛍光顕微鏡として用いられる場合に、
マッチングオイルで発生し対物レンズ41に入射する蛍
光量は極めて微弱であるので、高感度な観察が可能であ
る。
【0032】図5は、本実施形態に係る全反射照明型顕
微鏡装置の要部周辺を斜め上方から見た斜視図である。
この図には、中央部において円形支持板10を保持する
ステージ51、および、スライドガラス1を移動させる
透明平板移動手段であるXYメカニカルステージ52も
示されている。
【0033】ステージ51は、中央部に開口を有してお
り、その開口に円形支持板51を保持することができ
る。また、このステージ51の下方に対物レンズ41が
配されている。XYメカニカルステージ52は、つまみ
52aの回転に伴い固定部材52bに対して可動部材5
2cが平行移動するものであり、また、スライドガラス
1を保持する保持部材52dおよび52eが可動部材5
2cに取り付けられている。
【0034】このXYメカニカルステージ52に依るス
ライドガラス1の移動方向は、2つのプリズム31およ
び32それぞれの上面に平行な平面上の任意の方向であ
ってもよいが、特に、スライドガラス1内部における照
明光Aの伝搬方向に略垂直な方向であるのが好適であ
る。すなわち、スライドガラス1上の試料2を当該垂直
方向に亘って観察するのが好適である。何故なら、スラ
イドガラス1内部における照明光Aの伝搬方向にスライ
ドガラス1を移動させるとすれば、プリズム31,32
とスライドガラス1との間のマッチングオイルがスライ
ドガラス1に付着した部分が対物レンズ41の上方に来
て、このマッチングオイルがノイズ源となり検出感度が
低下するからである。
【0035】次に、本実施形態に係る全反射照明型顕微
鏡装置の全体の構成について図6および図7を用いて説
明する、図6は、本実施形態に係る全反射照明型顕微鏡
装置の要部周辺を斜め上方から見た斜視図であり、図7
は、本実施形態に係る全反射照明型顕微鏡装置の要部周
辺を斜め下方から見た斜視図である。これらの図には、
XYメカニカルステージ52は示されていないが、光源
61、反射鏡62,63、対物レンズ42,43、レボ
ルバ70、鏡筒80および検出器90が更に示されてい
る、なお、光源61および検出器90は模式的に示され
ている。
【0036】光源61は、スライドガラス1上の試料2
をエバネセント照明する為の照明光Aを出力するもので
あり、光源61から出力された照明光Aは、反射鏡62
および63により順次に反射された後にプリズム31の
側面31bに入射する。上述したように、スライドガラ
ス1を移動させたり交換したりしても何ら光学系を調整
する必要はなく、したがって、光源61ならびに反射鏡
62および63は、一度光学調整がなされた後は再調整
の必要がない。
【0037】レボルバ70には、試料2を観察する際の
倍率を変更するために倍率が互いに異なる複数の対物レ
ンズ41〜43が取り付けられている。レボルバ70
は、中心軸の周りに回転が可能である。このレボルバ7
0の回転に際して、試料2を観察し得る位置にある対物
レンズ(この図では対物レンズ41)は、プリズム31
および32それぞれの上面すなわちスライドガラス1の
下面に平行であって、スライドガラス1内部における照
明光Aの伝搬方向に略垂直な方向に移動するのが好適で
ある。このような方向に対物レンズ41〜43を移動さ
せることにより、対物レンズ41〜43の移動がプリズ
ム31,32により妨害されることはない。
【0038】鏡筒80は、エバネセント照明された試料
2で発生し対物レンズ41に入射した被測定光Bを検出
器90へ導くものである。検出器90はその被測定光B
を検出する。
【0039】次に、本実施形態に係る全反射照明型顕微
鏡装置において好適に用いられ得るプリズムの断面形状
等について図8を用いて説明する。
【0040】図8(a)に示すプリズムは、断面形状が
直角三角形であり、互いに直交する一方の面に照明光A
を入射し、その照明光Aを他方の面からスライドガラス
1へ導入する。図8(b)に示すプリズムは、断面形状
が五角形であり、スライドガラス1に接する第1の面と
平行な第2の面に照明光Aを入射し、その照明光Aを第
3の面で全反射させた後に第1の面からスライドガラス
1へ導入する。図8(c)に示すプリズムは、断面形状
が扇形であり、円弧の面に照明光Aを入射し、その照明
光Aを他の面からスライドガラス1へ導入する。図8
(d)に示すプリズムは、断面形状が二等辺三角形であ
り、底面に照明光Aを入射し、その照明光Aを他の面か
らスライドガラス1へ導入する。
【0041】対物レンズ41の配置を考慮すると、スラ
イドガラス1へ照明光Aを導入するプリズム31の先端
の角度θ、および、スライドガラス1から照明光Aを廃
棄するプリズム32の先端の角度θは、鋭角であること
が望ましく、また、例えば30度以下にまで小さいのが
好適である。プリズムの先端の角度θが小さいほど、対
物レンズ41を試料2に近づけることができるので、観
察倍率を大きくすることができる。また、プリズムの先
端の角度θが小さいほど、照明光導入用のプリズム31
と対物レンズ41の先端との間の間隔を狭くすることが
でき、スライドガラス1内部における照明光Aの試料2
の観察部位までの伝搬距離を短くすることができので、
効率よく試料2をエバネセント照明することができる。
【0042】また特に、図8(c)に示すような扇形の
断面形状を有するプリズムである場合には、常に照明光
Aをプリズム先端に向けて入射すればよい。また、この
場合、プリズムへの照明光Aの入射方向を変更すること
により、スライドガラス1内部における上面および下面
への照明光Aの入射角を容易に調整することができ、試
料2における照明光Aに依るエバネセント照明の有効距
離(スライドガラス1の表面に垂直な方向についての有
効距離)を容易に調整することができる。
【0043】なお、プリズムの材質は、スライドガラス
1の屈折率と同程度の屈折率を有するものであるのが好
適である。また、マッチングオイルもこれらと同程度の
屈折率を有するものが好適であり、例えば、グリセリン
や顕微鏡用イマージョンオイルが用いられる。
【0044】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく種々の変形が可能である。例えば、対物レンズ
41は、上述したようにスライドガラス1に対してプリ
ズム31,32と同一側(スライドガラス1の下方)に
配されるのが最も好適ではあるが、反対側(スライドガ
ラス1の上方)に配されてもよい。この場合にも、スラ
イドガラス1の移動は容易であり、スライドガラス1を
移動しても光学系の再調整は不要である。
【0045】スライドガラス1内部を伝搬した照明光を
廃棄するプリズム32は必ずしも必要ではない。また、
プリズム32に替えて、黒色のゴムや紙などの如く照明
光を吸収し得る材料を用いてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上、詳細に説明したとおり、本発明に
係る全反射照明型顕微鏡装置によれば、照明光は、照明
光導入手段により、支持板により支持された透明平板内
に支持板側から導入され、透明平板の互いに平行な2つ
の表面それぞれ全反射しながら所定方向に伝搬する。そ
の導入位置から一定距離だけ離れた透明平板上の所定位
置に置かれた試料は照明光によりエバネセント照明され
て、被測定光が発生する。その被測定光は対物レンズに
入射し検出される。
【0047】このような構成としたことにより、透明平
板に対して支持板および照明光導入手段は互いに同一の
側にあるので、透明平板の移動や交換が容易に行える。
また、試料の観察部位を変更しようとして透明平板を移
動させても、対物レンズから見たときに、透明平板内部
を照明光が伝搬する経路は不変である。すなわち、透明
平板が移動したとしても、対物レンズを含む光学部品の
何れをも移動させたり調整したりする必要はないので操
作性に優れる。さらに、蛍光顕微鏡として用いられる場
合に、マッチングオイルで発生し対物レンズに入射する
蛍光量は極めて微弱であるので、高感度な観察が可能で
ある。
【0048】支持板が開口を有するとともに、透明平板
が支持板の開口上に支持され、対物レンズが支持板の開
口を通過した被測定光を入力する場合には、エバネセン
ト照明された試料から発生した被測定光は、透明平板を
透過し、支持板の開口を通過して対物レンズに入射する
ので、特に操作性に優れ好適である。
【0049】透明平板内から支持板側の外部へ照明光を
廃棄する照明光廃棄手段を更に備える場合には、透明平
板内部を伝搬し試料をエバネセント照明した後の照明光
は、照明光廃棄手段により、透明平板内から支持板側の
外部へ廃棄される。したがって、高感度な試料観察が可
能である。
【0050】透明平板の表面に平行であって上記所定方
向に略垂直な方向に透明平板を移動させる透明平板移動
手段を更に備える場合には、透明平板移動手段により透
明平板を移動させることにより、透明平板上の試料の観
察部位を変更することができる。このとき、マッチング
オイルが付着した透明平板の部分は対物レンズの視野内
に入って来ないので、高感度な試料観察が可能である。
【0051】装着された対物レンズを上記所定位置付近
において透明平板の表面に平行であって上記所定方向に
略垂直な方向に移動させるレボルバを更に備える場合に
は、それぞれの倍率が互いに異なる複数の対物レンズを
レボルバに装着し、このレボルバを回転させることによ
り対物レンズを移動させることができ、試料の観察倍率
を変更することができる。このとき、対物レンズの移動
は照明光導入手段および照明光廃棄手段により妨害され
ることなく行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る全反射型照明型顕微鏡装置の
要部である試料ステージの構成図である。
【図2】支持具の斜視図である。
【図3】支持具およびプリズムの斜視図である。
【図4】本実施形態に係る全反射型照明型顕微鏡装置の
要部の説明図である。
【図5】本実施形態に係る全反射型照明型顕微鏡装置の
要部周辺を斜め上方から見た斜視図である。
【図6】本実施形態に係る全反射型照明型顕微鏡装置の
要部周辺を斜め上方から見た斜視図である。
【図7】本実施形態に係る全反射型照明型顕微鏡装置の
要部周辺を斜め下方から見た斜視図である。
【図8】本実施形態に係る全反射照明型顕微鏡装置にお
いて好適に用いられ得るプリズムの断面形状の説明図で
ある。
【図9】従来の倒立型の全反射型顕微鏡装置の光学系の
説明図である。
【図10】従来の倒立型の全反射型顕微鏡装置の光学系
の説明図である。
【図11】従来の倒立型の全反射型顕微鏡装置の光学系
の説明図である。
【図12】従来の正立型の全反射型顕微鏡装置の光学系
の説明図である。
【図13】従来の正立型の全反射型顕微鏡装置の光学系
の説明図である。
【図14】従来の正立型の全反射型顕微鏡装置の光学系
の説明図である。
【符号の説明】
1…スライドガラス、2…試料、10…円形支持板、2
1,22…支持具、31,32…プリズム、41,4
2,43…対物レンズ、51…ステージ、52…XYメ
カニカルステージ、53…ステージ、61…光源、6
2,63…反射鏡、70…レボルバ、80…鏡筒、90
…検出器。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明平板を一方の面の側に支持する支持
    板と、 前記支持板により支持された前記透明平板の互いに平行
    な2つの表面それぞれで全反射しながら所定方向に伝搬
    する照明光を前記支持板側から前記透明平板内に導入
    し、その導入位置から一定距離だけ離れた前記透明平板
    上の所定位置に置かれた試料をエバネセント照明する照
    明光導入手段と、 エバネセント照明された前記試料から発生した被測定光
    を入力する対物レンズと、 を備えることを特徴とする全反射照明型顕微鏡装置。
  2. 【請求項2】 前記支持板は開口を有するとともに、前
    記透明平板は前記支持板の前記開口上に支持され、前記
    対物レンズは前記支持板の前記開口を通過した前記被測
    定光を入力する、ことを特徴とする請求項1記載の全反
    射照明型顕微鏡装置。
  3. 【請求項3】 前記透明平板内から前記支持板側の外部
    へ前記照明光を廃棄する照明光廃棄手段を更に備えるこ
    とを特徴とする請求項1記載の全反射照明型顕微鏡装
    置。
  4. 【請求項4】 前記透明平板の表面に平行であって前記
    所定方向に略垂直な方向に前記透明平板を移動させる透
    明平板移動手段を更に備えることを特徴とする請求項1
    記載の全反射照明型顕微鏡装置。
  5. 【請求項5】 装着された前記対物レンズを前記所定位
    置付近において前記透明平板の表面に平行であって前記
    所定方向に略垂直な方向に移動させるレボルバを更に備
    えることを特徴とする請求項1記載の全反射照明型顕微
    鏡装置。
  6. 【請求項6】 透明平板を一方の面の側に支持する支持
    板と、 前記支持板により支持された前記透明平板の互いに平行
    な2つの表面それぞれで全反射しながら所定方向に伝搬
    する照明光を前記支持板側から前記透明平板内に導入
    し、その導入位置から一定距離だけ離れた前記透明平板
    上の所定位置に置かれた試料をエバネセント照明する照
    明光導入手段と、 を備えることを特徴とする試料ステージ。
  7. 【請求項7】 前記支持板は開口を有するとともに、前
    記透明平板は前記支持板の前記開口上に支持される、こ
    とを特徴とする請求項6記載の試料ステージ。
  8. 【請求項8】 前記透明平板内から前記支持板側の外部
    へ前記照明光を廃棄する照明光廃棄手段を更に備えるこ
    とを特徴とする請求項6記載の試料ステージ。
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