JPH11210923A - 弁装置 - Google Patents

弁装置

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JPH11210923A
JPH11210923A JP1398398A JP1398398A JPH11210923A JP H11210923 A JPH11210923 A JP H11210923A JP 1398398 A JP1398398 A JP 1398398A JP 1398398 A JP1398398 A JP 1398398A JP H11210923 A JPH11210923 A JP H11210923A
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valve body
main
valve seat
sub
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Manabu Oba
学 大羽
Tomoyuki Otani
知之 大谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弁作動軸の振動を防止し、副弁体および主弁
体の動作安定性を高めて誤作動を防止し、主弁座と主弁
体との間でのゴミ詰り、水撃現象を防止する。 【解決手段】 ケーシング本体4の上端部に蓋板10を液
密に固定し、蓋板10にシール部材38を取付け、シール部
材38を通してケーシング本体4の上方へ弁作動軸39を摺
動自在に引出す。蓋板10に主弁体室22内の空気を排出す
る空気排出弁40を設ける。主弁体21の副弁座42から主弁
座14の液流出用開口部15を通して下方へ、主弁座14から
副弁座42への逆流を防止する逆流防止管57を突設する。
主弁体21の下端面にパッキン50を介し、最大径部でもパ
ッキン50より小径の逆円錐台形状の整流体51を設ける。
主弁座14の内周縁よりパッキン50と対向する側に、主弁
体21の外周縁より内径側でパッキン50に当接するシール
用凸部54を突出させ、整流体51の外周面および主弁座14
の内周面に同一角度のテーパ面55,56を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業用水の調整、
工業用水の調整、用水水源の節約などのために用いられ
る弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】実公昭59−31978号公報に示され
るように、ケーシング本体の内部に円筒状のシリンダを
設け、このシリンダの下方に液流入用開口部を介して主
弁座を設け、この主弁座の内方に液流出用開口部を設
け、前記シリンダの内部に円筒状の主弁体を上下動自在
に嵌合し、この主弁体の上方に主弁体室を形成し、主弁
体の下部の外周面を前記液流入用開口部に臨ませるとと
もに、主弁体の下端周縁部を前記主弁座に接離自在に対
向させ、前記主弁体の内部に上方の主弁体室から下方の
液流出用開口部にわたって液抜孔を設け、前記主弁体に
この主弁体を上下動する弁作動軸を下方から上下動自在
に挿通し、この弁作動軸に、主弁体内の液抜孔に設けら
れた副弁座を上方から閉じる副弁体と、主弁体を係止す
る係止部とをそれぞれ主弁体に対して係脱自在の位置で
固定し、さらに、前記主弁体の下端周縁部から前記主弁
座の内側に対して逆円錐台形状の外形を有する中空翼部
を突設した弁装置がある。
【0003】そして、液位制御対象の液槽内の液位とと
もにフロートが下降すると、レバー等を介し前記弁作動
軸が上昇し、副弁体を主弁体内の副弁座から開放し、主
弁体の上方の主弁体室の液を主弁体内の副弁座を通して
前記液流出用開口部に排出し、その後に前記係止部によ
り主弁体を上昇させ、前記主弁座を開き、前記液流入用
開口部からケーシング本体内に流入した液を液流出用開
口部より液位制御対象の液槽内へ供給する。一方、この
液槽内の液位とともにフロートが上昇すると、レバー等
を介し前記弁作動軸が下降し、副弁体が主弁体内の副弁
座を閉じながら主弁体を押下げ、主弁体により主弁座を
閉じる。このような主弁体の開閉において、前記中空翼
部の外周面に主弁体を押上げようとする液圧が作用す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この従来の装置におい
ては、弁作動軸が主弁体の下部の液抜孔、主弁座の液流
出用開口部を経ていったん下方へ引出された上で、リン
ク機構により上方へ立上げているので、主弁座の液流出
用開口部から流出する乱流状態の液により弁作動軸が振
動し、摩耗しやすい問題が生じている。
【0005】また、液とともに空気が、液流入用開口部
からシリンダと主弁体との間の間隙を経て主弁体の上側
の主弁体室に入ると、この圧縮性大の空気により主弁体
室の圧力が不安定になり、副弁体さらには主弁体が誤作
動を起しやすい問題が生じている。
【0006】さらに、主弁座の液流出用開口部から乱流
状態で吐出される液が主弁体内の副弁座に逆流して、主
弁体室内の圧力を不規則な値にすることにより、この点
でも副弁体さらには主弁体が誤作動を起しやすい問題が
生じている。
【0007】その上、従来の主弁座の形状では、主弁座
側にボルトにてパッキンを取付ける構造から、主弁座側
で突出する部分(ボルトおよびパッキン押え)が大き
く、この突出部分にてゴミ詰りの問題が生じている。
【0008】また、従来の主弁座の形状では、主弁座の
内周面と主弁体の中空翼部との間に乱流が生じやすく、
主弁体の動作安定性に欠けるとともに、主弁体の下端周
縁部が主弁座と接触する直前に、それまで主弁体の中空
翼部に作用していた上向きの力が急速に消滅するため、
主弁体の急閉動作が生じて水撃現象が発生する問題が生
じている。
【0009】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、弁作動軸の振動による問題を解決することを目的
とし、また、副弁体および主弁体の動作安定性を高め誤
作動を防止することを目的とし、さらに、主弁座と主弁
体との間でのゴミ詰りおよび急閉動作による水撃現象の
発生の問題を解決することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発
明は、ケーシング本体と、このケーシング本体の内部に
設けられた円筒状のシリンダと、このシリンダの下方に
全周にわたって開口した液流入用開口部と、この液流入
用開口部を介して前記シリンダの下方に設けられた主弁
座と、この主弁座の内方に設けられた液流出用開口部
と、前記シリンダの内部に上下動自在に嵌合され下部の
外周面を前記液流入用開口部に臨ませるとともに下端部
を前記主弁座に接離自在に対向させた円筒状の主弁体
と、この主弁体の上方に形成された主弁体室と、主弁体
内に設けられ前記主弁体室を主弁体の下方へ開放する副
弁座と、主弁体の中心部に上下方向に挿入された弁作動
軸と、この弁作動軸と一体的に設けられ弁作動軸の下降
により前記主弁体の副弁座を上方から閉じる副弁体と、
前記弁作動軸と一体的に設けられ前記副弁体が前記副弁
座を開いた状態で前記主弁体を係止する係止部と、前記
ケーシング本体の上端部に液密に固定された蓋板と、こ
の蓋板に穿設された穴と、この穴に取付けられケーシン
グ本体の外部に引出された弁作動軸と摺動自在にかつ液
密に嵌合するシール部材とを具備した弁装置である。
【0011】そして、ケーシング本体の上端部に固定さ
れた蓋板より、その穴のシール部材を通して、弁作動軸
をケーシング本体の外部に引出すことにより、弁作動軸
を液流出用開口部を通して下方へ引出す場合に比べ、流
出液による弁作動軸の振動および摩耗の発生を回避す
る。
【0012】請求項2に記載された発明は、ケーシング
本体と、このケーシング本体の内部に設けられた円筒状
のシリンダと、このシリンダの下方に全周にわたって開
口した液流入用開口部と、この液流入用開口部を介して
前記シリンダの下方に設けられた主弁座と、この主弁座
の内方に設けられた液流出用開口部と、前記シリンダの
内部に上下動自在に嵌合され下部の外周面を前記液流入
用開口部に臨ませるとともに下端部を前記主弁座に接離
自在に対向させた円筒状の主弁体と、この主弁体の上方
に形成された主弁体室と、主弁体内に設けられ前記主弁
体室を主弁体の下方へ開放する副弁座と、主弁体の中心
部に上下方向に挿入された弁作動軸と、この弁作動軸と
一体的に設けられ弁作動軸の下降により前記主弁体の副
弁座を上方から閉じる副弁体と、前記弁作動軸と一体的
に設けられ前記副弁体が前記副弁座を開いた状態で前記
主弁体を係止する係止部と、前記ケーシング本体の上端
部に液密に固定された蓋板と、この蓋板に設けられ前記
主弁体室内の空気を外部に排出する空気排出弁とを具備
した弁装置である。
【0013】そして、ケーシング本体の蓋板に設けられ
た空気排出弁により、主弁体室内の空気を外部に排出す
ることによって、空気の圧縮性による副弁体の誤作動さ
らには主弁体の誤作動を防止する。
【0014】請求項3に記載された発明は、ケーシング
本体と、このケーシング本体の内部に設けられた円筒状
のシリンダと、このシリンダの下方に全周にわたって開
口した液流入用開口部と、この液流入用開口部を介して
前記シリンダの下方に設けられた主弁座と、この主弁座
の内方に設けられた液流出用開口部と、前記シリンダの
内部に上下動自在に嵌合され下部の外周面を前記液流入
用開口部に臨ませるとともに下端部を前記主弁座に接離
自在に対向させた円筒状の主弁体と、この主弁体の上方
に形成された主弁体室と、主弁体内に設けられ前記主弁
体室を主弁体の下方へ開放する副弁座と、主弁体の中心
部に上下方向に挿入された弁作動軸と、この弁作動軸と
一体的に設けられ弁作動軸の下降により前記主弁体の副
弁座を上方から閉じる副弁体と、前記弁作動軸と一体的
に設けられ前記副弁体が前記副弁座を開いた状態で前記
主弁体を係止する係止部と、前記主弁体の副弁座から前
記主弁座の液流出用開口部を通して下方へ突設され主弁
座から副弁座への逆流を防止する逆流防止管とを具備し
た弁装置である。
【0015】そして、主弁体の副弁座から主弁座の液流
出用開口部を通して下方へ突設された逆流防止管によ
り、主弁座の液流出用開口部から乱流状態で吐出する液
が副弁座へ逆流するおそれを防止し、副弁体の安定した
制御動作を確保する。
【0016】請求項4に記載された発明は、ケーシング
本体と、このケーシング本体の内部に設けられた円筒状
のシリンダと、このシリンダの下方に全周にわたって開
口した液流入用開口部と、この液流入用開口部を介して
前記シリンダの下方に設けられた主弁座と、この主弁座
の内方に設けられた液流出用開口部と、前記シリンダの
内部に上下動自在に嵌合され下部の外周面を前記液流入
用開口部に臨ませるとともに下端部を前記主弁座に接離
自在に対向させた円筒状の主弁体と、この主弁体の上方
に形成された主弁体室と、主弁体内に設けられ前記主弁
体室を主弁体の下方へ開放する副弁座と、主弁体の中心
部に上下方向に挿入された弁作動軸と、この弁作動軸と
一体的に設けられ弁作動軸の下降により前記主弁体の副
弁座を上方から閉じる副弁体と、前記弁作動軸と一体的
に設けられ前記副弁体が前記副弁座を開いた状態で前記
主弁体を係止する係止部と、前記弁作動軸にこの弁作動
軸と平行かつ逆方向へ移動自在に連結されレベル制御対
象の液面に設置されるフロートと、前記主弁体の下端面
に設けられたパッキンと、このパッキンを介して主弁体
の下部に設けられ最大径部でもパッキンより小径の逆円
錐台形状の外形を有する整流体と、前記主弁座の内周縁
よりパッキンと対向する側に突出され主弁体の外周縁よ
り内径側でパッキンに当接するシール用凸部と、整流体
の外周面および主弁座の内周面に同一角度でそれぞれ設
けられたテーパ面とを具備した弁装置である。
【0017】そして、主弁体の下端面にパッキンを設け
ることにより、主弁座側にボルトにてパッキンを取付け
る場合よりも、主弁座側から突出する部分が小さくな
り、主弁座におけるゴミ詰りが減少する。また、主弁座
のシール用凸部が主弁体の外周縁より内径側でパッキン
に当接することにより、閉弁時においても液流入用開口
部から主弁座上に直接供給された液の一次圧がシール用
凸部より外周側で主弁体の下端面を押上げる上向きの力
として作用し、シリンダと主弁体との間隙を経て主弁体
室内に入り主弁体に下向きの力として作用する液圧を弁
作動軸の副弁体にて制御することにより、弁作動軸に作
用するフロートの操作力が小さくても、主弁体を円滑に
開弁制御できる。さらに、逆円錐台形状の外形を有する
整流体の外周面および主弁座の内周面に同一角度のテー
パ面をそれぞれ設けたから、これらのテーパ面間での乱
流の発生を抑制して、主弁体の安定した動作が得られ
る。特に、主弁体の外周縁より内径側で主弁座のシール
用凸部を主弁体側のパッキンに当接したから、このシー
ル用凸部より外周側にある主弁体の端面に主弁体の閉弁
動作に抵抗する上向きの液圧を閉弁時まで作用させ、主
弁体の全閉直前における急閉動作を防ぎ、急閉による水
撃現象の発生を防止する。
【0018】請求項5に記載された発明は、請求項4記
載の弁装置において、シリンダと主弁体との間に、シリ
ンダの口径に応じて設定された間隙が設けられたもので
ある。
【0019】そして、シリンダと主弁体との間の間隙を
口径別に決定したことにより、主弁体に対する副弁体の
相対的リフト量が自動的に決定して、主弁体の下端面を
押上げる一次圧が変動しても、副弁体が残圧を自動的に
コントロールするため、弁作動軸に操作力を付与するフ
ロートの形状を口径別に決定でき、一次圧によりフロー
ト形状を変更する必要がない。
【0020】請求項6に記載された発明は、ケーシング
本体と、このケーシング本体の内部に設けられた円筒状
のシリンダと、このシリンダの下方に全周にわたって開
口した液流入用開口部と、この液流入用開口部を介して
前記シリンダの下方に設けられた主弁座と、この主弁座
の内方に設けられた液流出用開口部と、前記シリンダの
内部に上下動自在に嵌合され下部の外周面を前記液流入
用開口部に臨ませるとともに下端部を前記主弁座に接離
自在に対向させた円筒状の主弁体と、この主弁体の上方
に形成された主弁体室と、主弁体内に設けられ前記主弁
体室を主弁体の下方へ開放する副弁座と、主弁体の中心
部に上下方向に挿入された弁作動軸と、この弁作動軸と
一体的に設けられ弁作動軸の下降により前記主弁体の副
弁座を上方から閉じる副弁体と、前記弁作動軸と一体的
に設けられ前記副弁体が前記副弁座を開いた状態で前記
主弁体を係止する係止部と、前記弁作動軸に連結された
平行運動機構と、この平行運動機構により弁作動軸と平
行かつ逆方向へ移動自在に設けられた調整基軸部と、こ
の調整基軸部に対し上下方向摺動自在に嵌合され回転を
係止された高さ調整軸部と、この高さ調整軸部の下端に
設けられレベル制御対象の液面に設置されるフロート
と、前記調整基軸部の上端部に回動自在に設けられ高さ
調整軸部に螺合された調整ねじと、この調整ねじの上端
に設けられたハンドルとを具備した弁装置である。
【0021】そして、ハンドルを回動すると、調整ねじ
が回転して、この調整ねじと螺合する回転規制された高
さ調整軸部が、調整基軸部に対して上下方向にのみ移動
し、フロートを上下方向の自由な高さ位置にセットし、
制御しようとする液位や流量を可変調整する。調整され
た後の高さ調整軸部は、調整ねじを介して調整基軸部と
一体となり、フロートの上下動を平行運動機構を介して
弁作動軸に平行かつ逆方向の変位として伝え、副弁体を
介して主弁体を制御する。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示された実
施の一形態を参照しながら説明する。
【0023】図3に示されるように、液槽1の側壁に給
液管2が挿入され、この給液管2の先端部にフランジ部
3を介して円筒形のケーシング本体4の給液筒部5が接
続され、このケーシング本体4は液槽1内の液中に浸漬
される。液槽1の例えば反対側の上部には液取出口7が
設けられ、この液取出口7から液取出用の水路8が引出
されている。
【0024】図1に示されるように、ケーシング本体4
の上部開口縁にフランジ部9が溶接などにより一体に設
けられ、このフランジ部9に蓋板10がネジなどにより液
密に固定され、また、ケーシング本体4の内部では、そ
の比較的上部にリング状の仕切板11が溶接などにより一
体に設けられ、この仕切板11に円筒状のフランジ付きシ
リンダ12がネジなどにより一体的に取付けられている。
【0025】このフランジ付きシリンダ12の下方に、こ
のシリンダ12の下端の全周にわたって開口された液流入
用開口部13を介して主弁座14が配置され、この主弁座14
の内方に、図2に示されるように液流出用開口部15が設
けられている。
【0026】主弁座14の取付は、ケーシング本体4の下
部開口縁に溶接などにより一体に設けられたフランジ部
16に底板17がネジなどにより固定され、この底板17の中
央開口18の上縁部に前記主弁座14がネジなどにより一体
的に取付けられている。
【0027】また、前記シリンダ12の内部に前記主弁座
14と対向する円筒状の主弁体21が上下動自在に嵌合さ
れ、この主弁体21の上端部が、前記蓋板10と前記仕切板
11との間に形成された主弁体室22に臨んでいる。さら
に、主弁体21の下側の外周面が、前記全周にわたって開
口された液流入用開口部13に臨むとともに、主弁体21の
下端部が前記主弁座14に接離自在に対向されている。
【0028】前記シリンダ12と前記主弁体21との間に
は、シリンダ12の口径に応じて設定された間隙24が設け
られている。
【0029】また、前記主弁体21の上部内周面に円環状
の取付け凸部31が一体的に設けられ、この取付け凸部31
の中央部の穴32に軸受部33のフランジ部34がネジなどに
より固定され、この軸受部33の内部および主弁体21の下
部中央に、主弁体21の内部を上下方向に貫通する液抜孔
35,36が設けられ、これらの液抜孔35,36を通して上方
の主弁体室22から主弁体21の下方へ液抜きがなされる。
【0030】前記ケーシング本体4の上端部に液密に固
定された蓋板10には、その中央部にて穴37が穿設され、
この穴37に、Oリングなどのシール部材38が嵌着された
シール保持部材38a が溶接または螺合により気密に取付
けられ、シール部材38に、主弁体21を上下動する弁作動
軸39が摺動自在にかつ液密に嵌合されている。
【0031】また、前記蓋板10に空気排出孔41が穿設さ
れ、この空気排出孔41に空気排出弁40が設けられてい
る。空気排出弁40は、前記給液筒部5より液とともに間
隙24を経て主弁体室22内に流入した空気を外部に排出す
るためのものであり、この空気排出弁40の排気口には排
気用ホース40a が接続されている。
【0032】この空気排出弁40は、バルブボディの内部
に、主弁体室22内の液よりも軽いとともに空気よりも重
い比重を有するボールを内蔵し、このボールの上側にバ
ルブシートを配置したものである。
【0033】そして、主弁体室22の上部に空気溜りが生
じたときは、その主弁体室22内の空気は、空気排出弁40
のバルブボディとボールとの隙間および開口状態にある
上側のバルブシートを経て排気用ホース40a に排気さ
れ、また、主弁体室22内の液が空気排出弁40内まで上昇
した場合は、その液面とともに上昇したボールが上側の
バルブシートに押付けられて、液の流出を防止するもの
である。
【0034】前記弁作動軸39は、蓋板10のシール部材38
を通してケーシング本体4内に挿入され、主弁体21の中
心部に位置する軸受部33の液抜孔35に上下動自在に遊嵌
され、また、弁作動軸39の上部はケーシング本体4の外
部に常に引出されている。
【0035】この弁作動軸39に、弁作動軸39の下降によ
り主弁体21の下部の液抜孔36に設けられた副弁座42を上
方から閉じる副弁体43と、弁作動軸39の上昇により副弁
体43が副弁座42を開いた状態で軸受部33と係合して主弁
体21を係止する係止部44とが、それぞれ一体的に設けら
れている。
【0036】この係止部44は、ネジ(図示されず)によ
り弁作動軸39に移動調整可能に固定されたリング状部材
であり、この係止部44の固定位置により副弁体43の最大
リフト量が決定される。なお、係止部44は、軸受部33の
下面と当接しても軸受部33の下面を密閉する働きはな
く、主弁体室22内の液は、軸受部33と係止部44との隙間
を通って流れ落ちる。
【0037】また、前記主弁体21の下端面凹部にパッキ
ン50が嵌着され、このパッキン50を介して主弁体21の下
部に整流体51が一体的に突設されている。この整流体51
は、その最大径部でもパッキン50より小径の逆円錐台形
状の外形を有する。この整流体51の下側には凹部52が同
心状に形成されている。
【0038】この整流体51には、円筒状に一体成形され
た前記副弁座42が、その中心部より上方へ突設されてい
る。この円筒状の副弁座42を、前記パッキン50の中心穴
を通して、主弁体21の下端部中央に形成されたネジ穴53
に螺合するなどして、整流体51の上面にてパッキン50を
押圧固定している。
【0039】一方、前記主弁座14の内周縁よりシール用
凸部54がパッキン50と対向する側に突出され、このシー
ル用凸部54が、主弁体21の外周縁より内径側でパッキン
50に接離自在に当接される。
【0040】整流体51の外周面および主弁座14の内周面
にはテーパ面55,56がそれぞれ形成されているが、これ
らのテーパ面55,56は、同一角度であるから、整流体51
の下降時にテーパ面56の全面で密着されるとともに、上
昇時に全面にわたって等間隔に維持される。
【0041】前記整流体51の下側の凹部52には逆流防止
管57が、その上端部に一体成形されたフランジ部58にて
ネジなどにより固定され、前記副弁座42から前記主弁座
14の液流出用開口部15を通して底板17の下方へ、この逆
流防止管57が突出されている。
【0042】この逆流防止管57は、主弁体21の最上昇時
でも底板17の下方に突出するだけの十分な長さを有して
いるから、主弁座14の液流出用開口部15から流出しよう
とする乱流液が副弁座42へ逆流するおそれを確実に防止
できる。
【0043】図3に示されるように、前記弁作動軸39の
上端部に平行運動機構59が連結され、この平行運動機構
59を介して、レベル制御対象の液面Lに設置される円筒
形のフロート60が上下動自在に取付けられている。この
フロート60の上下方向変位は、平行運動機構59を介して
弁作動軸39に平行かつ逆向きに伝えられる。
【0044】この平行運動機構59は、ファームポンド、
分水工などの貯水部の開口縁61より支持部62が突設さ
れ、この支持部62の上部に上側レバー63の一端部が軸64
により回動自在に連結され、支持部62の下部に下側レバ
ー65の中間部が軸66により回動自在に連結され、下側レ
バー65の一端部に前記弁作動軸39の上部に一体的に取付
けられた延長軸67が軸68により回動自在に連結され、上
側レバー63および下側レバー65の各他端部にフロート高
さ調整機構71の円筒形の調整基軸部72より突出された一
対の突片73が軸74により回動自在に連結されている。
【0045】平行運動機構59は、フロート高さ調整機構
71の調整基軸部72と、弁作動軸39および延長軸67とが、
相互に平行にかつ逆方向へ移動可能に設けられている。
【0046】図4に示されるように、前記フロート高さ
調整機構71は、調整基軸部72に対し円筒形の高さ調整軸
部75が上下方向摺動自在に嵌合され、この高さ調整軸部
75の上部側面から突出された回止めピン76が、調整基軸
部72に穿設された上下方向の案内溝77に摺動自在に嵌合
されて、高さ調整軸部75が回転しないように係止されて
いる。
【0047】また、このフロート高さ調整機構71は、高
さ調整軸部75の下端にナット78が溶接付けされ、このナ
ット78にフロート取付ねじ79が螺合され、さらにこのフ
ロート取付ねじ79と螺合するロックナット81の締付けに
よりフロート取付ねじ79が固定されている。このロック
ナット81を緩めることにより、フロート取付ねじ79の上
下動調整が可能である。このフロート取付ねじ79の下端
に、自在継手82を介して、前記フロート60の上面中央部
が連結されている。
【0048】さらに、このフロート高さ調整機構71は、
前記調整基軸部72の上端部に取付けられたベアリング83
により、調整ねじ84の上部が回動自在かつ軸方向移動を
係止した状態で保持され、この調整ねじ84の下部ねじ溝
85が、高さ調整軸部75の上端部に一体化されたナット86
と螺合されている。この調整ねじ84の上端にはハンドル
87が設けられている。
【0049】なお、図2に示されるように、この弁装置
の製造時は、蓋板10に圧力計88を接続して、給液筒部5
からシリンダ12・主弁体21間の間隙24を経て主弁体室22
に発生するとともに副弁体43により制御されて弁体室22
の内部に残った残圧を、この圧力計88により計測し、そ
して、給液筒部5から液流入用開口部13に直接供給され
た一次圧と、上記圧力計88により計測された残圧との関
係が、一定の残圧曲線となるように、前記間隙24または
係止部44の位置を調整する。この点は、後で説明する。
【0050】次に、図1乃至図4に示された実施形態の
作用を、図5乃至図9を参照しながら説明する。
【0051】副弁体43の開弁動作が開始される前は、図
5に示されるように主弁座14のシール用凸部54が主弁体
21の外周縁より内径側でパッキン50に当接することによ
り、液流入用開口部13から主弁座14上に直接供給された
液圧すなわち一次圧が、シール用凸部54より外周側で主
弁体21の下端面を押上げる上向きの力として働いてい
る。
【0052】すなわち、主弁体21の外径に対して主弁座
14のシール用凸部54の外径は3〜6mm小さく形成してあ
るので、常に液流入用開口部13から直接供給された一次
圧が、主弁体21およびパッキン50の下端面であってシー
ル用凸部54の外周面より外側に位置する円環状受圧面
に、(一次圧)×(円環状受圧面の受圧面積)で表され
る上向きの力として作用している。
【0053】一方、主弁体21は、副弁体43で制御された
主弁体室22内および主弁体21内の残圧を、主弁体21の全
横断面積で受けているから、(副弁体43で制御された残
圧)×(主弁体21の全横断面積)で表される下向きの力
が、主弁体21に作用している。
【0054】図5から図6に示されるように、液槽1内
の液面Lの液位が下降すると、フロート60も液面Lに追
従するように、平行運動機構59の補助を受けて垂直に下
降するとともに、下側レバー65を介し延長軸67および弁
作動軸39が上昇し、図6に示されるように、先ず副弁体
43が副弁座42を開き、主弁体室22内および主弁体21内の
液が液抜孔35,36および逆流防止管57を経て外部に流出
する。
【0055】このように、副弁体43が開くと、一時的に
残圧が0となり、(一次圧)×(円環状受圧面の受圧面
積)の上向きの力を受けている主弁体21は、自重に抗し
て上昇を開始し、全閉状態から開状態へと開弁動作す
る。
【0056】そして、図7に示されるように、主弁体21
の開弁状態では、例えば、フロート60の下降力により副
弁体43が上昇して、副弁体43と副弁座42との隙間が拡大
すると、主弁体室22内の下向きの残圧が低下して、上向
きの力により主弁体21が上昇し、また、フロート60の上
昇力により副弁体43が下降して副弁座42との隙間が縮小
すると、主弁体室22内の下向きの残圧が上昇して、主弁
体21が下降することにより、上向きの力と下向きの力と
がバランスするから、小さなフロート力でも安定した主
弁体21の作動を得ることができ、主弁体21は、副弁体43
に追従するように上昇または下降し、フロート60の軽微
な上下動力により弁の開度は適量にセットされる。
【0057】すなわち、主弁体21が開弁動作を開始した
後は、液流入用開口部13から主弁座14上に直接供給され
液流出用開口部15より流出する一次圧が主弁体21の下面
および整流体51のテーパ面55を全周にわたって均等に押
上げる上向きの力と、シリンダ12と主弁体21との間隙24
を経て主弁体室22に供給された液圧が副弁体43により制
御されて主弁体室22および主弁体21内に残った残圧によ
る下向きの力とがバランスする開弁位置に主弁体21が保
たれるから、弁作動軸39に作用するフロート60の操作力
が小さくても、副弁体43により主弁体21を安定して動作
制御できる。
【0058】このようにして、主弁体21が開弁制御され
ている間、給液管2より給液筒部5に供給された液が、
液流入用開口部13、主弁座14の液流出用開口部15および
底板17の中央開口18を経て液槽1内に流入するから、液
槽1内の液面Lが上昇復帰する。
【0059】図7から図8さらには図5に示されるよう
に液面Lの液位が上昇して、フロート60が原位置に上昇
復帰すると、副弁体43が副弁座42を閉じる方向に移動し
て最後は開くことがないから、主弁体21も一次圧と等し
い下向きの残圧により図5に示されるように主弁座14を
閉じるまで下降して、液槽1内への液の供給を停止す
る。
【0060】この主弁体21が下降するときに、常に整流
体51の外周面および主弁体21の下端パッキン面に主弁体
21を押上げようとする液圧が作用するから、主弁体21の
みが副弁体43から離れて下降することがなく、主弁体21
はフロート60と連動する副弁体43の下降に追従するよう
に徐々に下降して主弁座14を徐々に閉じる。
【0061】その際、逆円錐台形状の外形を有する整流
体51の外周面および主弁座14の内周面に同一角度のテー
パ面55,56をそれぞれ設けたから、これらのテーパ面5
5,56間の均一な隙間により乱流の発生を抑制して、主
弁体21の安定した動作が得られる。
【0062】さらに、主弁体21が全閉状態となる直前の
閉まり際に、整流体51と主弁座14との間の平行な隙間で
生ずる圧も高まるから、この圧による上向きの力により
主弁体21の急激な閉弁動作を防止でき、主弁体21は、水
撃現象(ウォータハンマ現象)を発生させないように主
弁座14の閉めきりを徐々に行なう。
【0063】特に、主弁体21の全閉直前は、主弁体21の
外周縁より内径側で主弁座14のシール用凸部54を主弁体
21側のパッキン50に当接しようとするから、このシール
用凸部54より外周側に位置する主弁体21の下端面に対し
て、主弁体21の閉弁動作に抵抗する上向きの液圧が最後
まで作用して、主弁体21の全閉直前における急閉動作を
防ぎ、急閉による水撃現象(ウォータハンマ現象)の発
生を効果的に防止できる。
【0064】そして、図5に示される全閉時の主弁体室
22の残圧は、前記シリンダ12と前記主弁体21との間に設
けられた間隙24を通して一次圧と等しくなり、主弁体21
は完全止水を行うことができる。
【0065】次に、シリンダ12と主弁体21との間の間隙
24の寸法は、シリンダ12の口径別に実験にて決定して設
定したことにより、主弁体21に対する副弁体43の相対的
リフト量(1mm以内)を決定して、主弁体21の下端面を
押上げる一次圧がO〜7kgf/cm2 の範囲で変動して
も、副弁体43が残圧を自動的にコントロールするため、
弁作動軸39に操作力を付与するフロート60の形状を口径
別に決定でき、一次圧によりフロート形状を変更する必
要がない。
【0066】すなわち、副弁体43が開くと、圧力計88で
計測される主弁体室22の残圧は一時的に0となるが、そ
の後は、例えば図9の特性曲線で示される残圧が発生す
るように、間隙24の寸法を、シリンダ12の口径に応じて
弁装置の製造時に予め設定する。
【0067】この図9で示された特性曲線は、図2に示
されるように主弁体21が主弁座14から上昇したリフト距
離S=約10mmの開時の残圧曲線である。なお、この主
弁体21のリフト距離Sの最大値すなわち全開値は、シリ
ンダ12の口径の50%程度が望ましく、例えばシリンダ
口径が100mmの場合は、主弁体21の全開値を50mm程
度とする。
【0068】間隙24を形成する際に、工作上の誤差が発
生したときは、間隙24を再度加工するか、または副弁体
43の最大リフト量を決定する係止部44の弁作動軸39に対
する固定位置を移動修正する。シリンダ口径別の間隙24
は、実績値から決める。
【0069】さらに、ケーシング本体4の蓋板10に設け
られた空気排出弁40により、主弁体室22内の空気を外部
に排出することによって、空気の圧縮性による副弁体43
の誤作動さらには主弁体21の誤作動を防止する。
【0070】すなわち、本弁装置は主弁体室22の圧力が
副弁体43の弁開度状況によって変化する点を利用してお
り、シリンダ12と主弁体21との間隙24で上昇した液が主
弁体室22に入り込み、全閉時は、(一次圧)×(主弁体
21の全横断面積)の力で止水し、開弁時は、(副弁体43
で制御された主弁体室22の残圧)×(主弁体21の全横断
面積)の力で、フロート60の浮力を助けながら、主弁体
21の動作を安定させる。
【0071】このとき、副弁体43は、安全弁的な働きを
するため、主弁体室22に空気があると、圧縮性大の空気
により主弁体室22内の残圧に狂いが生じて、誤作動を起
こすので、空気排出弁40により主弁体室22内の空気を外
部へ排出する。
【0072】また、主弁体21内の副弁座42から下方へ連
続的に突出された逆流防止管57により、主弁座14の液流
出用開口部15から乱流状態で吐出する液が副弁座42へ逆
流するおそれを防止し、副弁体43の安定した制御動作を
確保する。
【0073】すなわち、副弁体43は、1mm以内の動作で
微妙なコントロールを行っているが、主弁座14の液流出
用開口部15から吐出される液は乱流状態を起こしている
ため、この逆流防止管57がないと、副弁座42から主弁体
21内に液が逆流して主弁体21内の残圧を不規則な値に
し、副弁体43の微妙なコントロールを狂わすので、この
主弁体21内の残圧を安定させるために、副弁座42を逆流
防止管57により乱流域外に導くようにしている。
【0074】また、主弁体21の下端面にパッキン50を設
け、主弁座14にパッキン50と当接する小さなシール用凸
部54を設けることにより、従来の主弁座にボルトにてパ
ッキンを取付ける場合のように、主弁座側から大きく突
出するボルトおよびパッキン押えなどの部材がなくなる
から、主弁座14におけるゴミ詰りが減少する。
【0075】さらに、フロート60の上下動と連動する弁
作動軸39は、ケーシング本体4の上端部に固定された蓋
板10のシール部材38を貫通して、ケーシング本体4の上
方に引出すことにより、弁作動軸39を主弁座14の液流出
用開口部15を通して下方へ引出す従来の場合に比べ、流
出液による弁作動軸39の振動および摩耗の発生を回避す
る。
【0076】次に、図4に示されたフロート高さ調整機
構71は、ファームポンドや、分水工での水位や流量を簡
単に調整したいときに便利である。すなわち、ハンドル
87を回動すると、調整ねじ84が回転して、この調整ねじ
84とナット86を介し螺合する高さ調整軸部75が、回止め
ピン76と案内溝77との係合による回転規制により、調整
基軸部72に対して上下方向にのみ移動し、フロート60を
上下方向の自由な位置にセットでき、制御しようとする
液位や流量を可変調整できる。
【0077】さらに、いったん調整された後の高さ調整
軸部75は、調整ねじ84を介して調整基軸部72と一体とな
り、フロート60の上下動を平行運動機構59を介して弁作
動軸39に平行かつ逆方向の変位として正確に伝え、副弁
体43を上下動制御することにより、主弁体21を間接的に
上下動制御する。
【0078】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、ケーシン
グ本体の上端部に固定された蓋板より、シール部材を通
して弁作動軸をケーシング本体の外部に引出したから、
弁作動軸を液流出用開口部を通して下方へ引出す場合に
比べ、流出液による振動および摩耗の発生を回避でき
る。
【0079】請求項2記載の発明によれば、ケーシング
本体の蓋板に設けられた空気排出弁により、主弁体室内
の空気を外部に排出することによって、空気の圧縮性に
よる副弁体の誤作動さらには主弁体の誤作動を防止でき
る。
【0080】請求項3記載の発明によれば、主弁体の副
弁座から主弁座の液流出用開口部を通して下方へ突設さ
れた逆流防止管により、主弁座の液流出用開口部から乱
流状態で吐出する液が副弁座へ逆流するおそれを防止で
き、副弁体の安定した制御動作を確保できる。
【0081】請求項4記載の発明によれば、主弁体の下
端面にパッキンを設けることにより、主弁座側にボルト
にてパッキンを取付ける従来例よりも、主弁座側から突
出する部分を小さくすることができ、主弁座におけるゴ
ミ詰りを減少させることができる。
【0082】また、主弁座のシール用凸部が主弁体の外
周縁より内径側でパッキンに当接することにより、閉弁
時においても液流入用開口部から主弁座上に直接供給さ
れた液の一次圧がシール用凸部より外周側で主弁体の下
端面を押上げる上向きの力を確保でき、シリンダと主弁
体との間隙を経て主弁体室内に入り主弁体に下向きの力
として作用する液圧を弁作動軸の副弁体にて制御するこ
とにより、弁作動軸に作用するフロートの操作力が小さ
くても、主弁体を円滑に開弁制御できる。
【0083】さらに、逆円錐台形状の外形を有する整流
体の外周面および主弁座の内周面に同一角度のテーパ面
をそれぞれ設けたから、これらのテーパ面間での乱流の
発生を抑制して、主弁体の安定した動作が得られる。
【0084】特に、主弁体の外周縁より内径側で主弁座
のシール用凸部を主弁体側のパッキンに当接したから、
このシール用凸部より外周側にある主弁体の端面に主弁
体の閉弁動作に抵抗する上向きの液圧を閉弁時まで確保
でき、主弁体の全閉直前における急閉動作を防ぎ、急閉
による水撃現象の発生を防止できる。
【0085】請求項5記載の発明によれば、シリンダと
主弁体との間の間隙をシリンダの口径別に決定したこと
により、主弁体に対する副弁体の相対的リフト量を自動
的に決定して、主弁体の下端面を押上げる一次圧が変動
しても、副弁体が残圧を自動的にコントロールするた
め、フロート形状を口径別に決定でき、一次圧によりフ
ロート形状を変更する必要がない。
【0086】請求項6記載の発明によれば、ハンドルを
回動すると、調整ねじが回転して、この調整ねじと螺合
する回転規制された高さ調整軸部が、調整基軸部に対し
て上下方向にのみ移動し、フロートを上下方向の自由な
高さ位置にセットでき、制御しようとする液位や流量を
簡単に可変調整できる。調整された後の高さ調整軸部
は、調整ねじを介して調整基軸部と一体となり、フロー
トの上下動を平行運動機構を介して弁作動軸に正確に伝
えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る弁装置の実施の一形態を示す断面
図である。
【図2】同上弁装置の開弁状態を示す断面図である。
【図3】同上弁装置の液槽への取付け状態を示す正面図
である。
【図4】同上弁装置のフロート高さ調整機構を示す断面
図である。
【図5】同上弁装置の閉弁状態を示す断面図である。
【図6】同上弁装置の液位下降時の作動を説明する開弁
開始状態の断面図である。
【図7】同上弁装置の開弁状態を示す断面図である。
【図8】同上弁装置の液位上昇時の作動を説明する閉弁
直前状態の断面図である。
【図9】同上弁装置における一次圧と残圧との関係を示
す特性図である。
【符号の説明】
4 ケーシング本体 10 蓋板 12 シリンダ 13 液流入用開口部 14 主弁座 15 液流出用開口部 21 主弁体 22 主弁体室 24 間隙 37 穴 38 シール部材 40 空気排出弁 39 弁作動軸 42 副弁座 43 副弁体 44 係止部 50 パッキン 51 整流体 54 シール用凸部 55,56 テーパ面 57 逆流防止管 59 平行運動機構 60 フロート 72 調整基軸部 75 高さ調整軸部 84 調整ねじ 87 ハンドル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング本体と、 このケーシング本体の内部に設けられた円筒状のシリン
    ダと、 このシリンダの下方に全周にわたって開口した液流入用
    開口部と、 この液流入用開口部を介して前記シリンダの下方に設け
    られた主弁座と、 この主弁座の内方に設けられた液流出用開口部と、 前記シリンダの内部に上下動自在に嵌合され下部の外周
    面を前記液流入用開口部に臨ませるとともに下端部を前
    記主弁座に接離自在に対向させた円筒状の主弁体と、 この主弁体の上方に形成された主弁体室と、 主弁体内に設けられ前記主弁体室を主弁体の下方へ開放
    する副弁座と、 主弁体の中心部に上下方向に挿入された弁作動軸と、 この弁作動軸と一体的に設けられ弁作動軸の下降により
    前記主弁体の副弁座を上方から閉じる副弁体と、 前記弁作動軸と一体的に設けられ前記副弁体が前記副弁
    座を開いた状態で前記主弁体を係止する係止部と、 前記ケーシング本体の上端部に液密に固定された蓋板
    と、 この蓋板に穿設された穴と、 この穴に取付けられケーシング本体の外部に引出された
    弁作動軸と摺動自在にかつ液密に嵌合するシール部材と
    を具備したことを特徴とする弁装置。
  2. 【請求項2】 ケーシング本体と、 このケーシング本体の内部に設けられた円筒状のシリン
    ダと、 このシリンダの下方に全周にわたって開口した液流入用
    開口部と、 この液流入用開口部を介して前記シリンダの下方に設け
    られた主弁座と、 この主弁座の内方に設けられた液流出用開口部と、 前記シリンダの内部に上下動自在に嵌合され下部の外周
    面を前記液流入用開口部に臨ませるとともに下端部を前
    記主弁座に接離自在に対向させた円筒状の主弁体と、 この主弁体の上方に形成された主弁体室と、 主弁体内に設けられ前記主弁体室を主弁体の下方へ開放
    する副弁座と、 主弁体の中心部に上下方向に挿入された弁作動軸と、 この弁作動軸と一体的に設けられ弁作動軸の下降により
    前記主弁体の副弁座を上方から閉じる副弁体と、 前記弁作動軸と一体的に設けられ前記副弁体が前記副弁
    座を開いた状態で前記主弁体を係止する係止部と、 前記ケーシング本体の上端部に液密に固定された蓋板
    と、 この蓋板に設けられ前記主弁体室内の空気を外部に排出
    する空気排出弁とを具備したことを特徴とする弁装置。
  3. 【請求項3】 ケーシング本体と、 このケーシング本体の内部に設けられた円筒状のシリン
    ダと、 このシリンダの下方に全周にわたって開口した液流入用
    開口部と、 この液流入用開口部を介して前記シリンダの下方に設け
    られた主弁座と、 この主弁座の内方に設けられた液流出用開口部と、 前記シリンダの内部に上下動自在に嵌合され下部の外周
    面を前記液流入用開口部に臨ませるとともに下端部を前
    記主弁座に接離自在に対向させた円筒状の主弁体と、 この主弁体の上方に形成された主弁体室と、 主弁体内に設けられ前記主弁体室を主弁体の下方へ開放
    する副弁座と、 主弁体の中心部に上下方向に挿入された弁作動軸と、 この弁作動軸と一体的に設けられ弁作動軸の下降により
    前記主弁体の副弁座を上方から閉じる副弁体と、 前記弁作動軸と一体的に設けられ前記副弁体が前記副弁
    座を開いた状態で前記主弁体を係止する係止部と、 前記主弁体の副弁座から前記主弁座の液流出用開口部を
    通して下方へ突設され主弁座から副弁座への逆流を防止
    する逆流防止管とを具備したことを特徴とする弁装置。
  4. 【請求項4】 ケーシング本体と、 このケーシング本体の内部に設けられた円筒状のシリン
    ダと、 このシリンダの下方に全周にわたって開口した液流入用
    開口部と、 この液流入用開口部を介して前記シリンダの下方に設け
    られた主弁座と、 この主弁座の内方に設けられた液流出用開口部と、 前記シリンダの内部に上下動自在に嵌合され下部の外周
    面を前記液流入用開口部に臨ませるとともに下端部を前
    記主弁座に接離自在に対向させた円筒状の主弁体と、 この主弁体の上方に形成された主弁体室と、 主弁体内に設けられ前記主弁体室を主弁体の下方へ開放
    する副弁座と、 主弁体の中心部に上下方向に挿入された弁作動軸と、 この弁作動軸と一体的に設けられ弁作動軸の下降により
    前記主弁体の副弁座を上方から閉じる副弁体と、 前記弁作動軸と一体的に設けられ前記副弁体が前記副弁
    座を開いた状態で前記主弁体を係止する係止部と、 前記弁作動軸にこの弁作動軸と平行かつ逆方向へ移動自
    在に連結されレベル制御対象の液面に設置されるフロー
    トと、 前記主弁体の下端面に設けられたパッキンと、 このパッキンを介して主弁体の下部に設けられ最大径部
    でもパッキンより小径の逆円錐台形状の外形を有する整
    流体と、 前記主弁座の内周縁よりパッキンと対向する側に突出さ
    れ主弁体の外周縁より内径側でパッキンに当接するシー
    ル用凸部と、 整流体の外周面および主弁座の内周面に同一角度でそれ
    ぞれ設けられたテーパ面とを具備したことを特徴とする
    弁装置。
  5. 【請求項5】 シリンダと主弁体との間に設けられ、シ
    リンダの口径に応じて設定された間隙を具備したことを
    特徴とする請求項4記載の弁装置。
  6. 【請求項6】 ケーシング本体と、 このケーシング本体の内部に設けられた円筒状のシリン
    ダと、 このシリンダの下方に全周にわたって開口した液流入用
    開口部と、 この液流入用開口部を介して前記シリンダの下方に設け
    られた主弁座と、 この主弁座の内方に設けられた液流出用開口部と、 前記シリンダの内部に上下動自在に嵌合され下部の外周
    面を前記液流入用開口部に臨ませるとともに下端部を前
    記主弁座に接離自在に対向させた円筒状の主弁体と、 この主弁体の上方に形成された主弁体室と、 主弁体内に設けられ前記主弁体室を主弁体の下方へ開放
    する副弁座と、 主弁体の中心部に上下方向に挿入された弁作動軸と、 この弁作動軸と一体的に設けられ弁作動軸の下降により
    前記主弁体の副弁座を上方から閉じる副弁体と、 前記弁作動軸と一体的に設けられ前記副弁体が前記副弁
    座を開いた状態で前記主弁体を係止する係止部と、 前記弁作動軸に連結された平行運動機構と、 この平行運動機構により弁作動軸と平行かつ逆方向へ移
    動自在に設けられた調整基軸部と、 この調整基軸部に対し上下方向摺動自在に嵌合され回転
    を係止された高さ調整軸部と、 この高さ調整軸部の下端に設けられレベル制御対象の液
    面に設置されるフロートと、 前記調整基軸部の上端部に回動自在に設けられ高さ調整
    軸部に螺合された調整ねじと、 この調整ねじの上端に設けられたハンドルとを具備した
    ことを特徴とする弁装置。
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