JPH11209803A - 多孔質体の製造法 - Google Patents
多孔質体の製造法Info
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- JPH11209803A JPH11209803A JP10052640A JP5264098A JPH11209803A JP H11209803 A JPH11209803 A JP H11209803A JP 10052640 A JP10052640 A JP 10052640A JP 5264098 A JP5264098 A JP 5264098A JP H11209803 A JPH11209803 A JP H11209803A
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Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】熱電発電や温度制御、熱交換器、軸受け、鋳型
などに利用される多孔体の製造法。 【解決手段】粉末に、その粉末より融点の低い物質を被
覆して、仮焼結した後、ホットプレスなどで本焼結する
方法。
などに利用される多孔体の製造法。 【解決手段】粉末に、その粉末より融点の低い物質を被
覆して、仮焼結した後、ホットプレスなどで本焼結する
方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱電発電や温度制御,熱
交換器,軸受け,鋳型などに利用される多孔質体の製造
法に関するものである。
交換器,軸受け,鋳型などに利用される多孔質体の製造
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多孔質体の製造法としては,発泡を利用
する方法と粉末を焼結させる方法などがある。発泡を利
用する方法は特定の材質に限定されるし,通常通気性が
なく,空隙率の制御が容易でないため特殊な場合に限ら
れる。このため,粉末を圧粉焼結する方法が一般的に使
用されている。例えば,熱電素子を多孔質体とし,ガス
を流すことにより熱交換機能を持つ新しい形式の多孔質
熱電素子が提案されており,粉末を加圧し高温度として
焼結する方法やプラズマ焼結を行う方法などが試みられ
ている。また実用に際しては熱電素子はn型とp型の対
にして,あるいは,この対になった素子を多数接続した
モジュールとして使用するため,素子の接続が必要であ
るが,この素子の接合は個々の素子をろう付けして行わ
れている。
する方法と粉末を焼結させる方法などがある。発泡を利
用する方法は特定の材質に限定されるし,通常通気性が
なく,空隙率の制御が容易でないため特殊な場合に限ら
れる。このため,粉末を圧粉焼結する方法が一般的に使
用されている。例えば,熱電素子を多孔質体とし,ガス
を流すことにより熱交換機能を持つ新しい形式の多孔質
熱電素子が提案されており,粉末を加圧し高温度として
焼結する方法やプラズマ焼結を行う方法などが試みられ
ている。また実用に際しては熱電素子はn型とp型の対
にして,あるいは,この対になった素子を多数接続した
モジュールとして使用するため,素子の接続が必要であ
るが,この素子の接合は個々の素子をろう付けして行わ
れている。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】多孔質熱電素子など
の多孔質体ではガスを流すため空隙率をある程度大きく
しなければならない。従来の粉末焼結法を強度が低い粉
末に適用した場合,粒子が破壊され必要とする連続した
空隙率を確保することが困難である。また,複数の種類
の多孔質体の一体成形法が切望されている。例えば,多
孔質熱電素子の場合,電極や絶縁部なども全てガス流動
抵抗が小さいように工夫する必要があり,従来の方法で
はそれらの接続が容易ではなく,コストも高い。さらに
p,n素子の接合,何十という素子の接続などをろう付
けなどで行うと生産性が悪くコストが高くなる。またろ
う付けではろう材の融点が低い,酸化する,素子の熱電
特性を悪化させる危険性があるなど適切なろう材がない
場合が多く,ろう付けを使用しない一体成形法が望まれ
ている。なお,これらの問題は多孔質体のみならず,熱
電材料焼結素子などでも問題となっている。
の多孔質体ではガスを流すため空隙率をある程度大きく
しなければならない。従来の粉末焼結法を強度が低い粉
末に適用した場合,粒子が破壊され必要とする連続した
空隙率を確保することが困難である。また,複数の種類
の多孔質体の一体成形法が切望されている。例えば,多
孔質熱電素子の場合,電極や絶縁部なども全てガス流動
抵抗が小さいように工夫する必要があり,従来の方法で
はそれらの接続が容易ではなく,コストも高い。さらに
p,n素子の接合,何十という素子の接続などをろう付
けなどで行うと生産性が悪くコストが高くなる。またろ
う付けではろう材の融点が低い,酸化する,素子の熱電
特性を悪化させる危険性があるなど適切なろう材がない
場合が多く,ろう付けを使用しない一体成形法が望まれ
ている。なお,これらの問題は多孔質体のみならず,熱
電材料焼結素子などでも問題となっている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は,粉末の種類や
目的によって下記の手段を適切に組み合わせること,あ
るいは単独で,上記課題を解決するものである:(1)
粉末に,その粉末より融点の低い物質を被覆して,仮焼
結した後,ホットプレスなどで本焼結する。(2)熱電
材料粉末においては,ドーパント材でかつ粉末より融点
の低い物質を被覆して焼結する。(3)粉末に,その粉
末より融点が低く,かつ,粉末組成の少なくとも一つの
成分を主成分とする物質を被覆して焼結する。(4)粉
末と,塩類などのダミー粉末を混合して焼結し,その後
にダミー粉末を溶出あるいは溶解除去する。(5)粉末
を仮焼結した後,上記請求項4で記載したダミー粉末の
微粉あるいは融体を仮焼結体の空隙部に充填してホット
プレスなどで本焼結させ,焼結後ダミー体を溶出あるい
は溶解除去する。(6)上記1,2,3で述べた被覆粉
末を,上記4,5で述べた方法で焼結する。(7)上記
1,2,3の方法で異種粉末,例えばAとBの粉末で,
まずA粉末を積層し多孔質体を構成する部分のみをレー
ザー等で仮焼結し,不要な未焼結部を重力,気流,電磁
気力などを利用して除去し,次に,B粉末を供給・積層
し同様に仮焼結する操作を繰り返し,最後にホットプレ
スなどで本焼結して,複数の種類の粉末からなる多孔質
体を一体成形する。(8)上記7の方法で,上記4で記
載した混合粉末を使用し,本焼結して,最後にダミー粉
末を除き多孔質体を一体成形する。(9)上記7,8の
方法で複数の多孔質体と電極などを集積したモジュール
を一体成形する。(10)熱電材料粉末に対して上記
1,あるいは3,あるいは4,あるい5,あるいは6,
あるいは7,あるいは8,あるいは9の方法を適用して
多孔質体熱電素子とする方法
目的によって下記の手段を適切に組み合わせること,あ
るいは単独で,上記課題を解決するものである:(1)
粉末に,その粉末より融点の低い物質を被覆して,仮焼
結した後,ホットプレスなどで本焼結する。(2)熱電
材料粉末においては,ドーパント材でかつ粉末より融点
の低い物質を被覆して焼結する。(3)粉末に,その粉
末より融点が低く,かつ,粉末組成の少なくとも一つの
成分を主成分とする物質を被覆して焼結する。(4)粉
末と,塩類などのダミー粉末を混合して焼結し,その後
にダミー粉末を溶出あるいは溶解除去する。(5)粉末
を仮焼結した後,上記請求項4で記載したダミー粉末の
微粉あるいは融体を仮焼結体の空隙部に充填してホット
プレスなどで本焼結させ,焼結後ダミー体を溶出あるい
は溶解除去する。(6)上記1,2,3で述べた被覆粉
末を,上記4,5で述べた方法で焼結する。(7)上記
1,2,3の方法で異種粉末,例えばAとBの粉末で,
まずA粉末を積層し多孔質体を構成する部分のみをレー
ザー等で仮焼結し,不要な未焼結部を重力,気流,電磁
気力などを利用して除去し,次に,B粉末を供給・積層
し同様に仮焼結する操作を繰り返し,最後にホットプレ
スなどで本焼結して,複数の種類の粉末からなる多孔質
体を一体成形する。(8)上記7の方法で,上記4で記
載した混合粉末を使用し,本焼結して,最後にダミー粉
末を除き多孔質体を一体成形する。(9)上記7,8の
方法で複数の多孔質体と電極などを集積したモジュール
を一体成形する。(10)熱電材料粉末に対して上記
1,あるいは3,あるいは4,あるい5,あるいは6,
あるいは7,あるいは8,あるいは9の方法を適用して
多孔質体熱電素子とする方法
【0005】
【作用】粉末表面を粉末より融点の低い材料で被覆すれ
ば,粉末が溶解するより早く,被覆材が溶解して,焼結
が可能となる。すなわち,より低温で焼結が可能とな
る。あるいは,焼結を促進しなくても,仮焼結ができ,
ある程度の機械的強度がでれば,その後の本焼結時のハ
ンドリングが容易になり生産性が増す。この他,被覆に
より単に焼結性向上のみならず,焼結体の性能を向上さ
せることも可能である。 例えば,FeSi2系熱電材
料粉末においてはCuやCuの合金を被覆して焼結させ
ると,Cu合金の融点はFeSi2粉末の融点より低い
ので,容易にFeSi2粉末中に拡散して,焼結が容易
になるばかりでなく,「特願平7−109912」で述
べたように,β化が容易になり,性能が向上する。な
お,仮焼結と本焼結に分けるのは,ホットプレスなどの
本焼結では,素材にある程度の機械的強度がないとハン
ドリングコストが高くなったり,生産性が低下するから
である。Agなどの融点が低く,ドーパントとなる物質
を熱電材料粉末に被覆すると,焼結が容易でかつドーパ
ントも同時に添加できる利点がある。さらに,粉末の成
分の少なくとも一つの成分を主成分とする物質で粉末よ
り低い融点の物質で被覆すると,融解した被覆材が粉末
と良く濡れるため焼結が早く,より望ましい。また,拡
散して粉末と同化し,性能を劣化する危険性が少ない。
例えば,PbTe化合物は脆く焼結性が悪く多孔質体や
焼結体が得にくいが,その成分の一つであるPbを被覆
して焼結すると,Pbが溶け,拡散が進み容易に均質な
多孔質体とすることができる。ただし,この場合,粉末
中のPb濃度は,被覆した量だけ減らしておく必要があ
る。また,粉末の酸化を防止できる被覆の場合,粉末表
面が清浄であれば容易に焼結が進む。特に,共晶組成の
物質を被覆すると,融点が著しく低下いので焼結が容易
となるばかりでなく,拡散して表面も内部と同じ組成に
なる。以上の方法のみでは機械的強度が低い粉末では焼
結時の加圧により粉末が破砕され空隙率が低下する場合
がある。この場合には,NaClやKClなどの塩類あ
るいは水溶性樹脂などのダミー粉末を混合して焼結し,
その後でダミー粉末を溶出あるいは溶解除去して多孔質
体とする。この場合,ダミー粉末の存在により粉末には
ほぼ圧縮力のみがかかるようになり,破砕が避けられ
る。同様に,粉末を仮焼結した後,ダミー粉末の微粉あ
るいは融体を仮焼結体の空隙部に充填して加圧・焼結す
れば,粉末の破砕を防ぎ,空隙率の高い多孔質体を製造
できる。なお,これらの方法で,上記の被覆粉末を使用
すると,より低い加圧力で焼結が進行するので,より脆
い粉末でも多孔質体が得られる。上記の方法と,一種の
粉末ラピッドプロトタイピング法を組み合わせることに
より,複数の多孔質体の一体成形法が可能になる。従来
の粉末ラピッドプロトタイピング法との相違点は,
(1)上記の特徴ある粉末を使用することと,(2)不
要部を最後最後ではなく,供給した粉末の1あるいは数
層ごとに,未焼結部を除去し,異なる種類の粉末を供給
して仮焼結し,これを繰り返すことにより,複数の多孔
質体の仮焼結体を製作し,その後に本焼結して多孔質体
とする点である。仮焼結と本焼結が必要なのは,仮焼結
だけでは十分な焼結が得られずあるいは仮焼結に時間が
かかり過ぎ,コストがかかるからである。本焼結では,
適切な雰囲気下で加圧も自由にできるので,焼結しやす
い。さらに,熱電素子などでは,上記の方法で,p,n
素子のみならず,電極(バルク材でも可)や絶縁体も積
層して,数百,数千という集積モジュールを一体成形で
きる。
ば,粉末が溶解するより早く,被覆材が溶解して,焼結
が可能となる。すなわち,より低温で焼結が可能とな
る。あるいは,焼結を促進しなくても,仮焼結ができ,
ある程度の機械的強度がでれば,その後の本焼結時のハ
ンドリングが容易になり生産性が増す。この他,被覆に
より単に焼結性向上のみならず,焼結体の性能を向上さ
せることも可能である。 例えば,FeSi2系熱電材
料粉末においてはCuやCuの合金を被覆して焼結させ
ると,Cu合金の融点はFeSi2粉末の融点より低い
ので,容易にFeSi2粉末中に拡散して,焼結が容易
になるばかりでなく,「特願平7−109912」で述
べたように,β化が容易になり,性能が向上する。な
お,仮焼結と本焼結に分けるのは,ホットプレスなどの
本焼結では,素材にある程度の機械的強度がないとハン
ドリングコストが高くなったり,生産性が低下するから
である。Agなどの融点が低く,ドーパントとなる物質
を熱電材料粉末に被覆すると,焼結が容易でかつドーパ
ントも同時に添加できる利点がある。さらに,粉末の成
分の少なくとも一つの成分を主成分とする物質で粉末よ
り低い融点の物質で被覆すると,融解した被覆材が粉末
と良く濡れるため焼結が早く,より望ましい。また,拡
散して粉末と同化し,性能を劣化する危険性が少ない。
例えば,PbTe化合物は脆く焼結性が悪く多孔質体や
焼結体が得にくいが,その成分の一つであるPbを被覆
して焼結すると,Pbが溶け,拡散が進み容易に均質な
多孔質体とすることができる。ただし,この場合,粉末
中のPb濃度は,被覆した量だけ減らしておく必要があ
る。また,粉末の酸化を防止できる被覆の場合,粉末表
面が清浄であれば容易に焼結が進む。特に,共晶組成の
物質を被覆すると,融点が著しく低下いので焼結が容易
となるばかりでなく,拡散して表面も内部と同じ組成に
なる。以上の方法のみでは機械的強度が低い粉末では焼
結時の加圧により粉末が破砕され空隙率が低下する場合
がある。この場合には,NaClやKClなどの塩類あ
るいは水溶性樹脂などのダミー粉末を混合して焼結し,
その後でダミー粉末を溶出あるいは溶解除去して多孔質
体とする。この場合,ダミー粉末の存在により粉末には
ほぼ圧縮力のみがかかるようになり,破砕が避けられ
る。同様に,粉末を仮焼結した後,ダミー粉末の微粉あ
るいは融体を仮焼結体の空隙部に充填して加圧・焼結す
れば,粉末の破砕を防ぎ,空隙率の高い多孔質体を製造
できる。なお,これらの方法で,上記の被覆粉末を使用
すると,より低い加圧力で焼結が進行するので,より脆
い粉末でも多孔質体が得られる。上記の方法と,一種の
粉末ラピッドプロトタイピング法を組み合わせることに
より,複数の多孔質体の一体成形法が可能になる。従来
の粉末ラピッドプロトタイピング法との相違点は,
(1)上記の特徴ある粉末を使用することと,(2)不
要部を最後最後ではなく,供給した粉末の1あるいは数
層ごとに,未焼結部を除去し,異なる種類の粉末を供給
して仮焼結し,これを繰り返すことにより,複数の多孔
質体の仮焼結体を製作し,その後に本焼結して多孔質体
とする点である。仮焼結と本焼結が必要なのは,仮焼結
だけでは十分な焼結が得られずあるいは仮焼結に時間が
かかり過ぎ,コストがかかるからである。本焼結では,
適切な雰囲気下で加圧も自由にできるので,焼結しやす
い。さらに,熱電素子などでは,上記の方法で,p,n
素子のみならず,電極(バルク材でも可)や絶縁体も積
層して,数百,数千という集積モジュールを一体成形で
きる。
【0006】
【実施例】以下,本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
て詳述する。
【0007】(実施例1)粒径200−1000μmの
(Bi,Sb)2Te3熱電材料粉末とKCl粉末を重
量比率で0.04から0.18%均一に混合し,温度4
00℃,圧力20−30MPaで焼結した。その後,水
によりKClを溶解させることにより多孔質熱電素子が
得られた。熱電能は200μV/K程度,透過率は10
−9〜10−10m2であった。
(Bi,Sb)2Te3熱電材料粉末とKCl粉末を重
量比率で0.04から0.18%均一に混合し,温度4
00℃,圧力20−30MPaで焼結した。その後,水
によりKClを溶解させることにより多孔質熱電素子が
得られた。熱電能は200μV/K程度,透過率は10
−9〜10−10m2であった。
【0008】(実施例2)AgドープPbTe熱電材料
の粒子とKCl粉末を重量比率で0.04から0.18
%均一に混合し,温度700℃,圧力20−30MPa
で焼結した。その後,水によりKClを溶解させること
により多孔質熱電素子が得られた。熱電能は200μV
/K程度,透過率は10−9〜10−10m2であっ
た。 (比較例1)実施例1,2の熱電材料粉末のみを20M
Paで加圧,焼結したところ,粉末が破壊し,強度のあ
る多孔質体は得られなかった。
の粒子とKCl粉末を重量比率で0.04から0.18
%均一に混合し,温度700℃,圧力20−30MPa
で焼結した。その後,水によりKClを溶解させること
により多孔質熱電素子が得られた。熱電能は200μV
/K程度,透過率は10−9〜10−10m2であっ
た。 (比較例1)実施例1,2の熱電材料粉末のみを20M
Paで加圧,焼結したところ,粉末が破壊し,強度のあ
る多孔質体は得られなかった。
【0009】(実施例3)粒径200−1000μmの
Bi2Te3粒子にワセリンをコートし,積層しながら
レーザーにより仮焼結した。この仮焼結材を20MP
a,400℃で本焼結した。その結果,透過率が10
−10m2程度の多孔質体が得られた。
Bi2Te3粒子にワセリンをコートし,積層しながら
レーザーにより仮焼結した。この仮焼結材を20MP
a,400℃で本焼結した。その結果,透過率が10
−10m2程度の多孔質体が得られた。
【0010】(実施例4)Fe33.3at%−Si6
6.7at%粉末に銅メッキし,レーザーで仮焼結し,
Ar−10%H2で1150℃,8.5MPaで焼結し
た。この結果,「特願平7−109912」で述べてい
るように熱電特性を示すベータ相への変態速度が早くな
った。すなわち,加熱によりα相に変態しても短時間で
β相にもどすことが可能になった。
6.7at%粉末に銅メッキし,レーザーで仮焼結し,
Ar−10%H2で1150℃,8.5MPaで焼結し
た。この結果,「特願平7−109912」で述べてい
るように熱電特性を示すベータ相への変態速度が早くな
った。すなわち,加熱によりα相に変態しても短時間で
β相にもどすことが可能になった。
【0011】(実施例5)鉛を被覆したAgドープPb
Te熱電材料の粒子とKCl粉末を重量比率で0.04
から0.18%均一に混合した混合粉末を積層しながら
レーザで仮焼成した後,700℃,20−30MPaで
焼結を行った。その後,水によりKClを溶解させるこ
とにより多孔質熱電素子が得られた。
Te熱電材料の粒子とKCl粉末を重量比率で0.04
から0.18%均一に混合した混合粉末を積層しながら
レーザで仮焼成した後,700℃,20−30MPaで
焼結を行った。その後,水によりKClを溶解させるこ
とにより多孔質熱電素子が得られた。
【0012】(実施例6)Fe32.3at%−Si6
6.7at%−Mnlat%組成の熱電材料を溶融噴霧
法により,粒径200−1000μmの粒子とした(こ
れをA粉末とする)。この粒子にワセリンをコートし,
図2に示すように積層しながらレーザにより仮焼結し
た。次に,ワセリンをコートしたアルミナ・シリカ系粉
末(B粉末)を積層し,同様に仮焼結した。この操作を
繰り返し,成形体を作り,800℃から1100℃,
1.4MPaで焼結した。その結果,透過率が10
−10m2程度で熱電能が200μV/K,10−3Ω
m程度の絶縁部を含む熱電素子を製作することができ
た。
6.7at%−Mnlat%組成の熱電材料を溶融噴霧
法により,粒径200−1000μmの粒子とした(こ
れをA粉末とする)。この粒子にワセリンをコートし,
図2に示すように積層しながらレーザにより仮焼結し
た。次に,ワセリンをコートしたアルミナ・シリカ系粉
末(B粉末)を積層し,同様に仮焼結した。この操作を
繰り返し,成形体を作り,800℃から1100℃,
1.4MPaで焼結した。その結果,透過率が10
−10m2程度で熱電能が200μV/K,10−3Ω
m程度の絶縁部を含む熱電素子を製作することができ
た。
【0013】(実施例7)Fe32.3at%−Si6
6.7at%−Mnlat%組成のp型半導体およびF
e32.3at%−Si66.7at%−Colat%
組成のn型半導体(以後,これらをp,n型素子粉末と
呼ぶ),軟化点1200℃のアルミナ・シリカ系セラミ
ックス粉末にワックスを被覆し,まずp型粉末を1mm
堆積し,レーザを必要部分に照射し,不要部分の粉末を
気流を利用して除去した。次にn型粉末を同様に供給し
て仮焼結した。このような操作を繰り返してp,n型
部,絶縁部を有する素子を仮焼結した。また,上部・下
部にはNi製リングを仮焼結した。このようにして得ら
れた仮焼結材を1150℃,8.5MPaで本焼結し,
一対の多孔質熱電素子を一体成形することができた。
6.7at%−Mnlat%組成のp型半導体およびF
e32.3at%−Si66.7at%−Colat%
組成のn型半導体(以後,これらをp,n型素子粉末と
呼ぶ),軟化点1200℃のアルミナ・シリカ系セラミ
ックス粉末にワックスを被覆し,まずp型粉末を1mm
堆積し,レーザを必要部分に照射し,不要部分の粉末を
気流を利用して除去した。次にn型粉末を同様に供給し
て仮焼結した。このような操作を繰り返してp,n型
部,絶縁部を有する素子を仮焼結した。また,上部・下
部にはNi製リングを仮焼結した。このようにして得ら
れた仮焼結材を1150℃,8.5MPaで本焼結し,
一対の多孔質熱電素子を一体成形することができた。
【0014】
【発明の効果】多孔質体あるいは異なる材質から構成さ
れる多孔質体モジュールを一挙に一体製造できるためコ
ストは著しく低減される。また,従来法では製造困難な
脆い材料や焼結困難な材料粉末でも空隙率の高い多孔質
体とすることができる。なお,本発明は一般の焼結体に
も応用可能である
れる多孔質体モジュールを一挙に一体製造できるためコ
ストは著しく低減される。また,従来法では製造困難な
脆い材料や焼結困難な材料粉末でも空隙率の高い多孔質
体とすることができる。なお,本発明は一般の焼結体に
も応用可能である
【図1】焼結体として残る粉末と液体や熱などで除去可
能なダミー粉末との混合粉末を加圧・焼結している状態
を示している。
能なダミー粉末との混合粉末を加圧・焼結している状態
を示している。
【図2】仮焼結材空隙部へNaClを充填して加圧・焼
結している状態を示している。
結している状態を示している。
【図3】粉末と後で除去可能なダミー粉末の混合体を積
層しながらレーザ等で必要部分のみを仮焼結している状
態を示している。
層しながらレーザ等で必要部分のみを仮焼結している状
態を示している。
【図4】異種粉末を積層し仮焼結しながら複数の素子を
一体成形する方法を示したものである。A粉末の仮焼
結,仮焼結以外の粉末除去,B粉末の仮焼結,B
粉末の仮焼結
一体成形する方法を示したものである。A粉末の仮焼
結,仮焼結以外の粉末除去,B粉末の仮焼結,B
粉末の仮焼結
Claims (12)
- 【請求項1】 粉末に,その粉末より融点の低い物質を
被覆して,仮焼結した後,ホットプレスなどで本焼結す
る方法。 - 【請求項2】 上記請求項1の例として,FeSi2系
熱電材料粉末に,CuやCuの合金を被覆して焼結する
方法。 - 【請求項3】 熱電材料粉末において,ドーパント材で
かつ粉末より融点の低い物質を被覆して焼結する方法。 - 【請求項4】 粉末に,その粉末より融点が低く,か
つ,粉末組成の少なくとも一つの成分を主成分とする物
質を被覆して焼結する方法。 - 【請求項5】 上記請求項4で,共晶組成の物質を被覆
して焼結する方法。 - 【請求項6】 粉末と,塩類などのダミー粉末を混合し
て焼結し,その後にダミー粉末を溶出あるいは溶解除去
して多孔質体とする方法。 - 【請求項7】 粉末を仮焼結した後,上記請求項6で記
載したダミー粉末の微粉あるいは融体を仮焼結体の空隙
部に充填してホットプレスなどで本焼結し,焼結後ダミ
ー体を溶出あるいは溶解除去する方法。 - 【請求項8】 上記請求項1,2,3,4,5で述べた
被覆粉末を,上記請求項6,7で述べた方法で焼結した
後,ダミー物質を除去する方法。 - 【請求項9】 上記請求項1,2,3,4,5で述べた
被覆粉末の異種粉末,例えばAとBの粉末で,まずA粉
末を積層し多孔質体を構成する部分のみをレーザー等で
仮焼結し,不要な未焼結部を重力,気流,電磁気力など
を利用して除去し,次に,B粉末を供給・積層し同様に
仮焼結する操作を繰り返し,最後にホットプレスなどで
本焼結して,複数の種類の粉末からなる多孔質体を一体
成形する方法。 - 【請求項10】 上記請求項9の方法で,上記請求項6
で記載した混合粉末を使用し,本焼結して,最後にダミ
ー粉末を除き多孔質体を一体成形する方法。 - 【請求項11】上記請求項目9,10の方法で複数の多
孔質体と電極などを集積したモジュールを一体成形する
方法。 - 【請求項12】 熱電材料粉末に対して上記請求項目
1,あるいは3,あるいは4,あるいは5,あるいは
6,あるいは7,あるいは8の方法を適用して多孔質体
とする方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10052640A JPH11209803A (ja) | 1998-01-27 | 1998-01-27 | 多孔質体の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10052640A JPH11209803A (ja) | 1998-01-27 | 1998-01-27 | 多孔質体の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11209803A true JPH11209803A (ja) | 1999-08-03 |
Family
ID=12920442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10052640A Pending JPH11209803A (ja) | 1998-01-27 | 1998-01-27 | 多孔質体の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11209803A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003509584A (ja) * | 1999-09-14 | 2003-03-11 | ストラテック メディカル アクチエンゲゼルシャフト | 高温で焼成可能な圧粉体の製造に使用される2つの微粒体相の混合物 |
JP2007158197A (ja) * | 2005-12-07 | 2007-06-21 | National Institute For Materials Science | 半導体系熱電材料における耐環境性被覆膜の自己形成法 |
JP2007301945A (ja) * | 2006-05-15 | 2007-11-22 | Univ Of Tokyo | 3次元構造体及びその作製方法 |
JP2010225719A (ja) * | 2009-03-23 | 2010-10-07 | Ishikawa Prefecture | 熱電変換素子、熱電変換モジュール、及び製造方法 |
JP2017011218A (ja) * | 2015-06-25 | 2017-01-12 | 国立大学法人広島大学 | 熱電変換薄膜形成用組成物及び熱電変換薄膜の製造方法 |
CN108473714A (zh) * | 2015-10-09 | 2018-08-31 | 惠普发展公司,有限责任合伙企业 | 微粒混合物 |
JP2019098733A (ja) * | 2017-11-29 | 2019-06-24 | ツェーエル・シュッツレヒツフェアヴァルトゥングス・ゲゼルシャフト・ミト・べシュレンクテル・ハフツング | 三次元物体の付加的製造装置、その装置のクリーニング機器及びその装置のチェンバのクリーニング方法 |
-
1998
- 1998-01-27 JP JP10052640A patent/JPH11209803A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003509584A (ja) * | 1999-09-14 | 2003-03-11 | ストラテック メディカル アクチエンゲゼルシャフト | 高温で焼成可能な圧粉体の製造に使用される2つの微粒体相の混合物 |
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EP3359594A4 (en) * | 2015-10-09 | 2019-07-03 | Hewlett-Packard Development Company, L.P. | particle mixtures |
JP2019098733A (ja) * | 2017-11-29 | 2019-06-24 | ツェーエル・シュッツレヒツフェアヴァルトゥングス・ゲゼルシャフト・ミト・べシュレンクテル・ハフツング | 三次元物体の付加的製造装置、その装置のクリーニング機器及びその装置のチェンバのクリーニング方法 |
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