JPH11207946A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH11207946A
JPH11207946A JP3212198A JP3212198A JPH11207946A JP H11207946 A JPH11207946 A JP H11207946A JP 3212198 A JP3212198 A JP 3212198A JP 3212198 A JP3212198 A JP 3212198A JP H11207946 A JPH11207946 A JP H11207946A
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JP
Japan
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ink
jet recording
liquid column
liquid
meniscus
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Application number
JP3212198A
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English (en)
Inventor
Shinichi Uchiumi
慎一 内海
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11207946A publication Critical patent/JPH11207946A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質画像を実現することのできるインクジ
ェット記録装置を提供する。 【解決手段】 記録ヘッド1は、画像信号に従って多糖
類高分子含有のインク2を吐出し、記録媒体8上に画像
を形成する。インク2の吐出法は、まず圧電素子3にパ
ルス信号を入力し振動板4を撓ませ、インク圧力室19
内のインク2をノズル18から押し出して液柱6を形成
する。そして発熱素子5を発熱させ、液柱6の根元に気
泡を発生させる。その後、電源7から電極9に電圧を印
加し、液柱6のインクを気泡部分から切り離して記録媒
体8上に着弾させる。これにより記録媒体8上に画像を
形成する。この画像には金属塩含有の固化液17が付与
され、画像は記録媒体8上に定着される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ、ファク
シミリ、複写機等に用いられるインクジェット記録装置
に係り、特に高品質画像の記録を可能とするインクジェ
ット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、他の画像形
成装置と比べて、必要とされるプロセス数が少なく、低
コスト、小電力で且つ小型化することのできる画像形成
装置として、広く普及している。
【0003】しかしながらインクジェット記録装置にお
いては、普通紙に記録する場合や、インク量の多いカラ
ー画像を印字する場合、あるいは印字速度を高めて印字
する場合に、紙に波打ちが発生したり、にじみ、裏抜け
などの問題が生じることがある。これは、紙の繊維に沿
って起こる液体の浸透や紙に移行する水分過多などが原
因である。さらにインクジェット記録装置においては、
記録画像の紙への定着力が弱く、耐水性に劣るという問
題も存在する。
【0004】そこで、記録媒体上のインク付着部の裏面
をヒーターなどで熱して、水を蒸発させながら印字する
ことにより、上記の問題点を解決する方法が種々提案さ
れている。さらに、インク中の染料を不溶化させる液体
で記録媒体を前処理し、その場所にインクを重ね打ちす
る技術が、例えば特開平1−63185号公報に開示さ
れている。この方法は、記録媒体上でインクを不溶化
し、耐水性を向上させるものである。
【0005】一方、インクジェット記録装置において
は、吐出されるドットの大きさを可変とすることができ
ないため、画像の解像度がノズル径に依存してしまうと
いう問題もある。
【0006】そこで、ノズルよりインクを液柱状に引き
出し、そのインクを気泡によって分離する際に、気泡の
発生タイミングを変化させてドットサイズを変調する技
術が特開平2−11331号公報に開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したとおり、従来
から各種の提案がなされているが、いずれも十分ではな
い。水分をヒーターで蒸発させる方法は、記録に要する
トータルのエネルギーが大幅に増えるし、耐水性が劣る
という問題は依然として残る。また、インク中の染料を
不溶化させる液体で記録媒体を前処理する方法は、イン
ク中の水分の処理は何もなされないので、インク量の多
いカラー画像を印字する場合、あるいは印字速度を高め
て印字した場合には、水分過多が原因で紙に波打ちが発
生する。一方、インクを気泡によって分離する際に気泡
の発生タイミングを変化させてドットサイズを変調させ
る方法も、上述した問題を解決することはできない。こ
のように従来の技術では、紙の波打ちやインクのにじ
み、あるいは裏ぬけなどの発生を十分に防止することが
できない。
【0008】従って本発明の目的は、このような問題を
解決し、高品質画像を実現することのできるインクジェ
ット記録装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、記録ヘッド
のノズルにインクメニスカスを形成するインクメニスカ
ス形成装置と、前記インクメニスカスからインク液柱を
形成する液柱形成装置と、前記液柱のインクをノズルか
ら吐出させるインク吐出装置と、前記吐出されたインク
に固化液を付与する画像定着装置とを備えたインクジェ
ット記録装置により、達成される。
【0010】ここでインクメニスカス形成装置は、圧電
素子と振動板とから構成される。また液柱形成装置は、
具体的にはインクメニスカスに電界を印加するよう構成
される。インク液柱の形成量は、画像情報に応じて可変
とされる。またインク吐出装置は、インクに熱を付与し
て形成される気泡によりインクを吐出するよう構成され
る。熱の付与は発熱素子を用いて行ってもよいし、イン
クに電流を流すことにより行ってもよい。
【0011】インクは少なくとも多糖類高分子と着色剤
と水から成り、また固化液は少なくとも金属塩と水とを
含む。インクに固化液を付与すると、固化液中の水に溶
解された金属塩が、インク中の水に溶解された多糖類高
分子の中へ拡散しつつ瞬時に溶媒である水を抱え込ませ
る。これによってインクが瞬時に固化する。
【0012】多糖類高分子としては、アルギン酸、アル
ギン酸一価金属塩、カラゲーナン、ペクチンの内どれか
1種類もしくはそれらの組み合わせがあげられる。イン
ク中の多糖類高分子の量は、インクと固化液の構成成分
である水を十分に水和できる量であり、かつ着色剤を記
録媒体へ固定するために十分な量であることが重要で、
1重量%以上、好ましくは3重量%以上である。1重量
%以下では水和されない水が存在し、その余剰水は用紙
中へ浸透してしまい、かつインクの記録媒体への定着強
度が十分でない。上限は10重量%で、これ以上では、
多糖類高分子を含有するインクが固くなりすぎ吐出性が
悪くなる。
【0013】多糖類高分子の分子量は10,000以
上、好ましくは50,000以上、1,000,000
以下が適当である。低分子量の場合は皮膜形成能が不足
してインクと固化液からなる画像構成物の記録媒体への
定着強度が低い。1,000,000以上での場合は、
多糖類高分子を含有するインクが固くなりすぎ吐出性が
悪くなる。
【0014】上述した好ましい範囲内の多糖類高分子の
濃度と分子量を含むインクは、粘度が高くなり、通常の
インクジェット方式では吐出できない。
【0015】金属塩の水溶液のpHは、多糖類高分子の
種類によって好ましい値は異なるが、pH6から9の範
囲内にあればよく、好ましくはpH6.5から8.5の
範囲内とするのがよい。これは、酸性やアルカリの強い
液体が記録媒体である紙と接触することは、紙の耐久性
上好ましくないからである。
【0016】また本発明に係る記録ヘッドは、ノズルに
インクメニスカスを形成するインクメニスカス形成装置
と、インクメニスカスからインク液柱を形成する液柱形
成装置と、液柱をノズルから吐出させるインク吐出装置
とを備えて構成される。
【0017】本発明に係るインクジェット記録方法は、
記録ヘッドのノズル内のインクに圧力を加えてインクメ
ニスカスを形成する工程と、インクメニスカスにエネル
ギーを印加してインクメニスカスからインク液柱を形成
する工程と、液柱のインクをノズルから吐出させる工程
と、吐出されたインクに固化液を付与する工程とを備え
る。
【0018】これにより本発明では、紙の波打ちやイン
クのにじみ、あるいは裏ぬけなどの発生を防止すること
ができ、高品質画像を実現することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るインクジェ
ット記録装置の一実施例を示す図である。図に示すよう
に、記録ヘッド1は、画像信号に従って多糖類高分子含
有のインク2を吐出し、記録媒体8上に画像を形成す
る。画像が形成された記録媒体8は、矢印C方向に回転
する固化液塗布ロール15と矢印D方向に回転する圧力
ロール16により矢印Bに示す方向に搬送され、金属塩
を含む固化液17がフェルト14及び固化液塗布ロール
15を介して記録媒体8上の画像に付与される。する
と、固化液中の水に溶解された金属塩が、インク中の水
に溶解された多糖類高分子の中へ拡散しつつ瞬時に溶媒
である水を抱え込ませる。これによってインクが瞬時に
固化し、最終出力画像が得られる。
【0020】記録ヘッド1からのインクの吐出は次のよ
うにして行われる。インク2は矢印Aに示す方向に図示
しないインク供給装置で搬送される。制御装置20から
画像信号に応じて圧電素子3にパルス信号が入力される
と、圧電素子3がインク圧力室19の方へ振動し、振動
板4が撓む。その結果、インク圧力室19の内圧が上昇
し、インク圧力室19内のインクがノズル18から押し
出され、インクメニスカスが形成される。このとき電源
7から電極9に電圧を印加すると、液柱6が形成され
る。次に、制御装置20から送られた信号によりノズル
18の近傍に配置された発熱素子5が発熱すると、液柱
6の根元に気泡が発生する。その後、制御装置20から
の信号に従って圧電素子3のパルス信号を遮断すると、
液柱6のインクが気泡部分から切り離されて記録ヘッド
1から吐出し、記録媒体8上に着弾する。これにより記
録媒体8上に画像が形成される。
【0021】図2(a)〜(c)は、それぞれ圧電素子
3、電源7、及び発熱素子5の動作タイミングを示す図
である。また図3(a)〜(d)は、各動作タイミング
におけるインク吐出の様子を示す図である。
【0022】図2(a)に示すように、時刻t1におい
て圧電素子3がオンすると、図3(a)のように、ノズ
ル18にインクメニスカス10が形成される。この際同
時に、図2(b)に示すように、高圧の電源7をオンと
して電極9に電圧を印加すると、図3(b)のように液
柱6が形成される。これは、インクメニスカス10の表
面に電極9とは逆極性の電荷が誘起され、インクメニス
カスが電界により吸引されるからである。次に、図2
(a)に示すように、時刻t2において圧電素子3をオ
フとし、図2(c)に示すように、時刻t3において発
熱素子5にパルス電圧を印加し、発熱素子5をオンす
る。すると発熱素子5が高温となり、インク中の水が沸
騰するため、図3(c)に示すように気泡11が生じ
る。この気泡11により、液柱6のインクが図3(d)
に示すようにノズル18で分断され、液滴12が記録媒
体8に向かって吐出される。その後、時刻t4にて発熱
素子5をオフし、時刻t5にて電源7をオフする。
【0023】この時、電極9に印加する電圧値は、記録
ヘッド1と記録媒体8との距離等によるが、概ね数百〜
数kVの範囲であり、気泡11が発生し、液滴12が紙
に付着する瞬間まで印加しておく。また、気泡11の発
生タイミングあるいは高圧電源7の電圧値、あるいはそ
の双方を変えることにより、液柱6の長さ、つまり液滴
12の大きさの変調も可能となる。
【0024】本発明で重要な点は、圧電素子3により
インク圧力室19の内圧を上昇させてインクメニスカス
10を形成すること、高圧電源7により電界を印加し
液柱6を形成すること、発熱素子5により気泡11を
形成し液柱6を分断することである。本発明は、この3
つの点を組み合わせることによって、より大きな吐出力
を得ようとするものである。
【0025】この場合、インクメニスカス10の形成と
同時に電界を印加しないと、粘度の高いインクに対して
十分な吐出力が得られないだけではなく、図4(a)に
示すようにインクメニスカス10が形成されたのち、図
4(b)に示すようにノズル18表面に沿ってインクが
濡れてしまう。このようなことが生じると、液滴12の
大きさが不均一となったり、吐出方向がばらついたりす
るので、高品質画像を形成することができなくなる。
【0026】インクメニスカス形成装置は圧電素子3と
振動板4の組み合わせ以外でも構成可能である。例え
ば、電磁力で振動板を撓ませてインク圧力室19内の圧
力を変化させる方法などがある。但し、本実施例のよう
な圧電素子3と振動板4の組み合わせは、簡易かつ低エ
ネルギー駆動ができるので、インクメニスカス形成装置
に用いるのに極めて好適である。
【0027】また液柱形成装置は、電界を印加すること
以外でも構成可能である。例えば、磁性インクと磁界を
組み合わせて使用したり、気流を使用したりする方法な
どがある。しかし、吐出方向の制御とインクとの相性を
考慮すると、電界を使用する方法が最も好ましい。本実
施例では、電極9の極性は正となるように構成している
が、負であっても構わない。
【0028】図5は、本発明に係るインクジェット記録
装置の他の実施例を示す図である。本実施例は、図に示
すように液柱形成装置として、発熱素子5の代わりに、
通電電極13をノズル18の近傍に配置するものであ
る。この通電電極13には、制御装置20からの信号に
基づいて、図示しないパルス電源でインクを通電し、そ
の時発生する熱で気泡を形成する。
【0029】同図において、記録ヘッド1により画像が
形成された記録媒体8は、矢印Bの方向に搬送され、画
像定着装置によって画像は瞬間的に固化される。画像定
着装置は、矢印C方向に回転して固化液17を記録媒体
8に供給する固化液塗布ロール15と、固化液塗布ロー
ル上に固化液17を供給するフェルト14と、固化液1
7をフェルト14に供給する図示しない固化液供給装置
と、矢印Dの方向に固化液塗布ロール15と同速度で回
転しながら記録媒体8に圧力を加える圧力ロール16と
を有する。
【0030】記録媒体8には固化液塗布ロール15と圧
力ロール16により圧力が加えられるので、インクが紙
にしっかり結合し、画像の定着性が良くなる。固化液塗
布ロール15の表面は、金属、スポンジ、ウレタン、ゴ
ム、吸水性樹脂等、水に濡れやすいあるいは吸水性のあ
る材質が適している。フェルト14も同様に、吸水性の
高いものを選択する。ここで、記録媒体8に塗布される
固化液17の量は、インクが固化するのに必要最低限の
量でよい。また、画像定着装置の構成は、上述の固化液
塗布ロール15に限定されるものではなく、固化液をス
リットから供給する方法、ミスト状に噴霧する方法、あ
るいは通常のインクジェット方式を用いて画像部のみ、
あるいは画像部とその近傍に供給する方法も使用でき
る。
【0031】記録ヘッド1により画像の形成された記録
媒体8が画像定着装置に到達すると、記録媒体8と接触
した固化液塗布ロール15の回転により、記録媒体8上
のインクに固化液17が塗布され、インクが瞬時に固化
すると同時に、耐水性が与えられる。これは上述した通
り、固化液中の水に溶解された金属塩が、インク中の水
に溶解された多糖類高分子中へ拡散しつつ瞬時に溶媒で
ある水を抱え込ませるからである。
【0032】多糖類高分子としては、寒天(アガロー
ス)、カラゲーナン、アルギン酸ナトリウム、カードラ
ン、ペクチン、コンニャクマンナン、ジェランガム、キ
サンタンガム、デンプン、ガラクトマンナン、ニトロセ
ルロース、ペクチニン、プロテオグリカン、グリコプロ
テイン、ベイジェランなどがあるが、これらに限られる
ものではない。
【0033】金属塩としてはカリウムイオン、セシウム
イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、スト
ロンチウムイオン、バリウムイオン、アルミニウムイオ
ン、鉄イオン、銅イオン、酸化バナジウムイオンなどを
持つ塩が挙げられるが、これらに限られるものではな
い。また、用いる多糖類高分子の種類によって好ましい
金属塩の種類がある。例えばアルギン酸ナトリウムの場
合はカルシウムイオン、バリウムイオン、アルミニウム
イオンなどを持つ多価金属塩が好ましい。また、カラゲ
ーナンの場合はカリウムイオンやセシウムイオンなどを
持つ金属塩が好ましい。
【0034】多糖類高分子の例をさらに詳述すると、ア
ルギン酸、アルギン酸一価塩があげられる。アルギン酸
は褐藻類から抽出される天然の多糖類高分子で、ワカメ
や昆布などに含まれている。主としてアルギン酸はナト
リウム塩として食品、医薬品、化粧品などの各分野で水
溶性の増粘剤として、或いはカルシウムを添加してゼリ
ーとして、或いは酵素の固定化ビーズとしてなど多種多
様に用いられている。アルギン酸ナトリウム塩の構造は
β−1,4−D−マンヌロン酸(M)とα−1,4−L
−グルロン酸(G)の重合体からなるナトリウム塩であ
る。アルギン酸ナトリウムはカルシウムなどの多価金属
塩とキレートを形成し水分を取り込んでゲルとなる。こ
れらが連鎖して高分子になるとGM,MM,GGの比率
によりゲル形成能は著しく異なる。GGクラスタ領域は
分子が曲げられており、そこにカルシウムイオンが入っ
てエッグボックス型の構造が形成され強固な高分子が形
成され固化する。形成されるゲルは、アルギン酸の分子
量の増大とともに皮膜形成能が高まり、水や油に溶解し
ない膜が形成される。分子量は10,000以上が適し
ており、好ましくは50,000以上とするのがよい。
【0035】多糖類高分子の例として先に挙げたカラゲ
ーナンは、紅藻類から抽出される海藻多糖類である。カ
ラゲーナンの化学構造は分子量が数十万から数百万の直
鎖状高分子で、D−ガラクトース、3,6−アンヒドロ
−D−ガラクトース、および硫酸基からなっている。硫
酸基の含有量により、κ型、λ型、τ型の3種類があ
る。生成されるゲルの力学的強度が強い点でκ型が好ま
しい。これはカリウムやセシウムなどの1価または多価
のカチオンイオンの存在で瞬時にゲル化する。カラゲー
ナンはらせん構造を分子鎖中に持っている。このらせん
構造の部分がカチオンイオンを介して凝集しゲルを形成
するといわれている。
【0036】これら多糖類高分子ゲルの皮膜形成ゲル化
能を応用して、インクを記録媒体上で固化させる。固化
後の皮膜は耐水性に優れたものとなる。インクは多糖類
高分子と着色剤からなる水溶液である。これに着色剤の
分散剤など一般的によく知られる他の成分を添加しても
よい。この際のインクの粘度は、通常のインクジェット
方式に使用されているものと比較するとかなり粘度が高
いため、記録媒体、特に紙への浸透は遅く、紙へのにじ
みは発生しない。さらに、インクが紙に付着後すぐに、
固化液により水を抱え込みながら固化されるので、紙の
波打ちや裏ぬけも防止でき高品質な画像が得られる。
【0037】また、着色剤はよく知られている水溶性染
料、有機顔料等が使用可能であるが、ゲル形成に関与す
る金属イオン種を、画像構成剤中に水溶性染料や顔料の
対イオンとして持つことは好ましくないので、用いる多
糖類高分子種に応じて、ゲル形成に関与しない染料、顔
料を選択する。
【0038】染料や顔料の溶解、分散状態をさらに安定
化させるため、いわゆる界面活性剤、分散剤、包接化合
物等を添加してもよいが、この場合にもゲル形成に関与
する金属イオン種を画像構成剤中に対イオンとして持つ
ことは好ましくないので、用いる多糖類高分子種に応じ
て、ゲル形成に関与しない添加剤を選択する。
【0039】
【実施例】(実施例1)インクとしてスペシャルブラッ
クBayer A−SF(Bayer社製)1.5重量
%、ナトリウムスルホン酸ホルマリン縮合物0.1重量
%をイオン交換水に分散し、続いて分子量110,00
0のアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業製)3重量%
を添加分散して黒インクを調整した。次に固化液として
塩化カルシウムの5重量%水溶液(pH7.8)を調整
した。
【0040】このインクを図1の記録ヘッド1に供給
し、画像情報に応じて圧電素子3を駆動すると同時に、
電極9に高圧電源7より+2.5kVの電圧を印加し、
液柱6を形成させた。その後圧電素子3が逆方向に戻る
と同時に、発熱素子5に30Vの電圧を5μs印加し表
面温度を320℃にして気泡11を発生させ、液柱6を
分断吐出させた。この時の記録媒体8としては、普通紙
FX−J紙、FX−L紙(富士ゼロックス社製)を使用
した。
【0041】印字直後、固化液塗布ロール15により、
上述の固化液を塗布したところ、最終的な出力画像はに
じみや紙の波打ち、裏抜け等のない良好なものとなっ
た。
【0042】(実施例2)その他の条件は同様にして、
高圧電源7より電極9に印加する電圧値を+1.5kV
にしてみた。その結果、紙に印字できたドットの大きさ
は、実施例1の約半分となり、ドットサイズ変調も可能
であることが確認できた。
【0043】(実施例3)インクとしてスペシャルブラ
ックBayer A−SF(Bayer社製)1.5重
量%、ナトリウムスルホン酸ホルマリン縮合物0.1重
量%をイオン交換水に分散し、続いて分子量240,0
00のアルギン酸ナトリウム(紀文フードケミファ社
製)1.5重量%を添加分散して黒インクを調整した。
次に固化液として塩化カルシウムの5重量%水溶液(p
H7.8)を調整した。
【0044】このインクを図5の記録ヘッド1に供給
し、画像情報に応じて圧電素子3を駆動すると同時に、
電極9に高圧電源7より−2.5kVの電圧を印加し、
液柱6を形成させた。その後圧電素子3が逆方向に戻る
と同時に、通電電極13に25Vの電圧を5μs印加
し、気泡11を発生させ、液柱6を分断吐出させた。こ
の時の記録媒体8としては、普通紙FX−J紙、FX−
L紙(富士ゼロックス社製)を使用した。
【0045】印字直後、固化液塗布ロール15により、
上述の固化液を塗布したところ、最終的な出力画像はイ
ンクのにじみや紙の波打ち、裏抜け等のない良好なもの
となった。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、高品質画像を実現する
ことのできるインクジェット記録装置を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の一実施
例を示す図である。
【図2】(a)〜(c)はそれぞれ圧電素子、電源及び
発熱素子の動作タイミングを示す図である。
【図3】(a)〜(d)は各タイミングにおけるインク
吐出の様子を示す図である。
【図4】(a)及び(b)はそれぞれ電界を印加しない
場合のインクメニスカス及びノズル18の表面状態を示
す図である。
【図5】本発明に係るインクジェット記録装置の他の実
施例を示す図である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 インク 3 圧電素子 4 振動板 5 発熱素子 6 液柱 7 高圧電源 8 記録媒体 9 電極 10 インクメニスカス 11 気泡 12 液滴 13 通電電極 14 フェルト 15 固化液塗布ロール 16 圧力ロール 17 固化液 18 ノズル 19 インク圧力室 20 制御装置

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録ヘッドのノズルにインクメニスカス
    を形成するインクメニスカス形成装置と、前記インクメ
    ニスカスからインク液柱を形成する液柱形成装置と、前
    記液柱のインクをノズルから吐出させるインク吐出装置
    と、前記吐出されたインクに固化液を付与する画像定着
    装置とを備えたことを特徴とするインクジェット記録装
    置。
  2. 【請求項2】 前記インクメニスカス形成装置は、圧電
    素子と振動板とからなることを特徴とする請求項1記載
    のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記液柱形成装置は、画像情報に応じて
    インク液柱の形成量を可変とすることを特徴とする請求
    項1記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記液柱形成装置は、前記インクメニス
    カスに電界を印加するよう構成されることを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録
    装置。
  5. 【請求項5】 前記インク吐出装置は、前記インクに熱
    を付与して形成される気泡によりインクを吐出すること
    を特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記インク吐出装置は、前記インクに電
    流を流して形成される気泡によりインクを吐出すること
    を特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 ノズルに形成したインク液柱を気泡によ
    り分断して記録媒体に吐出するよう構成された記録ヘッ
    ドと、前記記録媒体に吐出されたインクに固化液を付与
    するよう構成された固化液付与装置とを備えたことを特
    徴とするインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記インクが少なくとも多糖類高分子と
    着色剤と水から成り、前記固化液が少なくとも金属塩と
    水から成ることを特徴とする請求項7記載のインクジェ
    ット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記多糖類高分子がアルギン酸、アルギ
    ン酸一価金属塩、カラゲーナン、ペクチンの内の1種類
    もしくはそれらの組み合わせであることを特徴とする請
    求項8記載のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 多糖類高分子の分子量が10,000
    以上1,000,000以下であることを特徴とする請
    求項8記載のインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 多糖類高分子の前記インクに占める割
    合が1重量%から10重量%であることを特徴とする請
    求項8記載のインクジェット記録装置。
  12. 【請求項12】 前記固化液のpHが6から9の範囲内
    にあることを特徴とする請求項8記載のインクジェット
    記録装置。
  13. 【請求項13】 ノズルにインクメニスカスを形成する
    インクメニスカス形成装置と、前記インクメニスカスか
    らインク液柱を形成する液柱形成装置と、前記液柱をノ
    ズルから吐出させるインク吐出装置とを備えたことを特
    徴とする記録ヘッド。
  14. 【請求項14】 記録ヘッドのノズル内のインクに圧力
    を加えてインクメニスカスを形成する工程と、前記イン
    クメニスカスにエネルギーを印加して前記インクメニス
    カスからインク液柱を形成する工程と、前記液柱のイン
    クをノズルから吐出させる工程と、前記吐出されたイン
    クに固化液を付与する工程とを備えたことを特徴とする
    インクジェット記録方法。
  15. 【請求項15】 前記インク液柱を形成する工程は、前
    記インクメニスカスに電界を印加する工程を含むことを
    特徴とする請求項14記載のインクジェット記録方法。
  16. 【請求項16】 前記インクを吐出させる工程は、前記
    インクに熱を付与する工程を含むことを特徴とする請求
    項14記載のインクジェット記録方法。
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