JPH11207867A - 金属箔積層フィルムおよび該フィルムを用いたフレキシブルプリント配線板 - Google Patents

金属箔積層フィルムおよび該フィルムを用いたフレキシブルプリント配線板

Info

Publication number
JPH11207867A
JPH11207867A JP1057998A JP1057998A JPH11207867A JP H11207867 A JPH11207867 A JP H11207867A JP 1057998 A JP1057998 A JP 1057998A JP 1057998 A JP1057998 A JP 1057998A JP H11207867 A JPH11207867 A JP H11207867A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
metal foil
polybenzoazole
thickness
metallic foil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1057998A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3861432B2 (ja
Inventor
Satoshi Maeda
郷司 前田
Akito Hamano
明人 濱野
Tadashi Okudaira
正 奥平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP01057998A priority Critical patent/JP3861432B2/ja
Publication of JPH11207867A publication Critical patent/JPH11207867A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3861432B2 publication Critical patent/JP3861432B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁性、耐熱性と共に、寸法安定性と放熱性
に優れた素材を見出し、高密度回路での発熱を放散させ
ることのできる寸法安定性に優れたFPCを提供する。 【解決手段】 ポリベンゾアゾールフィルムの片面また
は両面に、接着剤層を介して金属箔が貼り合わされた金
属箔積層フィルムを用いてFPCを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、熱伝導
性、絶縁性に優れたポリベンゾアゾールフィルムに金属
箔を積層した金属箔積層フィルムおよび該フィルムを用
いたフレキシブルプリント配線板に関するものである。
なお、本発明の「フィルム」とはフィルムおよびシート
を代表するものとする。
【0002】
【従来の技術】紙−フェノール基材やガラス−エポキシ
基材に銅箔を貼り、配線部分を印刷して他の部分をエッ
チングすることにより形成されるプリント配線板が知ら
れている。これらの配線板は、基材が硬質なため、リジ
ッドプリント配線板と呼ばれているが、近年、電子機器
の小型化、軽量化、高密度化に伴い、リジッドプリント
配線板に代わり、フレキシブルプリント配線板が多用さ
れるようになってきた。フレキシブルプリント配線基板
(以下FPCと省略する。)とは、可撓性のある絶縁フ
ィルムと銅箔を積層し、これに配線加工を施したもので
あり、薄く、軽量で、立体配線の自由度が高く、しかも
回路中に可動部分を組み込むことができるため、年々需
要が増大している。
【0003】FPC用の絶縁フィルムの素材としては、
ガラスエポキシシート等の無機・有機複合物も使用され
ているが、一般的には、ポリイミド、ポリエステル、芳
香族ポリアミド等の比較的耐熱性に優れた高分子をフィ
ルム化したものが用いられる。しかし、ポリエステル
は、ハンダ使用温度に堪え得るだけの耐熱性がないため
用途が限られている。また、芳香族ポリアミド、特にパ
ラ配向の全芳香族ポリアミドは、高い結晶性を有し、高
融点で耐熱性に優れ、しかも剛直な分子構造を持つた
め、機械的強度も高い、というメリットを有している
が、吸湿による膨張が大きく、熱収縮率も大きいので寸
法安定性が悪い、というデメリットがある。吸湿特性を
改善する目的で芳香環に塩素原子を置換導入する試みも
あるが、熱寸法性がさらに低下し、また高温で使用する
と塩素原子のせいで金属箔が腐食するという問題が起き
ていた。
【0004】このため、FPCには優れた耐熱性を有す
るポリイミドが最も多用されているが、ポリイミドにお
いても熱収縮や吸湿による寸法変化の問題は残されてい
る。さらに、現在のフィルム厚は25μmが主流である
が、より薄膜にしようと試みた場合、コストが高くなっ
てしまうこと、あるいは、ポリイミドの弾性率が低いた
めにフィルムの腰が弱くなって実用的でなくなること、
という問題が出てくる。
【0005】一方、電子機器の小型化、軽量化、高密度
化の流れは、回路中での発熱に伴う諸問題を引き起こす
ことにもなっている。特に最近では、小型電子機器にも
高速動作の半導体素子が使用されるようになってきた
が、この高速動作半導体素子は発熱量が大きく、高密度
実装状態とも相まって、いかにして配線板の熱放散性を
高めるか、ということが大きな問題となっている。しか
し、ポリイミドを含めた多くの高分子材料は熱伝導性が
低く、熱放散という点では期待できない。伝熱性のよい
金属箔を基材の一部に用いてメタルベース基板とした
り、金属微粉末やカーボンブラックを高分子材料に配合
して熱伝導性を高めようとする試みも行われているが、
これらの熱伝導性改良手段は、電気伝導度を上昇させて
絶縁性を低下させることになってしまうので、FPC用
としては好ましくない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明では、絶
縁性、耐熱性と共に、寸法安定性と放熱性に優れた素材
を見出し、高密度回路での発熱を放散させることのでき
る寸法安定性に優れたFPCを提供することを課題とし
て掲げた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の金属箔積層フィ
ルムは、ポリベンゾアゾールフィルムの片面または両面
に、接着剤層を介して金属箔が貼り合わされたものであ
るところに要旨を有する。ポリベンゾアゾールフィルム
の厚さが3〜300μm、接着剤層の厚さが0.5〜5
0μm、金属箔の厚さが3〜100μmであることが好
ましい。ポリベンゾアゾールフィルムは、絶縁性、耐熱
性、寸法安定性に優れると共に、高い熱伝導性を示すの
で、ポリベンゾアゾールフィルムに金属箔を積層するこ
とにより、前記課題を解決することができる。ポリベン
ゾアゾールフィルムの好ましい熱伝導率は、1〜50W
/mKである。なお、本発明の「ポリベンゾアゾール」
とは、ポリベンゾオキシアゾールまたはポリベンゾチア
ゾール、およびこれらのアルキルまたはハロゲン誘導体
のことである。
【0008】FPC用途としては金属箔として銅箔を用
いることが電気伝導度の点から好ましい。また、ポリベ
ンゾアゾールの中でも、ポリパラフェニレンベンズビス
オキサゾールは、耐熱性等の各特性に優れているため好
ましい。
【0009】なお本発明には、本発明の金属箔積層フィ
ルムを基板とし、配線加工を施して得られるフレキシブ
ルプリント配線板も含まれる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の金属箔積層フィルムは、
フィルム素材としてポリベンゾアゾールを用いたところ
に特徴を有する。ポリベンゾアゾールは、ベンゾオキシ
アゾールまたはベンゾチアゾールおよびこれらのアルキ
ルまたはハロゲン誘導体のポリマーである。具体的に
は、下記構造式で示されるいずれかの繰り返し単位から
なるポリマーである。なお、下記式中の芳香環部分に
は、アルキル基またはハロゲン原子が導入されていても
よく、下記繰り返し単位(a)〜(d)のうち2種以上
有する共重合体であってもよい。
【0011】
【化1】
【0012】ポリベンゾアゾールの中でも、ポリパラフ
ェニレンベンゾビスオキサゾールが耐熱性等の各特性が
良好である。
【0013】ポリベンゾアゾールの合成方法は、特に限
定されない。米国特許第4533693号等には、ポリ
ベンゾアゾール等の合成方法として、ジオール等の第1
モノマー成分の塩酸塩を出発原料として用い、これをポ
リリン酸中で加熱・減圧しながら塩酸を除去し、次いで
テレフタル酸等の第2モノマー成分を添加して加熱・減
圧することにより縮合合成する方法等が示されている。
例えば、4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩とテ
レフタル酸からは、ポリシスパラフェニレンベンゾビス
オキサゾールが、2,5−ジアミノレゾルシノール二塩
酸塩とテレフタル酸からは、ポリトランスパラフェニレ
ンベンゾビスオキサゾールが得られる。
【0014】FPC用途という点でポリベンゾアゾール
フィルムの機械的強度を考慮すれば、フィルム化した後
のポリマーの極限粘度(メタンスルホン酸溶液中)が、
5以上となるような重合体を用いることが好ましい。
【0015】フィルム化には、ポリベンゾアゾールのド
ープ(溶液)を不活性雰囲気下で押出す方法を採用する
とよい。例えば、米国特許第4973442号には、リ
オトロピック液晶性ドープに、円筒状の逆転する回転ダ
イで剪断力を与えて押出すことにより、ポリマーを配向
させて、押出し方向に対して+θ度配向した層と−θ度
配向した層を形成して多軸配向フィルムを得る方法が記
載されている。ただしこの方法は、厚みの均一性が得ら
れにくい問題がある。
【0016】一方、特表平6−503521号では、ポ
リベンゾアゾールを8〜20重量%含有するポリリン酸
ドープをTダイから80〜200℃で押出し、不活性雰
囲気化で冷却した後、このフィルム状ドープの両面を熱
可塑性フィルムで挟み、これらのラミネート物をテンタ
ー等で横延伸した後に熱可塑性フィルムを取り除く方法
が記載されている。フィルム状ドープは、Tダイから押
出された時点で縦方向に配向するので、この方法によれ
ば、厚みが均一な2軸配向フィルムが得られる。縦配向
が弱ければ、横延伸の前または後にロール等による縦延
伸工程を追加することもでき、またテンターで縦横同時
に延伸してもよい。
【0017】ポリベンゾアゾールフィルムの厚みは、3
〜300μmとすることが好ましい。フィルムが厚過ぎ
ると、可撓性が低下して、フレキシブルなプリント配線
板を得ることが難しい。しかし、フィルムが薄過ぎる
と、腰が弱くなり、機械的強度が低下すると共に、電気
絶縁性も低下するため好ましくない。フィルム厚を15
0μm以下とするのがより好ましく、75μm以下がさ
らに好ましい。最も好ましい厚さの上限値は40μmで
ある。また下限値は、5μm以上とするのが好ましく、
7μm以上がより好ましい。
【0018】ポリベンゾアゾールフィルムは、引張弾性
率が縦方向および横方向のいずれもにおいて1000k
g/mm2 以上であることが機械的強度の点から好まし
い。。1000kg/mm2 より小さいと、特に薄肉の
フィルムにしたときの強度が不足することがある。
【0019】熱伝導率は大きいことが好ましく、本発明
で用いられるポリベンゾアゾールは1〜50W/mKの
範囲のものとすることが好ましい。熱伝導率をこの範囲
にするには、フィルムのヤング率が400kg/mm2
以上、より好ましくは1500kg/mm2 以上になる
ように配向させることが望まれる。一般的なプラスチッ
クは0.1〜0.5W/mK程度であり、放熱性に乏し
いが、本発明では熱伝導率のよいポリベンゾアゾールを
フィルム基材として用いているので、金属箔と積層した
後でも優れた熱放散性を示し、小型電気機器や高密度実
装用のFPCとして最適である。
【0020】ポリベンゾアゾールフィルムには、公知の
フィルム用添加剤、例えば、紫外線吸収剤・安定剤、熱
安定剤、滑剤、顔料、延伸助剤等を加えることができ
る。またフィルムと金属箔との接着性を上げるために、
フィルムに対して、アンカーコート剤のコーティング
や、ケミカルエッチング処理、コロナ処理、プラズマ処
理を施してもよい。
【0021】金属箔とポリベンゾアゾールフィルムを積
層するための接着剤は、フィルムの可撓性を損なうこと
のないように、柔軟で、かつ耐熱性を有するものであれ
ば、熱硬化性でも熱可塑性でもよく、特に接着剤の種類
は限定されない。具体例としては、ポリイミド系、ポリ
アミド系、ポリアミドイミド系、エポキシ樹脂系、ポリ
エステル系、アクリル樹脂系、ポリベンゾイミダゾール
系、マレイミド系、ウレタン樹脂系、フェノール樹脂
系、フェノキシ樹脂系、メラミン樹脂系等が挙げられ
る。なお接着剤層には、電気絶縁性を損なわない範囲
で、カーボンブラックや金属微粉末を添加することによ
り、接着剤層の熱伝導率を高め、放熱性を向上させるこ
とができる。
【0022】接着剤層の厚さは0.1〜50μmの範囲
が好ましい。薄過ぎると、金属箔とポリベンゾアゾール
フィルムの接着力が不充分になることがあり、厚過ぎる
と、積層フィルムの可撓性が失われるためである。接着
剤層の厚さは、3〜30μmの範囲にすることがより好
ましく、5〜20μmの範囲であればさらに好ましい。
【0023】積層される金属箔の種類としては、FPC
に一般的に用いられている銅箔に限定されることなく、
各種金属の箔を用いることができる。例えば、Be、M
g、Al、Si、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、
Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、S
e、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、
Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Ba、ラ
ンタノイド系金属、Hf、Ta、W、Re、Os、I
r、Pt、Au、Tl、Pb、Bi等の常温で固体の金
属やこれらの合金が挙げられる。合金としては、Fe−
Co系合金、Fe−Ni系合金、Fe−Si系合金、F
e−C系合金、Cu−Zn系合金、Cu−Sn系合金、
Ni−Cr系合金等の2元合金や、Fe−Ni−Cr系
合金等の3元合金等、あるいは4元系以上の合金も利用
可能である。また、酸化錫、酸化インジウム、酸化バナ
ジウム、酸化ルテニウム等の導電性を有する金属酸化物
を用いてもよい。
【0024】金属箔の製法は特に限定されず、電解箔、
圧延箔、無電解メッキ箔等や、真空蒸着、スパッタリン
グ等のPVD法や、CVD法で製造した箔を用いること
ができる。金属箔の厚みは、通常3〜100μmであ
る。50μm以下が好ましく、30μm以下がより好ま
しい。また、5〜20μmの厚みの金属箔は、高い屈曲
性と微細な細線加工が要求される用途に適している。
【0025】金属箔とポリベンゾアゾールフィルムの積
層方法は、フィルムおよび/または金属箔に接着剤を塗
布し、両者を積層する方法を採用することができる。接
着剤の塗布方法は、例えば、ロールコート法、リバース
コート法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エ
アーナイフコート法、グラビアコート法、含浸(ディッ
ピング)法、カーテンコート法等を用いればよく、シー
ト状接着剤でドライラミネートをする方法や、溶融押出
ラミネート、共押出しラミネート等の方法でフィルムか
金属箔の上に直接接着剤層を形成する方法等も利用する
ことができる。本発明の金属箔積層フィルムは、ポリベ
ンゾアゾールフィルムの少なくとも片面に接着剤層を介
して金属箔を貼り合わせたものである。フィルムに金属
箔を貼り合わせた上に、さらにフィルムおよび金属箔を
貼り合わせ、多層構造にすることもできる。FPCとし
て回路加工が施される場合は、フィルムの片面に金属箔
が貼り合わされた1層タイプか、フィルムの両面に金属
箔が貼り合わされた2層タイプが主に使用される。
【0026】本発明の金属箔積層フィルムの金属箔をエ
ッチング加工して回路パターンを形成すれば、フレキシ
ブルプリント配線板を得ることができる。上記2層タイ
プの金属箔積層フィルムを用いて、両面の金属箔の間を
メッキ加工や導電ペーストを用いて導通確保すれば、両
面スルホール回路とすることもでき、ビルドアップ法で
さらに多層化することもできる。また、ポリベンゾアゾ
ールフィルムを型抜(パンチ)してから金属箔と貼り合
わせるいわゆるプレパンチ法を適用することにより、T
AB(テープオートメイテッドボンディング)法のテー
プ基材として利用することも可能である。
【0027】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限
を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範
囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、そ
れらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0028】実施例1 [ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾールの合成]
槽型反応器中に、窒素気流下において、116%(純H
3 PO4 を100%として)のポリリン酸43.86重
量部に五酸化二リン14.49重量部を加え、さらに、
4,6−ジアミノレゾルシノール二塩酸塩9.10重量
部と平均粒径2μmになるように微粉化したテレフタル
酸7.10重量部を加え、80℃に加熱して撹拌混合し
た。次いで150℃で10時間混合した後、200℃に
熱した2軸押出機内で重合した。シス−ポリパラフェニ
レンベンズビスオキサゾールのポリマードープが得られ
た。このポリマードープは、黄色であり、メタンスルホ
ン酸溶液で測定した極限粘度は、38dl/gであっ
た。
【0029】[フィルムの作製]上記ポリマードープ
を、150℃でTダイから押出し、押出された高粘度の
フィルム状ドープを不活性雰囲気下で金属ロールにキャ
ストして冷却した。次いで、未延伸ポリプロピレンフィ
ルムをフィルム状ドープの両面にラミネートし、この両
面ラミネートシートごとテンターで150℃で横方向に
延伸した。ラミネートしたポリプロピレンフィルムを剥
離して取り除き、フィルム状ドープを24時間水洗した
後、280℃で熱固定した。厚さ50μmの2軸配向し
たポリパラフェニレンベンズビスオキサゾールフィルム
が得られた。このフィルムの引張弾性率は、縦方向で2
300kg/mm2 、横方向で2800kg/mm2
あった。またフィルムの熱伝導率は、縦方向が20W/
mK、横方向が30W/mKであった。なお、熱伝導率
は、ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス36巻
[J.Appl.Phys.Vol.36(197
7)]の5634頁に記載されている定常熱流束法を用
いて測定した。
【0030】[金属箔積層フィルムの作製]固形分換算
で、フェノール樹脂30重量部と、アクリルニトリル−
ブタジエン共重合体20重量部、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂30重量部、ブチラール樹脂20重量部、シ
リカ12重量部およびメチルエチルケトン400重量部
を混合溶解して接着剤Aを調製した。上記ポリパラフェ
ニレンベンズビスオキサゾールフィルムの両面に、接着
剤Aを乾燥後の膜厚が20μmになるように塗布し、1
30℃の熱風乾燥ゾーンで約10分、乾燥した。続い
て、両面の接着剤層上に厚さ18μmの電解銅箔をロー
ルから繰り出して、温度:170℃、速度:0.3m/
分、圧力:3.5kgf/cm2 の条件でラミネートし
て、管に巻き取り、125℃のオーブン中で12時間ア
フターキュアして、2層タイプ(両面)の金属箔積層フ
ィルムを得た。
【0031】[FPC加工]2層タイプの金属箔積層フ
ィルムにドリル加工を施し、最小径0.2mmの貫通孔
を形成し、スルホール導通加工を行った。スルホール導
通加工は、コンディショニング、触媒付与、触媒活性
化、無電解銅メッキ、パネル電気銅メッキ、の順で行っ
た。最終的なスルホール部分の導体厚みは35μmとし
た。次いで、25μm厚のドライフィルムレジストを用
いて、最小幅50μm、最小線間隔50μmの導体パタ
ーンを形成し、カバーフィルムとして感光性ポリイミド
フィルムを用いてマスクして、両面FPCを得た。
【0032】[評価]FPCの加工工程中における寸法
変動を、ドライフィルムレジストパターンと得られた導
体回路パターンとで比較したところ、0.0012%で
あった。また得られたFPCに消費電力1.0[W]の
素子を実装し、25℃の室内で動作させて素子の温度上
昇を記録したところ、10分後の素子温度上昇は+12
℃であった。
【0033】比較例1 ポリパラフェニレンベンズベンゾアゾールフィルムに代
えて、厚さ50μmのポリイミドフィルム(商品名「カ
プトン」;デュポン社製)を用いた以外は実施例1と同
様にして両面FPCを作製した。このFPCの寸法変動
率は、0.25%であった。また実施例1と同様にして
素子の温度上昇を測定したところ、素子の温度は、動作
10分後に+35℃も上昇した。
【0034】実施例2 実施例1で得られたシス−ポリパラフェニレンベンズビ
スオキサゾールのポリマードープを、ステンレス鋼製の
プレートに塗布してポリリン酸を除去した後、この第1
層の上に、さらに、ポリマードープを、その塗布方向が
第1層と直交するように塗布して、ポリリン酸を除去し
た。この工程を繰り返し、厚さ200μmのポリパラフ
ェニレンベンズビスオキサゾールの厚手フィルムを作製
した。
【0035】2,2−ビス(4−シアナトフェニル)プ
ロパン75重量部を160℃で4時間予備反応させて、
プレポリマーを合成した。このプレポリマーに、飽和ポ
リエステル樹脂(商品名「バイロン」;東洋紡績社製)
25重量部、ビスフェノールA型エポキシ樹脂5重量
部、オクチル酸亜鉛0.01重量部、メチルエチルケト
ン100重量部を混合溶解して、接着剤Bを調製した。
上記ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾールフィル
ムと接着剤Bを用いて、実施例1と同様にして両面FP
Cを製造した。
【0036】このFPCの寸法変動率は0.01%であ
った。また実施例1と同様にして素子の温度上昇を測定
したところ、動作10分後に+8℃であった。
【0037】実施例3 実施例1で得られたポリパラフェニレンベンズビスオキ
サゾールフィルムの両面に熱可塑性ポリイミドをそれぞ
れ厚さ20μmになるように塗布し、片面に厚さ18μ
mの電解銅箔を、もう片面には離型シートを貼着し、温
度:300℃、圧力:10kgf/cm2 でプレスし
て、1層タイプ(片面)の金属箔積層フィルムを作製し
た。この積層フィルムの銅箔上に、25μm厚のドライ
フィルムレジストを用いて、最小幅50μm、最小線間
隔50μm、最小径200μmのランドを有する一辺が
250mmの正方形状の片面FPCを作製した。ランド
部には、炭酸ガスレーザー加工で直径0.1mmのビア
孔を形成し、銀系導電ペーストを埋め込んだ。8枚の片
面FPCを位置合わせしてプレス成形し、8層基板を作
製したところ、ランド部の位置ずれは、最大で15μm
であった。
【0038】比較例2 厚さ50μmのポリイミドフィルム(商品名「カプト
ン」;デュポン社製)を用いて、実施例3と同様にして
8層基板を作製したところ、ランド部の位置ずれが70
μmとなった。
【0039】
【発明の効果】本発明の金属箔積層フィルムは、ポリベ
ンゾトリアゾールフィルムに金属箔が積層されたもので
あり、FPC用途に有用である。本発明の積層フィルム
から得られるフレキシブルプリント配線板は、加工精
度、位置精度が良好であり、しかも高い放熱性を有する
ので、特に、消費電力の高い、すなわち発熱量の大きな
素子を高密度に搭載した電子回路設計用として最適であ
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリベンゾアゾールフィルムの片面また
    は両面に、接着剤層を介して金属箔が貼り合わされたも
    のであることを特徴とする金属箔積層フィルム。
  2. 【請求項2】 ポリベンゾアゾールフィルムの厚さが3
    〜300μm、接着剤層の厚さが0.5〜50μm、金
    属箔の厚さが3〜100μmである請求項1に記載の金
    属箔積層フィルム。
  3. 【請求項3】 ポリベンゾアゾールフィルムの熱伝導率
    が1〜50W/mKである請求項1または2に記載の金
    属箔積層フィルム。
  4. 【請求項4】 上記金属箔が銅箔である請求項1〜3の
    いずれかに記載の金属箔積層フィルム。
  5. 【請求項5】 ポリベンゾアゾールフィルムが、ポリパ
    ラフェニレンベンズビスオキサゾールフィルムである請
    求項1〜4のいずれかに記載の金属箔積層フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の金属箔
    積層フィルムを基板として用いたことを特徴とするフレ
    キシブルプリント配線板。
JP01057998A 1998-01-22 1998-01-22 金属箔積層フィルムおよび該フィルムを用いたフレキシブルプリント配線板 Expired - Fee Related JP3861432B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01057998A JP3861432B2 (ja) 1998-01-22 1998-01-22 金属箔積層フィルムおよび該フィルムを用いたフレキシブルプリント配線板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01057998A JP3861432B2 (ja) 1998-01-22 1998-01-22 金属箔積層フィルムおよび該フィルムを用いたフレキシブルプリント配線板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11207867A true JPH11207867A (ja) 1999-08-03
JP3861432B2 JP3861432B2 (ja) 2006-12-20

Family

ID=11754164

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01057998A Expired - Fee Related JP3861432B2 (ja) 1998-01-22 1998-01-22 金属箔積層フィルムおよび該フィルムを用いたフレキシブルプリント配線板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3861432B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009182082A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Kyocera Corp 配線基板及びその製造方法、並びに実装構造体
JP2009182081A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Kyocera Corp 配線基板の製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009182082A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Kyocera Corp 配線基板及びその製造方法、並びに実装構造体
JP2009182081A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Kyocera Corp 配線基板の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3861432B2 (ja) 2006-12-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20090211786A1 (en) Process for producing polyimide film with copper wiring
CN1880061B (zh) 覆铜叠层板及其制造方法
US20090136725A1 (en) Process for producing copper wiring polyimide film, and copper wiring polyimide film
US20020016018A1 (en) Method of manufacturing multi-layer printed wiring board
JP2008536292A (ja) 抵抗器及びコンデンサ形成のための多層構造体
US6268070B1 (en) Laminate for multi-layer printed circuit
JP2006203114A (ja) 多層プリント配線基板
TWI432122B (zh) Manufacturing method of multilayer printed circuit board
JP3514647B2 (ja) 多層プリント配線板およびその製造方法
JP4004139B2 (ja) 多層積層板とその製造方法および多層実装回路基板
KR20160052423A (ko) 회로 기판 및 이의 제조 방법
JP4228405B2 (ja) 金属薄膜積層フィルムおよび該フィルムを用いたフレキシブルプリント配線板
JP2000200950A (ja) フレキシブルプリント配線基板およびその製造方法
JP2005169755A (ja) フレキシブル回路用基板の製造方法
JP4160811B2 (ja) フレキシブル銅張回路基板
JP3861432B2 (ja) 金属箔積層フィルムおよび該フィルムを用いたフレキシブルプリント配線板
KR20060129081A (ko) 가요성 프린트 배선용 기판과 그의 제조방법
JP5194601B2 (ja) 多層回路基板及び半導体装置
JP3568171B2 (ja) 金属表面を有する液晶ポリマーシート積層体及び接着性表面を有する液晶ポリマーシート積層体
JPH0693537B2 (ja) 両面導体ポリイミド積層体の製造方法
JP5116231B2 (ja) プリント配線板、プリント配線板の製造方法及び多層プリント配線板
JP3514669B2 (ja) 金属ベースプリント配線板および金属ベース多層プリント配線板並びにその製造方法
JP4126582B2 (ja) 多層プリント配線板およびその製造方法
JP2004319561A (ja) 素子内蔵基板及びその製造方法
JPH0732544A (ja) 紙基材銅張積層板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040616

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040924

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060606

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060807

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060905

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060918

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091006

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101006

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111006

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121006

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121006

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131006

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees