JPH11207739A - プリプレグの製造方法 - Google Patents

プリプレグの製造方法

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JPH11207739A
JPH11207739A JP1005298A JP1005298A JPH11207739A JP H11207739 A JPH11207739 A JP H11207739A JP 1005298 A JP1005298 A JP 1005298A JP 1005298 A JP1005298 A JP 1005298A JP H11207739 A JPH11207739 A JP H11207739A
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JP
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prepreg
producing
sheet
resin
prepreg according
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JP1005298A
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Masaharu Toyama
正春 遠山
Kazuki Ito
和貴 伊藤
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THERMO SETTA KK
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THERMO SETTA KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形が容易で、軽量にして且つ機械強度及び
耐摩耗性に優れるとともに、複雑な形状をもった樹脂製
の機械部材を簡単に製造できるプリプレグの製造方法を
提供すること。 【解決手段】 本発明になるプリプレグの製造方法は、
熱硬化性樹脂と補強繊維とを主成分とする抄造シート1
0をプレス抜きした成形体15の複数枚を積み重ねてお
き、互いに隣接するこれら成形体15のそれぞれを最終
打ち抜き時の圧力によって当該成形体15の中に含まれ
る前記補強繊維を絡ませ、これにより前記成形体の複数
枚を一体化する工程を経るところにその構成特徴があ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂製の機械部材
を製造するためのプリプレグの製造方法に関するもので
あり、より詳しくは、熱硬化性樹脂と補強繊維とを主成
分とする抄造シートをプレス抜きした成形体の複数枚を
積み重ねておき、互いに隣接するこれら成形体のそれぞ
れを最終打ち抜き時の圧力によって当該成形体の中に含
まれる前記補強繊維を絡ませ、これにより前記成形体の
複数枚を一体化する工程を経るプリプレグの製造方法に
関するものである。
【0002】ところで、この明細書において、最終品と
して製造される繊維強化プラスチック製の機械部材と
は、スペーサー、インシュレータ、ガスケット、スラス
トワッシャ、ギヤー、ボビン、ピストン部材、シリンダ
ー部材、プーリー、ポンプ部材、軸受け、その他これら
に類するものをすべて含む広い意味の概念である。但し
以下では、便宜上、主としてスラストワッシャーを例に
挙げて説明する。
【0003】
【従来の技術】従来のかかるプリプレグの製造方法とし
て特には、 アスベスト紙や綿布等のシートを基材とし、これ長尺
の基材を移送しながら、これにフェノール樹脂ワニスを
連続塗工し、乾燥し、ついで、製品形状に打ち抜き加工
を施してプリプレグを得、これを所定厚になるように所
定枚数(20〜40枚)重ねて、加熱加工成形すること
により最終機械部材を製造する方法(特公平7−206
81号公報)、 熱硬化性樹脂粉末と補強繊維とカーボン粉末を必須成
分としてこれらを液中に分散させて抄造し、得られる抄
造シートを所定の厚さになるように重ねて多層シート状
の成形材料とし、これをトムソン刃で重ね打ち抜き加工
を施すことにより所定のプリプレグを製造する方法(特
開平5−78500号公報)、が公知である。
【0004】なお、従来、例えば各種工作機械や産業機
械の高速運転による伝導ギヤーより発生する騒音や、潤
滑油の供給困難な機械構造又は油汚染を防止する目的
で、スラストワッシャーが使用されており、かるスラス
トワッシャーの製造方法として、フェノール樹脂等に代
表される合成樹脂に、ガラス繊維、アラミド繊維等の補
強繊維とカーボン粉末とを混合混練してペレット状にし
た成形材料を得、この成形材料を射出成形して所定形状
に成形する方法も公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記射
出成形するスラストワッシャーの製造方法によると、補
強繊維をフェノール樹脂と混合混練して成形材料とする
時に、補強繊維が折れたり切れて短くなってしまうた
め、当初期待した通りの強度をもつ成形品を得難く、ま
た、射出成形を行なうとき、成形機のシリンダのスクリ
ューや金型のゲートで補強繊維が切断されるため、強度
の低下が大きくなる等の問題があった。さらに、射出成
形したスラストワッシャーでは、補強繊維が配向して成
形品の強度に方向性ができてしまうとか、成形を行なう
際にウエルドが発生しやすく、ウエルドが発生した部分
では強度が低下して割れやすい等の問題もあった。
【0006】上述したの方法によると、樹脂ワニスに
例えばカーボン粉末を添加してシート状基材への含浸を
行ないたいのだが、カーボン粉末が樹脂ワニスに均一に
分散しないからカーボン粉末を添加し難く、また、長尺
シート状の基材にフェノール樹脂ワニスを含浸乾燥し、
これを移送する工程で、シート状基材にテンションをか
けながら移送するため、このテンションに対する応力が
プリプレグに歪みとして残り、しかも、最終製品を成形
した後においても歪みとして残る。すなわち、プリプレ
グの寸法精度、すなわちその結果として、特には、最終
製品に反りやねじれ等の変形が発生する原因となる。な
お、この反りを抑制すべく、製品形状に打ち抜いた成形
体を所定枚積み重ねる際に、縦・横方向、表裏面を変え
て積み重ねすると、これらの歪みが互いに打ち消しでき
るものの、当該成形体のそれぞれを一枚一枚揃えて積み
重ねる作業には膨大な工数を要するため、誠に作業効率
が悪いという問題があった。
【0007】また、このの方法によって製造された最
終機械部材にあっては、カーボン粉末のごとき滑り剤を
添加していないために摺動性が悪いとか、線膨張係数が
大きくまた吸湿性も高いために最終製品の寸法精度の維
持が困難であるという問題もあった。
【0008】一方、上述したの方法は、機械部材形状
に打ち抜き加工を施したもののを所定厚となるように積
み重ねるのではなくて、熱硬化性樹脂粉末と補強繊維と
カーボン粉末を必須成分としてこれらを液中に分散させ
て抄造し、得られる抄造シートを所定の厚さになるよう
に重ねて多層シート状の成形材料とし、これをトムソン
刃で重ね打ち抜き加工(所謂板取り加工)を施すため、
上述したの方法とは異なり、打ち抜いた個々の成形体
を一枚一枚揃えて積み重ねる必要がなくその工数が大幅
に低減できるものの、抄造シートに皺がよらないよう重
ね合わせする作業がまことに面倒であってその作業性が
悪いことに加えて、トムソン刃の加工に限界があるた
め、最終機械部材に例えば細い穴を成形できないとか、
複雑な形状に加工できない等の問題があった。
【0009】そしてまた、例えば、従来のプリプレグを
加熱加圧成形してなるスラストワッシャーにあっては、
耐熱性や機械強度が劣ると共に、線膨張係数が大きくて
か且つ吸湿性も高いためにその寸法精度の維持が困難で
あった。
【0010】本発明はこのような実状に鑑み鋭意創案さ
れたものであって、その目的とするところは、成形が容
易で、軽量にして且つ機械強度及び耐摩耗性に優れると
ともに、複雑な形状をもった樹脂製の機械部材を簡単に
製造できるプリプレグの製造方法を提供せんとするもの
である。
【0011】
【課題を解決するための手段】そのために本発明が採用
した手段の要旨とするところは、叙上の特許請求の範囲
に記載の通りである。
【0012】すなわち、本発明は、熱硬化性樹脂と補強
繊維とを主成分とする抄造シートをプレス抜き金型を使
用して単発的にプレス抜きした複数枚の成形体を、前記
金型内に積み重ねながらストックしておき、最終打ち抜
き時の圧力によって互いに隣接する成形体のそれぞれ
を、当該成形体の中に含まれる前記補強繊維を絡ませ、
これにより前記成形体の複数枚を一体化する工程を経る
ところにその構成特徴がある。
【0013】このような構成を採用した請求項1乃至2
に記載のプリプレグの製造方法によると、従来のように
抄造シートを皺がよらないよう一枚一枚積み重ねるとか
折り畳む作業、あるいは打ち抜きした個々の成形体を皺
がよらないよう一枚一枚揃えて積み重ねる必要がなく、
その工数を大幅に低減できる。また、プレス金型を用い
てプレス抜きするから、例えば細い穴を成形できると
か、全体形状を複雑な形状に加工できる。また、プリプ
レグの連続生産が可能でその生産性の向上が図れるとと
もに、人件費の低減が図れ、しかも、寸法精度に優れた
最終機械部材を廉価に製造できる。
【0014】また、抄造シートを別途製造してこれを例
えば巻き取って保管すると、必要に応じて、これを様々
な形状のプリプレグに成形することができるようにな
る。
【0015】また、従来のシート状基材に樹脂ワニスを
含浸乾燥する場合のように、張力が働いておらず、得ら
れた成形材料に歪みが残らないから、また、補強繊維が
従来の混合混練の場合のように外力で折れることもない
から、初期の繊維長をそのまま保持させることができ
る。
【0016】さらにまた、打抜き屑が発生しても、この
打抜き屑を液中に浸漬してほぐし再度抄造することがで
きる。
【0017】つぎに、このような構成を採用した請求項
3に記載のプリプレグの製造方法によると、熱硬化性樹
脂の種類、又は熱硬化性樹脂若しくは補強繊維の含有量
が異なる抄造シートを使用する構成が採用されているか
ら、請求項1乃至2に記載のプリプレグの製造方法で得
られる作用に加えて、さらに、機械強度等が異なる多層
構造を有した機械部材を成形できるプリプレグが製造で
きるようになる。
【0018】つぎに、このような構成を採用した請求項
4に記載の製造方法によると、叙上の請求項1〜3に記
載のプリプレグの製造方法で得られるそれぞれの作用に
加えて、有害な有機溶媒を使用しないから、抄造シー
ト、プリプレグ、曳いては樹脂製の機械部材を安全に製
造できるという作用が得られる。
【0019】つぎに、このような構成を採用した請求項
5に記載のプリプレグの製造方法によると、抄造シート
を抄造し直ちにこの抄造シートをプレス抜きして前記成
形体を得る抄造シートに滑り剤(摺動剤、滑動剤)が主
成分として含まれているため、請求項1〜4に記載のプ
リプレグの製造方法で得られるそれぞれの作用に加え
て、さらに、優れた摺動性や滑動性を有する最終機械部
材を成形できるプリプイレグが製造できるようになる。
【0020】つぎに、請求項6に記載のプリプレグの製
造方法によると、抄造シートを抄造し直ちにこの抄造シ
ートをプレス抜きして前記成形体を得る構成が採用され
ているから、請求項1〜5に記載のプリプレグの製造方
法で得られるそれぞれの作用に加えて、さらに、プリプ
レグの連続生産が可能でその生産性の向上が図れるとと
もに、人件費の低減が図れ、しかも、寸法精度に優れた
最終機械部材を廉価に製造できるようになる。
【0021】つぎに、請求項7に記載のプリプレグの製
造方法によると、前記抄造シートとして、巻取った若し
くは定尺カットされた抄造済みの抄造シートを使用する
構成が採用されているから、請求項1〜5に記載のプリ
プレグの製造方法で得られるそれぞれの作用に加えて、
さらに、抄造シートを別途作成して保管することがで
き、必要に応じてこれを当該プリプレグに成形できる。
すなわち、最終品たる機械部材の生産調製が容易にでき
るようになる。
【0022】つぎに、請求項8記載のプリプレグの製造
方法によると、請求項1〜7のいずれかに記載のプリプ
レグの製造方法で得られるそれぞれの作用に加えて、プ
リプレグ、曳いては最終機械部材の生産効率の向上がさ
らに図れるようになる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した実施例
に基づいて詳細に説明する。
【0024】ところで、本発明を実施するにあたり、抄
造シート10は、熱硬化性樹脂と補強繊維とを主成分と
するものであって、溶媒に、熱硬化性樹脂と補強繊維、
必要に応じて滑り剤等を分散させ、長尺シート状に抄造
される。
【0025】熱硬化性樹脂は、溶媒に分散させることが
できれば特に限定するものではないが、フェノール樹
脂、エポキシ樹脂若しくはジアリルフタレート樹脂のご
とき、水に対して分散できる熱硬化性樹脂であると、抄
造シート10を抄造するときに水を溶媒として使用で
き、取扱い並びに安全性等に優れるから、好適である
(特には、請求項4に記載の発明に相当するものであ
る。)。抄造シートを抄造する場合、溶媒に有機溶媒を
使用してもよいが、安全性等に問題があるので、できる
限り避けることが好ましい。なお、熱硬化性樹脂として
フェノール樹脂を使用する場合を例にして説明すると、
その粉末の粒径は1〜100μmが適当である。
【0026】補強繊維としては、ガラス繊維、ガラスパ
ウダー、アラミド繊維、アラミドパルプ等が例示でき、
これらの単独、或いは2種以上の混合物として使用され
る。
【0027】滑り剤は、抄造するときに分散させること
ができれば特に限定するものではなく、例えばカーボン
粉末を使用する場合には、カーボン粉末の粒径は1〜5
0μmが適当である。なお、カーボン粉末に代えて、カ
ーボン繊維、ふっ素樹脂粉末、ふっ素樹脂チップ、モリ
ブデン粉末、又はチタン酸カリウムウイスカのごとき他
の滑り剤を使用しても構わない。
【0028】滑り剤を含有する抄造シートがプリプレグ
の表面に配置されると、その表面に優れた摺動性や滑動
性を有する最終機械部材が当然のこと成形できるように
なる。また、上述した抄造シートには、他の充填材や添
加剤を適宜配合することもできる。これらの実施の態様
は、特には、請求項5に記載の発明に相当するものであ
る。
【0029】次に、本発明の製造方法を実施する際に使
用する金型100を説明する。なお、以下においては、
便宜的に、抄造シート10をドーナツ形状に打ち抜きし
た後、得られた成形体15の複数枚を最終打ち抜き圧に
よって円筒状のプリプレグ20へと一体成形する場合に
使用する金型を例にして説明する。
【0030】図1は、この金型100の要部を模式的に
示した断面図であり、図2は下型120の平面図であ
る。
【0031】図において、金型100は、下型120と
上型130とからなる凹凸金型であり、ダイセット14
0上に組み付けされている。
【0032】下型120は、所定のドーナツ寸法形状と
なるようにワイヤカット放電加工してなる凸刃121a
をもった凸刃体121と、その上面が前記凸刃121a
の上面よりも僅かに上方となるように配置されたストリ
ッパープレート123と、該ストリッパープレート12
3の上下の往復動を可能とするバネ体124と、から構
成されている。凸刃体121の中央部には、抄造シート
10の円盤状残材13を排出するためのスルーホール1
22が形成されている。ストリッパープレート123の
上面には、抄造シート10を位置決めするための突起1
23aが突設されている。
【0033】上型130は、前記凸刃121aと相対応
する位置にこの凸刃121aと同一のドーナツ寸法形状
に穿設された嵌合空間132を有する凹刃体131と、
上方からこの嵌合空間132に嵌挿される排出板133
と、この排出板133の下端面と前記凹刃体131の下
端面との距離を、所望する所定間隔となるように支持す
るストッパ135とから構成されている。前記嵌合空間
132のうち、排出板133の下端面より下方に形成さ
れる空間132aは、成形体15の複数枚を積み重ねな
がらストックするためのストックルーム132aとな
る。なお、上型130は一定のストローク幅hで上下方
向に往復動させることができるようになっている。
【0034】ところで、この金型100は、抜き刃とし
てはその加工に限界のあるトムソン刃を使用するもので
はなく、例えばワイヤーカット放電加工してなる凹凸プ
レス抜き金型を使用するので、最終機械部材を複雑な形
状に加工でき、且つ例えば細い穴を成形することもでき
る。
【0035】このように構成された金型100を使用し
た、本発明になるプリプレグ20の製造方法を説明す
る。
【0036】まず、抄造した直後の抄造シート10を金
型100に導き、ストリッパープレート123の上面に
突設された突起123aによってこの抄造シート10を
位置決めした後、上型130を下方に向けて移動させ、
凹刃体130をストリッパープレート123に当接させ
たままバネ体124の応力に抗して移動させると、嵌合
空間132の中に凸刃121aが嵌挿され、この時に、
抄造シート10は、凸刃121aと同一のドーナツ寸法
形状に打ち抜かれ、所定形状の成形体15が得られる。
【0037】ついで、上型130を元の位置に向けて移
動させると、得られた成形体15はそのまま嵌合空間1
32(ストックルーム132a)に残る。なお、打ち抜
かれた円盤状の残材13は、スルーホール122を介し
て金型100の外に排出される。
【0038】抄造シート10を水平方向に移動させ、上
記の操作が繰り返される。
【0039】このようにして、図3に示すように、スト
ックルーム132a内に所定枚数の成形体15を積み重
ねながらストックさせる。
【0040】而して、成形体15のプレス抜きが所定回
数繰り返され最終の打ち抜き時になると、積み重ねた複
数枚の成形体15、・・の厚さが上型130のストロー
ク幅hより厚くなっており、しかも上型130のストロ
ーク幅hは一定であるので、最終となる成形体15を打
ち抜く時には、より大きなプレス圧が負荷され打ち抜き
されることになる。すなわち、最終となる成形体15が
打ち抜きされると、積み重ねられた複数枚の成形体全体
により大きなプレス圧が負荷されることに加えて、上述
しように各成形体15には補強繊維が含まれているた
め、互いに隣接する成形体中の補強繊維が複雑に絡み合
あって分割不能な塊となる(一体化する)。すなわち、
熱硬化性樹脂からなるプリプレグ20が成形される。
【0041】排出板133が下方に向けて付勢される
と、プリプレグ20は上型130から取り出しされる。
【0042】上述した一連の操作が繰り返して実施さ
れ、当該プリプレグ20が連続製造される。
【0043】このようにして得られたプリプレグ20を
所定の型枠内に移して加熱加圧処理を施すと、所定の寸
法形状を有する最終機械部材となる。
【0044】ところで、上述した「最終打ち抜き圧力」
とは、抄造シートの種類、及び成形体の寸法形状等によ
って実質的に決まる所定範囲内の圧力を意味するもので
ある。この最終打ち抜き圧力が、この所定範囲内の下限
よりも小さいと、前記成形体の複数枚を一体化すること
ができない。一方、最終打ち抜き圧力が、所定範囲内の
上限よりも大きいとプリプレグの圧砕現象が起きる。
【0045】例えば、紙厚が1.5mm、密度が0.3
8g/cm3 の抄造シートを、その表面積が30cm2
となるように打ち抜いた成形体12枚を、約40トンの
最終打ち抜き圧力でプレスすると、厚さが6mm、密度
が1.14g/cm3 のプリプレグが成形できる。そし
て、得られたプリプレグを加熱加圧処理してなるスラス
トワッシャーは、極めて優れた物理的特性を有するもの
であった。
【0046】ところで、上述した製造方法は、本発明の
代表的な実施態様として述べたものであってこれに限定
されるものではなく、本発明を実施する場合には、本発
明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜設計変更して実施で
きる。
【0047】
【発明の効果】以上述べたように、本発明になるプリプ
レグの製造方法によると、次にのべる格別顕著な作用効
果が得られる。
【0048】(1) 従来のように抄造シートを皺がよらな
いよう一枚一枚積み重ねるとか折り畳む作業、あるいは
打ち抜きした個々の成形体を皺がよらないよう一枚一枚
揃えて積み重ねる必要がなく、その工数を大幅に低減で
きる。 (2) プレス金型を用いてプレス抜きするから、例えば細
い穴を成形でき、全体形状を複雑な形状に加工できる。 (3) また、プリプレグの連続生産が可能でその生産性の
向上が図れるとともに、人件費の低減が図れ、しかも、
寸法精度に優れた最終機械部材を廉価に製造できる。 (4) 抄造シートを別途に製造してこれを例えば巻き取っ
て保管すると、必要に応じて、これを様々な形状のプリ
プレグに成形することができるようになる。 (5) 打抜き屑が発生してもこの打抜き屑を液中に浸漬し
てほぐし、再度抄造することができるから、資源の節約
となる。 (6) 従来のシート状基材に樹脂ワニスを含浸乾燥する場
合のように、張力が働いておらず、得られた成形材料に
歪みが残らないから、また、補強繊維が従来の混合混練
の場合のように外力で折れることもないから、初期の繊
維長をそのまま保持させることができ、補強繊維が切断
されることが原因となって、強度の低下が大きくなると
か、射出成形のように補強繊維が配向して成形品の強度
に方向性ができてしまうとか、ウエルドが発生して強度
が低下し割れやすいなるとか等、従来のプリプレグから
成形された機械部材の具有する諸問題を解消できる。
【0049】つぎに、請求項3に記載のプリプレグの製
造方法によると、請求項1乃至2に記載のプリプレグの
製造方法で得られる作用効果に加えて、さらに、機械強
度等が異なる多層構造を有した機械部材を成形できるプ
リプレグが製造できる。
【0050】請求項4に記載の製造方法によると、叙上
の請求項1〜3に記載のプリプレグの製造方法で得られ
るそれぞれの作用効果に加えて、有害な有機溶媒を使用
しないから、抄造シート、プリプレグ、曳いては樹脂製
の機械部材を安全に製造できる。
【0051】請求項5に記載のプリプレグの製造方法に
よると、請求項1〜4に記載のプリプレグの製造方法で
得られるそれぞれの作用効果に加えて、さらに、優れた
摺動性や滑動性を有する最終機械部材が成形できるプリ
プイレグを簡単に成形できる。
【0052】請求項6に記載のプリプレグの製造方法に
よると、請求項1〜5に記載のプリプレグの製造方法で
得られるそれぞれの作用効果に加えて、さらに、プリプ
レグの連続生産が可能でその生産性の向上が図れるとと
もに人件費の低減が図れ、しかも、寸法精度に優れた最
終機械部材を廉価に製造できる。
【0053】請求項7に記載のプリプレグの製造方法に
よると、請求項1〜5に記載のプリプレグの製造方法で
得られるそれぞれの作用効果に加えて、さらに、抄造シ
ートを別途作成して保管することができ、必要に応じて
これを当該プリプレグに成形できから、最終品たる機械
部材の生産調製が容易となる。
【0054】精求項8記載のプリプレグの製造方法によ
ると、請求項1〜7のいずれかに記載のプリプレグの製
造方法で得られるそれぞれの作用効果に加えて、プリプ
レグ、曳いては最終機械部材の生産効率の向上がさらに
図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明になるプリプレグの製造方法
を実施する際に使用される一金型の要部を模式的に示す
断面図である。
【図2】 図2は、図1に示した金型を構成する下型の
平面図である。
【図3】 図3は、図1に示した金型を使用して抄造シ
ートをプレス抜きしている様子を模式的に示す断面図で
ある。
【図4】 図4は、図1に示した金型を使用して成形し
たプリプレグを、上型から取り出している様子を模式的
に示す断面図である。
【符号の説明】
10…抄造シート 13…残材 15…成形体 20…プリプレグ 100…金型 121…凸刃体 121a…凸刃 122…スルーホール 123…ストリッパープレート 123a…突起 124…バネ体 130…上型 131…凹刃体 132…嵌合空間 132a…ストックルーム(空間) 133…排出板 135…ストッパ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂と補強繊維とを主成分とす
    る抄造シートをプレス抜き金型を使用して単発プレス抜
    きしてなる成形体の複数枚を積み重ねて一体に形成する
    プリプレグの製造方法であって、 互いに隣接する前記成形体のそれぞれを最終打ち抜き時
    の圧力によって当該成形体の中に含まれる前記補強繊維
    を絡ませ、これにより前記成形体の複数枚を一体化する
    工程を経ることを特徴とするプリプレグの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記プリプレグの製造方法において、 前記抄造シートを移送しながら当該抄造シートから複数
    枚の前記成形体をプレス抜きする工程が含まれているこ
    とを特徴とする請求項1に記載のプリプレグの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記プリプレグの製造方法において、 前記抄造シートとして、前記熱硬化性樹脂若しくは前記
    補強繊維のいずれか一方又はその両方の含有割合の相違
    する複数枚が使用されていることを特徴とする請求項1
    又は2に記載のプリプレグの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記プリプレグの製造方法において、 前記熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
    ジアリルフタレート樹脂に代表される水分散可能な樹脂
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    のプリプレグの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記プリプレグの製造方法において、 前記抄造シートに、カーボン粉末、カーボン繊維、ふっ
    素樹脂粉末、ふっ素樹脂チップ、モリブデン粉末、又は
    チタン酸カリウムウイスカのうちのいずれかが、滑り剤
    としてさらに含まれていることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記プリプレグの製造方法において、 前記抄造シートを抄造し直ちにこの抄造シートをプレス
    抜きして前記成形体を成形する工程が含まれていること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプリプレ
    グの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記プリプレグの製造方法において、 前記抄造シートとして、巻取った若しくは定尺カットさ
    れた抄造済みの抄造シートが使用されていることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれかに記載のプリプレグの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記プリプレグの製造方法において、 前記抄造シートが該抄造シートの複数枚からなる積層体
    であって、この積層体をプレス抜きしてなる各成形体の
    複数群を積み重ね、互いに隣接する前記成形体のそれぞ
    れを最終打ち抜き時の圧力によって前記成形体の中に含
    まれる前記補強繊維を絡ませ、これにより前記成形体の
    複数枚を一体化する工程を経ることを特徴とする請求項
    1〜7のいずれかに記載のプリプレグの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20160122846A (ko) 2014-06-23 2016-10-24 가부시키가이샤 아이에이치아이 프리프레그 절단 적층 장치

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