JPH11207502A - バイト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バイトにおけるシャンクの振動を吸収する。 【解決手段】 シャンク４の適所に、内部が複数の貯留
室に仕切られ、かつ各貯留室内に適度の粘性を有する液
体１０が貯留された防振槽６を着脱可能として取付け
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ワークを旋盤によ
り切削する際のシャンクの振動を吸収しうるようにした
バイトに関する。

【０００２】

【従来の技術】たとえば、鍛造により成形されたエンジ
ンバルブの傘部は、旋盤により加工されるが、この切削
には、鋼製シャンクの先端に超硬チップを取付けた一般
的なバイトが用いられる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上述のような通常のバ
イトによる切削では、ステライト等の硬質合金が肉盛さ
れた弁フェースを切削する際に、シャンクの剛性不足に
よりバイト全体が微振動を起こして、加工精度を低下さ
せたり、チップの刃先の摩耗を早めてその寿命を低下さ
せたりすることがある。

【０００４】これを防止するためには、シャンクを超硬
合金や防振バー等により形成して、その剛性を高めるこ
とも考えられるが、このような材料は非常に高価である
ため、不経済となる。

【０００５】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたもので、シャンクに特殊な材料を使用することな
く、シャンクの振動を効果的に吸収しうるようにしたバ
イトを提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課
題は、シャンクの適所に、内部が複数の貯留室に仕切ら
れ、かつ各貯留室内に適度の粘性を有する液体が貯留さ
れた防振槽を着脱可能として取付けたことにより解決さ
れる。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１及び図２は、本発明のバイト
によりエンジンバルブ(１)の弁フェース(２)を旋削する
要領を略示するもので、バイト(３)におけるシャンク
(４)は、安価な鋼材により形成され、その先端には、三
角形の超硬チップ(５)が着脱可能に取付けられている。

【０００８】シャンク(４)上には、硬質プラスチック製
の矩形の防振槽(６)が、その下面に固着した磁石(７)を
シャンク(４)の上面に吸着することにより、取外し可能
に取付けられている。

【０００９】防振槽(６)は、仕切板(８)により複数(４
室)の貯留室に仕切られ、上面は上蓋(９)により閉塞さ
れている。防振槽(６)の各貯留室内には、適度の粘性を
有するグリセリン(10)が、上蓋(９)との間に若干の空間
を設けて貯留されている。

【００１０】弁フェース(２)の切削時において、シャン
ク(４)が水平に振動すると、グリセリン(10)が、防振槽
(６)の各室内において波立つことにより、水平方向の振
動が吸収される。

【００１１】シャンク(４)が上下に振動すると、グリセ
リン(10)と防振槽(６)における各室の内壁との抵抗及び
グリセリン(10)の上下振動に伴う慣性力により、上下方
向の振動が吸収される。

【００１２】なお、上記実施例では、防振槽(６)の上方
を上蓋(９)により閉塞したが、開口させたままとしても
よい。また、本発明は、超硬チップ(５)を使用しないシ
ャンク一体型のバイトにも適用しうることは勿論であ
る。防振槽(６)の取付位置は、シャンク(４)の上面とは
限らず、側面又は下面とすることもある。

【００１３】

【発明の効果】本発明のバイトによると、シャンクに取
付けた防振槽内の液体により、ワーク加工時のシャンク
の振動が吸収されるので、シャンクに特殊な材料を用い
ることなく、加工精度を向上させうるとともに、バイト
の寿命を伸ばすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるワークの旋削状態を示す要部の平
面図である。

【図２】同じく正面図である。

【符号の説明】

(１)エンジンバルブ (２)弁フェース (３)バイト (４)シャンク (５)超硬チップ (６)防振槽 (７)磁石 (８)仕切板 (９)上蓋 (10)グリセリン(液体）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シャンクの適所に、内部が複数の貯留室
   に仕切られ、かつ各貯留室内に適度の粘性を有する液体
   が貯留された防振槽を着脱可能として取付けたことを特
   徴とするバイト。