JPH11207152A - 中空糸膜モジュール - Google Patents

中空糸膜モジュール

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JPH11207152A
JPH11207152A JP1225398A JP1225398A JPH11207152A JP H11207152 A JPH11207152 A JP H11207152A JP 1225398 A JP1225398 A JP 1225398A JP 1225398 A JP1225398 A JP 1225398A JP H11207152 A JPH11207152 A JP H11207152A
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JP
Japan
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hollow fiber
fiber membrane
hole
air
outer cylinder
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Application number
JP1225398A
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English (en)
Inventor
Kyoichi Okubo
享一 大久保
Yoshihiro Shiozawa
義博 塩沢
Seiichi Kazama
誠一 風間
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Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中空糸膜の低圧空気逆洗時の糸破損を防止
し、中空糸膜の外表面に捕捉された懸濁物の除去効果を
向上させる。 【解決手段】 中空糸膜モジュール42の外筒51に、
原液を給水するため及び中空糸膜モジュール42の低圧
空気逆洗時に供給された低圧空気をモジュール外に排出
するために設けられた多数の孔(逆洗空気穴)47の孔
心位置を、中空糸膜束の上端部を外筒51に接着固定し
た接着剤の下端面から70mm以上離し、この接着剤の下
端面に一番近い逆洗空気穴47と前記接着剤の下端面の
間の外筒51に、直径0.5〜3mmの空気抜き用の穴4
8を設ける。また、中空糸膜40を束ね外筒51と接着
固定する際に接着剤を注入するために外筒51上部に設
けられた接着剤注入穴は、直径0.5〜3mmの穴をあけ
た栓で塞いで空気抜き用の穴48とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原液のろ過処理を
行なう容器内に設けた仕切板に複数個の中空糸膜モジュ
ールを装着してなるフィルタを備える中空糸膜式ろ過装
置に係り、特に、中空糸膜束を外筒に内装固定した中空
糸膜モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】中空糸膜式ろ過装置はろ過助材を使用し
ないため、原子力プラントに適用すると、プリコート式
ろ過装置に比べ放射性廃棄物発生量が少ない。また、中
空糸膜の孔でろ過処理するため、原液の性状に応じて孔
径が選定でき、除去性能がすぐれていることから、各種
の懸濁物を除去するための水処理装置に広く用いられて
いる。
【0003】図4に、中空糸膜モジュールの従来の構造
例を示す。中空糸膜モジュール41は、壁面に微孔を形
成した中空の糸状の中空糸膜40を外筒51内に軸線方
向に多数束ねて接着固定し、外筒51の最上端部を端部
材31に接着固定して構成されている。この端部材31
の端部は、中空糸膜モジュール41が装着される容器の
仕切板3に形成された段付き穴に嵌合するよう幅広のフ
ランジ状を成しており、端部材31と仕切板3の間にシ
ール材32を設け原液と処理液が混合しないようにし、
前記段付き穴に嵌合した端部材31は押え板4で仕切板
3に固定されている。
【0004】ろ過処理の必要な原液(懸濁物を含んだ原
液)は、外筒51に設けられた開口部47および下部リ
ング52の案内管54より中空糸膜モジュール41内に
導かれ、中空糸膜40の外側より壁面の微孔を経て内側
の中空部に流れることによりろ過処理される。ろ過され
た処理液の一部は、中空糸膜40の中空部を通って上方
へ流れ押さえ板4の開口部を通って仕切板3の上方へ導
かれ、残部は中空糸膜40の中空部を通って下方へ流れ
下部リング52の空間部で形成された集水室36に集め
られ、集水管35を通って上方へ流れ、押さえ板4の開
口部を通って同じく仕切板3の上方へ導かれる。
【0005】このろ過で分離された懸濁物は中空糸膜4
0の外表面に捕捉蓄積され、これにより中空糸膜40壁
面の微孔が徐々に塞がれ、これに従い中空糸膜のろ過抵
抗が増大し、ろ過差圧が上昇する。このろ過差圧が規定
値Psに達すると中空糸膜の逆洗を行なう。中空糸膜の
逆洗は、中空糸膜モジュール41を内装した容器の前記
仕切板3下方に供給される低圧空気により中空糸膜を振
動させて懸濁物を除去する低圧空気逆洗と、仕切板3上
方に供給される高圧空気により容器の仕切板上方部分に
保有する処理液を中空糸膜内に圧送し中空糸膜内側から
外側に逆洗する高圧空気逆洗があり、これら一方または
両方の組合せにより中空糸膜で捕捉された懸濁物を除去
する。この逆洗に使用された空気は、容器の仕切板下方
の部分に接続されたベント管から排気され、また、懸濁
物を含んだ容器内の保有液は、同じく容器の仕切板下方
の部分に接続されたドレン管から排出される。
【0006】次に、この中空糸膜モジュールの逆洗につ
いて説明する。低圧空気逆洗における低圧空気は、中空
糸膜を振動させて懸濁物を中空糸膜外面より除去した
後、中空糸膜モジュールの外筒51に給水用及び逆洗時
の空気排出用に設けられた多数の孔(逆洗空気穴47)
及びその逆洗空気穴47と端部材31の端面の間に設け
られた空気抜き用の穴48から中空糸膜モジュール41
外に排出される。
【0007】ここで、空気抜き用の穴48は、中空糸膜
40を外筒51に接着固定する際に、外筒51内部への
接着剤注入用としても使用しているので、接着剤注入が
できる大きさとしてある。穴48の径が大きいと、空気
抜き用の穴48から排出される空気流速が速くなる。空
気抜き用の穴48から排出される空気流速が速くなる
と、低圧空気逆洗時の空気抜き用穴48への空気流動に
より、穴48近傍の中空糸膜40の振動に影響を与え、
中空糸膜上部の振動が局部的に大きくなり、空気抜き用
の穴48近傍の中空糸膜40は、穴48方向に引張られ
ることになる。この状態で低圧空気逆洗を長時間または
多数回実施していると、中空糸膜モジュール上部の空気
抜き用の穴48近傍の中空糸膜40に繰り返しの引張り
応力が作用し、中空糸膜の破損の要因となる。特に中空
糸膜が接着固定されている部分の境目、中空糸膜の根元
位置にその影響が大きい。中空糸膜が破損した場合、原
液が破損した中空糸膜から漏洩し、仕切板3の上方にろ
過処理されていない原液が一部流入することから、処理
液の性状が悪くなり、除去性能が低下する。また、破損
した中空糸膜が多数本になった場合は、処理液の純度を
保てなくなるため中空糸膜モジュールを新品と交換する
必要がある。
【0008】また、空気抜き用の穴48が大きいと、低
圧空気逆洗時の低圧空気がモジュール下部からモジュー
ル上部に集められる速さが早くなり、このため空気が中
空糸膜と十分に接しない。つまり、空気が膜をゆらさな
いため、空気が中空糸膜モジュール41全体に均一に分
散されず、中空糸膜全体に低圧空気による振動が伝わら
ない。特に空気抜き用穴48のあるモジュール上端部で
は、空気が膜に接する時間が少なくなり、この部位にお
いて、中空糸膜の微孔に捕捉された懸濁物を完全に除去
することができず、一部が残存する。そのため低圧空気
逆洗を実施した直後のろ過差圧は中空糸膜をろ過に供し
た当初のろ過差圧P0まで回復せず、当初のろ過差圧よ
り高い差圧P1となる。ろ過処理と逆洗が繰り返えされ
ると、逆洗により除去されずに中空糸膜の外表面に残存
する懸濁物は徐々に増加し、逆洗後のろ過差圧が次第に
高くなり、ろ過差圧が規定値Psに上昇する時間も短く
なる。このため、逆洗間隔が短くなるとともに、逆洗に
よるろ過差圧の回復が実質的に無くなって、それ以後の
ろ過運転が不可能となる。
【0009】図5に、中空糸膜式ろ過装置の通水と低圧
空気逆洗を繰り返したときの運転時間とろ過差圧の関係
を示す。横軸は運転時間を表し、縦軸は入口配管12と
出口配管13の内包流体の圧力差、すなわち、ろ過差圧
を表す。曲線イはろ過差圧変化を示しており、運転時間
の経過に伴い、中空糸膜40の表面に懸濁物が蓄積され
中空糸膜40のろ過抵抗が増大するため、ろ過差圧が徐
々に増加する。ろ過差圧が規定値Psに達した時点ロで
ろ過処理を停止し、逆洗を行う。逆洗で差圧がP1(ハ
点)まで低下する。その後のろ過処理運転では、ろ過差
圧はP1からスタートする。逆洗毎に逆洗で除去されず
に中空糸膜外表面に残存する懸濁物が増えるため、上述
の手順でろ過と逆洗を繰り返すと、逆洗後のろ過差圧
は、P1,P2,P3,と次第に高くなり、逆洗してから
次の逆洗までのろ過運転時間TもT1、T2、T3と次第
に短かくなり、中空糸膜の寿命も短かかった。
【0010】なお、この種の装置としては、特開平5ー
7740号公報記載の例がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、低
圧空気逆洗時に外筒上端部の空気抜き用の穴から流出す
る低圧空気が中空糸膜の糸破損の要因となった。また、
中空糸膜40の外表面に捕捉された懸濁物が低圧空気逆
洗後も残存し、ろ過時間が徐々に短くなる等の要因があ
った。
【0012】これは、低圧空気逆洗時、低圧空気が空気
抜き用の穴48から排出される際に、空気抜き用の穴径
が大きいことにより、排出される空気流速が速くなるた
め、中空糸膜上部の方が空気抜き用の穴48方向に引張
られること、また、中空糸膜モジュール41に下方から
供給された低圧空気がモジュール41上部の空気抜き用
の穴48近傍に局部的に集まることになり、中空糸膜モ
ジュール41内、特に上端部に空気が均一分散されない
ことによるものである。
【0013】本発明は、中空糸膜の低圧空気逆洗時の糸
破損を防止し、中空糸膜の外表面に捕捉された懸濁物の
除去効果を向上させることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を達成する本
発明の第1の手段は、中空糸膜を複数本束ねた中空糸膜
束と、この中空糸膜束を内装し壁面に給水用及び逆洗時
の空気排出用に多数の孔をあけた外筒と、を含んで構成
され、前記中空糸膜を上下方向に配列させて懸濁物を含
む流体のろ過に用いられる中空糸膜モジュールにおい
て、前記中空糸膜束の上端部は前記外筒の端部に接着固
定され、前記外筒壁面に形成された孔のうち、該接着固
定部の下端面に一番近い孔はその下方に形成された孔よ
り小さいことを特徴とする。
【0015】上記の目的を達成する本発明の第2の手段
は、中空糸膜を複数本束ねた中空糸膜束と、この中空糸
膜束を内装し壁面に給水用及び逆洗時の空気排出用に多
数の孔をあけた外筒と、を含んで構成され、前記中空糸
膜を上下方向に配列させて懸濁物を含む流体のろ過に用
いられる中空糸膜モジュールにおいて、前記中空糸膜束
の上端部は前記外筒の端部に接着固定され、この接着固
定部の下端面に一番近い前記給水用及び逆洗時の空気排
出用の孔はこの接着固定部の下端面との間に少なくとも
所定の距離をおいて配置され、その孔と前記接着固定部
の下端面との間の外筒壁面に給水用及び逆洗時の空気排
出用の孔より小さい空気抜き用の穴を設けたことを特徴
とする。
【0016】上記の目的を達成する本発明の第3の手段
は、上記第2の手段において、前記所定の距離が70mm
であることを特徴とする。
【0017】上記の目的を達成する本発明の第4の手段
は、上記第2または第3の手段において、空気抜き用穴
の径は、0.5〜3mmの間であることを特徴とする。
【0018】上記の目的を達成する本発明の第5の手段
は、上記第2乃至第4の手段のいずれかにおいて、空気
抜き用の穴は、モジュール製作時に中空糸膜を束ね外筒
と接着固定する際に外筒にあらかじめ開けられた接着剤
注入穴に、直径0.5〜3mmの孔をあけた栓をすること
で形成されていることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を使
って説明する。
【0020】図6に、本発明の実施例である中空糸膜式
ろ過装置のろ過器廻りの概略構成を示す。図示の装置
は、軸線を上下方向にして配置され上端開口部にフラン
ジを備えた円筒形の胴容器1と、胴容器1の上端開口部
の前記フランジに仕切板3を介して結合されたドーム状
の蓋容器2と、仕切板3に結合され胴容器1に軸線を上
下方向にして内装された中空糸膜モジュール42と、仕
切板3に上方から結合されて中空糸膜モジュール42を
固定する押え板4と、前記蓋容器2のドーム状部分の中
央に接続され処理液出口弁14を介装した処理液出口管
13と、処理液出口弁14と蓋容器2の間の処理液出口
管13に接続され上部空気入口弁19を介装した上部空
気入口管20と、胴容器1の底部中央に接続されドレン
弁22を介装したドレン管21と、胴容器1の底部に接
続され原液入口弁11を介装した原液入口管12と、胴
容器1の下部に接続され下部空気入口弁15を介装した
下部空気入口管16と、胴容器1の上部に接続されベン
ト弁18を介装したベント管17と、を含んで構成され
ている。
【0021】中空糸膜モジュール42は、胴容器1と蓋
容器2で挟まれた仕切板3に1個または複数個吊り下げ
られ、押え板4にて固定されている。
【0022】図1に、本実施例における中空糸膜モジュ
ール42の構造を示す。図示の中空糸膜モジュール42
は、中空円筒状の外筒51と、外筒51の上端部(仕切
板3に結合される側の端部)外周に同心状に嵌合され接
着固定された端部材31と、外筒51の下端部外周に同
心状に嵌合され接着固定された下部リング52と、下部
リング52の中央部に軸線を上下方向にして取り付けら
れ外筒51の内部と外部を連通する案内管54と、外筒
51内部に長手方向を上下方向にして束ねて配置され、
上端部を外筒51上端部内部に接着剤で接着固定され、
下端部を外筒51下端部内周と前記案内管54外周の間
の環状部分に接着剤で接着固定された中空糸膜40と、
外筒外周に沿って上下方向に配置され上端開口部を中空
糸膜40の上端固定部の上方に位置させ下端開口部を中
空糸膜40の下端に形成された集水室36に位置させた
複数の集水管35と、を含んで構成されている。
【0023】端部材31の端部は、中空糸膜モジュール
42が装着される容器の仕切板3に形成された段付き穴
に嵌合するよう幅広のフランジ状を成しており、端部材
31と仕切板3の間にシール材32を設け原液と処理液
が混合しないようにし、前記段付き穴に嵌合した端部材
31は押え板4で仕切板3に固定されている。
【0024】中空糸膜40は、その上端と下端を外筒5
1の上端と下端に一致させて固定されており、上部は、
外筒内部の外筒上端から端部材31の下端に対応する範
囲に充填された接着剤で外筒51に固定され、下部は、
外筒内部の外筒下端から下部リング52の上端に対応す
る範囲に充填された接着剤で外筒51に固定されてい
る。つまり、中空糸膜40の上部を外筒51に固定して
いる接着剤の下面は、外筒上部外周に嵌合接着された端
部材31の下端にほぼ一致している。
【0025】本実施例は、前述の従来例に比べて、原液
を中空糸膜でろ過処理し懸濁物を除去する機能には変わ
りがなく、また、中空糸膜式ろ過装置のろ過器廻りの構
成も変わることはない。本実施例が図4に示す従来技術
と相違する点は、中空糸膜モジュール42の外筒51に
給水用および逆洗時の空気排出用に設けられた多数の孔
(逆洗空気穴47)の孔心位置は、端部材31の下端面
(中空糸膜40の上部を外筒51に固定している接着剤
の下面)より70mm以上離し、逆洗空気穴47と端部材
31の端面の間に設けた空気抜き用の穴48の穴径を逆
洗空気穴47の穴径より小さくした点である。言い替え
ると、端部材31の下端面に一番近い位置に形成された
孔の径は、その下方に形成された孔の径よりも小さくし
てある。具体的には、端部材31の下端面に一番近い位
置に形成された空気抜き用の穴48の穴径は0.5〜3m
mの間で選定するのが望ましい。
【0026】ろ過処理の必要な原液(懸濁物を含んだ原
液)は、原液入口弁11、原液入口管12を介して胴容
器1に導かれる。胴容器1に導かれた原液は、中空糸膜
モジュール41の外筒51に設けられた開口部(穴4
7、48)および下部リング52に装着された案内管5
4より中空糸膜モジュール41内に導かれ、中空糸膜4
0でろ過処理される。ろ過された処理液は、前記従来技
術の場合と同様の経路を経て蓋容器2内へ導かれる。蓋
容器2に集められた処理液は、処理液出口管13、処理
液出口弁14を経て下流系統に送られる。
【0027】中空糸膜の逆洗は、前記従来技術の場合と
同様、下部空気入口弁15、下部空気入口管16より供
給される低圧空気による低圧空気逆洗と、上部空気入口
弁19、上部空気入口管20より供給される高圧空気に
よる高圧空気逆洗とにより行ない、その空気は、ベント
管17、ベント弁18を介して排出され、容器内保有液
は、ドレン管21、ドレン弁22を通って排出される。
【0028】発明者らの知見によれば、中空糸膜モジュ
ールの外筒51に給水用および逆洗時の空気排出用に設
けられた多数の孔(逆洗空気穴47)の孔心位置は、端
部材31の下端面(中空糸膜40の上部を外筒51に固
定している接着剤の下面)から70mm以上離してあるほ
うがろ過効率の面から好ましい。本実施例では、逆洗空
気穴47と端部材の端面の間に設けた空気抜き用の穴4
8の穴径が逆洗空気穴47の穴径より小さいため、低圧
空気逆洗時に、空気抜き用の穴48から排出される排出
空気量は逆洗空気穴47から排出される排出空気量に比
べて少なく、したがって空気抜き用の穴48から排出さ
れる空気の流速は逆洗空気穴47から排出される空気の
流速に比べて小さい。
【0029】なお、空気抜き用の穴48は、中空糸膜4
0を束ね外筒51に接着固定する際に、接着剤を外筒5
1内に注入する穴としても使用されており、その段階で
は図3に示すように直径約6mmの穴であるが、接着剤注
入後0.5〜3mmの範囲で選択された直径の孔をあけた
栓5で塞いである。
【0030】図1を用いて中空糸膜モジュールの低圧空
気逆洗について説明する。低圧空気逆洗の場合は、低圧
空気が、中空糸膜モジュール42内の下部リング52の
案内管54よりモジュール内に導かれ、中空糸膜モジュ
ール42内の中空糸膜40を振動させながら上昇し、中
空糸膜モジュールの上部へ導かれ、最終的には中空糸膜
モジュール42の外筒51に設けられた逆洗空気穴47
および空気抜き用の穴48からモジュール外に排出され
る。
【0031】図2に本発明の中空糸膜モジュールの空気
抜き用の穴48の穴径を定めるグラフを示す。本図は、
横軸に空気抜き用の穴48の穴径を表し、縦軸に低圧空
気逆洗時に空気抜き用の穴48から排出される空気流速
を示す。縦軸の空気流速は、穴径6mmの穴から排出され
る空気の流速を5として相対的な比率で示してある。こ
の図に示す如く空気抜き用の穴径が大きくなることに伴
い、排出される空気流速が速くなる。
【0032】従来の中空糸膜モジュール41の空気抜き
用の穴48の穴径は6mm以上であり、図2に示すように
従来の空気抜き用の穴径では逆洗時に排出される空気流
速が速くなる。すなわち、空気抜き用の穴48の穴径を
逆洗空気穴47の穴径より小さくすることにより、空気
抜き用の穴48からの排出空気流速が低く抑えられ、中
空糸膜40の上部の方が空気抜き用の穴48方向に引張
られて中空糸膜の糸破損の原因となるのが防止される。
また、低圧空気逆洗時に空気抜き用の穴48から排出さ
れる空気の量が少なくなって、中空糸膜モジュール内に
送りこまれた空気が中空糸膜モジュール上部の偏った領
域に集まるのが防止され、空気が中空糸膜モジュール内
に均一に分散するので、中空糸膜40の振動しない部分
が少なくなる。その結果、逆洗後にまで中空糸膜40外
表面に残留している懸濁物の量が少なくなり、逆洗後の
ろ過差圧を当初のろ過差圧に近付けることが可能となっ
た。
【0033】発明者らは、空気抜き用の穴48の径を、
0.5〜6mmの間で種々の値に変えて低圧空気逆洗を繰
返し、中空糸膜の破損の発生状況を調べた。その結果、
空気抜き用の穴48の径が3mm以下であれば、中空糸膜
の破損の確率を少なくできることを確認した。なお、加
工技術及びコストの面で、0.5mm以下の穴径とするの
は実用的でないため、試験した空気抜き用の穴48の径
の下限を0.5mmとした。すなわち、空気抜き用の穴4
8が中空糸膜の糸破損の原因となるのを防止するために
は、空気抜き用の穴48の直径を、0.5〜3mmの範囲
で選定するのが望ましい。
【0034】本実施例は、中空糸膜モジュールの外筒5
1に給水用および逆洗時の空気排出用に設けられた多数
の孔(逆洗空気穴47)の孔心位置を、中空糸膜40の
根元部すなわち、中空糸膜40を外筒51に固定してい
る接着剤の下端面より70mm以上離し、逆洗空気穴47
と端部材の下端面の間に設けた空気抜き用の穴48の穴
径を0.5〜3mmの間で選定することにより、低圧空気
逆洗時の空気抜き用の穴48からの排出空気流速を低く
抑えたものである。これにより、低圧空気逆洗時の排出
空気により中空糸膜上部が空気抜き用の穴48方向に引
張られることがなくなり、中空糸膜の糸破損を引起こす
要因が排除された。
【0035】また、空気抜き用の穴48は、中空糸膜4
0を束ね外筒と接着固定する際に、接着剤を注入するた
めの接着材注入穴としても使用されるため、図3に示す
ように、接着材注入のために開けられた約6mm径の穴
を、0.5〜3mmの径の孔をあけた栓5で塞ぐことによ
り、接着剤注入用として開けた孔を低圧空気逆洗時の空
気抜き用にも使用でき、中空糸膜モジュール外筒への穴
開け個数を減少できる為、外筒の強度確保、製作性上か
らも有利となる。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、低圧空気逆洗時の空気
抜き用の穴からの排出空気流速を低く抑えられるため、
中空糸膜上部の糸破損を引起こす要因を排除する効果が
ある。また、接着剤注入用として開けた孔に、穴径0.
5〜3mmの穴をあけた栓をすることにより、接着剤注入
用として開けた孔を低圧空気逆洗時の空気抜き用として
も使用できる。
【0037】本発明によればさらに、逆洗後にまで中空
糸膜40外表面に残留している懸濁物の量が少なくな
り、逆洗後のろ過差圧を当初のろ過差圧に近付けること
が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す断面図である。
【図2】低圧空気逆洗時の中空糸膜モジュール空気抜き
用の穴の径とその穴から流出する空気の流速の関係を示
すグラフである。
【図3】図1のA部を示す断面図である。
【図4】従来の中空糸膜モジュールの例を示す断面図で
ある。
【図5】従来の中空糸膜式ろ過装置の運転時間とろ過差
圧の関係を示す概念図である。
【図6】本発明が適用される中空糸膜式ろ過装置の全体
構成の例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 胴容器 2 蓋容器 3 仕切板 4 押え板 5 栓 11 原液入口弁 12 原液入口管 13 処理液出口管 14 処理液出口弁 15 下部空気入口弁 16 下部空気入口管 17 ベント管 18 ベント弁 19 上部空気入口弁 20 上部空気入口管 21 ドレン管 22 ドレン弁 31 端部材 32 シール材 35 集水管 36 集水室 40 中空糸膜 41 従来の中空糸膜モジュール 42 本発明の中空糸膜モジュール 47 逆洗空気穴 48 空気抜き用の穴 51 外筒 52 下部リング 54 案内管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 風間 誠一 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空糸膜を複数本束ねた中空糸膜束と、
    この中空糸膜束を内装し壁面に給水用及び逆洗時の空気
    排出用に多数の孔をあけた外筒と、を含んで構成され、
    前記中空糸膜を上下方向に配列させて懸濁物を含む流体
    のろ過に用いられる中空糸膜モジュールにおいて、前記
    中空糸膜束の上端部は前記外筒の端部に接着固定され、
    前記外筒壁面に形成された孔のうち、該接着固定部の下
    端面に一番近い孔はその下方に形成された孔より小さい
    ことを特徴とする中空糸膜モジュール。
  2. 【請求項2】 中空糸膜を複数本束ねた中空糸膜束と、
    この中空糸膜束を内装し壁面に給水用及び逆洗時の空気
    排出用に多数の孔をあけた外筒と、を含んで構成され、
    前記中空糸膜を上下方向に配列させて懸濁物を含む流体
    のろ過に用いられる中空糸膜モジュールにおいて、前記
    中空糸膜束の上端部は前記外筒の端部に接着固定され、
    この接着固定部の下端面に一番近い前記給水用及び逆洗
    時の空気排出用の孔はこの接着固定部の下端面との間に
    少なくとも所定の距離をおいて配置され、その孔と前記
    接着固定部の下端面との間の外筒壁面に給水用及び逆洗
    時の空気排出用の孔より小さい空気抜き用の穴を設けた
    ことを特徴とする中空糸膜モジュール。
  3. 【請求項3】 前記所定の距離が70mmであることを特
    徴とする請求項2に記載の中空糸膜モジュール。
  4. 【請求項4】 空気抜き用穴の径は、0.5〜3mmの間
    であることを特徴とする請求項2または3に記載の中空
    糸膜モジュール。
  5. 【請求項5】 空気抜き用の穴は、モジュール製作時に
    中空糸膜を束ね外筒と接着固定する際に外筒にあらかじ
    め開けられた接着剤注入穴に、直径0.5〜3mmの孔を
    あけた栓をすることで形成されていることを特徴とする
    請求項2乃至4のいずれかに記載の中空糸膜モジュー
    ル。
JP1225398A 1998-01-26 1998-01-26 中空糸膜モジュール Pending JPH11207152A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002346344A (ja) * 2001-05-23 2002-12-03 Asahi Kasei Corp 浸漬用濾過装置
JP2006159135A (ja) * 2004-12-09 2006-06-22 Japan Organo Co Ltd 中空糸膜モジュール

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002346344A (ja) * 2001-05-23 2002-12-03 Asahi Kasei Corp 浸漬用濾過装置
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