JPH11206539A - 炭素繊維を用いた遠赤外線シーツ - Google Patents

炭素繊維を用いた遠赤外線シーツ

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JPH11206539A
JPH11206539A JP10014397A JP1439798A JPH11206539A JP H11206539 A JPH11206539 A JP H11206539A JP 10014397 A JP10014397 A JP 10014397A JP 1439798 A JP1439798 A JP 1439798A JP H11206539 A JPH11206539 A JP H11206539A
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JP
Japan
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activated carbon
carbon fibers
carbon fiber
far
impurities
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JP10014397A
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English (en)
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Michihiko Hineno
道彦 日根野
Sachio Matsui
幸智男 松井
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eTec Co Ltd
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eTec Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単位体積当たりの炭素繊維の量を増やして,
遠赤外線の放射効率を高めると共に,脱臭効果を付加す
ること。また,抗菌作用を付加すること。 【解決手段】 炭素繊維の遠赤外線効果を利用して身体
温度を適度に保てるようにした炭素繊維を用いた遠赤外
線シーツ100において,炭素繊維が,賦活処理を施し
て吸着能を高め,さらに繊維のポア(ミクロ単位の細
孔)から不純物を除去した活性炭素繊維101から成
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,炭素繊維の遠赤外
線効果を利用して身体温度を適度に保てるようにした炭
素繊維を用いた遠赤外線シーツに関し,より詳細には,
炭素繊維として活性炭素繊維を用いることにより,遠赤
外線効果に加えて,脱臭効果・抗菌作用を付加した炭素
繊維を用いた遠赤外線シーツに関する。
【0002】
【従来の技術】近年,炭素繊維の遠赤外線効果を利用し
て身体温度を適度に保てるようにした遠赤外線シーツが
販売されている。具体的には,例えば,炭素繊維系の綿
を内装したシーツに,キルティング加工を施して中の炭
素繊維綿がほぐれないようにした炭素繊維を用いた遠赤
外線シーツがある。この遠赤外線シーツで身体に接触さ
せると,人間の体温によって炭素繊維が遠赤外線を放射
し,これを身体が吸収して,炭素繊維から放射された遠
赤外線の振動数と身体が放射する遠赤外線の振動数が一
致して,共振作用によって身体内部で自己発熱が起こ
り,身体温度が適度に保たれるという効果がある。
【0003】炭素繊維は,実質的に炭素元素のみから成
る繊維状の炭素材料であり,物質としての炭素に由来す
る特性と,形態としての繊維に由来する特性を合わせ持
つ特異な材料であることが知られている。具体的には,
遠赤外線効果の他に,耐熱性・化学的安定性・電気熱伝
導性・摺動特性・生体親和性等の炭素材料に固有の特性
を持っている。
【0004】ところで,炭素繊維の一つとして,炭素繊
維に賦活処理を施して吸着能を高めた活性炭素繊維(A
CF:active carbon fiber )がある。活性炭素繊維の
製造は,具体的には,前駆体繊維(原料)の種類(例え
ば,セルロース系,フェノール系,アラミド系の有機繊
維や,ピッチを紡糸して不融化したピッチ系繊維等)に
よって,発炎や熱融着が起こるので,これを制御するた
めに酸化性雰囲気中で加熱して不融化または耐炎化処理
を施し,続いて,不活性ガス中で加熱して炭素化し,炭
素繊維を製造し,さらに,この炭素繊維に賦活処理を施
して活性炭素繊維としている。ただし,場合によって
は,炭化と賦活とが同時に行われることもある。このよ
うにして製造した活性炭素繊維には,主として1nm程
度のミクロ細孔(ポア)が賦与され,これによって高い
吸着能が発現する。
【0005】この活性炭素繊維を用いて遠赤外線シーツ
を作製した場合,遠赤外線効果に加えて,高い吸着能に
よる脱臭効果が期待できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記従
来の炭素繊維を用いた遠赤外線シーツによれば,炭素繊
維として活性炭素繊維を用い,遠赤外線効果に加えて脱
臭効果を奏するようにした遠赤外線シーツは提供されて
いなかった。
【0007】また,上記従来の炭素繊維を用いた遠赤外
線シーツによれば,炭素繊維系の綿を用いているもの
の,綿としての耐久性を維持するために炭化の程度が抑
えられており,実際には,原料繊維の綿(炭素化してい
ない綿)が混在しているため,その分,単位体積当たり
の炭素繊維の量が少なくなり,遠赤外線の放射効率が悪
くなるという問題点があった。
【0008】さらに,従来の活性炭素繊維によれば,活
性炭素繊維の製造時に,例えば,炭化・賦活する際の加
熱温度を1000〜1250℃として前駆体繊維を焼き
上げると,繊維が完全炭化(炭素100%)の状態とな
り,身体に対して無毒であるものの,繊維がほぼ炭素の
みで構成されるため,繊維としての引っ張り強度・摩擦
強度が低いという問題点があった。換言すれば,さほど
強度を必要としない吸着用フィルター等には最適である
が,ある程度の耐久性が必要な赤外線シーツの綿または
繊維としては使用できなかった。
【0009】一方,炭化・賦活する際の加熱温度を,6
00〜800℃として前駆体繊維を焼き上げると,繊維
が不完全燃焼の状態となり,繊維としての引っ張り強度
・摩擦強度は向上するものの,燃焼時に発生する有害物
質(例えば,一酸化炭素等)が炭化せずに不純物として
繊維中のポア(ミクロ細孔)にかなりの量残留すること
になるため,使用時にポアから不純物が放出され,身体
に対して有害であるという問題点があった。換言すれ
ば,繊維としての耐久性は十分であるが,安全性が問題
となって,身体に接触または身体の近傍で使用する赤外
線シーツには使用できなかった。
【0010】なお,前駆体繊維を600〜800℃で焼
き上げて製造した活性炭素繊維から不純物を除去すれば
良いことは容易に発想できるが,実際には,吸着性能が
極めて高い活性炭素繊維のポアから不純物を除去する技
術は提供されていなかった。また,活性炭素繊維に吸着
されている吸着物(不純物)を除去する方法としては,
吸着物が燃焼する温度に加熱して,燃焼・除去する方法
が考えられるが,この方法では,活性炭素繊維自体も完
全に炭化してしまい,強度が低下するという不都合が発
生する。
【0011】本発明は上記に鑑みてなされたものであっ
て,単位体積当たりの炭素繊維の量を増やして,遠赤外
線の放射効率を高めると共に,脱臭効果を付加すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに,請求項1に係る炭素繊維を用いた遠赤外線シーツ
は,炭素繊維の遠赤外線効果を利用して身体温度を適度
に保てるようにした炭素繊維を用いた遠赤外線シーツに
おいて,前記炭素繊維が,賦活処理を施して吸着能を高
め,さらに繊維のポア(ミクロ単位の細孔)から不純物
を除去した活性炭素繊維であるものである。
【0013】また,請求項2に係る炭素繊維を用いた遠
赤外線シーツは,請求項1記載の炭素繊維を用いた遠赤
外線シーツにおいて,前記不純物を除去した活性炭素繊
維が,前記炭素繊維に賦活処理を施して吸着能を高めた
活性炭素繊維を生成後,前記活性炭素繊維を,ケイ素を
含有するアルカリイオン水から成る不純物除去液中に入
れて焚き上げることにより,繊維のポア(ミクロ単位の
細孔)中に存在する不純物を精練し,その後,前記活性
炭素繊維を取り出して,ケイ素を含有するアルカリイオ
ン水から成る洗浄液で洗浄して,さらに木酢液から成る
仕上げ洗浄液で仕上げ洗浄して,不純物を除去したもの
である。
【0014】また,請求項3に係る炭素繊維を用いた遠
赤外線シーツは,請求項2記載の炭素繊維を用いた遠赤
外線シーツにおいて,前記不純物除去液が,3度焼した
炭を用いて水道水の不純物を除去した後,前記不純物除
去後の水道水にケイ素を溶かして,ケイ素含有溶液を作
り,さらに高電圧を印加した後,稲のもみ殻灰を加えた
ものであり,前記洗浄液が,3度焼した炭を用いて水道
水の不純物を除去した後,前記不純物除去後の水道水に
ケイ素を溶かして,ケイ素含有溶液を作り,さらに高電
圧を印加したものである。
【0015】また,請求項4に係る炭素繊維を用いた遠
赤外線シーツは,請求項2記載の炭素繊維を用いた遠赤
外線シーツにおいて,前記不純物を除去した活性炭素繊
維が,前記炭素繊維に賦活処理を施して吸着能を高めた
活性炭素繊維を生成後,前記活性炭素繊維を,木酢液に
水晶粉末を溶かした不純物除去液中に入れて焚き上げる
ことにより,繊維のポア(ミクロ単位の細孔)中に存在
する不純物を精練し,その後,前記活性炭素繊維を取り
出して,木酢液から成る洗浄液で洗浄して,不純物を除
去したものである。
【0016】また,請求項5に係る炭素繊維を用いた遠
赤外線シーツは,請求項1〜4記載のいずれか一つの炭
素繊維を用いた遠赤外線シーツにおいて,前記炭素繊維
の前駆体繊維(原料繊維)が,セルロース系,フェノー
ル系またはアラミド系の有機繊維であるものである。
【0017】また,請求項6に係る炭素繊維を用いた遠
赤外線シーツは,請求項1〜5記載のいずれか一つの炭
素繊維を用いた遠赤外線シーツにおいて,前記活性炭素
繊維を,上下2枚のカバー生地で挟んで,キルティング
加工を施したものである。
【0018】また,請求項7に係る炭素繊維を用いた遠
赤外線シーツは,請求項1〜5記載のいずれか一つの炭
素繊維を用いた遠赤外線シーツにおいて,前記活性炭素
繊維を,抗菌加工を施した上下2枚のカバー生地で挟ん
で,キルティング加工を施したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下,本発明の炭素繊維を用いた
遠赤外線シーツについて,〔実施の形態1〕,〔実施の
形態2〕の順で,添付の図面を参照して詳細に説明す
る。
【0020】〔実施の形態1〕実施の形態1の炭素繊維
を用いた遠赤外線シーツについて,遠赤外線シーツの
構造,活性炭素繊維の不純物除去処理,活性炭素繊
維の抗菌作用,の順で詳細に説明する。
【0021】遠赤外線シーツの構造 図1は,実施の形態1の炭素繊維を用いた遠赤外線シー
ツの構造を示す説明図である。図示の如く,遠赤外線シ
ーツ100は,綿状の活性炭素繊維101を上下2枚の
カバー生地102で挟んで,キルティング加工を施して
ある。
【0022】ここでは,活性炭素繊維101を綿状とす
るが,これは遠赤外線シーツ100の保温性を高めるた
めであり,必ずしも綿状でなくても良い。例えば,遠赤
外線シーツ100を保温性の確保されたベットの上で使
用する場合や,他の毛布等と併せて使用する場合には,
織物状または編物状の活性炭素繊維101を用いても良
い。
【0023】なお,活性炭素繊維101は,炭素繊維に
賦活処理を施して吸着能を高め,さらに繊維のポア(ミ
クロ単位の細孔)から不純物を除去したものであり,活
性炭素繊維101は,以下のようにして製造した。
【0024】先ず,セルロース系(または,フェノール
系,アラミド系)の有機繊維を原料繊維(前駆体繊維)
として,該原料繊維に600〜800℃で真空高温焼を
施す。これによって,原料繊維が炭化・賦活されて,炭
素繊維の1本1本の繊維にミクロ単位のポア(ミクロの
細孔)が形成され,吸着性能が高く,かつ,繊維として
の引っ張り強度・摩擦強度が高い活性炭素繊維が得られ
る。
【0025】ところが,原料繊維に600〜800℃で
真空高温焼を施した場合,繊維が不完全燃焼の状態とな
り,燃焼時に発生する有害物質(例えば,一酸化炭素
等)が炭化せずに不純物として繊維中のポア(ミクロ細
孔)にかなりの量残留するため,製造した活性炭素繊維
から後述する不純物除去処理で不純物を除去する必要が
ある。ただし,原料繊維がそのままの状態で混在してい
ることはなく,全ての原料繊維が略完全炭化に近い状態
であるので,単位体積当たりの炭素繊維の量が多くな
り,遠赤外線の放射効率は向上する。
【0026】活性炭素繊維の不純物除去処理 図2は,実施の形態1の活性炭素繊維の不純物除去処理
の概略フローチャートを示す。先ず,精練工程で,前述
のようにして製造した活性炭素繊維101を,あらかじ
めケイ素を含有するアルカリイオン水から成る不純物除
去液を満たして沸騰させた釜の中に入れて,約1時間,
焚き上げて,繊維のポア中に存在する不純物を精練する
(S201)。
【0027】なお,ここで使用する不純物除去液は,具
体的には以下のようにして作成したものを使用した。先
ず,通常の水道水を,3度焼した炭(例えば,備長炭硬
度15度の木炭)を入れた桶に注いで,一昼夜放置し,
水道水の不純物を炭に吸着させて除去する。次に,不純
物を除去した水道水に,ケイ素の粉末(粒子を細かく粉
砕したケイ素の粉末)を溶かして,ケイ素含有溶液を作
り,さらに,このケイ素含有溶液に高電圧を印加して,
ケイ素含有溶液中の水のクラスターを細かくして活性炭
素繊維のポアに浸透し易い水溶液を作成する。図3は,
このようにして作成したケイ素含有溶液の分析データを
示す。
【0028】その後,作成したケイ素含有溶液を釜に入
れて沸騰させた後,稲のもみ殻灰等を加えて,不純物除
去液とする。ここで稲のもみ殻灰には,ポアのあく抜き
および不純物除去のために,ケイ素が相当量含まれてい
る。
【0029】図2のステップS201の精練工程終了
後,洗浄工程に進み,釜から活性炭素繊維を取り出し
て,ケイ素を含有するアルカリイオン水から成る洗浄液
で洗浄する(S202)。このときの洗浄回数は,活性
炭素繊維を製造する際の原料繊維の種類または活性炭素
繊維の仕上がり状態に最適な回数を選択するものとす
る。また,活性炭素繊維を製造する際の原料繊維の種類
または活性炭素繊維の仕上がり状態によっては,洗浄工
程を行った後,必要に応じて,再度,精練工程・洗浄工
程を繰り返し行っても良い。
【0030】なお,ここで使用する洗浄液は,具体的に
は以下のようにして作成したものを使用した。先ず,通
常の水道水を,3度焼した炭(例えば,備長炭硬度15
度の木炭)を入れた桶に注いで,一昼夜放置し,水道水
の不純物を炭に吸着させて除去する。次に,不純物を除
去した水道水に,ケイ素の粉末(粒子を細かく粉砕した
ケイ素の粉末)を溶かして,ケイ素含有溶液を作り,さ
らに,このケイ素含有溶液に高電圧を印加して,ケイ素
含有溶液中の水のクラスターを細かくして活性炭素繊維
のポアに浸透し易い水溶液を作成して洗浄液とする。こ
こまでの説明で明らかなように,実施の形態1では,不
純物除去液に稲のもみ殻灰を加える前の状態の水溶液を
洗浄液として用いている。
【0031】次に,ステップS202の洗浄工程終了
後,仕上げ工程へ進み,活性炭素繊維を木酢液から成る
仕上げ洗浄液で仕上げ洗浄する(S203)。この仕上
げ洗浄で,洗浄液(アルカリイオン水:弱アルカリ性)
が仕上げ洗浄液(木酢液:弱酸性)で中和される。その
後,さらに一番最後に仕上げの洗浄として,水道水から
塩素を除いた真水で洗浄しても良い。
【0032】このようにして不純物を除去した活性炭素
繊維101を,密閉した測定箱に収納して常温で放置
し,測定箱内の空気を分析したところ,一酸化炭素等の
有害物質を検出することはできなかった。また,同様に
測定箱内の温度を徐々に上げて測定した場合にも,活性
炭素繊維101から有害物質の放出は検出されなかっ
た。
【0033】また,繊維としての引っ張り強度・摩擦強
度が高く,織物状に製造した活性炭素繊維101で肌着
を作成して3ヶ月着用したところ,十分な耐久性を有し
ていた。また,体温によって炭素が加熱された際に放出
される遠赤外線による遠赤外線効果があった。
【0034】また,活性炭素繊維101のポアから不純
物が除去されいるため,活性炭素繊維自体の有する吸着
能がさらに高まるという効果を奏する。
【0035】さらに,本発明者は,肌着を作成して3ヶ
月着用した際に,もともとかぶれや,小さな傷のあった
部分の皮膚の状態が良くなったことに着目して,不純物
を除去した活性炭素繊維101の抗菌作用について,以
下の試験方法を用いて実験したところ,優れた殺菌効果
を有することが認められた。
【0036】(試験方法) 1)細菌の菌液の調整 通常寒天培地で37℃,18時間培養した試験菌体をリ
ン酸緩衝液(1/15M.ph7.2)に浮遊させ,1
8 cells/mlの懸濁液を作り,適宜希釈して使
用する。 2)真菌の菌液の調整 ポテトデキストロース寒天斜面培地で25℃,7日間培
養した試験菌の分生子を,滅菌0.05%ポリソルベー
ト80加生理食塩水に浮遊させて,107 cells/
mlの懸濁液を作り,適宜希釈して使用する。 3)シェークフラスコ法の試験方法 活性炭素繊維0.75gをリン酸緩衝液70ml入った
200ml容三角フラスコに入れ,これに試験菌懸濁液
を104 cells/mlになるように加え,この三角
フラスコを25℃±5℃で振とうし,経時的に菌数を測
定した。なお,比較のために綿パイル生地をブランク繊
維として同様の試験を行った。 4)使用培地 細菌: Mueller Hinton 2(BBL) 真菌: Sabouraud Dextrose Agar(BBL)
【0037】このような試験方法で,実施の形態1の活
性炭素繊維101およびブランク繊維を試験した結果を
表1〜10に示す。
【0038】表1は,被験菌をBacillus subtilis (枯
草菌)として,スタート菌数を1.2×105 cell
s/mlで試験を行った結果を示す。
【表1】
【0039】表2は,被験菌をSalmonella typhi-muriu
m (サルモネラ菌)として,スタート菌数を2.9×1
6 cells/mlで試験を行った結果を示す。
【表2】
【0040】表3は,被験菌をProteus mirabilis (尿
素分解菌:プロテウス)として,スタート菌数を1.7
×106 cells/mlで試験を行った結果を示す。
【表3】
【0041】表4は,被験菌をKlebsiella pneumoniae
(肺炎桿菌)として,スタート菌数を1.7×106
ells/mlで試験を行った結果を示す。
【表4】
【0042】表5は,被験菌をStreptcoccus pyogenes
(連鎖球菌:ヨーレン菌)として,スタート菌数を1.
6×106 cells/mlで試験を行った結果を示
す。
【表5】
【0043】表6は,被験菌をPseudomonas aeruginosa
(床ずれ菌:緑膿菌)として,スタート菌数を3.4×
106 cells/mlで試験を行った結果を示す。
【表6】
【0044】表7は,被験菌をEscherchia clh(大腸
菌)として,スタート菌数を2.9×106 cells
/mlで試験を行った結果を示す。
【表7】
【0045】表8は,被験菌をStaphylococcus aureus
(ブドウ球菌)として,スタート菌数を2.8×106
cells/mlで試験を行った結果を示す。
【表8】
【0046】表9は,被験菌をAspergillus niger (カ
ビ菌)として,スタート菌数を2.7×105 cell
s/mlで試験を行った結果を示す。
【表9】
【0047】表10は,被験菌をMethicillin-resistan
t Staphylococcus aureus (メチシリン耐性黄色ブドウ
球菌:MRSA)として,スタート菌数を1.2×10
6 cells/mlで試験を行った結果を示す。
【表10】
【0048】表1〜表10の試験結果から明らかなよう
に,比較繊維(ブランク繊維)と比較して,活性炭素繊
維101は,菌数の経時変化において極めて優れた殺菌
効果を有することが認められた。
【0049】したがって,このような活性炭素繊維10
1を用いた実施の形態1の遠赤外線シーツ100は,す
ぐれた遠赤外線効果に加えて,脱臭効果および殺菌効果
があることから,一般的な保温用の遠赤外線シーツとし
ての用途の他に,医療現場において治療用具・予防用具
としての有用性が大である。特に,ベットのシーツとし
て用いた場合には,殺菌効果・遠赤外線効果によって床
ずれの低減を期待することができる。また,脱臭効果に
よって汗等の臭いを抑えることができる。
【0050】前述したように実施の形態1の遠赤外線シ
ーツ100は,炭素繊維として,賦活処理を施して吸着
能を高め,さらに不純物を除去した活性炭素繊維101
を用いたので,単位体積当たりの炭素繊維の量を増やし
て,遠赤外線の放射効率を高めることができると共に,
脱臭効果を付加することができる。さらに,活性炭素繊
維101が抗菌作用を有することから,遠赤外線シーツ
100に抗菌作用を付与することができる。
【0051】〔実施の形態2〕実施の形態2は,実施の
形態1と同様の構成の遠赤外線シーツ100において,
図4のフローチャートに示す不純物除去処理で,活性炭
素繊維101から不純物を除去したものである。
【0052】先ず,精練工程で,活性炭素繊維を,あら
かじめ木酢液に水晶粉末を溶かした不純物除去液を満た
して沸騰させた釜の中に入れて,約1時間,焚き上げ
て,繊維のポア中に存在する不純物を精練する(S40
1)。
【0053】次に,精練工程終了後,洗浄工程に進み,
活性炭素繊維を取り出して,木酢液から成る洗浄液で洗
浄する(S402)。このときの洗浄回数は,活性炭素
繊維を製造する際の原料繊維の種類または活性炭素繊維
の仕上がり状態に最適な回数を選択するものとする。ま
た,活性炭素繊維を製造する際の原料繊維の種類または
活性炭素繊維の仕上がり状態によっては,必要に応じて
洗浄工程を行った後,再度,精練工程・洗浄工程を繰り
返し行っても良い。
【0054】その後,一番最後に仕上げの洗浄として,
水道水から塩素を除いた真水で洗浄し,木酢液を洗い流
す(S403)。
【0055】実施の形態2の炭素繊維を用いた遠赤外線
シーツによれば,実施の形態1と同様の効果を奏するこ
とができる。
【0056】さらに,実施の形態1および実施の形態2
において,カバー生地102として抗菌加工を施した繊
維を用いると,さらに遠赤外線シーツの抗菌作用の向上
を図ることができる。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように,本発明の炭素繊維
を用いた遠赤外線シーツ(請求項1〜7)は,炭素繊維
の遠赤外線効果を利用して身体温度を適度に保てるよう
にした炭素繊維を用いた遠赤外線シーツにおいて,炭素
繊維が,賦活処理を施して吸着能を高め,さらに繊維の
ポア(ミクロ単位の細孔)から不純物を除去した活性炭
素繊維であるため,単位体積当たりの炭素繊維の量を増
やして,遠赤外線の放射効率を高めると共に,脱臭効果
および抗菌作用を付加することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の炭素繊維を用いた遠赤外線シー
ツの構造を示す説明図である。
【図2】実施の形態1における活性炭素繊維の不純物除
去処理の概略フローチャートである。
【図3】実施の形態1のケイ素含有溶液の分析データを
示す説明図である。
【図4】実施の形態2における活性炭素繊維の不純物除
去処理の概略フローチャートである。
【符号の説明】
100 遠赤外線シーツ 101 活性炭素繊維 102 カバー生地

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維の遠赤外線効果を利用して身体
    温度を適度に保てるようにした炭素繊維を用いた遠赤外
    線シーツにおいて,前記炭素繊維は,賦活処理を施して
    吸着能を高め,さらに繊維のポア(ミクロ単位の細孔)
    から不純物を除去した活性炭素繊維であることを特徴と
    する炭素繊維を用いた遠赤外線シーツ。
  2. 【請求項2】 前記不純物を除去した活性炭素繊維は,
    前記炭素繊維に賦活処理を施して吸着能を高めた活性炭
    素繊維を生成後,前記活性炭素繊維を,ケイ素を含有す
    るアルカリイオン水から成る不純物除去液中に入れて焚
    き上げることにより,繊維のポア(ミクロ単位の細孔)
    中に存在する不純物を精練し,その後,前記活性炭素繊
    維を取り出して,ケイ素を含有するアルカリイオン水か
    ら成る洗浄液で洗浄して,さらに木酢液から成る仕上げ
    洗浄液で仕上げ洗浄して,不純物を除去したものである
    ことを特徴とする請求項1記載の炭素繊維を用いた遠赤
    外線シーツ。
  3. 【請求項3】 前記不純物除去液は,3度焼した炭を用
    いて水道水の不純物を除去した後,前記不純物除去後の
    水道水にケイ素を溶かして,ケイ素含有溶液を作り,さ
    らに高電圧を印加した後,稲のもみ殻灰を加えたもので
    あり,前記洗浄液は,3度焼した炭を用いて水道水の不
    純物を除去した後,前記不純物除去後の水道水にケイ素
    を溶かして,ケイ素含有溶液を作り,さらに高電圧を印
    加したものであることを特徴とする請求項2記載の炭素
    繊維を用いた遠赤外線シーツ。
  4. 【請求項4】 前記不純物を除去した活性炭素繊維は,
    前記炭素繊維に賦活処理を施して吸着能を高めた活性炭
    素繊維を生成後,前記活性炭素繊維を,木酢液に水晶粉
    末を溶かした不純物除去液中に入れて焚き上げることに
    より,繊維のポア(ミクロ単位の細孔)中に存在する不
    純物を精練し,その後,前記活性炭素繊維を取り出し
    て,木酢液から成る洗浄液で洗浄して,不純物を除去し
    たものであることを特徴とする請求項2記載の炭素繊維
    を用いた遠赤外線シーツ。
  5. 【請求項5】 前記炭素繊維の前駆体繊維(原料繊維)
    は,セルロース系,フェノール系またはアラミド系の有
    機繊維であることを特徴とする請求項1〜4記載のいず
    れか一つの炭素繊維を用いた遠赤外線シーツ。
  6. 【請求項6】 前記活性炭素繊維を,上下2枚のカバー
    生地で挟んで,キルティング加工を施したことを特徴と
    する請求項1〜5記載のいずれか一つの炭素繊維を用い
    た遠赤外線シーツ。
  7. 【請求項7】 前記活性炭素繊維を,抗菌加工を施した
    上下2枚のカバー生地で挟んで,キルティング加工を施
    したことを特徴とする請求項1〜5記載のいずれか一つ
    の炭素繊維を用いた遠赤外線シーツ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000160476A (ja) * 1998-11-30 2000-06-13 E Tec:Kk 炭素繊維の製造方法およびそれによって得られた炭素繊維
WO2007122721A1 (ja) * 2006-04-21 2007-11-01 Therath Medico, Inc. 線維筋痛症の症状緩和用繊維および繊維製品
JP2014080702A (ja) * 2012-10-16 2014-05-08 Ibiden Co Ltd 炭素繊維を用いたシート状製品

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