JPH11202741A - 計算機ホログラムおよびその作成方法 - Google Patents

計算機ホログラムおよびその作成方法

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JPH11202741A
JPH11202741A JP2260498A JP2260498A JPH11202741A JP H11202741 A JPH11202741 A JP H11202741A JP 2260498 A JP2260498 A JP 2260498A JP 2260498 A JP2260498 A JP 2260498A JP H11202741 A JPH11202741 A JP H11202741A
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智恒 浜野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 演算負担を軽減しつつ、室内照明の再生環境
で高品質な再生像を得る。 【解決手段】 原画像上および記録面上に所定ピッチh
で多数の単位線分および矩形領域を定義する。原画像上
の第m番目の単位線分Aには、記録面上の第m番目の
矩形領域Cが対応する。単位線分A上に多数の点光
源Pmiを定義し、各点光源からの物体光と、斜め上方
から照射された参照光Rφとによる干渉縞を矩形領域C
に記録する。干渉縞の演算を行う際には、各点光源か
らの物体光のY軸方向の広がりを、所定の広がり角ξに
制限し、矩形領域C内には、対応する単位線分A
の点光源からの物体光のみを考慮した干渉縞が記録され
るようにする。全矩形領域について干渉縞を求め、記録
面20上に得られた干渉縞パターンを二値化し、この二
値画像を電子線描画装置で媒体上に描画し、エンボスホ
ログラムを作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はホログラムの作成方
法に関し、特に、計算機を用いた演算により所定の記録
面上に干渉縞を形成してなる計算機ホログラムを作成す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザを利用してコヒーレント光
を容易に得ることができるようになり、ホログラムの商
業的な利用もかなり普及するに至っている。特に、金券
やクレジットカードについては、偽造防止の観点から、
媒体の一部にホログラムを形成するのが一般化してきて
いる。
【0003】現在、商業的に利用されているホログラム
は、光学的な手法により、原画像を媒体上に干渉縞とし
て記録したものである。すなわち、原画像を構成する物
体を用意し、この物体からの光と参照光とを、レンズな
どの光学系を用いて感光剤が塗布された記録面上に導
き、この記録面上に干渉縞を形成させるという手法を採
っている。この光学的な手法は、鮮明な再生像を得るた
めに、かなり精度の高い光学系を必要とするが、ホログ
ラムを得るための最も直接的な手法であり、産業上では
最も広く普及している手法である。
【0004】一方、計算機を用いた演算により記録面上
に干渉縞を形成させ、ホログラムを作成する手法も知ら
れており、このような手法で作成されたホログラムは、
一般に「計算機合成ホログラム(CGH:Computer Gen
erated Hologram )」、あるいは単に「計算機ホログラ
ム」と呼ばれている。この計算機ホログラムは、いわば
光学的な干渉縞の生成プロセスをコンピュータ上でシミ
ュレーションすることにより得られるものであり、干渉
縞パターンを生成する過程は、すべてコンピュータ上の
演算として行われる。このような演算によって干渉縞パ
ターンの画像データが得られたら、この画像データに基
づいて、実際の媒体上に物理的な干渉縞が形成される。
具体的には、たとえば、コンピュータによって作成され
た干渉縞パターンの画像データを電子線描画装置に与
え、媒体上で電子線を走査することにより物理的な干渉
縞を形成する方法が実用化されている。
【0005】コンピュータグラフィックス技術の発展に
より、印刷業界では、種々の画像をコンピュータ上で取
り扱うことが一般化しつつある。したがって、ホログラ
ムに記録すべき原画像も、コンピュータを利用して得ら
れた画像データとして用意することができれば便利であ
る。このような要求に応えるためにも、計算機ホログラ
ムを作成する技術は重要な技術になってきており、将来
は光学的なホログラム作成手法に取って代わる技術にな
るであろうと期待されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、計算
機ホログラムは、今後大きな需要が見込まれる分野であ
るが、現時点では、商業的な利用を図る上での解決すべ
き課題をいくつか抱えている。たとえば、干渉縞を演算
する際に、コンピュータに多大な演算負担が課せられる
点は、解決すべき重要な課題のひとつである。現在のと
ころ、演算処理能力の優れた超高速コンピュータを用い
て、長時間にわたる演算を実行させれば、光学的なホロ
グラムと同等の品質をもった計算機ホログラムを作成す
ることは可能であるが、このような作成方法は商業的に
利用することはできない。そこで、計算機ホログラムを
作成する際に、コンピュータの演算負担を軽減させる手
法が提案されている。たとえば、特願平8−13165
5号明細書や特願平8−277931号明細書には、原
画像および記録面を、それぞれ分割して線状の単位領域
を多数定義し、「原画像上の所定の単位領域内の点光源
から発せられた光は、記録面上の対応する特定の単位領
域内にのみ到達する」との仮想の限定条件を付した演算
を行うことにより、演算負担を軽減させる方法が提案さ
れており、特願平9−189229号明細書、特願平9
−189230号明細書、特願平9−189231号明
細書には、更なる改良を加えた方法が開示されている。
【0007】また、コンピュータ上で得られた干渉縞
を、実際の媒体上で、どのようにして物理的な干渉縞と
して再現するか、という点も、解決すべき重要な課題の
ひとつである。光学的な手法でホログラムを作成する場
合、いわゆる写真技術を利用して、感光フィルム上にア
ナログ画像として干渉縞を記録することが可能である
が、計算機ホログラムを作成する場合、コンピュータ上
に得られたデジタル画像データに基づいて、媒体上に物
理的な干渉縞を形成する必要がある。ところが、干渉縞
パターンは、光の波長レベルの微細なパターンであるた
め、かなり高精度な描画技術が必要になる。現在のとこ
ろ、計算機ホログラムを作成するための物理的な描画工
程には、電子線描画装置を用いた描画を行うのが最適で
あると考えられている。電子線描画装置は、半導体集積
回路用の微細パターンの描画に広く利用されており、干
渉縞パターンの描画に必要十分な精度をもっている。た
だ、電子線描画装置は電子ビームのオン/オフ制御によ
りパターン形成を行う装置であり、パターン形成面に対
して、電子ビームによる描画/非描画の制御しか行うこ
とはできない。したがって、媒体上には二値画像による
干渉縞のパターン形成が行われることになる。
【0008】ところが、本来得られるべきアナログの干
渉縞パターンを、演算負担を軽減させる手法を用いて二
値画像によるパターンとして記録すると、再生像の品質
が劣化するという問題が生じる。再生像の品質は、再生
時の照明環境に大きく依存する。したがって、干渉縞を
記録する段階において、どのような照明環境における再
生が予想されるかを考慮した上で最適な条件を設定し
て、原画像を記録するのが好ましい。現在の一般的なホ
ログラムの利用形態は、金券やクレジットカードへ付さ
れる偽造防止用パターンとしての形態である。このよう
な利用形態の場合、斜め上方からの再生光を用いた再生
が行われるのが一般的である。たとえば、クレジットカ
ードで支払いを行う場合、室内の会計場所で会計担当者
が天井からの照明光を利用してホログラムパターンの確
認を行うのが一般的である。このとき、会計担当者は、
通常、クレジットカードを顔面前方位置に保持し、上端
をやや向こう側へ倒すようにして確認を行うことになる
ので、ホログラム記録媒体からみると、天井からの照明
光が斜め上方から入射することになる。このような一般
的な再生時の照明環境を考慮すると、斜め上方からの再
生光が与えられたときに最適な再生が行われるような条
件設定で像の記録を行うことが好ましいが、上述したよ
うに、演算負担を軽減させる手法を用いた従来の計算機
ホログラムの作成技術では、このような条件設定で像を
記録することが困難であった。
【0009】そこで本発明は、演算負担を軽減しつつ、
高品質な再生像を得ることができる計算機ホログラムの
作成方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明の第1の態
様は、計算機を用いた演算により所定の記録面上に干渉
縞を形成してなる計算機ホログラムを作成する方法にお
いて、所定の原画像と、この原画像を記録するための記
録面と、この記録面に対して照射する参照光とを定義す
る段階と、記録面上に多数の演算点を定義し、個々の演
算点について、原画像上に定義された点光源から発せら
れた物体光と、参照光とによって形成される干渉波の強
度を演算する段階と、個々の演算点について求められた
干渉波の強度を二値化し、記録面上に二値画像を定義す
る段階と、この二値画像に基づいて、媒体上に物理的な
干渉縞を作成する段階と、を行う際に、原画像上に複数
の単位線分を定義するとともに、記録面上に個々の単位
線分にそれぞれ対応した個々の二次元単位領域を定義
し、各二次元単位領域内に二次元的に分布する多数の演
算点を定義し、1つの演算点について干渉波の強度を演
算するときに、その演算点が所属する二次元単位領域に
対応した単位線分上に定義された点光源のみを考慮した
演算を行うようにしたものである。
【0011】(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1
の態様に係る計算機ホログラムの作成方法において、所
定の投影条件に基づいて単位線分を記録面上に投影した
ときに得られる投影線分を記録面上で移動させることに
より得られる二次元領域を、単位線分に対応する二次元
単位領域とするようにしたものである。
【0012】(3) 本発明の第3の態様は、上述の第2
の態様に係る計算機ホログラムの作成方法において、原
画像上に互いに平行な多数の単位線分を定義することに
より、記録面上に互いに平行な多数の投影線分が得られ
るようにし、これら多数の投影線分を共通の移動方向
に、隣接する投影線分の移動範囲には重ならない限度
で、所定の距離だけ移動させることにより得られる二次
元領域を、各単位線分に対応する二次元単位領域とする
ようにしたものである。
【0013】(4) 本発明の第4の態様は、上述の第3
の態様に係る計算機ホログラムの作成方法において、X
YZ三次元座標系上に原画像を定義するとともに、この
座標系のXY平面上に記録面を定義し、XZ平面に平行
な多数の切断面を定義し、個々の切断面で原画像および
記録面を切断したときに切り口に得られる線分を、単位
線分およびその投影線分と定義し、Y軸を共通の移動方
向として個々の投影線分を移動させることにより個々の
二次元単位領域を定義するようにしたものである。
【0014】(5) 本発明の第5の態様は、上述の第4
の態様に係る計算機ホログラムの作成方法において、所
定のピッチhで多数の切断面を定義することにより、原
画像上にピッチhをもった多数の単位線分を定義すると
ともに、記録面上にピッチhをもった多数の投影線分を
定義し、各投影線分をY軸方向にピッチhの区間幅だけ
移動させることにより、幅がピッチhに等しい多数の二
次元単位領域を定義するようにしたものである。
【0015】(6) 本発明の第6の態様は、上述の第4
の態様に係る計算機ホログラムの作成方法において、所
定のピッチHで多数の切断面を定義することにより、原
画像上にピッチHをもった多数の単位線分を定義すると
ともに、記録面上にピッチHをもった多数の投影線分を
定義し、各投影線分をY軸方向にピッチHよりも小さい
距離hの区間幅だけ移動させることにより、幅が距離h
に等しくピッチHで配置された二次元単位領域を定義す
るようにしたものである。
【0016】(7) 本発明の第7の態様は、上述の第6
の態様に係る計算機ホログラムの作成方法において、距
離hをピッチHに対して、2h≦Hとなるように設定
し、隣接する二次元単位領域間に幅がh以上の空隙領域
が形成されるようにし、各二次元単位領域内の演算点に
ついての干渉波の強度演算が完了した後、各二次元単位
領域内に得られた演算値の二次元分布を、隣接する空隙
領域に複写する処理を行うようにしたものである。
【0017】(8) 本発明の第8の態様は、上述の第4
〜7の態様に係る計算機ホログラムの作成方法におい
て、参照光の向きを、YZ平面に対して平行になり、記
録面に対して斜めに入射する向きにしたものである。
【0018】(9) 本発明の第9の態様は、上述の第1
〜8の態様に係る計算機ホログラムの作成方法におい
て、点光源からの物体光の単位線分に沿った方向への広
がり角を所定範囲内に制限して、干渉波の強度演算を行
うようにしたものである。
【0019】(10) 本発明の第10の態様は、上述の第
1〜8の態様に係る計算機ホログラムの作成方法におい
て、各点光源から発せられる個々の物体光の初期位相を
ランダムに設定するようにしたものである。
【0020】(11) 本発明の第11の態様は、計算機を
用いた演算により所定の記録面上に干渉縞を形成してな
る計算機ホログラムを作成する方法において、XYZ三
次元座標系上に所定の原画像を定義し、この座標系のX
Y平面上に原画像を記録するための記録面を定義し、更
に、この記録面に対して照射する参照光を定義する段階
と、記録面上に多数の演算点を定義し、個々の演算点に
ついて、原画像上に定義された点光源から発せられた物
体光と、参照光とによって形成される干渉波の強度を演
算する段階と、個々の演算点について求められた干渉波
の強度を二値化し、記録面上に二値画像を定義する段階
と、この二値画像に基づいて、媒体上に物理的な干渉縞
を作成する段階と、を行い、その際に、1つの点光源か
ら発せられた物体光による記録面上の照射領域が、X軸
方向の幅が視覚的認識可能な寸法をもち、Y軸方向の幅
が視覚的に認識不可能な寸法をもった二次元単位領域と
なるように、各点光源から発せられた物体光の広がりを
制限するようにしたものである。
【0021】(12) 本発明の第12の態様は、上述の第
1〜11の態様に係る方法によって、計算機ホログラム
が記録された媒体を作成するようにしたものである。
【0022】(13) 本発明の第13の態様は、計算機を
用いた演算を利用して、所定の媒体上に原画像を干渉縞
として記録した計算機ホログラムの媒体において、原画
像が正しい向きに観察されるように媒体を置いた状態
で、この媒体上に、横幅が視覚的認識可能な寸法をも
ち、縦幅が視覚的に認識不可能な寸法をもった多数の二
次元単位領域が定義されており、同一の二次元単位領域
に属する個々の点には、原画像の同一部分に関する情報
が記録されており、異なる二次元単位領域に属する個々
の点には、原画像の異なる部分に関する情報が記録され
ているようにしたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施形態
に基づいて説明する。
【0024】§1. 計算機ホログラムの基本原理 図1は、一般的なホログラムの作成方法を示す原理図で
あり、原画像10を記録面20上に干渉縞として記録す
る方法が示されている。ここでは、説明の便宜上、図示
のとおりXYZ三次元座標系を定義し、記録面20がX
Y平面上に置かれているものとする。光学的な手法を採
る場合、記録対象となる物体が原画像10として用意さ
れることになる。この原画像10上の任意の点Pから発
せられた物体光Oは、記録面20の全面に向けて進行す
る。一方、記録面20には、参照光Rが照射されてお
り、物体光Oと参照光Rとの干渉縞が記録面20上に記
録されることになる。
【0025】記録面20の位置に計算機ホログラムを作
成するには、原画像10、記録面20、参照光Rを、コ
ンピュータ上にデータとしてそれぞれ定義し、記録面2
0上の各位置における干渉波強度を演算すればよい。具
体的には、図2に示すように、原画像10をN個の点光
源P,P,P,…,P,…,Pの集合として
取り扱い、各点光源からの物体光O,O,O
…,O,…,Oが、それぞれ演算点Q(x,y)へ
と進行するとともに、参照光Rが演算点Q(x,y)に
向けて照射されたものとし、これらN本の物体光O
と参照光Rとの干渉によって生じる干渉波の演算点
Q(x,y)の位置における振幅強度を求める演算を行
えばよい。物体光および参照光は、通常、単色光として
演算が行われる。記録面20上には、必要な解像度に応
じた多数の演算点を定義するようにし、これら各演算点
のそれぞれについて、振幅強度を求める演算を行えば、
記録面20上には干渉波の強度分布が得られることにな
る。
【0026】このような強度分布を示す画像データに基
づいて、実際の媒体上に物理的な濃淡パターンやエンボ
スパターンを形成すれば、原画像10を干渉縞として記
録したホログラムが作成できる。媒体上に高解像度の干
渉縞を形成する手法としては、電子線描画装置を用いた
描画が適している。電子線描画装置は、半導体集積回路
のマスクパターンを描画する用途などに広く利用されて
おり、電子線を高精度で走査する機能を有している。そ
こで、演算によって求めた干渉波の強度分布を示す画像
データを電子線描画装置に与えて電子線を走査すれば、
この強度分布に応じた干渉縞パターンを描画することが
できる。ただ、一般的な電子線描画装置は、描画/非描
画を制御することにより二値画像を描画する機能しか有
していない。そこで、演算によって求めた強度分布を二
値化して二値画像を作成し、この二値画像データを電子
線描画装置に与えるようにすればよい。
【0027】§2. 演算負担を軽減させる手法 計算機ホログラムを作成する基本原理は、上述したとお
りである。ただ、高い品質をもった再生像を得るために
は、記録面20に記録される干渉縞の解像度を高めると
ともに、原画像10自体の解像度を高める必要がある。
別言すれば、記録面20上に定義する演算点Qの数を増
やすとともに、原画像10を構成する点光源Pの数を増
やす必要があり、コンピュータの演算負担は両者の積に
応じて増大することになる。このため、現在の一般的な
コンピュータの処理能力を考慮すると、このような手法
によって作成された計算機ホログラムを商業的に利用す
るのは困難である。
【0028】そこで、ここでは、演算負担を軽減させる
ための実用的な一手法を述べておく。図3は、この手法
を説明するための原理図である。まず、原画像10上の
任意の点光源Pから発せられた物体光Oiが、図示の
とおり水平方向(XZ平面に平行な平面内)にのみ広が
ると仮定する。すると、物体光Oiは、記録面20上の
線状領域Bだけに到達することになり、記録面20の他
の領域には、物体光Oは一切届かないことになる。原
画像10を構成するすべての点光源から発せられる物体
光について、同様の限定(物体光はXZ平面に平行な平
面内にのみ広がるという限定)を付すようにすれば、記
録面20上の各演算点における干渉波強度の演算負担は
大幅に軽減される。
【0029】図4は、この演算負担を軽減させる手法の
具体的な適用例を示す図である。この例では、原画像1
0および記録面20を、それぞれ多数の平行線によって
水平方向に分割し、多数の線状の単位領域を定義してい
る。すなわち、図示のとおり、原画像10は、合計M個
の単位領域A,A,A,…,A,…Aに分割
されており、記録面20は、同じく合計M個の単位領域
,B,B,…,B,…Bに分割されてい
る。原画像10が立体画像の場合、各単位領域A,A
,A,…,A,…Aは、この立体の表面部分を
分割することによって得られる領域になる。ここで、原
画像10上のM個の単位領域と記録面20上のM個の単
位領域とは、それぞれが1対1の対応関係にある。たと
えば、原画像10上の第m番目の単位領域Aは、記録
面20上の第m番目の単位領域Bに対応している。
【0030】なお、この図4に示す例では、各単位領域
,A,A,…,A,…Aの幅は、原画像1
0上に定義された点光源のピッチに等しく設定されてお
り、個々の単位領域には、点光源が一列に並んだ線状の
領域になっている。たとえば、図示の例では、第m番目
の単位領域Aには、N個の点光源Pm1〜PmNが一
列に並んでいる。また、各単位領域B,B,B
…,B,…Bの幅は、記録面20上に定義された演
算点のピッチに等しく設定されており、個々の単位領域
には、演算点が一列に並んだ線状の領域になっている。
図示の演算点Q(x,y)は、第m番目の単位領域B
内に位置する演算点を示しており、XY座標系におい
て座標値(x,y)で示される位置にある。
【0031】この例の場合、演算点Q(x,y)につ
いての干渉波強度は、次のようにして求められる。ま
ず、この演算点Q(x,y)が所属する単位領域B
に対応する原画像10上の単位領域Aを演算対象単位
領域として定める。そして、この演算対象単位領域A
内の点光源Pm1〜PmNから発せられた物体光Om1
〜OmNと、参照光Rとによって形成される干渉波につ
いての演算点Q(x,y)の位置における振幅強度を
求めれば、この振幅強度が、目的とする演算点Q(x,
)についての干渉波強度である。図5は、このよう
な演算処理の概念を説明するための上面図であり、図4
に示す原画像10および記録面20を、図の上方から見
た状態を示している。図示のとおり、演算点Q(x,y
)における干渉波強度を求めるのに必要な物体光は、
演算対象単位領域A内のN個の点光源Pm1,…,P
mi,…,PmNから発せられた物体光Om1,…,O
mi,…,OmNのみに限定され、原画像10を構成す
る全点光源からの物体光を考慮する必要はない。このた
め、演算負担は大幅に軽減されることになる。
【0032】こうして、記録面20上に定義したすべて
の演算点Q(x,y)について、それぞれ所定の干渉波
強度を求めれば、記録面20上に干渉波の強度分布が得
られることになる。そこで、この強度分布に基づいて、
媒体上に物理的な干渉縞(物理的な濃淡パターンやエン
ボスパターン)を作成すれば、計算機ホログラムが作成
できる。媒体上に高解像度の干渉縞を形成する手法とし
ては、電子線描画装置を用いた描画が適している。電子
線描画装置は、半導体集積回路のマスクパターンを描画
する用途などに広く利用されており、電子線を高精度で
走査する機能を有している。そこで、演算によって求め
た干渉波の強度分布を示す画像データを電子線描画装置
に与えて電子線を走査すれば、この強度分布に応じた干
渉縞パターンを描画することができる。
【0033】ただ、一般的な電子線描画装置は、描画/
非描画を制御することにより二値画像を描画する機能し
か有していない。そこで、演算によって求めた強度分布
を二値化して二値画像を作成し、この二値画像データを
電子線描画装置に与える必要がある。図6は、このよう
な二値化処理の概念図である。上述した演算により、記
録面20上の各演算点Q(x,y)には、所定の振幅強
度値が定義されることになる。そこで、この振幅強度値
に対して所定のしきい値(たとえば、記録面20上に分
布する全振幅強度値の平均値)を設定し、このしきい値
以上の強度値をもつ演算点には画素値「1」を与え、こ
のしきい値未満の強度値をもつ演算点には画素値「0」
を与えるようにし、各演算点Q(x,y)を、「1」も
しくは「0」の画素値をもつ画素D(x,y)に変換す
れば、多数の画素D(x,y)の集合からなる二値画像
が得られる。この二値画像のデータを電子線描画装置に
与えて描画を行えば、物理的な二値画像として干渉縞を
描画することができる。実際には、この物理的に描画さ
れた干渉縞に基づいて、たとえばエンボス版を作成し、
このエンボス版を用いたエンボス加工を行うことによ
り、表面に干渉縞が凹凸構造として形成されたホログラ
ムを量産することができる。
【0034】§3. 従来の手法の問題点 上述した演算負担を軽減させる手法で作成された計算機
ホログラムは、厳密な意味では、本来のホログラムには
なっていない。すなわち、本来のホログラムであれば、
たとえば、図2に示すように、記録面20上の任意の1
点Q(x,y)に記録された干渉縞には、原画像10を
構成する全点光源からの物体光の情報が反映されていな
ければならない。ところが、上述の手法で作成された計
算機ホログラムでは、たとえば、図4に示すように、記
録面20上の任意の1点Q(x,y)に記録された干
渉縞には、原画像10の単位領域A内の点光源からの
物体光の情報しか反映されていない。このため、このホ
ログラムの再生像は、図の水平方向に関しては本来のホ
ログラム像として観察されるが、図の垂直方向に関して
は本来のホログラム像としては観察されなくなる。より
具体的に説明すれば、図4に示す記録面20を、図のY
軸を枢軸として回転させながら観察した場合には、本来
の立体像としての観察が可能であるが、図のX軸を枢軸
として回転させながら観察した場合には、本来の立体像
としての観察はできなくなる。
【0035】もちろん、クレジットカードや金券に付す
るホログラムとして利用する場合には、偽造防止マーク
としての機能を果たすことができれば、必ずしも完全な
形での立体像の再生は必要ない。しかしながら、クレジ
ットカードや金券に付するホログラムとしての利用を考
慮すると、上述の手法で作成されたホログラムは、再生
時の照明環境への適応が不十分である。その理由を、図
7を参照しながら説明しよう。
【0036】図7は、§2の手法を説明するために、記
録に必要な系を記録面20の背面側からみた状態を示す
図である。原画像10上の線状単位領域A上には、多
数の点光源が並んでおり、これらの点光源からの物体光
と所定の参照光との干渉縞が、記録面20上に定義され
た線状単位領域B上の各演算点に記録されることにな
る。図のようにXYZ三次元座標系を定義した場合、点
光源Pmiからの物体光がX軸方向のみに広がると仮定
した演算が行われることになり(図では、この物体光の
広がりをハッチングを施して示してある)、線状単位領
域B上の演算点には、線状単位領域A上の点光源の
みを考慮した情報が記録されることになる。
【0037】ところが、このような手法で記録された像
を再生する際には、図示のような再生光Rθ(記録時に
用いた参照光と同じ)を記録面20に照射する必要があ
る。この再生光Rθは、図のようにXYZ三次元座標系
を定義した場合に、XZ平面に平行な平面(線状単位領
域AおよびBを含む平面)に沿って進む平面波であ
り、記録面20に対して入射角θをなす。線状単位領域
上に記録される情報は、このXZ平面に平行な特定
の一平面(線状単位領域AおよびBを含む平面)上
での事象であり、他の平面上での事象は一切記録される
ことがない。同様に、線状単位領域Bm+1(線状単位
領域Bの1本下に定義される単位領域)上に記録され
る情報は、一層下の平面(線状単位領域Aの1本下に
定義される線状単位領域Am+1および上記Bm+1
含む平面)上での事象であり、他の平面上での事象は一
切記録されることがない。したがって、種々の方向から
再生光を照射した場合であっても、図7に示す再生光R
θの方向成分をもった再生光のみが像の再生に寄与する
ことになる。
【0038】このように、§2で述べた手法で作成され
たホログラムには、上下に所定間隔(記録面20上の画
素配列のピッチに相当する間隔)をおいて定義された多
数の層(XZ平面に平行な平面層)ごとに、それぞれ独
立した事象が記録されることになる。このホログラムの
再生像が、図の水平方向に関しては本来のホログラム像
として観察されるが、図の垂直方向に関しては本来のホ
ログラム像としては観察されなくなる理由は、このよう
に各層ごとに独立した事象が記録されているためであ
る。再生像を得るためには、XZ平面に平行な平面に沿
って進む再生光が必要になる理由も同じである。
【0039】ところが、金券やクレジットカードへ付さ
れる偽造防止用パターンとしての利用形態を考慮する
と、既に述べたように、斜め上方からの再生光(天井の
照明器具から照射される光)を用いた再生が行われるの
が一般的である。したがって、実際の室内での再生時の
照明環境は、図7に示されている再生光Rθの条件には
適合していない。もちろん、一般の室内照明には、壁、
床、家具などからの散乱光や窓からの光などが含まれて
いるので、クレジットカードなどを一般的な方法で観察
した場合、図7に示すような側方からの再生光Rθの成
分が再生に寄与することができる。したがって、再生像
が全く得られないということはない。しかしながら、室
内における一般的な観察環境では、天井の照明器具から
の光が支配的であり、また、昼間の屋外における一般的
な観察環境においても、太陽からの光が支配的である。
このような再生時の照明環境を考慮すると、より品質の
高い再生像を得るためには、斜め上方からの再生光を前
提として像を記録するのが好ましい。以下に述べる本発
明の手法は、このような観点から、斜め上方から光を照
射する再生環境に適した像記録を行う新規な方法を提案
するものである。
【0040】§4. 本発明に係る計算機ホログラムの
作成方法 図8は、本発明の基本原理を説明するために、記録に必
要な系を記録面20の背面側からみた状態を示す図であ
る。図7と同様に、原画像10上の線状単位領域A
には、多数の点光源が並んでおり、これらの点光源から
の物体光と所定の参照光との干渉縞が、記録面20上に
定義された単位領域C上の各演算点に記録されること
になる。図7に示す例では、単位領域Bが線状の領域
であり、演算点が一次元的に並んでいただけであるが、
本発明では、図8にハッチングを施して示すように、単
位領域Cは二次元の領域を形成しており、演算点が二
次元的に並ぶことになる。別言すれば、図7に示す単位
領域Bが、Y軸方向の幅をもたない幾何学上の線であ
るのに対し、図8に示す単位領域Cは、Y軸方向に所
定幅hをもった幾何学上の平面ということになる。
【0041】ここでは、説明の便宜上、原画像10上に
定義された線状単位領域Aを「単位線分」と呼ぶこと
にし、記録面20上に定義された単位領域Cを、この
単位線分Aに対応した二次元単位領域Cと呼ぶこと
にする。なお、任意形状の立体などを像として記録する
場合、原画像10が任意曲面になるため、この任意曲面
上に定義された単位線分は、「曲線分」を形成すること
になる。したがって、本明細書における「単位線分」と
いう文言は、「直線分」だけでなく「曲線分」も含めた
意味で用いることにする。
【0042】本実施形態では、原画像10上に複数の単
位線分を定義し、記録面20上には、これら各単位線分
にそれぞれ対応した個々の二次元単位領域を定義する。
たとえば、原画像10上に合計M本の単位線分A,A
,A,…,A,…Aを定義した場合、記録面2
0上には、それぞれに対応した二次元単位領域C,C
,C,…,C,…Cが定義されることになる。
そして、これら各二次元単位領域内に、二次元的に分布
する多数の演算点が定義され、個々の演算点について干
渉波の強度を演算する際に、その演算点が所属する二次
元単位領域に対応した単位線分上に定義された点光源の
みを考慮した演算を行う。
【0043】たとえば、図8には、原画像10上に定義
された第m番目の単位線分Aと、これに対応して定義
された第m番目の二次元単位領域C(ハッチングを施
した細長い矩形領域)とが示されている。ここで、二次
元単位領域C内には、縦横二次元マトリックス状に配
された多数の演算点が定義され、各演算点について、そ
れぞれ干渉波の強度が演算されるが、その際に、単位線
分A上の点光源P ,Pm2,Pm3,…,
mi,…,PmNからの物体光のみを考慮した演算が
行われる。この演算は、個々の点光源に着目すれば、あ
る点光源Pmiから発せられた物体光のY軸方向に関す
る広がり角を、図8に示す所定角ξに制限した演算とい
うことができる。この例では、物体光のX軸方向に関す
る広がりは制限されていないため、単位線分A上のす
べての点光源Pm1,Pm2,Pm3,…,Pmi
…,PmNから発せられた物体光は、横幅が記録面20
の横幅に等しく、縦幅が角度ξに応じて定まる寸法hと
なる矩形状の二次元単位領域Cに照射されることにな
る。図7に示す手法は、いわば図8に示す手法における
広がり角ξを0にしたものに相当する。
【0044】このように、図8に示す手法によれば、単
位線分A上の点光源の情報を、区間幅hにわたって二
次元的に記録できるので、図示のような参照光Rφを用
いた記録が可能になる。この参照光Rφは、図のように
XYZ三次元座標系を定義した場合に、YZ平面に平行
な平面に沿って進む平面波であり、記録面20に対して
入射角φをもって斜め上方から照射される光である。も
ちろん、この図8に示す手法によれば、図7に示すよう
な側方からの参照光Rθを用いた記録も可能であり、理
論的にはどのような方向から入射する参照光を用いても
記録が可能になる。ただ、実用上は、既に述べたよう
に、斜め上方からの再生光を受けながら観察することを
前提とした記録を行うのが好ましいので、図8に示すよ
うに、斜め上方からの参照光Rφを用いた演算を行うの
がよい。このような参照光Rφを用いて作成されたホロ
グラムは、天井照明からの光など、斜め上方から照射さ
れる再生光の下で最適な再生像を提示できる。
【0045】ところで、本発明を実施するにあたって、
原画像10上に定義された個々の単位線分のそれぞれに
対応した二次元単位領域を記録面20上に定義する際に
は、次のような手法をとればよい。まず、所定の投影条
件に基づいて、原画像10上の単位線分を記録面20上
に投影して投影線分を求める。そして、この投影線分を
記録面20上で移動させることにより得られる二次元領
域を、単位線分に対応する二次元単位領域とすればよ
い。たとえば、図8に示す例の場合、原画像10上に定
義された単位線分AをZ軸方向に投影すれば、投影線
分B(図7に示す例における線状単位領域Bと同じ
になる)が求まる。そこで、この投影線分Bを記録面
20上でY軸方向に沿って区間幅hにわたって上下に移
動させれば、図示のような矩形領域Cが得られるの
で、これを単位線分Aに対応する二次元単位領域と定
義すればよい。
【0046】本発明に係る計算機ホログラムの作成方法
のより具体的な実施形態を図9に示す。ここでは、XY
Z三次元座標系上に定義された図9(a) に示すような任
意立体形状の表面模様を原画像10として、図9(b) に
示すようなXY平面上に定義された記録面20上に記録
を行う場合を考える。まず、原画像10上に多数の単位
線分を定義する。ここでは、XZ平面に平行なM枚の切
断面をピッチhでY軸方向に並べるように定義し(いわ
ば、M枚の水平面を上下方向に多層配置した構造を定義
する)、これらの切断面で原画像10を切断したときに
切り口に得られるM本の平行な線分を単位線分として定
義している。図9(a) には、原画像10上に定義された
M本の単位線分A,…,Am−1,A,Am+1
…Aが示されている(既に述べたように、原画像10
が曲面を構成する場合には、これら各単位線分は曲線分
となる)。また、これら各単位線分上には、それぞれ所
定のピッチで多数の点光源が定義される。たとえば、第
m番目の単位線分A上には、N個の点光源Pm1
…,Pmi,…PmNが定義されている。
【0047】続いて、こうして求めたM本の単位線分A
,…,Am−1,A,Am+1,…Aのそれぞれ
に対応した二次元単位領域を記録面20上に定義する。
ここに示す例では、各単位線分A,…,Am−1,A
,Am+1,…AをZ軸方向(水平方向)に投影
し、記録面20上にそれぞれ投影線分B,…,B
m−1,B,Bm+1,…B(図示されていない)
を求めている(投影線分が記録面20の横幅よりも短い
場合には、長さ方向に伸ばす処理を行っておく)。もっ
とも、これらの投影線分は、上述したM枚の切断面で記
録面20を切断したときの切り口としても得ることがで
きる。次に、これらM本の投影線分B,…,
m−1,B,Bm+1,…Bを、Y軸を共通の移
動方向として上下両方向にそれぞれh/2の距離だけ移
動させることにより、図9(b) に示すような二次元単位
領域C,…,Cm−1,C,Cm+1,…Cを求
めることができる。別言すれば、記録面20上に定義さ
れたM本の投影線分を、Y軸を共通の移動方向として、
隣接する投影線分の移動範囲には重ならない限度で所定
の距離(この例では、上下にそれぞれh/2の距離)だ
け移動させることにより、M個の二次元単位領域C
…,Cm−1,C,Cm+1,…Cが得られたこと
になる。これらの二次元単位領域は、いずれも横幅が記
録面20の横幅に等しく、縦幅がピッチhに等しい細長
い矩形になる。
【0048】こうして、M個の二次元単位領域C
…,Cm−1,C,Cm+1,…Cが定義された
ら、各領域内に二次元的に分布する演算点を定義する。
各演算点は、最終的に記録面20上に形成される干渉縞
パターンの画素として機能することになる。図10は、
第m番目の二次元単位領域C(図9にハッチングを施
して示してある領域)内に、縦横マトリックス状に多数
の演算点を定義した状態を示す平面図である。縦幅hの
矩形内に多数の正方形が描かれているが、個々の正方形
は1画素を示しており、各正方形の中心点がそれぞれ演
算点として機能する。
【0049】このようにして定義した各演算点につい
て、それぞれ干渉波の強度が演算されるが、既に述べた
ように、演算に考慮される点光源は、対応する単位線分
上の点光源に限定される。たとえば、図10に示す第m
番目の二次元単位領域C内のj列k行目の演算点Qm
(j,k)についての干渉波の強度は、図9(a) に示す
第m番目の単位線分A上のN個の点光源Pm1,…,
mi,…PmNからの物体光と、図8に示すように斜
め上方から入射する参照光Rφとの干渉によって生じる
波の振幅強度として演算されることになる。図10に示
されている他の演算点(各正方形の中心点)について
も、同様の演算が行われ、それぞれ固有の強度値が求め
られる。本来のホログラム像を記録するのであれば、図
9(a) に示す原画像10上のすべての点光源からの物体
光を考慮した演算を行う必要があるが、ここで述べる手
法によれば、1本の単位線分上に位置する点光源からの
物体光のみを考慮した演算ですむため、演算負担は大幅
に軽減される。
【0050】こうして、記録面20上の全演算点につい
て、それぞれ強度値が求められたら、これを二値化す
る。その結果、図10において、小さな正方形として示
されている個々の画素に、白または黒のいずれかの画素
値が与えられる。この画素値に基づいて、物理的な媒体
上に印刷もしくはエンボス加工を施せば、原画像10が
記録されたホログラム記録媒体が得られる。このように
して作成された媒体は、斜め上方から再生光を照射する
ことにより最適な再生像が得られるので、クレジットカ
ードなどを観察する際の一般的な照明環境に適合したも
のになる。
【0051】なお、記録面20上に定義される二次元単
位領域のY軸方向の幅h(縦方向の幅)は、視覚的に認
識不可能な寸法(肉眼の解像度よりも更に高い解像度を
実現できる寸法)に設定するのが好ましい。これは、幅
hを視覚的に認識可能な寸法に設定した場合、記録面2
0を全体的に観察した際に、二次元単位領域の境界線が
肉眼で認識されてしまい、全体的に横縞模様が観察され
るおそれがあるからである。たとえば、h=1mm程度
(視覚的に十分認識可能な寸法)に設定した場合、再生
像に幅1mmの横縞が重なって観察されることになる。
具体的には、h<100μm以下、より好ましくはh<
50μm以下に設定すると、ほとんどの場合、横縞模様
は認識されなくなる。これに対して、上述した実施形態
では、二次元単位領域のX軸方向の幅は、記録面20の
横幅に等しくなるため、当然、視覚的に認識可能な寸法
になる。したがって、二次元単位領域は、X軸方向の幅
が視覚的認識可能な寸法をもち、Y軸方向の幅が視覚的
に認識不可能な寸法をもった横方向に細長い矩形になる
(図示の便宜上、図面上の細長い矩形の縦横比は実際の
ものとは異なっている)。
【0052】結局、本発明に係る計算機ホログラムの作
成方法では、原画像10上の1つの点光源から発せられ
た物体光による記録面20上の照射領域が、X軸方向の
幅が視覚的認識可能な寸法をもち、Y軸方向の幅が視覚
的に認識不可能な寸法をもった二次元単位領域となるよ
うに、各点光源から発せられた物体光の広がりを制限し
た演算が行われることになる。また、本発明に係る計算
機ホログラム媒体には、原画像が正しい向きに観察され
るように媒体を置いた状態(すなわち、図9(b) に示す
ように正置した状態)で、横幅が視覚的認識可能な寸法
をもち、縦幅が視覚的に認識不可能な寸法をもった多数
の二次元単位領域が定義されており、しかも、同一の二
次元単位領域に属する個々の点には、原画像の同一部分
に関する情報が記録されており、異なる二次元単位領域
に属する個々の点には、原画像の異なる部分に関する情
報が記録されていることになる。たとえば、図9(b) に
示す第m番目の二次元単位領域Cに属する個々の点に
は、原画像10の第m番目の単位線分A上の点光源に
関する情報が記録されている。これに対して、第m+1
番目の二次元単位領域Cm+1に属する個々の点には、
原画像10の第m+1番目の単位線分Am+1上の点光
源に関する情報が記録されている。
【0053】本実施形態では、具体的に次のような寸法
設定を行っている。まず、記録面20としては、縦横そ
れぞれ約10mmの正方形の領域を定義しており、原画
像10としては、この正方形の領域とほぼ同じ寸法の像
を定義している。また、幅h=20μm(視覚的に認識
不可能な寸法)とすることにより、原画像10上に50
0本の単位線分を定義するとともに、記録面20上に5
00個の二次元単位領域を定義している。したがって、
記録面20上に形成される1つの二次元単位領域は、横
幅が約10mm,縦幅が20μmという横方向に細長い
矩形の領域になる。各二次元単位領域内には、図10に
示すように、多数の演算点(正方形で示された画素の中
心点)が定義されるが、ここでは演算点の配置ピッチを
縦横ともに0.4μmに設定している。したがって、図
10に示す二次元単位領域C内には、縦に50個、横
に25000個の演算点が定義されることになる。演算
点の配置ピッチは、最終的に形成される画素の寸法に対
応することになるので、画素の寸法は縦横0.4μmと
なる。現在一般的に利用されている電子線描画装置で描
画可能な寸法は、0.1〜0.2μm程度なので、必要
に応じて演算点のピッチを、0.1〜0.2μm程度に
まで小さくすることも可能である。
【0054】§5. 演算負担を更に軽減させる実施形
ここでは、§4で述べた実施形態を変形することによ
り、演算負担を更に軽減させる手法を図11を参照しな
がら説明する。図11(a) は、図9(a) と同様に原画像
10を示す図であり、図11(b) は、図9(b) と同様に
記録面20を示す図である。ただ、この図11に示す例
では、図9に示すピッチhよりも大きな所定のピッチH
で、XZ平面に平行な複数の切断面が定義され(図で
は、説明の便宜上、3つの切断面が定義された例を示す
が、実際には、より多数の切断面が定義される)、この
切断面で原画像10および記録面20を切断することに
より、原画像10上にピッチHをもった単位線分A1,
A2,A3を定義するとともに、記録面20上にピッチ
Hをもった投影線分B1,B2,B3(図示されていな
い)を定義する(実際には、より多数の単位線分および
投影線分が定義される)。ここで、投影線分B1,B
2,B3は、単位線分A1,A2,A3をZ軸方向に投
影して得られる線分に相当し、これら投影線分B1,B
2,B3をY軸方向に区間幅hだけ移動させることによ
り得られる矩形領域が、二次元単位領域C1,C2,C
3(図11(b) にハッチングを施して示す領域)とな
る。
【0055】この後の演算工程は、前述した§4の方法
と同様である。すなわち、各二次元単位領域C1,C
2,C3内に、二次元的に分布する多数の演算点を定義
して、各演算点ごとに干渉波の振幅強度を演算する。こ
のとき、各演算点が所属する二次元単位領域に対応した
単位線分上の点光源のみを考慮した演算が行われ、たと
えば、二次元単位領域C1内の演算点については、単位
線分A1上の点光源からの物体光のみを考慮した演算が
行われることになる。
【0056】§4で述べた方法との違いは、二次元単位
領域の縦幅hが、ピッチHよりも小さく設定されている
点である。たとえば、h=20μm、H=80μmなる
設定を行えば、4h=Hとなり、隣接する二次元単位領
域間に、縦幅60μmの空隙領域が形成されることにな
る。この空隙領域には、演算点が存在しないので、演算
を行う必要はなくなる。このため、§4で述べた方法に
比べて、演算量は1/4に軽減されることになる。
【0057】このように、ピッチHよりも小さな縦幅h
を設定する方法を採ると、干渉縞が記録されない空隙領
域が形成されることになるが、縦幅60μm程度の空隙
領域の存在は、通常、視覚的には認識されないので大き
な問題は生じない。ただ、観察時の輝度は低くならざる
を得ない。この輝度低下に対処するためには、次のよう
な方法が有効である。すなわち、縦幅hをピッチHに対
して、2h≦Hとなるように設定し、隣接する二次元単
位領域間に縦幅がh以上の空隙領域が形成されるように
し、各二次元単位領域内の演算点についての干渉波の強
度演算が完了した後、各二次元単位領域内に得られた演
算値の二次元分布を、隣接する空隙領域に複写する処理
を行うのである。
【0058】たとえば、h=20μm、H=80μmな
る設定を行えば、隣接する二次元単位領域間に縦幅が6
0μmの空隙領域が形成されるので、縦幅20μmの二
次元単位領域内に得られた演算値の二次元分布を、3組
ならべて複写する処理を行うことができる。図12は、
図11(b) に示す記録面20上の二次元単位領域C1,
C2,C3を、空隙領域に複写する処理を行った状態を
示す図である。すなわち、二次元単位領域C1内に得ら
れた演算値の二次元分布は、隣接する領域C11,C1
2,C13(いずれも縦幅hの矩形領域)へと複写され
る。同様に、二次元単位領域C2内に得られた演算値の
二次元分布は、隣接する領域C21,C22,C23へ
と複写され、二次元単位領域C3内に得られた演算値の
二次元分布は、隣接する領域C31,C32,C33へ
と複写される。
【0059】このような複写を行えば、記録面20上の
全領域に演算点が定義されることになり、空隙領域は消
滅する。したがって、輝度低下という問題を解消するこ
とができる。しかも演算値を複写する処理は、干渉縞の
強度演算を行う処理に比べて極めて負担が軽い処理であ
るため、演算負担を軽減させるというメリットはそのま
ま維持される。なお、このような複写処理は、原画像1
0を忠実に記録するという観点からは問題がある。本来
であれば、たとえば、図12における領域C1,C1
1,C12,C13には、それぞれ固有の干渉縞が記録
されているべきであるのに、実際には、これらの領域に
は全く同じ干渉縞が記録されてしまうことになる。この
ため、再生像と原画像とに食い違いが生じることにな
る。しかしながら、偽造防止用パターンといった用途に
利用する場合には、必ずしも原画像に忠実な再生像を得
る必要はないので、大きな問題にはならない。
【0060】§6. その他の実施形態 ここでは、本発明の更に別な変形例に係る実施形態を述
べる。はじめに、再生像に生じる輝度むらを抑制させる
変形例を説明する。上述したように、本発明に係る計算
機ホログラムの作成方法では、最終的に二値画像として
干渉縞が媒体上に記録されることになる。このように、
本来はアナログ情報である干渉縞を、デジタル情報に変
換して記録した場合、再生像に輝度むらが生じる現象が
確認されており、この輝度むらを抑制させるための手法
が、たとえば、特願平9−189229号明細書に開示
されている。この輝度むらを抑制する手法の詳細につい
ては、ここでは説明を省略するが、この手法は本発明に
係る計算機ホログラムの作成方法にも適用可能である。
この手法の基本原理は、点光源からの物体光の広がりを
抑制する点にある。
【0061】図8に示すように、本発明では、点光源P
miから放出される物体光のY軸方向に関する広がり
は、所定角ξの範囲に制限されることになる。二次元単
位領域Cの縦幅hは、たとえば20μmといったかな
り小さな寸法に設定されるため、所定角ξもかなり小さ
な角度になり、物体光のY軸方向に関する広がりに関し
ては、かなり厳しい制限が加えられていることになる。
このため、記録面20上に得られる再生像には、少なく
ともY軸方向に関する輝度むらは認識されない。ただ、
X軸方向(単位線分に沿った方向)に関する広がりに関
しては、何ら制限を加えていないため、図8に示す例で
は、点光源Pmiから放出される物体光のX軸方向に関
する広がりは、記録面20の横幅に相当するかなり広い
範囲になっている。したがって、原画像10のモチーフ
によっては、記録面20上に得られる再生像に、X軸方
向に関する輝度むらが生じる可能性がある。
【0062】このようなX軸方向に関する輝度むらを抑
制するためには、図13に示すように、点光源Pmi
らの物体光の単位線分Aに沿った方向(X軸に沿った
方向)への広がり角を所定範囲Ψ内に制限して、干渉波
の強度演算を行うようにすればよい。図示の例では、点
光源Pmiからの物体光のX軸方向に関する広がりは角
度Ψの範囲内に制限され、Y軸方向に関する広がりは角
度ξの範囲内に制限されていることになる。
【0063】ただし、物体光の広がりを制限すればする
ほど、本来のホログラムとしての性質が失われ、再生像
の立体感が失われてしまう(本来のホログラムでは、1
つの点光源からの物体光が記録面の全領域に到達しなけ
ればならない)。したがって、二次元単位領域の縦幅h
を20μm程度に設定すると、Y軸方向に関する再生像
の立体感はかなり失われることになる(記録面20をX
軸を枢軸として回転させた場合、再生像の立体感はあま
り認識されなくなる)。これは本発明に係る手法が潜在
的にもつデメリットである。しかしながら、人間は、水
平方向に配された一対の眼を有しているため、肉眼での
観察を前提とした場合は、Y軸方向に関する再生像の立
体感よりも、むしろX軸方向に関する再生像の立体感の
方が重要である。このような理由から、X軸方向に関す
る広がり角度Ψは、あまり極端に小さな値にすることは
好ましくない。具体的には、記録面20上での物体光の
照射領域(図13にハッチングで示す領域)のX軸方向
の幅を、視覚的に認識可能な寸法に設定するのが好まし
い。
【0064】なお、上述したX軸方向に関する広がり角
を制限する手法を本発明に適用する場合は、たとえば、
図14に示すように、記録面20上の二次元単位領域C
上の演算点Qについての干渉波強度の演算を行う際
に、この演算点Q上に垂線nを立て、この垂線n
を中心軸とする頂角Ψの円錐を定義し、原画像10上の
単位線分Aのうち、この円錐内に入る部分(図の点P
a〜Pbの部分)上の点光源からの物体光のみを考慮し
た演算を行うようにすればよい。
【0065】続いて、再生像に生じる筋状ノイズを抑制
させる変形例を説明する。この筋状ノイズも、本来はア
ナログ情報である干渉縞をデジタル情報に変換して記録
するために生じる現象と考えられており、この筋状ノイ
ズを抑制させるための手法が、たとえば、特願平9−1
89229号明細書に開示されている。この筋状ノイズ
を抑制する手法の詳細についても、ここでは説明を省略
するが、この手法もやはり本発明に係る計算機ホログラ
ムの作成方法に適用することができる。具体的には、各
演算点についての干渉波強度の演算を行う際に、各点光
源から発せられる個々の物体光の初期位相をランダムに
設定するようにすればよい。物体光の初期位相をランダ
ム設定することにより、物体光の規則性が乱されること
になり、再生像に生じる筋状ノイズを抑制させることが
できる。
【0066】§7. 二次元単位領域の縦幅hを小さく
設定する別なメリット 前述したように、記録面20上に定義する二次元単位領
域は、横幅(X軸方向の幅)を視覚的に認識可能な寸法
とし、縦幅h(Y軸方向の幅)を視覚的に認識不可能な
寸法にするのが好ましい。その理由は既に述べたとおり
である。すなわち、横幅を視覚的に認識可能な寸法とす
る理由は、再生像の横方向に関する立体感を維持するた
めであり、縦幅hを視覚的に認識不可能な寸法にする理
由は、再生像を観察した際に横縞が認識されないように
するためである。ところが、本願発明者は、斜め上方か
らの参照光を用いて像の記録を行う場合、二次元単位領
域の縦幅hを小さく設定することにより別なメリットを
得ることができることに気が付いた。ここでは、参考の
ために、この別なメリットについて述べておく。
【0067】いま、図15に示すように、記録面20上
に、点光源Pの像を記録する場合を考える。ここでは、
図のように、記録面20の左側から参照光Rを照射して
像の記録を行うものとしよう。この場合、たとえば、記
録面20上に定義された演算点Qにおける干渉波の強度
値は、点光源Pからの物体光Oと参照光Rとによって、
演算点Qの位置において生じる干渉波の振幅強度として
演算されることになる。もっとも、ホログラムでは、原
画像の情報を干渉縞として記録することに意味があり、
1つの演算点Qのもつ強度値だけでは何ら意味をなさ
ず、記録面20上に得られた空間的な強度値の分布に意
味があることになる。
【0068】ところで、物体光Oと参照光Rとの干渉に
よって生じる干渉波の周波数は、物体光Oと参照光Rと
の交差角に依存することが知られている。したがって、
図15に示す演算点Qの位置に得られる干渉波の周波数
は、図示の交差角αに依存することになる。より具体的
には、交差角αが0°のときに得られる干渉波の周波数
が最も低く(実際には、交差角α=0°の場合は干渉は
起こらず、周波数は0である)、交差角αが大きくなる
に従って、干渉波の周波数は徐々に高くなってゆき、交
差角αが180°のときに得られる干渉波の周波数が最
高(具体的な値は波長に依存して定まる)となる。
【0069】ここで、本発明を実施するにあたって問題
となるのは、交差角αが大きい場合である。交差角αが
大きいと、得られる干渉波の周波数が高くなるため、記
録面20上には、この高い周波数に応じた高い解像度で
演算点を定義しなければ、干渉縞を記録することはでき
ない。ところが、実用上、演算点の解像度には限界があ
る。その第1の理由は、演算点の解像度を高くすればす
るほど(すなわち、演算点の配置ピッチを小さくすれば
するほど)、演算点の総数が増えることになり、演算負
担が重くなるからである。そして、第2の理由は、物理
的な媒体に画素として干渉縞を形成する際、画素の大き
さに限界があるからである。現在の電子線描画装置で
は、0.1μm以下の寸法をもった画素を描画すること
はできず、演算点の配置ピッチもこの寸法以下にするこ
とはできない。このように、演算点の解像度に限界があ
るため、実用上は、交差角αにも上限が存在することに
なる。この交差角αの上限となる角度は、原画像10と
記録面20との距離などの条件によって異なるため、一
概に定めることはできないが、いずれにしても、交差角
αはできるだけ小さくなるようにするのが好ましい。
【0070】さて、ここで、図8に示す例について考え
てみよう。この例では、参照光Rφは、YZ平面に平行
な光であって、記録面20に対して斜め上方から入射角
φで入射している。図16は、この図8に示す例を上方
から見た図である。この図16において、点光源Pから
の物体光の広がりを考えてみる。ここでは、点光源Pか
らの物体光が、広がり角ΨでX軸方向に広がりながら記
録面20に照射された状態が示されており、右端の物体
光ORIGHT は演算点QRIGHT に到達し、左端の物体光O
LEFTは演算点QLEFTに到達している。このとき、物体光
ORIGHT と参照光Rとの交差角αRIGHT と、物体光OLE
FTと参照光Rとの交差角αLEFTとに着目すると、図示の
例の場合、いずれもたかだか45°程度である(点光源
Pと記録面20との距離が小さくなると、交差角はより
大きくなるが、それでも最大値は90°である)。
【0071】これに対して、図17は、図8に示す例を
側方から見た図である。この図17において、点光源P
からの物体光の広がりを考えてみる。ここでは、点光源
Pからの物体光が、広がり角ξでY軸方向に広がりなが
ら記録面20に照射された状態が示されており、上端の
物体光OTOP は演算点QTOP に到達し、下端の物体光O
BOTTOMは演算点QBOTTOMに到達している。このとき、物
体光OTOP と参照光Rとの交差角αTOP と、物体光OBO
TTOMと参照光Rとの交差角αBOTTOMとに着目すると、図
示の例の場合、交差角αBOTTOMは30°程度であるのに
対し、交差角αTOP は60°程度になっている(点光源
Pと記録面20との距離が小さくなり、参照光Rの入射
角φが小さくなると、最大値は180°となる)。
【0072】以上のことから、図8の例のように、斜め
上方からの参照光を用いた記録を行う場合、物体光のX
軸方向の広がり角Ψをある程度大きくしても、交差角α
が極端に大きくなることはないが、物体光のY軸方向の
広がり角ξを大きくすると、交差角α、特に上端の物体
光についての交差角αTOP が極端に大きくなる傾向にあ
ることがわかる。既に述べたように、交差角αが大きく
なりすぎると、演算点の解像度が干渉波の周波数に追従
できなくなり、干渉縞を正しく記録することができなく
なってしまう。そこで、図18に示すように、物体光の
Y軸方向の広がり角ξは、なるべく小さく抑えるように
するのが好ましい。別言すれば、二次元単位領域の縦幅
hは、なるべく小さく設定するのが好ましい。
【0073】
【発明の効果】以上のとおり本発明に係る計算機ホログ
ラムの作成方法によれば、演算負担を軽減しつつ、高品
質な再生像を得ることができるようになり、特に、斜め
上方からの再生光に適した記録が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なホログラムの作成方法を示す原理図で
あり、原画像10を記録面20上に干渉縞として記録す
る方法が示されている。
【図2】図1に示す原理に基づいて、記録面上の任意の
点Q(x,y)における干渉波の強度を演算する方法を
示す図である。
【図3】演算負担を軽減させたホログラムの作成方法を
示す原理図であり、原画像10を記録面20上に干渉縞
として記録する方法が示されている。
【図4】図3に示す原理に基づいて、記録面上の任意の
点Q(x,y)における干渉波の強度を演算する方法
を示す図である。
【図5】図4に示す原画像10および記録面20を、図
の上方から見た状態を示した上面図である。
【図6】演算によって得られた強度分布画像を二値化
し、二値画像を得る過程を示す概念図である。
【図7】演算負担を軽減させる従来の計算機ホログラム
の作成方法の基本原理を示す斜視図である。
【図8】演算負担を軽減させる本発明に係る計算機ホロ
グラムの作成方法の基本原理を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る計算機ホログラムの作成方法の一
実施形態において、原画像10上に定義された単位線分
と、記録面20上に定義された二次元単位領域とを示す
図である。
【図10】図9(b) に示されている二次元単位領域C
内に定義された演算点(画素)のマトリックス配列を示
す図である。
【図11】本発明に係る計算機ホログラムの作成方法の
別な一実施形態において、原画像10上に定義された単
位線分と、記録面20上に定義された二次元単位領域と
を示す図である。
【図12】図11(b) に示す二次元単位領域C1,C
2,C3内の演算値の二次元分布を複写する処理を行っ
た状態を示す図である。
【図13】本発明に係る計算機ホログラムの作成方法
に、物体光のX軸方向の広がり角Ψを制限する手法を適
用した実施形態を示す斜視図である。
【図14】図13に示す手法における具体的な演算方法
を示す上面図である。
【図15】一般的なホログラムにおける物体光Oと参照
光Rとのなす交差角αを示す図である。
【図16】物体光のX軸方向の広がり角Ψを示すため
に、図8に示す実施形態を上面から見た状態を示す図で
ある。
【図17】物体光のY軸方向の広がり角ξを示すため
に、図8に示す実施形態を側面から見た状態を示す図で
ある。
【図18】図17における広がり角ξを小さく設定した
状態を示す図である。
【符号の説明】
10…原画像 20…記録面 A,A,A,Am−1,A,Am+1,A
原画像上の線状単位領域/原画像上の単位線分 B,B,B,B,B,B…記録面上の線状単
位領域/記録面上の投影線分 C,C,C,Cm−1,C,Cm+1,C
二次元単位領域 C11,C12,C13,C21,C22,C23,C
31,C32,C33…演算値の二次元分布を複写した
領域 D(x,y)…二値画像を構成する画素 h…二次元単位領域の縦幅/単位線分のピッチ H…二次元単位領域および単位線分のピッチ n…法線(円錐の中心軸) O,O,O,O,Om1,OmN,ORIGHT ,O
LEFT,OTOP ,OBOTTOM…物体光 P,Pa,Pb,P,P,P,Pm1,Pmi
mN,…点光源 Q(x,y),Q(x,y),Qm,Qm(j,
k),QRIGHT ,QLEFT,QTOP ,QBOTTOM…演算点 R,Rθ,Rφ…参照光(再生光) α,αRIGHT ,αLEFT,αTOP ,αBOTTOM…物体光Oと
参照光Rとの交差角 θ,φ…参照光の入射角 ξ…物体光のY軸方向に関する広がり角 Ψ…物体光のX軸方向に関する広がり角

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 計算機を用いた演算により所定の記録面
    上に干渉縞を形成してなる計算機ホログラムを作成する
    方法であって、 所定の原画像と、この原画像を記録するための記録面
    と、この記録面に対して照射する参照光とを定義する段
    階と、 前記記録面上に多数の演算点を定義し、個々の演算点に
    ついて、前記原画像上に定義された点光源から発せられ
    た物体光と、前記参照光とによって形成される干渉波の
    強度を演算する段階と、 個々の演算点について求められた干渉波の強度を二値化
    し、前記記録面上に二値画像を定義する段階と、 前記二値画像に基づいて、媒体上に物理的な干渉縞を作
    成する段階と、 を有し、 前記原画像上に複数の単位線分を定義するとともに、前
    記記録面上に前記個々の単位線分にそれぞれ対応した個
    々の二次元単位領域を定義し、各二次元単位領域内に二
    次元的に分布する多数の演算点を定義し、 1つの演算点について干渉波の強度を演算する際に、そ
    の演算点が所属する二次元単位領域に対応した単位線分
    上に定義された点光源のみを考慮した演算を行うことを
    特徴とする計算機ホログラムの作成方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の作成方法において、 所定の投影条件に基づいて単位線分を記録面上に投影し
    たときに得られる投影線分を前記記録面上で移動させる
    ことにより得られる二次元領域を、前記単位線分に対応
    する二次元単位領域とすることを特徴とする計算機ホロ
    グラムの作成方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の作成方法において、 原画像上に互いに平行な多数の単位線分を定義すること
    により、記録面上に互いに平行な多数の投影線分が得ら
    れるようにし、これら多数の投影線分を共通の移動方向
    に、隣接する投影線分の移動範囲には重ならない限度
    で、所定の距離だけ移動させることにより得られる二次
    元領域を、各単位線分に対応する二次元単位領域とする
    ことを特徴とする計算機ホログラムの作成方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の作成方法において、 XYZ三次元座標系上に原画像を定義するとともに、こ
    の座標系のXY平面上に記録面を定義し、XZ平面に平
    行な多数の切断面を定義し、 前記個々の切断面で前記原画像および前記記録面を切断
    したときに切り口に得られる線分を、単位線分およびそ
    の投影線分と定義し、Y軸を共通の移動方向として個々
    の投影線分を移動させることにより個々の二次元単位領
    域を定義することを特徴とする計算機ホログラムの作成
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の作成方法において、 所定のピッチhで多数の切断面を定義することにより、
    原画像上に前記ピッチhをもった多数の単位線分を定義
    するとともに、記録面上に前記ピッチhをもった多数の
    投影線分を定義し、各投影線分をY軸方向に前記ピッチ
    hの区間幅だけ移動させることにより、幅がピッチhに
    等しい多数の二次元単位領域を定義することを特徴とす
    る計算機ホログラムの作成方法。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の作成方法において、 所定のピッチHで多数の切断面を定義することにより、
    原画像上に前記ピッチHをもった多数の単位線分を定義
    するとともに、記録面上に前記ピッチHをもった多数の
    投影線分を定義し、各投影線分をY軸方向に前記ピッチ
    Hよりも小さい距離hの区間幅だけ移動させることによ
    り、幅が距離hに等しく前記ピッチHで配置された二次
    元単位領域を定義することを特徴とする計算機ホログラ
    ムの作成方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の作成方法において、 距離hをピッチHに対して、2h≦Hとなるように設定
    し、隣接する二次元単位領域間に幅がh以上の空隙領域
    が形成されるようにし、 各二次元単位領域内の演算点についての干渉波の強度演
    算が完了した後、各二次元単位領域内に得られた演算値
    の二次元分布を、隣接する空隙領域に複写する処理を行
    うことを特徴とする計算機ホログラムの作成方法。
  8. 【請求項8】 請求項4〜7のいずれかに記載の作成方
    法において、 参照光の向きを、YZ平面に対して平行になり、記録面
    に対して斜めに入射する向きにしたことを特徴とする計
    算機ホログラムの作成方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の作成方
    法において、 点光源からの物体光の単位線分に沿った方向への広がり
    角を所定範囲内に制限して、干渉波の強度演算を行うこ
    とを特徴とする計算機ホログラムの作成方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8のいずれかに記載の作成
    方法において、 各点光源から発せられる個々の物体光の初期位相をラン
    ダムに設定することを特徴とする計算機ホログラムの作
    成方法。
  11. 【請求項11】 計算機を用いた演算により所定の記録
    面上に干渉縞を形成してなる計算機ホログラムを作成す
    る方法であって、 XYZ三次元座標系上に所定の原画像を定義し、この座
    標系のXY平面上に前記原画像を記録するための記録面
    を定義し、更に、この記録面に対して照射する参照光を
    定義する段階と、 前記記録面上に多数の演算点を定義し、個々の演算点に
    ついて、前記原画像上に定義された点光源から発せられ
    た物体光と、前記参照光とによって形成される干渉波の
    強度を演算する段階と、 個々の演算点について求められた干渉波の強度を二値化
    し、前記記録面上に二値画像を定義する段階と、 前記二値画像に基づいて、媒体上に物理的な干渉縞を作
    成する段階と、 を有し、 1つの点光源から発せられた物体光による前記記録面上
    の照射領域が、X軸方向の幅が視覚的認識可能な寸法を
    もち、Y軸方向の幅が視覚的に認識不可能な寸法をもっ
    た二次元単位領域となるように、各点光源から発せられ
    た物体光の広がりを制限することを特徴とする計算機ホ
    ログラムの作成方法。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかの作成方法
    によって作成された計算機ホログラムの媒体。
  13. 【請求項13】 計算機を用いた演算を利用して、所定
    の媒体上に原画像を干渉縞として記録した計算機ホログ
    ラムの媒体において、 原画像が正しい向きに観察されるように媒体を置いた状
    態で、この媒体上に、横幅が視覚的認識可能な寸法をも
    ち、縦幅が視覚的に認識不可能な寸法をもった多数の二
    次元単位領域が定義されており、 同一の二次元単位領域に属する個々の点には、原画像の
    同一部分に関する情報が記録されており、 異なる二次元単位領域に属する個々の点には、原画像の
    異なる部分に関する情報が記録されていることを特徴と
    する計算機ホログラムの媒体。
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