JPH11202072A - 原子炉用の核燃料粒子、核燃料ペレット及び核燃料要素 - Google Patents

原子炉用の核燃料粒子、核燃料ペレット及び核燃料要素

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JPH11202072A
JPH11202072A JP10006073A JP607398A JPH11202072A JP H11202072 A JPH11202072 A JP H11202072A JP 10006073 A JP10006073 A JP 10006073A JP 607398 A JP607398 A JP 607398A JP H11202072 A JPH11202072 A JP H11202072A
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JP
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nuclear fuel
nitride
oxide
water
particles
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JP10006073A
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English (en)
Inventor
Shinichi Higuchi
真一 樋口
Masatoshi Kawashima
正俊 川島
Katsuya Uchida
勝也 内田
Yoriaki Yutani
順明 湯谷
Masato Takahashi
正人 高橋
Ryohei Ando
良平 安藤
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 窒化物核燃料は熱伝導度が高く、しかも核燃
料金属密度が高い点で優れているが、水との反応が酸化
物に比較して速いので、事故時に水と接触する可能性の
ために、軽水炉や重水炉の核燃料としては用いられなか
った。事故が発生しても、水との反応が発生しない窒化
物核燃料を提供することが課題である。 【解決手段】 窒化物核燃料に水との接触を防止するた
めの被覆を設けることによって、たとえ事故が発生して
も窒化物燃料が直接水と接することがないようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子炉用核燃料粒
子、核燃料ペレット及び核燃料要素に関する。さらに詳
しくは高核燃料密度および高熱伝導率を有し、高燃焼お
よび高出力密度の可能な窒化物核燃料を含有する核燃料
粒子、核燃料ペレットおよび核燃料要素に関する。
【0002】
【従来の技術】軽水または重水を冷却材あるいは減速材
として用いる、軽水炉または重水炉に使用する核燃料集
合体は、上下タイプレートの間に複数のスペーサを設
け、スペーサの間に棒状の複数の核燃料要素を配列した
ものを多段配置して構成されている。このような核燃料
集合体を構成する核燃料要素は、酸化ウランや酸化プル
トニウムなどの核燃料金属の酸化物からなる核燃料をペ
レット状に成型したものを、金属の被覆管に整列挿入
し、ヘリウムガスなどの不活性ガスなどを封入して被覆
管の上下に端栓を溶接して構成されている。
【0003】酸化ウランや酸化プルトニウムなどの従来
の酸化物核燃料は、蛍石型の結晶構造を有するため、核
燃料金属の密度が小さく、また熱伝導度も小さい。特に
熱伝導については、原子炉の通常運転条件での温度範囲
即ち、約500〜1500℃では格子振動が主過程であ
るため、単に熱伝導が低いだけでなく、その値が温度上
昇とともに低下し、しかも燃焼が進み格子欠陥が増える
ことによってさらに低下するという点が、出力密度を高
める上で問題とされていた。
【0004】このような理由から、エネルギー発生効
率、プルトニウム転換効率を高めるために、核燃料に対
し、より高い核分裂金属元素密度が望まれ、また出力密
度、燃焼度を高め、エネルギー転換効率を高めるため
に、より高い熱伝導度が望まれてきた。
【0005】酸化物核燃料に比べて、より高い核分裂物
質密度を有する核燃料、あるいは酸化物核燃料に比べて
高い熱伝導度を有する核燃料として、金属の核燃料およ
び炭化物や窒化物などのセラミックス核燃料が検討され
た。このうち金属の核燃料は酸化物の核燃料に比べて融
点が低いことや、被覆に対する適合性、冷却材または減
速材である水に対する適合性など、酸化物核燃料に比べ
不利な点が多かったために、研究用など特定の炉以外に
は使われなくなっている。
【0006】セラミックス核燃料の中で、炭化物や窒化
物などの核燃料は、酸化物核燃料に比べて熱伝導度が最
大で9倍程度と非常に高く、また核分裂金属元素の密度
も約1.4倍と高いという利点がある。しかし炭化物は
水に対し爆発的な反応を示すので、軽水や重水を冷却材
や減速材として用いる原子炉には用いられない。また窒
素は熱中性子に対する吸収断面積が大きいため、窒化物
の核燃料は一般の熱中性子炉には不適であって、高速炉
においてのみ使用できる可能性があるとされてきた。し
かし、窒素が熱中性子に対する吸収断面積が大きいの
は、天然に存在する窒素の同位元素のうちの14Nによる
ものであって、15Nは熱中性子吸収断面積が小さい。そ
して15Nの濃縮についてはすでに報告(泉ほか:日本原
子力学会1997年春の年会L39)されている。
【0007】しかしながら窒化物核燃料は水に対して爆
発的な反応は示さない。しかし窒化物核燃料は水との反
応は酸化物核燃料に比べれば速い。このため、事故時に
核燃料が水と接触した場合の反応が懸念され、窒化物核
燃料を酸化物核燃料に置き換えて、軽水炉又は重水炉で
使用することができなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、窒化物核燃
料が水との反応性が酸化物に比べて大であるために、事
故時に核燃料が水と接触して反応を起こす、という問題
を解決し、軽水炉または重水炉の核燃料集合体に、従来
の酸化物核燃料に代えて、窒化物核燃料の使用を可能に
することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、窒化物核燃料
粒子に対し、水との接触を防止するための被覆を設ける
ことによって、窒化物核燃料が水との反応を起こさない
構成とし、その結果、軽水または重水を冷却材あるいは
減速材として用いる従来型の原子炉において事故が発生
しても、窒化物核燃料と水とが直接接触しないので、従
来の酸化物核燃料に代えて、窒化物核燃料の使用を可能
にしたことを特徴とするものである。
【0010】本発明に係る核燃料粒子は、窒化物核燃料
粒子の表面に、水との接触を防止するための、酸化物、
炭素、炭化物及び金属のうち、少なくとも1種の被覆を
有することを特徴とするものである。
【0011】また、本発明に係る核燃料ペレットは、酸
化物核燃料粒子と窒化物核燃料粒子とを含むことを特徴
とするものである。また、本発明に係る核燃料ペレット
は、窒化物核燃料を含有するペレットの表面に、水との
接触を防止するための酸化物、炭素、炭化物及び金属の
うち、少なくとも1種の被覆を有することを特徴とする
ものであってもよい。
【0012】また、本発明に係る核燃料要素は、窒化物
核燃料粒子の表面に、水との接触を防止するための酸化
物、炭素、炭化物及び金属のうち、少なくとも1種の被
覆を有する核燃料粒子を被覆管に充填したことを特徴と
するものである。また本発明に係る核燃料要素は、窒化
物核燃料粒子を酸化物核燃料粒子に含有させた核燃料ペ
レットを被覆管に充填したことを特徴とするものであ
る。また、本発明に係る核燃料要素は、窒化物核燃料ペ
レットを少なくとも2重の被覆管に封入したことを特徴
とするものであってもよい。さらに本発明の核燃料要素
は、窒化物核燃料ペレットを金属ボンド剤とともに被覆
管に封入したことを特徴とするものであってもよい。
【0013】本発明において、核燃料金属とはウラン、
プルトニウム、トリウムなど、核燃料に用いられ、その
核分裂によってエネルギーを発生する金属を示し、窒化
物核燃料とはその窒化物を含有する核燃料を示す。
【0014】また、本発明の窒化物核燃料を構成する窒
素原子としては、15Nの濃縮を行ったものが熱中性子の
吸収断面積が小さいので好ましく用いられる。
【0015】本発明に係る窒化物核燃料粒子の表面に水
との接触を防止するための被覆を設けた核燃料粒子は、
事故によって核燃料要素の被覆管に水の侵入があったと
しても、窒化物核燃料に水が直接接触することが防止さ
れる。ここに本発明の水との接触を防止する被覆として
は、窒化物核燃料を100℃程度までの低い温度で水と
緩やかに反応させて形成した酸化物被膜や、酸化アルミ
ニウム、酸化ジルコニウム、酸化シリコンなどの酸化物
をコーティングした被膜が含まれる。またグラファイト
などの炭素被膜、SiCなどの炭素化合物を含む被膜、
さらには金属の被膜が含まれる。
【0016】なお、高温ガス冷却炉用の核燃料として、
酸化物核燃料の球、または炭化物核燃料の球の表面を、
パイロ黒鉛やシリコンカーバイドなどで被覆したものが
知られている。しかしながら、高温ガス冷却炉用の核燃
料が酸化物または炭化物であるのに対して、本発明の核
燃料が窒化物を含有するものである点で相違する。しか
も高温ガス冷却炉用の核燃料の場合は核分裂生成物の放
出を防ぐためのものであって、少なくとも数100μm
厚の十分な被覆厚さと被覆強度を必要とするのに対し、
本発明は水との接触を防止するための被覆であって高強
度を必要とするものではなく、数μm〜数10μmであ
ればよい。従って高温ガス冷却炉用の核燃料と本発明の
核燃料粒子とは、その構成において明瞭に区別される。
【0017】次に、本発明に係る酸化物核燃料粒子と窒
化物核燃料粒子とを含む核燃料ペレットは、窒化物核燃
料を水との反応の緩やかな酸化物核燃料に混合すること
によって、窒化物核燃料と水との接触は酸化物燃料によ
って防止し、従来の酸化物核燃料に置き換えて使用する
ことを可能にしたものである。ここに窒化物核燃料を含
有する粒子として、請求項1の表面に水との接触を防止
するための被覆を設けたものを用いれば、窒化物核燃料
と水との接触に対し二重の防御ができる。
【0018】また、本発明に係る窒化物核燃料を含有す
るペレットの表面に水との接触を防止する被覆を有する
核燃料ペレットは、事故により核燃料要素の被覆管に水
が侵入した場合にも、ペレット表面の被覆によって窒化
物核燃料に水が直接接触することが防止される。
【0019】本発明のペレット表面の被覆には、窒化物
核燃料を含有するペレットを100℃程度までの低い温
度で水と反応させて緩やかに形成された酸化物核燃料被
膜、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化シリコ
ンなどの酸化物をコーティングした被膜、グラファイト
などの炭素被膜、SiCなどの炭素化合物を含む被膜、
さらには金属の被膜が含まれる。この核燃料ペレットを
構成する核燃料粒子としては、窒化物核燃料を含有する
粒子は表面に水との接触を防止するための被覆を設けた
ものを用いることができる。
【0020】特にペレットの外側部を水との反応が緩や
かな酸化物核燃料で覆い、内側部に窒化物核燃料を含有
する核燃料を配置した構成は、窒化物の高い熱伝導度に
より、中心部の温度上昇が抑制できるという利点があ
る。
【0021】また、本発明に係る核燃料粒子を被覆管に
充填した核燃料要素核燃料要素には、核燃料粒子を被覆
管に充填する方法として振動充填を用いたものが含まれ
る。
【0022】本発明に係る窒化物核燃料ペレットを少な
くとも2重の被覆管に封入したことを特徴とする核燃料
要素において、少なくとも2重の被覆管としては、1個
の外側被覆管の内側に1個の被覆管を有する構造のほ
か、1個の外側被覆管の内側に複数の被覆管を有する構
造のものが含まれる。
【0023】さらに、本発明に係る窒化物核燃料を含有
する核燃料ペレットを金属ボンド剤とともに被覆管に封
入した核燃料要素は、金属ボンド剤は窒化物核燃料を含
有する核燃料粒子ペレットスタックとともに被覆管に封
入したものである。金属ボンド材は通常の運転中の温度
では融解し、ペレットと被覆管とのギャップ部を埋めて
いる。もしも水の侵入があった場合には、金属ボンド材
は水と反応して融点の高い酸化物となって核燃料を覆っ
て、核燃料と水との直接の接触を防いだところで反応が
止まり、核燃料粒子ペレットと水とは接触が防止される
ものである。金属ボンド材としては低融点金属であるス
ズ、ビスマス、鉛、ポロニウムもしくはこれらを含む合
金が好ましく用いられる。
【0024】
【作用】本発明においては窒化物核燃料が被覆を有する
ことによって、軽水炉または重水炉の事故時において、
窒化物核燃料が直接水と接触することが回避される。こ
のため従来の酸化物核燃料に代えて窒化物核燃料が核燃
料として使用が可能となる。窒化物核燃料は従来の酸化
物核燃料に比べて熱伝導率が低いので、運転時の燃料内
部の温度勾配が低くなり、従って燃料中心温度が低下す
る。また窒化物核燃料は酸化物核燃料に比べて核燃料物
質密度が高いので、窒化物核燃料を用いることによりエ
ネルギー発生効率及び燃料サイクル効率の向上が得られ
る。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図に基づい
て説明する。
【0026】本発明の核燃料粒子の一実施形態を模式的
に示す粒子の断面図を図1に示す。図において窒化物核
燃料を含有する粒子1の表面を非透水性の被覆2で覆う
ことにより、浸水があっても窒化物核燃料を含有する粒
子は直接に水と接触が防止される。
【0027】本発明の被覆としては、窒化物核燃料粒子
を100℃程度までの低い温度で水と緩やかに反応させ
ることによって、形成される酸化物被膜が用いられる。
また、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化シリ
コンなどの酸化物を窒化物核燃料粒子表面にコーティン
グして被膜を形成しもよい。またグラファイトなどの炭
素被膜、SiCなどの炭化物被膜、あるいは金属の被膜
を窒化物核燃料粒子表面にコーティングして被膜を形成
しもよい。
【0028】本発明の燃料要素の一実施形態を模式的に
示す破断図を図2に示す。図において燃料金属窒化物粒
子の表面に被覆を有する核燃料粒子3を、被覆管8に振
動充填した燃料要素を示すものである。熱伝導度の高い
窒化物核燃料は、このように熱伝導度の比較的低い被覆
で覆われた場合にも、核燃料として良好な熱伝導を有す
ることを、窒化ウラン粒子の表面を酸化ウランで被覆し
た場合について以下に示す。
【0029】図3は窒化ウラン粒子の表面に酸化ウラン
層が半径比で、それぞれ0.99、0.90、及び0.
80より外側に存在する場合、すなわち、酸化ウラン層
がそれぞれ半径比で0.01、0.1、及び0.2の厚
さで存在する場合の熱伝導度を評価した結果を、窒化ウ
ランのみの場合の熱伝導率に対する比で示したものであ
る。図から熱伝導度はそれぞれ窒化ウランのみの場合の
0.7、0.3、及び0.2倍となることがわかる。窒
化ウランの熱伝導度は酸化ウランの熱伝導度に比べて最
大9倍も大きいので、0.2倍であってもなお、顕著な
熱伝導度の向上があるといえる。
【0030】図4には上記振動充填された燃料要素の、
燃料中心温度を評価した結果を示す。ここで線出力密度
を従来の酸化物燃料の場合の設計で最大の440W/c
mとし、燃料要素における粒子の充填率を85%とし
た。また出力の径方向分布は保守的な分布とした。この
結果から熱伝導度比を0.3程度、従って酸化ウラン層
が半径に対し、0.1の比率であれば、燃料中心温度を
1000℃程度に抑えられることがわかる。同条件の酸
化物燃料の中心温度は後述のように1600℃を超える
ので、中心温度がきわめて低く抑えられることがわか
る。
【0031】図4によれば、熱伝導度比が0.2の場
合、即ち、酸化ウラン層が半径に対し0.2の比率で存
在する場合には、燃料中心温度が1380℃になる。一
般に融点の半分程度の温度では物質の移動が起こらず、
従って1380℃では酸化ウランの結晶成長は起こらな
いことが示されている(D.R.Olander :Fundamental As
pect of Nuclear Reactor Fuel Elements, 1976, TID-2
6711-P1 )。従って安定な燃料温度を保ちながら、数1
00μmの窒化物核燃料粒子に対して数10μmの酸化
ウラン層を設けることができ、これは水との接触を防ぐ
ことを特に重視した場合でも十分な厚さである。
【0032】図5は本発明の核燃料ペレットの一実施形
態を模式的に示す透視図であって、酸化物核燃料粒子を
主体とするペレットに被覆を有する窒化物核燃料粒子3
を含ませたものである。
【0033】図6は本発明の核燃料ペレットの他の一実
施形態を模式的に示す透視図であって、燃料金属窒化物
ペレット16の表面に被覆17を設けたものである。こ
の構成にすることによって、浸水があっても窒化物核燃
料を含有する粒子は直接に水と接触することがない。こ
こに本発明の被覆としては、窒化物核燃料粒子を100
℃程度までの低い温度で水と緩やかに反応させることに
よって、酸化物被膜が形成される。また、酸化アルミニ
ウム、酸化ジルコニウム、酸化シリコンなどの酸化物を
粒子表面にコーティングして被膜を形成しもよい。また
グラファイト被膜、SiC被膜、さらには金属の被膜で
あってもよい。
【0034】図7は本発明の核燃料ペレットのさらに他
の一実施形態を模式的に示す透視図であって、被覆を有
する窒化物核燃料を含有する粒子3を内側に有し、外側
を水との反応の遅い酸化物核燃料粒子としたものであ
る。この構成によって、温度が高くなるペレットの中心
部に窒化物核燃料が配置されているので、高い熱伝導度
によって中心部の温度上昇が抑制でき、しかも外側の酸
化物は核燃料であるとともに内側の窒化物核燃料と水と
の接触を防ぐ。
【0035】図8には熱伝導度の小さい酸化ウラン被覆
を有する窒化ウランペレットの燃料中心温度の評価結果
を、燃料中心温度と中心から測った窒化ウラン部分の規
格化半径との関係として示した。窒化ウラン部分に対し
て残された外周部分が酸化ウラン被覆部分である。ここ
で線出力密度は現行設計で最大の440W/cmとし、
また出力の径方向分布は保守的な分布にした。この図か
ら、酸化ウランのみでは燃料中心温度が1600℃にな
るのに対し、内部が窒化ウランで外側の酸化ウラン層厚
さがペレット半径との比で0.3以下であれば、燃料中
心温度を1000℃以下に抑えられることがわかる。こ
の温度を与える酸化ウラン層の厚さは、ペレット半径約
5mmに対し、0.3倍、即ち約1.5mmの厚さにす
ることができ、これは窒化ウランの部分への水の侵入を
防ぐのに十分な厚さである。しかもこの温度では燃料は
安定に保たれる。
【0036】図9は本発明の核燃料要素の他の一実施形
態を模式的に示す透視図であって、上記燃料金属窒化物
核燃料の被覆管を2重にしたものを示す。被覆管にはジ
ルコニウム合金、ステンレス鋼などの被覆材が使用でき
る。
【0037】図10は本発明の核燃料要素のさらに他の
一実施形態を模式的に示す透視図であって、ペレット被
覆管ギャップ部分に金属ボンド剤を充填したものであ
る。金属ボンド材は運転中の温度では融解しており、水
の侵入があった場合には、融点の高い酸化物となって核
燃料を覆って、核燃料と水との直接の接触を防ぐ。金属
ボンド材でペレットと被覆管とのギャップ部を埋めるの
で、この部分に急峻な温度勾配はなくなる。従って金属
ボンド材の温度は炉水温度程度か、炉水温度程度に対し
て50〜60℃程度高い温度になるに過ぎない。このた
め金属ボンド材は融点が270〜330℃程度かそれ以
下であること、そして水との反応でこの温度で安定な酸
化物となり、さらに中性子吸収断面積はあまり高くない
ことが必要である。このような本発明の金属ボンド剤と
して、スズ(融点231.97℃)、ビスマス(融点2
71.44℃)、鉛(融点327.5℃)、ポロニウム
(融点254℃)もしくはこれらの合金の少なくとも1
種以上を用いることができる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、窒化ウラン、窒化プル
トニウムなどの窒化物を軽水炉や重水炉などの核燃料と
して用いた場合に、事故時に水との接触を回避すること
が可能となる。これによって、窒化物核燃料の難点が回
避され、窒化物核燃料の有する高い熱伝導度と高い核燃
料密度が生かされて、より低い燃料温度での運転が可能
になり安全性が向上するとともに、エネルギー発生効率
の向上、燃料サイクル効率の向上が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態に係る核燃料粒子を模式的に示し
た断面図。
【図2】 実施の形態に係る核燃料要素を模式的に示し
た破断図。
【図3】 実施の形態に係る核燃料粒子の被覆層比と熱
伝導度比と温度との関係を示した図。
【図4】 実施の形態に係る核燃料粒子の熱伝導度比と
燃料ペレット中心温度との関係を示した図。
【図5】 実施の形態に係る核燃料ペレットを模式的に
示した透視図。
【図6】 実施の形態に係る核燃料ペレットを模式的に
示した透視図。
【図7】 実施の形態に係る核燃料ペレットを模式的に
示した透視図。
【図8】 実施の形態に係る中心部窒化ウランと酸化ウ
ラン層との比と核燃料ペレットの中心温度との関係を示
した図。
【図9】 実施の形態に係る核燃料要素を模式的に示し
た透視図。
【図10】 実施の形態に係る核燃料要素を模式的に示
した透視図。
【符号の説明】
1……窒化物核燃料粒子、 2……被覆、3……被覆
を有する窒化物核燃料粒子、 4……酸化物被覆 5……窒化物核燃料粒子を振動充填した核燃料要素
6……金属被覆、8……被覆管 9……酸化物核燃料
ペレット 10……窒化物核燃料粒子を含有する酸化物核燃料ペレ
ット 11……内側に窒化物核燃料粒子、外側に酸化物核燃料
を有するペレット 12……内側の被覆管、 13……二重被覆を有す
る核燃料要素 14……金属ギャップ材、 15……金属ギャップ材
を有する核燃料要素 16……窒化物核燃料ペレット、 17……ペレット
の被覆 18……被覆を有するペレット、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 湯谷 順明 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 高橋 正人 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 安藤 良平 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化物核燃料粒子の表面に、水との接触
    を防止するための、酸化物、炭素、炭素化合物及び金属
    のうち、少なくとも1種を含む被覆を有することを特徴
    とする核燃料粒子。
  2. 【請求項2】 酸化物核燃料粒子と、窒化物核燃料粒子
    とを含むことを特徴とする核燃料ペレット。
  3. 【請求項3】 窒化物核燃料を含有するペレットの表面
    に、水との接触を防止するための酸化物、炭素、炭化物
    及び金属のうち、少なくとも1種の被覆を有することを
    特徴とする核燃料ペレット。
  4. 【請求項4】 請求項1の核燃料粒子を被覆管に充填し
    たことを特徴とする核燃料要素。
  5. 【請求項5】 請求項2または請求項3の核燃料ペレッ
    トを被覆管に充填したことを特徴とする核燃料要素。
  6. 【請求項6】 窒化物核燃料を含有する核燃料ペレット
    を少なくとも2重の被覆管に封入したことを特徴とする
    核燃料要素。
  7. 【請求項7】 窒化物核燃料を含有する核燃料ペレット
    を金属ボンド剤とともに被覆管に封入したことを特徴と
    する核燃料要素。
  8. 【請求項8】 窒化物核燃料を構成する窒素原子が15
    濃縮されたものであることを特徴とする、請求項4、請
    求項5、請求項6及び請求項7のいずれか1項記載の核
    燃料要素。
JP10006073A 1998-01-14 1998-01-14 原子炉用の核燃料粒子、核燃料ペレット及び核燃料要素 Withdrawn JPH11202072A (ja)

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