JPH11201921A - 窒化チタン膜分析のためのオージェエレクトロンスぺクトロスコピの基準エネルギー設定方法及びこれを利用する窒化チタン膜の分析方法並びに窒化チタン膜を含む半導体装置の分析方法 - Google Patents

窒化チタン膜分析のためのオージェエレクトロンスぺクトロスコピの基準エネルギー設定方法及びこれを利用する窒化チタン膜の分析方法並びに窒化チタン膜を含む半導体装置の分析方法

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JPH11201921A
JPH11201921A JP10274809A JP27480998A JPH11201921A JP H11201921 A JPH11201921 A JP H11201921A JP 10274809 A JP10274809 A JP 10274809A JP 27480998 A JP27480998 A JP 27480998A JP H11201921 A JPH11201921 A JP H11201921A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 窒化チタン膜中の窒素を容易に分析可能にす
る窒化チタン膜分析のためのAESの基準エネルギー設
定方法及びこれを利用する窒化チタン膜の分析方法並び
に窒化チタン膜を含む半導体装置の分析方法を提供す
る。 【解決手段】 AESを利用して窒化チタン試料から窒
素ピークを確認する第1分析段階を有し、AESを利用
してチタン試料からチタンピークを確認する第2分析段
階を備え、第1分析段階の窒素ピークと第2分析段階の
チタンピークとを対比して窒素ピークを分離するピーク
分離段階を設ける。また、ピーク分離段階の窒素ピーク
と第2分析段階のチタンピークとを比較してお互い重な
ったピークを除外した窒素ピークを検出し、これを窒化
チタンに対するAES分析の基準エネルギーに設定する
基準エネルギー設定段階を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、窒化チタン膜分析
のためのオージェエレクトロンスペクトロスコピ(AE
S:Auger Electron Spectros
copy:以下AESと称す)の基準エネルギー設定方
法及びこれを利用する窒化チタン膜の分析方法並びに窒
化チタン膜を含む半導体装置の分析方法に係り、より詳
しくはAESを利用して窒化チタンの中の窒素の定性お
よび定量分析を可能にする窒化チタン膜分析のためのオ
ージェエレクトロンスぺクトロスコピの基準エネルギー
設定方法及びこれを利用する窒化チタン膜の分析方法並
びに窒化チタン膜を含む半導体装置の分析方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】半導体装置を生産するためのいくつかの
工程中には、金属膜または金属窒化物の膜を使用する場
合が頻繁であり、その適切な工程管理のためには金属に
対する分析のみではなく、金属窒化物中に含有する窒素
の分析が要求されることは当然である。しかし、金属窒
化膜の工程の適用前後において、窒素に対する分析を行
うことは容易ではない。特に、窒化チタンの中の窒素に
対しては、チタンのピークと窒素のピークとが重なるの
で窒素の定性分析及び定量分析が容易ではないという問
題点があった。従って、従来、半導体装置の製造工程で
は容易で信頼できる窒素の分析技術が絶対的に必要とさ
れていた。
【0003】半導体装置の製造に使用される装置の中で
ウェーハを分析する装置には、主に走査電子顕微鏡(S
EM:Scanning Electron Micr
oscope)や、これを使用して試料の表面から放出
される2次電子を検出するオージェ分析(Auger
analysis)及び透過電子顕微鏡(TEM:Tr
ansmission Electron Micro
scope)等の装置が主に使用されている。特に、透
過電子顕微鏡は、試料に加速された電子を透過させ、そ
の回折度等を分析して結晶構造などの金属試料内部の構
造分析に主に使用されている。特に、AESによるオー
ジェ分析は、分析機器の常用化のため当該技術分野で通
常の知識を有する者には、これを容易に購入して使用す
ることができるくらいよく知られている。
【0004】ここで、オージェ分析というのは、AES
を利用する機器分析方法の一種であり、原子が励起する
と、エネルギーレベルから低いエネルギーレベルに放射
を伴わない代わりに電子を放出して遷移するオージェ効
果(auger effect)を利用した分析方法を
意味する。即ち、加工中のウェーハの微少領域を分析す
るために試料に所定のエネルギーを有する電子を照射す
ると、これによって励起された原子はX線だけではな
く、オージェ電子と呼ばれる2次電子を放射するように
なり、この放射されたオージェ電子の速度や分布を測定
して試料表面の状態だけではなく、そのエネルギーを測
定して原子の存在有無及び相対的な量等を測定すること
ができる。
【0005】しかし、例えば、J.Vac.Sci.T
echnol.B4(6)、Nov/Dec 1986
のp.2792に開示されているように、窒素の主なオ
ージェピークが383eVであり、この窒素のオージェ
ピークはチタンと窒化チタン中のチタンとによるオージ
ェピークと重なるのでAES定量分析が特に難しいとさ
れている。図5は、従来のAES分析によりチタン標準
物を分析したスペクトル結果を示すグラフである。ま
た、図6は、従来のAES分析により窒化チタン標準物
を分析したスペクトル結果を示すグラフである。J.V
ac.Sci.Technol.B6(1)、Jan/
Feb 1988のp54に開示されているように、オ
ージェスペクトルでのチタンと窒素とを示すピークは、
図5及び図6に示すように、387eVのチタンピーク
と379eVの窒素ピークとの和380eVで示される
ため、窒化チタンの中の窒素の分析が困難であることが
明らかになった。
【0006】図7は、従来のAES分析によりバーリア
メタル膜としての窒化チタン/チタン膜を形成する半導
体素子のスパッタタイムに対するインテンシティー(強
度)のスペクトル(分析)結果を示すグラフである。ま
た、図8は、従来のAES分析によりバーリアメタル膜
としての窒化チタン/チタン膜を形成する半導体素子の
スパッタタイムに対する原子濃度のスペクトル(分析)
結果を示すグラフである。図7及び図8に示すように、
窒素のピークを379eVに設定して分析する従来のA
ES分析により、バーリアメタル膜として窒化チタン/
チタン膜を形成する半導体素子のスパッタタイムに対す
るインテンシティーのスペクトル(分析)結果による
と、窒化チタン/チタンの多層構造の分析結果でチタン
の中に窒素が重なっているために窒素のピーク分離が難
しいのは勿論、チタンに重なる結果として窒素がチタン
ピーク中に虚数として存在(図7及び図8に示した矢印
の部分)するために組成比計算で再現性を低下させてい
る問題点があった。
【0007】一方、チタンの中の窒素を除外した他の元
素に対しては、定量的な分析結果を容易に提供するAE
S分析が一般化されている。従って、従来のAES分析
には、更に窒化チタンの中の窒素の定量分析を併用する
ことができる分析方法の開発が要求されている。このよ
うな分析方法が開発されると、より一層、分析の容易、
簡単化と、半導体装置の生産性の向上とが可能になる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように従来のAE
S分析では、窒化チタン中のチタンと窒素とのオージェ
ピークが重なり、窒素がチタンピーク中に虚数として存
在するため、基準エネルギーを設定、及び窒化チタン膜
を含む半導体装置の分析が困難であり、製造コストを増
加させてしまう不具合があった。また、従来のAES分
析では、半導体装置中、または半導体装置の製造工程中
に、窒素の正確で容易な分析が行えないため、半導体装
置の生産性及び品質を著しく低下させてしまう不具合が
あった。
【0009】本発明の目的は、窒化チタン膜中の窒素の
分析を可能にする窒化チタン膜分析のためのAESの基
準エネルギー設定方法を提供することを目的とする。本
発明の他の目的は、窒化チタンの中の窒素を容易に分析
できるAESを利用した窒化チタン膜を分析する分析方
法を提供することを目的とする。本発明の更なる他の目
的は、AESの基準エネルギー設定方法を利用して窒化
チタン膜を含む半導体装置を分析する分析方法を提供す
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
ために、本発明による窒化チタン膜分析のためのAES
の基準エネルギー設定方法は、AESを利用して窒化チ
タン試料から窒素ピークを確認する第1分析段階と、A
ESを利用してチタン試料からチタンピークを確認する
第2分析段階と、第1分析段階の窒素ピークと第2分析
段階のチタンピークとを対比して窒素ピークを分離する
ピーク分離段階と、ピーク分離段階の窒素ピークと第2
分析段階のチタンピークとを比較してお互い重なったピ
ークを除外した窒素ピークを検出してこれを窒化チタン
に対するAES分析の基準エネルギーに設定する基準エ
ネルギー設定段階とを備える。また、本発明によるAE
Sを利用した窒化チタン分析方法は、AESを利用した
窒化チタン膜分析方法において、AES分析の基準エネ
ルギーをチタンピークと重ならない窒素ピークでのキネ
チックエネルギーに設定して実行する工程を備える。ま
た、本発明によるAESを利用した半導体装置の分析方
法は、AESを利用した窒化チタン膜を含む半導体装置
の分析方法において、AES分析の基準エネルギーをチ
タンピークと重ならない窒素ピークでのキネチックエネ
ルギーに設定して半導体装置の分析を実行する工程を備
える。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、添付図面を参照して本発明
による窒化チタン膜分析のためのAESの基準エネルギ
ー設定方法及びこれを利用する窒化チタン膜の分析方法
並びに窒化チタン膜を含む半導体装置の分析方法の実施
の形態を詳細に説明する。本発明による窒化チタン膜分
析のためのAESの基準エネルギー設定方法は、AES
を利用して窒化チタン試料から窒素ピークを確認する第
1分析段階と、AESを利用してチタン試料からチタン
ピークを確認する第2分析段階と、この第1分析段階の
窒素ピークと第2分析段階のチタンピークとを対比して
窒素ピークを分離するピーク分離段階と、このピーク分
離段階の窒素ピークと第2分析段階のチタンピークとを
比較してお互い重なったピークを除外した窒素ピークを
検出してこれを窒化チタンに対するAES分析の基準エ
ネルギーに設定する基準エネルギー設定段階とを備えて
いる。
【0012】このような本発明による窒化チタン膜分析
のためのAESの基準エネルギー設定方法では、第1分
析段階で窒化チタン試料から窒素ピークを確認し、これ
とは別に第2分析段階でチタンのみでできているチタン
試料からチタンピークを確認した後、この窒素ピークと
チタンピークとを対比する。そして、チタンピークと重
ならない窒素ピークを区分し、これを基準にして窒化チ
タン膜の中の窒素を分析するための基準エネルギーを設
定できるようにする。このように、窒化チタン膜のAE
S分析結果では、従来技術のように窒素ピークとチタン
ピークとが重なるので窒素ピークの正確な分離が困難に
なる。従って、本発明の実施の形態では、窒素ピークが
表われないチタンのみを含んだチタン試料を対比するこ
とにより、窒素ピークを分離、区分して確認できるよう
にしている。
【0013】このような本発明による窒化チタン膜分析
のためのAESの基準エネルギー設定方法により分析し
たAESのキネチック(運動)エネルギーは、窒素ピー
クが示されない領域である360〜390eVの範囲内
で実行できる。特に、第1分析段階及び第2分析段階
は、0.2eV/ステップのAESエネルギー解像度で
実行できる。AESエネルギー解像度を0.2eV/ス
テップで設定すること、ピークの解像度を高めることが
でき、それにより分析結果としてのピークの区分及びイ
ンテンシティー(強度)等の確認を容易にすることがで
きる。
【0014】このように第1分析段階及び第2分析段階
での各ピークをAESのキネチックエネルギーに対する
インテンシティーまたはインテンシティーの微分値で示
すことができるし、これらのAESのキネチックエネル
ギーに対するインテンシティーまたはインテンシティー
の微分値から各ピークの高さ(height)や最高点
及び最低点を容易に区分することができる。これによっ
て高さに比例する原子濃度を正確に算出できるようにな
る。
【0015】また、ピーク分離段階は、第1分析段階の
窒素ピーク値から第2分析段階のチタンピーク値を引く
ことで実行する。これは、窒化チタン試料を分析対象と
する第1分析段階の結果としての窒素ピーク値からチタ
ン試料を分析対象とする第2分析段階の結果としてのチ
タンピーク値を引くことによって、窒化チタンの窒素ピ
ーク及びチタンピークの中から、チタンピークだけを排
除して窒素ピークのみを残留させて検出する工程であ
る。従って、これら窒素ピークの中適切な窒素ピークの
選択により窒化チタンの中の窒素ピークのみを区分、確
認することができる。
【0016】この際、チタンピークと重なる窒素ピーク
の分析結果としては、キネチックエネルギーが373〜
383eVの範囲内に位置するようになる。特に、基準
エネルギー設定段階は、チタンピークと重ならない窒素
ピークの中で、一番大きいピークを設定することによっ
て窒素ピークの確認を容易にすることができる。このよ
うに設定された窒素ピークは、そのキネチックエネルギ
ーが365〜369eVの範囲内、特に367eVに位
置することが分かる。
【0017】ここで、ピーク分離段階と基準エネルギー
段階との間で、ピーク分離段階によって設定された窒素
ピークを検証する検証段階をさらに行うことができる。
この検証段階では、前述したように本発明による窒化チ
タン膜分析のためのAESの基準エネルギー設定方法に
よって設定された窒化チタン試料の分析結果の中で窒素
ピークが実際の窒素ピークであるかを検証するためのも
のである。特に、望ましくは、検証段階で窒素及びピー
クの重なりがない元素の窒素化合物試料に対し、AES
の窒素ピークと、ピーク分離段階からの窒素ピークとを
比較して実行することが好ましい。ここで使用できる窒
素化合物とは、特に、窒化タンタリウム(TaN)を使
用することが望ましい。この窒化タンタリウムは、タン
タリウムの窒化物で、その中でタンタリウムは窒素との
重なりで問題になるチタンと物理化学的特性が非常に類
似する金属である。
【0018】図1は、本発明による窒化チタン膜分析の
ためのAESの基準エネルギー設定方法を利用して窒化
チタン及び窒化タンタリウムのスペクトル(分析)結果
を示すグラフである。図1に示すように、窒化タンタリ
ウム(TaN)は、窒化チタンと同様のキネチック(運
動)エネルギー領域でお互い非常に類似するピークを示
すので窒化チタンとの比較分析に特に有用である。
【0019】また、本発明による窒化チタン膜の分析方
法は、AES分析の基準エネルギーをチタンピークと重
ならない窒素ピークでのキネチックエネルギーに設定し
て実行できるようになり、これは、チタンとの重なりが
ない窒素ピークの設定及び分析を可能にする。この際、
AES分析の基準エネルギーは、365〜369eVの
範囲内で設定されることが望ましい。
【0020】さらに、本発明による窒化チタン膜を含む
半導体装置の分析方法は、AES分析の基準エネルギー
をチタンピークと重ならない窒素ピークでのキネチック
エネルギーに設定して行うことを特徴とし、これによっ
て窒素の分析が可能になることは勿論、この窒素ピーク
による窒素原子含有量等を正確に算出できるようにな
る。この際、AES分析の基準エネルギーは、365〜
369eVの範囲内で設定することが望ましく、ここで
窒化チタンを含む半導体装置には窒化チタン/チタンで
構成されたバーリアメタル層を形成することが可能であ
る。
【0021】一般的には、窒化チタン/チタンで構成さ
れたバーリアメタル層を含む半導体装置以外にも窒化チ
タンを含む半導体装置に対しても分析が可能であること
は当然である。また、このような半導体装置は、窒化チ
タン/チタンで構成されたバーリアメタル層を形成する
ための工程上、窒化チタン/チタン/酸化膜/半導体基
板で構成される。このような窒化チタン/チタン/酸化
膜/半導体基板のような多層構造を有する半導体装置を
試料とする場合、半導体装置の中の窒素ピークをチタン
ピークと重なることなく分析及び確認することが可能で
あるのは勿論、窒素の原子含有量等も正確に算出できる
ようになる。さらに、酸化膜とチタン膜の境界がチタン
シリサイドでなることは、当該技術分野で熟練されたも
のには容易に理解できるし、このような構造の半導体装
置もやはり本発明の半導体装置分析方法によって窒素含
量の分析が可能であることは当然である。
【0022】このように本発明による窒化チタン膜分析
のためのAESの基準エネルギー設定方法及びこれを利
用する窒化チタン膜の分析方法並びに窒化チタン膜を含
む半導体装置の分析方法の実施の形態を説明したが、更
に実施例により詳細に説明する。以下説明する実施例
は、本発明を例証するためのものであり、本発明の範囲
を限定するものではない。
【0023】以下、本発明の望ましい実施例を基準にし
て説明する。実施例1 アメリカ合衆国パイ(PHI)社のサム4300(SA
M4300)を使用して窒化チタンを含むウェーハ及び
窒化チタンと類似な化学的結合構造を有する窒化タンタ
リウムのキネチックエネルギー範囲を360〜390e
Vに設定してAES分析を行い、その結果を図1に示し
た。図1に示したように、窒化チタンと窒化タンタリウ
ムとのピークは、前述したように、お互い類似するパタ
ーンで表われることを確認することができ、従って、窒
化チタンのピークの中でチタンと窒素とのピークが重な
って表われるメインピーク以外にサブピークが存在する
ことを確認でき、また、窒化チタンのピークの中でサブ
ピークが窒素に対応するピークであることを確認するこ
とができる。
【0024】また、このように得られた図1に示したピ
ークの中の窒化チタンのメーンピークとサブピークとに
対して微分操作を行い、その結果をそれぞれ図2(窒化
チタン)に示した。図2は、図1に示した分析結果の中
で窒化チタンのピークに対する微分結果のスペクトル
(分析)を示すグラフである。図2に示すように、窒素
のサブピークに対する微分結果としてのピークの高さが
窒素の量に比例して高くなるので、このサブピークの高
さから窒素の量を確認することができる。
【0025】実施例2 窒化チタン/チタンの膜をバーリアメタル膜で使用する
半導体素子を、試料を用いて実施例1と同様の方法で窒
素に対する分析を行い、その結果としてのスペクトルの
中の窒素のピークを365〜370eVのキネチックエ
ネルギー帯域に位置するサブピークに設定してスパッタ
タイムに対するインテンシティーで示した結果を図3
に、そしてスパッタタイムに対する原子濃度で示した結
果を図4にそれぞれ示している。
【0026】図3は、本発明によるAES分析を利用し
てバーリアメタル膜としての窒化チタン/チタン膜を形
成する半導体素子に対する分析結果をスパッタタイムに
対するインテンシティーのスペクトル結果を示すグラフ
である。また、図4は、本発明によるAESを利用して
バーリアメタル膜として窒化チタン/チタン膜を形成す
る半導体素子に対する分析結果をスパッタタイムに対す
る原子濃度のスペクトル結果を示すグラフである。
【0027】図3及び図4に示すように、分析結果とし
て、窒素ピークをピーク重複がない368eV付近のキ
ネチックエネルギー領域で設定して分析すると、379
eV付近のキネチックエネルギー領域で設定する従来技
術のAES分析方法による分析結果のように図7及び図
8に示したチタンに重なる結果として窒素がチタンピー
クの中に虚数として存在することを防止し、各元素に対
するスペクトルが完全に区別され、各成分に対する組成
比計算を正確に算出できるようにし、それによって分析
結果の再現性の低下を防止している。
【0028】以上、本発明によってなされた窒化チタン
膜分析のためのAESの基準エネルギー設定方法及びこ
れを利用する窒化チタン膜の分析方法並びに窒化チタン
膜を含む半導体装置の分析方法の実施の形態を詳細に説
明したが、本発明は前述の実施の形態に限定されるもの
ではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能であ
る。例えば、キネチックエネルギー範囲を360〜39
0eVに設定してAES分析を行い図1に分析結果を示
した実施の形態を説明したが、このキネチックエネルギ
ー範囲に限定されるものではない。
【0029】
【発明の効果】従って、本発明による窒化チタン膜分析
のためのAESの基準エネルギー設定方法及びこれを利
用する窒化チタン膜の分析方法並びに窒化チタン膜を含
む半導体装置の分析方法によると、窒化チタン膜の中の
窒素の分析を可能にし、AESを利用して窒化チタン膜
を分析できるようなる。また、AESの基準エネルギー
設定方法を利用して窒化チタン膜を含む半導体装置を分
析できる効果が得られるとともに、これによって製造を
完了した半導体装置、または製造工程中の半導体装置の
窒素を正確で容易に分析することが可能になり半導体装
置の生産性及び品質を向上させる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による窒化チタン膜分析のためのAES
の基準エネルギー設定方法を利用して窒化チタン及び窒
化タンタリウムのスペクトル結果を示すグラフ。
【図2】図1に示した分析結果の中で窒化チタンのピー
クに対する微分結果のスペクトルを示すグラフ。
【図3】本発明によるAES分析を利用してバーリアメ
タル膜としての窒化チタン/チタン膜を形成する半導体
素子に対する分析結果をスパッタタイムに対するインテ
ンシティーのスペクトル結果を示すグラフ。
【図4】本発明によるAESを利用してバーリアメタル
膜として窒化チタン/チタン膜を形成する半導体素子に
対する分析結果をスパッタタイムに対する原子濃度のス
ペクトル結果を示すグラフ。
【図5】従来のAES分析によりチタン標準物を分析し
たスペクトル結果を示すグラフ。
【図6】従来のAES分析により窒化チタン標準物を分
析したスペクトル結果を示すグラフ。
【図7】従来のAES分析によりバーリアメタル膜とし
ての窒化チタン/チタン膜を形成する半導体素子のスパ
ッタタイムに対するインテンシティーのスペクトル結果
を示すグラフ。
【図8】従来のAES分析によりバーリアメタル膜とし
ての窒化チタン/チタン膜を形成する半導体素子のスパ
ッタタイムに対する原子濃度のスペクトル結果を示すグ
ラフ。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 AESを利用して窒化チタン試料から窒
    素ピークを確認する第1分析段階と、 AESを利用してチタン試料からチタンピークを確認す
    る第2分析段階と、 前記第1分析段階の窒素ピークと前記第2分析段階のチ
    タンピークとを対比して窒素ピークを分離するピーク分
    離段階と、 前記ピーク分離段階の窒素ピークと前記第2分析段階の
    チタンピークとを比較してお互い重なったピークを除外
    した窒素ピークを検出して、これを窒化チタンに対する
    AES分析の基準エネルギーに設定する基準エネルギー
    設定段階とを備えてなることを特徴とする窒化チタン膜
    分析のためのAESの基準エネルギー設定方法。
  2. 【請求項2】 前記第1分析段階および第2分析段階
    は、360〜390eVのAESキネチックエネルギー
    範囲内で行われることを特徴とする請求項1に記載の窒
    化チタン膜分析のためのAESの基準エネルギー設定方
    法。
  3. 【請求項3】 前記第1分析段階および第2分析段階
    は、0.2eV/ステップのAESエネルギー解像度で
    行われることを特徴とする請求項1に記載の窒化チタン
    膜分析のためのAESの基準エネルギー設定方法。
  4. 【請求項4】 前記第1分析段階および第2分析段階で
    は、各ピークをAESのキネチックエネルギーに対する
    インテンシティーで表わすことを特徴とする請求項1に
    記載の窒化チタン膜分析のためのAESの基準エネルギ
    ー設定方法。
  5. 【請求項5】 前記第1分析段階および第2分析段階で
    は、各ピークをAESのキネチックエネルギーに対する
    インテンシティーの微分値で表わすことを特徴とする請
    求項1に記載の窒化チタン膜分析のためのAESの基準
    エネルギー設定方法。
  6. 【請求項6】 前記ピーク分離段階は、前記第1分析段
    階の窒素ピーク値から第2分析段階のチタンピーク値を
    引いた値を求めることを特徴とする請求項1に記載の窒
    化チタン膜分析のためのAESの基準エネルギー設定方
    法。
  7. 【請求項7】 前記チタンピークと重なる窒素ピーク
    は、前記キネチックエネルギーが373〜383eVの
    範囲内に位置していることを特徴とする請求項2に記載
    の窒化チタン膜分析のためのAESの基準エネルギー設
    定方法。
  8. 【請求項8】 前記基準エネルギー設定段階では、前記
    チタンピークと重ならない窒素ピーク中、一番大きいピ
    ークを設定することを特徴とする請求項2に記載の窒化
    チタン膜分析のためのAESの基準エネルギー設定方
    法。
  9. 【請求項9】 前記基準キネチックエネルギーに設定さ
    れる窒素ピークは、そのキネチックエネルギーが365
    〜369eVの範囲内に位置していることを特徴とする
    請求項8に記載の窒化チタン膜分析のためのAESの基
    準エネルギー設定方法。
  10. 【請求項10】 前記基準キネチックエネルギーになる
    窒素ピークは、そのキネチックエネルギーが367eV
    に位置していることを特徴とする請求項9に記載の窒化
    チタン膜分析のためのAESの基準エネルギー設定方
    法。
  11. 【請求項11】 前記ピークの分離段階と基準エネルギ
    ー設定段階との間には、前記ピーク分離段階によって設
    定される窒素ピークを検証する検証段階をさらに設けて
    いることを特徴とする請求項1に記載の窒化チタン膜分
    析のためのAESの基準エネルギー設定方法。
  12. 【請求項12】 前記検証段階は、前記窒素とピークの
    重なりがない元素の窒素化合物試料に対するAESの窒
    素ピークと、前記ピーク分離段階からの窒素ピークとを
    比較して実行されることを特徴とする請求項11に記載
    の窒化チタン膜分析のためのAESの基準エネルギー設
    定方法。
  13. 【請求項13】 前記窒素化合物は、窒化タンタリウム
    であることを特徴とする請求項12に記載の窒化チタン
    膜分析のためのAESの基準エネルギー設定方法。
  14. 【請求項14】 AESを利用した窒化チタン膜分析方
    法において、 AES分析の基準エネルギーをチタンピークと重ならな
    い窒素ピークでのキネチックエネルギーに設定して行う
    ことを特徴とするAESを利用した窒化チタン分析方
    法。
  15. 【請求項15】 前記AES分析の基準エネルギーは、
    365〜369eVの範囲内で設定されていることを特
    徴とする請求項14に記載のAESを利用した窒化チタ
    ン分析方法。
  16. 【請求項16】 AESを利用した窒化チタン膜を含む
    半導体装置の分析方法において、 AES分析の基準エネルギーをチタンピークと重ならな
    い窒素ピークでのキネチックエネルギーに設定して前記
    半導体装置の分析を行うことを特徴とするAESを利用
    した半導体装置の分析方法。
  17. 【請求項17】 前記AES分析の基準エネルギーは、
    365〜369eVの範囲内で設定されることを特徴と
    する請求項16に記載のAESを利用した半導体装置の
    分析方法。
  18. 【請求項18】 前記窒化チタンを含む半導体装置は、
    窒化チタン/チタンで構成されたバーリアメタル層を含
    むことを特徴とする請求項16に記載のAESを利用し
    た半導体装置の分析方法。
  19. 【請求項19】 前記窒化チタンを含む半導体装置は、
    窒化チタン/チタン/酸化膜/半導体基板で構成されて
    いることを特徴とする請求項16に記載のAESを利用
    した半導体装置の分析方法。
  20. 【請求項20】 前記酸化膜とチタン膜との境界は、チ
    タンシリサイドにより形成されていることを特徴とする
    請求項18に記載のAESを利用した半導体装置の分析
    方法。
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