JPH1120178A

JPH1120178A - インクジェット記録ヘッド用回復キャップ

Info

Publication number: JPH1120178A
Application number: JP19654197A
Authority: JP
Inventors: Junji Yasuda; 淳司安田
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1997-07-07
Filing date: 1997-07-07
Publication date: 1999-01-26

Abstract

(57)【要約】【目的】長尺のインクジェット記録ヘッドにおける回
復動作のとき、開口ノズル数を制限するキャップによ
り、より効果的な回復性能を提供する。【構成】インク回復動作時に、平板に斜めのスリット
状に穴の開いたキャップをインクが吐出するオリフィス
面に当て、開口ノズル数を制限する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録ヘ
ッド用回復キャップに関し、特に、多数のノズルを有す
る長尺のインクジェット記録ヘッドの回復において、泡
の除去を容易にするため部分的なノズル開放を行うため
のインクジェット記録ヘッド用回復キャップに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来、インクジェット記録ヘッドにおい
ては、インクノズル内に空気が存在すると、そのノズル
からのインクの吐出ができなくなる。この状態を回復す
るために、インクに圧力を加え、吐出口からインクと共
に空気を押し出す操作が行われる。このとき、各インク
ノズルの吐出口はすべて開口していた。また、吐出口外
部から吸引ポンプによってインク吸引を行う場合もすべ
てのノズルに吸引力が分散されていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例で
は、すべての吐出口が開口しており、ヘッド長が長くな
って、吐出口数が多くなると、インクに加えられた圧力
は各ノズルに分散されるため、十分な回復を行うには、
より大きな圧力を加える必要がある。また、回復におい
て、ノズル内に空気があると、インクの流れ抵抗が高く
なるため、インクは流れ抵抗の低い、空気の内ノズルに
だけ流れる。この結果、ノズル内の空気を完全に除去す
ることは難しく、空気の入ったノズルからはインクの吐
出ができない。これは外部からのインク吸引においても
同様である。

【０００４】したがって、本発明の目的は、長尺のイン
クジェット記録ヘッドにおける回復動作のとき、開口ノ
ズル数を制限するキャップにより、インクの加圧、吸引
力を一部のノズルに集中させ、より効果的な回復性能を
提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、インク回復動作時に、平板に斜めのスリ
ット状に穴の開いたキャップをインクが吐出するオリフ
ィス面に当て、開口ノズル数を制限することを特徴とす
る。

【０００６】上記構成において、前記キャップをオリフ
ィス面に沿い吐出口の並びに垂直な方向へ移動させるこ
とにより、スリット内に収まるノズルは順次移り変わ
り、すべての吐出口を網羅するように動作する。このと
き、同時に開口するノズル数はキャップのスリット幅に
よって決定できる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例のインクジェット記録
ヘッド用回復キャップを図面を参照して詳細に説明す
る。

【０００８】（実施例１）図１は本発明に係わるインク
ジェット記録ヘッドと回復用キャップを示す斜視図であ
り、図２、図３は、ともに部分的な断面図である。

【０００９】図１において、１はインク吐出口、２は記
録ヘッド本体、３はインク供給管、４はインク供給およ
び帰還管、５はインク吐出口の部分的な開口のための回
復キャップ、６は開口部にあたるスリットである。

【００１０】インク供給管３、４からインクを供給し、
圧力を加えると、吐出口１は平板５により閉鎖され、ス
リット６内に収まる吐出口からだけインクが排出され
る。このとき、インクが吐出しうる吐出口のノズル内に
空気が存在し、インクの流れ抵抗が増大していると、イ
ンクは空気がなく、流れ抵抗の低いノズルに流れようと
するが、吐出口数を制限しているため、インクの逃げ道
は少なく、また、インクの圧力も増しているため、空気
を吐出口から排出するのに十分な圧力が得られる。

【００１１】また、回復用キャップ５を記録ヘッド２に
対して図中の上下方向に相対的に移動させることによ
り、ずべての吐出口に対して部分的に開口を行い回復動
作を行うことができる。

【００１２】図２は本実施例の部分断面図であり、７は
回復用キャップ、８は記録ヘッド本体、９はインクノズ
ル、１０はインク、１１はオリフィス面を示す。図２に
示すように、回復用キャップ７とオリフィス面１１を密
着させると、ノズル９は完全に閉鎖され、インクは流れ
ない。この場合、オリフィス面１１を回復用キャップ７
で傷つけないために、回復用キャップ７の部材には、ゴ
ムなどの比較的軟らかいものを用いる。また、回復用キ
ャップ７を移動するときも、オリフィス面１１を保護す
るために、回復用キャップ７を一旦オリフィス面１１か
らＹ方向に離し、次に、Ｘ方向にステップ移動してから
再びＹ方向に密着させるという動作を順次繰り返す。

【００１３】（実施例２）実施例１では、回復用キャッ
プと記録ヘッドのオリフィス面が密着するため、オリフ
ィス面への傷やインクノズル中への異物の詰め込みが懸
念される。また、回復用キャップの移動も複雑である。
そこで、本実施例では、回復用キャップとオリフィス面
との間に隙間を設けるものである。

【００１４】図３に本実施例の部分断面図を示す。図３
において、７は回復用キャップ、８は記録ヘッド本体、
９はインクノズル、１０はインク、１１はオリフィス面
を示す。このように、回復用キャップ１２とオリフィス
面１６との間にインクが飛翔しない程度の隙間ｄを設け
る。この隙間ｄがあるため、ノズル１４の完全な閉鎖は
できないが、インク１０の流れに対しては障害となり、
大きな流れ抵抗を生じる構造である。このため、実施例
１と同様にインクは回復用キャップのスリット内に収ま
る吐出口からのみ流れ、効果的な回復能力が得られる。
また、インクノズル内への異物の詰め込みがなく、回復
用キャップ７の移動もオリフィス面１６に対するＸ方向
の平行移動だけでよい。

【００１５】（実施例３）実施例１、２においては、内
部からの加圧によるインクの排出を行ったが、本実施例
では、外部からのインクの吸引による清浄法によるもの
である。図４、図５は本実施例の正面図および断面図を
示す。図４、図５において、１２は真空吸引ユニット、
１３は記録ヘッド、１４は回復用キャップ、１５はスリ
ットを示す。

【００１６】図４に示すように、真空吸引ユニット１２
は記録ヘッド１３の全ノズルを覆う長さを有し、図５に
示すように、回復用キャップ１４を介して記録ヘッドに
対して固定される。この回復用キャップ１４を真空吸引
ユニット１２と記録ヘッド１３の間に挟まない場合、真
空吸引は記録ヘッド１３上の全インクノズルに及び、吸
引力は分散される。しかし、この回復用キャップ１４上
のスリット１５により吸引力は数ノズルに集中し、単一
ノズルあたりの吸引エネルギーは増す。また、実施例
１、２と同様に、回復用キャップ１４も移動させること
により、記録ヘッド１３上の全ノズルをカバーすること
ができる。

【００１７】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
インクジェット記録ヘッド用回復キャップはノズル内に
溜まった泡の除去を極めて容易にかつ完全に行うことが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本発明のインクジェット記録ヘッド回
復用キャップと記録ヘッドを説明するための斜視図であ
る。

【図２】図２は、実施例１のインクジェット記録ヘッド
回復用キャップと記録ヘッドを示す部分断面図である。

【図３】図３は、実施例２のインクジェット記録ヘッド
回復用キャップと記録ヘッドを示す部分断面図である。

【図４】図４は、実施例３のインクジェット記録ヘッド
回復用キャップ、記録ヘッドおよび真空吸引ユニットを
示す正面図である。

【図５】図５は、実施例３のインクジェット記録ヘッド
回復用キャップ、記録ヘッドおよび真空吸引ユニットを
示す部分断面図である。

【符号の説明】

１インク吐出口２記録ヘッド本体３インク供給管４インク供給管、帰還管５回復用キャップ６、１５スリット７、１４回復用キャップ８、１３記録ヘッド９インクノズル１０インク１１オリフィス面１２真空吸引ユニット２１排気チューブ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】記録ヘッドのオリフィス面に対向して配
置され、記録ヘッドに対する位置に応じて、記録ヘッド
の全インクノズルのうちの特定の部分のみに対して開口
するようなスリットが形成された平板を有することを特
徴とするインクジェット記録ヘッド用回復キャップ。
【請求項２】請求項１記載のインクジェット記録ヘッ
ド用回復キャップにおいて、前記スリットは記録ヘッド
のノズル列の方向に対して斜めに平板に形成されている
ことを特徴とするインクジェット記録ヘッド用回復キャ
ップ。
【請求項３】請求項１記載のインクジェット記録ヘッ
ド用回復キャップにおいて、回復動作をインク加圧によ
って行い、インク加圧の際、スリットによって開口され
たインクノズルからのみインクを吐出することを特徴と
するインクジェット記録ヘッド用回復キャップ。
【請求項４】請求項１記載のインクジェット記録ヘッ
ド用回復キャップにおいて、回復動作をインク吸引によ
って行い、インク吸引の際、スリットによって開口され
たインクノズルからのみインクを吸引することを特徴と
するインクジェット記録ヘッド用回復キャップ。
【請求項５】請求項３または４記載のインクジェット
記録ヘッド用回復キャップにおいて、インク加圧または
インク吸引の際、平板が記録ヘッドのオリフィス面に接
触してまたは隙間をもって配置されることを特徴とする
インクジェット記録ヘッド用回復キャップ。
【請求項６】請求項１記載のインクジェット記録ヘッ
ド用回復キャップにおいて、スリットがインクノズルの
部分を選択的に開口するように、平板がオリフィス面に
平行にかつノズル列に垂直な方向に移動されることを特
徴とするインクジェット記録ヘッド用回復キャップ。