JPH11201172A - 円すいころ軸受 - Google Patents

円すいころ軸受

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JPH11201172A
JPH11201172A JP10005824A JP582498A JPH11201172A JP H11201172 A JPH11201172 A JP H11201172A JP 10005824 A JP10005824 A JP 10005824A JP 582498 A JP582498 A JP 582498A JP H11201172 A JPH11201172 A JP H11201172A
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JP
Japan
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tapered roller
tapered
raceway surface
roller bearing
raceway
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Application number
JP10005824A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazufumi Nakagawa
和文 中川
Kazumi Adachi
一巳 安達
Kazunori Uragami
一徳 浦上
Koji Masuoka
晃次 増岡
Takashi Tsujimoto
崇 辻本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
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Priority to DE19900858A priority patent/DE19900858B4/de
Priority to DE19964620.1A priority patent/DE19964620B4/de
Publication of JPH11201172A publication Critical patent/JPH11201172A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C2361/00Apparatus or articles in engineering in general
    • F16C2361/61Toothed gear systems, e.g. support of pinion shafts

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  • General Details Of Gearings (AREA)
  • Rolling Contact Bearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 馴らし運転時間の短縮 【解決手段】 円すいころ軸受は、円すい状の軌道面1
aを有する外輪1と、円すい状の軌道面2aを有し、こ
の軌道面2aの小径側に小鍔面2b、大径側に大鍔面2
cを有する内輪2と、外輪1の軌道面1aと内輪2の軌
道面2aとの間に転動自在に配された複数の円すいころ
3と、円すいころ3を円周所定間隔に保持する保持器4
とで構成される。円すいころ軸受には、20°Cにおけ
る動粘度が120cst以上である防錆潤滑油が出荷時
に塗布されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のデファレ
ンシャル、トランスミッション等の歯車装置に組み込ま
れる円すいころ軸受に関する
【0002】
【従来の技術】例えば、前部機関後輪駆動の自動車で
は、エンジン、クラッチ、トランスミッションが車体前
部に、デファレンシャル、駆動軸が車体後部に集中して
いるため、この間の動力伝達用にプロペラシャフトを用
いている。エンジンの回転動力はトランスミッション
(変速機)で減速されてプロペラシャフトに伝達され、
プロペラシャフトを介してデファレンシャル(終減速装
置)に入力される。デファレンシャルは減速歯車装置と
差動装置から構成され、減速歯車装置は回転速度の減速
と駆動力の増大、特にエンジン縦置きの車輌では駆動力
の伝達方向の直角方向に変えて駆動輪車軸に伝達し、差
動装置は左右の駆動輪に回転速度差が生じたとき、両輪
を差動させて車輪のスリップを防止する機能を有する。
【0003】図8は、デファレンシャルの一構成例を示
している。同図で上方向が車体前方、下方向が車体後方
である。デファレンシャルケース21の前部内周面にド
ライブピニオン軸22が挿通され、一対の円すいころ軸
受23、24で回転自在に支持される。ドライブピニオ
ン軸22の前端部にはプロペラシャフトが連結され、後
端部にはリンクギア(減速大歯車)25と歯合するドラ
イブピニオンギヤ(減速小歯車)22aが固定され又は
一体に設けられる。
【0004】リンクギヤ25は差動歯車ケース26に連
結され、差動歯車ケース26は一対の円すいころ軸受2
7、28でデファレンシャルケース21に対して回転自
在に支持される。差動歯車ケース26の内部には、一対
のピニオンギヤ29と、これに歯合する一対のサイドギ
ヤ30がそれぞれ配設される。ピニオンギヤ29はピニ
オン軸31に固定され、サイドギヤ30はスラストワッ
シャを介して差動歯車ケース26に装着される。図示さ
れていない左右のドライブシャフトは、それぞれに対応
するサイドギヤ30の内径部に連結(セレーション連結
等)される。
【0005】プロペラシャフトの駆動トルクは、ドライ
ブピニオンギヤ22a→リンクギヤ25→差動歯車ケー
ス26→ピニオンギヤ29→サイドギヤ30→ドライブ
シャフトという経路で伝達される。一方、タイヤの駆動
抵抗は、ドライブシャフト→サイドギヤ30→ピニオン
ギヤ29へと伝達される。
【0006】図6は、上記のような歯車装置としてのデ
ファレンシャルに組み込まれる円すいころ軸受の一形態
を例示している。この円すいころ軸受は、円すい状の軌
道面11aを有する外輪11と、円すい状の軌道面12
aを有し、この軌道面12aの小径側に小鍔面12b、
大径側に大鍔面12cを有する内輪12と、外輪11の
軌道面11aと内輪12の軌道面12aとの間に転動自
在に配された複数の円すいころ13と、円すいころ13
を円周所定間隔に保持する保持器14とを備えている。
【0007】軸受使用時、円すいころ13は軌道面11
aおよび軌道面12aから受ける合成力によって内輪1
2の大鍔面12cに押し付けられ、その大端面13aを
大鍔面12cによって接触案内されながら軌道面上を転
がり運動する。一方、軸受使用時、円すいころ13の小
端面13bと内輪12の小鍔面12bとは接触せず、両
者の間には僅かな隙間が存在する。
【0008】上記のような円すいころ軸受を、保持器1
4、複数の円すいころ13、及び内輪12からなる組付
体を、内輪12の小鍔面12b側を下に向けた状態で外
輪11の軌道面11aに上方から挿入して組立てた場
合、組立時の状態(初期状態)において、円すいころ1
3は軌道面上の正規の位置に座らず(保持器14、内輪
12に対する自由度により、挿入時の円すいころ13の
姿勢が定まらないため)、図7(a)に示すように、そ
の小端面13bが内輪12の小鍔面12bに接触し、大
端面13aと大鍔面12cとの間に隙間δができた状態
になる。この初期状態から、スラスト荷重Faを作用さ
せた状態で、軸受を所要回数回転させると{図7
(c)}、円すいころ13が大鍔面12c側に隙間δ分
だけ軸方向移動して、大端面13aが大鍔面12cに接
触し、円すいころ13が正規の位置に落ち着く{図7
(b)}。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図7(a)に示す初期
状態で軸受を相手装置の装着部位に固定し予圧を設定し
て本運転を行うと、円すいころ13の大鍔面12c側へ
の軸方向移動によって予圧抜けが生じ、要求される軸受
機能が得られなくなる。そこで、従来より、本運転に先
立って、図7(a)に示す初期状態の軸受を相手装置の
装着部位に仮組付けし、円すいころ13が図7(b)に
示す正規の位置に落ち着くまで馴らし運転を行った後、
軸受を装着部位に固定し所定の予圧を付与するようにし
ている。この場合、円すいころ13の大端面12c側へ
の軸方向移動が円滑に行われないと、円すいころ13が
正規の位置に落ち着くまでの馴らし運転時間が多く必要
となり、予圧設定完了までの所要時間が長くなる。
【0010】従来、上記馴らし運転は、円すいころ軸受
に出荷時の防錆油が塗布された状態で行なっているが、
出荷時に塗布されている防錆油は防錆を主目的としたも
のであり、潤滑性能は良くない。そのため、円すいころ
の転動面と内・外輪の軌道面との間の油膜形成が不充分
で、円すいころの大端面側への軸方向移動が円滑に行わ
れない場合があり、馴らし運転時間が長くなる傾向にあ
る。
【0011】そこで、本発明は、馴らし運転時における
円すいころの大端面側への軸方向移動を円滑に行なわせ
ることにより、この種の円すいころ軸受における馴らし
運転時間を短縮化し、予圧設定作業の効率化を図ること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、円すい状の軌道面を有する外輪と、円
すい状の軌道面を有し、この軌道面の小径側に小鍔面、
大径側に大鍔面を有する内輪と、外輪の軌道面と内輪の
軌道面との間に転動自在に配された複数の円すいころ
と、円すいころを円周所定間隔に保持する保持器とを備
えた円すいころ軸受において、上記構成部品の少なくと
も摩擦を生じる表面に、20°Cにおける動粘度が12
0cst以上である防錆潤滑油が塗布されている構成と
した。この防錆潤滑油は、防錆能力と良好な潤滑性能と
を兼ね備えたものであり、従来、軸受出荷時に防錆を主
目的として塗布している防錆油に代替するものである。
このような構成としたのは、以下の理由による。
【0013】まず、内輪と円すいころとのマッチングに
より、組立時の状態(初期状態)における隙間δがδ=
0.2mm、0.25mm、0.3mm、0.4mmと
なるように円すいころ軸受を組立て、従来の防錆油(2
0°Cにおける動粘度が66cst)と、ギヤオイル
(20°Cにおける動粘度が439cst)をそれぞれ
塗布して、初期状態から円すいころが隙間δ分だけ軸方
向移動して大鍔面に接触して落ち着くまでの馴らし運転
回数(軸受の回転回数:落ち着き回数)を求めたとこ
ろ、表1に示す結果が得られた。
【0014】
【表1】
【0015】表1に示すように、従来の防錆油(動粘度
66cst)を塗布した軸受では、隙間δが0・2mm
と小さい場合でも、落ち着き回数は多くなるが(平均6
回)、ギヤオイル(動粘度439cst)を塗布した軸
受では、隙間δが0.4mmの場合でも、落ち着き回数
は少なくなり(平均3.2回)、良好な結果が得られ
た。
【0016】つぎに、隙間δの大きさをδ≦0.4mm
に管理し(δ≦0.4mmとは隙間δの最大値が0.4
mmを超えないという意味である。)、動粘度が異なる
5種類の油(20℃における動粘度:19cst、66
cst、128cst、330cst、439cst)
をそれぞれ塗布して、油の動粘度と軸受の落ち着き回数
の関係を求めたところ、図9に示す結果が得られた。試
験条件は、スラスト荷重Fa=5kgf、内輪回転数=
15rpm、試験温度=20°Cである。
【0017】図9に示すように、軸受の落ち着き回数は
油の動粘度に比例して減少し、油の動粘度が128cs
tの場合では平均6回(最小3回)、330cstの場
合では平均4回(最小2回)、439cstの場合では
平均3回(最小2回)と良好な結果が得られた。
【0018】以上の試験結果より、20℃における動粘
度が120cst以上の油を塗布することにより、軸受
の馴らし運転時間を短縮することができ、特に、20℃
における動粘度が300cst以上の油を塗布すること
が効果的であることがわかった。
【0019】上記の構成に加え、下記式で表される油膜
パラメータΛが1以上になるようにすることにより、油
の油膜形成が促進されて、さらに良好な結果が得られ
る。
【0020】Λ=h0 /(σ1 2+σ2 21/20 :円すいころの転動面と内・外輪の軌道面間に形成
される油膜の厚さ σ1 :円すいころの転動面の平均粗さ σ2 :内・外輪の軌道面の平均粗さ σ1 =0.08μmRa、σ2 =0.13μmとし、動
粘度が異なる5種類の油(20℃における動粘度:19
cst、66cst、128cst、330cst、4
39cst)をそれぞれ塗布して、油の動粘度と油膜厚
さ(円すいころの転動面と内・外輪の軌道面との間に形
成される油膜の厚さ)の関係を求めたところ、図10に
示す結果が得られた。試験条件は、スラスト荷重Fa=
5kgf、内輪回転数=15rpm、試験温度=20°
Cである。
【0021】図10に示すように、油膜厚さは油の動粘
度に比例して大きくなり(油膜厚さは回転速度にも比例
して大きくなる)、油の動粘度が120cst以上の場
合、馴らし運転時の低速回転下でも、Λ≧1となること
が確認された。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0023】図1に示すように、この実施形態の円すい
ころ軸受は、円すい状の軌道面1aを有する外輪1と、
円すい状の軌道面2aを有し、この軌道面2aの小径側
に小鍔面2b、大径側に大鍔面2cを有する内輪2と、
外輪1の軌道面1aと内輪2の軌道面2aとの間に転動
自在に配された複数の円すいころ3と、円すいころ3を
円周所定間隔に保持する保持器4とで構成される。軸受
使用時、円すいころ3は軌道面1aおよび軌道面2aか
ら受ける合成力によって内輪2の大鍔面2cに押し付け
られ、その大端面3aを大鍔面2cによって接触案内さ
れながら軌道面上を転がり運動する。軸受使用時、円す
いころ3の小端面3bと内輪2の小鍔面2bとは接触せ
ず、両者の間には僅かな隙間が存在する。
【0024】図2は、内輪2を示している。内輪2は、
鋼素材から鍛造→旋削→熱処理→研削という工程を経て
製造される。通常、研削加工は、端面、内径面、軌道面
2a、および大鍔面2cに対して行われるが、この実施
形態では、小鍔面2bを同図で鎖線で示す(軌道面2a
に配された)円すいころ3の小端面3bと略平行になる
ように旋削加工し、さらに、研削加工を施して小端面3
bと平行になる面に仕上げている。従来軸受における内
輪の小鍔面は、円すいころの小端面に対して外側に傾斜
した傾斜面である。尚、所要の精度が確保できれば、コ
スト低減のため、小鍔面2bを旋削加工によって、小端
面3bと平行になる面に仕上げても良い。
【0025】大鍔面2cは、上記のような小鍔面2bを
寸法基準として、小鍔面2bからの溝幅寸法(W)をイ
ンプロセスゲージで測定しながら、研削加工によって仕
上げている。これにより、溝幅寸法(W)を、狙い寸法
に対して所定の寸法公差内に精度良く仕上げることがで
きる。一般に、インプロセスゲージによる研削加工と
は、研削加工時にゲージを当て、このゲージにより研削
完了寸法を測定して、研削を終了するものである。
【0026】内輪2の溝幅寸法(W)は、小鍔面2b
と、大鍔面2cにおける円すいころ3の大端面3aとの
接触位置Pとの間の寸法(円すいころ3の軸線と平行な
方向の寸法)であり、小鍔面2bは溝幅の一端を規定す
る面になる。
【0027】図3に示すように、円すいころ3は、曲率
(端面アール:図面では誇張して示している。)をもっ
た大端面3aを一端に有し、曲率をもたないフラットな
小端面3bを他端に有する。大端面3aの中心領域に
は、ぬすみ部3a1が設けられている。大端面3a(ぬ
すみ部3a1を除く。)および転動面3cは研削加工に
よって仕上げられるが、通常、小端面3bは鍛造面のま
まである。円すいころ3の長さ寸法(L)は、狙い寸法
に対して所定の寸法公差内に仕上げられる。尚、長さ寸
法(L)は、小端面3bと、大端面3aにおける大鍔面
2cとの接触位置Pとの間の寸法(円すいころ3の軸線
と平行な方向の寸法)である。
【0028】この実施形態の円すいころ軸受を、従来軸
受と同様に、保持器4、複数の円すいころ3、及び内輪
2からなる組付体を、内輪2の小鍔面2b側を下に向け
た状態で外輪1の軌道面1aに上方から挿入して組立て
た場合、組立時において、円すいころ3は軌道面上の正
規の位置に座らず、その小端面3bが内輪2の小鍔面2
bに接触し、大端面3aと大鍔面2cとの間に隙間δが
できた状態になる。この初期状態から、スラスト荷重を
作用させた状態で、軸受を所要回数回転させると、円す
いころ3が大鍔面2c側に隙間δ分だけ軸方向移動し
て、図1に示すように、大端面3aが大鍔面2cに接触
し、円すいころ3が正規の位置に落ち着く。
【0029】この実施形態では、内輪2の溝幅寸法
(W)と円すいころ3の長さ寸法(L)を所定の寸法公
差内に仕上げると共に、内輪2の小鍔面2bを円すいこ
ろ3の小端面3bと平行な面に加工し、かつ、図4及び
図5に示すように、保持器4、複数の円すいころ3、及
び内輪2を一体に組付けた状態で、円すいころ3の大端
面3aを内輪2の大鍔面2cに接触させた時の、小端面
3bと小鍔面2bとの間の隙間δを測定することによ
り、この隙間δがδ≦0.4mmになるように規制して
いる。
【0030】内輪2の小鍔面2bを、軌道面2aに配さ
れた円すいころ3の小端面3bと平行な面にすることに
よって、隙間δに対する小端面3b側の面取り寸法・形
状のばらつきの影響を排除することができる。例えば、
図5において、小端面3b側の面取りが同図で実線で示
すものであった場合、組立時の状態(初期状態)におけ
る接触点はP5、P6であり、小端面3b側の面取りが
同図で点線で示すものであった場合、初期状態における
接触点は外径側に移動してP5’、P6’になる。円す
いころ3を大端面側に軸方向移動させて、大端面を大鍔
面に接触させた時の、点P5・P6間の隙間の値をδ
5、点P5’・P6’間の隙間の値をδ6とすると、小
鍔面2bと小端面3bとが平行であるため、δ5=δ6
となり、接触点が変動しても隙間δの値は変動しない。
従って、小端面3b側の面取り寸法・形状のばらつきに
起因した隙間δのばらつきがなくなる。
【0031】上記のようにして、隙間δの値を所要の大
きさに規制した後、上記組付け体(内輪2、円すいころ
3、保持器4)と外輪1に防錆潤滑油を塗布し(浸漬、
吹付け等、塗布方法は問わない。)、両者を合わせて軸
受として完成し出荷する。
【0032】出荷時に塗布する防錆潤滑油は、20°C
における動粘度が120cst以上で、かつ、防錆能力
を兼ね備えたものが望ましく、この実施形態では「昭和
シェル VSIサーキュレーティングオイル100」を
塗布した。「昭和シェル VSIサーキュレーティング
オイル100」の主要特性を以下に列記する。
【0033】比重(15/4°C):0.881 流動点(°C):−7.5 動粘度(cst、at20°C):340 粘度指数:95 銅板腐食:1b アニリン点(°C):114.0 全酸価(mgKOH/g):0.45 上記防錆潤滑油は20°Cにおける動粘度が340cs
tであり、この防錆潤滑油を塗布した状態で馴らし運転
を行うことにより、図9に示す実験結果から、軸受の落
ち着き回数は平均4回(最小2回)になり、比較的短時
間で馴らし運転時間を完了することができる。同時に、
上記防錆潤滑油は防錆能力にも優れているので、軸受の
発錆も防止することができる。
【0034】上記構成の円すいころ軸受は、図8に示す
ような自動車のデファレンシャルに組み込まれる軸受
(軸受23、24、27、28、特にドライブピニオン
軸22を回転自在に支持する軸受23、24)として好
適である他、自動車のトランスミッション等の歯車装置
に組み込まれる軸受として好適である。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、構成部品の少なくとも
摩擦を生じる表面に、20°Cにおける動粘度が120
cst以上である防錆潤滑油を塗布したので、円すいこ
ろの転動面と内・外輪の軌道面との間に良好な油膜が形
成され、円すいころの大端面側への軸方向移動が促進さ
れるので、この種の円すいころ軸受における馴らし運転
時間を短縮すると同時に、馴らし運転後の予圧設定作業
の信頼性を向上させることができる。また、隙間δを大
きさの基準値を許容範囲内で大きく設定することができ
るので、加工コスト、管理コストの低減の点で有利であ
る。
【0036】油膜パラメータΛが1以上になることによ
り、油の油膜形成が促進されて、さらに顕著な効果が得
られる。
【0037】上記のような円すいころ軸受で回転軸をケ
ーシングに対して回転自在に支持する回転軸の支持構造
は、予圧設定作業の効率が高く、かつ、予圧設定の信頼
性が高いので、自動車の歯車装置、特にデファレンシャ
ルのドライブピニオン軸の支持構造として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の円すいころ軸受を示す断面図であ
る。
【図2】図1に示す円すいころ軸受の内輪を示す断面図
である。
【図3】図1に示す円すいころ軸受の円すいころを示す
断面図である。
【図4】隙間δの測定時の状態を示す断面図である。
【図5】図4におけるA部の拡大断面図である。
【図6】従来の円すいころ軸受を示す断面図である。
【図7】従来の円すいころ軸受における組立時の初期状
態を示す断面図(図a)、馴らし運転後の状態を示す断
面図(図b)、馴らし運転時の状態を示す断面図(図
c)である。
【図8】自動車のデファレンシャルの一構成例を示す断
面図である。
【図9】塗布する油の動粘度と軸受の落ち着き回数の関
係を示す図である。
【図10】塗布する油の動粘度と油膜厚さの関係を示す
図である。
【符号の説明】
1 外輪 1a 軌道面 2 内輪 2a 軌道面 2b 小鍔面 2c 大鍔面 3 円すいころ 3a 大端面 3b 小端面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円すい状の軌道面を有する外輪と、円す
    い状の軌道面を有し、この軌道面の小径側に小鍔面、大
    径側に大鍔面を有する内輪と、外輪の軌道面と内輪の軌
    道面との間に転動自在に配された複数の円すいころと、
    円すいころを円周所定間隔に保持する保持器とを備え、 上記構成部品の少なくとも摩擦を生じる表面に、20°
    Cにおける動粘度が120cst以上である防錆潤滑油
    が塗布されていることを特徴とする円すいころ軸受。
  2. 【請求項2】 下記式で表される油膜パラメータΛが1
    以上であることを特徴とする請求項1記載の円すいころ
    軸受。 Λ=h0 /(σ1 2+σ2 21/20 :円すいころの転動面と内・外輪の軌道面間に形成
    される油膜の厚さ σ1 :円すいころの転動面の平均粗さ σ2 :内・外輪の軌道面の平均粗さ
  3. 【請求項3】 自動車の歯車装置における回転軸の支持
    用に用いられる請求項1又は2記載の円すいころ軸受。
  4. 【請求項4】 ケーシングに組み込まれた回転軸を、円
    すいころ軸受でケーシングに対して回転自在に支持する
    自動車の歯車装置における回転軸の支持構造であって、 上記円すいころ軸受が、円すい状の軌道面を有する外輪
    と、円すい状の軌道面を有し、この軌道面の小径側に小
    鍔面、大径側に大鍔面を有する内輪と、外輪の軌道面と
    内輪の軌道面との間に転動自在に配された複数の円すい
    ころと、円すいころを円周所定間隔に保持する保持器と
    を備え、 上記円すいころ軸受の構成部品の少なくとも摩擦を生じ
    る表面に、20°Cにおける動粘度が120cst以上
    である防錆潤滑油が塗布された状態で、上記回転軸およ
    び円すいころ軸受を所要回数回転させて馴らし運転を行
    った後、上記円すいころ軸受に所定の予圧を付与するこ
    とを特徴とする自動車の歯車装置における回転軸の支持
    構造。
  5. 【請求項5】 上記ケーシングがデファレンシャルケー
    スであり、上記回転軸が、その前端部にプロペラシャフ
    トが連結され、その後端部にリンクギヤと歯合するドラ
    イブピニオンギヤが設けられたドライブピニオン軸であ
    ることを特徴とする請求項4記載の自動車の歯車装置に
    おける回転軸の支持構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005080808A1 (ja) * 2004-02-20 2005-09-01 Jtekt Corporation 斜接型玉軸受およびピニオン軸支持用軸受装置
JP2007263140A (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Toyota Motor Corp 変速機の制御装置
JP2011033062A (ja) * 2009-07-30 2011-02-17 Nsk Ltd 軸受装置
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