JPH11200919A - エンジンの適応制御方法 - Google Patents

エンジンの適応制御方法

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JPH11200919A
JPH11200919A JP30361398A JP30361398A JPH11200919A JP H11200919 A JPH11200919 A JP H11200919A JP 30361398 A JP30361398 A JP 30361398A JP 30361398 A JP30361398 A JP 30361398A JP H11200919 A JPH11200919 A JP H11200919A
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JP
Japan
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fuel
engine
ratio
parameter
air
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Pending
Application number
JP30361398A
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English (en)
Inventor
Shinsuke Takahashi
信補 高橋
Teruji Sekozawa
照治 瀬古沢
Seiju Funabashi
誠壽 船橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来は、適切な燃料噴射量を決定するためにエ
ンジンテストにより様々な運転領域で予め付着率、蒸発
率等のパラメータを算出しておく必要がある。そのた
め、制御システム開発、および、エンジンの個体差によ
る各エンジンごとの算出パラメータのマッチングに工数
を要するという問題がある。また、エンジンの経時変化
および空気量の計測遅れ、輸送遅れの影響で制御性が劣
化するという問題がある。 【解決手段】排気管に広域空燃比センサを設置し、該セ
ンサによる計測空燃比および、燃料噴射量などから上記
付着率及び、蒸発率、あるいは、持ち去り率を推定する
パラメータ推定手段14、該推定結果に基づいてエンジ
ンの各種検出量と付着率、及び、蒸発率、あるいは、持
ち去り率の対応関係を修正するパラメータ特性修正手段
15を設けることにより適正な燃料噴射量を決定する。
なお、前記対応関係は、運転状況に応じて複数種類持
つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車エンジンの
燃料噴射制御装置に係り、特に、その制御パラメータを
自動設定するのに好適なエンジンの適応制御方法。
【0002】
【従来の技術】従来の装置は、特開昭58−8238号、60−
201042号及び60−126337号公報に記載のように噴射燃料
が吸気管壁面へ付着する割合である付着率、及び、吸気
管壁面付着燃料が単位時間に蒸発する割合である蒸発率
あるいは付着燃料が単位時間に気筒に持ち去られる割合
である持ち去り率と吸入空気量、吸気管内圧等のエンジ
ンの各種検出量との対応関係を予め求めておき、その対
応関係を利用して気筒へ供給する燃料量を決定してい
る。すなわち、予め求めた対応関係を利用してエンジン
の各種検出量から制御パラメータである付着率、及び、
蒸発率(あるいは、持ち去り率)を算出し、その算出結
果に基づいて燃料噴射量を決定している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、エン
ジンテストにより様々な運転領域で予め付着率、蒸発率
等のパラメータを算出しておく必要があり制御システム
開発に工数を要するという問題があった。
【0004】又、エンジン特性の個体差により、各エン
ジンごとに算出パラメータのマッチングを行う必要があ
り、これに関しても工数を要するという問題があった。
【0005】又、エンジンの経時変化に対して配慮がな
されておらず時間の経過に伴い設定パラメータが最適値
からずれ制御性が劣化するという問題もあった。
【0006】又、従来法では空気量の計測遅れ、輸送遅
れの影響に配慮がなされていない。これらの遅れは、過
渡時の制御性に劣化を引き起すものである。付着率、蒸
発率などのパラメータにこの遅れを集約し、つまり、パ
ラメータマッチングを行うことである領域で望みの制御
性を得ることは可能と考えられる。しかし、様々な領域
で望みの制御性が得られないという問題があった。すな
わち、空気量の計測遅れの特性が、加速時と減速時の全
く異なるため加速時に望みの制御性を得るようパラメー
タマッチングを行っても、減速時に制御性の劣化が生じ
る、あるいは、減速時にパラメータマッチングを行って
も加速時に制御性が劣化するという問題があった。
【0007】本発明の第1の目的は、エンジン特性の個
体差経時変化に適応して、上記パラメータを自動設定修
正するエンジンの適応制御方法を提供することにある。
【0008】本発明の第2の目的は、空気量の遅れの影
響を補償し様々な運転領域で望みの制御性を得るエンジ
ンの適応制御方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的は、エン
ジンの各種検出量から噴射燃料が吸気管壁面に付着する
割合である付着率、及び吸気管壁面付着燃料が単位時間
に蒸発する割合である蒸発率(あるいは、上記付着燃料
が単位時間に気筒に持ち去られる割合である持ち去り
率)を算出、該算出値に基づいて気筒に供給する燃料量
を制御するエンジン制御装置において、排気管に広域空
燃比センサを設置し、該センサによる計測空燃比及び、
燃料噴射量計測空気量などから上記付着率及び、蒸発
率、あるいは、持ち去り率を推定するパラメータ推定手
段、該推定結果に基づいてエンジンの各種検出量と付着
率、及び、蒸発率、あるいは、持ち去り率の対応関係を
修正するパラメータ特性修正手段を設けることにより達
成される。
【0010】又、上記第1、及び、第2の目的は、排気
管に広域空燃比センサを設置し、該センサによる計測空
燃比、燃料噴射量計測空気量などから上記付着率、及
び、蒸発率、あるいは持ち去り率を推定するパラメータ
推定手段を設け、各種検出量から算出する付着率、蒸発
率、持ち去り率にかえ、該推定手段に推定結果に基づい
て気筒に供給する燃料量を制御することにより達成され
る。
【0011】又、上記第2の目的は、各種検出量と付着
率、蒸発率、持ち去り率との対応関係を運転状況に応じ
て複数種類設けることによって達成される。
【0012】第1図の手段においてパラメータ推定手段
は、吸気管内の燃料流動特性を表わすモデルに基づいて
例えば逐時最小二乗法によりモデルパラメータである付
着率、及び、蒸発率、あるいは、持ち去り率を推定し、
これを推定時のエンジン運転状態の計測値と対にしてパ
ラメータ特性修正手段に送る。パラメータ特性修正手段
は、得られたデータに基づいて予め適当に定められてい
るエンジンの各種検出量と付着率、及び、蒸発率、持ち
去り率の対応関係を修正してゆきその時々の運転状態に
おける最適な関係を定義する。以上のようにして、初期
設定は適当でも、エンジン運転回数が増せば付着率、蒸
発率等のパラメータは自動的に最適化されてゆくのでシ
ステム開発工数の低減及び、エンジン特性の個体差経時
変化への適応が可能となる。
【0013】第2の手段において、パラメータ推定手段
により付着率、蒸発率、持ち去り率は時々の運転状態に
おいて常に最適値に保たれるので同様の効果が可能とな
る。
【0014】第3の手段においては、加速時、減速時
等、運転状況に応じて別々なパラメータ設定が可能とな
るので様々な運転領域で望みの制御性が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を第1図か
ら第6図に従って説明する。
【0016】第1図は、本発明の第1の手段に対する全
体構成図である。従来装置が、パラメータ算出手段、燃
料噴射制御手段のみから構成されていたのに対し、新た
にパラメータ推定手段、パラメータ特性修正手段を設け
た構成となっている。
【0017】以下、各手段の動作を説明する。
【0018】パラメータ算出手段は、吸入空気量、水温
等のエンジンの運転状態の計測値から噴射燃料が吸気管
壁面へ付着する割合である付着率、吸気管付着燃料が単
位時間に蒸発する割合である蒸発率を予め定められた対
応関係に基づいて算出し、これを燃料噴射制御手段に送
る。燃料噴射制御手段では、算出付着率、蒸発率に基づ
いて気筒に供給する燃料量の制御を行う。
【0019】パラメータ推定手段は、排気管に設置した
広域空燃比センサで計測される排ガス空燃比、燃料噴射
量計測空気量などの時系列データから制御パラメータで
ある付着率、蒸発率(あるいは、持ち去り率)を推定す
る。パラメータ推定は、例えば、吸気管内の燃料流動特
性を表わす次式の数式モデルの離散式に逐時最小二乗法
を適用して行うことができる。
【0020】
【数1】
【0021】
【数2】
【0022】ここに、G:燃料噴射量(g/s)
(噴射燃料量の単位時間の質量流量への換算値) Gfe:シリンダ流入燃料量(g/s) M:吸気管壁面付着燃料量(g) X :付着率 1/τ:蒸発率(1/s)(あるいは持ち去り率) X、1/τ を定数と見なし(1)、(2)式を離散化しG
feとGの関係式を導出すると次式を得る。なお、連
続式の差分化には、中心差分を用いている。
【0023】
【数3】
【0024】ここに、Δt:時間きざみ k :時刻(1時刻はΔtに相当) (3)式は、その誤差方程式が、パラメータX、1/τに対
して線形となるので、方程式誤差の重み付き2乗和が最
小という意味での最適なパラメータ算出が可能である。
すなわち、評価指標を(4)式とおくとも、Jが最小とな
るX、1/τ が算出可能であり、その再帰形のアルゴリ
ズムは(5)、(6)式となる。
【0025】
【数4】
【0026】但し0<ε<1
【0027】
【数5】
【0028】
【数6】
【0029】
【数7】
【0030】
【数8】
【0031】
【数9】
【0032】なお、再帰形パラメータ推定法として(5)
(6)式以外に適応制御システムの理論と実際(オーム
社)のP.78〜P.86記載の方法も適用可能であ
る。
【0033】(5)(6)式によりその時々の運転状態にお
ける、X、1/τを推定算出するためには、G(k)、G
fe(k)のデータが必要である。
【0034】燃料噴射量G(k)は、マイコンの燃料噴
射弁への指令値から算出される。シリンダ流入燃料量G
fe(k)は、これを直接計測するセンサがないので、他
の運転状態の計測値から次式で算出する。
【0035】
【数10】
【0036】
【数11】
【0037】N:エンジン回転数 ここにQは、Lジエトロニクスシステムにおいては空
気量センサで検出されるスロットル上流の空気量の計測
値にノイズ、脈動除却のための各種処理をほどこしたも
のとする。すなわち、燃料噴射量決定のベースとなる空
気量とする。又、Dジエトロニクスシステムにおいて
は、圧力センサで検出される吸気管内圧に基づいて算出
されるシリンダ流入空気量とする。これも燃料噴射量決
定のベースとなる空気量である。
【0038】A/Fは、排気管に設置した空燃比センサ
で検出される排ガス空燃比である。
【0039】kは、空気と燃料の混合気が気筒に吸入
された時点から、その燃焼ガスが排気されるまでの平均
時間である。ここでは、ピストン運動の3工程に相当す
るとし(11)式で定式化する。
【0040】なお、(10)式でシリンダ流入燃料量を算出
するためには、空気量Qは本来はシリンダ流入空気量
であるべきである。ところが、Lジエトロニクスシステ
ムでは、スロットル通過空気量の計測値を用いている。
又、Dジエトロニクスシステムでもセンサの応答遅れの
ため計測値は真のシリンダ流入空気量と一致し得ない。
(10)式において、Qaを真のシリンダ吸入空気量とせ
ず、各システムにおける燃料噴射量決定のベースとなる
空気量を用いるのは、次の理由によるものである。従来
方法では、燃料の遅れのみを補償して望みの制御性を得
ようとしているが、実際には、空気の輸送、及び計測の
遅れも存在し、これは急加減速時の制御性の劣化を起
す。この問題に対し空気の遅れをある程度X、1/τに集
約し望みの制御性を得ようとするのが、燃料決定のベー
スとなる空気量を用いる理由である。
【0041】なお、以上の方法では、空燃比センサの計
測値をそのままシリンダ流入燃料量の算出に用いたが、
センサの応答遅れが大きい場合、最適なX、1/τは推定
されない。この場合、センサの応答遅れを考慮してX、
1/τ の推定を行う必要があるが、これは次の方法で対
応可能である。
【0042】まず、センサの応答遅れモデルを燃空比の
伝達関数モデルで仮定する。例えば、1次遅れを仮定す
ると遅れモデルは次式となる。
【0043】
【数12】
【0044】 ここにA/Fout:真の排ガス空燃比 A/Fin :計測排ガス空燃比 (12)式中の定数lは、センサに所定入力を加えた時のセ
ンサ出力の応答を計測し、入出力時系列データに基づい
て(12)式の方程式誤差が最小となるように定める。以上
のようにして求められた(13)式を、(3)式、及び(10)式
のA/FをA/Foutとおいた式と連立させれば、燃
料噴射量Gと計測排ガス空燃比A/F との関係式
が得られる。この関係式の誤差方程式はパラメータX、
1/τに対して線形となるので先に述べたのと同様の方法
でX、1/τ の推定は可能となる。
【0045】以上で、パラメータ推定手段の動作の説明
は終る。次に、パラメータ特性修正手段の動作を説明す
る。パラメータ特性修正手段は、推定されたパラメータ
χ(k)、ρ(k)び、パラメータ算出手段におけるX、1/
τ算出のベースとなるエンジンの各種検出量X(k)、
(k)、…に基づいて、パラメータ算出手段の予め定
められた各種検出量X、X、…とX、1/τの対応関
係を修正する。
【0046】修正方法として、例えば、時刻kでの、X
=S、X=S…の状態において推定値がχ
(k)、ρ(k)パラメータ算出手段が算出するX、1/τ
がX、1/τとする。
【0047】この時パラメータ算出手段における状態X
=S、X=S、…に対する新たなX、1/τ を
次式で算出されるX、1/τ とする。
【0048】
【数13】
【0049】ここに、X=S、X=S… 0<m<1 ここで、X、1/τを一度に推定値χ、ρと置き換え
ないのは、推定がうまくいかない場合の、制御性の劣化
を防ぐためである。以上の方法でパラメータ修正を繰り
返せば、徐々にパラメータは最適値に収束してゆく。
【0050】なお、ここでは、各運転状態に対する推定
されたパラメータを所定時間、あるいは、所定数だけ記
憶しておき、所定時間が経過、あるいは、所定数に達し
た時、推定パラメータの平均値を本来パラメータ算出手
段が算出するパラメータ値と置き換えるようにして各種
検出量と制御パラメータ(付着率、蒸発率)の対応関係
を修正してもよい。
【0051】以上で、本発明の制御系の動作の説明を終
る。次に、以上の構成をディジタル式制御ユニットで実
現する場合の制御系の全体構成、及び、制御プログラム
の動作について説明する。
【0052】第2図に制御系の全体構成図を示す。ここ
ではLジエトロニクスシステムを適用対象としている。
【0053】制御ユニットは、CUP、ROM、RA
M、I/O、LSI、タイマ、それらを電気的に接続す
るバスを備えている。I/O、LSIには、空気量セン
サ、水温センサ、クランク角センサ、空燃比センサ、ス
ロットル角センサからの信号が入力されるようになって
いる。又、I/O、LSIからは、燃料噴射弁への信号
が出力されるようになっている。なお、I/O、LSI
は、入力側にA/D変換器、出力側にD/A変換器を備
えている。タイマはCPUに対し一定時間ごとに割込要
求を発生し、この要求に応じてCPUはROMに格納さ
れた制御プログラムを実行するようになっている。
【0054】次に、第3図により本発明の特徴であるパ
ラメータを推定し、その推定結果に基づいて、エンジン
の各種検出量とX、1/τとの対応関係を修正する制御プ
ログラムの動作を説明する。
【0055】まず、ステップ301において、時刻kの
回転数N(k)から、(10)式によりkを算出する。
【0056】次に、ステップ302において、RAMに
記憶されている時刻kの計測空気量Q(k)と時刻k+
の計測空燃比A/F(k+k)を読み出す。
【0057】次に、ステップ303において、(10)式に
よりGfe(k)を計算し、それをRAM内にストアす
る。
【0058】次に、ステップ304において、RAMに
記憶されているG(i)、Gfe(i)(i=k−2、
k−1、k)χ(k)、ρ(k)を読み、(5)(6)式からχ
(k+1)、ρ(k+1)を算出し、それをRAMにストア
する。
【0059】次に、ステップ305において、RAMに
記憶されている、時刻kのX、1/τ算出のベースとなる
エンジンの各種検出量X(k)、X(k)、X(k)、
…対するX、1/τの値X、1/τ0 を読み出す。
【0060】次に、ステップ306において、RAMに
記憶されている時刻kのX、1/τ の推定値χ(k)、ρ
(k)を読み出す。
【0061】次に、ステップ307において、(13)式に
よりX、1/τの値を算出し、その値をX、1/τ0 が書
き込まれていた番地にストアする。
【0062】次に、ステップ308において、kの値を
1増加する。
【0063】以上で処理は終了し、次回の割込み要求が
あるまで待機する。
【0064】以上のプログラムを実行するためには、吸
入空気量Q、回転数N、空燃比A/Fの計測値、燃料
噴射量Gシリンダ流入燃料量Gfe及び、X、1/τ
算出のベースとなる変数の計測値X、X、X、…
のデータの記憶、消去等の管理が必要となるが、これは
別のプログラムで実行されるようになっている。
【0065】なお、以上の方法では、パラメータX、1/
τ の推定時間、推定精度の問題が懸念されるため第4
図のような推定値を直接利用して燃料の制御を行う構成
をとっていない。ここで、推定時間の問題とは推定の遅
れが大きいというパラメータX、1/τ が推定された時
点でそのパラメータは、すでにその時点の運転状態にお
ける最適値からずれてしまっているため十分な制御性が
得られない、又、推定精度の問題とは、最適値から大き
くはずれる値が推定された場合、大幅な制御性の劣化が
生じるというものである。以上の問題がなければ、第4
図の構成をとればRAM容量を大幅に低減でき、システ
ムのコストダウンの可能性が生じる。
【0066】次に、本発明の第3の手段に対する実施例
を第5図、第6図に従って説明する。
【0067】第5図に、Lジエトロニクスシステムを対
象とした時の加速時、及び、減速時における各種空気量
の過渡特性を示す。加速時には、燃料噴射量決定のベー
スとなる計測空気量はシリンダ流入空気量より大きくな
っており、減速時にはその逆となっている。
【0068】本発明の対象となる制御方式は、燃料の遅
れのみを補償して、望みの制御性を得ようとするもので
空気量に関して何の配慮もなされていない。したがって
望みの制御性を得るためには、燃料噴射量決定のベース
となる空気量は、シリンダ流入空気量でなければならな
い。
【0069】ところが、実際には、シリンダ流入空気量
と異なる計測空気量を使用している。計測空気量をベー
スに燃料噴射量を決定する場合、付着率、蒸発率等のパ
ラメータマッチングを行えば、限られた領域では望みの
制御性を得ることは可能であるが、様々な領域では困難
である。これは、第5図の空気量の加速時と減速時の特
性の違いから、生じるもので、加速時に望みの制御性
(空燃比の目標値への定値化)を得ようとパラメータマ
ッチングすれば、すなわち、計測空気量がシリンダ流入
空気量より大きく計測空気量に基づく制御では燃料供給
量が要求値より大きくなるため、燃料が、やや少なめに
なるようパラメータマッチングすれば、減速時には、制
御量である空燃比は目標値を上まわってしまう。
【0070】これは、減速時には、シリンダ流入空気量
が計測空気量より大きく、計測空気量に基づく制御で
は、燃料量が要求値より小さくなるため燃料がやや多め
になるように本来ならパラメータ設定すべきところを、
少なめになるよう設定してしまっているからである。
【0071】つまり従来の制御系では、加速時、減速時
の双方の運転モードで望みの制御性を得ることは困難で
あった。以上の問題はDジエトロニクスシステムでも同
様である。
【0072】この問題に対して、本発明では、例えば第
6図に示す制御系の構成のように、パラメータ算出手段
に加速用パラメータ算出手段、減速用パラメータ算出手
段、各手段の出力の一方を選択し、それを燃料噴射制御
手段に送る信号選択手段を設ける。
【0073】加速用パラメータ算出手段は、減速時に望
みの制御性を得るような制御パラメータを算出する手段
であり、減速用パラメータ算出手段は、減速時に望みの
制御性を得るような制御パラメータを算出する手段であ
る。上記各手段、エンジンの運転状態の各種検出量と制
御パラメータの対応関係は予め望みの制御性が得られる
よう定められている。又、信号選択手段では、スロット
ル開度の計測値の最新値と数時刻前の値の偏差から加速
状態にあるか、減速状態にあるかを判定し、加速状態に
あれば、加速用パラメータ算出手段の出力を、減速状態
にあれば、減速用パラメータ算出手段の出力を燃料噴射
制御手段に送る。
【0074】以上の構成では、加速時と減速時に別々の
パラメータ設定が可能なので様々な運転領域で極みの制
御性を得ることが可能となる。
【0075】以上の実施例では、対応関係を2種類しか
設けなかったが、加減速の大きさにより複数種類設ける
ようにしても良い。
【0076】
【発明の効果】以上、本発明によれば、運転回数が増せ
ば、自動的に制御パラメータである付着率、蒸発率の値
が最適化されてゆくので、パラメータの初期設定工数の
削減、及び、エンジン特性の経時変化、個体差への適応
が可能になるという効果がある。
【0077】又、制御パラメータと各種検出量との関係
式を複数種類設けたことで様々な運転領域で望みの制御
性が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制御系の構成図を示す。
【図2】本発明をディジタル式制御ユニットで実現する
時の制御システムの全体構成図を示す。
【図3】本発明の特徴となる制御プログラムのフローチ
ャートを示す。
【図4】本発明の他の実施例における制御系の構成図を
示す。
【図5】各種空気量の過渡特性を示す図を示す。
【図6】本発明のさらに他の実施例における制御系の構
成図を示す。
【符号の説明】
11.エンジン、12.燃料噴射制御手段、13.パラメータ算
出手段、14.パラメータ推定手段、15.パラメータ特性修
正手段、21.制御ユニット、22.CPU、23.ROM、24.RAM、2
5.タイマ、26.I/O LSI、27.バス、61.加速用パラメー
タ算出手段、62.減速用パラメータ算出手段、63.信号選
択部、64.パラメータ算出手段
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年11月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 45/00 340 F02D 45/00 340H G05B 13/02 G05B 13/02 B 13/04 13/04

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジン運転状態と吸気管内の燃料の流れ
    に関するパラメータとの予め定められた対応関係に基づ
    いて、エンジン運転状態の検出値から上記燃料の流れに
    関するパラメータを算出し、燃料噴射量を制御するエン
    ジンの制御方法において、 エンジンの排気空燃比、吸入空気量、回転数を検出し、 上記検出した排気空燃比、吸入空気量、回転数について
    の検出値と、燃料噴射量の時系列データとから上記燃料
    の流れに関するパラメータを推定し、 上記推定されたパラメータに基づいて上記予め定められ
    た対応関係を修正し、 上記修正した対応関係に基づいてエンジンに対する燃料
    噴射量を制御することを特徴とするエンジンの適応制御
    方法。
JP30361398A 1988-12-26 1998-10-26 エンジンの適応制御方法 Pending JPH11200919A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30361398A JPH11200919A (ja) 1988-12-26 1998-10-26 エンジンの適応制御方法

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