JPH11198377A - インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置

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JPH11198377A
JPH11198377A JP337898A JP337898A JPH11198377A JP H11198377 A JPH11198377 A JP H11198377A JP 337898 A JP337898 A JP 337898A JP 337898 A JP337898 A JP 337898A JP H11198377 A JPH11198377 A JP H11198377A
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JP
Japan
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ink
ink jet
jet head
liquid chamber
flow path
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Application number
JP337898A
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English (en)
Inventor
Junji Yasuda
淳司 安田
Hiroshi Koizumi
寛 小泉
Seiichiro Karita
誠一郎 刈田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な濡れ性を示し、気泡の滞留、成長を少
なくし回復操作が容易なインクジェットヘッド及びイン
クジェット記録装置を提供する。 【解決手段】 天板部材20の共通液室23内壁から吐
出口21に至るまでの全インク流路27内壁に光触媒機
能を有する無機質の親水性物質からなる膜29が形成さ
れていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吐出口から記録液体
を吐出して記録を行うインクジェットヘッド及びインク
ジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェットヘッドとしては、
特開昭55−132253号公報に記載されているもの
が知られている。これは、成膜技術等により電気熱変換
体が形成された基板上に、インク吐出口と、電気熱変換
体による熱作用部となるインク流路と、このインク流路
にインクを供給するための共通液室とを有する天板を接
合することによって構成されている。
【0003】図3および図4を参照して上述の従来のイ
ンクジェットヘッドにつきさらに説明する。
【0004】図3は前述の構成がなされたインクジェッ
トヘッドの概略斜視図であり、図4はそのA−A’断面
を示す概略断面図である。
【0005】図4において、112は複数の電気熱変換
素子が配列された基板である。113は複数のインク吐
出口101、インク吐出口101に連通したインク流路
となるノズル部102、各ノズル部102にインクを供
給する共通液室104、共通液室104の液室上面に開
口する開口部105を有するインク供給筒116、前記
基板112との接合部となる液室枠部106が一体化し
て作られた天板である。さらに、119は共通液室10
4の上面平坦部である。また、111は各部品を構築し
てインクジェットヘッドを構成するための金属支持部材
である。
【0006】このような構成において、インク吐出時の
インク供給の流れを説明すると、例えばインクを貯蔵す
るタンク(不図示)から流出したインクは種々の連結管
等を通過し天板113のインク供給筒116に至り、液
室上面の開口部105を経て共通液室104に一時的に
蓄えられる。さらに各ノズル部102にもインクが流
れ、吐出口101の先端で表面張力等によりインクが保
持される。ここで吐出信号を基板112の電気熱変換体
に与えると、これに対応したノズル部102内のインク
に気泡が発生し、その作用により液滴がそれぞれインク
吐出口101より飛翔する。
【0007】したがって、ノズル部は吐出が開始される
と、これに必要なインクの供給を順次共通液室104側
から受ける必要がある。
【0008】この時何らかの原因で気泡300が共通液
室104内に存在すると、ノズル部へのインクの供給が
一時的に中断され、インク吐出が不安定な状態となり、
印字品位の劣化が発生する。さらにこの状態が断続する
と、インク不吐出となり、印字が不可能となる。
【0009】前述した気泡300の発生は、印字中に発
生する場合と、印字開始前の状態で発生している場合と
がある。印字中に発生した場合には、インクジェット記
録装置の使用者等がキャッピング等の手段によって回復
操作を行い、液室内の泡を除去するようにしている。ま
た、印字開始前の状態ですでに気泡が発生している場合
には、インク吐出を始める前に自動的に上記の回復操作
を行い、液室内の気泡300を除去するようにしてい
る。
【0010】さらに長期的な保存状態(印字しない状
態)にあるインクジェットヘッドに関しては、上述した
気泡300が外部からのガス浸透、吐出口からの空気の
侵入等によって成長し、特に共通液室104の上面の平
坦部119に滞留した状態となる場合がある。この場
合、共通液室上面の平坦部に滞留した気泡299は、高
低差が大きすぎ回復操作では除去できないだけでなく、
ノズル内、液室内等のインクの濡れ性を劣化させ、吐出
時の印字品位を低下させる一因となっている。
【0011】このため、長期的な保存時には、装置内に
この時間を記憶させ、一定間隔で回復操作を自動的に行
い、液室内の気泡299の除去、および成長の阻止を行
う処理を講じている。EP公開419181号、特開平
8−267751には液室内の気泡を一層容易に除去で
きるインクジェットヘッドが開示されている。
【0012】図5に特開平8−267751によって開
示されたインクジェットヘッドを示す。
【0013】この液室内を傾斜面形状にした構造では、
液室内に、図4にあるような液室平坦部119がなく、
発生した泡は開口部へ逃がすように作用する。
【0014】また、液室上面の開口部から吐出口(ノズ
ル)の方へインクを円滑に流すように作用する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
例では、共通液室上面に平坦部119があるため、イン
クタンクから吐出口までのインクの流れの経路が長い構
造や、連結する部品が多い構造等の場合、外部からのガ
スの浸透を受ける部位が多く、液室平坦部119の気泡
299が成長する速度が速く、濡れ性の劣化が大きくな
る。
【0016】また、構造的にも液室平坦部119は、イ
ンクの流れのよどみ部となるため、回復作業による気泡
299の除去は困難である。
【0017】また、図4に示すように、インクの流れの
よどみや泡の滞りにくい構造を除去した構造の液室であ
っても、液室104内に有機物等の異物が混入し、液室
内壁等に付着すると、異物に気泡が発生、成長し、濡れ
性を劣化させる。
【0018】このため、特に長期保存の場合、装置の回
復の間隔を短くし、気泡299の滞留や成長を防ぐには
回復操作の頻度を多くしなければならず、インク消費量
が増し、ランニングコストが増すという問題点があっ
た。
【0019】本発明は従来技術の前記の問題点を解決し
た新規のインクジェットヘッド及び該インクジェットヘ
ッドを具備したインクジェット記録装置を提供すること
を目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】前記の目的は以下の手段
によって達成される。
【0021】すなわち、本発明は、インクに吐出エネル
ギーを与える複数の吐出エネルギー発生素子がインク流
路に対応して設けられた基板と、前記インク流路に対応
する溝と上流側に当該全溝に連通する共通液室と当該溝
の一端に連通してインクが吐出される吐出口が配列して
設けられるオリフィスプレートを一体のものとして形成
された天板部材とを有し、前記基板と前記天板部材とを
接合させることによって前記インク流路が形成されるイ
ンクジェットヘッドにおいて、前記天板部材の共通液室
内壁から吐出口に至るまでの全インク流路内壁に光触媒
機能を有する無機質の親水性物質からなる膜が形成され
ていることを特徴とするインクジェットヘッドを提案す
るものであり、前記光触媒機能を有する物質は、前記層
中にわたって0.3μmを越える厚さで存在すること、
前記オリフィスプレートの表面は全域にわたって撥水層
が存在すること、前記インク吐出エネルギー発生素子
は、インクに作用させる熱エネルギーを発生する電気熱
変換体であること、前記天板部材は、透明なものである
ことを含む。
【0022】また本発明は、インクジェットヘッドを具
備したことを特徴とするインクジェット記録装置を提案
するものである。
【0023】本発明によれば、溝付天板によって形成さ
れる、インク流路、共通液室、ノズルのインク流路全域
の内壁に光触媒機能をもった親水性物質の層を形成する
ことにより、親水性を高め、光触媒作用によって、疎水
性の有機物等を分解しインク流路内を清浄に保ち、気泡
の滞留、成長を少なくすることを特徴とし、回復操作を
非常に容易なものとし、回復操作の頻度を減少でき、イ
ンク消費量(ランニングコスト)を抑えることができ
る。また、インク流路内に泡が存在しない状態を作り出
せるため、印字品位を向上させることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例を添付図
面を用いて詳細に説明する。
【0025】
【実施例】第1の実施例 図1は本発明を適用したインクジェットヘッドの一部を
概略的に示す斜視図である。
【0026】図1において、10はセラミック等の基板
であり、周知の如く、成膜技術等により吐出エネルギー
発生素子としての電気熱変換体11(図3参照)が複数
個配列されている。基板10にはさらに電気熱変換体1
1を駆動するための駆動回路が同時に形成されており、
基板後端部にはこの回路の接続のためのパッド12が配
置されている。20は、後述するが、この基板に接合さ
れた天板部材である。30は基板10の駆動回路に配線
するための配線基板であり、基板10のパッド12に対
応してパッド32が配置されている。基板10と配線基
板30とはアルミニウム等の良伝導性金属材料からなる
放熱用の支持板40上に配置され、両者のパッド12と
32がそれぞれボンディングワイヤ42によって接続さ
れている。
【0027】次に、図2をも参照してさらに本発明の実
施例につき詳細に説明する。
【0028】天板部材20には、紙面と垂直方向に並列
に複数個配列されたインク吐出口21が形成され、か
つ、基板10に接合された時、このインク吐出口21に
連通するインク流路となるノズル部22が複数個の溝と
して形成されている。そして、23はノズル部22に連
通する共通液室となるべく、液室枠部26に形成された
凹部であり、該液室23には液室枠体26と一体のイン
ク供給筒24内のインク通路27が開口部25を介して
連通している。
【0029】この天板20において、インク通路27、
共通液室23、ノズル部22の内壁は、光触媒機能をも
った親水性膜29で全面をおおわれている。
【0030】ここで、光触媒機能を有する物質とは、一
定波長以下の光の照射により電子と正孔を生成し、その
結果として活性酸素を生じる物質を言う。このような物
質のうち、親水性を有する物質とは、特開平8−267
646にあるように、酸化チタン、酸化亜鉛、チタン酸
ストロンチウム、三酸化タングステン、酸化第二鉄、三
酸化二ビスマス、酸化スズ等が挙げられる。これらの光
触媒機能を有する物質は、複数並用しても構わない。ま
た、十分な防汚性を得るためには、光触媒膜29の厚さ
は0.3μm以上が好ましい。また、この光触媒膜29
の成膜法はいかなるものでも構わない。
【0031】本実施例によれば、共通液室23、インク
通路27、ノズル部22の内面に光触媒機能を有する親
水性膜29が存在するため、濡れ性が向上し、また、何
らかの原因でインク中に気泡付着の原因となる疎水性の
有機物が混入しても、天板20を透過した光によって、
光触媒膜29の表面において、インク中の水や酸素から
生成された活性酸素により、前記疎水性有機物を分解す
るため、常時清浄に保たれ、気泡の滞留、成長を少なく
する。よって回復操作の頻度を少なくすることができ、
インク消費量(ランニングコスト)を抑えることができ
る。
【0032】<他の実施例>以下に本発明を用いたイン
クジェット記録ヘッドについて説明する。
【0033】図6はこの様なインクジェット記録ヘッド
の概略構成図であり、エッチング・蒸着・スパッタリン
グ等の半導体製造プロセス構成を経て、基板1102上
に成膜形成された電気熱変換体1103、配線110
4、液路壁1105、天板1106から構成されている
インクジェット記録ヘッドが示されている。記録用液体
1112は図示していない液体貯蔵室から液体供給管1
107を通して記録ヘッド1101の共通液室1108
内に供給される。図中1109は液体供給管用コネクタ
である。共通液室1108内に供給された液体1112
は所謂毛管現象により液路1110内に供給され、液路
先端の吐出口面(オリフィス面)でメニスカスを形成す
ることにより安定に保持される。ここで電気熱変換体1
103に通電することにより、電気熱変換体面上の液体
が急峻に加熱され、液路中に気泡が生起され、その気泡
の膨張・収縮により吐出口1111から液体を吐出し液
滴が形成される。
【0034】また図7は本発明が適用されるインクジェ
ット記録装置の概観図で、駆動モータ5013の正逆回
転に連動して駆動力伝達ギア5011、5009を介し
て回転するリードスクリュー5005のら線溝5004
に対して係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有
し、矢印a、b方向に往復移動される。5002は紙押
え板であり、キャリッジ移動方向にわたって紙をプラテ
ン5000に対して押圧する。5007、5008はフ
ォトカプラでキャリッジのレバー5006のこの域での
存在を確認してモータ5013の回転方向切換等を行う
ためのホームポジション検知手段である。5016は記
録ヘッドの前面をキャップするキャップ部材5022を
支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引する
吸引手段でキャップ内開口5023を介して記録ヘッド
の吸引回復を行う。5017はクリーニングブレード
で、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にす
る部材であり、本体支持板5018にこれらは支持され
ている。ブレードは、この形態でなく周知のクリーニン
グブレードが本例に適用できることはいうまでもない。
又、5012は、吸引回復の吸引を開始するためのレバ
ーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴っ
て移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切換等の
公知の伝達手段で移動制御される。
【0035】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジがホームポジション側領域にきた
ときにリードスクリュー5005の作用によってそれら
の対応位置で所望の処理が行えるように構成されている
が、周知のタイミングで所望の作動を行うようにすれ
ば、本例には何れも適用できる。上述における各構成は
単独でも複合的に見ても優れた発明であり、本発明にと
って好ましい構成例を示している。
【0036】尚、本装置にはインク吐出圧発生素子を駆
動するための駆動信号供給手段を有している。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
インクジェットヘッドにおける天板部材において、イン
ク供給管、共通液室、ノズルのそれぞれの内壁が光触媒
機能を有する親水性物質からなる層でおおわれているた
め、良好な濡れ性を示し、かつインク流路内壁が常に清
浄に保たれるため、気泡の滞留、成長を少なくし、回復
操作が容易なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるインクジェットヘッドの実施例
を示す斜視図である。
【図2】本発明のインクジェットヘッドの実施例を示す
図1のB−B’線断面図である。
【図3】従来のインクジェットヘッドの構成を示す斜視
図である。
【図4】従来のインクジェットヘッドの構成を示す図3
のA−A’線断面図である。
【図5】別の従来のインクジェットヘッドの構成を示す
断面図である。
【図6】本発明を用いたインクジェット記録ヘッドの概
略構成図である。
【図7】本発明が適用されるインクジェット記録装置の
概観図である。
【符号の説明】 10 基板 11 電気熱変換体 12 パッド 20 天板部材 21 インク吐出口 22 ノズル部 23 共通液室 24 インク供給筒 25 開口部 26 液室枠部 27 インク通路 29 親水性膜(光触媒膜) 30 配線基板 32 パッド 40 支持板 42 ボンディングワイヤ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクに吐出エネルギーを与える複数の
    吐出エネルギー発生素子がインク流路に対応して設けら
    れた基板と、前記インク流路に対応する溝と上流側に当
    該全溝に連通する共通液室と当該溝の一端に連通してイ
    ンクが吐出される吐出口が配列して設けられるオリフィ
    スプレートを一体のものとして形成された天板部材とを
    有し、前記基板と前記天板部材とを接合させることによ
    って前記インク流路が形成されるインクジェットヘッド
    において、 前記天板部材の共通液室内壁から吐出口に至るまでの全
    インク流路内壁に光触媒機能を有する無機質の親水性物
    質からなる膜が形成されていることを特徴とするインク
    ジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記光触媒機能を有する物質は、前記層
    中にわたって0.3μmを越える厚さで存在する請求項
    1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記オリフィスプレートの表面は全域に
    わたって撥水層が存在する請求項1に記載のインクジェ
    ットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記インク吐出エネルギー発生素子は、
    インクに作用させる熱エネルギーを発生する電気熱変換
    体である請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 前記天板部材は、透明なものである請求
    項1に記載のインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のうちいずれか1項に記
    載のインクジェットヘッドを具備したことを特徴とする
    インクジェット記録装置。
JP337898A 1998-01-09 1998-01-09 インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 Pending JPH11198377A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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