JPH11198110A - 繊維板およびその製造方法 - Google Patents
繊維板およびその製造方法Info
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- JPH11198110A JPH11198110A JP10001350A JP135098A JPH11198110A JP H11198110 A JPH11198110 A JP H11198110A JP 10001350 A JP10001350 A JP 10001350A JP 135098 A JP135098 A JP 135098A JP H11198110 A JPH11198110 A JP H11198110A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 強度が高く透湿性も良好で、通気工法の木造
家屋における防風層に適した繊維板を製造するに際し、
樹脂塗布工程でタンク内や配管内で樹脂が硬化するとい
った問題の発生を防止する。 【解決手段】 ヤシ繊維を主成分とする繊維マットの少
なくとも1表面および/または内部に、編織物または不
織布などの繊維製シート状物を配置し、アミノ樹脂とア
ミノ樹脂硬化触媒とを別々に付着させ、熱圧縮成形す
る。
家屋における防風層に適した繊維板を製造するに際し、
樹脂塗布工程でタンク内や配管内で樹脂が硬化するとい
った問題の発生を防止する。 【解決手段】 ヤシ繊維を主成分とする繊維マットの少
なくとも1表面および/または内部に、編織物または不
織布などの繊維製シート状物を配置し、アミノ樹脂とア
ミノ樹脂硬化触媒とを別々に付着させ、熱圧縮成形す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、外壁下地
材、床材、床下地材、畳材、屋根下地材、天井材、住宅
内装材および内装下地材、建築用断熱材、胴縁材、遮音
材、吸音材、緩衝材、衝撃吸収材などの建材、更には、
コンクリート型枠材、積載用パレット、自動車などの車
両内装材および内装下地材、家具材などに用いられる木
質系繊維板類似の繊維板とその製造方法に関し、特に透
湿性と強度に優れ、例えば、通気工法の木造家屋の壁中
に形成される断熱層と外壁との間に結露防止のために形
成される通気層と前記断熱層とを区画する防風層として
好適に使用される繊維板およびその製造方法に関する。
材、床材、床下地材、畳材、屋根下地材、天井材、住宅
内装材および内装下地材、建築用断熱材、胴縁材、遮音
材、吸音材、緩衝材、衝撃吸収材などの建材、更には、
コンクリート型枠材、積載用パレット、自動車などの車
両内装材および内装下地材、家具材などに用いられる木
質系繊維板類似の繊維板とその製造方法に関し、特に透
湿性と強度に優れ、例えば、通気工法の木造家屋の壁中
に形成される断熱層と外壁との間に結露防止のために形
成される通気層と前記断熱層とを区画する防風層として
好適に使用される繊維板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通気工法の木造家屋では、一般的に壁中
にグラスウールなどの繊維系の断熱層が設けられ、室内
の水蒸気を室外へ逃すために、外壁と断熱層との間に通
気層を形成することにより、断熱層を透過した室内の水
蒸気が通気層を通って軒下から屋外へ拡散するようにし
ている。その場合、通常は、この断熱層と通気層を区画
し、かつ、断熱層を保持するために、防風層が断熱層と
通気層との間に設けられている。この防風層は、断熱層
を保持する機能を有する以外に、断熱層を透過した水蒸
気を通気層へスムーズに透過させ得るものであることが
必要であり、従って、強度と透湿性が優れているものが
要求される。
にグラスウールなどの繊維系の断熱層が設けられ、室内
の水蒸気を室外へ逃すために、外壁と断熱層との間に通
気層を形成することにより、断熱層を透過した室内の水
蒸気が通気層を通って軒下から屋外へ拡散するようにし
ている。その場合、通常は、この断熱層と通気層を区画
し、かつ、断熱層を保持するために、防風層が断熱層と
通気層との間に設けられている。この防風層は、断熱層
を保持する機能を有する以外に、断熱層を透過した水蒸
気を通気層へスムーズに透過させ得るものであることが
必要であり、従って、強度と透湿性が優れているものが
要求される。
【0003】この防風層として、従来、例えば、ポリエ
チレン製の不織布が使われてきたが、この強度が不足し
ているため、断熱層がグラスウールなどからなる場合に
は、断熱層の膨張力に押されてこの不織布が膨出変形
し、通気層を狭めるという欠点がある。このことは特に
寒冷地において、グラスウールなどを多量に詰め込んだ
ときに起こり易い〔建築工事標準仕様書・同解説JAS
S24断熱工事(日本建築学会編)参照〕。そこで、木
質繊維板のなかでも比較的密度が小さく、しかも通気性
を有する軟質繊維板の一種であるシージングボードを断
熱層の外側に当て、その端辺を柱、間柱、梁、桁、また
はブレース(胴縁、筋違などの補強材)などの構造材に
固定することにより、ある程度の強度を有した防風層を
形成している。
チレン製の不織布が使われてきたが、この強度が不足し
ているため、断熱層がグラスウールなどからなる場合に
は、断熱層の膨張力に押されてこの不織布が膨出変形
し、通気層を狭めるという欠点がある。このことは特に
寒冷地において、グラスウールなどを多量に詰め込んだ
ときに起こり易い〔建築工事標準仕様書・同解説JAS
S24断熱工事(日本建築学会編)参照〕。そこで、木
質繊維板のなかでも比較的密度が小さく、しかも通気性
を有する軟質繊維板の一種であるシージングボードを断
熱層の外側に当て、その端辺を柱、間柱、梁、桁、また
はブレース(胴縁、筋違などの補強材)などの構造材に
固定することにより、ある程度の強度を有した防風層を
形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のシー
ジングボードは、断熱層の膨張力には耐え得ても、それ
自体が構造用面材として機能するほどの強度は有してい
ない。従って、シージングボード周辺の構造部分の強度
は、専らシージングボード以外の上記構造部材に頼るし
かなかった。
ジングボードは、断熱層の膨張力には耐え得ても、それ
自体が構造用面材として機能するほどの強度は有してい
ない。従って、シージングボード周辺の構造部分の強度
は、専らシージングボード以外の上記構造部材に頼るし
かなかった。
【0005】また、特開平8−336816号公報に
は、防風層として、ヤシ繊維からなる繊維マットに熱硬
化性樹脂を付着させ、これを熱圧縮成形した、強度と透
湿性を兼ね備えた繊維板が開示されている。ところが、
前記の繊維マットに付着させる熱硬化性樹脂として硬化
触媒が必要なアミノ樹脂を用いる場合、通常、樹脂に硬
化触媒を混合して水などで希釈して、例えば、スプレー
ガンにより繊維マットに塗布されるが、熱硬化性樹脂を
硬化触媒に混合して長時間経過すると、タンク内、配管
内で硬化性樹脂が硬化するといった問題がある。この問
題は、繊維板製造の作業性低下だけではなく、熱硬化性
樹脂の歩留まり低下の原因ともなる。特に東南アジアな
どの高温条件下で繊維板を製造する場合には、この問題
が顕著となる。
は、防風層として、ヤシ繊維からなる繊維マットに熱硬
化性樹脂を付着させ、これを熱圧縮成形した、強度と透
湿性を兼ね備えた繊維板が開示されている。ところが、
前記の繊維マットに付着させる熱硬化性樹脂として硬化
触媒が必要なアミノ樹脂を用いる場合、通常、樹脂に硬
化触媒を混合して水などで希釈して、例えば、スプレー
ガンにより繊維マットに塗布されるが、熱硬化性樹脂を
硬化触媒に混合して長時間経過すると、タンク内、配管
内で硬化性樹脂が硬化するといった問題がある。この問
題は、繊維板製造の作業性低下だけではなく、熱硬化性
樹脂の歩留まり低下の原因ともなる。特に東南アジアな
どの高温条件下で繊維板を製造する場合には、この問題
が顕著となる。
【0006】本発明は、上記の問題を解決しようとする
ものであり、その目的は、強度が高く透湿性が良好であ
り、防風層に適した繊維板を製造するに際し、樹脂塗布
工程でタンク内、配管内で樹脂が硬化するといった問題
が発生しないような、繊維板の製造方法を提供すること
にある。
ものであり、その目的は、強度が高く透湿性が良好であ
り、防風層に適した繊維板を製造するに際し、樹脂塗布
工程でタンク内、配管内で樹脂が硬化するといった問題
が発生しないような、繊維板の製造方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの課
題を解決するために鋭意検討を行った結果、ヤシ繊維に
熱硬化性樹脂を付着させた繊維マットを熱圧縮成形して
繊維板を製造するに際し、熱硬化性樹脂としてアミノ樹
脂を用い、硬化触媒とアミノ樹脂とを別々に塗布する方
法を見いだし、本発明を完成するに到った。
題を解決するために鋭意検討を行った結果、ヤシ繊維に
熱硬化性樹脂を付着させた繊維マットを熱圧縮成形して
繊維板を製造するに際し、熱硬化性樹脂としてアミノ樹
脂を用い、硬化触媒とアミノ樹脂とを別々に塗布する方
法を見いだし、本発明を完成するに到った。
【0008】即ち、本発明は、以下の通りである。 (1)アミノ樹脂とアミノ樹脂硬化触媒とをヤシ繊維を
主成分とする繊維に別々に付着させ、熱圧縮成形するこ
とを特徴とする繊維板の製造方法。 (2)ヤシ繊維を主成分とする繊維マットの少なくとも
1表面および/または内部に、編織物または不織布など
の繊維製シート状物を配置し、アミノ樹脂とアミノ樹脂
硬化触媒とを別々に付着させ、熱圧縮成形することを特
徴とする繊維板の製造方法。 (3)アミノ樹脂硬化触媒が塩化アンモニウムである上
記(1)または(2)に記載の繊維板の製造方法。 (4)ヤシ繊維が油ヤシから解繊された繊維である上記
(1)〜(3)のいずれかに記載の繊維板の製造方法。 (5)アミノ樹脂が、ユリア樹脂、メラミン樹脂、およ
びユリア−メラミン共重合樹脂からなる群より選ばれる
少なくとも1種である上記(1)〜(4)のいずれかに
記載の繊維板の製造方法。 (6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法によ
り製造されてなり、曲げ強さが3〜50N/mm2 であ
る繊維板。なお、本発明における前記曲げ強さは、JI
S−A−5905の測定方法に準じて測定される値であ
る。 (7)透湿係数が0.1〜10μg/(m2 ・s・P
a)である上記(6)記載の繊維板。なお、本発明にお
ける前記透湿係数は、JIS−Z−0208の測定方法
に準じて測定される値である。
主成分とする繊維に別々に付着させ、熱圧縮成形するこ
とを特徴とする繊維板の製造方法。 (2)ヤシ繊維を主成分とする繊維マットの少なくとも
1表面および/または内部に、編織物または不織布など
の繊維製シート状物を配置し、アミノ樹脂とアミノ樹脂
硬化触媒とを別々に付着させ、熱圧縮成形することを特
徴とする繊維板の製造方法。 (3)アミノ樹脂硬化触媒が塩化アンモニウムである上
記(1)または(2)に記載の繊維板の製造方法。 (4)ヤシ繊維が油ヤシから解繊された繊維である上記
(1)〜(3)のいずれかに記載の繊維板の製造方法。 (5)アミノ樹脂が、ユリア樹脂、メラミン樹脂、およ
びユリア−メラミン共重合樹脂からなる群より選ばれる
少なくとも1種である上記(1)〜(4)のいずれかに
記載の繊維板の製造方法。 (6)上記(1)〜(5)のいずれかに記載の方法によ
り製造されてなり、曲げ強さが3〜50N/mm2 であ
る繊維板。なお、本発明における前記曲げ強さは、JI
S−A−5905の測定方法に準じて測定される値であ
る。 (7)透湿係数が0.1〜10μg/(m2 ・s・P
a)である上記(6)記載の繊維板。なお、本発明にお
ける前記透湿係数は、JIS−Z−0208の測定方法
に準じて測定される値である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を更に詳細に説明す
る。上記のように、本発明に係る繊維板は、アミノ樹脂
を付着させたヤシ繊維を主成分とする繊維を熱圧縮成形
するものであり、例えば前記ヤシ繊維を主成分とする繊
維から繊維マットを形成し、該繊維マットを熱圧縮成形
するものである。
る。上記のように、本発明に係る繊維板は、アミノ樹脂
を付着させたヤシ繊維を主成分とする繊維を熱圧縮成形
するものであり、例えば前記ヤシ繊維を主成分とする繊
維から繊維マットを形成し、該繊維マットを熱圧縮成形
するものである。
【0010】本発明で用いるヤシ繊維とは、ココヤシ、
油ヤシ、サゴヤシ、ナツメヤシ、オウギヤシ、ニッパヤ
シ、サトウヤシ、クジャクヤシ、シュロ、トウジュロ、
クロツグなどのヤシ科の植物から採取される繊維状樹
皮、葉柄基部繊維、中果皮繊維などの繊維をいい、これ
には油ヤシの空果房を解繊して得る繊維が含まれる。ま
た、2種以上のヤシ繊維を混合したものも含む。
油ヤシ、サゴヤシ、ナツメヤシ、オウギヤシ、ニッパヤ
シ、サトウヤシ、クジャクヤシ、シュロ、トウジュロ、
クロツグなどのヤシ科の植物から採取される繊維状樹
皮、葉柄基部繊維、中果皮繊維などの繊維をいい、これ
には油ヤシの空果房を解繊して得る繊維が含まれる。ま
た、2種以上のヤシ繊維を混合したものも含む。
【0011】本発明においては、ヤシ繊維として油ヤシ
繊維を使用することが好ましい。この油ヤシ繊維は、油
ヤシの空果房を解繊して得られるものである。油ヤシ繊
維は他の種類のヤシ繊維に比して解繊などに要する労力
が少なく、そのために製造に要するエネルギーが節減で
きて、コスト安となる。例えば、ココヤシでは、ヤシ穀
を軟化させるために長期間水中に浸漬し、その後に機械
的に繊維状に解繊するために長期間多大のエネルギーを
必要とする。これに対して油ヤシでは、もともと繊維状
のままで集合体となっている空果房を解繊するから、水
中浸積の必要はなく、解繊のために要するエネルギーも
非常に少なくて済む。また、油ヤシのヤシ繊維はココヤ
シのヤシ繊維に比して発塵性が少なく、その取扱いにお
いて作業環境の悪化が避けられ好ましい。さらに、油ヤ
シの果実からは油ヤシ油を搾取するが、このヤシ油を採
取した後に残る空果房には現在のところ特定の用途がな
く、通常は廃棄される運命にあるので、低コストで入手
できる。
繊維を使用することが好ましい。この油ヤシ繊維は、油
ヤシの空果房を解繊して得られるものである。油ヤシ繊
維は他の種類のヤシ繊維に比して解繊などに要する労力
が少なく、そのために製造に要するエネルギーが節減で
きて、コスト安となる。例えば、ココヤシでは、ヤシ穀
を軟化させるために長期間水中に浸漬し、その後に機械
的に繊維状に解繊するために長期間多大のエネルギーを
必要とする。これに対して油ヤシでは、もともと繊維状
のままで集合体となっている空果房を解繊するから、水
中浸積の必要はなく、解繊のために要するエネルギーも
非常に少なくて済む。また、油ヤシのヤシ繊維はココヤ
シのヤシ繊維に比して発塵性が少なく、その取扱いにお
いて作業環境の悪化が避けられ好ましい。さらに、油ヤ
シの果実からは油ヤシ油を搾取するが、このヤシ油を採
取した後に残る空果房には現在のところ特定の用途がな
く、通常は廃棄される運命にあるので、低コストで入手
できる。
【0012】また、上記のヤシ繊維の中でも、油ヤシの
ヤシ繊維は直径が約100〜600μmと太いので、こ
れを用いて繊維マットにすると、繊維充填密度にもよる
が、繊維間に、例えば、100μm〜5mm程度、好ま
しくは、200μm〜3mm程度の大きさの隙間が形成
される。従って、油ヤシのヤシ繊維から得た繊維マッ
ト、さらには、その繊維マットを圧縮成形した繊維板の
透湿性は極めて良いものとなる。
ヤシ繊維は直径が約100〜600μmと太いので、こ
れを用いて繊維マットにすると、繊維充填密度にもよる
が、繊維間に、例えば、100μm〜5mm程度、好ま
しくは、200μm〜3mm程度の大きさの隙間が形成
される。従って、油ヤシのヤシ繊維から得た繊維マッ
ト、さらには、その繊維マットを圧縮成形した繊維板の
透湿性は極めて良いものとなる。
【0013】さらに、油ヤシのヤシ繊維は、その単体の
剛性度が高く、またその直径が上述のように太く、長さ
も約5〜30cmと長く、しかも屈曲しており、さらに
繊維同士のからまりも大きいことから、油ヤシのヤシ繊
維から得た繊維板は釘を打ち付けた場合の保持力に優れ
る。
剛性度が高く、またその直径が上述のように太く、長さ
も約5〜30cmと長く、しかも屈曲しており、さらに
繊維同士のからまりも大きいことから、油ヤシのヤシ繊
維から得た繊維板は釘を打ち付けた場合の保持力に優れ
る。
【0014】繊維マットには、上記のヤシ繊維に加え
て、他の繊維を配合してもよく、例えば、麻繊維、竹繊
維などの植物性天然繊維をヤシ繊維に混合して使用でき
る。この場合、ヤシ繊維の直径は約100〜600μm
と麻繊維、竹繊維などの植物性天然繊維に較べて太いた
め、麻繊維、竹繊維などの植物性天然繊維がヤシ繊維の
交差部分に絡まり、ヤシ繊維どうしの結合強度が高ま
る。これらの繊維は、ヤシ繊維100部(重量部、以下
同じ)に対し、好ましくは5〜30部使用される。
て、他の繊維を配合してもよく、例えば、麻繊維、竹繊
維などの植物性天然繊維をヤシ繊維に混合して使用でき
る。この場合、ヤシ繊維の直径は約100〜600μm
と麻繊維、竹繊維などの植物性天然繊維に較べて太いた
め、麻繊維、竹繊維などの植物性天然繊維がヤシ繊維の
交差部分に絡まり、ヤシ繊維どうしの結合強度が高ま
る。これらの繊維は、ヤシ繊維100部(重量部、以下
同じ)に対し、好ましくは5〜30部使用される。
【0015】繊維マットを形成するには、ニードルパン
チなどによりヤシ繊維などを不織布様または、三次元編
組織状に絡み合わせる処理を行って剥離強度を上げ、さ
らに必要に応じてプレスまたは熱プレスなどにより繊維
マットを繊密にする。なお、この繊維マットの厚みは、
樹脂を付着させて熱圧縮成形を行うに際し、通常5mm
〜20mm程度にしておくと使いやすいが、勿論これに
限定されることなく、用途に応じて任意に設定すればよ
く、また複数枚重ねて使用してもよい。
チなどによりヤシ繊維などを不織布様または、三次元編
組織状に絡み合わせる処理を行って剥離強度を上げ、さ
らに必要に応じてプレスまたは熱プレスなどにより繊維
マットを繊密にする。なお、この繊維マットの厚みは、
樹脂を付着させて熱圧縮成形を行うに際し、通常5mm
〜20mm程度にしておくと使いやすいが、勿論これに
限定されることなく、用途に応じて任意に設定すればよ
く、また複数枚重ねて使用してもよい。
【0016】このようなヤシ繊維を主成分とする繊維マ
ット内には、硬化したアミノ樹脂が含まれて、繊維板と
なっている。この硬化したアミノ樹脂は、繊維板中の繊
維どうしの接着剤および繊維マットのバインダーの役割
を果たすものである。このような構成により、繊維板の
強度が良好なものとなる。このような繊維板は、一般的
に、繊維マットにアミノ樹脂を付着させてこれを硬化さ
せて得るが、大抵の場合、アミノ樹脂は水溶液の状態で
使用される。
ット内には、硬化したアミノ樹脂が含まれて、繊維板と
なっている。この硬化したアミノ樹脂は、繊維板中の繊
維どうしの接着剤および繊維マットのバインダーの役割
を果たすものである。このような構成により、繊維板の
強度が良好なものとなる。このような繊維板は、一般的
に、繊維マットにアミノ樹脂を付着させてこれを硬化さ
せて得るが、大抵の場合、アミノ樹脂は水溶液の状態で
使用される。
【0017】本発明で使用されるアミノ樹脂としては、
例えば、ユリア樹脂(尿素樹脂)、メラミン樹脂、ユリ
ア−メラミン共重合樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、およ
びアセトグアナミン樹脂が例示されるが、これらの中で
も、ユリア樹脂は、安価であると共に、硬化により繊維
マット中の繊維どうしの接着性が特に良好となるので好
ましい。また、メラミン樹脂は、特に耐水性が良好であ
り、さらにユリア−メラミン共重合樹脂は、特に安価で
耐水性が良好であるので好適に使用される。
例えば、ユリア樹脂(尿素樹脂)、メラミン樹脂、ユリ
ア−メラミン共重合樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、およ
びアセトグアナミン樹脂が例示されるが、これらの中で
も、ユリア樹脂は、安価であると共に、硬化により繊維
マット中の繊維どうしの接着性が特に良好となるので好
ましい。また、メラミン樹脂は、特に耐水性が良好であ
り、さらにユリア−メラミン共重合樹脂は、特に安価で
耐水性が良好であるので好適に使用される。
【0018】本発明の繊維板は、例えば以下の方法によ
り製造される。すなわち、アミノ樹脂とその溶媒として
の水を配合したアミノ樹脂水溶液と、アミノ樹脂硬化触
媒とその溶媒としての水を配合したアミノ樹脂硬化触媒
水溶液とを、それぞれ別々に調製する。そして、前記ア
ミノ樹脂水溶液とアミノ樹脂硬化触媒水溶液とを同一の
タンク内で混合することなく、別々のスプレー装置など
により、別々に塗布して繊維マットに付着させる。すな
わち、アミノ樹脂とアミノ樹脂硬化触媒とを混合するこ
となく繊維マットに別々に付着させることが好ましい。
り製造される。すなわち、アミノ樹脂とその溶媒として
の水を配合したアミノ樹脂水溶液と、アミノ樹脂硬化触
媒とその溶媒としての水を配合したアミノ樹脂硬化触媒
水溶液とを、それぞれ別々に調製する。そして、前記ア
ミノ樹脂水溶液とアミノ樹脂硬化触媒水溶液とを同一の
タンク内で混合することなく、別々のスプレー装置など
により、別々に塗布して繊維マットに付着させる。すな
わち、アミノ樹脂とアミノ樹脂硬化触媒とを混合するこ
となく繊維マットに別々に付着させることが好ましい。
【0019】アミノ樹脂水溶液の固形分濃度は、20〜
70重量%、好ましくは30〜65重量%、更に好まし
くは40〜60重量%である。アミノ樹脂水溶液の固形
分濃度が20重量%未満では、アミノ樹脂が水中で分離
して沈積し不均一になるといった問題が発生する場合が
あるので好ましくない。アミノ樹脂水溶液の固形分濃度
が70重量%を超えると水溶液が高粘度となり、スプレ
ー法による塗布が困難となる場合があるので好ましくな
い。
70重量%、好ましくは30〜65重量%、更に好まし
くは40〜60重量%である。アミノ樹脂水溶液の固形
分濃度が20重量%未満では、アミノ樹脂が水中で分離
して沈積し不均一になるといった問題が発生する場合が
あるので好ましくない。アミノ樹脂水溶液の固形分濃度
が70重量%を超えると水溶液が高粘度となり、スプレ
ー法による塗布が困難となる場合があるので好ましくな
い。
【0020】アミノ樹脂硬化触媒水溶液の固形分濃度
は、用いるアミノ樹脂硬化触媒の溶解度とアミノ樹脂へ
の添加部数にもよるが、0.6〜10重量%程度にして
おくと使いやすい。
は、用いるアミノ樹脂硬化触媒の溶解度とアミノ樹脂へ
の添加部数にもよるが、0.6〜10重量%程度にして
おくと使いやすい。
【0021】アミノ樹脂水溶液とアミノ樹脂硬化触媒水
溶液との塗布の順番は、アミノ樹脂水溶液を先に繊維マ
ットに塗布したのち、アミノ樹脂硬化触媒水溶液を繊維
マットに塗布する方が、アミノ樹脂水溶液を回収して再
度塗布する場合に、アミノ樹脂硬化触媒がアミノ樹脂水
溶液に混ざることがなく、配管内でアミノ樹脂が硬化し
ないので好ましいが、アミノ樹脂水溶液を回収して再塗
布しない場合は、その順番を入れ替えてもよいし、ま
た、同時に異なるスプレー装置により繊維マットに塗布
してもよい。
溶液との塗布の順番は、アミノ樹脂水溶液を先に繊維マ
ットに塗布したのち、アミノ樹脂硬化触媒水溶液を繊維
マットに塗布する方が、アミノ樹脂水溶液を回収して再
度塗布する場合に、アミノ樹脂硬化触媒がアミノ樹脂水
溶液に混ざることがなく、配管内でアミノ樹脂が硬化し
ないので好ましいが、アミノ樹脂水溶液を回収して再塗
布しない場合は、その順番を入れ替えてもよいし、ま
た、同時に異なるスプレー装置により繊維マットに塗布
してもよい。
【0022】熱圧縮成形時の温度、時間、圧縮率は、使
用するアミノ樹脂やアミノ樹脂硬化触媒の種類、その使
用量、繊維板の厚み、繊維板に要求される強度などによ
るが、好ましくは、温度は120〜200℃、時間は3
〜15分、圧縮率は1/10〜1/2程度である。
用するアミノ樹脂やアミノ樹脂硬化触媒の種類、その使
用量、繊維板の厚み、繊維板に要求される強度などによ
るが、好ましくは、温度は120〜200℃、時間は3
〜15分、圧縮率は1/10〜1/2程度である。
【0023】上記アミノ樹脂硬化触媒の配合量は、アミ
ノ樹脂100部に対して、好ましくは、固形分で0.1
〜10部、より好ましくは0.3〜3部である。この硬
化触媒の配合量が0.1部未満の場合、アミノ樹脂の硬
化度が低くなって繊維板の強度が劣り、触媒の配合量が
10部を超えても繊維板の強度の向上はなくコストが高
くなり、好ましくない。
ノ樹脂100部に対して、好ましくは、固形分で0.1
〜10部、より好ましくは0.3〜3部である。この硬
化触媒の配合量が0.1部未満の場合、アミノ樹脂の硬
化度が低くなって繊維板の強度が劣り、触媒の配合量が
10部を超えても繊維板の強度の向上はなくコストが高
くなり、好ましくない。
【0024】アミノ樹脂の使用量は、繊維マットを構成
する繊維100部に対して、好ましくは5〜100部、
より好ましくは5〜30部、特に好ましくは10〜30
部である。アミノ樹脂の使用量が5部未満では、使用量
が少なすぎるために密度が小さくなって強度が不足する
場合があり、例えば密度が0.2g/cm3 未満では、
曲げ強さは3N/mm2 未満と低くなる。逆に使用量が
100部を超えると、使用量が多すぎるために、繊維板
の密度が大きくなって通気性が不足する場合があり、例
えば密度が1.5g/cm3 を超えると、厚さ9mmで
は透湿係数が0.1μg/(m2 ・s・Pa)未満と低
くなり、これでは防風層として用いたときに結露する可
能性が大きくなるので、好ましくない。したがって、ア
ミノ樹脂の使用量が上述の範囲になるように、繊維マッ
トに付着させる。
する繊維100部に対して、好ましくは5〜100部、
より好ましくは5〜30部、特に好ましくは10〜30
部である。アミノ樹脂の使用量が5部未満では、使用量
が少なすぎるために密度が小さくなって強度が不足する
場合があり、例えば密度が0.2g/cm3 未満では、
曲げ強さは3N/mm2 未満と低くなる。逆に使用量が
100部を超えると、使用量が多すぎるために、繊維板
の密度が大きくなって通気性が不足する場合があり、例
えば密度が1.5g/cm3 を超えると、厚さ9mmで
は透湿係数が0.1μg/(m2 ・s・Pa)未満と低
くなり、これでは防風層として用いたときに結露する可
能性が大きくなるので、好ましくない。したがって、ア
ミノ樹脂の使用量が上述の範囲になるように、繊維マッ
トに付着させる。
【0025】上記の樹脂および硬化触媒には、さらに各
種添加剤を配合してもよく、例えば、可塑剤、充填材、
補強剤、垂れ防止剤、着色剤、老化防止剤、ワックス、
物性調整材を配合しうる。
種添加剤を配合してもよく、例えば、可塑剤、充填材、
補強剤、垂れ防止剤、着色剤、老化防止剤、ワックス、
物性調整材を配合しうる。
【0026】上記繊維マットの繊維間には大きな隙間が
形成されているので、スプレーにより、繊維マットにア
ミノ樹脂水溶液とアミノ樹脂硬化触媒を供給すると、隙
間を介して繊維マットの全繊維にまんべんなく付着す
る。そして、この繊維マットを熱圧縮成形すると、圧縮
により繊維マット中の繊維どうしの接触が多くなると同
時に熱によりアミノ樹脂が硬化し、その結果、繊維どう
しが強く接着するので、均一で高い強度の繊維板が得ら
れる。そして、この繊維板においては、繊維間に比較的
大きな隙間が形成されているから、透湿性が極めて良い
ものとなる。従って、この繊維板を防風層に用いると、
高い透湿性により水蒸気を通気層へスムーズに透過させ
ることができるとともに、高い強度により断熱層を安定
して保持できるのは勿論のこと、この繊維板によって防
風層周辺の構造部分を補強することができる。
形成されているので、スプレーにより、繊維マットにア
ミノ樹脂水溶液とアミノ樹脂硬化触媒を供給すると、隙
間を介して繊維マットの全繊維にまんべんなく付着す
る。そして、この繊維マットを熱圧縮成形すると、圧縮
により繊維マット中の繊維どうしの接触が多くなると同
時に熱によりアミノ樹脂が硬化し、その結果、繊維どう
しが強く接着するので、均一で高い強度の繊維板が得ら
れる。そして、この繊維板においては、繊維間に比較的
大きな隙間が形成されているから、透湿性が極めて良い
ものとなる。従って、この繊維板を防風層に用いると、
高い透湿性により水蒸気を通気層へスムーズに透過させ
ることができるとともに、高い強度により断熱層を安定
して保持できるのは勿論のこと、この繊維板によって防
風層周辺の構造部分を補強することができる。
【0027】本発明の繊維板の製造には、例えば、以下
のような装置を用いることができる。すなわち、ベルト
コンベヤの上流側の上方に必要な数だけホッパをベルト
進行方向に直列に設け、ホッパの下流側にニードルパン
チ装置を、さらにその下流側のベルトコンベヤの上方と
下方に樹脂用スプレーガンを、さらにその下流側に触媒
用スプレーガンを設置したものである。前記ホッパには
ヤシ繊維を入れ、樹脂用スプレーガンにアミノ樹脂水溶
液を、また、触媒用スプレーガンにアミノ樹脂硬化触媒
水溶液を加圧供給しておく。そして、ベルトコンベヤの
稼働と同時に各ホッパからベルトコンベヤ上にヤシ繊維
を落下供給したのち、ニードルパンチ装置によりニード
ルパンチしてヤシ繊維を絡み合わせる処理を行なって繊
維マットを形成し、次いで樹脂用スプレーガンから、上
記のアミノ樹脂水溶液を繊維マットへスプレー塗布す
る。続いて、触媒用スプレーガンから、上記のアミノ樹
脂硬化触媒水溶液をスプレー塗布する。次いで、熱プレ
スなどにより、前記アミノ樹脂水溶液およびアミノ樹脂
硬化触媒水溶液を塗布した繊維マットを熱圧縮成形して
繊維板を得る。熱圧縮成形は、加熱圧着ローラあるいは
ベルトプレスなどにより連続成形する方法と、単段ある
いは多段プレスによりバッチ式で繰り返し成形する方法
がある。
のような装置を用いることができる。すなわち、ベルト
コンベヤの上流側の上方に必要な数だけホッパをベルト
進行方向に直列に設け、ホッパの下流側にニードルパン
チ装置を、さらにその下流側のベルトコンベヤの上方と
下方に樹脂用スプレーガンを、さらにその下流側に触媒
用スプレーガンを設置したものである。前記ホッパには
ヤシ繊維を入れ、樹脂用スプレーガンにアミノ樹脂水溶
液を、また、触媒用スプレーガンにアミノ樹脂硬化触媒
水溶液を加圧供給しておく。そして、ベルトコンベヤの
稼働と同時に各ホッパからベルトコンベヤ上にヤシ繊維
を落下供給したのち、ニードルパンチ装置によりニード
ルパンチしてヤシ繊維を絡み合わせる処理を行なって繊
維マットを形成し、次いで樹脂用スプレーガンから、上
記のアミノ樹脂水溶液を繊維マットへスプレー塗布す
る。続いて、触媒用スプレーガンから、上記のアミノ樹
脂硬化触媒水溶液をスプレー塗布する。次いで、熱プレ
スなどにより、前記アミノ樹脂水溶液およびアミノ樹脂
硬化触媒水溶液を塗布した繊維マットを熱圧縮成形して
繊維板を得る。熱圧縮成形は、加熱圧着ローラあるいは
ベルトプレスなどにより連続成形する方法と、単段ある
いは多段プレスによりバッチ式で繰り返し成形する方法
がある。
【0028】本発明の繊維板の厚さは、繊維板に要求さ
れる強度、透湿性に応じて適宜選択されるが、好ましく
は3mm〜25mm、より好ましくは9〜20mmであ
る。この厚さが3mm未満の場合、強度が不足すること
があり、逆に25mmを超える場合、熱圧縮成形が困難
となる場合がある。
れる強度、透湿性に応じて適宜選択されるが、好ましく
は3mm〜25mm、より好ましくは9〜20mmであ
る。この厚さが3mm未満の場合、強度が不足すること
があり、逆に25mmを超える場合、熱圧縮成形が困難
となる場合がある。
【0029】また、繊維板の密度は、繊維板に要求され
る強度、透湿性に応じて適宜選択されるが、好ましくは
0.2g/cm3 〜1.5g/cm3 、より好ましくは
0.3g/cm3 〜1.0g/cm3 、特に好ましく
は、0.35g/cm3 〜0.7g/cm3 である。繊
維板の密度が0.2g/cm3 未満では、例えば曲げ強
さが3N/mm2 未満となってJIS−A−5905の
繊維板のなかのシージングボードとしての品質を満足し
なくなる場合があり、逆に1.5g/cm3 を超える場
合、通気性が不足し、また、圧縮力の増大により繊維板
が圧縮破壊する可能性が大きくなるために熱圧縮成形に
よって得るのが困難となり易く、また重くなり過ぎて持
ち運びなどの取扱い性が悪くなる場合があるので、好ま
しくない。
る強度、透湿性に応じて適宜選択されるが、好ましくは
0.2g/cm3 〜1.5g/cm3 、より好ましくは
0.3g/cm3 〜1.0g/cm3 、特に好ましく
は、0.35g/cm3 〜0.7g/cm3 である。繊
維板の密度が0.2g/cm3 未満では、例えば曲げ強
さが3N/mm2 未満となってJIS−A−5905の
繊維板のなかのシージングボードとしての品質を満足し
なくなる場合があり、逆に1.5g/cm3 を超える場
合、通気性が不足し、また、圧縮力の増大により繊維板
が圧縮破壊する可能性が大きくなるために熱圧縮成形に
よって得るのが困難となり易く、また重くなり過ぎて持
ち運びなどの取扱い性が悪くなる場合があるので、好ま
しくない。
【0030】また、繊維板の目付は、厚さや密度により
設定されるが、例えば、繊維板の厚さが9mmの場合、
密度が0.3g/cm3 で目付2.7kg/m2 とな
り、密度が0.6g/cm3 では目付5.4kg/m2
となる。
設定されるが、例えば、繊維板の厚さが9mmの場合、
密度が0.3g/cm3 で目付2.7kg/m2 とな
り、密度が0.6g/cm3 では目付5.4kg/m2
となる。
【0031】本発明の繊維板は強度が優れたものであ
り、その曲げ強さは、3〜50N/mm2 、好ましくは
10〜40N/mm2 、更に好ましくは、15〜30N
/mm 2 という性能を有するものである。
り、その曲げ強さは、3〜50N/mm2 、好ましくは
10〜40N/mm2 、更に好ましくは、15〜30N
/mm 2 という性能を有するものである。
【0032】また、本発明の繊維板は、強度に加えて透
湿性も兼ね備えたものであり、その透湿係数は、好まし
くは0.1〜10μg/(m2 ・s・Pa)、さらに好
ましくは0.2〜8μg/(m2 ・s・Pa)、特に好
ましくは0.5〜5μg/(m2 ・s・Pa)という性
能を有するものである。
湿性も兼ね備えたものであり、その透湿係数は、好まし
くは0.1〜10μg/(m2 ・s・Pa)、さらに好
ましくは0.2〜8μg/(m2 ・s・Pa)、特に好
ましくは0.5〜5μg/(m2 ・s・Pa)という性
能を有するものである。
【0033】本発明においては、上述したような、アミ
ノ樹脂水溶液とアミノ樹脂硬化触媒水溶液を混合するこ
となく別々に塗布し、熱圧縮成形する方法に加えて、繊
維マットに付着させるアミノ樹脂の量、繊維マットに使
用される繊維の太さ、熱圧縮成形時の圧縮率などを選択
して、得られる繊維板の密度、換言すれば繊維間の隙間
の大きさを上記範囲にコントロールすることにより、強
度と透湿性とが両立した繊維板を得ることができる。具
体的には、主成分であるヤシ繊維の太さを100〜60
0μm程度、使用するアミノ樹脂を、繊維マットを構成
する繊維100部に対して5〜100部、熱圧縮成形時
の圧縮率を1/10〜1/2として、繊維の密度を約
0.2〜1.5g/cm3 とコントロールすることによ
り、繊維板中の繊維間の隙間を好ましくは1〜100μ
m程度、より好ましくは5〜50μm程度とすることが
でき、上記の曲げ強さおよび透湿係数を有し、通気性を
有するが雨を通さず、かつ強度にも優れた繊維板を製造
することができる。従って、この繊維板によれば、施工
状況に応じて最適な防風層を形成することができる。
ノ樹脂水溶液とアミノ樹脂硬化触媒水溶液を混合するこ
となく別々に塗布し、熱圧縮成形する方法に加えて、繊
維マットに付着させるアミノ樹脂の量、繊維マットに使
用される繊維の太さ、熱圧縮成形時の圧縮率などを選択
して、得られる繊維板の密度、換言すれば繊維間の隙間
の大きさを上記範囲にコントロールすることにより、強
度と透湿性とが両立した繊維板を得ることができる。具
体的には、主成分であるヤシ繊維の太さを100〜60
0μm程度、使用するアミノ樹脂を、繊維マットを構成
する繊維100部に対して5〜100部、熱圧縮成形時
の圧縮率を1/10〜1/2として、繊維の密度を約
0.2〜1.5g/cm3 とコントロールすることによ
り、繊維板中の繊維間の隙間を好ましくは1〜100μ
m程度、より好ましくは5〜50μm程度とすることが
でき、上記の曲げ強さおよび透湿係数を有し、通気性を
有するが雨を通さず、かつ強度にも優れた繊維板を製造
することができる。従って、この繊維板によれば、施工
状況に応じて最適な防風層を形成することができる。
【0034】本発明においては、繊維板にさらに強度を
付与するために、ヤシ繊維を主成分とする繊維マット
と、編織物および/または不織布などの繊維製シート状
物とを積層して熱圧縮成形してもよい。この場合、繊維
マットの片面または両面並びに繊維マット間に編織物お
よび/または不織布などの繊維製シート状物を積層して
もよいし、また、複数の繊維マットと前記繊維製シート
状物とを順次交互に積層してもよい。
付与するために、ヤシ繊維を主成分とする繊維マット
と、編織物および/または不織布などの繊維製シート状
物とを積層して熱圧縮成形してもよい。この場合、繊維
マットの片面または両面並びに繊維マット間に編織物お
よび/または不織布などの繊維製シート状物を積層して
もよいし、また、複数の繊維マットと前記繊維製シート
状物とを順次交互に積層してもよい。
【0035】さらに、繊維マットの作成時に、ニードル
パンチする前に、ヤシ繊維の上、または下、さらには上
下に前記繊維製シート状物を配置し、これをニードルパ
ンチなどによる処理をして、繊維マットと繊維製シート
状物を積層したものを使用してもよい。
パンチする前に、ヤシ繊維の上、または下、さらには上
下に前記繊維製シート状物を配置し、これをニードルパ
ンチなどによる処理をして、繊維マットと繊維製シート
状物を積層したものを使用してもよい。
【0036】尚、アミノ樹脂は、繊維マット中の繊維ど
うしの接着剤および繊維マットのバインダーの役割を果
たすと同時に、編織物および/または不織布などの繊維
製シート状物のバインダー、該繊維製シート状物と繊維
マットとの接着剤、更には繊維板全体のバインダーとし
て働く。
うしの接着剤および繊維マットのバインダーの役割を果
たすと同時に、編織物および/または不織布などの繊維
製シート状物のバインダー、該繊維製シート状物と繊維
マットとの接着剤、更には繊維板全体のバインダーとし
て働く。
【0037】本発明で使用される編織物および/または
不織布などのシート状物は、植物繊維、合成繊維、鉱物
繊維などからなるものである。
不織布などのシート状物は、植物繊維、合成繊維、鉱物
繊維などからなるものである。
【0038】上記編織物としては、例えば、麻繊維を撚
った麻糸を縦横に編んでなるクロスが例示される。ここ
で、麻にはジュート、アマ、ケナフおよびアンバリアサ
などのじん皮繊維をとるものと、マニラアサ、サイザル
アサ、ニュージランドアサ、およびモーリシアスアサな
どの組織繊維をとるものとが含まれる。麻繊維とは、こ
れらの麻を解繊して得られる繊維をいう。編織物には、
ジュートで形成したクロスであるジュートクロスを含
む。これら編織物は、引張強さおよび引張弾性率の高い
麻繊維などを編んでいるので、それ自体が優れた引張強
さおよび引張弾性率を示す。
った麻糸を縦横に編んでなるクロスが例示される。ここ
で、麻にはジュート、アマ、ケナフおよびアンバリアサ
などのじん皮繊維をとるものと、マニラアサ、サイザル
アサ、ニュージランドアサ、およびモーリシアスアサな
どの組織繊維をとるものとが含まれる。麻繊維とは、こ
れらの麻を解繊して得られる繊維をいう。編織物には、
ジュートで形成したクロスであるジュートクロスを含
む。これら編織物は、引張強さおよび引張弾性率の高い
麻繊維などを編んでいるので、それ自体が優れた引張強
さおよび引張弾性率を示す。
【0039】編織物を麻クロスとした場合、織組織の一
例としては、平織、綾織、朱子織、ナナコ織(正則、不
規則を含む)などから選ぶのが好ましく、この中でも平
織、綾織が特に好ましい。編組織としては平編み、ゴム
編みなどから選ばれる。ここに用いる糸の例としては、
入手の容易さなどから、ジュート番手7.5〜40より
選ぶのが好ましい。また、目付は100g/m2 〜12
00g/m2 程度が好ましい。さらに、100g/m2
〜1000g/m2 が好ましく、最も好ましくは100
g/m2 〜600g/m2 である。目付が100g/m
2 未満では、例えば吸水時の長さ方向の寸法変化が0.
5%を超え、JIS−A−5905の繊維板中のシージ
ングボードの品質を満足しなくなる場合があり、また1
200g/m2 を超えても寸法安定性の増大、補強効果
の増大などが得られないにも拘らずコストが高くなるの
で、好ましくない。
例としては、平織、綾織、朱子織、ナナコ織(正則、不
規則を含む)などから選ぶのが好ましく、この中でも平
織、綾織が特に好ましい。編組織としては平編み、ゴム
編みなどから選ばれる。ここに用いる糸の例としては、
入手の容易さなどから、ジュート番手7.5〜40より
選ぶのが好ましい。また、目付は100g/m2 〜12
00g/m2 程度が好ましい。さらに、100g/m2
〜1000g/m2 が好ましく、最も好ましくは100
g/m2 〜600g/m2 である。目付が100g/m
2 未満では、例えば吸水時の長さ方向の寸法変化が0.
5%を超え、JIS−A−5905の繊維板中のシージ
ングボードの品質を満足しなくなる場合があり、また1
200g/m2 を超えても寸法安定性の増大、補強効果
の増大などが得られないにも拘らずコストが高くなるの
で、好ましくない。
【0040】一方、不織布の場合は、麻などの編織物に
比較すると強度は劣るが、編織物よりも熱硬化性樹脂を
より多く保持し得ることから、熱圧縮成形後の繊維板に
強度を付与できる。この不織布を構成する繊維は特に限
定しないが、繊維マットとの結合力を考慮すれば天然繊
維が好ましく、それにナイロン、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、ポリエステルなどの合成繊維を必要により混
合しても良い。また、不織布には、麻繊維から乾式でウ
エッブをつくり、天然ゴムのラテックスなどの接着剤で
固め、乾燥仕上げして形成する不織布、および湿式抄造
法により形成した薄物の不織布、さらに木質繊維を解繊
し、湿式抄造法により形成される紙も含まれる。
比較すると強度は劣るが、編織物よりも熱硬化性樹脂を
より多く保持し得ることから、熱圧縮成形後の繊維板に
強度を付与できる。この不織布を構成する繊維は特に限
定しないが、繊維マットとの結合力を考慮すれば天然繊
維が好ましく、それにナイロン、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、ポリエステルなどの合成繊維を必要により混
合しても良い。また、不織布には、麻繊維から乾式でウ
エッブをつくり、天然ゴムのラテックスなどの接着剤で
固め、乾燥仕上げして形成する不織布、および湿式抄造
法により形成した薄物の不織布、さらに木質繊維を解繊
し、湿式抄造法により形成される紙も含まれる。
【0041】これらの編織物および不織布などの繊維製
シート状物は、通気性を有し、透湿性に優れるものであ
る。なお、単一の繊維板において、編織物および不織布
を二種以上組み合わせて用いても良い。
シート状物は、通気性を有し、透湿性に優れるものであ
る。なお、単一の繊維板において、編織物および不織布
を二種以上組み合わせて用いても良い。
【0042】また、繊維マットに積層する繊維製シート
状物の重量比は、繊維板の用途により必要とされる寸法
安定性、強度などの物性により、その目付と積層数を組
み合わせて選定できるが、ヤシ繊維を主成分とする繊維
マットの重量100部に対し、5〜50部、さらに5〜
30部が好ましく、最も好ましくは10〜25部であ
る。繊維製シート状物の重量比が5部未満では、例えば
吸水時の繊維板の長さ方向の寸法変化が0.5%を超え
ることがあり、また50部を超えるとそのコストが高く
なるので好ましくない。
状物の重量比は、繊維板の用途により必要とされる寸法
安定性、強度などの物性により、その目付と積層数を組
み合わせて選定できるが、ヤシ繊維を主成分とする繊維
マットの重量100部に対し、5〜50部、さらに5〜
30部が好ましく、最も好ましくは10〜25部であ
る。繊維製シート状物の重量比が5部未満では、例えば
吸水時の繊維板の長さ方向の寸法変化が0.5%を超え
ることがあり、また50部を超えるとそのコストが高く
なるので好ましくない。
【0043】編織物または不織布などの繊維製シート状
物を繊維マットの表面、特に両表面に配置したときに
は、いわゆるサンドイッチ構造(本体構造の上下を本体
構造よりも強度または剛性の高い素材で強化する構造)
となり、繊維板の曲げ強さおよび曲げ弾性率が高くな
る。一方、繊維製シート状物を繊維マットの内部に配置
したときには、繊維板の引張強さおよび引張弾性率、せ
ん断強さおよびせん断弾性率、並びに平面内圧縮強度
(平面応力状態で圧縮力を受けたときの強さ)および平
面内圧縮弾性率(平面応力状態で圧縮力を受けたときの
弾性率)が高くなる。
物を繊維マットの表面、特に両表面に配置したときに
は、いわゆるサンドイッチ構造(本体構造の上下を本体
構造よりも強度または剛性の高い素材で強化する構造)
となり、繊維板の曲げ強さおよび曲げ弾性率が高くな
る。一方、繊維製シート状物を繊維マットの内部に配置
したときには、繊維板の引張強さおよび引張弾性率、せ
ん断強さおよびせん断弾性率、並びに平面内圧縮強度
(平面応力状態で圧縮力を受けたときの強さ)および平
面内圧縮弾性率(平面応力状態で圧縮力を受けたときの
弾性率)が高くなる。
【0044】さらに、繊維製シート状物として麻クロス
などの麻繊維で形成されたものを用いたときには、吸
水、吸湿時の寸法変化が小さいので、繊維マットの表面
または内部にこの繊維系シート状物を配置すれば、繊維
板の吸水、吸湿時の寸法変化が小さくなり、吸水、吸湿
時の強度低下が小さくなり、好ましい。
などの麻繊維で形成されたものを用いたときには、吸
水、吸湿時の寸法変化が小さいので、繊維マットの表面
または内部にこの繊維系シート状物を配置すれば、繊維
板の吸水、吸湿時の寸法変化が小さくなり、吸水、吸湿
時の強度低下が小さくなり、好ましい。
【0045】このように、繊維マットと、編織物および
/または不織布などの繊維製シート状物とを積層した
り、繊維マットの内部に前記繊維製シート状物を配置し
たりすることにより、繊維板の強度をさらに良好なもの
とすることができる。また、繊維マットの少なくとも1
表面に繊維製シート状物を積層することにより、繊維板
の表面性を変えることができ、仕上げが不要となった
り、さらに仕上げ材を表面に貼る際の仕上げ材の保持性
を向上させたりできる。また、前記繊維製シート状物を
麻繊維などのように透湿性に富む材料で作成すれば、繊
維マットの優れた透湿性を損なうことなく繊維板全体と
して高い透湿性を得ることができる。従って、このよう
な繊維板を用いて防風層を形成すれば、高い透湿性によ
り水蒸気を通気層へスムーズに透過させることができる
と共に、更に高い強度により断熱層を安定して保持で
き、この繊維板によって防風層周辺の構造部分を補強す
ることができる。
/または不織布などの繊維製シート状物とを積層した
り、繊維マットの内部に前記繊維製シート状物を配置し
たりすることにより、繊維板の強度をさらに良好なもの
とすることができる。また、繊維マットの少なくとも1
表面に繊維製シート状物を積層することにより、繊維板
の表面性を変えることができ、仕上げが不要となった
り、さらに仕上げ材を表面に貼る際の仕上げ材の保持性
を向上させたりできる。また、前記繊維製シート状物を
麻繊維などのように透湿性に富む材料で作成すれば、繊
維マットの優れた透湿性を損なうことなく繊維板全体と
して高い透湿性を得ることができる。従って、このよう
な繊維板を用いて防風層を形成すれば、高い透湿性によ
り水蒸気を通気層へスムーズに透過させることができる
と共に、更に高い強度により断熱層を安定して保持で
き、この繊維板によって防風層周辺の構造部分を補強す
ることができる。
【0046】また、繊維マット、および編織物または不
織布などの繊維製シート状物がいずれも植物性天然繊維
であるときには、人工繊維などよりも表面の凸凹が大き
いので、人工繊維に比して繊維同士のからみあい強度が
大きいと共に、いわゆるアンカー効果(接着剤が材料の
表面の空隙に侵入し固化して釘またはくさびのように作
用すること)によって、アミノ樹脂の硬化による繊維ど
うしの結合が向上するという利点を有している。
織布などの繊維製シート状物がいずれも植物性天然繊維
であるときには、人工繊維などよりも表面の凸凹が大き
いので、人工繊維に比して繊維同士のからみあい強度が
大きいと共に、いわゆるアンカー効果(接着剤が材料の
表面の空隙に侵入し固化して釘またはくさびのように作
用すること)によって、アミノ樹脂の硬化による繊維ど
うしの結合が向上するという利点を有している。
【0047】さらに、前記繊維製シート状物の耐水性を
より向上させる必要がある場合には、繊維製シート状物
の表面にワックス、シリコーンなどを塗布するようにし
てもよい。さらに、難燃剤、着色剤、防菌剤、防腐剤、
防蟻剤などを必要により塗布しても良い。
より向上させる必要がある場合には、繊維製シート状物
の表面にワックス、シリコーンなどを塗布するようにし
てもよい。さらに、難燃剤、着色剤、防菌剤、防腐剤、
防蟻剤などを必要により塗布しても良い。
【0048】また、本発明では、ほぼ一定厚さの繊維板
のみではなく、繊維マットを熱圧縮成形する時に種々形
状の型を用いることにより所望の形状に成形して成形体
としてもよい。その場合には最終形状が異なるのみであ
って、上記実施形態の繊維板に関する記載事項はそのま
ま適用できるものであり、同様の作用および効果を得る
ことができる。
のみではなく、繊維マットを熱圧縮成形する時に種々形
状の型を用いることにより所望の形状に成形して成形体
としてもよい。その場合には最終形状が異なるのみであ
って、上記実施形態の繊維板に関する記載事項はそのま
ま適用できるものであり、同様の作用および効果を得る
ことができる。
【0049】また、本発明の繊維板の用途としても、防
風層に限定されるものではなく、強度、透湿性、生産性
が優れるので、例えば、外壁下地材、床材、床下地材、
畳材、屋根下地材、天井材、住宅内装材、内装下地材、
建築用断熱材、胴緑材、遮音材、吸音材、緩衝材、衝撃
吸収材、コンクリート型枠材、積載用パレット、自動車
など車両内装材および車両内装下地材、家具材などとし
ても使用することができる。
風層に限定されるものではなく、強度、透湿性、生産性
が優れるので、例えば、外壁下地材、床材、床下地材、
畳材、屋根下地材、天井材、住宅内装材、内装下地材、
建築用断熱材、胴緑材、遮音材、吸音材、緩衝材、衝撃
吸収材、コンクリート型枠材、積載用パレット、自動車
など車両内装材および車両内装下地材、家具材などとし
ても使用することができる。
【0050】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例とともに説明
するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
なお、実施例の記載に先立ち、特性値の測定方法を示
す。
するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
なお、実施例の記載に先立ち、特性値の測定方法を示
す。
【0051】1.繊維板の密度の測定方法;繊維板を直
方体状に切断した後、繊維板重量と繊維板寸法(厚み、
長さ、幅)を測定して、その重量と寸法から求める。
方体状に切断した後、繊維板重量と繊維板寸法(厚み、
長さ、幅)を測定して、その重量と寸法から求める。
【0052】2.繊維板の曲げ強さの測定方法;JIS
−A−5905の測定方法に準じて測定する。
−A−5905の測定方法に準じて測定する。
【0053】3.透湿係数の測定方法;JIS−Z−0
208の防湿包装材料の透湿度試験方法に準じて測定す
る。
208の防湿包装材料の透湿度試験方法に準じて測定す
る。
【0054】(実施例1)固形分濃度65重量%(残部
の35重量%は水)のユリア樹脂に水を加えて、固形分
濃度を55重量%に調整した。これとは別に、塩化アン
モニウムを水と混合し、5重量%の水溶液とした。次
に、これらユリア樹脂水溶液と塩化アンモニウム水溶液
を20℃で24時間放置した。続いて、目付3.6kg
/m2 の油ヤシのヤシ繊維からなる繊維マットにスプレ
ー法により、繊維マット100部に対し、固形分で15
部のユリア樹脂水溶液を塗布した後、ユリア樹脂固形分
100部に対し、固形分で1部の塩化アンモニウム水溶
液を塗布した。この繊維マットを、プレス機により17
0℃−10分の条件で熱圧縮成形し、厚さ9mmの繊維
板を得た。
の35重量%は水)のユリア樹脂に水を加えて、固形分
濃度を55重量%に調整した。これとは別に、塩化アン
モニウムを水と混合し、5重量%の水溶液とした。次
に、これらユリア樹脂水溶液と塩化アンモニウム水溶液
を20℃で24時間放置した。続いて、目付3.6kg
/m2 の油ヤシのヤシ繊維からなる繊維マットにスプレ
ー法により、繊維マット100部に対し、固形分で15
部のユリア樹脂水溶液を塗布した後、ユリア樹脂固形分
100部に対し、固形分で1部の塩化アンモニウム水溶
液を塗布した。この繊維マットを、プレス機により17
0℃−10分の条件で熱圧縮成形し、厚さ9mmの繊維
板を得た。
【0055】(実施例2)固形分濃度65重量%(残部
の35重量%は水)のメラミン樹脂に水を加えて、固形
分濃度を55重量%に調整した。これとは別に、塩化ア
ンモニウムを水と混合し、1重量%の水溶液とした。次
に、これらメラミン樹脂水溶液と塩化アンモニウム水溶
液を20℃で24時間放置した。続いて、目付3.2k
g/m2 の油ヤシのヤシ繊維からなる繊維マットにスプ
レー法により、繊維マット100部に対し、固形分で1
5部のメラミン樹脂水溶液を塗布した後、メラミン樹脂
固形分100部に対し、固形分で1部の塩化アンモニウ
ム水溶液を塗布した。これとは別に、目付0.32kg
/m2 のジュートクロス2枚に上記メラミン樹脂水溶液
をスプレー法によりジュートクロス100部に対し、固
形分で15部付着させた後、メラミン樹脂固形分100
部に対し、固形分で1部の上記塩化アンモニウム水溶液
を塗布した。続いて、ジュートクロス、前記繊維マッ
ト、ジュートクロスの順に重ねたのち、これらをプレス
機により170℃−10分の条件で熱圧縮成形し、厚さ
9mmの繊維板を得た。
の35重量%は水)のメラミン樹脂に水を加えて、固形
分濃度を55重量%に調整した。これとは別に、塩化ア
ンモニウムを水と混合し、1重量%の水溶液とした。次
に、これらメラミン樹脂水溶液と塩化アンモニウム水溶
液を20℃で24時間放置した。続いて、目付3.2k
g/m2 の油ヤシのヤシ繊維からなる繊維マットにスプ
レー法により、繊維マット100部に対し、固形分で1
5部のメラミン樹脂水溶液を塗布した後、メラミン樹脂
固形分100部に対し、固形分で1部の塩化アンモニウ
ム水溶液を塗布した。これとは別に、目付0.32kg
/m2 のジュートクロス2枚に上記メラミン樹脂水溶液
をスプレー法によりジュートクロス100部に対し、固
形分で15部付着させた後、メラミン樹脂固形分100
部に対し、固形分で1部の上記塩化アンモニウム水溶液
を塗布した。続いて、ジュートクロス、前記繊維マッ
ト、ジュートクロスの順に重ねたのち、これらをプレス
機により170℃−10分の条件で熱圧縮成形し、厚さ
9mmの繊維板を得た。
【0056】(比較例1)固形分濃度65重量%(残部
の35重量%は水)のユリア樹脂に水を加えて、固形分
濃度を55重量%に調整した。これとは別に、塩化アン
モニウムを水と混合し、5重量%の水溶液としたのち、
上記、ユリア樹脂水溶液にユリア樹脂固形分100部に
対し、固形分で1部の塩化アンモニウム水溶液を混合し
た。次に、これらユリア樹脂と塩化アンモニウムとを含
む組成物を20℃で24時間放置したところ、組成物は
固化しており、スプレー法による噴霧はできなかった。
の35重量%は水)のユリア樹脂に水を加えて、固形分
濃度を55重量%に調整した。これとは別に、塩化アン
モニウムを水と混合し、5重量%の水溶液としたのち、
上記、ユリア樹脂水溶液にユリア樹脂固形分100部に
対し、固形分で1部の塩化アンモニウム水溶液を混合し
た。次に、これらユリア樹脂と塩化アンモニウムとを含
む組成物を20℃で24時間放置したところ、組成物は
固化しており、スプレー法による噴霧はできなかった。
【0057】(比較例2)固形分濃度65重量%(残部
の35重量%は水)のメラミン樹脂に水を加えて、固形
分濃度を55重量%に調整した。これとは別に、塩化ア
ンモニウムを水と混合し、5重量%の水溶液としたの
ち、上記、メラミン樹脂水溶液にメラミン樹脂固形分1
00部に対し、固形分で1部の塩化アンモニウム水溶液
を混合した。次に、これらメラミン樹脂と塩化アンモニ
ウムとを含む組成物を20℃で24時間放置したとこ
ろ、組成物は固化しており、スプレー法による噴霧はで
きなかった。
の35重量%は水)のメラミン樹脂に水を加えて、固形
分濃度を55重量%に調整した。これとは別に、塩化ア
ンモニウムを水と混合し、5重量%の水溶液としたの
ち、上記、メラミン樹脂水溶液にメラミン樹脂固形分1
00部に対し、固形分で1部の塩化アンモニウム水溶液
を混合した。次に、これらメラミン樹脂と塩化アンモニ
ウムとを含む組成物を20℃で24時間放置したとこ
ろ、組成物は固化しており、スプレー法による噴霧はで
きなかった。
【0058】表1に実施例1、2と比較例1、2の製造
条件と、得られた繊維板の特性(密度、曲げ強さおよび
透湿係数)を示す。
条件と、得られた繊維板の特性(密度、曲げ強さおよび
透湿係数)を示す。
【0059】
【表1】
【0060】表1より、実施例1、2で得られた繊維板
においては、曲げ強さ、および透湿性が共に良好であっ
た。一方、比較例1、2においては、アミノ樹脂と塩化
アンモニウムとを含む組成物が放置により固化したた
め、繊維板を得ることができなかった。
においては、曲げ強さ、および透湿性が共に良好であっ
た。一方、比較例1、2においては、アミノ樹脂と塩化
アンモニウムとを含む組成物が放置により固化したた
め、繊維板を得ることができなかった。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の繊維板の
製造方法によれば、樹脂塗布工程のタンク内、配管内で
樹脂が硬化するといった問題を発生することなく、強度
が高く透湿性が良好であり、防風層に適した繊維板を提
供することができる。
製造方法によれば、樹脂塗布工程のタンク内、配管内で
樹脂が硬化するといった問題を発生することなく、強度
が高く透湿性が良好であり、防風層に適した繊維板を提
供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 27/42 102 B32B 27/42 102 31/20 31/20
Claims (7)
- 【請求項1】 アミノ樹脂とアミノ樹脂硬化触媒とをヤ
シ繊維を主成分とする繊維に別々に付着させ、熱圧縮成
形することを特徴とする繊維板の製造方法。 - 【請求項2】 ヤシ繊維を主成分とする繊維マットの少
なくとも1表面および/または内部に、編織物または不
織布などの繊維製シート状物を配置し、アミノ樹脂とア
ミノ樹脂硬化触媒とを別々に付着させ、熱圧縮成形する
ことを特徴とする繊維板の製造方法。 - 【請求項3】 アミノ樹脂硬化触媒が塩化アンモニウム
である請求項1または2に記載の繊維板の製造方法。 - 【請求項4】 ヤシ繊維が油ヤシから解繊された繊維で
ある請求項1〜3のいずれかに記載の繊維板の製造方
法。 - 【請求項5】 アミノ樹脂が、ユリア樹脂、メラミン樹
脂、およびユリア−メラミン共重合樹脂からなる群より
選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか
に記載の繊維板の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の方法に
より製造されてなり、曲げ強さが3〜50N/mm2 で
ある繊維板。 - 【請求項7】 透湿係数が0.1〜10μg/(m2 ・
s・Pa)である請求項6記載の繊維板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10001350A JPH11198110A (ja) | 1998-01-07 | 1998-01-07 | 繊維板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10001350A JPH11198110A (ja) | 1998-01-07 | 1998-01-07 | 繊維板およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11198110A true JPH11198110A (ja) | 1999-07-27 |
Family
ID=11499052
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10001350A Pending JPH11198110A (ja) | 1998-01-07 | 1998-01-07 | 繊維板およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11198110A (ja) |
-
1998
- 1998-01-07 JP JP10001350A patent/JPH11198110A/ja active Pending
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