JPH1119804A - 螺旋溝加工装置及び加工方法 - Google Patents

螺旋溝加工装置及び加工方法

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JPH1119804A
JPH1119804A JP17547397A JP17547397A JPH1119804A JP H1119804 A JPH1119804 A JP H1119804A JP 17547397 A JP17547397 A JP 17547397A JP 17547397 A JP17547397 A JP 17547397A JP H1119804 A JPH1119804 A JP H1119804A
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JP
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spiral groove
work
cutting tool
sleeve
rotating
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JP17547397A
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Michihiko Owa
道彦 大輪
Kazuo Shibuya
一男 渋谷
Takashi Suzuki
孝 鈴木
Toshiro Hayashi
俊郎 林
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体軸受用の螺旋溝を簡単かつ精度良く安価
に製作することが可能な螺旋溝加工装置及び加工方法を
提供する。 【解決手段】 指令電圧に応じて伸縮し、この伸縮によ
りスライドテーブル7と共に切削バイト5をワークに対
して微少に変位させて回転されているワークの表面に切
削バイト5を押し付けるピエゾ部材8と、ワークの回転
に同期させるとともに形状データに応じてピエゾ部材8
に指令電圧を出力する信号処理部17とを設け、主軸1
3と共に回転しているワークに対して切削バイト5の位
置をピエゾ部材8の伸縮により高速に往復微動させて、
この移動で切削バイト5をワークに螺旋溝を切削形成す
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば磁気記録再
生装置用ドラムの流体軸受を構成するスリーブやシャフ
ト等の表面に螺旋溝を形成するための螺旋溝加工装置及
び加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばDATやVTR等の磁気記録再生
装置では、ドラム上に回転される磁気ヘッドを設けると
ともに、磁気テープをドラムに対して斜めに走行させ、
この磁気テープを磁気ヘッドがヘリカルスキャンするこ
とによって情報の記録、再生を行う方式が採られてい
る。また、磁気記録再生装置のドラムでは、高精度な回
転性能を実現するものとして、最近では流体軸受が採用
されているものが多い。この流体軸受の構造としては、
例えば特開昭56−22215号等で見ることができ
る。
【0003】図9は従来より知られる流体軸受を使用し
た磁気記録再生装置の一例を概略的に示す図である。図
9において、符号101は回転ヘッド部である上部ドラ
ム、102は上部ドラム101に装着したヘッド、10
3は下部ドラムである。104は上部ドラム101の中
心に固定して取り付けられているスリーブ部材、105
は下部ドラム103の略中心に上方に向かって突出され
た状態にして取り付けられているシャフトで、このシャ
フト105の上部にスリーブ部材104が回転可能に装
着されている。なお、シャフト105とスリーブ部材1
04との間には潤滑流体が隈なく閉じこめられてシール
されている。符号106aは上部ドラム101に回転駆
動力を与えるためのダイレクトドライブモータ106の
ステータコイル、106bはダイレクトドライブモータ
106のマグネットであり、またステータコイル106
aは下部ドラム103に固定され、マグネット106b
は上部ドラム101に固定されている。
【0004】さらに詳述すると、下部ドラム103に固
定されたシャフト105の周面には複数づつの螺旋溝1
07が上下に2箇所形成されているとともに、上面にも
図10に示すように放射状にして複数(本例では6つ)
の螺旋溝108が形成されている。
【0005】スリーブ部材104はスラスト用スリーブ
104Aと回転スリーブ104Bとで構成されており、
上部ドラム101の中心に固定して取り付けられてい
る。スラスト用スリーブ104Aは図11乃至図13に
示すように、シャフト105の周面と対応する内周面に
複数(本例では6つ)の螺旋溝109が上下に2箇所形
成されているとともに、シャフト105の端面と対応す
る内底面には放射状にして複数(本例では6つ)の螺旋
溝110が形成されている。なお、図11はスラスト用
スリーブ104Aの縦断側面図で、図12は図11のD
−D線矢視断面図、図13はスラスト用スリーブ104
Aの展開図である。一方、回転スリーブ104Bには、
シャフト105の周面に形成されている螺旋溝107と
対応して、図14及び図15に示すように複数の螺旋溝
111が上下に4箇所形成されている。なお、図14は
回転スリーブ104Bの縦断側面図で、図15は回転ス
リーブ104Bの展開図である。
【0006】このドラムの構造では、一端を下部ドラム
103に固定されたシャフト105に、潤滑油膜を介在
してスリーブが回転可能に係合され、このスリーブ部材
104と共に上部ドラム101がダイレクトドライブモ
ータ106によって回転し、流体潤滑の特徴を生かした
高精度な回転が可能になっている。また、回転スリーブ
104Bとしては、図14及び図15に示した上下一体
形の細長いスリーブ形状をしたもの他に、図16乃至図
17に示すように上下を別体にして短いスリーブ状に形
成したものもある。なお、図16は回転スリーブ104
Bの縦断側面図で、図17は図16のE−E線矢視断面
図、図18は図16及び図17に示した回転スリーブ1
04Bの展開図である。
【0007】ところで、従来のドラムに使用されるスリ
ーブ部材104及びシャフト105の螺旋溝の加工は、
転造工具を使用して塑性加工をしていた。この塑性加工
では、例えば図16及び図17に示すような回転スリー
ブ104Bの内面に螺旋溝111を形成する場合、図1
9及び図20に示すように、外周に転造刃112を設け
た転造工具113を使用する。この転造工具113は回
転スリーブ104Bの内径をd1(図19参照)とする
と、転造工具113自体の外径d2(図19参照)は内
径d1よりも小さく形成されているが、転造刃112の
最大外径d3(図20参照)は内径d1よりも大きく形
成されていて、螺旋溝111を形成するのに適した突出
量となっている。なお、図20は転造工具113の一端
側より見た正面図である。
【0008】そして、この塑性加工を用いた螺旋溝形成
方法では、まず回転スリーブ104Bを回転させながら
一端側より転造工具113を回転スリーブ104B内に
途中まで挿入させ、その後、回転スリーブ104Bを反
対方向に回転させながら転造工具113を回転スリーブ
104B内より引き抜く。これを複数回繰り返す。次い
で、所定角度(本例では45度)だけ回転スリーブ10
4Bに対して変位した位置から、回転スリーブ104B
を回転させながら一端側より転造工具113を回転スリ
ーブ104B内に同じく途中まで挿入させ、その後、回
転スリーブ104Bを反対方向に回転させながら転造工
具113を回転スリーブ104B内より引き抜く。これ
を前と同様に複数回繰り返す。すると、本例の場合では
8本の螺旋溝111が片側に形成できる。こうして片側
からの螺旋溝111の形成が完了したら、次に回転スリ
ーブ104Bの向きを前後で変える。続いて、前と同様
にして4本の螺旋溝111を中間よりも手前の位置まで
形成する。すると、前後2つの位置に8本づつの螺旋溝
111が形成される。なお、図16乃至図18に示す例
では、転造刃112が3つの転造工具113を使用した
場合を示しており、螺旋溝111の本数は転造刃112
の数、及び転造工具113を回転スリーブ104Bに対
して変位させて再び挿入させる角度等によって設定され
るものである。
【0009】一方、図11乃至図13に示すようなキャ
ップ状をしたスラスト用スリーブ104Aの内周面及び
内底面に螺旋溝109,110を形成する場合、及び図
9及び図10に示すようなシャフト105の表面に螺旋
溝107,108を形成する場合には、エッチングによ
り形成していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来に
おける螺旋溝の形成方法、特に回転スリーブ104Bに
螺旋溝111を形成するような場合では、次の〜に
述べるような問題点があった。 転造工具113の外周円径d3が測定しにくいため
に、螺旋溝111の数が奇数となると、回転スリーブ1
04Bが作りにくくなる。 また、回転スリーブ104Bの内径が小さい場合に
は、転造工具113を製作するのが難しく、さらに工具
の強度上の問題から形成できる溝数に制限が生じる。 転造時に形成されるバリ及び盛り上がりを除去するた
めの内径部の仕上げ旋削が必要になる。 螺旋溝111の深さのバラツキを無くすために、被加
工物を保持する手段をインデックスし、転造工具113
を複数回トレースさせる必要がある。 螺旋溝111の形状や、深さ、溝幅比等が転造工具1
13によって決まってしまい、自由に変更をすることが
できない。 上下分離形状の螺旋溝を一工程で作れない。すなわ
ち、回転スリーブ104Bの片側の螺旋溝111を形成
したら、回転スリーブ104Bの向きを前後で変えて再
び加工を開始しなければならないので、加工性が悪い。
【0011】そこで、これらの問題を解決する方法とし
て、CNC(computerized numerical cntrol)旋盤を
使用し、CNC旋盤の主軸にワーク(本例では回転スリ
ーブ104B)を一体回転するように取り付け、主軸を
回転させるとともに、Xテーブル上に搭載された内径切
削バイトをワークの内面に押し当ててワークの内径を切
削加工する方法。この際に主軸の回転角を検出し、CN
Cの指令によりこれに同期させてXテーブルをワークの
半径方向に往復運動させて所望の螺旋溝を形成するよう
にしたものも見られる。
【0012】しかしながら、このCNC旋盤を用いて螺
旋溝を形成するようにした従来の形成方法では、次に述
べるような問題点があった。例えば、図16乃至図17
に示すように回転スリーブ104Bの内周に上下6本づ
つの螺旋溝111を形成する場合には、図21に示すよ
うに旋盤主軸と共に回転スリーブ104Bを回転させ、
これに同期させて切削バイト105を回転スリーブ10
4Bの半径方向に微動させて所定の螺旋溝111を切削
する。この場合、軸に沿って微小に移動させながら、ま
た半径方向にも1回転目、2回転目、3回転目で移動量
を大きくする。ここで、旋盤主軸回転数を600rpm
で切削すると、内径切削バイトが回転スリーブ104B
の半径方向(図21中の矢印M方向)に微動する周波数
は60HZとなる。また、上下に12本形成する場合に
は120HZに達する。すなわち、CNC旋盤のXテー
ブルを60〜120HZの周波数で微動せねばならず、
これに対し重量が数十kgにも達するXテーブルの駆動
可能周波数はせいぜい数HZ程度である。したがって、
これに見合うように旋盤主軸の回転数を60rpm程度
に下げると螺旋溝形成に時間がかかってしまい、コスト
的に高くなり、実用に適さないのが現状であった。
【0013】また、現在市販されているCNC旋盤にお
いては、内部メモリの容量の関係上、図16乃至図17
に示すようなパターンをシフトさせて加工するには容量
不足であり、上述した螺旋溝形成手法を実現するには、
小型軽量のXテーブルと大容量のメモリを備えるCNC
旋盤を新規に開発、製作する必要がある。このため、コ
スト的に問題があった。さらに、図11乃至図13に示
すスラスト用スリーブ104Aの内底面の螺旋溝109
や、シャフト105の周面の螺旋溝107及び端面の螺
旋溝108を形成する場合には、一般的にエッチングが
用いられるが、スラスト用スリーブ104Aの内面にお
ける螺旋溝111及び回転スリーブ104Bの内面にお
ける螺旋溝109,111を仕上げる工程とは全く別の
工程となり、また加工タクトも長い。このため、コスト
的に問題があった。
【0014】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的は例えば流体軸受用の螺旋溝を簡単
かつ精度良く安価に製作することが可能な螺旋溝加工装
置及び加工方法を提供することにある。さらに、他の目
的は、以下に説明する内容の中で順次明らかにして行
く。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、次の技術手段を講じたことを特徴とする。
すなわち、指令電圧に応じて伸縮し、この伸縮によりバ
イト保持手段と共に切削バイトをワークに対して微少に
変位させて、回転されているワークの表面に前記切削バ
イトを押し付けるピエゾ部材と、ワークの回転に同期さ
せるとともに形状データに応じてピエゾ部材に指令電圧
を出力する制御手段とを設け、主軸と共に回転している
ワークに対してバイトの位置をピエゾ部材の伸縮により
高速に往復微動させて螺旋溝を切削形成するようにし
た。また、本発明は、ワークの表面に螺旋溝を形成する
加工方法において、前記ワークを旋盤の主軸に一体回転
可能に取り付けて回転させるとともに、前記ワークの表
面を旋削することが可能な切削バイトを、前記ワークの
回転に同期して付与される指令電圧に応じて伸縮するピ
エゾ部材の動きにより前記ワークに対し押し付けて旋削
加工することにより、前記螺旋溝を形成するようにした
ものである。
【0016】これによれば、転造による塑性加工やカム
等により機構的に切削バイトを微動させて形成していた
従来の加工方法に対して、本発明の場合ではピエゾ部材
により切削バイトを高速に微動させて切削位置をコント
ロールするので比較的自由な螺旋溝を高速で精度良く製
作することができる。また、ピエゾ部材の変位量を電気
的にコントロールすることが可能なため、パーソナルコ
ンピュータ等で形状データを作成し、この形状データに
応じた電圧を印加して変位させることにより、容易に様
々な形状の螺旋溝の加工に対応することが可能となる。
例えば、螺旋溝の数、幅等が変わってもそれに対応した
データを作成するだけで良いので、螺旋溝の製造工程が
簡素化される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の形態を添付図面に
基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる形態は、
本発明の好適な具体例であるから技術的に好ましい種々
の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明
において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、こ
れらの形態に限られるものではないものである。
【0018】図1乃至図3は本発明の好ましい実施の一
形態例を示すもので、図1は加工装置の概略全体構成
図、図2は加工装置における機械的な機構部分の要部構
成を示す上面図、図3は図2に示す機械的な機構部分の
要部構成を図2中の矢印G方向より見て示す側面図であ
る。なお、本形態例では、図16乃至図17に示した回
転スリーブ104Bの内周面に螺旋溝111を加工する
場合を一例として説明するが、勿論、これ以外の部分を
加工するのにも使用できるものである。
【0019】図1乃至図3において、この加工装置はC
NC旋盤であって、Zテーブル21上に載置されている
Xテーブル1上には本発明の要部となるメカ機構部4を
介して切削バイト5が搭載されている。なお、符号22
はZテーブル用のZ軸モータ、23はZテーブル用のエ
ンコーダ、24はXテーブル用のX軸モータ、25はX
テーブル用のエンコーダである。メカ機構部4は、図2
及び図3に細部構造を示しているように、Xテーブル1
上に固定されている基台6を備えている。この基台6上
にはバイト保持手段としてのスライドテーブル7とピエ
ゾ部材8が配設されている。このうち、スライドテーブ
ル7は基台6に対して往復スライド可能に配設されてお
り、そのスライド方向は回転スリーブ104Bの半径方
向に対して移動するように設定される。また、スライド
テーブル7上にはプレート9を介して切削バイト5がス
ライドテーブル7と一体移動可能に取り付けられてい
る。したがって、この切削バイト5は、スライドテーブ
ル7が移動されるときに、このスライドテーブル7と一
体に回転スリーブ104Bの半径方向に移動される。
【0020】一方、ピエゾ部材8は、印加される電圧に
応じて微小に伸縮されるピエゾ素子を内部に有している
とともに、このピエゾ素子の伸縮を外部に伝えるための
ピエゾ伸張部8aを先端に設けて、基端側がブラケット
11を介して基台6に固定されている。加えて、ピエゾ
伸張部8aは継手12を介してプレート9と連結されて
いる。したがって、この構造では、ピエゾ部材8内のピ
エゾ素子に電圧が印加されてピエゾ伸張部8aが伸張す
ると、これが継手12,プレート9を介してスライドテ
ーブル7をスライドさせ、これと一体に切削バイト5が
回転スリーブ104Bの半径方向に移動して回転スリー
ブ104Bの内面に対し押し付けられ、この押し付けで
螺旋溝111を切削加工できる。また、ピエゾ素子への
電圧印加が取り除かれると再び元の位置へ瞬時に復帰す
る。すなわち、この構造では、ピエゾ素子への電圧印加
を制御することにより、切削バイト5を回転スリーブ1
04Bの半径方向に微小に変位させることができる。
【0021】また、この加工装置においては、回転スリ
ーブ104BはXテーブル1の前側で、主軸13に回転
可能に保持されて配置される。その主軸13は主軸モー
タ14からの駆動をタイミングベルト15を介して受け
て回転されるようになっており、また主軸13の回転角
を検出できる回転角度検出手段としてのエンコーダ14
aが取り付けられている。
【0022】さらに、本加工装置における制御系を図1
を用いて説明すると、この装置では上位演算装置として
のパーソナルコンピュータ16(以下、単に「パソコン
16」と言う)と接続されている信号処理部17を有
し、この信号処理部17にエンコーダ14aがCNC
(computerized numerical cntrol)18を介して接続
されているとともに、ピエゾ部材8がコントローラ1
9,ピエゾドライバ20を介して接続されている。そし
て、信号処理部17のメモリには、加工に必要なデータ
がパソコン16により予め入力される。
【0023】次に、本加工装置の動作を説明する。ま
ず、図16乃至図17に示す回転スリーブ104Bにお
ける螺旋溝111を形成する場合には、パソコン16上
のデータ作成用ソフトウエアにより螺旋溝111を作成
するのに必要な形状のピエゾ伸縮データを作成してお
く。そして、主軸13に被加工物又はワークである回転
スリーブ104Bが取り付けられて回転されると、エン
コーダ14aから得られる信号をCNC18の回路より
検出する。すると、信号処理部17は回転角に同期させ
て、予めパソコン16により作成しておいた回転角毎の
指令データに対応する、図4に示すような指令信号(指
令電圧)Aをピエゾドライバ20に出力する。すると、
ドライバ20は指令信号Aを増幅した指令信号(指令電
圧B)をピエゾ部材8に出力し、ピエゾ素子を伸縮させ
る。このとき、ピエゾ部材8内には位置検出用の歪みゲ
ージセンサ(図示せず)が内蔵されており、指令値との
偏差はコントローラ19に帰還し(帰還信号)、補正さ
れるクローズドループ制御により、ピエゾ素子の持つヒ
ステリシス伸縮特性を補正する。そして、この補正され
た歪み量がピエゾ伸張部8aの伸張として現れ、その変
位が切削バイト5に継手12、プレート9,スライドテ
ーブル7を介して伝達される。この変位により切削バイ
ト5が回転スリーブ104Bに押し付けられて切削加工
が行われ、これを繰り返すことにより回転スリーブ10
4Bの内面に所定形状の螺旋溝111ができる。
【0024】したがって、この加工方法では、パソコン
16上のデータ作成用ソフトウエアにより必要な形状の
溝に対応したピエゾ伸縮データを作成するだけで、図1
6乃至図17に示すような従来加工が困難であった多様
な溝形状を切削形成することが可能となる。また、ピエ
ゾ素子の高分解能により0.1μm以下の高精度で溝深
さを制御できるメリットがある。加えて、この加工方法
では、内径部の溝が掘られていない部分はCNC旋盤に
よる通常の旋削加工となるので、内径寸法、真円度等は
高精度に形成されるので、改めて仕上げ旋削をする必要
がないために、加工タクトが短縮されてコストアップが
避けられる。さらに、この加工方法では螺旋溝を形成す
るワーク(本例では回転スリーブ104B)、例えば流
体軸受の仕様が変わったとき、あるいは別の形状、大き
さの軸受を加工する際も、被加工物を旋盤主軸に取り付
ける被加工物保持手段(チャック)を交換するだけで、
後はNCプログラム、パソコン16により作成した溝形
状データを入れ替えるだけで容易に生産することができ
るメリットもある。これは、例えば螺旋溝111の形状
が図6または図7及び図8に示すような形状に変更にな
った場合でも簡単に対応することができる。すなわち、
図6に展開図として示す螺旋溝111の形状は魚の鱗状
に形成されもので、また途中では溝幅tが軸方向に向か
って変化する形状になっている。一方、図7に展開図と
して示すとともに図8に図7のC−C線に沿う断面図と
して示している螺旋溝111の形状は「く」の字状に繰
り返し形成されるもので、溝の深さd1が中央から端に
向かって序々に連続して深くなっている。
【0025】なお、上記形態例の構造では、回転スリー
ブ104Bのように、内周面にだけ螺旋溝を形成する場
合について説明したが、この加工装置では、基本的にワ
ークの回転に同期して自在に切削バイトを往復運動させ
ることが可能である。したがって、例えば図5に示すよ
うに、各々切削バイト5を設けたメカ機構部4を複数
(図5の場合ではA,Bの2つ。)NC旋盤への取り付
け方法を変えることにより、内径のみならず、図9及び
図10に示すようなシャフトの端面5及び外周面に螺旋
溝107,108を形成したり、あるいは図11乃至図
13に示すスラスト用スリーブ104Aの内底面に螺旋
溝109,110を形成したりすることも可能である。
すなわち、図5の形態例の場合では、メカ機構部A4で
は内周または外周に螺旋溝を形成し、メカ機構部B4は
端面または内底面に螺旋溝を形成することができる。な
お、図5において図1乃至図3と同一符号を付したもの
は図1乃至図3と同一のものを示している。
【0026】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
転造による塑性加工やエッチングにより形成していた従
来の加工方法に対して、本発明ではピエゾ部材により切
削バイトを高速に微動させて切削位置をコントロールす
るので比較的自由な螺旋溝を高速で精度良く、かつ安価
に製作することができる。また、ピエゾ部材の変位量を
電気的にコントロールすることが可能なため、パーソナ
ルコンピュータ等で形状データを作成し、この形状デー
タに応じた電圧を印加して変位させることにより、容易
に様々な形状の螺旋溝の加工に対応することが可能とな
る。例えば、螺旋溝の数、幅等が変わってもそれに対応
したデータを作成するだけで良いので、螺旋溝の製造工
程が簡素化され、製造コストを下げることが可能な螺旋
溝加工装置及び加工方法の実現が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加工装置の概略全体構成図であ
る。
【図2】本発明装置における機械的な機構部分の要部構
成を示す上面図である。
【図3】図2中の矢印G方向より見て示す側面図であ
る。
【図4】指令信号の一例を示す波形図である。
【図5】本発明装置の一変形例を示す概略全体構成図で
ある。
【図6】本発明装置で加工が可能な螺旋溝の一例を示す
図である。
【図7】本発明装置で加工が可能な螺旋溝の他の例を示
す図である。
【図8】図7のC−C線に沿う断面図である。
【図9】従来より知られる磁気記録再生装置の概略断面
図である。
【図10】シャフト端面に形成されている螺旋溝の形状
を示す図である。
【図11】スラスト用スリーブの概略縦断側面図であ
る。
【図12】図11のD−D線に沿う断面図である。
【図13】図11に示すスリーブの概略展開図である。
【図14】図9に示す回転スリーブの概略縦断側面図で
ある。
【図15】図14に示す回転スリーブの概略展開図であ
る。
【図16】回転スリーブの他の例として示す概略縦断側
面図である。
【図17】図16のE−E線に沿う断面図である。
【図18】図16に示す回転スリーブの概略展開図であ
る。
【図19】従来の螺旋溝形成方法を説明する図である。
【図20】図19に示した転造工具の正面図である。
【図21】回転スリーブにおける螺旋溝を形成する方法
を示す図である。
【符号の説明】
4…メカ機構部、5…切削バイト、8…ピエゾ部材、7
…スライドテーブル((バイト保持手段)、13…主
軸、16…パソコン、17…信号処理部、104…スリ
ーブ部材、104A…スラスト用スリーブ、104B…
回転スリーブ、105…シャフト、107,108,1
09,110,111…螺旋溝、113…転造工具。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 俊郎 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークの表面に螺旋溝を形成する加工装
    置において、 前記ワークを固定して一体に回転する主軸と、 前記ワークの表面を旋削することが可能な切削バイト
    と、 前記切削バイトを前記ワークに対して往復運動可能に保
    持してなるバイト保持手段と、 指令電圧に応じて伸縮し、この伸縮により前記バイト保
    持手段と共に前記切削バイトを前記ワークに対して微少
    に変位させて、前記回転されているワークの表面に前記
    切削バイトを押し付けるピエゾ部材と、 前記ワークの回転に同期させるとともに形状データに応
    じて前記ピエゾ部材に指令電圧を出力する制御手段、 とを備えたことを特徴とする螺旋溝加工装置。
  2. 【請求項2】 前記ワークがスリーブ状の部材であり、
    このスリーブの内周面に前記螺旋溝を形成する請求項1
    に記載の螺旋溝加工装置。
  3. 【請求項3】 前記ワークがキャップ状をしたスリーブ
    であり、このスリーブの内底面に前記螺旋溝を形成する
    請求項1に記載の螺旋溝加工装置。
  4. 【請求項4】 前記ワークがシャフト状をした部材であ
    り、このシャフトの周面または端面に前記螺旋溝を形成
    する請求項1に記載の螺旋溝加工装置。
  5. 【請求項5】 前記ワークが流体軸受として使用される
    請求項1に記載の螺旋溝加工装置。
  6. 【請求項6】 前記流体軸受が磁気記録再生装置のドラ
    ム用に使用される請求項1に記載の螺旋溝加工装置。
  7. 【請求項7】 ワークの表面に螺旋溝を形成する加工方
    法において、 前記ワークを旋盤の主軸に一体回転可能に取り付けて回
    転させるとともに、 前記ワークの表面を旋削することが可能な切削バイト
    を、前記ワークの回転に同期して付与される指令電圧に
    応じて伸縮するピエゾ部材の動きにより前記ワークに対
    し押し付けて旋削加工することにより、前記螺旋溝を形
    成することを特徴とする螺旋溝加工方法。
  8. 【請求項8】 前記ワークが磁気記録再生装置における
    ドラム用の流体軸受として使用される請求項7に記載の
    螺旋溝加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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