JPH11197649A - 純水の製造方法 - Google Patents

純水の製造方法

Info

Publication number
JPH11197649A
JPH11197649A JP228398A JP228398A JPH11197649A JP H11197649 A JPH11197649 A JP H11197649A JP 228398 A JP228398 A JP 228398A JP 228398 A JP228398 A JP 228398A JP H11197649 A JPH11197649 A JP H11197649A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
reverse osmosis
raw water
osmosis membrane
exchange resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP228398A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3536294B2 (ja
Inventor
Shin Sato
伸 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurita Water Industries Ltd filed Critical Kurita Water Industries Ltd
Priority to JP00228398A priority Critical patent/JP3536294B2/ja
Publication of JPH11197649A publication Critical patent/JPH11197649A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3536294B2 publication Critical patent/JP3536294B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)
  • Physical Water Treatments (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】原水をアルカリ性として逆浸透膜に通水するこ
とにより純水を製造する方法において、逆浸透膜におけ
るスケール発生のおそれがなく、pH調整のために必要な
アルカリ剤の添加量を低減し、得られる純水中の塩類濃
度を低下させて、水質の向上した純水を得ることができ
る純水の製造方法を提供する。 【解決手段】原水のpHを9.2以上に調整して逆浸透膜
に通水することにより純水を製造する方法において、原
水のpHを調整する前に、酸性条件下において脱気処理す
る工程と、強酸性カチオン交換樹脂と接触させるイオン
交換工程とによって、原水を前処理することを特徴とす
る純水の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、純水の製造方法に
関する。さらに詳しくは、本発明は、原水をアルカリ性
として逆浸透膜に通水することにより純水を製造する方
法において、逆浸透膜におけるスケール発生のおそれが
なく、pH調整のために必要なアルカリ剤の添加量を低減
し、得られる純水中の塩類濃度を低下させて、水質の向
上した純水を得ることができる純水の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】逆浸透膜による脱塩において、脱塩率は
逆浸透膜の種類によってほぼ決まるので、逆浸透膜に供
給する水の水質によって透過水として得られる脱塩水の
水質が左右される。高いpH条件下で逆浸透膜を用いて脱
塩する場合、ホウ素、シリカ、有機酸などは、pHの上昇
に応じて解離しやすくなり、イオン化した物質は逆浸透
膜で分離することができる。このために、中性条件下で
は除去できない物質も、高pH条件とすれば逆浸透膜によ
る除去が可能となる。しかし、原水のpHを高めるために
は、アルカリ剤を多量に添加することが必要なので、逆
浸透膜への供給水の塩類濃度が上昇し、脱塩水に含まれ
る塩類濃度も上昇し、水質の低下を招くことになる。例
えば、Oil and Gas Journal、199
3年9月20日号、第88〜91頁には、原水を弱酸性
カチオン交換樹脂で処理したのち、pHを10に調整して
逆浸透膜に通水することにより、ホウ素などが効果的に
除去されることが報告されている。しかし、この方法に
よれば、pH10のような高pH条件とする際に添加するア
ルカリ剤の量が多く、これらのアルカリ成分が逆浸透膜
の透過水にリークするという問題がある。また、弱酸性
カチオン交換樹脂のみによる前処理では、カルシウム成
分の除去が不十分となり、逆浸透膜でのスケール発生の
原因となるという問題もある。このために、逆浸透膜に
おけるスケール発生のおそれがなく、pH調整のために必
要なアルカリ剤の添加量を低減し、脱塩水中の塩類濃度
を下げて、水質の向上した純水を得ることができる純水
の製造方法が求められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、原水をアル
カリ性として逆浸透膜に通水することにより純水を製造
する方法において、逆浸透膜におけるスケール発生のお
それがなく、pH調整のために必要なアルカリ剤の添加量
を低減し、得られる純水中の塩類濃度を低下させて、水
質の向上した純水を得ることができる純水の製造方法を
提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、原水のpHをアルカ
リ性に調整する前に、酸性条件下において脱気処理する
工程と、強酸性カチオン交換樹脂と接触させるイオン交
換工程とによって前処理することにより、原水中の炭酸
とカルシウムイオンなどを完全に除去してスケールの発
生を防止するとともに、pH調整に必要なアルカリ剤の量
を低減して、高水質の純水を製造することが可能となる
ことを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、(1)原水のpHを9.
2以上に調整して逆浸透膜に通水することにより純水を
製造する方法において、原水のpHを調整する前に、酸性
条件下において脱気処理する工程と、強酸性カチオン交
換樹脂と接触させるイオン交換工程とによって、原水を
前処理することを特徴とする純水の製造方法、を提供す
るものである。さらに、本発明の好ましい態様として、
(2)原水のpHを6以下に調整して脱気処理する第(1)
項記載の純水の製造方法、(3)イオン交換工程におい
て、弱酸性カチオン交換樹脂との接触を併用する第(1)
項記載の純水の製造方法、及び、(4)逆浸透膜を多段
に設け、前段の逆浸透膜の透過水を後段の逆浸透膜に通
水する第(1)項記載の純水の製造方法、を挙げることが
できる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明方法は、原水のpHを9.2
以上に調整して逆浸透膜に通水することにより純水を製
造する方法において、原水のpHを調整する前に、酸性条
件下において脱気処理する工程と、強酸性カチオン交換
樹脂と接触させるイオン交換工程とによって、原水を前
処理するものである。脱気処理工程とイオン交換工程の
順序には特に制限はなく、脱気処理に続いてイオン交換
処理することができ、あるいは逆にイオン交換処理に続
いて脱気処理することもできる。本発明方法において、
原水を酸性条件下において脱気処理する際に、原水のpH
が6以下であることが好ましく、pHが5以下であること
がより好ましい。原水を酸性条件下で脱気処理すること
により、原水中に含まれる炭酸イオン及び重炭酸イオン
を炭酸ガスとして除去することができる。原水中に炭酸
イオン及び重炭酸イオンが存在すると、炭酸イオン及び
重炭酸イオンはpHの緩衝作用が大きいので、原水のpHを
9.2以上に調整するために必要なアルカリ剤の添加量
が多くなり、逆浸透膜処理におけるアルカリのリーク量
が多くなる。本発明方法においては、原水を酸性条件下
において脱気処理して炭酸を除去するので、pHを9.2
以上に調整するために必要なアルカリ剤の添加量が少な
く、逆浸透膜処理におけるアルカリのリーク量が大幅に
減少する。原水を酸性条件とする方法には特に制限はな
く、例えば、塩酸、硫酸などの添加により酸性とするこ
とができ、あるいは、酸性物質を含む固体粒子に接触さ
せて酸性とすることもできる。酸性物質を含む固体粒子
としては、例えば、塩酸などにより再生した弱酸性カチ
オン交換樹脂や強酸性カチオン交換樹脂などを挙げるこ
とができる。イオン交換樹脂と接触させる方法において
は、イオン交換樹脂塔への通水初期などはpHが低くなり
すぎたり、あるいは通水を進めるとともにpHが少しづつ
上昇するなど、pHが必ずしも一定とならない場合がある
ので、酸の添加によるpHの調整を併用し、pHを一定にし
て、脱気処理における炭酸の除去率を一定とすることが
好ましい。使用する脱気処理装置には特に制限はなく、
例えば、脱炭酸塔、真空脱気塔、窒素脱気塔、膜脱気装
置などを挙げることができる。
【0006】本発明方法においては、原水を強酸性カチ
オン交換樹脂と接触させることにより、原水中のカルシ
ウムイオン、マグネシウムイオンなどを除去する。原水
中のカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどは、原
水のpHを9.2以上に調整する際にアルカリ剤を消費す
るので、カルシウムイオン、マグネシウムイオンなどを
除去することにより、pHを9.2以上に調整するために
必要なアルカリ剤の添加量を少なくし、逆浸透膜処理に
おけるアルカリのリーク量を大幅に減少することができ
る。弱酸性カチオン交換樹脂はカルシウム吸着量が大き
く、再生頻度が小さいという利点はあるものの、弱酸性
カチオン交換樹脂は重炭酸カルシウムのようなアルカリ
性塩の分解能を有するが、塩化カルシウムのような中性
塩に対しては分解能を有しない。このために、弱酸性カ
チオン交換樹脂によって原水中のカルシウムの一部は除
去されるが、すべてのカルシウムを除去することはでき
ない。本発明方法においては、強酸性カチオン交換樹脂
を使用するので、アルカリ性塩も中性塩も分解すること
ができ、原水中のカルシウムイオンをほぼ完全に除去す
ることができる。本発明方法において、強酸性カチオン
交換樹脂は、H形で用いることも、Na形で用いること
も可能である。イオン交換工程の後に脱気処理工程があ
る場合には、脱気処理は酸性条件下において行うので、
強酸性カチオン交換樹脂をH形で使用した場合は、水中
へ水素イオンH+が遊離して酸性となり、脱気処理にお
いて酸性条件とするための酸の使用量を低減することが
できる。強酸性カチオン交換樹脂をNa型で使用した場
合でも、強酸性カチオン交換樹脂はナトリウムよりもカ
ルシウムの方が選択性が高いので、カルシウムを除去す
ることができる。したがって、強酸性カチオン交換樹脂
が、カルシウムやマグネシウムでほぼ飽和されるまで通
水することができ、H形で使用する場合より処理水量が
多くなるので好ましい。なお、強酸性カチオン交換樹脂
の再生は、H形の場合は鉱酸で再生し、Na形の場合
は、食塩水で再生するか、あるいは鉱酸で再生する。鉱
酸で再生するとH形になるが、通水中に徐々にH形から
Na形に変化する。本発明方法においては、強酸性カチ
オン交換樹脂とともに、弱酸性カチオン交換樹脂を併用
することができる。H形の弱酸性カチオン交換樹脂でア
ルカリ性塩のカルシウムを除去し、強酸性カチオン交換
樹脂で中性塩のカルシウムを除去することにより、弱酸
性カチオン交換樹脂と強酸性カチオン交換樹脂の特性を
生かし、カルシウムの除去量を大きく、再生頻度を小さ
くすることができる。
【0007】本発明方法においては、酸性条件下におけ
る脱気処理工程と強酸性カチオン交換樹脂との接触によ
るイオン交換工程を終えた原水のpHを9.2以上に調整
して、逆浸透膜に通水する。本発明方法において、原水
のpHを9.2以上に調整する方法には特に制限はなく、
例えば、水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液を添加
する方法や、強塩基性アニオン交換樹脂と接触させる方
法などを挙げることができる。アルカリ水溶液を添加す
る方法としては、例えば、撹拌機つきのpH調整槽を設け
たり、通水ラインにアルカリ水溶液注入口を設け、その
下流側にスタチックミキサーなどを設置することなどが
できる。原水のpHは、ホウ酸の酸解離指数pKa9.2
(25℃)以上に調整し、より好ましくは10以上に調
整する。本発明方法に使用する逆浸透膜は、長期的にpH
10以上となっても劣化を受けない耐アルカリ性逆浸透
膜であることが好ましい。この場合、供給されるアルカ
リ性の原水のpHよりも、濃縮水の方がpHが高くなるの
で、濃縮水のpHを考慮して耐アルカリ性逆浸透膜を選択
する必要がある。このような耐アルカリ性逆浸透膜とし
ては、例えば、pH11まで長期耐久性のあるものとして
市販されている FILMTEC type FT30な
どや、pH10まで長期耐久性のあるものとして市販され
ている日東電工(株)製のES20、ES10、NTR7
59、東レ(株)製のSU700などのポリアミド系の膜
などを挙げることができる。本発明方法において、pHを
9.2以上に調整した原水を通水する逆浸透膜は、多段
に設けて、前段の逆浸透膜の透過水を後段の逆浸透膜の
供給水とすることができる。逆浸透膜により原水からホ
ウ素を除去する場合、逆浸透膜のホウ素に対する除去性
能は、高アルカリ条件の方が高いことは知られていた
が、ナトリウムイオンなどのカチオン成分に対する除去
性能と異なり、濃度依存性が少なく、特に低濃度におい
ても除去率の低下の度合が少ないことが、新たな知見と
して明らかになった。このため、逆浸透膜を多段に組み
合わせ、供給水のpHをホウ酸の酸解離指数pKaである
9.2(25℃)以上に調整することにより、ホウ素除
去率を高めることができる。
【0008】以下、図面により本発明方法の実施の態様
を説明する。図1は、本発明方法の一態様の工程系統図
である。本態様においては、原水は強酸性カチオン交換
樹脂塔1に通水されたのち、膜脱気装置2において脱気
処理される。膜脱気装置より流出する水は、pHセンサー
3、制御器4、アルカリ貯槽5及び薬注ポンプ6を備え
たアルカリ添加装置により、アルカリ剤が添加され、pH
9.2以上に調整される。pHが9.2以上に調整された水
は、前段の逆浸透膜7及び後段の逆浸透膜8に通水さ
れ、不純物が除去されて、純水が得られる。図2は、本
発明方法の他の態様の工程系統図である。本態様におい
ては、原水は、弱酸性カチオン交換樹脂塔9に通水され
てカルシウムのアルカリ性塩が除去されたのち、膜脱気
装置2において脱気処理される。膜脱気装置より流出す
る水は強酸性カチオン交換樹脂塔1に通水されて残存す
るカルシウムの中性塩が除去されたのち、pHセンサー
3、制御器4、アルカリ貯槽5及び薬注ポンプ6を備え
たアルカリ添加装置により、アルカリ剤が添加され、pH
9.2以上に調整される。pHが9.2以上に調整された水
は、前段の逆浸透膜7及び後段の逆浸透膜8に通水さ
れ、不純物が除去されて、純水が得られる。図3は、本
発明方法の他の態様の工程系統図である。本態様におい
ては、原水は、pHセンサー10、制御器11、酸貯槽1
2及び薬注ポンプ13を備えた酸添加装置により酸が添
加され、pH6以下に調整され、次いで、膜脱気装置2に
おいて脱気処理される。膜脱気装置より流出する水は強
酸性カチオン交換樹脂塔1に通水されたのち、pHセンサ
ー3、制御器4、アルカリ貯槽5及び薬注ポンプ6を備
えたアルカリ添加装置により、アルカリ剤が添加され、
pH9.2以上に調整される。pHが9.2以上に調整された
水は、前段の逆浸透膜7及び後段の逆浸透膜8に通水さ
れ、不純物が除去されて、純水が得られる。図4は、本
発明方法の他の態様の工程系統図である。本態様におい
ては、原水は、弱酸性カチオン交換樹脂塔9に通水され
てカルシウムのアルカリ性塩が除去されたのち、強酸性
カチオン交換樹脂塔1に通水されて残存するカルシウム
の中性塩が除去される。強酸性カチオン交換樹脂塔より
流出する水は、次いで、膜脱気装置2において脱気処理
される。膜脱気装置より流出する水は、pHセンサー3、
制御器4、アルカリ貯槽5及び薬注ポンプ6を備えたア
ルカリ添加装置により、アルカリ剤が添加され、pH9.
2以上に調整される。pHが9.2以上に調整された水
は、前段の逆浸透膜7及び後段の逆浸透膜8に通水さ
れ、不純物が除去されて、純水が得られる。
【0009】図5は、本発明方法の他の態様の工程系統
図である。本態様においては、原水は強酸性カチオン交
換樹脂と弱酸性カチオン交換樹脂の混合塔14に通水さ
れたのち、膜脱気装置2において脱気処理される。膜脱
気装置より流出する水は、pHセンサー3、制御器4、ア
ルカリ貯槽5及び薬注ポンプ6を備えたアルカリ添加装
置により、アルカリ剤が添加され、pH9.2以上に調整
される。pHが9.2以上に調整された水は、前段の逆浸
透膜7及び後段の逆浸透膜8に通水され、不純物が除去
されて、純水が得られる。本態様においては、酸の添加
が不要であり、イオン交換樹脂塔が1塔のみであり、さ
らに弱酸性カチオン交換樹脂と強酸性カチオン交換樹脂
の混合塔とすることにより、イオン交換樹脂の再生頻度
を低くすることができるので、本態様の純水の製造方法
は経済的に優れている。図6は、本発明方法の他の態様
の工程系統図である。本態様においては、原水は、pHセ
ンサー10、制御器11、酸貯槽12及び薬注ポンプ1
3を備えた酸添加装置により酸が添加され、pH6以下に
調整され、次いで、膜脱気装置2において脱気処理され
る。膜脱気装置より流出する水は強酸性カチオン交換樹
脂と弱酸性カチオン交換樹脂の混合塔14に通水された
のち、pHセンサー3、制御器4、アルカリ貯槽5及び薬
注ポンプ6を備えたアルカリ添加装置により、アルカリ
剤が添加され、pH9.2以上に調整される。pHが9.2以
上に調整された水は、前段の逆浸透膜7及び後段の逆浸
透膜8に通水され、不純物が除去されて、純水が得られ
る。本発明方法によれば、原水をアルカリ条件下におい
て逆浸透膜に通水し、純水を製造するに際して、原水中
のカルシウムなどや炭酸を十分に除去しているので、pH
を調整するために添加するアルカリ剤の量を低減し、逆
浸透膜からリークするアルカリ成分の濃度を減少し、純
度の高い純水を得ることができる。また、逆浸透膜への
炭酸カルシウムなどのスケールの沈積も防止することが
できる。
【0010】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 図3に示す2段の逆浸透膜装置を有する工程により、純
水を製造した。厚木市水を、活性炭[(株)クラレ、クラ
レコールKW10/32]30リットルを充填した塔に
600リットル/hrで通水し、残留塩素を除いた水を原
水として用いた。原水中のカルシウム濃度は24mg/リ
ットルであり、ホウ素濃度は30μg/リットルであっ
た。膜脱気装置2には脱気膜[大日本インキ工業(株)、
SEPAREL EF−040P]を装着し、強酸性カ
チオン交換樹脂塔1には、強酸性カチオン交換樹脂[バ
イエル社、Lewatit S100]30リットルを
充填し、逆浸透膜装置7及び8には耐アルカリ性逆浸透
膜[FILMTEC type FT30]を装着した。
原水に硫酸を加えてpHを4.5に調整し、600リット
ル/hrの速度で通水して、膜脱気装置における脱気処理
と、強酸性カチオン交換樹脂塔におけるイオン交換を行
った。強酸性カチオン交換樹脂塔から流出する水のカル
シウム濃度は、0.01mg/リットル以下であった。こ
の強酸性カチオン交換樹脂塔から流出する水に、水酸化
ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整したのち、
前段の逆浸透膜装置に、供給水600リットル/hr、透
過水540リットル/hr、濃縮水60リットル/hrの条
件で通水し、さらに前段の逆浸透膜装置の透過水を、後
段の逆浸透膜装置に供給水540リットル/hr、透過水
486リットル/hr、濃縮水54リットル/hrの条件で
通水して純水を製造した。後段の逆浸透膜装置の透過水
として得られた純水のナトリウム濃度は380μg/リ
ットルであり、ホウ素濃度は0.1μg/リットルであ
った。 比較例1 厚木市水を活性炭充填塔に通水し、残留塩素を除いた実
施例1と同じ原水を、弱酸性カチオン交換樹脂[バイエ
ル社、Lewatit CNP80]30リットルを充
填した弱酸性カチオン交換樹脂塔に600リットル/hr
の速度で通水した。弱酸性カチオン交換樹脂塔から流出
する水のカルシウム濃度は、0.2mg/リットルであっ
た。この弱酸性カチオン交換樹脂塔から流出する水に、
水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した
のち、実施例1と同じ耐アルカリ性逆浸透膜[FILM
TEC type FT30]を装着した逆浸透膜装置に
通水した。前段の逆浸透膜装置には、供給水600リッ
トル/hr、透過水540リットル/hr、濃縮水60リッ
トル/hrの条件で通水し、さらに前段の逆浸透膜装置の
透過水を、後段の逆浸透膜装置に供給水540リットル
/hr、透過水486リットル/hr、濃縮水54リットル
/hrの条件で通水して純水を製造した。後段の逆浸透膜
装置の透過水として得られた純水のナトリウム濃度は
1,800μg/リットルであり、ホウ素濃度は0.1μ
g/リットルであった。実施例1及び比較例1の結果
を、第1表に示す。
【0011】
【表1】
【0012】第1表に見られるように、実施例1で得ら
れた純水も、比較例1で得られた純水も、ホウ素濃度は
0.1μg/リットルであり、ホウ素に関しては同等の
除去効果が得られている。しかし、実施例1で得られた
純水はナトリウム濃度が380μg/リットルであるの
に対して、比較例1で得られた純水のナトリウム濃度は
1,800μg/リットルと実施例1の4倍以上であ
り、実施例1においては、逆浸透膜からのナトリウムの
リークが少ないことが分かる。これは、前段の逆浸透膜
装置への供給水のカルシウム濃度の差からも分かるよう
に、実施例1では原水を強酸性カチオン交換樹脂と接触
させているので、カルシウムが完全に除去され、さらに
脱気処理により炭酸も除去されているので、逆浸透膜へ
の供給水のpHを10に調整するために添加する水酸化ナ
トリウムの量が少なく、その結果、逆浸透膜からリーク
するナトリウムの量も少なくなったものと考えられる。
【0013】
【発明の効果】本発明方法によれば、原水をアルカリ条
件下において逆浸透膜に通水し、純水を製造するに際し
て、原水中のカルシウムなどや炭酸を十分に除去してい
るので、pHを調整するために添加するアルカリ剤の量を
低減し、逆浸透膜からリークするアルカリの濃度を減少
し、純度の高い純水を得ることができる。また、逆浸透
膜への炭酸カルシウムなどのスケールの沈積も防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明方法の一態様の工程系統図であ
る。
【図2】図2は、本発明方法の他の態様の工程系統図で
ある。
【図3】図3は、本発明方法の他の態様の工程系統図で
ある。
【図4】図4は、本発明方法の他の態様の工程系統図で
ある。
【図5】図5は、本発明方法の他の態様の工程系統図で
ある。
【図6】図6は、本発明方法の他の態様の工程系統図で
ある。
【符号の説明】
1 強酸性カチオン交換樹脂塔 2 膜脱気装置 3 pHセンサー 4 制御器 5 アルカリ貯槽 6 薬注ポンプ 7 前段の逆浸透膜 8 後段の逆浸透膜 9 弱酸性カチオン交換樹脂塔 10 pHセンサー 11 制御器 12 酸貯槽 13 薬注ポンプ 14 強酸性カチオン交換樹脂と弱酸性カチオン交換樹
脂の混合塔
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 1/44 C02F 1/44 J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原水のpHを9.2以上に調整して逆浸透膜
    に通水することにより純水を製造する方法において、原
    水のpHを調整する前に、酸性条件下において脱気処理す
    る工程と、強酸性カチオン交換樹脂と接触させるイオン
    交換工程とによって、原水を前処理することを特徴とす
    る純水の製造方法。
JP00228398A 1998-01-08 1998-01-08 純水の製造方法 Expired - Fee Related JP3536294B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00228398A JP3536294B2 (ja) 1998-01-08 1998-01-08 純水の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00228398A JP3536294B2 (ja) 1998-01-08 1998-01-08 純水の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11197649A true JPH11197649A (ja) 1999-07-27
JP3536294B2 JP3536294B2 (ja) 2004-06-07

Family

ID=11525052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00228398A Expired - Fee Related JP3536294B2 (ja) 1998-01-08 1998-01-08 純水の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3536294B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013535322A (ja) * 2010-07-26 2013-09-12 ビーダブリューティー アクティエンゲゼルシャフト 水を処理するための方法及びシステム
JP2020124668A (ja) * 2019-02-04 2020-08-20 株式会社東芝 水処理システム及び水処理方法
JP2020182899A (ja) * 2019-05-07 2020-11-12 株式会社東芝 水処理装置
EP3771692A1 (en) * 2019-07-29 2021-02-03 ICon GmbH & Co. KG Water-hardness reducing appartus for reducing the formation of chalk deposits in a water supply
WO2021117309A1 (ja) * 2019-12-13 2021-06-17 株式会社 東芝 水処理装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013535322A (ja) * 2010-07-26 2013-09-12 ビーダブリューティー アクティエンゲゼルシャフト 水を処理するための方法及びシステム
JP2020124668A (ja) * 2019-02-04 2020-08-20 株式会社東芝 水処理システム及び水処理方法
JP2020182899A (ja) * 2019-05-07 2020-11-12 株式会社東芝 水処理装置
WO2020226039A1 (ja) * 2019-05-07 2020-11-12 株式会社 東芝 水処理装置
EP3771692A1 (en) * 2019-07-29 2021-02-03 ICon GmbH & Co. KG Water-hardness reducing appartus for reducing the formation of chalk deposits in a water supply
WO2021117309A1 (ja) * 2019-12-13 2021-06-17 株式会社 東芝 水処理装置
JPWO2021117309A1 (ja) * 2019-12-13 2021-06-17

Also Published As

Publication number Publication date
JP3536294B2 (ja) 2004-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH11510432A (ja) 逆浸透を使用する高純度の水の製造
JPH11244853A (ja) 純水の製造方法
JP3646900B2 (ja) 硼素含有水の処理装置及び方法
JPS62294484A (ja) 高濃度のシリカを含む水の逆浸透処理法
JP2007307561A (ja) 高純度水の製造装置および方法
JPS59112890A (ja) 逆浸透膜装置による脱塩方法
JP3137831B2 (ja) 膜処理装置
JP3536294B2 (ja) 純水の製造方法
WO2021131360A1 (ja) 純水製造方法、純水製造システム、超純水製造方法及び超純水製造システム
JP3575260B2 (ja) 純水製造装置
JPH0252088A (ja) 脱塩水製造装置
JP2000070933A (ja) 純水製造方法
JPH11267645A (ja) 純水の製造方法
JPH05269463A (ja) 膜分離装置
JP2002210494A (ja) 超純水製造装置
JPH1080684A (ja) 硼素含有水の処理装置及び方法
JP3081079B2 (ja) 脱炭酸装置、及び同装置を組込んだ純水製造装置
JPH09253642A (ja) 純水製造装置
JPH07962A (ja) 純水の製造方法
JP3826546B2 (ja) ホウ素含有水の処理装置
JP4208270B2 (ja) 純水の製造方法
JP3885319B2 (ja) 純水製造装置
JP2000271569A (ja) 純水の製造方法
JPS6291287A (ja) 純水製造装置
JPS586297A (ja) シリカ含有量の多い原水の処理方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040223

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040307

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080326

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090326

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090326

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100326

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110326

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110326

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120326

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120326

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130326

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130326

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees