JPH11197250A - 生体内留置部材配置用ワイヤー装置 - Google Patents

生体内留置部材配置用ワイヤー装置

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JPH11197250A
JPH11197250A JP10308029A JP30802998A JPH11197250A JP H11197250 A JPH11197250 A JP H11197250A JP 10308029 A JP10308029 A JP 10308029A JP 30802998 A JP30802998 A JP 30802998A JP H11197250 A JPH11197250 A JP H11197250A
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coil
vivo indwelling
wire
wire device
indwelling member
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JP10308029A
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English (en)
Inventor
Yoshito Ikada
義人 筏
Hiroo Iwata
博夫 岩田
Kazuo Taki
和郎 滝
Nobuyuki Sakai
信幸 坂井
Hisanori Owaki
久敬 大脇
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KANEKA MEDICS KK
Original Assignee
KANEKA MEDICS KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体内に挿入された後においても、実際に配
置される生体内留置部材長さまたは量を変更または調節
することができ、適正な長さまたは量の生体内留置部材
を配置することができるワイヤー装置を提供すること。 【解決手段】 この生体内留置部材配置用ワイヤー装置
は、配置用ワイヤーと、このワイヤーの先端に切断可能
な第1の連結部材によって連結された生体内留置部材と
からなり、生体内留置部材は、複数の生体内留置素子が
1または2以上の切断可能な第2の連結部材を介して連
結されてなる。このワイヤー装置は、その先端部に電極
を有するカテーテルにより案内され、当該電極に電力が
供給されることにより、カテーテルの先端に位置される
第1の連結部材または第2の連結部材が切断される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管状器官を通して
生体内の所要の個所に所要の留置部材を配置するための
生体内留置部材配置用ワイヤー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、外科的手術を伴う生体の治療に
は種々の問題がある。例えば、施術される患者において
は長時間の手術に耐えなければならず、また術者におい
ては、長時間にわたって神経を集中させることを強いら
れ、感染などの危険性も比較的高い。このような種々の
負担を軽減し、必要な手術をより安全に、かつ簡便に実
行するために、最近においては、カテーテルやガイドワ
イヤー、血管などの管状器官を閉塞させるための塞栓材
料、その他の各種の医療機器が開発され、実用に供され
ている。
【0003】例えば、カテーテルやガイドワイヤーなど
の医療機器における最近の進歩により、血管内から所要
の患部にアプローチする血管内手術が実行されるように
なってきており、特に動静脈奇形、脳動脈瘤、頸動脈海
綿静脈洞瘻などの疾患の治療に多く適用されるようにな
ってきた。また、現在において、管状器官塞栓材料とし
ては、離脱型バルーン、コイル、液体塞栓物質、粒子状
塞栓物質などが使用されている。しかし、通常、管状器
官内などに留置されるこれらの塞栓材料は、これを一旦
誤った位置に留置あるいは放出してしまった場合には、
その回収や位置の修正などを実行することはほとんど不
可能である。
【0004】このような事情から、従来、目的とする個
所に配置することに失敗した場合にも、引き戻して再度
入れ直すことが可能であり、配置個所を確認した上で塞
栓材料を離脱させて留置することのできる離脱型塞栓材
料が提案されている。
【0005】例えば特表平5−500322号公報や特
開平7−265431号公報には、ガイドワイヤーの先
端部に適宜の切断可能な連結部材によってコイルなどの
塞栓材料を連結して設け、当該塞栓材料を所要の個所に
配置した上で連結部材を切断することにより、塞栓材料
をガイドワイヤーから離脱させてこれを例えば動脈瘤内
に留置する方法が提案されている。このような方法にお
いては、塞栓材料を離脱させるために、連結部材をステ
ンレス鋼により形成してこれを正極の電流によって電気
分解することにより溶解させる手段、あるいは連結部材
をポリビニルアルコールにより形成してこれを高周波電
流により溶断させる手段が利用されている。
【0006】一般に、動脈瘤などの病変部に塞栓材料を
配置する場合には、先ずマイクロカテーテルを動脈瘤内
に導入し、このマイクロカテーテルを介してコイルなど
の塞栓材料を配置用ワイヤーによって送り込み、動脈瘤
内に塞栓材料を充填することが行われる。そして、1つ
の塞栓材料では動脈瘤内を十分に充満させられない場合
には、2つ以上の塞栓材料が順次に挿入配置される。
【0007】然るに、従来の生体内留置部材配置用医療
用具においては、配置される塞栓材料は、種々の条件か
ら予想によって選定された特定の長さのものであるた
め、実際には、塞栓材料の全部を動脈瘤内に挿入するこ
とができず、途中まで挿入した段階で当該動脈瘤内が充
満された状態となることがある。この場合に、塞栓材料
の残部を無理に動脈瘤内に押し込むことは動脈瘤の破裂
の原因となるので絶対に避けなければならず、一方、当
該塞栓材料の残部が動脈瘤外の血管(親動脈)に残置さ
れると血栓症の原因となる。そのため、当該塞栓材料を
引き戻し、適当な長さの塞栓材料に変更して再度配置す
ることが必要となる。しかしながら、一旦、途中まで挿
入した塞栓材料を引き戻す際には、当該塞栓材料が既に
配置されている塞栓材料と絡み合ったり、当該塞栓材料
のコイル形状が変形することがあり、更に、挿入も引抜
きも不可能となる事態となることもある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
生体内留置部材配置用医療用具においては、生体内に挿
入された後には、配置される生体内留置部材の長さまた
は量を変更することができず、このため、所期の生体内
留置部材の配置を簡便に実行することができないという
問題点がある。
【0009】本発明は、このような問題点を解決し、生
体内に挿入された後においても、実際に配置される生体
内留置部材長さまたは量を変更または調節することがで
き、従ってきわめて適正な長さまたは量の生体内留置部
材を容易に配置し留置することができる生体内留置部材
配置用ワイヤー装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の生体内留置部材
配置用ワイヤー装置は、生体内留置部材配置用ワイヤー
と、このワイヤーの先端に切断可能な第1の連結部材に
よって連結された生体内留置部材とからなり、前記生体
内留置部材は、複数の生体内留置素子が1または2以上
の切断可能な第2の連結部材を介して順次に連結されて
なることを特徴とする。
【0011】以上において、生体内留置部材の生体内留
置素子は、生体適合性を有する金属コイルにより形成す
ることができる。また、第1の連結部材および第2の連
結部材連結部材を、熱溶断性材料、例えばポリビニルア
ルコール系重合体により形成することができる。
【0012】以上のような構成によれば、生体内留置部
材配置用ワイヤー装置がマイクロカテーテルを介して生
体内に挿入されて動脈瘤などの目的とする個所に生体内
留置部材が配置されるが、当該生体内留置部材と配置用
ワイヤーが第1の連結部材によって連結され、また生体
内留置部材を構成する複数の生体内留置素子が1または
2以上の第2の連結部材によって連結されているとこ
ろ、これらの連結部材はいずれも切断可能なものである
ため、挿入された状態のままで切断すべき連結部材を選
定することにより、実際に切り離されて配置される生体
内留置部材の長さまたは量を変更または調節することが
できる。従って、適正な長さまたは量の生体内留置部材
を、目的とする個所にきわめて容易に配置することがで
きる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面によって本発明の一実
施例を説明する。図1は、本発明の生体内留置部材配置
用ワイヤー装置の一例における全体の構成を示す説明用
斜視図、図2は、図1の生体内留置部材を構成する複合
コイル体およびその連結の状態を示す拡大図、図3は、
図2の複合コイル体を伸長させた状態で示す説明図、図
4は、図3の説明用断面図である。
【0014】このワイヤー装置10は、基本的に、プッ
シャーとして使用される配置用ワイヤー12と、連結用
コイル部材13と、第1の連結部材15と、生体内留置
部材を構成する複合コイル体16とにより構成されてい
る。配置用ワイヤー12は、例えばステンレス鋼よりな
り、図の右側における手元側部分12Aと、先端側(図
の左方)に向かうに従って外径が小さくなる柔軟なテー
パ部分12Bとを有し、このテーパ部分12Bに続く先
端部に、例えばステンレス鋼製の小径部分13Aと大径
部分13Bとを有してなる連結用コイル部材13の当該
小径部分13Aの基端部が嵌着されている。
【0015】配置用ワイヤー12は、例えばコアワイヤ
ーの外周面上に、更に巻回ワイヤーをコイル状に密に巻
回した構成とすることができる。この配置用ワイヤー1
2の外径は0.1〜2.0mmであることが好ましい
が、長さは目的に応じて種々の長さとされ、例えば10
0〜2000mmの範囲である。
【0016】連結用コイル部材13の大径部分13Bの
先端部には、短いロッド状のポリビニルアルコール系重
合体よりなる第1の連結部材15の基端部が挿入されて
接着剤により接着されて固定されると共に、当該第1の
連結部材15の先端部が、複合コイル体16の第1のコ
イル素子16Aの基端部に挿入されて接着剤により接着
されて固定されており、これにより、当該第1の連結部
材15を介して、ワイヤー12と複合コイル体16とが
一体に連結されている。
【0017】生体内留置部材を構成する複合コイル体1
6は、複数(図示の例では4つ)のコイル素子16A〜
16Dが、順次に、各々短いロッド状のポリビニルアル
コール系重合体よりなる合計3つの第2の連結部材17
A〜17Cにより順次に直列に連結されており、その具
体的な連結の態様は、図4に示すように、第2の連結部
材の端部が、連結に係るコイル素子の端部に挿入された
上で接着剤により接着されて固定されることにより、達
成されている。18は、先頭のコイル素子16Dの先端
に形成された、表面が滑らかな半球状部分であって、例
えばコイル素子の線材が熱溶融されて形成される。20
は接着剤による接着部である。
【0018】複合コイル体16を構成するコイル素子1
6A〜16Dの各々は、生体適合性を有する金属コイル
により形成されている。コイル素子16A〜16Dの具
体的な材質としては、白金、タングステン、タンタル、
金、パラジウム、ロジウム、チタンおよびこれらの合金
から選ばれたものが用いられるが、特に白金または白金
とタングステンとの合金が好ましい。このような材質の
コイル素子は、X線不透過性であるから、造影的に視認
することができる。
【0019】図示のコイル素子16A〜16Dの各々
は、その自然の形態が二重コイル状であり、図1では、
その一次コイル状態での長さL(図3参照)は、二次コ
イルの略1ターンとされているが、これに限定されるも
のではない。
【0020】複合コイル体16を構成する第2の連結部
材17A〜17Cの各々は、前記第1の連結部材15と
同様の材料により形成され、その長さ、形態は同一のも
のであってもよい。これらの連結部材は適宜の長さを有
し、連結状態において、当該連結部材の一部の外周面が
露出した状態とされる。
【0021】ここに、複合コイル体16における寸法の
範囲を挙げると次のとおりである。コイル素子16A〜
16Dの各々の線材の径は0.01〜0.10mm、一
次コイルの外径は0.1〜1.0mm、二次コイルの外
径は1.0〜20.0mmとされる。また、第1の連結
部材15および第2の連結部材17A〜17Cの各々の
外径は、コイル素子の一次コイルの内径に適合した大き
さとされ、その長さは、連結に十分な長さであればよい
が、露出部分の長さEが0.5〜2.0mmとされるこ
とが好ましい。
【0022】連結部材(第1の連結部材15および第2
の連結部材17A〜17Cの各々をいう。)の材質は、
生体に悪影響を与えず、生体内に挿入した後に任意に切
断し得るものであれば特に限定されるものではないが、
特に後述するマイクロカテーテルの電極に通電すること
によって切断されるものであることが好ましく、また加
熱によって切断されることが好ましく、更に高周波電流
による加熱によって溶断する材料、例えばポリビニルア
ルコール系重合体が一層好適である。
【0023】連結部材による連結の態様は特に限定され
るものではなく、例えば接着剤による接着、溶接、物理
的力による連結、その他の手段を利用することができ
る。このうち、特に接着剤による接着が好ましい。この
場合に、接着剤としては例えばシアノアクリレート系接
着剤を好適に用いることができる。
【0024】以上において、コイル素子の数、個々のコ
イル素子の長さ、形態などは特に限定されるものではな
くて自由に定めることができ、長さや形態の異なるコイ
ル素子を連結して複合コイル体を構成することもでき
る。そして、長さが異なるコイル素子を連結する場合に
おいては、第1の連結部材15により連結されるコイル
素子(17A)を最短の長さのものとし、先頭側のコイ
ル素子を最長の長さのものとし、中間のコイル素子は順
次に長くなるように連結することもできる。このような
構成によれば、後から挿入配置される生体内留置素子の
長さが次第に短くなるので、実際の使用上の自由度が大
きくなる利点がある。
【0025】図5は、複合コイル体16の他の例を示す
説明用断面図であり、この例では、図3の例における第
1の連結部材15並びに第2の連結部材17A〜17C
のすべてが一本のロッドよりなる共通連結材料25によ
り形成されている。図6は、複合コイル体16の更に他
の例を示す説明用断面図であり、この例では、図3の例
におけるコイル素子16A〜16Dの各々に、血栓の形
成を促進させる繊維体28が径方向外方に1〜10mm
程度の長さで突出する状態に設けられている。この繊維
体28は、例えばポリエステル、フッ素系樹脂、ナイロ
ンなどの繊維により構成され、例えば当該コイル素子1
6A〜16Dの各々における一次コイルを構成するリン
グ状ワイヤーの隣接するもの同士の間に挟持させること
により、設けることができる。
【0026】上述のワイヤー装置10は、通常、カテー
テルと共に使用される。図7は、上述のワイヤー装置1
0を生体内に挿入するために有利に用いられるマイクロ
カテーテルの構成を示す説明用正面図である。この例の
マイクロカテーテル30は、カテーテル本体31と、こ
のカテーテル本体31の手元側端部に設けられた手元操
作部32と、カテーテル本体31の壁内に埋設された、
手元側から先端部にまで伸びる金属の編組からなるブレ
ード33と、カテーテル本体31の先端部に設けられた
リング状の電極35とよりなり、電極35はブレード3
3に電気的に接続されている。38は、ブレード33の
手元側に電気的に接続された高周波電源である。
【0027】図8は、図7と同様のマイクロカテーテル
30を示すが、この例では、ブレード33の代わりに、
カテーテル本体31の手元側から先端部にまで伸びる金
属線リード34が設けられ、これによって高周波電源3
8と電極35とが電気的に接続されている。
【0028】以上のようなワイヤー装置10とマイクロ
カテーテル30とよりなる生体内留置部材配置用医療用
具によれば、次のようにして、生体内留置部材が生体内
の所期の個所に配置される。まず、通常の手法によっ
て、マイクロカテーテル30が生体内に挿入され、その
先端部開口が、生体内留置部材を配置すべき個所、例え
ば動脈瘤の開口部に臨んだ状態とされる。このマイクロ
カテーテル30内に、その手元操作部32を介して、ワ
イヤー装置10を、その複合コイル体16が先頭となる
状態で生体内に挿入され、更に押し込まれる。このと
き、複合コイル体16は、そのコイル素子16A〜16
Dの二次コイルがカテーテル本体31に沿って略直線状
に伸びた状態でカテーテル本体31内を移動する。
【0029】当該コイル素子16A〜16Dが形状記憶
特性を有する場合には、その二次コイルの形態を記憶さ
せた後、直線状(図3に示したように、二次コイルが解
かれた一次コイル体の状態)としてカテーテル本体31
に挿入し押し込み、その後、原形状に復帰させることも
できる。
【0030】カテーテル本体31の先端開口から、生体
内留置部材である複合コイル体16を適宜の長さだけ外
部に突出させ、この突出された部分の複合コイル体を例
えば動脈瘤などの適用個所に配置する。そして、必要な
長さまたは量の複合コイル体の部分が配置された状態
で、高周波電源38によりカテーテル本体31の先端部
の電極35と、別途当該生体の表面に設置しておいたア
ース電極となる対電極との間にモノポーラ高周波電流を
供給する。この高周波電流は、図7のマイクロカテーテ
ル30ではブレード33により、図8の例では金属線リ
ード34により、電極35に通電される。
【0031】以上の操作において、マイクロカテーテル
30からの複合コイル体16の突出状態は、ワイヤー装
置10のX線不透過性のコイル素子の造影像から、ある
程度の正確さをもって知ることができる。また、例え
ば、電極35をカテーテル本体31の先端部の内周面に
露出して設けて、通過するワイヤー装置10の複合コイ
ル体16のコイル素子16A〜16Dがこの電極35に
接触して移動するよう構成した場合には、当該カテーテ
ル本体31の通電用端子と、当該生体に設けた対電極と
の間の電気抵抗値を監視しながらワイヤー装置10を複
合コイル体16が先頭になる状態で挿入して押し込んで
行くと、当該電気抵抗値は、複合コイル体16の先頭の
コイル素子16Dがカテーテル本体31の開口から突出
した時点で大幅に低下し、また当該コイル素子16Dが
電極35から離れて絶縁性の連結部材17Cがカテーテ
ル本体31の開口に位置される状態となると電気抵抗値
が上昇し、以後、このような電気抵抗値が低下し、次い
で上昇する変化が繰り返されるようになるので、この電
気抵抗値の低下、上昇の状態を監視することにより、複
合コイル体16のいずれの部分がカテーテル本体31か
ら突出した状態となっているかを、正確に検出すること
ができる。
【0032】以上の高周波電流の供給により、カテーテ
ル本体31の先端開口部から突出したもののうち最も当
該電極35に接近している連結部材(図示の例では、第
1の連結部材15または第2の連結部材17A〜17C
のいずれか一)が、高周波電流による加熱作用によって
溶断して当該連結部材が切断され、その結果、当該切断
された連結部材より先頭側の複合コイル体16の部分、
すなわち切り離された単数または複数のコイル素子とこ
れに係る連結部材またはその残部が、実際の生体内留置
部材として配置される。
【0033】而して、上述のワイヤー装置10の複合コ
イル体16においては、第1の連結部材15および第2
の連結部材17A〜17Cの各々のすべてが、溶断によ
って切断され得る連結部材であるので、切断すべき連結
部材を選定することにより、実際に配置される生体内留
置部材の長さまたは量を、きわめて容易に、変更あるい
は調節することができ、その結果、きわめて適正な長さ
または量の生体内留置部材を短時間のうちに容易に配置
することができる。
【0034】具体的には、過剰の長さまたは量の生体内
留置部材を配置することを確実に回避することができる
ため、一旦挿入された生体内留置部材を引き戻す操作が
必要となる場合が殆どなくなり、従ってそれに伴う事故
あるいは危険も大幅に減少する。
【0035】以上において、連結部材がポリビニルアル
コール系重合体よりなるものである場合には、1〜3秒
間以内というきわめて短時間の高周波電流の供給によ
り、当該連結部材を溶断させることができる。
【0036】以上、本発明を具体的に説明したが、本発
明においては、種々変更を加えることができる。例え
ば、生体内留置部材としては、複合コイル体に限られ
ず、他の形態のもの、例えばリング状、パイプ状、カプ
セル状など適宜の生体内留置素子を用いることができ、
連結部材はそれらの生体内留置素子を互いに連結するこ
とができてしかも任意に切断し得るものであればよい。
実際上は、当該ワイヤー装置を案内するカテーテルの先
端に設けられた電極を利用して、通電によって切断し得
るものが好ましい。
【0037】また、モノポーラの高周波電流を供給して
連結部材の切断を行う場合には、カテーテル本体の先端
部における電極35を単一の電極体によって構成するこ
とができるので好ましい。しかし、カテーテル本体の先
端部に一対の電極体を互いに離間して配置しておき、そ
の各々にリード線を介して通電して両電極間の位置で連
結部材を加熱して切断することもできる。この場合に
は、勿論、生体に対電極を設けることは不要である。
【0038】
【実施例】以下、本発明の生体内留置部材配置用ワイヤ
ー装置を用いた実施例について説明する。 〔ワイヤー装置の作製〕図1の構成に従い、長さ180
0mm、直径0.016mmの配置用ワイヤー(12)
の先端に、連結用コイル部材(13)を介して、ポリビ
ニルアルコール系共重合体よりなる直径0.2mm、長
さ10mmの円柱ロッド状の第1の連結部材(15)の
一端部を接続した。一方、線径が0.36mmの白金−
タングステン線材により形成された、一次コイル長が3
0mm、二次コイル長が10mmの第1のコイル素子
(16A)を、第1の連結部材の他端部に、当該第1の
連結部材の露出部分の長さ(第1のコイル素子と連結用
コイル部材との離間距離E)が1mmとなるようにして
接続した。更に、上記第1の連結部材と同様の第2の連
結部材(17A)を用い、第1の連結部材による連結と
同様にして、第2のコイル素子16Bを第1のコイル素
子に連結し、以下同様にして、合計4本の第2の連結部
材によって5本のコイル素子が連結されてなる複合コイ
ル体(16)が、第1の連結部材によって配置用ワイヤ
ーに連結されてなるワイヤー装置(10)を作製した。
以上において、連結部材と連結用コイル部材およびコイ
ル素子との間にはシアノアクリレートよりなる接着剤を
適用した。
【0039】〔マイクロカテーテルの作製〕一端から他
端まで伸びるよう、各々外径が0.03mmのステンレ
ス鋼ワイヤーの8本が右回り螺旋状に伸びるよう配置さ
れ、かつ同様のステンレス鋼ワイヤーの8本が左回り螺
旋状に伸びるよう配置されてなるブレード(33)がそ
の管壁内に埋設されている、内径0.55mm、外径
0.95mmのカテーテル本体(31)を用意し、この
カテーテル本体の一端部の内周面に外径が0.8mm、
内径が0.6mm、幅が0.5mmの白金製リングを露
出して設けてこれをブレードとを電気的に接続して電極
(35)を設けると共に、カテーテル本体の他端部には
ブレードと電気的に接続された通電用端子を設けて、電
極付きのマイクロカテーテル(30)を作製した。
【0040】〔適用例〕以上のようにして得られたワイ
ヤー装置とマイクロカテーテルとよりなる生体内留置部
材配置用医療用具を用い、成犬の頸動脈に形成した動脈
瘤のモデルに対して、塞栓処置の実験を行った。すなわ
ち、当該成犬の大腿動脈から頸動脈内に達するようマイ
クロカテーテルを導入し、マイクロカテーテル内にワイ
ヤー装置を、複合コイル体が先頭になる状態で挿入して
押し込んだ。そして、複合コイル体の(16)のコイル
素子がカテーテル本体(31)の電極(35)に接触し
ながら通過することを利用して、当該電極と、成犬の背
中に貼り付けた対電極との間の電気抵抗値を監視しなが
らワイヤー装置の押し込みを継続したところ、電気抵抗
値は、低下、上昇を繰り返した。これは、複合コイル体
の先頭のコイル素子がカテーテル本体の開口から突出し
た時点で電気抵抗値が低下し、また連結部材がカテーテ
ル本体の開口に位置されると電気抵抗値が上昇する変化
が繰り返されるからである。そして、第3回目に電気抵
抗値が上昇してその値が最大となった時点で、通電用端
子を介して0.5Wの高周波電流を供給した。このと
き、X線造影により、先頭側から第3番目の連結部材が
切断されていることが確認された。また、その後、ワイ
ヤー装置を引き戻したところ、2本のコイル素子は当初
の形態のままで容易に回収された。
【0041】以上のことから、本発明の生体内留置部材
配置用ワイヤー装置によれば、その先端に設けられた生
体内留置部材が、当該生体内留置部材と配置用ワイヤー
との連結部分を含めて複数の切断可能な連結個所を有し
ているため、ワイヤー装置を挿入した状態において、切
断する連結部材を選定することにより、実際に切り離さ
れて配置される生体内留置部材の部分の長さまたは量を
変更または調節することができ、従って実際の配置個所
の条件が予想されたものと異なる場合にも、きわめて適
正な長さまたは量の生体内留置部材を配置し留置するこ
とができる。
【0042】
【発明の効果】本発明の生体内留置部材配置用ワイヤー
装置によれば、当該ワイヤー装置を挿入した状態におい
ても、実際に配置される生体内留置部材長さまたは量を
変更または調節することができ、従ってきわめて適正な
長さまたは量の生体内留置部材を配置し留置することが
できる。そして、その結果、本発明によれば、生体内留
置部材の配置操作に要する時間がきわめて短くてよいの
で、医師や患者に与える精神的、肉体的負担を大幅に軽
減することができると共に、操作が容易でしかも大きな
信頼性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生体内留置部材配置用ワイヤー装置の
一例における全体の構成を示す説明用斜視図である。
【図2】図1の生体内留置部材を構成する複合コイル体
およびその連結の状態を示す拡大図である。
【図3】図2の複合コイル体を伸長させた状態で示す説
明図である。
【図4】図3の説明用断面図である。
【図5】複合コイル体の他の例を示す説明用断面図であ
る。
【図6】複合コイル体の更に他の例を示す説明用断面図
である。
【図7】ワイヤー装置を生体内に挿入するために用いら
れるマイクロカテーテルの構成を示す説明用正面図であ
る。
【図8】複合コイル体の他の例を示す説明用断面図であ
る。
【符号の説明】
10 ワイヤー装置 12 配置用ワ
イヤー 12A 手元側部分 12B テーパ
部分 13 連結用コイル部材 13A 小径部
分 13B 大径部分 15 第1の連
結部材 16 複合コイル体 16A〜16D
コイル素子 17A〜17C 第2の連結部材 18 半球状部
分 20 接着剤による接着部 25 共通連結
材料 28 繊維体 30 マイクロ
カテーテル 31 カテーテル本体 32 手元操作
部 33 ブレード 34 金属線リ
ード 35 電極 38 高周波電
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大脇 久敬 京都府京都市北区大将軍坂田町20−20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体内留置部材配置用ワイヤーと、この
    ワイヤーの先端に切断可能な第1の連結部材によって連
    結された生体内留置部材とからなり、 前記生体内留置部材は、複数の生体内留置素子が1また
    は2以上の切断可能な第2の連結部材を介して順次に連
    結されてなることを特徴とする生体内留置部材配置用ワ
    イヤー装置。
  2. 【請求項2】 生体内留置部材の生体内留置素子は、生
    体適合性を有する金属コイルにより形成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の生体内留置部材配置用ワ
    イヤー装置。
  3. 【請求項3】 第1の連結部材および第2の連結部材
    が、熱溶断性材料により形成されていることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の生体内留置部材配置用ワイ
    ヤー装置。
  4. 【請求項4】 第1の連結部材および第2の連結部材の
    材料がポリビニルアルコール系重合体であることを特徴
    とする請求項3に記載の生体内留置部材配置用ワイヤー
    装置。
JP10308029A 1997-10-30 1998-10-29 生体内留置部材配置用ワイヤー装置 Pending JPH11197250A (ja)

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