JPH11196894A - 塗膜の防藻効力試験方法 - Google Patents

塗膜の防藻効力試験方法

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JPH11196894A
JPH11196894A JP156698A JP156698A JPH11196894A JP H11196894 A JPH11196894 A JP H11196894A JP 156698 A JP156698 A JP 156698A JP 156698 A JP156698 A JP 156698A JP H11196894 A JPH11196894 A JP H11196894A
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algal
culture
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coating film
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Yoshihiro Tsujimoto
吉寛 辻本
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Sekisui House Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】防藻剤が混入された塗料によって形成される塗
膜の防藻効力を、正確に、しかも、確実に判定すること
ができる。 【解決手段】所定の濃度の防藻剤を塗料に混入して、培
養液を収容し得るようになった培養容器21の培養液と
接する表面にその塗料を塗布して塗膜31を形成する。
次いで、その培養容器21内に、藻細胞が含まれた培養
液を試料32として収容して、培養室内にて培養容器2
1の試料32内の藻細胞を培養する。そして、その培養
の間における培養容器21内の試料32の吸光度が、透
過型クロロフィル測定装置10による測定結果に基づい
て算出され、その吸光度に基づいて、試料32の藻細胞
の細胞密度の経時的な変化が求められて、求められた藻
細胞の細胞密度の経時的な変化に基づいて、防藻剤が混
入された塗膜の防藻効力が判定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物等に藻類が
付着して繁殖することを防止する防藻剤が混入された塗
膜の防藻効力試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物等に藻類が付着して繁殖すること
を防止する防藻剤が開発されている。このような防藻剤
は、外壁等の藻類が繁殖するような部分に、塗料に混入
して塗布されて、その部分での藻類の繁殖を防止するよ
うになっている。
【0003】しかしながら、このような防藻剤が、実際
にどの程度の効力を有するかを判定することは容易では
ない。防藻剤が混入された塗膜の効力を判定する試験方
法としては、防藻剤が混入された塗料が塗布された試験
片を屋外に曝して、試験片に対する藻類の繁殖状況に基
づいて防藻剤が混入された塗膜の効力を判定する屋外暴
露法が知られている。このような屋外暴露法では、試験
片を長時間にわたって屋外にて曝す必要があるために、
防藻剤の効力を判定するために長時間を要するという問
題がある。また、試験片が曝される屋外の場所における
環境条件によっては、藻類の繁殖状況が異なるために、
防藻剤が混入された塗膜の効力を正確に判定することが
できないおそれもある。
【0004】このような屋外暴露法に対して、室内にて
防藻剤が混入された塗膜の防藻効力を判定する試験方法
として、英国の建築材料評価基準(MOAT)に示され
たトロピカルキャビネット法が知られている。このトロ
ピカルキャビネット法では、まず、滅菌した試験管に、
セメントスラリーを塗布し、そのセメントスラリーに防
藻材を混入した塗料を塗装する。そして、その塗料が硬
化した後に、5種類の藻類(Nostoc muscorum 、Oscill
atoria tenuis 等)を噴霧して、試験管を、トロピカル
キャビネット(蛍光加熱装置)内に配置して、42日間
にわたって蛍光加熱し、試験管内における藻類の発生状
況を目視によって判定する。これにより、防藻剤が混入
された塗膜の効力が判定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなトロピカル
キャビネット法では、試験管内の藻類の発生状況を目視
にて判定するようになっているために、屋外暴露法と同
様に、その判定には個人差があり、防藻剤が混入された
塗膜の効力を正確に判定することができないおそれがあ
る。しかも、トロピカルキャビネットという特殊な器具
が必要であり、容易に実施することができないという問
題もある。さらに、判定する対象は、セメントスラリー
に塗布され得る塗料などに限定されるという問題もあ
る。
【0006】本発明は、このような問題を解決するもの
であり、その目的は、容易に実施することができ、しか
も、塗料に混入された防藻剤の基本的な効力を定量的に
判定することができる塗膜の防藻効力試験方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の塗膜の防藻効力
試験方法は、所定の濃度の防藻剤を塗料に混入して、そ
の塗料を、培養液を収容し得るようになった培養容器に
おける培養液と接する表面に塗布する工程と、その培養
容器内に、藻細胞が含まれた培養液を試料として収容し
て、培養室内にて試料内の藻細胞を培養する工程と、そ
の培養の間における培養容器内の試料の藻細胞の細胞密
度の変化に基づいて防藻効力を判定する工程と、を包含
することを特徴とする。
【0008】前記培養容器内の藻細胞の細胞密度は、培
養容器内の試料の吸光度に基づいて求められる。
【0009】前記吸光度は、反射型クロロフィル測定装
置による測定結果に基づいて算出される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0011】本発明の防藻剤の効力試験方法では、ま
ず、効力を評価する防藻剤を選定し、その防藻剤を、塗
料に対して、0.01〜5%の範囲で混入する。そして、防
藻材を混入した塗料を、図1に示すような培養液を収容
し得る培養容器21における培養液と接する内表面に塗
布する。図1に示す培養容器21は、例えば、アルミニ
ウムによって、中空の倒立円錐台状の皿状に構成されて
おり、上端面の開口部の面積が、底部の面積よりも大き
くなっている。
【0012】このように、培養容器21における培養液
と接する内表面に、防藻剤を含有する塗料が塗布されて
乾燥されることによって塗膜31が形成されると、培養
容器21における塗膜31の表面が、経時劣化によって
塗料の薬剤成分が分解したり溶脱されたりしないこと等
を確認するために耐候処理される。耐候処理は、サンシ
ャインウェザーメーター(耐候性試験機)による耐候性
の促進、あるいは水に浸漬させることによる耐候性を促
進等により行われる。耐候処理された培養容器21は、
室内で自然乾燥させた後に、所定量の藻細胞液および培
養液を撹拌して混合した試料32が、その培養容器21
内に収容される。
【0013】藻細胞液および培養液の試料32が収容さ
れた培養容器21は、一定の湿度の培養室内にて配置さ
れて、培養容器21内に収容された試料内の藻細胞が培
養される。培養室内では、屋外の環境と同様な環境条件
となるように、蛍光灯の照射と照射停止とが数時間毎に
交互に繰り返されるようになっている。そして、培養容
器21内の藻細胞の細胞密度の経時的な変化を測定する
ことによって、防藻剤が混入された塗膜31の効力が判
定される。培養容器21内における試料32内の藻細胞
の細胞密度は、例えば、反射型クロロフィル測定装置に
よって測定される培養液の吸光度に基づいて算出され
る。
【0014】なお、皿状の培養容器20は、アルミニウ
ムに限らず、鋼板、表面処理鋼板、木材、木質ボード、
サイディング材等によって構成してもよい。また、予め
皿状等のように、培養液を収容し得る構成になっている
必要はなく、例えば、防藻剤を含有する塗料が塗布され
た後に、収容される培養溶液がその塗膜の表面に接触で
きるように構成してもよい。例えば、図2に示すよう
に、サイディング材、鋼板等によって構成された平板材
22aの表面に、防藻剤を含有する塗料を塗布して塗膜
31を形成した後に、ガラス等によって構成された円筒
体22bを接着剤によって接着して、その円筒体22b
の内部に、培養液内に藻細胞が混合された試料32を収
容して、培養容器22としてもよい。また、皿状の培養
容器20や平板材22aは、塗装された容器でなくて
も、銅板や抗菌効力のある材料等によって構成してもよ
い。
【0015】図3は、培養容器21内の試料にて培養さ
れた藻細胞の細胞密度を算出するために、培養容器21
内の試料の吸光度を測定する反射型クロロフィル測定装
置の一例を示す概略構成図である。この透過型クロロフ
ィル測定装置10は、内部が遮光状態になった中空直方
体状の遮光箱11を有しており、この遮光箱11内の底
面11a中央部に、試料32が収容された培養容器21
が配置されるようになっている。
【0016】遮光箱11の上面における一方の側部に
は、遮光箱11の外部に配置された光源13からの光を
案内するライトガイド12の先端部が配置されており、
光源13から発せられる光が、このライトガイド12の
先端部から遮光箱11の内部に照射されるようになって
いる。ライトガイド12の先端部には、光源13からの
光を平行光に集光する集光レンズ14が設けられてお
り、さらに、集光レンズ14の前方には、中心波長 660
nmの光のみを透過する干渉フィルター15が配置されて
いる。ライトガイド12の先端部から遮光箱11内に照
射される光は、集光レンズによって平行光とされて、干
渉フィルター15を透過する所定波長の光が、絞り16
を介して、遮光箱11の底面11a中央部に配置された
培養容器21内の試料32に向かって照射されるように
なっている。培養容器21内の試料に照射される光は、
培養容器21内の試料32にて反射されている。
【0017】遮光箱11の上面におけるライトガイド1
2の先端部が設けられた側部とは反対側の側部には、培
養容器21の試料32にて反射された光を受光するよう
に、CCDカメラ17が設けられている。CCDカメラ
17は、培養容器21の試料32にて反射される光を受
光して、培養容器21内の試料32を撮像するようにな
っている。CCDカメラ17は、培養容器21内の試料
32における下部領域を撮像するように設定されてい
る。CCDカメラ17の出力は、遮光箱11の外部に配
置された画像処理装置18に与えられており、この画像
処理装置18にて、培養容器21内の試料32の画像が
処理される。
【0018】このような構成の透過型クロロフィル測定
装置10では、CCDカメラ17によって撮像される試
料32の画像に基づいて、培養容器21内の試料32に
て反射される光の強度が測定される。そして、測定され
た光強度に基づいて、培養容器21内の試料32の吸光
度が求められるようになっている。培養容器21内の試
料32の吸光度Aは、藻細胞を含まない試料が収容され
た培養容器(ブランク容器)21における試料からの反
射光の強度Io と、藻細胞を含む試料が収容された培養
容器(サンプル容器)21における試料からの反射光の
強度Iとに基づいて、次の(1)式によって算出され
る。
【0019】A=−log(I/Io ) …(1) サンプル容器内の試料にて反射された光の輝度をR、ブ
ランク容器内の試料にて反射された光の輝度をRo とす
ると、サンプル容器およびブランク容器内の試料の反射
光の強度IおよびIo は、それぞれ、次の(2)式およ
び(3)式で表される。
【0020】I =kR …(2) Io =kRo …(3) 従って、(1)式で表されるサンプル容器内の試料の吸
光度Aは、次の(4)式で表される。
【0021】 A=−log(I/Io ) =−log(kR/kRo ) = log(Ro /R) …(4) この(4)式によって、サンプル容器内の試料の吸光度
が算出されると、予め作成された藻細胞の細胞密度と吸
光度との関係を示す検量線に基づいて、試料の吸光度に
対応した藻細胞の細胞密度が求められる。藻細胞の細胞
密度と吸光度との関係を示す検量線は、トーマの血球計
等を用いて、細胞密度が既知の藻細胞の細胞液の原液お
よびその希釈液についての吸光度を測定して作成され
る。
【0022】このようにして、サンプル容器内の試料に
おける藻細胞の細胞密度が求められると、その細胞密度
に基づいて、試料に含まれる防藻剤の防藻効果が評価さ
れる。すなわち、サンプル容器内の試料における藻細胞
の細胞密度が小さくなっているほど、防藻剤による防藻
効果が高いと判定される。
【0023】
【実施例】系統の異なる5種類の防藻剤、すなわち、有
機窒素系(記号ON)、ピリジン系(記号PY)、トリ
アジン系(記号TR)、チアゾール系(記号TH)、イ
ミダゾール系(記号IM)の各防藻剤を選定して、各防
藻剤を、アクリルエマルジョン塗料に、0.1 %および1.
0 %の割合でそれぞれ混入した。他方、底部の直径が53
mm、上端面の開口の直径が85mm、高さが20mmの皿状の培
養容器21を準備して、防藻剤がそれぞれ所定の濃度で
混入された各アクリルエマルジョン塗料を、その培養容
器21の内表面に、それぞれ、150g/m2 の割合で塗布
し、100 ℃の温度3分間にわたって乾燥させてサンプル
容器とした。また、防藻剤が混入されていないアクリル
エマルジョン塗料を、同様の培養容器21の内表面に、
150g/m2 の割合で塗布し、100 ℃の温度で3分間にわ
たって乾燥させて塗膜31を形成し、コントロール容器
とした。
【0024】このようにして、各防藻剤毎に、防藻剤の
濃度が0.1 %および1.0 %の割合になった塗料がそれぞ
れ塗布されたサンプル容器を6個ずつ準備するととも
に、6個のコントロール容器も準備した。
【0025】次いで、濃度が0.1 %および1.0 %の割合
になった塗料がそれぞれ塗布された4個のサンプル容器
と、4個のコントロール容器とを、それぞれ耐候処理す
るべく、水浸漬処理した。水浸漬処理は、各サンプル容
器およびコントロール容器に水道水を満たした状態で、
満たされた水道水が腐敗しない程度に、わずかずつ、常
温の水道水を滴下した。そして、4個のサンプル容器の
うちの2個、および4個のコントロール容器のうちの2
個は2週間にわたって、他方のサンプル容器2個および
コントロール容器2個は4週間にわたって、水浸漬処理
を実施した。このようにして、異なる濃度になった各防
藻剤を含む塗膜31がそれぞれ形成されて耐候処理され
ていない2個のサンプル容器と、2週間および4週間に
わたってそれぞれ水浸漬による耐候処理された4個のサ
ンプル容器とを、各防藻剤毎にそれぞれ作製するととも
に、耐候処理されていない2個のコントロール容器と、
2週間および4週間にわたってそれぞれ水浸漬による耐
候処理された4個のコントロール容器とをそれぞれ作製
した。
【0026】作製された各サンプル容器およびコントロ
ール容器に、0.5 mlの藻細胞の細胞液が20mlの培養液に
混入されて撹拌された試料32を投入した。藻細胞の細
胞液は、実際に建築物に発生していた藻類を採取して、
分離培養法によって培養して保存したものを使用した。
この細胞液には、藻類として、Protococcus virdisのみ
が含まれていた。
【0027】そして、各サンプル容器およびコントロー
ル容器の吸光度を、反射型クロロフィル測定装置10に
よってそれぞれ測定した後に、各サンプル容器およびコ
ントロール容器を培養室に静置した。培養室は、温度が
26±3℃、湿度が60±10%RHに調整されており、
3000lxの蛍光灯が、14時間にわたる照射と10時間に
わたる照射停止とを交互に繰り返すようになっている。
【0028】各サンプル容器およびコントロール容器を
培養室に静置してから、7日および14日が経過した時
点で、各サンプル容器およびコントロール容器内の試料
32の吸光度を、反射型クロロフィル測定装置10を使
用して測定し、それぞれの吸光度に基づいて、各試料3
2における藻細胞の細胞密度を求めた。
【0029】図4は、3つのコントロール容器内の試料
の細胞密度の変化をそれぞれ示すグラフ、図5〜図9
は、それぞれ、有機窒素系防藻剤(ON)、ピリジン系
防藻剤(PY)、トリアジン系防藻剤(TR)、チアゾ
ール系防藻剤(TH)、イミダゾール系防藻剤(IM)
の各サンプル容器内の試料の細胞密度の変化を示すグラ
フである。図4〜図9において、△は、防藻剤の濃度が
0.1 %であって耐候処理していない塗料、□は、防藻剤
の濃度が0.1 %であって、耐候処理として2週間にわた
って水浸漬した塗料、○は、防藻剤の濃度が0.1 %であ
って、耐候処理として4週間にわたって水浸漬した塗料
をそれぞれ示す。また、▲は、防藻剤の濃度が1.0 %で
あって耐候処理していない塗料、■は、防藻剤の濃度が
1.0 %であって、耐候処理として2週間にわたって水浸
漬した塗料、●は、防藻剤の濃度が1.0 %であって、耐
候処理として4週間にわたって水浸漬した塗料をそれぞ
れ示す。
【0030】図4に示すように、防藻剤が混入していな
いコントロール容器では、培養日数が長くなるにつれて
順次藻細胞が増加しているが、耐候処理をしていないコ
ントロール容器では、藻細胞の増加が若干抑制されてい
る。防藻剤が含まれていない塗膜が形成されたコントロ
ール容器においても、若干の防藻効果が認められたの
は、塗料に予め添加された防腐剤等の影響によるものと
思われる。
【0031】これに対して、各防藻剤が混入されたそれ
ぞれのサンプル容器では、培養期間が14日を経過した
時点で、防藻剤が混入された塗膜の効力に関して、濃度
および耐候処理に基づく顕著な相違が認められた。
【0032】有機窒素系防藻剤(ON)の各サンプル容
器では、図5に示すように、防藻剤の濃度が0.1 %であ
れば、コントロール容器と同様に、藻細胞の細胞密度が
経時的に増加しており、防藻剤としての効力を十分に発
揮していないが、防藻剤の濃度が1.0 %の各サンプル容
器では、藻細胞の細胞密度の増加が確実に抑制されてい
る。特に、耐候処理していないサンプル容器では、7日
にて藻細胞は完全に死滅していた。また、2週間の水浸
漬による耐候処理したサンプル容器では、14日にて藻
細胞は完全に死滅していた。
【0033】ピリジン系防藻剤(PY)の各サンプル容
器では、図6に示すように、防藻剤の濃度が0.1 %であ
れば、耐候処理していないサンプル容器および2週間の
水浸漬による耐候処理したサンプル容器では、藻細胞の
細胞密度の増加が若干抑制されているものの、藻細胞の
細胞密度を確実に減少させるものではないが、防藻剤の
濃度が1.0 %の各サンプル容器では、藻細胞の細胞密度
が確実に減少しており、7日にて藻細胞は完全に死滅し
ていた。
【0034】トリアジン系防藻剤(TR)の各サンプル
容器では、図7に示すように、防藻剤の濃度が0.1 %で
あれば、耐候処理していないサンプル容器では、藻細胞
の細胞密度の増加が若干抑制されているものの、藻細胞
の細胞密度を確実に減少させるものではないが、防藻剤
の濃度が1.0 %の各サンプル容器では、藻細胞の細胞密
度が確実に減少しており、4週間の水浸漬による耐候処
理したサンプル容器以外の各サンプル容器では、14日
にて藻細胞は完全に死滅していた。
【0035】チアゾール系防藻剤(TH)の各サンプル
容器では、図8に示すように、耐候処理していないサン
プル容器では、7日にて藻細胞が完全に死滅していたも
のの、耐候処理したサンプル容器では、防藻剤の濃度が
1.0 %でも、藻細胞の細胞密度が経時的に増加してい
た。
【0036】イミダゾール系防藻剤(IM)の各サンプ
ル容器では、図9に示すように、耐候処理していないサ
ンプル容器では、藻細胞の細胞密度が減少しているもの
の、耐候処理したサンプル容器では、防藻剤の濃度が1.
0 %であっても、藻細胞の細胞密度が経時的に増加して
いた。
【0037】
【発明の効果】本発明の塗膜の防藻効力試験方法は、こ
のように、防藻剤を含む塗料が塗布されて形成された塗
膜を有する培養容器にて、藻類を実際に培養し、その培
養の間の藻細胞の細胞密度の変化に基づいて、防藻剤が
混入された塗膜の防藻効力を判定するようになっている
ために、塗料に混入された状態の防藻剤の効力を、正確
に、しかも、確実に判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の塗膜の防藻効力試験方法の実施に使用
される培養容器の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の塗膜の防藻効力試験方法の実施に使用
される培養容器の他の例を示す断面図である。
【図3】本発明の塗膜の防藻効力試験方法において、試
料の吸光度の測定に使用される反射型クロロフィル測定
装置の一例を示す概略構成図である。
【図4】実施例におけるコントロール容器内の試料の細
胞密度の経時変化を示すグラフである。
【図5】実施例における有機窒素系防藻剤(ON)を含
む塗料が塗布された各サンプル容器内の試料の細胞密度
の経時変化を示すグラフである。
【図6】実施例におけるピリジン系防藻剤(PY)を含
む塗料が塗布された各サンプル容器内の試料の細胞密度
の経時変化を示すグラフである。
【図7】実施例におけるトリアジン系防藻剤(TR)を
含む塗料が塗布された各サンプル容器内の試料の細胞密
度の経時変化を示すグラフである。
【図8】実施例におけるチアゾール系防藻剤(TH)を
含む塗料が塗布された各サンプル容器内の試料の細胞密
度の経時変化を示すグラフである。
【図9】実施例におけるイミダゾール系防藻剤(IM)
を含む塗料が塗布された各サンプル容器内の試料の細胞
密度の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
10 透過型クロロフィル測定装置 11 遮光箱 12 ライトガイド 13 光源 14 集光レンズ 15 干渉レンズ 16 絞り 17 CCDカメラ 18 画像処理装置 21 培養容器 22 培養容器 31 塗膜 32 試料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A01N 43/40 A01N 43/40 43/50 43/50 43/64 43/64 43/78 43/78 (C12Q 1/18 C12R 1:89)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の濃度の防藻剤を塗料に混入して、
    その塗料を、培養液を収容し得るようになった培養容器
    における培養液と接する表面に塗布する工程と、 その培養容器内に、藻細胞が含まれた培養液を試料とし
    て収容して、培養室内にて試料内の藻細胞を培養する工
    程と、 その培養の間における培養容器内の試料の藻細胞の細胞
    密度の変化に基づいて防藻効力を判定する工程と、 を包含することを特徴とする塗膜の防藻効力試験方法。
  2. 【請求項2】 前記培養容器内の藻細胞の細胞密度は、
    培養容器内の試料の吸光度に基づいて求められる請求項
    1に記載の塗膜の防藻効力試験方法。
  3. 【請求項3】 前記吸光度は、反射型クロロフィル測定
    装置による測定結果に基づいて算出される請求項2に記
    載の塗膜の防藻効力試験方法。
JP156698A 1998-01-07 1998-01-07 塗膜の防藻効力試験方法 Pending JPH11196894A (ja)

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Cited By (4)

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