JPH11196808A - Ａｌｌｉｕｍ属植物鱗茎の乾燥物の製造法 - Google Patents
Ａｌｌｉｕｍ属植物鱗茎の乾燥物の製造法Info
- Publication number
- JPH11196808A JPH11196808A JP10021436A JP2143698A JPH11196808A JP H11196808 A JPH11196808 A JP H11196808A JP 10021436 A JP10021436 A JP 10021436A JP 2143698 A JP2143698 A JP 2143698A JP H11196808 A JPH11196808 A JP H11196808A
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- allium
- bulge
- bulb
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Abstract
(57)【要約】 （修正有）
【課題】 ニンニク、タマネギの鱗茎に含まれている
成分を維持し、臭いの少ない該鱗茎の乾燥物の製造法を
提供すること。 【解決手段】 ニンニク、タマネギの鱗茎を維管束方
向に切断し、ついで乾燥する。
成分を維持し、臭いの少ない該鱗茎の乾燥物の製造法を
提供すること。 【解決手段】 ニンニク、タマネギの鱗茎を維管束方
向に切断し、ついで乾燥する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、Allium属植物鱗茎
の乾燥物の製造法およびAllium属植物鱗茎乾燥物を配合
した加工食品に関するものである。
の乾燥物の製造法およびAllium属植物鱗茎乾燥物を配合
した加工食品に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】ニンニク、タマネギ等のAllium属植物鱗
茎には抗癌作用、血液の凝固防止、コレステロールの低
下等の作用があり、その乾燥物を食することは健康の維
持・増進によいといわれている。Allium属植物鱗茎の乾
燥物を製造する際に、乾燥効率を上げるために生のAlli
um属植物鱗茎の切断または、磨り潰し乾燥を行う。この
際、Allium属植物鱗茎中のアリインに酵素アリイナーゼ
が作用してアリシンとなり、さらにAllium属植物独特の
臭い成分であるジアリルジスルフィドに変化する。この
ため、製造工程中はもとより、得られる乾燥物も強い臭
いを有し、これが消費者に嫌われる原因となってる。
茎には抗癌作用、血液の凝固防止、コレステロールの低
下等の作用があり、その乾燥物を食することは健康の維
持・増進によいといわれている。Allium属植物鱗茎の乾
燥物を製造する際に、乾燥効率を上げるために生のAlli
um属植物鱗茎の切断または、磨り潰し乾燥を行う。この
際、Allium属植物鱗茎中のアリインに酵素アリイナーゼ
が作用してアリシンとなり、さらにAllium属植物独特の
臭い成分であるジアリルジスルフィドに変化する。この
ため、製造工程中はもとより、得られる乾燥物も強い臭
いを有し、これが消費者に嫌われる原因となってる。
【０００３】臭いの発生を抑えるためにAllium属植物鱗
茎に含まれる酵素アリイナーゼを熱等により失活させる
方法が提案されている。例えば、熱風を使用する方法
（特開昭50-77560号）、蒸煮による方法（特開昭57-198
065号）、煮沸による方法（特開昭51-115947号、特公昭
41-12658号）、高温度油処理による方法（特開昭48-286
58号）、焼成による方法（特開平1-265862号）、電磁波
加熱による方法（特開昭48-13568号、特開昭49-48862
号、特開昭56-164762号）などがある。これらの処理を
行った後に切断または磨り潰し乾燥を行うことで臭いの
発生は防げるが、熱処理によりAllium属植物鱗茎に含ま
れるたん白質等の成分が変性をおこし、Allium属植物鱗
茎に本来含まれている成分の摂取ができなくなる。ま
た、 Allium属植物鱗茎を凍結させてから切断または、
粉砕を行い凍結乾燥を行う方法（特公平4-5651）がある
が専用設備が必要であり、大量生産に不適である。
茎に含まれる酵素アリイナーゼを熱等により失活させる
方法が提案されている。例えば、熱風を使用する方法
（特開昭50-77560号）、蒸煮による方法（特開昭57-198
065号）、煮沸による方法（特開昭51-115947号、特公昭
41-12658号）、高温度油処理による方法（特開昭48-286
58号）、焼成による方法（特開平1-265862号）、電磁波
加熱による方法（特開昭48-13568号、特開昭49-48862
号、特開昭56-164762号）などがある。これらの処理を
行った後に切断または磨り潰し乾燥を行うことで臭いの
発生は防げるが、熱処理によりAllium属植物鱗茎に含ま
れるたん白質等の成分が変性をおこし、Allium属植物鱗
茎に本来含まれている成分の摂取ができなくなる。ま
た、 Allium属植物鱗茎を凍結させてから切断または、
粉砕を行い凍結乾燥を行う方法（特公平4-5651）がある
が専用設備が必要であり、大量生産に不適である。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Allium属植
物鱗茎に本来含まれている成分を維持し、臭いの少ない
Allium属植物鱗茎の乾燥物の製造法を提供することを目
的とする。
物鱗茎に本来含まれている成分を維持し、臭いの少ない
Allium属植物鱗茎の乾燥物の製造法を提供することを目
的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明者は、これらの課
題を解決するために Allium属植物鱗茎におけるアリイ
ナーゼが維管束鞘に分布していることに注目し、Allium
属植物鱗茎の切断方向を維管束と平行にすることが有効
であることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本
発明はAllium属植物鱗茎を維管束方向に切断し、ついで
乾燥することを特徴とするAllium属植物鱗茎の乾燥物の
製造法である。
題を解決するために Allium属植物鱗茎におけるアリイ
ナーゼが維管束鞘に分布していることに注目し、Allium
属植物鱗茎の切断方向を維管束と平行にすることが有効
であることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本
発明はAllium属植物鱗茎を維管束方向に切断し、ついで
乾燥することを特徴とするAllium属植物鱗茎の乾燥物の
製造法である。
【０００６】
【発明の実施の形態】本発明のAllium属植物鱗茎とは、
Allium sativum L. 、Allium scorodoprasumL.、Allium
Victorialis L.（以上ニンニク類）、allium cepa L.
（タマネギ）などのallium属に属する植物の鱗茎部分で
ある。本発明の維管束方向とはAllium属植物鱗茎の維管
束に対してほぼ平行になるような方向である。切断方法
については、常用の方法を用いてスライス状に加工す
る。スライス切片の厚さは特に制限はない。
Allium sativum L. 、Allium scorodoprasumL.、Allium
Victorialis L.（以上ニンニク類）、allium cepa L.
（タマネギ）などのallium属に属する植物の鱗茎部分で
ある。本発明の維管束方向とはAllium属植物鱗茎の維管
束に対してほぼ平行になるような方向である。切断方法
については、常用の方法を用いてスライス状に加工す
る。スライス切片の厚さは特に制限はない。
【０００７】上記のようにしてスライスしたAllium属植
物鱗茎はついで乾燥する。乾燥方法については、特に臭
いの発生を低くするには、常用の凍結乾燥法を用いる方
法が好ましいが、たん白質の変性の起こらない温度範囲
であれば凍結乾燥法に限らない常用の乾燥法でもよい。
この様にして得られたAllium属植物鱗茎乾燥物は、通常
粉砕して粉末とする。本発明のAllium属植物鱗茎含有食
品は乾燥粉末そのままでもよく、あるいは所望により賦
形剤等を添加して顆粒、錠剤としてもよく、また常法に
よりカプセルとしてもよい。
物鱗茎はついで乾燥する。乾燥方法については、特に臭
いの発生を低くするには、常用の凍結乾燥法を用いる方
法が好ましいが、たん白質の変性の起こらない温度範囲
であれば凍結乾燥法に限らない常用の乾燥法でもよい。
この様にして得られたAllium属植物鱗茎乾燥物は、通常
粉砕して粉末とする。本発明のAllium属植物鱗茎含有食
品は乾燥粉末そのままでもよく、あるいは所望により賦
形剤等を添加して顆粒、錠剤としてもよく、また常法に
よりカプセルとしてもよい。
【０００８】本発明によれば従来技術では、不可能であ
った臭いの少ないAllium属植物鱗茎の乾燥物の簡易な設
備での生産が達成できる。その理由は必ずしも明らかで
はないが、アリイナーゼが維管束鞘に集中して分布して
いることから、維管束方向への切断によりアリイナーゼ
の鱗茎への広がりが抑えられたためではないかと推測さ
れる。
った臭いの少ないAllium属植物鱗茎の乾燥物の簡易な設
備での生産が達成できる。その理由は必ずしも明らかで
はないが、アリイナーゼが維管束鞘に集中して分布して
いることから、維管束方向への切断によりアリイナーゼ
の鱗茎への広がりが抑えられたためではないかと推測さ
れる。
【０００９】
【実施例】以下に本発明を実施例で詳細に説明する。実
施例１約７ｇのニンニク（ Allium sativum L.）の鱗茎
１００ｇを維管束に対してほぼ平行になるように厚さ約
２ｍｍ（でナイフで切断を行った。切断後３０分以内に
−８０℃にて凍結させ真空乾燥機にて凍結間乾燥を行っ
た。乾燥後、粉砕した。この乾燥粉末の臭いはごく弱か
った。この乾燥粉末からTung-His Yuらの方法（J.Agri
c.Chem.1989，37，725−730）により、臭い成分である
ジアリルジスルフィドの抽出と分析定量を行った。な
お、抽出時に臭い成分の生成を防ぐために粉末を熱水中
に入れアリイナーゼを失活させた。乾燥物中のジアリル
ジスルフィド含有量は０．８μｇ／ｇであった。
施例１約７ｇのニンニク（ Allium sativum L.）の鱗茎
１００ｇを維管束に対してほぼ平行になるように厚さ約
２ｍｍ（でナイフで切断を行った。切断後３０分以内に
−８０℃にて凍結させ真空乾燥機にて凍結間乾燥を行っ
た。乾燥後、粉砕した。この乾燥粉末の臭いはごく弱か
った。この乾燥粉末からTung-His Yuらの方法（J.Agri
c.Chem.1989，37，725−730）により、臭い成分である
ジアリルジスルフィドの抽出と分析定量を行った。な
お、抽出時に臭い成分の生成を防ぐために粉末を熱水中
に入れアリイナーゼを失活させた。乾燥物中のジアリル
ジスルフィド含有量は０．８μｇ／ｇであった。
【００１０】比較例１約７ｇニンニク（Allium sativum
L.）の鱗茎１００ｇを維管束に対して垂直になるよう
に約２ｍｍ幅でナイフで切断を行った。切断後３０分以
内に−８０℃にて凍結させ真空乾燥機にて凍結間乾燥を
行った。この乾燥粉末の臭いは実施例１に比べると非常
に強かった。実施例１と同様にジアリルジスルフィドの
分析定量を行ったところ、ジアリルジスルフィド含有量
は２．６μｇ／ｇであった。
L.）の鱗茎１００ｇを維管束に対して垂直になるよう
に約２ｍｍ幅でナイフで切断を行った。切断後３０分以
内に−８０℃にて凍結させ真空乾燥機にて凍結間乾燥を
行った。この乾燥粉末の臭いは実施例１に比べると非常
に強かった。実施例１と同様にジアリルジスルフィドの
分析定量を行ったところ、ジアリルジスルフィド含有量
は２．６μｇ／ｇであった。
【００１１】
【発明の効果】以上の如く、切断面の方向により臭い成
分であるジアリルジスルフィドの発生量が異なり、維管
束方向に切断することで臭い成分の発生が明らかに低く
なる。
分であるジアリルジスルフィドの発生量が異なり、維管
束方向に切断することで臭い成分の発生が明らかに低く
なる。
Claims (2)
- 【請求項１】 Allium属植物鱗茎を維管束方向に切断
し、ついで乾燥することを特徴とするAllium属植物鱗茎
の乾燥物の製造法。 - 【請求項２】 請求項１の方法により製造したAllium属
植物鱗茎の乾燥物を含有するAllium属植物鱗茎含有食
品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10021436A JPH11196808A (ja) | 1998-01-19 | 1998-01-19 | Ａｌｌｉｕｍ属植物鱗茎の乾燥物の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10021436A JPH11196808A (ja) | 1998-01-19 | 1998-01-19 | Ａｌｌｉｕｍ属植物鱗茎の乾燥物の製造法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11196808A true JPH11196808A (ja) | 1999-07-27 |
Family
ID=12054933
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10021436A Pending JPH11196808A (ja) | 1998-01-19 | 1998-01-19 | Ａｌｌｉｕｍ属植物鱗茎の乾燥物の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11196808A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015144571A (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-13 | ユニチカ株式会社 | Ｓ−プロペニルシステインの製造方法 |
-
1998
- 1998-01-19 JP JP10021436A patent/JPH11196808A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2015144571A (ja) * | 2014-01-31 | 2015-08-13 | ユニチカ株式会社 | Ｓ−プロペニルシステインの製造方法 |
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