JPH111953A - 水洗式大便器 - Google Patents

水洗式大便器

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Publication number
JPH111953A
JPH111953A JP16956597A JP16956597A JPH111953A JP H111953 A JPH111953 A JP H111953A JP 16956597 A JP16956597 A JP 16956597A JP 16956597 A JP16956597 A JP 16956597A JP H111953 A JPH111953 A JP H111953A
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JP
Japan
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tank
water
washing
cleaning
local
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JP16956597A
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English (en)
Inventor
Hironori Yamazaki
洋式 山▲崎▼
Hiroyuki Matsushita
博之 松下
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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Publication of JPH111953A publication Critical patent/JPH111953A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水洗式大便器に取り付けられる衛生洗浄装置
の小型化とそのデザインの自由度の向上を図る。 【解決手段】 タンク装置24のタンクケーシング28
には、ボール洗浄用タンク34のほか、衛生洗浄装置2
6の構成部材である局部洗浄用タンク36とポンプ38
とコントローラ40とが収納されている。ボール洗浄用
タンク34には、ボールコック46によりエアーギャッ
プ確保して水道水が給水され、局部洗浄用タンク36に
は、連結管50を通してボール洗浄用タンク34内の洗
浄水が流れ込む。この洗浄水の流れ込みにより、局部洗
浄用タンク36は局部洗浄用の洗浄水を貯留する。そし
て、局部洗浄用タンク36内の洗浄水は、ポンプ38に
より汲み上げられてノズル装置27に送り出され、ノズ
ル装置27から噴出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、便器のボール部を
洗浄水を流し込んで洗浄するタンク装置と、人体の局部
を洗浄水を噴出して洗浄する衛生洗浄装置とを有する水
洗式大便器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の水洗式大便器は、図14
の概略構成図に例示するように、ボール部洗浄のための
洗浄水を貯留するいわゆるロータンク100と、局部洗
浄のための洗浄水を貯留するタンク102とに洗浄水を
貯留するに当たり、トイレ回りに配管された水道管から
水道水を導く。そして、水道管に分岐金具104を取り
付け、当該金具からロータンク100とタンク102と
に給水し、ロータンク100の水を便器のボール部に流
し込み、タンク102の水を吐水ノズル106から噴出
するようにしている。
【0003】この場合、水道管への逆流を防止する観点
から、ロータンク100への給水は、タンク内の洗浄水
水面にその上方から水を落下させるようにして、いわゆ
るエアーギャップを確保している。タンク102への給
水は、分岐金具104にバネ式の逆流防止弁108を設
けて、この逆流防止弁を経て行われる。
【0004】また、吐水ノズル106から洗浄水を噴出
するに当たっては、水道水圧力が利用されている。つま
り、タンク102を密閉状とし、このタンク102に水
道水圧力で流入した分だけの水が吐水ノズル106に送
られるようにされている。なお、タンク102と分岐金
具104との間には、管路の開閉を行う開閉バルブと1
次給水圧を減圧する減圧バルブを含んだバルブユニット
が配設されており、このバルブユニットにてタンク10
2への水の流入が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
水洗式大便器では、次のような問題点が指摘されるに到
った。
【0006】タンク102は、吐水ノズル106および
便座110が装着される衛生洗浄装置の本体112に、
ロータンク100と別個に設けられている。このため、
タンク102の容量を確保するには、本体112自体を
大きくしたり、本体の側方に飛び出したいわゆる袖部分
を大きくする必要がある。よって、衛生洗浄装置の小型
化が阻害されると共に、タンク102の収納が可能なデ
ザインを採る必要があるというデザイン上の制約があっ
た。換言すれば、便器回りの空間を狭くせざるを得ない
ようなトイレユニット、具体的にはバスとトイレが一体
化したトイレ・バスユニットでは、十分な容量を持った
タンク102を有し多量の洗浄水で局部洗浄が可能な衛
生洗浄装置を設置できなかった。
【0007】また、エアーギャップを通したロータンク
100における逆流防止とは別に、タンク102の側に
おいても、水道管、即ち一次側への逆流防止を図る必要
があった。更には、密閉状のタンク102に水道圧で水
が流入することからタンク102には耐圧性が必要とな
り、その分だけ製造管理等が煩雑であった。
【0008】本発明は、上記問題点を解決するためにな
され、水洗式大便器に取り付けられる衛生洗浄装置の小
型化と、この衛生洗浄装置のデザインの自由度の向上
と、水洗式大便器に洗浄水を供給する一次側への逆流防
止機構の簡略化と、人体局部洗浄用の洗浄水を貯留する
タンクの構造の簡略化とを図ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】か
かる課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の水
洗式大便器は、便器のボール部に洗浄水を流し込み該ボ
ール部を洗浄するタンク装置と、人体の局部に洗浄水を
噴出し該局部を洗浄する衛生洗浄装置とを有する水洗式
大便器であって、前記タンク装置は、ボール部洗浄のた
めの洗浄水を貯留する第1のタンクと、該第1のタンク
内の洗浄水水量が低減したときには、給水源から供給さ
れた洗浄水を前記第1のタンク内の洗浄水水面にその上
方から落下させて、前記第1のタンクに給水する給水手
段とを有し、前記衛生洗浄装置は、局部洗浄のための洗
浄水を貯留する第2のタンクと、洗浄水を前記局部に向
けて噴出するためのノズル手段と、前記第2のタンク内
の洗浄水を吸引して前記ノズル手段に圧送するポンプと
を有し、前記第1と第2のタンクは、前記第1のタンク
から前記第2のタンクに洗浄水が流れ込むように連結さ
れていることを特徴とする。
【0010】上記構成を有する本発明の水洗式大便器で
は、第2のタンクは第1のタンクから流れ込んだ洗浄水
を貯留するので、この第2のタンクを衛生洗浄装置の側
に第1のタンクと別個に設ける必要がない。よって、第
2のタンクを、第1のタンクに近接して配設したり第1
のタンク内に配設したりして、衛生洗浄装置の側から分
離できる。このため、水洗式大便器に取り付けられる衛
生洗浄装置を、第2のタンクを要しない分だけ少なくと
も小型化できると共に、衛生洗浄装置のデザインの自由
度の向上を図ることができる。更には、第2のタンクが
無い分だけ衛生洗浄装置を軽量化することができるの
で、衛生洗浄装置の取り付け・取り外しが容易となる。
【0011】また、第2のタンクの容量を、衛生洗浄装
置の外形寸法の制約を受けることなく決定できることか
ら、大容量化することもできる。このため、便器回りの
空間が狭いトイレユニットにあっても、衛生洗浄装置を
有する本発明の水洗式便器を設置でき、タンク容量の大
容量化を通して多量の洗浄水で局部洗浄を行うことがで
きる。
【0012】また、本発明の水洗式大便器では、第2の
タンクには、第1のタンクを介して給水源から洗浄水が
流れ込み、第1のタンクにおいて、洗浄水を洗浄水水面
の上方から落下させて給水源に対する逆流防止を図って
いる。このため、給水源に対する逆流防止を第1のタン
クにおいて図ればよいことから、給水源(一次側)への
逆流防止機構を簡略化することができる。
【0013】更に、本発明の水洗式大便器では、第2の
タンクには給水源の圧力がかかることがないので、第2
のタンクに耐圧性は不要となりタンク構造の簡略化を図
ることができる。
【0014】なお、ポンプにより第2のタンク内の洗浄
水が吸引されてノズル手段に圧送され、その洗浄水が局
部に向けて噴出されると、第2のタンク内の洗浄水は減
少する。しかし、第2のタンクへは第1のタンクから洗
浄水が流れ込み、その減少分は補給される。また、第2
のタンクへの洗浄水の流れ込みにより第1のタンク内の
洗浄水が減少すれば、給水手段によって第1のタンクに
は洗浄水が落下して供給される。
【0015】上記の構成を有する本発明の水洗式大便器
は、以下の態様を採ることもできる。第1の態様は、上
記の水洗式大便器において、前記衛生洗浄装置は、前記
第2のタンク内に設けられ、洗浄水を加熱するヒータ
と、該ヒータへの通電を制御して、前記第2のタンク内
の洗浄水温度を制御する制御手段とを有するものとする
ことができる。
【0016】この第1の態様によれば、温度制御された
洗浄水を噴出して人体局部を洗浄することができ、付加
価値が高まる。
【0017】第2の態様は、上記の第1の態様におい
て、前記第1と第2のタンクは、前記第2のタンクへの
洗浄水の流れ込み箇所と前記ポンプによる洗浄水の吸引
箇所とは前記ヒータを挟んで位置するように連結されて
いるものとすることができる。
【0018】この第2の態様では、第2のタンクに流れ
込んだ新たな洗浄水は、洗浄水の吸引箇所に至る前にヒ
ータへの通電による昇温を受け、洗浄水の吸引箇所周辺
に存在し既に昇温済みの洗浄水と混じり合う。よって、
第2のタンクに昇温済みの洗浄水が残存する場合には、
新たな洗浄水が第2のタンク内に流れ込んでも、タンク
内の洗浄水の温度の急激な低下を招かない。また、第2
のタンク内の洗浄水水量が所定量にあるために新たな洗
浄水が第2のタンクに流れ込んでいない状態では、昇温
済みの洗浄水の熱量が洗浄水の吸引箇所からヒータを挟
んで位置する流れ込み箇所周辺の洗浄水に奪われる程度
は、ヒータが介在しているために小さい。これらの結
果、第2のタンクからポンプにより吸引されてノズル手
段に送られる洗浄水の温度を不用意に変動させないの
で、第2のタンク内の洗浄水の噴出を受ける使用者に、
温度変動に起因する違和感を与えることが少ない。
【0019】この場合、洗浄水の流れ込み箇所と洗浄水
の吸引箇所は、ヒータを挟んで上下に位置したり、ヒー
タを挟んで左右に位置すればよく、第2のタンク形状に
応じて決定される。
【0020】第3の態様は、上記の第2の態様におい
て、前記第2のタンクは、断熱外壁を有し、前記第1の
タンク内に設置されているものとすることができる。
【0021】第4の態様は、上記の第3の態様におい
て、前記第2のタンクは、前記第1のタンクの内壁の一
部を前記断熱外壁で取り囲んで設置されているものとす
ることができる。
【0022】第5の態様は、上記の第3の態様におい
て、前記第2のタンクは、空気層を有する中空の層状材
を前記断熱外壁として有するものとすることができる。
【0023】これら第3ないし第5の態様では、第2の
タンクが第1のタンクの内部に存在するので、この第1
のタンクを有するタンク装置自体を小型化することがで
き、既述した衛生洗浄装置の小型化と相俟って、便器を
含んだ全体としての小型化を図ることができる。また、
衛生洗浄装置やタンク装置並びに便器を含んだ全体とし
てのデザインの自由度を高めることができる。また、第
2のタンクは、断熱外壁を有することから、第2のタン
クを第1のタンク内に設置しても第2のタンク内の洗浄
水の熱量がこの外壁を通して第1のタンクに奪われる程
度を小さくでき、第2のタンク内の洗浄水温度の不用意
な低下を招かない。
【0024】第6の態様は、上記の第2の態様におい
て、前記第1と第2のタンクの連結箇所には、前記第2
のタンクから前記第1のタンクに向けた水の流れを遮断
する逆止弁を有するものとすることができる。
【0025】この第6の態様では、第2のタンク内の昇
温済みの洗浄水を第1のタンクに流さないようにできる
ので、第2のタンク内の洗浄水の貯留水量とその温度を
より安定化させることができる。
【0026】第7の態様は、上記の本発明の水洗式大便
器において、前記タンク装置側のケーシングであって前
記第1と第2のタンクを取り囲む第1のケーシングと、
前記衛生洗浄装置側のケーシングであって、前記ノズル
手段が設置され、便座が装着される第2のケーシングと
を有し、該第2のケーシングを前記第1のケーシングに
対して、離脱自在に係合して有するものとすることがで
きる。
【0027】この第7の態様では、第2のタンクが無い
分だけ軽量化された衛生洗浄装置側の第2のケーシング
を第1のケーシングから離脱する作業が容易となる。
【0028】
【発明の他の態様】本発明は、以下のような他の態様を
採ることも可能であり、第1の他の態様は、本発明の水
洗式大便器において、前記ポンプは、駆動停止時に前記
第2のタンクの側への前記洗浄水の逆流を防止する機構
を有するものとすることができる。例えば、プランジャ
往復式電磁ポンプ等のポンプを例示することができる。
【0029】この第1の他の態様では、ノズル手段の側
から第2のタンクの側への洗浄水の逆流が防止されるの
で、この第2のタンクと連結した第1のタンクを経由し
た給水源への逆流も起きず、好ましい。また、この洗浄
水の逆流をポンプ自体で図るので、逆流防止のための部
材が不要となり、好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る水洗式大便器
の実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、実施
例の水洗式大便器20の外観図である。この水洗式大便
器20は、便器本体22と、便器のボール部23に洗浄
水を流し込み当該ボール部を洗浄するタンク装置24
と、人体の局部に洗浄水を噴出し当該局部を洗浄する衛
生洗浄装置26と有する。タンク装置24は、便器本体
22の上面後方に設置されており、後述するタンク等の
構成部材をタンクケーシング28で取り囲んでいる。衛
生洗浄装置26は、タンク装置24の手前に隣接設置さ
れており、後述するノズル装置27等の構成部材を本体
ケーシング30で取り囲んでいる。タンクケーシング2
8は、その図示しない底面プレートを便器本体22の上
面後方に載置した状体で、ボルト等の固定具により固定
されている。本体ケーシング30は、その中央に陥没部
31を有し、この陥没部31に、便座32および便蓋3
3を回動自在に装着して備える。また、本体ケーシング
30は、便器本体には固定されておらず、タンクケーシ
ング28に着脱自在に係合されている。なお、本体ケー
シング30の係合の様子については後述する。
【0031】水洗式大便器20の構成を模式的に表した
図2に示すように、タンクケーシング28には、タンク
装置24の構成部材であるボール洗浄用タンク34のほ
か、衛生洗浄装置26の構成部材である局部洗浄用タン
ク36とポンプ38とコントローラ40とが収納されて
いる。ボール洗浄用タンク34は、ボール部23を洗浄
するための洗浄水を貯留する。そして、このボール洗浄
用タンク34は、その底面に排出口41を有し、貯留し
た洗浄水をこの排出口41から排出管42を経てボール
部23に流し込んでボール部23を洗浄する。局部洗浄
用タンク36は、縦長の直方体形状をなし、便座32に
着座した使用者の局部を洗浄するための洗浄水を貯留す
る。ポンプ38は、局部洗浄用タンク36内の洗浄水を
汲み上げ、この洗浄水をバルブユニット44を経由して
ノズル装置27に圧送する。本実施例にあっては、この
ポンプ38は、プランジャ往復式電磁ポンプ等の自閉能
力のあるポンプであり、駆動停止時には局部洗浄用タン
ク36の側への洗浄水の逆流防止が、ポンプ38にて図
られている。コントローラ40は、このポンプ38のほ
か、ノズル装置27の内蔵する前後駆動装置(図示省
略)やノズル装置27に至る洗浄水水量を調整するバル
ブユニット44等を制御するよう構成されている。この
場合、図2に示すボール洗浄用タンク34や局部洗浄用
タンク36等は、その実際の配置の様子を示す図3に示
すように配置されている。即ち、ボール洗浄用タンク3
4は、タンクケーシング28内の後部に配置され、局部
洗浄用タンク36,ポンプ38およびコントローラ40
は、このボール洗浄用タンク34の手前に配置されてい
る。
【0032】次に、ボール洗浄用タンク34への洗浄水
の給水のための構成と給水の様子について説明する。ボ
ール洗浄用タンク34は、その内部上方にボールコック
46を有する。ボールコック46は、水道管47と止水
栓48を介して接続されており、ボール洗浄用タンク3
4における満水水位MSよりも上方に固定されている。
また、このボールコック46は、ボール洗浄用タンク3
4内の水位に応じて上下するフロート49を有し、この
フロート49の位置に応じて管路を開閉するよう構成さ
れている。即ち、ボールコック46は、ボール洗浄用タ
ンク34内の水位が満水水位MSより低下すると管路を
開き、ボール洗浄用タンク34内の水位が満水水位MS
に達すると管路を閉じるよう構成されている。従って、
ボール洗浄用タンク34内の洗浄水水量が低減すると、
水道管47から供給された水道水(洗浄水)が、ボール
コック46により、ボール洗浄用タンク34内の洗浄水
水面の上方から落下して、ボール洗浄用タンク34に給
水され、ボール洗浄用タンク34に貯留される。そし
て、このボール洗浄用タンク34内の洗浄水は、既述し
たように排出口41から排出管42を経てボール部23
に排出され、ボール部洗浄に用いられる。排出管42に
は、コントローラ40にて開閉制御される開閉弁43が
設けられており、使用者により便器洗浄のための操作が
なされると、通常のフラッパ弁、又は、コントローラ4
0により所定時間に亘ってこの開閉弁43が開弁される
ようにされている。このため、ボール洗浄用タンク34
からは、所定量の洗浄水がボール部洗浄のために排出さ
れる。なお、コントローラ40は、図示しない遠隔操作
盤に設けられた便器洗浄スイッチが押されると、上記し
たように開閉弁43を所定時間に亘って開弁駆動する。
【0033】次に、局部洗浄用タンク36への洗浄水の
給水のための構成と給水の様子並びに、ノズル装置27
への洗浄水の送り出しのための構成等について説明す
る。局部洗浄用タンク36は、連結管50によりボール
洗浄用タンク34と連結されており、連結管50の出
口、即ち洗浄水の流れ込み箇所に、逆流防止板52を有
する。連結管50は、図示するように両タンクの下端近
傍に位置し、ボール部23の洗浄のために所定量の洗浄
水がボール洗浄用タンク34から排出された際のボール
洗浄用タンク34における最低水位SSにあっても水没
したままとなるように設けられている。逆流防止板52
は、局部洗浄用タンク36の内壁に回動自在に係合され
ており、通常は、連結管50の出口を塞ぐ図示する閉鎖
姿勢を採る。そして、上記したようにボール洗浄用タン
ク34内の洗浄水がボール部洗浄のために排出口41か
ら排出される場合には、逆流防止板52は、排出口41
を洗浄水が通過する際に生じる吸引圧を受けて閉鎖姿勢
を維持する。また、この逆流防止板52は、ボールコッ
ク46からボール洗浄用タンク34に洗浄水が給水され
る際には、その給水圧を受けて、図中に二点鎖線で示す
開放姿勢を採る。更に、ポンプ38により局部洗浄用タ
ンク36内の洗浄水が吸引されると、その吸引圧を受け
て開放姿勢を採る。
【0034】従って、局部洗浄用タンク36には、ボー
ル洗浄用タンク34から連結管50を経て洗浄水が流れ
込み、局部洗浄用タンク36は常時洗浄水の貯留状態に
ある。局部洗浄用タンク36は、その上端に通気孔53
を有するので、ボール洗浄用タンク34の満水時にはこ
のボール洗浄用タンク34と同じ水位で洗浄水を貯留す
る。その一方、逆流防止板52により、局部洗浄用タン
ク36からボール洗浄用タンク34への洗浄水の逆流は
防止されているので、ボール部洗浄のためにボール洗浄
用タンク34が満水水位MSを下回っても、局部洗浄用
タンク36における水位は不用意に低下しない。この場
合、局部洗浄用タンク36からボール洗浄用タンク34
への洗浄水の逆流防止の信頼性を高める観点から、逆流
防止板52をゴム製の板材等から形成することが好まし
い。
【0035】局部洗浄用タンク36は、連結管50並び
に逆流防止板52の上方に、ヒータ54を有し、このヒ
ータ54の上方には、ポンプ38の吸込口56と、洗浄
水温度を検出する温度センサ58とを有する。つまり、
吸込口56と連結管50とは、このヒータ54を挟んで
位置している。温度センサ58はコントローラ40に接
続されており、コントローラ40は、当該センサから入
力した検出温度に基づいてヒータ54をオン・オフ制御
し、局部洗浄用タンク36内の洗浄水の温度を所定温度
に保つよう構成されている。また、コントローラ40
は、使用者により局部洗浄のための操作がなされると、
具体的には、遠隔操作盤に設けたお尻洗浄ボタンやビデ
洗浄ボタンが操作されると、ポンプ38を駆動するよう
に構成されている。従って、局部洗浄用タンク36内の
洗浄水は、ポンプ38により吸込口56から汲み上げら
れ、下流のバルブユニット44並びにノズル装置27に
送り出される。この場合、局部洗浄用タンク36は、局
部洗浄に必要とされる洗浄水水量の数倍程度の洗浄水が
貯留できるよう、その内容積が定められており、吸込口
56は、2〜3回程度の局部洗浄が行われても吸込口5
6が露出してポンプ38にいわゆる空運転が起きないよ
うな位置に設けられている。つまり、局部洗浄用タンク
36への洗浄水補給がなされなくても、2〜3回程度の
局部洗浄が行えるようにされている。
【0036】このようにして局部洗浄用タンク36から
洗浄水が汲み上げられて送り出されると、洗浄水は、バ
ルブユニット44の有する流量調整バルブによる流量調
整を受けてノズル装置27に達し、このノズル装置27
から人体局部に向けて噴出される。この場合、ノズル装
置27からは、局部洗浄用タンク36においてヒータ5
4により所定温度に維持された洗浄水が噴出される。な
お、バルブユニット44は、コントローラ40により駆
動制御され、ノズル装置27にあっては、その有するノ
ズルの前後駆動装置がコントローラ40により駆動制御
され、お尻洗浄のために位置とビデ洗浄のための位置に
ノズル27aを前後動させる。
【0037】図示するように、ポンプ38とコントロー
ラ40はタンクケーシング28の内部に配置され、バル
ブユニット44とノズル装置27は本体ケーシング30
に配置されている。そして、ポンプ38からバルブユニ
ット44に至る洗浄水管路と、コントローラ40とバル
ブユニット44並びにノズル装置27との間の電源ライ
ンおよび信号ラインとは、両ケーシングの間の接続箇所
59にてそれぞれ接続されている。
【0038】上記したように局部洗浄用タンク36から
洗浄水が汲み上げられ、局部洗浄用タンク36内の洗浄
水水量が低減すると、次のようにしてその補給がなされ
る。ボール洗浄用タンク34が満水水位MSにある場
合、即ちボール部洗浄がなされていない場合に局部洗浄
用タンク36内の洗浄水水量が低減すると、局部洗浄用
タンク36とボール洗浄用タンク34とでは水位に差が
でき、局部洗浄用タンク36の側が低くなる。このた
め、両タンクの水位が同じになるように、具体的にはボ
ール洗浄用タンク34から局部洗浄用タンク36に連結
管50を経て洗浄水が流れ込む。この際、タンク内水圧
はボール洗浄用タンク34の側が勝るため、逆流防止板
52は開放姿勢を採る。この局部洗浄用タンク36への
洗浄水の流れ込みによりボール洗浄用タンク34の水位
が低下するので、ボールコック46によりボール洗浄用
タンク34には洗浄水が給水される。そして、この給水
は、ボール洗浄用タンク34が満水水位MSとなるまで
継続され、局部洗浄用タンク36における水位も上昇す
る。
【0039】また、局部洗浄用タンク36の水位がボー
ル洗浄用タンク34より高い場合、即ちボール部洗浄の
ためにボール洗浄用タンク34から洗浄水が排出されて
いる場合には、次にように補給される。この場合には、
ボール部洗浄のための洗浄水排出によりボール洗浄用タ
ンク34の水位が低下した状態にあるので、まず、ボー
ルコック46によりボール洗浄用タンク34に洗浄水が
給水される。そして、この給水によりボール洗浄用タン
ク34の水位が局部洗浄用タンク36の水位より高くな
った時点から、上記したように局部洗浄用タンク36に
洗浄水が流れ込み、洗浄水補給が行われる。なお、この
ようにボール洗浄用タンク34への給水を待って局部洗
浄用タンク36への洗浄水補給を行う場合でも、局部洗
浄用タンク36から汲み上げた洗浄水で行う局部洗浄を
上記したように2〜3回程度は補給なしで行えることか
ら、実用上支障はない。
【0040】次に、タンクケーシング28と本体ケーシ
ング30との係合の様子について説明する。図4の要部
概略斜視図に示すように、タンクケーシング28は、両
側面に筒状の係合管60を突出して有する(図には一方
のみを示す)。本体ケーシング30は、図中に白抜き矢
印で示すように、タンクケーシング28に対してその前
方からスライドして組み付けられる。図5は本体ケーシ
ング30が組み付けられた状態における図4の5−5線
断面図であり、この図5に示すように、本体ケーシング
30は、その後端壁に係合管60が入り込む係合孔部6
1を有する。この係合孔部61の底部分(図における左
端部分)は、係合管60の外径より僅かに大きな内径で
半円状に形成されたストッパー部62とされている。ス
トッパー部62の手前には、先端が円錐台形状とされた
係合駒64が上下に組み込まれている。係合駒64は、
係合孔部61を挟んで上下に空けられた収納孔65内の
スプリング66により係合孔部61の側に常時付勢され
ている。このため、係合駒64は、ストッパー部62に
入り込んだ係合管60に先端の傾斜面を当接すること
で、この係合管60に対する後退防止として機能する。
従って、係合管60をストッパー部62に入り込ませる
ことで、タンクケーシング28と本体ケーシング30と
は係合され、本体ケーシング30は、図中矢印Aで示す
ように、係合管60を中心に回動することができる。な
お、本体ケーシング30における上端開口縁30aに
は、タンクケーシング28と本体ケーシング30との間
への異物の入り込みを防止するためのゴム製のモール6
8が装着されている。
【0041】本体ケーシング30をタンクケーシング2
8に係合させるに当たっては、図4に示したように本体
ケーシング30をタンクケーシング28に対してスライ
ドさせる。すると、係合駒64は係合管60により押さ
れて係合孔部61の内部から収納孔65の側に移動する
ので、本体ケーシング30は、係合管60がストッパー
部62に入り込むまで移動する。その後、係合駒64は
スプリング66の付勢力により係合孔部61の内部に飛
び出すので、本体ケーシング30はタンクケーシング2
8に係合される。また、本体ケーシング30をタンクケ
ーシング28から離脱するには、上記の場合と反対に本
体ケーシング30をスライドさせる。この場合でも、係
合駒64は係合管60に押されて収納孔65の側に移動
するので、本体ケーシング30は支障なくタンクケーシ
ング28から外れる。
【0042】係合管60には、タンクケーシング28の
内部の側から、ポンプ38からの洗浄水管路69aと、
コントローラ40からの電源ライン70a,信号ライン
71aが配置されている。そして、この係合管60の外
部にて、洗浄水管路69aと電源ライン70aおよび信
号ライン71aは、バルブユニット44に至る洗浄水管
路69a、バルブユニット44並びにノズル装置27に
至る電源ライン70b,信号ライン71bに、それぞれ
の接続金具69c〜71cにて接続されている。つま
り、この係合管60が既述した両ケーシングの間の接続
箇所59となる。なお、接続金具69c〜71cは、本
体ケーシング30の着脱にあわせて取り外しできるよ
う、それぞれ構成されている。
【0043】以上説明したように本実施例の水洗式大便
器20は、局部洗浄のための洗浄水を貯留する局部洗浄
用タンク36を、衛生洗浄装置26の側から分離し、タ
ンク装置24の側のタンクケーシング28内に有する。
そして、この局部洗浄用タンク36には、連結管50を
介してボール洗浄用タンク34の側から洗浄水を流れ込
ませ、局部洗浄用タンク36で洗浄水を貯留する。この
ため、この水洗式大便器20によれば、便器本体22に
装着される衛生洗浄装置26を、局部洗浄用タンク36
を要しない分だけ小型化することができる。また、従来
のようにこの局部洗浄用タンク36を収納する袖部分を
衛生洗浄装置26に設ける必要がないことから、衛生洗
浄装置26のデザインの自由度を向上させることができ
る。
【0044】水洗式大便器20では、局部洗浄用タンク
36をタンク装置24の側に設置しているので、衛生洗
浄装置26の外径寸法やデザインの制約を受けることな
くこの局部洗浄用タンク36の容量を大容量化すること
ができる。このため、便器回りの空間が狭いトイレユニ
ット等にあっても、本実施例の水洗式大便器20を設置
でき、タンク容量の大容量化を通して多量の洗浄水で局
部洗浄を行うことができる。
【0045】また、水洗式大便器20では、局部洗浄用
タンク36に連結管50を介して洗浄水を流し込むボー
ル洗浄用タンク34において、ボールコック46により
洗浄水を洗浄水水面の上方から落下させ、水道管47に
対する逆流防止を図っている。このため、水道管47に
対する逆流防止をボール洗浄用タンク34において図れ
ばよいことから、給水源(一次側)への逆流防止機構を
簡略化することができる。しかも、ボールコック46
を、タンク内水位の低減に伴って開弁して給水するもの
とすればよいことから、既存のボールコックを利用で
き、部材の有効利用を図ることができる。
【0046】更に、水洗式大便器20では、ヒータ54
により所定温度に維持した洗浄水をポンプ38によりノ
ズル装置27から噴出するので、付加価値を高めること
ができる。しかも、ポンプ38の吸込口56と局部洗浄
用タンク36に新たな洗浄水を流れ込ませるための連結
管50とを、ヒータ54を挟んで上下に位置させたの
で、次のような利点がある。連結管50を経て局部洗浄
用タンク36に流れ込んだ新たな洗浄水は、吸込口56
から吸引される以前にヒータ54により昇温され、吸込
口56の近傍に存在し既に所定温度に昇温済みの洗浄水
と混じり合う。よって、局部洗浄用タンク36に昇温済
みの洗浄水が残存する場合には、新たな洗浄水が局部洗
浄用タンク36内に流れ込んでも、タンク内の洗浄水の
温度の急激な低下を招かない。また、局部洗浄用タンク
36内の洗浄水水量が所定量にあるために新たな洗浄水
が局部洗浄用タンク36に流れ込んでいない状態では、
昇温済みの洗浄水の熱量が吸込口56とヒータを挟んで
位置する連結管50の洗浄水に奪われる程度は、ヒータ
54が介在しているために小さい。これらの結果、局部
洗浄用タンク36からポンプ38により汲み上げられて
ノズル装置27に送られる洗浄水の温度を不用意に変動
させないので、局部洗浄用タンク36内の洗浄水の噴出
を受ける使用者に、温度変動に起因する違和感を与える
ことが少ない。
【0047】更に、水洗式大便器20では、局部洗浄用
タンク36には連結管50を経てボール洗浄用タンク3
4内の洗浄水を流れ込ませるので、局部洗浄用タンク3
6には給水源(水道水圧)の圧力がかかることがない。
このため、局部洗浄用タンク36に耐圧性は不要となり
タンク構造の簡略化を図ることができる。
【0048】また、連結管50の局部洗浄用タンク36
の側における出口には、逆流防止板52を設け、衛生洗
浄装置26の使用中並びにタンク装置24によるボール
部洗浄の実行中において、局部洗浄用タンク36の側か
らボール洗浄用タンク34の側への洗浄水の不用意な逆
流を防止している。このため、局部洗浄用タンク36に
おける洗浄水貯留量の安定化と洗浄水温度の安定化とを
図ることができる。
【0049】また、水洗式大便器20では、タンク装置
24のタンクケーシング28でボール洗浄用タンク34
と局部洗浄用タンク36を取り囲み、衛生洗浄装置26
の本体ケーシング30にはノズル装置27並びに便座3
2を装着した。そして、本体ケーシング30における係
合孔部61のストッパー部62にタンクケーシング28
の係合管60を入れ込み、係合駒64でこの係合孔部6
1の後退防止を図ることで、タンクケーシング28を本
体ケーシング30に係合可能とし、係合駒64を係合孔
部61から後退させることで、タンクケーシング28を
本体ケーシング30から取り外し可能とした。この場
合、本体ケーシング30をスライドさせるだけで、係合
駒64を係合管60で押して係合孔部61から後退させ
ることができる。このため、局部洗浄用タンク36が無
い分だけ軽量化された衛生洗浄装置26を、本体ケーシ
ング30ごとタンクケーシング28から離脱する作業が
容易となる。しかも、係合管60を中心として本体ケー
シング30をタンクケーシング28に対して回動自在と
したので、本体ケーシング30をタンクケーシング28
から取り外すことなく、本体ケーシング30の前端を便
器本体22の上面から浮かせることができる。よって、
本体ケーシング30の前端下面と便器本体22の上面と
の間をのみ清掃するような場合には、本体ケーシング3
0を取り外すことなくこの清掃作業を行うことができ
る。
【0050】この場合、水洗式大便器20では、上記し
たように両ケーシングの係合に関与しタンクケーシング
28に固定されたままの係合管60に、ポンプ38から
の洗浄水管路69aと、コントローラ40からの電源ラ
イン70a,信号ライン71aを配置し、係合管60の
外部にて、これら管路および電源・信号ラインを、接続
金具69c〜71cにて、それぞれバルブユニット44
に至る洗浄水管路69aとバルブユニット44並びにノ
ズル装置27に至る電源ライン70b,信号ライン71
bに接続した。従って、タンクケーシング28に本体ケ
ーシング30を脱着する際には、その係合箇所にて管路
並びに電源・信号ラインを脱着でき、作業性を高めるこ
とができる。
【0051】また、本実施例の水洗式大便器20では、
ポンプ38を、プランジャ往復式電磁ポンプ等の自閉能
力のあるポンプとし、駆動停止時には局部洗浄用タンク
36の側への洗浄水の逆流防止を図っている。このた
め、局部洗浄用タンク36の側への逆流防止のためだけ
の部材が不要となり、構成の簡略化を図ることができ
る。
【0052】更に、本実施例の水洗式大便器20では、
局部洗浄用タンク36に加え、衛生洗浄装置26の側の
構成部材であるポンプ38とコントローラ40をもタン
ク装置24の側のタンクケーシング28に収納した。よ
って、衛生洗浄装置26のより一層の軽量化と小型化を
図ることができ、これを通して水洗式大便器20のデザ
インの自由度をより高めることができる。しかも、ポン
プ38とコントローラ40とを局部洗浄用タンク36の
側方に上下に並べて配置したので(図3参照)、タンク
ケーシング28延いてはタンク装置24の大型化を招く
ことがなく好ましい。
【0053】ここで、上記した実施例(第1実施例)の
変形例について説明する。第1の変形例は、図6に示す
ように、局部洗浄用タンク36をその容積を確保した上
で形状をやや方形形状とした。そして、ボール洗浄用タ
ンク34の中央よりやや上方で、ボール洗浄用タンク3
4と局部洗浄用タンク36とを連結管50により連結し
た。第2の変形例は、図7に示すように、連結管50と
ポンプ38の吸込口56とをヒータ54を挟んで左右に
配置した。
【0054】第3の変形例は、図8に示すように、局部
洗浄用タンク36を縦長の直方体形状としたまま、ボー
ル洗浄用タンク34の中央よりやや上方で、ボール洗浄
用タンク34と局部洗浄用タンク36とを連結管50に
より連結した。そして、吸込口56をヒータ54の下方
に設置して、連結管50と吸込口56とをヒータ54を
挟んで上下に位置させた。この第3の変形例では、局部
洗浄用タンク36に一端洗浄水がその満水水位まで流れ
込めば、ボール部洗浄のためのボール洗浄用タンク34
からの洗浄水排出の有無に拘わらず、局部洗浄用タンク
36に連結管50より下方側部分で洗浄水を貯留でき
る。このため、図中に二点鎖線で示す水位Bで規定され
る局部洗浄用タンク36の洗浄水貯留量を数回に亘る局
部洗浄に十分な量としておくことで、逆流防止板52を
省略しても局部洗浄用タンク36の貯留水量を確保する
ことができる。
【0055】次に、第2実施例について説明する。この
第2実施例では、局部洗浄用タンクをボール洗浄用タン
クの内部に設置されている点で、上記の第1実施例と相
違する。即ち、第2実施例の水洗式大便器は、図9の要
部の概略斜視図に示すように、局部洗浄用タンク72
は、ほぼその全体が水没するよう、ボール洗浄用タンク
34の一内壁面に固定されている。局部洗浄用タンク7
2は、既述したヒータ54を内蔵し、このヒータ54の
設置位置より下方には、連結孔73を備え、ヒータ54
の上方には、既述した吸込口56を備える。連結孔73
は、ボール洗浄用タンク34の水位が最低水位にある時
にもタンク内の洗浄水に水没するようにされており、局
部洗浄用タンク72内部の側には第1実施例と同様に逆
流防止板52(図示省略)を有する。従って、局部洗浄
用タンク72は、この連結孔73を通してボール洗浄用
タンク34の洗浄水が流れ込むよう、ボール洗浄用タン
ク34と連結されており、局部洗浄のための洗浄水を常
時貯留することができる。
【0056】また、局部洗浄用タンク72は、図9の1
0−10線断面図である図10に示すように、所定の厚
みの発砲ポリスチレンなどの断熱材を用いて形成されて
おり、ボール洗浄用タンク34における表皮層34aの
内側の防露層34bに密着されている。もっとも、この
防露層34bから離れて固定されていてもよいことは勿
論である。
【0057】このように局部洗浄用タンク72をボール
洗浄用タンク34の内部に有する第2実施例では、ボー
ル洗浄用タンク34とは別に局部洗浄用タンク72を設
置するためのスペースを要しない。このため、タンク装
置24にはボール洗浄用タンク34を備え付けられるだ
けの大きさしか要求されず、タンク装置24の小型化を
図ることができる。そして、局部洗浄用タンク36を衛
生洗浄装置26の側から分離したことで得られた局部洗
浄用タンク36の小型化と相俟って、この第2実施例で
は、これら両装置と便器本体22を含んだ水洗式大便器
全体としての小型化を図ることができると共に、全体と
してのデザインの自由度を高めることができる。また、
局部洗浄用タンク72は、上記の断熱材を用いて形成さ
れていることから、ボール洗浄用タンク34内に配置し
た局部洗浄用タンク72内の洗浄水の熱量がボール洗浄
用タンク34に奪われる程度を小さくでき、局部洗浄用
タンク72内の洗浄水温度の不用意な低下を招かない。
更に、局部洗浄用タンク72はボール洗浄用タンク34
内に連結孔73が上記したように水没するよう設置され
ればよいので、既存のボール洗浄用タンク34を利用で
きる。
【0058】この第2実施例は、次のように変形するこ
とができる。即ち、図11に示すように、局部洗浄用タ
ンク72を、ボール洗浄用タンク34の防露層34bの
一部を断熱材で取り囲んで形成するよう変形することが
できる。なお、防露層34bと局部洗浄用タンク72の
外壁をなす断熱材との間は、防水性のパテ74にてシー
ルされている。
【0059】また、第2実施例は、更に次のように変形
することができる。即ち、図12に示すように、局部洗
浄用タンク72を、それぞれの外壁が中央に空気層75
を有する中空の外壁から形成するよう変形することがで
きる。このいずれの変形例であっても、既存のボール洗
浄用タンク34を利用できる。そして、図12に示す変
形例では、局部洗浄用タンク72を樹脂成形することで
断熱性を確保しつつ量産性を高めることができるので、
コスト低下を図ることができる。
【0060】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明は上記の実施例や実施形態になんら限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種
々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0061】例えば、上記した各実施例では、局部洗浄
用タンク36をその上端に通気孔53を有するいわゆる
開放型のタンクとしたが、図13に示すように、局部洗
浄用タンク36を密閉型のタンクとすることもできる。
この場合には、局部洗浄用タンク36とボール洗浄用タ
ンク34を連結する連結管50に、コントローラ40に
より開閉制御される開閉弁76を設ける。そして、局部
洗浄により局部洗浄用タンク36内の洗浄水が減少して
その補給が必要な場合と、吸込口56が水没したままポ
ンプ38が停止状態にある場合、即ち連結管50から局
部洗浄用タンク36並びに吸込口56を経てノズル装置
27に至るまでが洗浄水で満たされていわゆるサイホン
作用が発生する場合とには、開閉弁76を閉弁制御すれ
ばよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の水洗式大便器20の外観図。
【図2】水洗式大便器20の構成を模式的に表した模式
図。
【図3】図2に示すボール洗浄用タンク34や局部洗浄
用タンク36等の実際の配置の様子を示す概略斜視図。
【図4】タンクケーシング28と本体ケーシング30と
の係合の様子を説明するための要部概略斜視図。
【図5】タンクケーシング28に本体ケーシング30が
組み付けられた状態における図4の5−5線断面図。
【図6】第1実施例の第1の変形例の概略構成図。
【図7】第1実施例の第2の変形例の概略構成図。
【図8】第1実施例の第3の変形例の概略構成図。
【図9】第2実施例の水洗式大便器の要部の概略斜視
図。
【図10】図9の10−10線断面図。
【図11】第2実施例の第1の変形例を示す断面図。
【図12】第2実施例の第2の変形例を示す断面図。
【図13】更に他の変形例を示す概略構成図。
【図14】従来の水洗式大便器の概略構成図。
【符号の説明】
20…水洗式大便器 22…便器本体 23…ボール部 24…タンク装置 26…衛生洗浄装置 27…ノズル装置 27a…ノズル 28…タンクケーシング 30…本体ケーシング 32…便座 34…ボール洗浄用タンク 34a…表皮層 34b…防露層 36…局部洗浄用タンク 38…ポンプ 40…コントローラ 41…排出口 42…排出管 43…開閉弁 44…バルブユニット 46…ボールコック 47…水道管 48…止水栓 49…フロート 50…連結管 52…逆流防止板 54…ヒータ 56…吸込口 58…温度センサ 60…係合管 61…係合孔部 62…ストッパー部 64…係合駒 66…スプリング 72…局部洗浄用タンク 73…連結孔 74…パテ 75…空気層 76…開閉弁

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 便器のボール部に洗浄水を流し込み該ボ
    ール部を洗浄するタンク装置と、人体の局部に洗浄水を
    噴出し該局部を洗浄する衛生洗浄装置とを有する水洗式
    大便器であって、 前記タンク装置は、 ボール部洗浄のための洗浄水を貯留する第1のタンク
    と、 該第1のタンク内の洗浄水水量が低減したときには、給
    水源から供給された洗浄水を前記第1のタンク内の洗浄
    水水面にその上方から落下させて、前記第1のタンクに
    給水する給水手段とを有し、 前記衛生洗浄装置は、 局部洗浄のための洗浄水を貯留する第2のタンクと、 洗浄水を前記局部に向けて噴出するためのノズル手段
    と、 前記第2のタンク内の洗浄水を吸引して前記ノズル手段
    に圧送するポンプとを有し、 前記第1と第2のタンクは、前記第1のタンクから前記
    第2のタンクに洗浄水が流れ込むように連結されている
    ことを特徴とする水洗式大便器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の水洗式大便器であって、 前記衛生洗浄装置は、 前記第2のタンク内に設けられ、洗浄水を加熱するヒー
    タと、 該ヒータへの通電を制御して、前記第2のタンク内の洗
    浄水温度を制御する制御手段とを有する、水洗式大便
    器。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の水洗式大便器であって、 前記第1と第2のタンクは、前記第2のタンクへの洗浄
    水の流れ込み箇所と前記ポンプによる洗浄水の吸引箇所
    とは前記ヒータを挟んで位置するように連結されてい
    る、水洗式大便器。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の水洗式大便器であって、 前記第2のタンクは、断熱外壁を有し、前記第1のタン
    ク内に設置されている、水洗式大便器。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の水洗式大便器であって、 前記第2のタンクは、前記第1のタンクの内壁の一部を
    前記断熱外壁で取り囲んで設置されている、水洗式大便
    器。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の水洗式大便器であって、 前記第2のタンクは、空気層を有する中空の層状材を前
    記断熱外壁として有する、水洗式大便器。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の水洗式大便器であって、 前記第1と第2のタンクの連結箇所には、前記第2のタ
    ンクから前記第1のタンクに向けた水の流れを遮断する
    逆止弁を有する、水洗式大便器。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の水洗式大便器であって、 前記タンク装置側のケーシングであって前記第1と第2
    のタンクを取り囲む第1のケーシングと、 前記衛生洗浄装置側のケーシングであって、前記ノズル
    手段が設置され、便座が装着される第2のケーシングと
    を有し、 該第2のケーシングを前記第1のケーシングに対して、
    離脱自在に係合して有する、水洗式大便器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006122664A (ja) * 2004-09-28 2006-05-18 Aisin Seiki Co Ltd ポータブルトイレ

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JP2006122664A (ja) * 2004-09-28 2006-05-18 Aisin Seiki Co Ltd ポータブルトイレ
JP4591774B2 (ja) * 2004-09-28 2010-12-01 アイシン精機株式会社 ポータブルトイレ

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