JPH11194026A - 測距装置 - Google Patents

測距装置

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JPH11194026A
JPH11194026A JP89398A JP89398A JPH11194026A JP H11194026 A JPH11194026 A JP H11194026A JP 89398 A JP89398 A JP 89398A JP 89398 A JP89398 A JP 89398A JP H11194026 A JPH11194026 A JP H11194026A
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distance
light
spot
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calculating
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JP89398A
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真 ▲高▼山
Makoto Takayama
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レンズ数増加に伴うコストアップ、スペースの
増加を伴うことなく、被写体の反射率の影響を受けるこ
となく、スポット欠けしても被写体がピンボケにならな
い小型カメラ用の測距装置を提供すること。 【解決手段】本発明は、対象物に向けてスポット光束を
投射するIRED1と、上記スポット光束の投射による
対象物からの反射スポット光束の重心の入射位置に基づ
いて対象物までの第1距離を算出する光重心位置検出部
6と、上記反射スポット光束の入射光量に基づいて対象
物までの第2距離を算出する光量検出部7と、上記第1
距離のデータと、複数の所定の距離データとを比較し
て、上記第1距離のデータが所定の距離範囲内にあると
判断した時、上記第1距離のデータと、上記第2距離の
データに所定の係数を乗じたデータとを用いた平均演算
により1つの距離データを算出するCPU10とを有す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばカメラ等に
用いられる測距装置に係り、特にカメラ側から測距用光
を投射して、その反射信号によって測距するアクティブ
AF方式の測距装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、カメラ等の撮像装置では、投光手
段により被写体に光を投光し、その反射光を受光手段に
より受光し、その情報に基づいて被写体距離を検出する
「アクティブAF」方式の測距装置が採用されている。
しかし、かかるアクティブAF方式では、測距用光が被
写体に全て当たっていない、即ちスポット欠けが生じる
場合には、被写体距離を正しく測距できないといった問
題点があった。
【0003】この問題点を解決するために、特開昭55
−119006号公報や、特開平4−50610号公報
の様な技術が知られていた。前者は、受光レンズを2つ
用意して、測距用光が欠けても2つの受光レンズの配置
によってそれを相殺する技術であり、後者は、反射信号
光の光量を評価して、測距用光が被写体にすべて当たっ
ているかを判定する技術であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭55−119006号公報により開示された技術で
は、レンズ数増加によるコストアップ、またスペースを
多く必要とするといった問題点があった。さらに、特開
平4−50610号公報により開示された技術では、被
写体の反射率の影響が大きいといった問題点があった。
【0005】本発明は、上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、レンズ数増加に伴うコス
トアップ、スペースの増加を伴うことなく、被写体の反
射率の影響を受けることなく、スポット欠けしても被写
体がピンボケにならない小型カメラ用の測距装置を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の第1の態様は、対象物に向けてスポット光
束を投射する投射手段と、上記スポット光束の投射によ
る対象物からの反射スポット光束の重心の入射位置に基
づいて対象物までの距離を算出する第1演算手段と、上
記反射スポット光束の入射光量に基づいて対象物までの
距離を算出する第2演算手段と、上記第1演算手段によ
り算出された第1の距離データと、複数の所定の距離デ
ータとを比較して、上記第1の距離データが所定の距離
範囲内にあると判断したとき、上記第1の距離データ
と、上記第2演算手段による第2の距離データに所定の
係数を乗じたデータとを用いた平均演算により1つの距
離データを算出する第3演算手段とを具備したことを特
徴とする。
【0007】そして、第2の態様は、対象物に向けてス
ポット光束を投射する投射手段と、上記スポット光束の
投射による対象物からの反射スポット光束の重心の入射
位置に基づいて対象物までの距離を算出する第1演算手
段と、上記反射スポット光束の入射光量に基づいて対象
物までの距離を算出する第2演算手段と、上記第1演算
手段による第1の距離データと、上記第2演算手段によ
る第2の距離データとを比較し、この比較結果に応じて
1つの距離データを算出する第3演算手段とを具備した
ことを特徴とする。
【0008】さらに、第3の態様は、上記投射手段は、
複数の方向に向けてスポット光束を投射し、上記第3演
算手段は、それぞれの投射方向に対する上記第1、第2
の距離データと、スポット投射方向とに基づいて、1つ
の距離データを算出することを特徴とする。
【0009】上記第1乃至第3の態様は、以下の作用を
奏する。即ち、本発明の第1の態様では、投射手段によ
り対象物に向けてスポット光束が投射され、第1演算手
段により上記スポット光束の投射による対象物からの反
射スポット光束の重心の入射位置に基づいて対象物まで
の距離が算出され、第2演算手段により上記反射スポッ
ト光束の入射光量に基づいて対象物までの距離が算出さ
れ、第3演算手段により、上記第1演算手段により算出
された第1の距離データと、複数の所定の距離データと
を比較して、上記第1の距離データが所定の距離範囲内
にあると判断したとき、上記第1の距離データと、上記
第2演算手段による第2の距離データに所定の係数を乗
じたデータとを用いた平均演算により1つの距離データ
が算出される。
【0010】そして、第2の態様では、投射手段により
対象物に向けてスポット光束が投射され、第1演算手段
により上記スポット光束の投射による対象物からの反射
スポット光束の重心の入射位置に基づいて対象物までの
距離が算出され、第2演算手段により上記反射スポット
光束の入射光量に基づいて対象物までの距離が算出さ
れ、第3演算手段により上記第1演算手段による第1の
距離データと、上記第2演算手段による第2の距離デー
タとを比較し、この比較結果に応じて1つの距離データ
が算出される。
【0011】さらに、第3の態様では、上記投射手段に
よりは、複数の方向に向けてスポット光束が投射され、
上記第3演算手段にとり、それぞれの投射方向に対する
上記第1、第2の距離データと、スポット投射方向とに
基づいて、1つの距離データが算出される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態について説明する。図1は本発明の第1の実
施の形態に係る測距装置の構成を示す図である。同図に
示されるように、IRED1の発光する光の光軸上には
投光レンズ2が配設されており、この光の被写体での反
射光の光軸上には受光レンズ3とPSD4が配設されて
いる。そして、このPSD4の出力は光重心位置検出部
6と光量検出部7の入力に接続されており、この光重心
位置検出部6と光量検出部7の出力はCPU10の入力
に接続されている。このCPU10は加重平均部8と距
離算出部9を有しており、且つその出力はIRED1を
駆動するためのドライバ5とピント合わせ部11の入力
にそれぞれ接続されている。
【0013】このような構成において、CPU10の制
御の下、ドライバ5が駆動制御され、IRED1より光
が投光されると、該光12は投光レンズ2により集光さ
れ被写体に投射される。この被写体からの反射光は受光
レンズ3により集光されPSD4により受光される。P
SD4は、受光結果に基づく信号を後段の光重心位置検
出部6と光量検出部7に出力する。光重心位置検出部6
では、上記信号に基づいて信号光の入射位置が検出さ
れ、上記光量検出部7では、上記信号に基づいて信号光
の強さ、即ち光量が検出される。CPU10では、加重
平均部8により上記入射位置に従った被写体距離情報に
対して、上記光量に従った被写体距離情報に重み付けが
され加重平均演算がなされる。そして、これらの演算結
果に基づいて、距離算出部9により被写体距離が算出さ
れる。
【0014】尚、この測距装置をカメラに応用し、オー
トフォーカスの測距装置として利用する場合において
は、CPU10は、上記得られた測距結果に基づいてピ
ント合わせ部11を制御してピント合わせを行う。
【0015】ここで、図2を参照して、アクティブAF
の原理を説明する。図2に於いて、IRED1から投射
された光は、投光レンズ2で集光され、被写体13に投
射される。このとき、該IRED1の発光部分は、所定
の面積dLEDを有するので、投射されたスポット光も
φLEDという大きさを有する。
【0016】そして、被写体13から反射された光は、
受光レンズ3で集光され、PSD4上にXspotとい
った大きさの信号光像として結像される。さらに、PS
D4は、その信号光像の重心位置Xに従った信号を出力
する。
【0017】このXは、被写体距離Lとの間に次の関係
を成立させる。 X=S×fj/L …(1) 1/L=X/(S×fj) …(2) ここで、Sはレンズ間距離、fjは受光レンズの焦点距
離である。
【0018】この式より、被写体13上にスポットが正
しく投射されなければ正しい重心位置Xが求められない
ことが判る。次に図3を参照して、上記IRED1によ
り投光されたスポット光が被写体13に正しく投射され
なかった場合に生じる誤測距の原理を説明する。ここで
は、測距装置の構成を先に示した図1と同じであるもの
とする。
【0019】図3(a)は、スポット12が左側にずれ
てしまった場合を示している。即ち、図中斜線で示すず
れた部分には、信号光が帰ってこない為、PSD4上の
重心位置がX1となってしまう。この重心位置X1は、
図2の重心位置Xより小さいため、遠距離側としてCP
U10で判定される。
【0020】これに対して、図3(b)はスポット12
が右側へずれてしまった場合を示している。即ち、図中
斜線で示すずれた部分には、信号光が帰ってこない為、
PSD4上の重心位置がX2となってしまう。この重心
位置X2は、図2の重心位置Xより大きいため、近距離
側としてCPU10で判定される。
【0021】ここで、図4を参照して、スポット欠けの
誤測距の原理を説明する。図4において、投光レンズ2
を介して投射されるスポット光の径はAであり、その反
射光の受光レンズ3を介しての光の径はaである。ま
た、投光レンズ2と受光レンズ3との基線長はSで示さ
れており、投光レンズ2から被写体までの距離はLで示
されている。各レンズ2,3の焦点距離はft、fjで
ある。
【0022】以下、図5には、スポット径をAとし、受
光スポット径aとして、それが1/4、1/2…と欠け
ていった場合の三角測距に基づいた測距結果を示して説
明する。
【0023】この図5では、横軸にスポットAの欠け
率、縦軸にΔ1/L(距離の逆数を単位とする誤差)を
示している。いま、このΔ1/Lは、S×fjをβ、欠
け率をηとすると、 Δ1/L=±1/β×a/2×η …(3) として示される。
【0024】従って、図5に示されるように、スポット
の欠けた量と、PSD上のスポット重心位置から求めた
距離の誤差Δ1/Lは、リニアな関係となる。以上がP
SD4上の反射光の重心位置から被写体距離を求める場
合、即ち三角測距の原理と誤差の説明である。尚、一般
的な被写体の反射率を一定とし、投射信号光量も一定と
すると、PSD4上の反射光の強さからも距離を測定す
ることが可能である(光量AF)。また、被写体の反射
率を無視した場合、被写体から反射した光量の自乗の逆
数は距離に比例する。この原理を用いて、反射光量から
被写体距離を算出することが可能である。かかる点に鑑
みて、本発明では、先に図1に示した光量検出部7及び
距離算出部9にて該演算が行われている。
【0025】但し、この場合においても、図6の光量A
Fに基づいた測距結果に示されるように、スポットが欠
けた場合には誤測距となる。即ち、この場合には、スポ
ットの欠けの方向に関わらずスポット欠けにより遠距離
との出力がなされてしまう。
【0026】ここで、注目すべきは、三角測距の誤差の
場合は、近距離側に誤測距される場合でも、光量AFを
行なえば遠距離が出力されるということである。つま
り、三角測距で近距離側が出力され、光量AFで遠距離
側が出力された時、スポット欠けが発生していると判断
できる。また、これらの2つの測距結果を加重平均すれ
ばより正しい測距結果を得ることができる。
【0027】すなわち、スポット欠けの発生した時、よ
り正しい測距結果を得るためには、次式(4)を満足す
れば良いことになる。 三角測距でのΔ1/L+B×光量AFでのΔ1/L=0 …(4) (B;重み付け) 例えば、上記(4)式において、重み付けBを0.84
とする。その時のスポット欠け量が1/4、2/4、3
/4であったとすると(S=17mm、A=18.4m
m、L=1m)、 1/4欠けた時のΔ1/L=0.0272[1/m] 2/4欠けた時のΔ1/L=0.0334[1/m] 3/4欠けた時のΔ1/L=0 [1/m] といった算出結果が得られる。
【0028】このように、スポットの欠け量によって
も、三角測距から算出した1/Lに光量AFから算出し
た1/Lを重み付けをして加算することによって比較的
正しい被写体の距離データを得ることができる。
【0029】本発明の特徴である加重平均をとらずに、
スポット欠けした時に得られる測距結果は、以下のよう
になる。すなわち、 1/4欠けた時のΔ1/L=0.1353[1/m] 2/4欠けた時のΔ1/L=0.2706[1/m] 3/4欠けた時のΔ1/L=0.4059[1/m] といった算出結果が得られる。
【0030】上記算出結果と比較すると1/100の位
まで測距データが改善されていることが判る。以下、図
7のフローチャートを参照して、以上の原理を前提とし
た、第1の実施の形態に係る測距装置のCPU10の測
距動作を説明する。
【0031】先ず、IRED1より被写体13に光を投
射し、該被写体13からの反射光をPSD4で受光する
(ステップS1)。続いて、上記PSD4の出力電流を
基にして、光重心位置検出部6が光入射位置Xを求め、
それによってCPU10が上記(1)式に従って被写体
距離Lxを算出する(ステップS2)。
【0032】次いで、この得られた距離Lxが第1の所
定範囲Lx1 ,Lx2 の範囲にあるか判断し(ステップ
S3)、当該範囲内にある場合には、重み付け係数Bに
B1を設定し、ステップS9に移行する(ステップS
7)。これに対して、当該範囲内にない場合には、得ら
れた距離Lxが第2の所定範囲Lx2 ,Lx3 の範囲に
あるか判断する(ステップS4)。そして、この範囲内
にある場合には、重み付け係数BをB2に設定し、ステ
ップS9に移行する(ステップS8)。
【0033】一方、上記ステップS3,ステップS4に
て所定範囲になかった場合には、CPU10は、スポッ
ト欠けが発生しにくい距離と判断し、三角測距から算出
されたLxをピント合わせ距離として採用する(ステッ
プS5)。
【0034】上記ステップS9では、上記ステップS
7,S8で重み付け係数が設定された場合に、本発明の
特徴である光量AF結果の加味を行なうために反射信号
光量Pより距離Lpを算出する。次いで、先に説明した
原理に従って、加重平均した正しい測距結果を得る(ス
テップS10)。こうして、ピント合わせを行ない(ス
テップS6)、全ての動作を終了する。
【0035】尚、ステップS3では、1m近辺の距離で
あるかを判定するものとし、先に説明したようにステッ
プS7の重み付け係数Bは「0.84」とする。また、
ステップS4では、2m近辺の距離であるかを判定する
もとし、上記ステップS8における重み付け係数を上記
(4)式を用い算出した結果によって「1.63」とす
る。
【0036】以上説明したように、第1の実施の形態に
係る測距装置によれば、三角測距によって得られた距離
Lxによって重み付け係数Bを可変とし、スポット欠け
時の補正演算を細かく行なったので、被写体の距離やス
ポットの欠け方によらず正しいピント合わせが可能とな
る。
【0037】次に本発明の第2の実施の形態を説明す
る。尚、第2の実施の形態の構成については、先に示し
た図1と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略す
る。
【0038】以下、図8のフローチャートを参照して、
第2の実施の形態の動作を説明する。先ず、IRED1
より被写体12に光を投射し、その反射光をPSD4で
受光する(ステップS21)。続いて、CPU10は、
PSD4の受光の入射位置に基づいて距離Lxを算出す
る(ステップS22)。そして、CPU10は、受光光
量の強さに基づいて距離Lpを算出する(ステップS2
3)。
【0039】ここで、第1の実施の形態と異なり、距離
Lpを算出したのは、ステップS24で距離Lxと距離
Lpの割合を調べる為である。この割合を算出すること
により、スポット欠けがどの程度発生しているのか確認
することができる。
【0040】また、スポット欠けの発生状況により補正
を欠けるか否かを決めることができるので、不必要な補
正によって間違った距離データを算出する様な副作用を
防ぐことができる。つまり、上記ステップS24では、
上記ステップS22で決めた距離1/Lxが上記ステッ
プS23で求めためた距離1/Lpに対してかなり大き
い時、スポット欠けしていると判定することになる。こ
のスポット欠け判定については、先に図5,図6を用い
て説明済みである。
【0041】続いて、上記スポット欠けがない時は、三
角測距した時の距離データLxをピント合わせの距離デ
ータとする(ステップS25)。これに対して、スポッ
ト欠けがあると判断された時は、重み付け補正演算を行
なう(ステップS26)。ここで、B,Cは加重平均時
の重み付け係数である。
【0042】こうして、CPU10は、先に得られた距
離データ1の逆数1/Lに基づいて、カメラの撮影レン
ズのピント合わせ制御を行い(ステップS27)、全て
の動作を終了することになる。
【0043】以上説明したように、第2の実施の形態に
よれば、三角測距に基づいて算出された距離データと、
光量AFに基づいて算出された距離データと比較判定し
て、スポット欠けの判定の有無を判定したので不必要な
補正演算の副作用を防止することができる。
【0044】次に本発明の第3の実施の形態を説明す
る。図9(a)に示されるように、カメラの測距光学系
に、3つのIREDと、3つのPSDを配設すれば、写
真画面内複数のポイントp1 ,p2 ,p3 を測距してピ
ント合わせ可能な所謂マルチAFを構成することができ
る。かかる技術によれば、図9(b)に示されるよう
に、写真画面中央に被写体がいなくても、正しいピント
合わせが可能なカメラを提供できる。即ち、3つの測距
ポイントの各測距結果のうち、最も近い距離を選択すれ
ば、図9(b)に示されるようなシーンでは、人物13
にピントを合わせることができる。
【0045】しかし、図10に示されるようなシーンで
は、画面中央の測距用光のビームが人物に当たっている
ものの左右の測距ポイントのビームがスポット欠けを起
こしているので、このスポット欠けの影響で不正確な測
距を行なうことにより、前述の最も近い距離を選ぶ際に
間違った選択をしてしまうことがあった。これは、マル
チAFの副作用とも言える問題である。第3の実施の形
態は、かかるマルチAFの副作用の影響をも回避するも
のである。
【0046】以下、図11のフローチャートを参照し
て、第3の実施の形態に係る測距装置によるマルチAF
の動作を説明する。測距ポイントをp1〜p3のいずれ
かに設定するための変数nを初期化し(ステップS3
1)、Pnのポイントを測距する(ステップS32)。
【0047】次いで、先述した反射信号光入射位置によ
る三角測距の結果Lxnと、信号光強度による測距結果
Lpnを、CPU10が図1の光重心位置検出部6,光
量検出部7の出力を利用して演算する(ステップS3
3,S34)。
【0048】そして、この結果に基づいてスポット欠け
の起こり具合を判定する(ステップS35,S36)。
尚、ステップS35のΔL2とステップS36のΔL1
はΔL2>ΔL1であり、ステップS35での判定の方
が三角測距と光量との差が大きく、スポット欠け量が大
きい場合を判定するために用いられる。
【0049】従って、上記ステップS35でスポット欠
けを判定してYに分岐した場合は、重み付け係数Bを大
きめ(B=1.6)に設定し(ステップS42)、上記
ステップS36でYに分岐した場合は重み付け係数Bを
小さめ(B=0.8)に設定することとなる(ステップ
S43)。
【0050】続いて、ステップS44では、加重平均に
よる距離算出を行う。これにより、上記(4)式により
光量AF結果の加味の割合が変化する。重み付けが大き
い程、図5,6の関係より遠距離側に重み付けされるの
で、あとで最も近い距離を選択する時にスポット欠け量
が大きいポイントは選ばれにくくなる。
【0051】上記スポット欠けがない場合は、三角測距
の結果Lxnが選択され(ステップS37)、測距ポイ
ント変更し(ステップS38)、3点測距が終了すると
(ステップS39)、先述したようにL1,L2,L3
から最も近い距離を選択し(ステップS40)、ピント
合わせを行う(ステップS41)。こうして全ての動作
を終了することとなる。
【0052】以上説明したように、第3の実施の形態に
よれば、スポット欠け時の加重平均補正をマルチAFの
選択時にも利用してスポット欠けポイントは除去されや
すくしたので、より精度の高いピント合わせが可能なカ
メラに適用可能となる。
【0053】ここで、図12のフローチャートを参照し
て、第3の実施の形態の変形例である、中央重点の設計
とした測距装置の動作を説明する。この例では、重み付
けを測距ポイントによって変更するようにしている。即
ち、n=1,3の場合には重み付け係数B=1.6とし
(左右測距ポイント)、n=2の場合には重み付け係数
B=0.8(中央測距ポイント)とし、面内の特定の位
置を重視した設計としている(ステップS36,S4
2,S43)。そのほかのシーケンスは図11と同様で
あるため、説明を省略する。
【0054】尚、本発明の上記実施の形態には以下の発
明も含まれる。 (1)対象物に向けて信号光を投射し、この対象物から
の反射信号光の入射位置に応じて上記対象物までの距離
を検出する測距装置において、上記反射信号光の光量を
検出する光量検出手段と、反射信号光の入射位置に応じ
て検出された上記対象物までの距離データを、上記光量
検出結果に応じて重み付けした補正演算を行う演算手段
とを具備したことを特徴とする測距装置。 (2)上記補正演算の重み付け係数は、入射位置に応じ
て検出された距離情報、入射光位置に応じて検出された
距離情報と入射光量に応じて検出された距離情報との
差、もしくは測距ポイントに応じて決定されることを特
徴とする(1)に記載の測距装置。 (3)上記補正演算は、入射光位置に応じて検出された
距離情報が入射光量に応じて検出された距離情報よりも
近距離である場合についてのみ行うことを特徴とする
(1)に記載の測距装置。
【0055】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
レンズ数増加に伴うコストアップ、スペースの増加を伴
うことなく、被写体の反射率の影響を受けることなく、
スポット欠けしても被写体がピンボケにならない小型カ
メラ用の測距装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る測距装置の構
成を示す図である。
【図2】アクティブAFの原理を説明するための図であ
る。
【図3】IRED1により投光されたスポット光12が
被写体に正しく投射されなかった場合に生じる誤測距の
原理を説明するための図である。
【図4】スポット欠けの誤測距の原理を説明するための
図である。
【図5】スポット径をAとし、受光スポット径aとし
て、それが1/4、1/2…と欠けていった場合の三角
測距に基づいた測距結果を示す図である。
【図6】スポット径をAとし、受光スポット径aとし
て、それが1/4、1/2…と欠けていった場合の光量
AFに基づいた測距結果を示す図である。
【図7】第1の実施の形態に係る測距装置の測距動作に
係るフローチャートである。
【図8】第2の実施の形態に係る測距装置の測距動作に
係るフローチャートである。
【図9】マルチAFの原理を説明するための図である。
【図10】マルチAFの欠点を説明するための図であ
る。
【図11】第3の実施の形態に係る測距装置の測距動作
に係るフローチャートである。
【図12】第3の実施の形態の改良例に係る測距装置の
測距動作に係るフローチャートである。
【符号の説明】
1 IRED 2 投光レンズ 3 受光レンズ 4 PSD 5 ドライバ 6 光重心位置検出部 7 光量検出部 8 距離算出部 9 加重平均部 10 CPU 11 ピント合わせ部 12 投光スポット 13 被写体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物に向けてスポット光束を投射する
    投射手段と、 上記スポット光束の投射による対象物からの反射スポッ
    ト光束の重心の入射位置に基づいて対象物までの距離を
    算出する第1演算手段と、 上記反射スポット光束の入射光量に基づいて対象物まで
    の距離を算出する第2演算手段と、 上記第1演算手段により算出された第1の距離データ
    と、複数の所定の距離データとを比較して、上記第1の
    距離データが所定の距離範囲内にあると判断したとき、
    上記第1の距離データと、上記第2演算手段による第2
    の距離データに所定の係数を乗じたデータとを用いた平
    均演算により1つの距離データを算出する第3演算手段
    と、を具備したことを特徴とする測距装置。
  2. 【請求項2】 対象物に向けてスポット光束を投射する
    投射手段と、 上記スポット光束の投射による対象物からの反射スポッ
    ト光束の重心の入射位置に基づいて対象物までの距離を
    算出する第1演算手段と、 上記反射スポット光束の入射光量に基づいて対象物まで
    の距離を算出する第2演算手段と、 上記第1演算手段による第1の距離データと、上記第2
    演算手段による第2の距離データとを比較し、この比較
    結果に応じて1つの距離データを算出する第3演算手段
    と、を具備したことを特徴とする測距装置。
  3. 【請求項3】 上記投射手段は、複数の方向に向けてス
    ポット光束を投射し、上記第3演算手段は、それぞれの
    投射方向に対する上記第1、第2の距離データと、スポ
    ット投射方向とに基づいて、1つの距離データを算出す
    ることを特徴とする請求項1または請求項2の少なくと
    もいずれかに記載の測距装置。
JP89398A 1998-01-06 1998-01-06 測距装置 Withdrawn JPH11194026A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008242272A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Fujifilm Corp 自動焦点調整用補助光装置

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