JPH11193729A - 電子制御スロットル装置 - Google Patents
電子制御スロットル装置Info
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- JPH11193729A JPH11193729A JP10299341A JP29934198A JPH11193729A JP H11193729 A JPH11193729 A JP H11193729A JP 10299341 A JP10299341 A JP 10299341A JP 29934198 A JP29934198 A JP 29934198A JP H11193729 A JPH11193729 A JP H11193729A
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Abstract
焼状態を切り替えるときにトルクの変動が小さくなるよ
うに、高速に動作し、またその時に過電流が駆動回路素
子を損傷しないようなモータでスロットルを開閉する電
子制御スロットルを提供することを目的とする。 【解決手段】モータ107は、モータギヤ106、中間
ギヤ104、バルブギヤ103を介してバルブ102が
締結されているバルブシャフト108を回転する。高速
に動作させるため、ギヤの減速比を評価式によって定め
る。また、別の評価式を用いて、過電流防止のためにモ
ータの抵抗を定める。
Description
れ、空気流量を調整する電子制御スロットル装置に関す
る。
ロットルボディと、このスロットルボディの吸気通路内
に回転自在な軸を介して取り付けられ、この吸気通路を
流れる空気流量を可変する絞弁(スロットルバルブ)
と、この絞弁を複数のギヤを介して回転駆動するアクチ
ュエータと、上記絞弁の回転角度を検出する回転角度検
出手段とを有するスロットル制御装置が開示されてい
る。この装置では、複数のギヤとして、スロットルバル
ブのバルブシャフトに固着された第1のギヤと、アクチ
ュエータであるモータの回転軸に固着された第3のギヤ
と、第1と第2のギヤの間に第2のギヤを設けており、
これによりギヤ比を大きくとれ、スロットルバルブの開
度制御をより細かく行えるよう配慮されている。
は、ギヤ比を大きくしてスロットルバルブの開度制御を
より細かく行えるよう配慮しているが、必要なスロット
ルバルブの動作速度を得るために、モータの特性、モー
タからスロットルバルブにトルクを伝達するときの減速
比等をどのように決めれば良いかという指針については
示されていない。
ルブはモータによって開閉動作されるが、このときの動
作は操作者である運転者の操作にすばやく応えるもので
なければ、運転者は自身の操作と内燃機関の運転状態の
変化との間のギャップに戸惑うこととなる。しかし、電
子制御のスロットル装置では、フェールセーフを考慮し
て、故障時には速やかにスロットルバルブを所定の開度
に戻すよう付勢する付勢手段を設ける必要がある。この
ため、スロットルバルブの動作速度を単純に速めること
はできず、付勢手段の付勢力やモータの性能、さらには
モータからスロットルバルブまでの減速機構の減速比を
適切に設定する必要がある。
I(Direct Injection)エンジンに適用することを考慮
した場合には、以下のような課題が生じる。
射するポート噴射エンジンでは、理論空燃比(14.
7)付近で運転される。これに対してDIエンジンで
は、空燃比が理論空燃比(14.7)から超希薄な空燃
比(40以上)まで、幅広い空燃比で運転される。この
とき、理論空燃比付近では、混合気が均一な状態で着火
されるので均一混合燃焼と呼ばれ、それ以上の空燃比で
は、混合気を層状に形成して燃焼させるため、層状燃焼
と呼ばれる。DIエンジンでは、燃料を直接気筒内に噴
射するため、層状燃焼を実現しやすい。図12にエンジ
ンの運転領域による燃焼状態を示す。層状燃焼を行う領
域は、エンジン回転数で2000〜3000rpm以下
の領域である。
ットルバルブの位置(開度)は、層状燃焼状態では、均
一混合燃焼状態より開いた位置に設定する必要がある。
したがって、層状燃焼状態から均一混合燃焼状態に移行
するときには、スロットルバルブを閉じる方向に戻す動
作が必要になる。図4は、運転者がアクセルを徐々に踏
み込んだときの踏み込み量と、この踏み込み量に対する
スロットルバルブの動作(開度)の関係を示している。
ロットルバルブが大きく開いており、均一混合燃焼に切
り替えるときには一旦スロットルバルブが閉じる方向に
動作する様子がわかる。この切り替え動作の時間が長い
と、燃焼状態の切り替えがスムースにいかず、出力が急
変する。そのため、車の乗員に切り替えの“ショック”
が伝わり、操作性も乗り心地も悪化する。
にスロットルバルブを高速に動作させると、これに伴っ
てスロットルバルブを駆動するモータも高速に動作させ
る必要がある。このとき、高速で動作させた分、スロッ
トルバルブの速度にブレーキをかけたときの逆起電圧が
大きくなる。このため、モータの駆動回路に、モータの
駆動回路素子の許容電流値を超える大きな電流が流れる
可能性も生じる。この場合、許容電流値の大きな電気素
子をモータの駆動回路に使用できれば良いが、必ずしも
要求される許容電流値を有する電気素子が存在するとは
限らず、また存在したとしてもコストアップにつなが
り、自動車搭載用としては不向きである。またモータの
駆動回路に流れる電流を許容電流値以内に抑える別の手
段としては、電流制限回路を加えることも考えられる
が、やはりコストアップにつながる。さらに電流制限回
路が故障したときには、モータの駆動回路に流れる電流
を許容電流値以内に抑えることはできなくなる恐れがあ
り、十分なフェールセーフ性をもつとは言えない。
ールセーフのためのバルブ動作を適切な時間で行いう
る、信頼性の高い電子制御スロットル装置を提供するこ
とにある。
に、本発明の電子制御スロットル装置は、モータと、こ
のモータの回転を減速する減速機構と、この減速機構に
接続されたスロットルバルブとを有し、前記モータを駆
動して前記スロットルバルブの開度を調節する電子制御
スロットル装置において、スロットルバルブの動作時間
tを式
び/又はJはtが80ms以下となる範囲内の値をもつ
ようにしたものである。このとき、N及び/又はJは式
(数1)を減速比Nで微分した値が正である範囲内の値
をもつようにすると良い。また上記目的を達成するため
に、モータと、このモータの回転を減速する減速機構
と、この減速機構に接続されたスロットルバルブとを有
し、前記モータを駆動して前記スロットルバルブの開度
を調節する電子制御スロットル装置において、次式、
に、各パラメータを定めたものである。このとき、各パ
ラメータは温度120°Cでの値を用いるとよい。また
上記目的を達成するために、本発明の電子制御スロット
ル装置は、モータと、このモータの回転を減速する減速
機構と、この減速機構に接続されたスロットルバルブを
有し、前記モータを駆動して前記スロットルバルブの開
度を調節する電子制御スロットル装置において、前記モ
ータが発生する逆起電力と前記モータに印加する印加電
圧の和を前記モータのターミナル間のインピーダンスで
除した値が許容電流値を超えないようにしたものであ
る。また上記目的を達成するために、モータと、このモ
ータの回転を減速する減速機構と、この減速機構に接続
されたスロットルバルブを有し、前記モータを駆動して
前記スロットルバルブの開度を調節する電子制御スロッ
トル装置において、前記モータのターミナル間抵抗は、
下記の不等式、
ロットル装置の一実施例の水平断面図を示す。また、図
1のバルブシャフトの軸方向から見たギヤ部(ギヤ配
置)を図8に示す。
とモータを内包するスロットルボディ101と、回転力
を発生するモータ107と、モータの出力軸であるモー
タ軸105と、モータ軸105に締結されているモータ
ギヤ106と、モータギヤと噛み合う中間ギヤ大104
aと、中間ギヤ大104aと同軸上にあり締結されてい
る中間ギヤ小104bと、中間ギヤ小104bと噛み合
うバルブギヤ103と、バルブギヤ103が締結されて
いるバルブシャフト108と、バルブシャフト108に
ネジ止めされているスロットルバルブ102、リターン
スプリング111とデフォルトスプリング112を用い
るデフォルト機構によって構成されている。
次のようなものがある。モータに関しては、トルク定
数,逆起電圧定数、インダクタンス、抵抗、印可電圧が
ある。機構系に関しては、慣性モーメント、減速比(ギ
ヤ比)、リターンスプリングのプリロードトルクがあ
る。
スロットルポジションセンサ110がデフォルト機構と
スロットルバルブ102の間に取り付けられている。
ヤ106は、これと噛み合う、中間ギヤ大104aより
ピッチ円径が小さくする必要がある。中間ギヤ小104
bは、これと噛み合う、バルブギヤ103よりピッチ円
径が小さくする必要がある。スロットルバルブ102の
動作角度は、せいぜい90度であるので、バルブギヤ1
03は90度回転すれば十分であり、扇型の形状をして
いる。
4bは、一つの部材にそれぞれの歯溝を形成することに
より構成されている。中間ギヤの中心には穴が開けられ
ており、そこにスロットルボディ101に圧入されてい
る中間ギヤシャフト109を通している。図示はされて
いないが、フリクション低減のためと、中間ギヤのガタ
を減らすために、中間ギヤと中間ギヤシャフト109の
間には、ドライヘ゛アリンク゛を挿入している。
なフランジが設けられ、スロットルボディ101に2本
のねじで締結されている。本実施例では、モータ軸10
5が少しでも短くなるように、中間ギヤ大104aが中
間ギヤシャフト109のスロットルボディ101側に配
置してある。このレイアウトにより、モータ軸105の
剛性が増加する分、モータ軸105を細くすることがで
き、慣性モーメントを小さくすることができる。これに
より応答の高速化に寄与する。
図では、説明を容易にするために、回転運動を直線運動
に換えてある。レバー204は、スロットルシャフト1
08に結合されており、モータ107によって駆動され
る。紙面上、レバー204が左に動くとスロットルバル
ブは開方向に動作する。デフォルト機構は、モータ10
7が力を発生しないときに、スロットルバルブ102を
設定された位置(デフォルト位置と呼ぶ)に開いておく
機構で、1対のばねを利用している。デフォルト位置
は、車両が暴走しないでかつエンジン始動が行えるスロ
ットル位置に設定する。リターンスプリング111は、
部材203とスロットルシャフト108によって動作す
るレバー204に取り付けられている。デフォルトスプ
リング202は、部材203とボディ205に取り付け
られている。
バー204は、リターンスプリング201によって部材
203に押し付けられ接触しており、デフォルトスプリ
ング202によって部材203がデフォルト位置に固定
される。レバー204がデフォルト位置以上では、部材
203は、ボディ205に当り停止し、レバー204に
はリターンスプリング201(111)によってスロッ
トルバルブを閉じる方向に働く力を受ける。レバー20
4がデフォルト位置以下では、レバー204と部材20
3を介して、デフォルトスプリング202(112)の
力を受ける。
ャフト108に与えるトルクを図3に示す。リターンス
プリング111とデフォルトスプリング112にはプリ
ロード(ばねの与圧)が与えられている。プリロードの
大きさには最適値があり、大きすぎるとスロットルバル
ブの開閉動作の応答時間が長くなる原因になり、小さす
ぎると、空気抵抗や回動部の摩擦により、スロットルバ
ルブ102がデフォルト位置まで戻らなくなる。デフォ
ルト位置までバルブ102を確実に戻すには、リターン
スプリング111のプリロードは重要であり、30〜4
0kgfmm必要である。
を説明する。
2にデフォルト機構のばねの力以上の力が与えられる
と、モータ軸105が回転し、これにつれて、モータギ
ヤ106、中間ギヤ大104aが回転する。モータギヤ
106の歯数は、中間ギヤ大104aの歯数より少ない
ため、減速される。中間ギヤ小104bは中間ギヤ大1
04aとともに回転し、さらにトルクをバルブギヤ10
3に伝達する。中間ギヤ小104bとバルブギヤ103
のピッチ円径は、中間ギヤ小104bの方が小さく設定
してあるので、さらに減速される。モータ107の回転
は、2段階に減速され、バルブシャフト108に伝えら
れる。
を用いたDIエンジンの実施例を示す。電子制御スロッ
トル61は、DIエンジン62の吸気側上流に、吸気管
67を介して接続される。電子制御スロットル61は、
モータ107に信号を送り駆動する制御ユニット63に
スロットルハーネス66により接続される。
をエンジンハーネス64や、車両の他部からの情報をハ
ーネス65を介して受け取り、スロットルバルブ102
の目標位置を決定する。また、制御ユニット63は、ス
ロットルバルブ102の位置を検出するスロットルポジ
ションセンサ110の信号も受け取り、この信号を用い
てスロットルバルブの位置が目標位置に近づくように制
御する。
7の供給電力を調整する駆動回路68が組み込まれてい
る。本実施例の駆動回路68は、モータ107の電源を
パルス状にオンオフして、その長さよりモータの発生力
を決めるPWM方式が使われている。パルス状にオンオ
フするには、電気素子としてトランジスタやFET等が
用いられており、このトランジスタには許容電流値が定
められている。この許容電流値以上の電流が流れるとト
ランジスタやFET等の電気素子は、故障する可能性が
ある。
比の仕様を表1に示す。
分短くする、逆起電圧により過大な電流が回路に流れな
いようにする、といった課題を解決することができる。
以降、これらの仕様について説明する。
タはその発電作用により、加えた電圧とは逆向きの電圧
を発生する。この電圧が逆起電圧であり、モータの回転
数に比例する。電子制御スロットルに用いるモータは、
目標位置になるように制御されるので、目標位置に近づ
くと減速のためにモータが回転している方向とは逆向き
の電圧が印加される。このときに、逆起電圧と印加電圧
があいまって過電流となるような大きな電流が流れる可
能性が生じる。
テップ動作させた状態を示す。
10にモータ107の回転している方向と逆向きに電圧
をかけたときの電圧及び電流の状態を示す。M1、M
2、M3、M4は、電気素子で、実施例ではFET(フ
ィールドイフェクトトランジスタ)であり、モータ10
7への電源をオンオフする。M1とM4をオン(M2と
M3はオフ)にすることによりモータ107が正転し、
M2とM3をオン(M1とM4はオフ)にして逆転す
る。ここで逆転しているときには、モータ107の逆起
電圧はA側が+になる向きに発生する。次に、急激にモ
ータ107の回転を減速するため、図10に示すように
正転側(M1とM4をオン)に電圧をかける。すると、
逆起電圧Vmと、印加電圧Vbの方向が合致し、電流i
mが流れる。電流imは、印加電圧Vbによって流れる
電流よりも、逆起電圧Vmが加わる分だけ大きな電流に
なる。この電流が電気素子(M1、M2、M3、M4)
の許容電流値より大きな電流(過電流)であれば、電気
素子(図10ではM4とM1)を損傷してしまう可能性
がある。
に設定することにより、逆起電圧によりモータ107の
駆動回路68に過電流が流れないようにしてある。その
結果、モータ107および駆動回路68に流れる電流
を、電気素子(駆動回路素子)の許容電流値以下に設定
することができる。
タ107の抵抗Rmを定める。数2は、逆起電圧Vmと
印加電圧Vbの和よりモータ107にかかる電圧を求
め、電気素子の許容電流で除することで、許容電流値以
下となるモータ107の抵抗Rmを求める式である。
すAB間の抵抗であり、モータ107のターミナル間の
抵抗である。この抵抗はアーマチュア抵抗はもちろん、
ノイズフィルタとして用いられるチョークコイルの抵抗
やブラシ接続用の配線抵抗も含まれる。また、この抵抗
は、電流又は電圧が0Hzよりも大きな周波数を持つと
きはインピーダンスで定義される。
ータの駆動電圧、すなわち、本実施例では13Vの電圧
をモータに印可し、モータがストールしたときの電流値
からオームの法則を使用して抵抗を求める。
き抵抗を示しており、右辺が左辺より大きいと、モータ
の抵抗Rmが不足し駆動回路68の許容電流値をオーバ
ーする。ただし、本評価式はモータ107の逆起電圧定
数が温度によって変化するので、電気抵抗Rmが小さく
なる−30℃における値で評価する。さらに低温で評価
しても良いが、実際は自動車の使用環境として、低温側
は−30℃で評価すれば良い。よって評価式(数2)
は、―30℃におけるモータ特性を使う。またバルブ1
02の動作速度は、DIエンジンに適用するため、バル
ブの動作角度π/2[rad](90°)を80msで動作
させる速度(187.5rpm)と定義して評価する。
30℃における誘起電圧定数は3.92V/krpmで
ある。印加電圧は、自動車の電源系統が発生する13V
で評価する。通常、自動車の電源系統は、12.7〜1
2.8Vに制御されているが、スタート時やバッテリ消
耗時には10V以下になる場合もある。また、電圧制御
装置の不具合により16V以上、上昇する事もあるが、
ここでは、通常見られる電圧に近い13Vで評価する。
本実施例で用いたモータ107の駆動回路68の電気素
子の許容電流値は20Aである。評価式(数2)より、
モータ107の抵抗Rmは、1.03Ω以上あれば良い
ことがわかる。製造誤差により、モータ107の抵抗は
5%減、誘起電圧定数は10%増になる可能性があるの
で、さらに望ましくはこれらを考慮して計算するとよ
い。すると、誘起電圧定数は4.31V/krpmであ
り、抵抗は1.12Ω以上になる。
29Ωに抵抗を設定してある。
あったが、より精度よく抵抗Rmを設定するには、後述
する数3の評価式で応答時間tを評価し(ただし、モー
タ107の特性は後述する120℃における値ではな
く、−30℃を用いる)、応答時間tをバルブ102が
動作する速度として定義して、評価式(数1)で抵抗R
mを求める方法もある。すると、80msより大幅に速
い応答時間(評価時間t)を持つ電子制御スロットルで
あっても、電気素子の損傷を防ぐことができる。しかし
ながら、上記のように−30℃で評価した抵抗Rmを使
用すると、場合によっては、モータ107に流れる電流
量が減りすぎ、モータ107の力(トルク)が出なくな
る。応答時間tも悪化する。また、数3は、制御系は考
慮しておらず、早く動作させようとするほど、制御系の
遅れは無視できなくなる。
℃)におけるモータ特性をつかって、数3より応答時間
(評価時間t)を求め、これを用いて数2により20℃
で必要な抵抗Rmを決めるとよい。本実施例に適用する
と、数3をプロットした図5より応答時間tは0.04
[s](375rpm)であるから、抵抗Rmは、20
℃で1.35Ω以上あればよいことがわかる。さらに、
これに量産の誤差(誘起電圧定数10%増、抵抗5%
減)を考えると、1.49Ω以上あれば良い。本実施例
では、さらに安全代をとり、20℃で1.61Ωに設定
してある。
より、モータ107とその駆動回路68に流れる電流を
規定することができ、複雑な電気回路や制御を用いずと
も、駆動回路68の電気素子の損傷の可能性を低減する
ことができる。
傷を防ぐ別の手段もある。これには、図6に示すような
システムを用いる。制御回路63は、設定したスロット
ルバルブ102の目標開度の変化率からモータ107の
速度を逆算し、モータ107に与える印加電圧を、数2
が成立する範囲で可変にする方法である。モータ107
の速度が速いときには、モータ107を減速するときの
印加電圧を少なくし、逆起電圧Vmと印加電圧Vbの両
者による電流を減らせば良い。あるいは、別の手段とし
てはA−B間の電圧(モータの逆起電圧)を監視し、印
加電圧との和をとり、ターミナル間抵抗で除した結果
が、電気素子の許容電流値以上では、モータの減速を行
うのに電圧を印加しないようにする方法もある。また、
逆起電圧Vm及び印加電圧Vbを検出して、これらの和
をターミナル間抵抗Rmで除した値が電気素子の許容電
流値以上になる前に、モータ107の減速のための電圧
の印加を中止し、再び電圧を印加するスイッチング動作
を行うと良い。
き、モータの抵抗Rmを大きくする必要が無いため、モ
ータのコイルの発熱(ジュール熱)を低減することがで
き、許容電流に近い電流を常に用いることができるよう
になるため、応答時間の短縮をすることができるように
なる。
ギヤ比を使用したことにより、デフォルト機構のばね力
やモータの性能のバラツキや、スロットルバルブへの付
着物による負荷トルクの変化といった要因によって左右
されず、安定的に応答性を確保することができ、同時に
高速に動作可能なギヤ比になる。
06、中間ギヤ大104a、中間ギヤ小104b、バル
ブギヤ103(各図1参照)の歯数によって決定されて
いる。実施例の各ギヤの歯数は、モータギヤ:21、中
間ギヤ大の歯数:65、中間ギヤ小:22、バルブギ
ヤ:73(全周)、である。本発明を実施するにあたっ
て、必ずしもこの歯数を用いなくてもよい。ギヤの歯数
は、ギヤのモジュールやギヤとギヤの軸間距離に依存
し、これらは寸法の制約を受ける。そのため、必ずしも
目標とギヤ比が得られるとは限らない。実施例で意味す
る10.28とは、ギヤの枚数が一枚程度変った9.8
0〜10.78の範囲を示す。
小さく選ぶと、モータの力に対してデフォルト機構のば
ね力が大きくなるので、モータの力に対して応答時間の
変化が過敏になり安定した動作が難しくなる。また、モ
ータより見たスロットルバルブの慣性モーメントが大き
くなるので、応答は悪くなる。
答性を確保するには、モータを早く回転させなければな
らず、モータを加速させるための時間が多大にかかるよ
うになり、応答時間が遅くなり、DIエンジンにとって
好ましくない。
ルを示す。モータがトルクTmを発生すると、ギヤが回
転し、モータの回転をギヤの減速比Nだけ減速し、ばね
負荷Tsがかかったスロットルを回動する。数3に、図
11の運動方程式を示す。数3の第1式は機械系の、第
2式はモータの発生トルク、第3式はモータの電気的な
特性を表している。これらの式によると、慣性モーメン
トJ、インタ゛クタンスL、電気抵抗Rm、ばね力Tsは小さい
方が早く動作し、一方、トルク定数Kmや誘起電圧定数
Ke、ギヤ比Nには最適値があることがわかる。
と高速性を兼ね備えるように選択されている。これに
は、評価式(数4)を用いる。数4は、影響の小さいイン
タ゛クタンスLや、モータの過渡応答を無視し、モータの発生
トルクが最大付近にあるとして、数2を2回積分して求
めた近似を行った理論式である。本式は、機械系を扱っ
た近似式であり、実際の制御を行ったときの応答時間で
はないが、機械系が早く動くほど、制御による応答も速
くすることができるので、実際に制御したときのの応答
時間の評価指標とすることができる。
度をπ/2[rad]として、動作時間tを評価する。モー
タは、高温になるほど発生する力が小さくなるので、評
価式(数4)にはモータが、雰囲気温120℃で十分長
い間放置され、温度が定常状態に達した時の特性を用い
る。評価式(数4)のJは、モータやギヤの慣性モーメ
ントをバルブシャフト周りの慣性モーメントに置き換え
た慣性モーメントJを使用する。印加電圧は、バッテリ
電圧の13Vで評価する。
tが0.08[s]以下になることが望ましい。通常
は、モータの特性は自由に変えることができないため、
モータの仕様は決定した後により簡単に変更できる減速
比を変更する。図5(a)に実施例のモータ特性を評価
式(数4)に代入した結果を示す。応答時間を実現する
のに望ましい減速比の範囲は、2.5〜32であること
がわかる。減速比2.5以下では、リターンスプリング
の力Tsが大きくなるため、動作できない。減速比が小
さい領域(勾配が負の領域:2.5〜5)の範囲は、減
速比に対する、応答時間tの感度が高い。言い換える
と、減速比が少しでも変化すると応答時間が大幅に変わ
る。これは、負荷に対しても同じ事がいえ、負荷が少し
でも変わると評価時間tが大幅に変わることを意味す
る。図5の破線は、120℃のとき、量産誤差によりト
ルク定数、誘起電圧定数が10%、モータの抵抗が5%
変化したときの評価時間tの最良値と最悪値を示す。こ
れをみても、減速比が小さい領域では、評価時間tが大
きく変わることがわかる。
度に対する応答性の変化を示す。減速比10では、減速
比3のときより変化が少ない、すなわち温度に対する感
度が低い。感度が低い方が、制御を行うのが容易である
ためギヤ比が大きい方が良い。したがって、ギヤ比10
の方が、特性として優れている。ところで、温度により
変化するのは、モータのトルク定数や抵抗であり、温度
が高いとモータの発生トルクは小さくなり、低いと発生
トルクが増加する。温度は、モータのトルクの変化と考
えても良い。ギヤ比が小さいと、モータのトルク変化
(温度の変化)に対し、応答時間の変化が大きいともい
える。また、別の見方をすると、ギヤ比が小さいこと
は、スロットルシャフトのトルクが小さいことになって
おり、負荷の変動に対して応答時間が敏感であるともい
える。そのため、やはりギヤ比が大きい方が、応答時間
が安定しており、制御を行う上で都合がよい。図5
(b)では、代表的なギヤ比として3と10を選んだ
が、ギヤ比3は、図5(a)のプロットした線の勾配が
負(−)の領域、ギヤ比10は、正(+)の領域にあ
る。ギヤ比3のように応答時間が温度により大きく変化
する傾向は、勾配が負(−)の領域で見られる。したが
って、ギヤ比を決定する際には、より温度に対してより
安定している図5(a)の正(+)の領域を選択するこ
とがのぞましい。
であるギヤ比を選択している。これは、この領域では負
荷変動やモータの特性の変化に対する評価時間tの変化
が少ないため、より安定した状態を維持することができ
るためである。
エンジンに適用したときに、燃焼状態を切り替えてもエ
ンジンの出力変動が小さくなるような高速な応答性を確
保することができる。
を用いて、DIエンジンの燃焼状態を切り替えたときに
発生するトルクの変動を示す。切替え時間が80ms以
下であると、本発明の電子制御スロットルを用いること
により切り替え時のトルクの変動が小さくなることがわ
かる。
61に示すように、エンジン62の吸気管の上流に位置
している。そのため、スロットルバルブを急激に動作さ
せても、スロットルバルブ下流からエンジンまでの配管
の容積により、実際のエンジンの吸入空気流量には遅れ
が生じる。例えば、スロットルバルブを全開にした状態
から、瞬時(10ms)に全閉にしても、配管に存在す
る空気のために瞬時にエンジンの吸入空気流量はゼロに
ならず、徐々に減少する。図13に、目標とするエンジ
ン吸入空気流量を100%とし、それに到達するまでの
空気流量をしめす。遅れ時間τは、配管の容積(スロッ
トルバルブからエンジンまでの容積[L])Vmanと
エンジン排気量Vd[L]の比と、回転数Ne[rp
m]に依存し、(数5)により簡易的に計算できる。
0.8程度〜1.5程度である。スロットルバルブの応
答時間と比較するため、図13の破線に示すように、時
定数τをエンジン吸入空気流量が63%に達する時間と
考え、100%に達するのにかかる時間を計算する。結
果を表2にまとめる。DIエンジンの燃焼状態の切替え
はエンジン回転数2000〜3000rpm程度で行わ
れる。この範囲内で空気が目標流量に到達するのに必要
な最小時間は、51ms(3000rpm、Vman/
Vd比0.8)、最大は143ms(2000rpm、
Vman/Vd比1.5)である。しかしながら、30
00rpmで燃焼状態が切り替わる事はまれであり、ま
た、Vman/Vd比も1より大きい事が多い。従っ
て、スロットルの応答時間は100ms程度以下であれ
ば、2000rpm程度の回転数で燃焼状態が切り替わ
るDIエンジンに好適である。よりのぞましくは、子制
御スロットルは、応答時間80ms以下となるようにす
るとほぼすべてDIエンジンに適用できる。本実施例で
用いたエンジン構成では、Vman/Vd比は1程度で
あった。切替えエンジン回転数は2500rpm程度で
ある。本発明の電子制御スロットルを用いると、切替え
時間が80ms以下であるため、空気の応答時間に対し
速いかもしくはほぼ等しいので、高速にエンジンに吸入
される空気流量を制御する事ができ、そのため、図7に
しめすように切り替え時のトルクの変動が小さくなる。
して、スロットルバルブが汚れの堆積(ガム状の物質)
による固渋(はりつき)をひき剥がせられなければなら
ないというものもある。特に、ドライバの踏力を伝える
アクセルワイヤで直接スロットルバルブを、駆動しない
本実施例のような場合、モータの力のみによって固渋に
対抗しなければならない。固渋力の大きさは使用環境に
より、さまざまであるが、110kgfmm以上のトル
クをスロットルバルブが固定されているシャフトにかけ
られれば、固渋に対して有効である。
ングのプリロードトルク以上に発生し得る力を余裕トル
クと呼ぶ。余裕トルクを計算するには、モータがバルブ
シャフトに与えるトルクとリターンスプリングのプリロ
ードトルクの差である。固渋の原因となるガム上の物質
は、温度が高いと柔らかくなる。一方で、モータの最大
発生トルクは、低温になればなるほど大きくなるので、
余裕トルクの大きさは、常温(20℃)で評価するのが
良い。また、固渋は、長時間駐車等の後に発生すること
が予想されることから、バッテリ電圧も下がっているこ
とも予想される。したがって、評価するときの印加電圧
は余裕を持って10Vとして考える。
[kgfmm](E=10V)、ギヤ比10.28なの
で、スロットルシャフトにかかるモータトルクは必要と
する余裕トルク110kgfmmを79kgfmm、上
回っている。実施例は十分、余裕トルクを確保してい
る。このため、実施例は固渋(スロットルバルブの固
着)に対して強く、信頼性が高い。
エンジンの均一混合燃焼と層状燃焼を切り替えるときに
も、スロットルバルブを高速に動作できるのでトルクの
変動を小さくすることができるようになる。また、高速
に動作させても、過電流を防止することができるため、
特別な電気回路をもちいなくても駆動回路の電気素子の
焼損がおこらず、フェールセーフ性が向上する効果が達
成される。
が、これに限らず他の電圧で評価してもよい。
0.8)で、応答時間80ms、許容電流20A、さら
に余裕トルクを110kgfmmとしたときのモータの
トルク定数Kt、誘起電圧定数Ktとモータ抵抗Rmの
関係を示す。等価慣性モーメントは、0.0013(kgm^
2)である。
なる限界であり、実線Aより下側のKtとRmが望まし
い。実線Cは、許容電流以下となる線であり、実線Cよ
り上側であることが望ましい。
域のKt、Rmを選択することが望ましい。望ましい領
域は、点線で囲まれた領域である。数値を挙げるとモー
タ抵抗Rmは、1.0〜2.5Ω、トルク定数は0.0
25〜0.04Nm/Aの範囲であることが望ましい。
トルク定数を0.04以上にすることは可能であるが、
モータの磁石の強化が必要であり、コストアップや装置
の大型化につながるため、0.04以下が望ましい。逆
に0.025以下であると、実線AとCが近接している
ため、製造誤差を小さくしなければならず、コストアッ
プにつながる。
(固着、しぶり)に対しても十分な余裕トルクを持つ事
である。余裕トルクの限界を表す線を記号Bで表す。余
裕トルクを確保するには、実線Bより下の抵抗とトルク
定数が必要である。実線Bは、実線Aより下側であるた
め、実線Bと実線Cの間がより望ましい領域である。
定数がトルク定数を0.03〜0.035Nm/A、抵
抗は1.29〜2.24Ωとして選んだ。このような領
域を選ぶことにより、余裕トルク、応答時間、許容電流
を満足する電子制御スロットル装置を得る事ができる。
℃で、トルク定数が3.54±0.35kgfmm/A
(±10%)、抵抗1.61±0.08Ω(±5%)の
モータを持ち、減速比10.27(9.80〜10.7
8)の電子制御スロットルである。また、減速比10.
27(9.80〜10.78)であって、リターンスプ
リングのプリロードトルクが36(30〜40)kgf
mmの電子制御スロットルであると、モータがフェール
しても、スロットル弁が所定の開度まで自動的に戻り、
より安全である。
トの関係が、通常のスロットルバルブの開閉動作に、ま
たフェールセーフに伴うバルブ動作にも、適切に維持さ
れるので、速やかに動作することができる、信頼性の高
い電子制御スロットル装置を得ることができる。
図。
した図。
スロットルバルブの動作を示す図。
示す図。
るトルク変動を示す図。
をかけたときの駆動回路の状態を示す図。
電力を示す図。
図。
バルブギヤ、104a…中間ギヤ小、104b…中間ギ
ヤ大、105…モータ軸、106…モータギヤ、107
…モータ、110…スロットルポジションセンサ、11
1、201…リターンスプリング、112、202…デ
フォルトスプリング、204…レバー、61…電子制御
スロットル、62…DIエンジン、63…制御ユニッ
ト、68…駆動回路、Rm…モータ抵抗、θv…バルブ
速度、E…電圧、Ilim…許容電流、Ke…誘起電圧定
数、N…ギヤの減速比、θm…モータ速度、Km…トル
ク定数、J…バルブシャフト周りを基準とした慣性モー
メント。
Claims (6)
- 【請求項1】モータと、このモータの回転を減速する減
速機構と、この減速機構に接続されたスロットルバルブ
と、このスロットルバルブを初期位置に戻す方向に力を
加える付勢手段とを有し、前記モータを駆動して前記ス
ロットルバルブの開度を調節する電子制御スロットル装
置において、 スロットルバルブの動作時間tを式 【数1】 で、E=13Vとして計算したとき、N及び/又はJは
tが80ms以下となる範囲内の値をもつことを特徴と
する電子制御スロットル装置。 - 【請求項2】モータと、このモータの回転を減速する減
速機構と、この減速機構に接続されたスロットルバルブ
とを有し、前記モータを駆動して前記スロットルバルブ
の開度を調節する電子制御スロットル装置において、 次式、 【数1】 で求まる時間tが80ms以下になるように、各パラメ
ータを定めたことを特徴とする電子制御スロットル装
置。 - 【請求項3】請求項1に記載の電子制御スロットル装置
において、前記N及び/又は前記Jは前記式を減速比N
で微分した値が正である範囲内の値をもつことを特徴と
する電子制御スロットル装置。 - 【請求項4】請求項2に記載の電子制御スロットル装置
において、前記パラメータは温度120°Cでの値であ
ることを特徴とする電子制御スロットル装置。 - 【請求項5】モータと、このモータの回転を減速する減
速機構と、この減速機構に接続されたスロットルバルブ
を有し、前記モータを駆動して前記スロットルバルブの
開度を調節する電子制御スロットル装置において、 前記モータが発生する逆起電力と前記モータに印加する
印加電圧の和を前記モータのターミナル間のインピーダ
ンスで除した値が許容電流値を超えないようにしたこと
を特徴とする電子制御スロットル装置。 - 【請求項6】モータと、このモータの回転を減速する減
速機構と、この減速機構に接続されたスロットルバルブ
を有し、前記モータを駆動して前記スロットルバルブの
開度を調節する電子制御スロットル装置において、 前記モータのターミナル間抵抗は、下記の不等式、 【数2】 を満足するような値であることを特徴とする電子制御ス
ロットル装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29934198A JP3752391B2 (ja) | 1997-10-21 | 1998-10-21 | 電子制御スロットル装置 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9-288205 | 1997-10-21 | ||
JP28820597 | 1997-10-21 | ||
JP29934198A JP3752391B2 (ja) | 1997-10-21 | 1998-10-21 | 電子制御スロットル装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11193729A true JPH11193729A (ja) | 1999-07-21 |
JP3752391B2 JP3752391B2 (ja) | 2006-03-08 |
Family
ID=26557073
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29934198A Expired - Lifetime JP3752391B2 (ja) | 1997-10-21 | 1998-10-21 | 電子制御スロットル装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3752391B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020118117A (ja) * | 2019-01-25 | 2020-08-06 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の冷却装置 |
-
1998
- 1998-10-21 JP JP29934198A patent/JP3752391B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020118117A (ja) * | 2019-01-25 | 2020-08-06 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の冷却装置 |
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