JPH11193271A - アリール酢酸アミド誘導体又はその塩及びこれを含有する医薬 - Google Patents

アリール酢酸アミド誘導体又はその塩及びこれを含有する医薬

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JPH11193271A
JPH11193271A JP29057698A JP29057698A JPH11193271A JP H11193271 A JPH11193271 A JP H11193271A JP 29057698 A JP29057698 A JP 29057698A JP 29057698 A JP29057698 A JP 29057698A JP H11193271 A JPH11193271 A JP H11193271A
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JP29057698A
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Terumitsu Kaiho
輝光 海宝
Tomoki Okada
知己 岡田
Yoshinori Takahashi
美紀 高橋
Hiroyuki Mizuno
博之 水野
Haruyoshi Honda
晴義 本田
Susumu Sato
佐藤  進
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SSP Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 次の一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 はアリール基等を示し、R2 及びR3 は、
アルキル基又はシクロアルキル基等を示し、R4 は、ア
ラルキル基又はアルキル基等を示す〕で表わされるアリ
ール酢酸アミド誘導体又はその塩。 【効果】 優れた抗コリン作用及びカルシウム拮抗作用
を有し、しかも膀胱選択性が高いため蓄尿障害の予防・
治療剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なアリール酢酸
アミド誘導体又はその塩に関し、詳細には、抗コリン作
用及びカルシウム拮抗作用を有し、神経性頻尿、神経因
性膀胱、夜尿症、不安定膀胱、慢性膀胱炎等の疾患に起
因する頻尿あるいは尿失禁などの蓄尿障害の予防、治療
用の医薬として有用なアリール酢酸アミド誘導体及びそ
の塩に関する。
【0002】
【従来の技術】神経性頻尿、神経因性膀胱、夜尿症、不
安定膀胱、慢性膀胱炎に起因する頻尿あるいは尿失禁な
どの蓄尿障害を予防、治療するためには反射性膀胱収縮
を抑制する薬物が有用である。従来、反射性膀胱収縮を
抑制する薬物としては抗コリン作用を有する塩酸オキシ
ブチニン、塩酸プロピベリン、バミカミド、トルテロジ
ン及び特開平2−262548号、特開平6−9292
1号、特開平6−135958号、特開平7−2582
50号、特開平8−291141号、特開平9−715
63号、WO93/16048号、WO95/0663
5号、WO96/33973号、WO97/13766
号、WO97/45414号記載の化合物が報告されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の化合物は、反射性膀胱収縮を抑制する効果が不十
分か、又は十分であっても抗コリン作用に基づく副作用
である口渇(唾液分泌抑制作用)が薬効量で発現する。
すなわち、主作用と副作用の分離が不十分であり、この
点が臨床上問題となっている。従って、本発明の目的
は、反射性膀胱収縮を抑制し、副作用である口渇(唾液
分泌抑制作用)が弱い、すなわち、安全性が高く、蓄尿
障害の予防及び治療用の医薬として有用な化合物を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】斯かる実状に鑑み本発明
者は種々の化合物を合成しその作用を鋭意研究した結
果、下記一般式(1)で表わされる新規なアリール酢酸
アミド誘導体が優れた抗コリン作用及びカルシウム拮抗
作用を有し、口渇等の副作用が少なく安全であり、蓄尿
障害の予防及び治療剤として有用であることを見出し本
発明を完成した。
【0005】すなわち本発明は、次の一般式(1)
【0006】
【化2】
【0007】〔式中、R1 は置換基を有していてもよい
芳香族炭化水素基又は芳香族複素環式基を示し、R2
びR3 はそれぞれ置換基を有していてもよい炭化水素基
又は複素環式基を示し、R4 は水素原子、置換基を有し
ていてもよい炭化水素基又は複素環式基を示し、nは0
又は1の数を示す〕で表わされるアリール酢酸アミド誘
導体を提供するものである。
【0008】また、本発明は、該アリール酢酸アミド誘
導体(1)を有効成分とする医薬を提供するものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のアリール酢酸アミド誘導
体を表わす一般式(1)において、R1 で示される芳香
族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基等が挙
げられ、このうちフェニル基が特に好ましい。また、芳
香族複素環式基としては、ヘテロ原子として窒素原子、
酸素原子及び/又は硫黄原子を含む単環又は縮合環式基
が挙げられ、より具体的にはチエニル基、フラニル基、
イミダゾリル基、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル
基、ピリダジル基、キノリル基、イソキノリル基、キナ
ゾリル基、キノキサリル基及びシンノリル基等が挙げら
れる。
【0010】これら芳香族炭化水素基又は芳香族複素環
式基に置換し得る基としては、例えばハロゲン原子、C
1-6アルキル基、ハロゲノC1-6アルキル基、C1-6アル
コキシ基、アミノ基、ベンジルオキシ基、シアノ基、ベ
ンゾイル基、C1-6アルカノイル基、カルバモイル基、
カルボキシル基、カルボキシC1-6アルキル基、C1-6
ルカノイルオキシ基、ニトロ基及びスルホンアミド基等
が挙げられる。これら置換基の数は1〜5個の範囲が好
ましい。ここでC1-6アルキル基、ハロゲノC1 -6アルキ
ル基、カルボキシC1-6アルキル基におけるC1-6アルキ
ルとしては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロ
ピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、t−
ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、n−ヘキシル等
が挙げられる。C1-6アルカノイル基及びC1-6アルカノ
イルオキシ基におけるC1-6アルカノイルとしてはホル
ミル、アセチル、プロピオニル、n−ブチリル、i−ブ
チリル、n−バレリル、i−バレリル、ピバリル等が挙
げられる。またC1-6アルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、イソプロポキシ基等が挙げられる。ハ
ロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原
子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0011】R2 及びR3 で示される炭化水素基として
は、飽和又は不飽和(芳香族を含む)の炭化水素基が挙
げられ、このうち直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル
若しくはアルケニル基、アラルキル基等が好ましい。ま
た、これらの基には水酸基、アミノ基、置換アミノ基又
は芳香族複素環式基が置換していてもよい。R2 及びR
3 で示される置換基を有していてもよい炭化水素基とし
ては、水酸基、アミノ基若しくは置換アミノ基を有して
いてもよいC1-8の直鎖、分岐鎖、環状若しくは環状−
直鎖アルキル基、C2-6アルケニル基、フェニルC1-6
ルキル基、芳香族複素環−C1-6アルキル基がより好ま
しい。ここで、水酸基、アミノ基若しくは置換アミノ基
を有していてもよいC1-8の直鎖又は分岐鎖のアルキル
基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル
基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s
ec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、i−
ペンチル基、n−ヘキシル基、i−ヘキシル基、n−ヘ
プチル基、i−ヘプチル基、n−オクチル基、i−オク
チル基等が挙げられる。水酸基、アミノ基若しくは置換
アミノ基を有していてもよいシクロアルキル基として
は、炭素数2〜8のものが好ましく、例えばシクロプロ
ピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘ
キシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙
げられる。また、C2-6アルケニル基としては、例えば
ビニル基、アリル基、イソプロペニル基、ブテニル基、
ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられる。フェニル
1-6アルキル基としては、ベンジル基、フェネチル
基、フェニルプロピル基等が挙げられる。芳香族複素環
−C1-6アルキル基における複素環及びC1-6アルキルと
してはR1 で説明したものと同様なものが挙げられる。
また、R2 及びR3 で示される置換基において、置換ア
ミノ基としては、例えば、アルキルアミノ基、ジアルキ
ルアミノ基、環状アミノ基、アラルキルアミノ基等が挙
げられ、具体的にはメチルアミノ基、エチルアミノ基、
n−プロピルアミノ基、i−プロピルアミノ基、ジメチ
ルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、
ジ−i−プロピルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ
基、ピペラジノ基、モルホリノ基、ベンジルアミノ基、
フェネチルアミノ基等が例示される。
【0012】R2 及びR3 で示される複素環式基として
は窒素含有飽和複素環式基が好ましく、例えばピロリジ
ニル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基等が挙げられ
る。
【0013】R4 で示される炭化水素基としては、飽和
又は不飽和(芳香族を含む)の炭化水素基が挙げられ、
例えばC1-6アルキル基、C2-6アルケニル基、フェニル
基、ナフチル基、フェニルC1-6アルキル基等が挙げら
れる。ここでC1-6アルキル及びC2-6アルケニルとして
は、前記と同様のものが挙げられる。また、R4 で示さ
れる複素環式基としては、チエニル、フラニル、イミダ
ゾリル、ピリジル、ピラジル、ピリミジル、ピリダジ
ル、キノリル、イソキノリル、キナゾリル、キノキサリ
ル、シンノリル基等が挙げられる。
【0014】これらの炭化水素基や複素環式基に置換し
得る基としてはハロゲン原子、ハロゲノC1-6アルキル
基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、アミノ基、
ベンジルオキシ基、シアノ基、ベンゾイル基、C1-6
ルカノイル基、カルバモイル基、カルボキシル基、カル
ボキシC1-6アルキル基、C1-6アルカノイルオキシ基、
ニトロ基及びスルホンアミド基から選ばれる1〜5の基
が挙げられる。これら置換基の具体例としては、前記R
1 で説明したものと同様のものが挙げられる。また置換
アルキル基については、上記芳香族複素環式基置換C
1-6アルキル基も挙げることができる。
【0015】一般式(1)中、R1 としては、ハロゲン
原子、ハロゲノC1-6アルキル基、C1-6アルキル基、C
1-6アルコキシ基、アミノ基、ベンジルオキシ基、シア
ノ基、ベンゾイル基、C1-6アルカノイル基、カルバモ
イル基、カルボキシル基、カルボキシC1-6アルキル
基、C1-6アルカノイルオキシ基、ニトロ基及びスルホ
ンアミド基から選ばれる1〜5の基が置換してもよいフ
ェニル、ナフチル、チエニル、フラニル、イミダゾリ
ル、ピリジル、ピラジル、ピリミジル、ピリダジル、キ
ノリル、イソキノリル、キナゾリル、キノキサリル又は
シンノリル基が好ましい。また、R2 及びR3 として
は、それぞれ水酸基、アミノ基若しくは置換アミノ基を
有していてもよいC1-8の直鎖、分岐鎖、環状若しくは
環状−直鎖アルキル基、C2-6アルケニル基、フェニル
1-6アルキル基、窒素含有飽和複素環式基又は芳香族
複素環−C1-6アルキル基が好ましい。また、R4 とし
ては、水素原子、C1-6アルキル基、又はハロゲン原
子、ハロゲノC1-6アルキル基、C1-6アルキル基、C
1-6アルコキシ基、アミノ基、ベンジルオキシ基、シア
ノ基、ベンゾイル基、C1-6アルカノイル基、カルバモ
イル基、カルボキシル基、カルボキシC1-6アルキル
基、C1-6アルカノイルオキシ基、ニトロ基及びスルホ
ンアミド基から選ばれる1〜5の基が置換してもよいフ
ェニル、ナフチル、チエニル、フラニル、イミダゾリ
ル、ピリジル、ピラジル、ピリミジル、ピリダジル、キ
ノリル、イソキノリル、キナゾリル、キノキサリル、シ
ンノリル、フェニルC1-6アルキル、C2-6アルケニル若
しくは芳香族複素環−C1-6アルキル基が好ましい。
【0016】さらに、本発明化合物(1)においては、
1 としては、アリール基が好ましく、特にフェニル基
が好ましい。またR2 及びR3 としては、アルキル基及
びシクロアルキル基が好ましく、特にメチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基等
の炭素数1〜6のアルキル基;シクロプロピル基、シク
ロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の
炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましい。またR4
としては、C1-6アルキル基又はアラルキル基、特にベ
ンジル基が好ましい。
【0017】本発明のアリール酢酸アミド誘導体(1)
の塩としては、医薬として許容される塩であれば特に限
定されず、例えば、ギ酸塩、酢酸塩、トリフロロ酢酸
塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスル
ホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホ
ン酸塩等の有機酸塩;塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水
素酸塩、硫酸塩、リン酸塩等の無機酸塩が挙げられる。
また、アリール酢酸アミド誘導体(1)は不斉炭素を有
するため、立体異性体が存在するが、これらすべての異
性体が本発明に包含される。さらに、アリール酢酸アミ
ド誘導体(1)は水和物に代表される溶媒和物として存
在してもよい。
【0018】本発明のアリール酢酸アミド誘導体(1)
は例えば下記製造法1〜4のいずれかにより製造するこ
とができる。
【0019】
【化3】
【0020】〔式中、R1 〜R4 は前記と同じものを示
し、R5 は低級アルキル基を示し、Mはアルカリ金属又
はMgX(ここでXはハロゲン原子を示す)を示し、Y
はハロゲン原子又は置換スルホニルオキシ基を示す〕
【0021】製造法1では、まずα−ケトエステル
(2)に化合物(3)を反応させ(工程1)得られた化
合物(4)を加水分解し、対応するカルボン酸誘導体
(5)とする(工程2)。さらに、化合物(5)の水酸
基を化合物(6)によりアルキル化を行い化合物(7)
を得(工程3)、最後に化合物(8)と縮合させること
により本発明化合物(1−1)が得られる(工程4)。
さらに、本発明化合物(1−1)を酸化すれば本発明化
合物(1−2)を製造することができる(工程5)。以
下、各工程に関し、詳細に説明する。
【0022】〔工程1〕出発原料であるα−ケトエステ
ル(2)は、市販の試薬を購入するか、あるいは公知の
方法(例えば、Journal of Organic Chemistry 46 213
(1981), Synthetic Communication 11 943(1981)等に記
載の方法)により製造することができる。また、化合物
(3)は、R2−X(Xは前記と同じ意味)より公知の
方法により製造できる。
【0023】工程1の反応は通常溶媒の存在下で行わ
れ、使用される溶媒としては反応に影響を与えなければ
特に限定されず、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン、n−ヘキサンなどが挙げられる。反応温度
も特に限定されず、−20℃〜加熱還流下で行えばよ
い。
【0024】〔工程2〕化合物(4)は、常法により塩
基性条件下で加水分解すれば、化合物(5)とすること
ができる。使用する塩基としては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、カリウムt−ブトキシド等を挙げるこ
とができる。反応溶媒は、メタノール−水の混合溶媒、
エタノール−水の混合溶媒、ジオキサン−水の混合溶媒
等を使用し、反応温度は室温〜還流温度で行い、反応時
間は1〜12時間程度とすることが望ましい。
【0025】〔工程3〕化合物(5)を化合物(6)と
反応させて化合物(7)を得ることができる。化合物
(6)における基Yの適当な例としては、フッ素、塩
素、臭素、ヨウ素、メシルオキシ基、トシルオキシ基な
どが挙げられ、このうち最も好適にはヨウ素である。こ
の反応は、適当な溶媒中、塩基存在下で行われ、化合物
(6)の種類によっては相間移動触媒を用いる。ここで
使用される溶媒としては、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、メタノール、エタノール、エトキシ
エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセト
ニトリル等を挙げることができる。また、用いる塩基と
しては、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエ
チルアミン、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水素化ナト
リウム、水素化カルシウム等が挙げられる。反応は室温
ないし加熱攪拌下で行われる。
【0026】〔工程4〕化合物(7)を対応する酸クロ
ライドに変換した後化合物(8)と反応させるか、ある
いは化合物(7)と化合物(8)を適当な縮合剤の存在
下反応させることにより、本発明化合物(1−1)を得
ることができる。化合物(7)を対応する酸クロライド
に変換する際に用いる試薬としては、オキザリルクロラ
イド、チオニルクロライド等を挙げることができる。一
方、適当な縮合剤としては、例えば、カルボニルジイミ
ダゾール、1−ヒドロキシ−2(1H)−ピリドン、N
−ヒドロキシスクシンイミド、ジフェニルホスホリルア
ジド、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−
エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボ
ジイミド・ハイドロクロライド等が挙げられ、縮合剤の
種類によっては適当な塩基、例えば、トリエチルアミ
ン、ピリジン等の有機塩基の存在下で反応を行う。これ
らの反応に使用される溶媒としては、反応に影響を与え
なければ特に限定されず、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、クロロホ
ルム、ジクロルメタン、N,N−ジメチルホルムアミド
などが挙げられる。
【0027】〔工程5〕本発明化合物(1−1)を適当
な酸化剤の存在下、反応させることにより本発明化合物
(1−2)を製造することができる。ここで使用する酸
化剤としては、過酸化水素−酢酸、m−クロロ過安息香
酸、無水過コハク酸、過安息香酸等を挙げることができ
る。
【0028】
【化4】
【0029】〔式中、R1 〜R4 は前記と同じものを示
す〕
【0030】製造法2では、まず一般式(9)で示され
る化合物をリチウムアセチリドと反応させ、化合物(1
0)とした後(工程6)、適当な酸化剤を用いて酸化反
応を行い、化合物(5)とする(工程7)。得られた化
合物(5)は製造法1の工程3及び工程4に従い、本発
明化合物(1−1)を製造することができる。以下、工
程6及び工程7に関し、詳細に説明する。
【0031】〔工程6〕公知の方法(例えば、Journal
of Organic Chemistry 27 240(1962)記載の方法)に従
い、リチウムアセチリド・エチレンジアミン錯体のジメ
チルスルホキシド溶液に一般式(9)で示される化合物
のジメチルスルホキシド溶液を加え、室温で2〜12時
間攪拌することにより、一般式(10)で示される化合
物を製造することができる。
【0032】〔工程7〕公知の方法(例えば、Journal
of Organic Chemistry 27 240(1962)記載の方法)に従
い、一般式(10)で示される化合物に過マンガン酸カ
リウムの水溶液を加え、室温にて1〜6時間反応させる
ことにより一般式(5)で示される化合物を製造するこ
とができる。
【0033】
【化5】
【0034】〔式中、R1 〜R4 及びYは前記と同じも
のを示す。〕
【0035】製造法3では、一般式(11)で示される
化合物を製造法1の工程3に従い、本発明化合物(1−
1)を製造することができる。ここで、出発原料である
化合物(11)は特開平9−71563号記載の方法に
より合成することができる。
【0036】
【化6】
【0037】〔式中、R1 〜R4 及びYは前記と同じも
のを示す。〕
【0038】製造法4では、本発明化合物(1−1)の
4 がベンジル基である本発明化合物(1−3)を接触
還元反応により本発明化合物(1−4)とした後(工程
8)、化合物(12)と反応させることにより本発明化
合物(1−1)を製造することができる(工程9)。以
下、各工程に関し詳細に説明する。
【0039】〔工程8〕本発明化合物(1−3)の接触
還元に用いられる触媒の適当な例としては、例えば、パ
ラジウム−炭素、パラジウム−黒、水酸化パラジウム−
炭素などのパラジウム触媒、酸化白金、白金黒などの白
金触媒、ラネーニッケルなどのニッケル触媒を挙げるこ
とができる。反応は通常、溶媒の存在下行われ、溶媒と
しては反応に影響を与えなければ特に限定されず、メタ
ノール、エタノール、ジオキサン、ジメチルホルムアミ
ドなどが用いられる。また、反応温度は特に限定され
ず、室温ないし加温下で行えばよい。
【0040】〔工程9〕本発明化合物(1−4)と化合
物(12)の反応は通常、適当な塩基と溶媒の存在下行
われる。使用される塩基としては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの
無機塩基、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基
が挙げられる。使用される溶媒としては反応に影響を与
えなければ特に限定されず、例えばエチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、ジオ
キサン−水などの混合溶媒、ジクロルメタン、クロロホ
ルムなどの塩素系炭化水素類、メタノール、エタノール
などのアルコール類、ジメチルホルムアミド、ジメチル
アセトアミド、N−メチル−α−ピロリドンなどのアミ
ド類が挙げられる。反応温度も特に限定されず、室温な
いし加熱還流下で行えばよい。
【0041】上記反応における目的化合物の単離・精製
は、常法、例えば洗浄、抽出、蒸留、昇華、再結晶、ク
ロマトグラフィ等により行うことができる。また、塩又
は水和物への変換も常法に従って行うことができる。
【0042】本発明化合物(1)は、優れた抗コリン作
用及びカルシウム拮抗作用を有し、反射性膀胱収縮を抑
制し、副作用である口渇が弱く安全性が高い化合物であ
るため、神経性頻尿、神経因性膀胱、夜尿症、不安定膀
胱、慢性膀胱炎等の疾患における頻尿症、尿失禁等の蓄
尿障害の予防、治療剤として有用である。
【0043】本発明化合物をこのような医薬として用い
る場合は、薬学的に許容される担体と混合し、非経口投
与、経口投与又は外部投与に適した医薬組成物(医薬製
剤)とすればよい。医薬製剤としては、例えば注射剤、
吸入剤、シロップ剤若しくは乳剤等の液剤;錠剤、カプ
セル剤若しくは顆粒剤等の固定剤又は軟膏、坐剤等の外
用剤等が挙げられる。また、これらの製剤には必要に応
じて助剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、吸収促進剤又は界
面活性剤等の通常使用される添加剤が含まれてもよい。
添加剤としては注射用蒸留水、リンゲル液、グルコー
ス、蔗糖シロップ、ゼラチン、食用油、カカオ脂、ステ
アリン酸マグネシウム又はタルク等が挙げられる。
【0044】本発明化合物(1)を蓄尿障害の予防、治
療剤として使用する場合の投与量は、投与方法、患者の
年齢、体重により異なるが、成人患者に対し経口投与の
場合一日当たり0.1〜1000mgとすることが好まし
い。なお、本発明化合物(1)は、ヒトに限らず、他の
哺乳動物について獣医学的薬剤として利用することもで
きる。
【0045】
【実施例】次に、製造例、実施例、試験例を挙げ、本発
明をさらに具体的に説明するが、これらは単に例示であ
り本発明を何ら制約するものではない。
【0046】製造例1 2−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−フェニル酢酸エ
チル(化合物(4))の製造 シクロヘキシルブロミド66g、マグネシウム9g、無
水エーテル240mlによりグリニヤ試薬を調製後、その
溶液を氷冷下、フェニルグリオキシル酸エチル30gを
無水エーテル100mlに溶解した液が穏やかに還流する
程度に滴下した。滴下終了後、2時間加熱還流した後、
水200mlを滴下、続いて10%硫酸水溶液200mlを
滴下した。その後、エーテル層を分取し、水層をエーテ
ルで抽出した。エーテル層を合わせ水洗、無水硫酸ナト
リウムにて乾燥後、エーテルを減圧留去した。残渣を減
圧蒸留(148−150℃/6.5mmHg)し、標題化合
物を淡黄色油状物として23.5g(53.3%)得
た。
【0047】1H-NMR (CDCl3)δ:1.08-2.24(11H,m), 1.2
8(3H,t), 3.73(1H,brs),4.17-4.28(2H,m), 7.24-7.35(3
H,m), 7.63-7.66(2H,m)
【0048】製造例2 2−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−フェニル酢酸
(化合物(5))の製造 2−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−フェニル酢酸エ
チル(化合物(4))8.0gをメタノール150mlと
1N水酸化ナトリウム水溶液60mlに溶解し、3時間加
熱還流した。その後、溶媒を減圧留去し、希塩酸にて酸
性とした後酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を水
洗、無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、減圧留去した。得
られた残渣をヘキサン−エーテルより再結晶して、標題
化合物を無色結晶として5.65g(80.3%)得
た。
【0049】1H-NMR (CDCl3)δ:0.82-2.55(11H,m), 5.8
2(2H,brs), 7.23-7.82(5H,m)
【0050】製造例3 2−エトキシ−3−メチル−2−フェニルブタン酸(化
合物(7))の製造 2−ヒドロキシ−3−メチル−2−フェニルブタン酸
(化合物(5))30.0gをジメチルスルホキシド2
50mlに溶解し、水酸化カリウムの粉末(85%)60
gを加えて1時間攪拌した後、氷冷下、ヨウ化エチル5
5mlを加えてさらに室温で3日間攪拌した。その後、水
100mlを加えて80℃で6時間攪拌後、1N塩酸によ
り酸性としてエーテル抽出した。エーテル層を無水硫酸
ナトリウムにて乾燥後、減圧留去した。得られた残渣に
ヘキサン200mlを加えて一晩放置し析出した結晶を濾
去した後、濾液を減圧留去し標題化合物を油状物として
27.0g(78.7%)得た。
【0051】1H-NMR (CDCl3)δ:0.63-1.40(9H,m), 2.65
(1H,q), 3.37(2H,q),7.24-7.82(5H,m)
【0052】製造例4 1−シクロブチル−1−フェニル−2−プロピン−1−
オール(化合物(10))の製造 リチウムアセチリド・エチレンジアミン錯体8.46g
のジメチルスルホキシド溶液100mlにシクロブチルフ
ェニルケトン9.20gのジメチルスルホキシド溶液3
0mlを加え、室温で4時間攪拌した。反応液を氷水中に
注ぎ、エーテル抽出し、水、飽和食塩水で洗浄した後、
無水硫酸ナトリウムにて乾燥後、溶媒を減圧留去した。
残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=1
0:1)により精製を行い、標題化合物を黄色油状物と
して5.80g(68.8%)得た。
【0053】1H-NMR (CDCl3)δ:1.51-3.17(7H,m), 2.71
(1H,s), 7.23-7.72(5H,m)
【0054】製造例5 2−シクロブチル−2−ヒドロキシ−2−フェニル酢酸
(化合物(5))の製造 1−シクロブチル−1−フェニル−2−プロピン−1−
オール(化合物(10))5.80gに水20mlを加え
攪拌下、過マンガン酸カリウム14.0gの300ml水
溶液を0℃で滴下し、さらに2時間激しく攪拌した。室
温で亜硫酸ナトリウムを加え、沈殿をセライト濾過し、
濾液をエーテル抽出し、有機層を無水硫酸ナトリウムに
て乾燥後、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を酢酸エ
チル−ヘキサンより再結晶を行い、標題化合物を無色プ
リズム晶として2.36g(36.8%)得た。
【0055】1H-NMR (CDCl3)δ:1.50-1.91(5H,m), 2.06
-2.16(1H,m),3.19-3.28(1H,m), 7.18-7.33(3H,m), 7.48
-7.53(2H,m)
【0056】実施例1 N−(1−ベンジル−4−ピペリジニル)−2−エトキ
シ−3−メチル−2−フェニルブタンアミド(本発明化
合物 化合物番号1)の製造 2−エトキシ−3−メチル−2−フェニルブタン酸(化
合物(7))14gの無水ベンゼン溶液100mlに氷冷
下、オキザリルクロライド15mlを加え、さらにジメチ
ルホルムアミド1mlを加えた後、室温で4時間攪拌した
後、過剰のオキザリルクロライドを減圧留去した。その
後、4−アミノ−1−ベンジル−ピペリジン34.3g
のベンゼン溶液150mlを滴下し、室温で一晩攪拌した
反応液に、1N水酸化ナトリウム水溶液を加えて塩基性
とした後、酢酸エチルで抽出を行い、有機層を飽和食塩
水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧
留去した。残渣をシリカゲルカラムにより精製を行い、
本発明化合物(化合物番号1)を無色油状物として2
3.0g(92.5%)を得た。データを表1に示す。
【0057】実施例2 実施例1と同様の操作を行い、本発明化合物(化合物番
号2〜15、17〜23、25、26及び34)を製造
した。
【0058】実施例3 1−ベンジル−4−[(2−エトキシ−3−メチル−2
−フェニルブタノイル)アミノ]ピペリジン−1−オキ
シド(本発明化合物 化合物番号16)の製造 N−(1−ベンジル−4−ピペリジニル)−2−エトキ
シ−3−メチル−2−フェニルブタンアミド(本発明化
合物 化合物番号1)400mg(1.01mmol)をクロ
ロホルム20mlに溶解し、70%m−クロロ過安息香酸
271mg(1.1mmol)を加え、室温で3日間攪拌し
た。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄
し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧
留去し、残渣をシリカゲルカラムにて精製し、本発明化
合物(化合物番号16)を無色結晶として316mg(7
7%)得た。
【0059】実施例4 実施例3と同様の操作を行い、本発明化合物(化合物番
号42)を製造した。
【0060】実施例5 N−(1−ベンジル−4−ピペリジニル)−2−ブトキ
シ−3−メチル−2−フェニルブタンアミド(本発明化
合物 化合物番号4)の製造 N−(1−ベンジル−4−ピペリジニル)−2−ヒドロ
キシ−3−メチル−2−フェニルブタンアミド(20.
0g)のDMF溶液200mlに水素化ナトリウム9.0
gを加え、室温で1時間攪拌した後、ヨウ化ブチル8.
3ml、テトラ−n−ブチルアンモニウム アイオダイド
1.8gのDMF溶液30mlを氷冷下で15分かけてゆ
っくり滴下した。2時間後、再びヨウ化ブチル8.3m
l、テトラ−n−ブチルアンモニウム アイオダイド
1.8gのDMF溶液30mlを氷冷下で15分かけてゆ
っくり滴下し、そのまま室温で一晩攪拌した。反応液を
氷水500mlに注ぎ込み、酢酸エチル300mlで2度抽
出し、有機層を分取、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥後、溶媒を減圧留去する。残渣にエーテル100
mlとヘキサン100mlを加え、析出する原料を濾去した
後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムにて
精製して、本発明化合物(化合物番号4)を無色油状物
として6.50g(28.2%)得た。
【0061】実施例6 実施例5と同様の操作を行い、本発明化合物(化合物番
号24、31、33、35〜41、43〜45、47〜
50)を製造した。
【0062】実施例7 N−(4−ピペリジニル)−2−ブトキシ−3−メチル
−2−フェニルブタンアミド(本発明化合物 化合物番
号27)の製造 N−(1−ベンジル−4−ピペリジニル)−2−ブトキ
シ−3−メチル−2−フェニルブタンアミド(本発明化
合物 化合物番号4)4.5g(10.6mmol)のエタ
ノール溶液(60ml)に水酸化パラジウム−カーボン
1.2gを加え、室温下6時間水素添加を行った。その
後、触媒を濾取、濾液を減圧留去し、本発明化合物(化
合物番号27)を無色油状物として定量的に得た。
【0063】実施例8 N−{1−(4−メトキシベンジル)−4−ピペリジニ
ル}−2−ブトキシ−3−メチル−2−フェニルブタン
アミド(本発明化合物 化合物番号29)の製造 N−(4−ピペリジニル)−2−ブトキシ−3−メチル
−2−フェニルブタンアミド(本発明化合物 化合物番
号27)1.67gをジオキサン25ml、水25mlの混
合溶媒に溶かし、炭酸カリウム0.7g,4−メトキシ
ベンジルクロライド0.8gを加えて室温で2日間攪拌
した。反応液に水40mlを加え、酢酸エチルで抽出後、
無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、酢酸エチルを減圧留去
した。残渣をシリカゲルカラムにて精製し、本発明化合
物(化合物番号29)を無色油状物として0.60g
(26.4%)得た。
【0064】実施例9 実施例8と同様の操作を行い、本発明化合物(化合物番
号28、30、32及び46)を製造した。上記の実施
例で得られた化合物の化学構造と融点及びNMRデータ
を表1〜表5に示す。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】
【表7】
【0072】試験例1 アセチルコリン誘発膀胱収縮に対する作用 試験方法 体重230〜390gのSD系雄性ラットをウレタン5
00mg/kg及びα−クロラロース50mg/kg,i.p. 麻酔
下、ラットを背位固定した後、腹部正中切開にて膀胱を
露出し、生理食塩液を満たしたポリエチレンチューブを
膀胱頂部に挿入し、膀胱内圧を測定した。大腿静脈には
薬物投与用静脈カニューレを挿入し、これを介してアセ
チルコリン10μg/kgを投与し、膀胱収縮を惹起し、
その後10分間隔でアセチルコリン投与を行った。アセ
チルコリンによる膀胱収縮が安定した後、被験化合物
は、胃部正中切開後に十二指腸内に注射針を用いて投与
し、その後120分間膀胱収縮反応に対する作用を観察
した。膀胱収縮反応はアセチルコリン投与前後の膀胱内
圧の差として測定した。また、被験化合物投与前の膀胱
収縮を投与前値とし、それに対する各被験化合物投与後
の収縮反応からその50%抑制用量(ID50)を算出し
た。結果を表6に示す。
【0073】試験例2 カルバコール誘発唾液分泌亢進に対する作用 試験方法 体重100〜150gのSD系雄性ラットに被験化合物
を経口投与し、その30分後にカルバコールを0.1mg
/kg腹腔内投与した。このカルバコール投与直後からラ
ットを無麻酔下、手で固定し、その状態で10分間、綿
球で唾液を拭い取った。この唾液の重量を測定し、賦形
剤のみの投与群の唾液分泌量を100%として50%の
唾液分泌抑制用量(ID50)を算出した。結果を表6に
示す。
【0074】
【表8】
【0075】上記結果より、本発明化合物は比較対照薬
である塩酸オキシブチニンあるいは塩酸プロピベリンよ
り優れた膀胱選択性を示し、神経性頻尿、神経因性膀
胱、夜尿症、不安定膀胱、慢性膀胱炎等の疾患に起因す
る頻尿あるいは尿失禁等の蓄尿障害の予防、治療剤とし
て有用であることが判明した。
【0076】
【発明の効果】本発明のアリール酢酸アミド誘導体又は
その塩は、優れた抗コリン作用及びカルシウム拮抗作用
を有し、しかも膀胱選択性が高いため、種々の蓄尿障害
の予防・治療剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本田 晴義 千葉県印旛郡富里町根木名1049−8 (72)発明者 佐藤 進 千葉県成田市玉造6丁目15−5

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 は置換基を有していてもよい芳香族炭化水
    素基又は芳香族複素環式基を示し、R2 及びR3 はそれ
    ぞれ置換基を有していてもよい炭化水素基又は複素環式
    基を示し、R4 は水素原子、置換基を有していてもよい
    炭化水素基又は複素環式基を示し、nは0又は1の数を
    示す〕で表されるアリール酢酸アミド誘導体又はその
    塩。
  2. 【請求項2】 一般式(1)中、R1 がハロゲン原子、
    ハロゲノC1-6アルキル基、C1-6アルキル基、C1-6
    ルコキシ基、アミノ基、ベンジルオキシ基、シアノ基、
    ベンゾイル基、C1-6アルカノイル基、カルバモイル
    基、カルボキシル基、カルボキシC1-6アルキル基、C
    1-6アルカノイルオキシ基、ニトロ基及びスルホンアミ
    ド基から選ばれる1〜5の基が置換してもよいフェニ
    ル、ナフチル、チエニル、フラニル、イミダゾリル、ピ
    リジル、ピラジル、ピリミジル、ピリダジル、キノリ
    ル、イソキノリル、キナゾリル、キノキサリル又はシン
    ノリル基を示し;R2 及びR3 がそれぞれ水酸基、アミ
    ノ基若しくは置換アミノ基を有していてもよいC1-8
    直鎖、分岐鎖、環状若しくは環状−直鎖アルキル基、C
    2-6アルケニル基、フェニルC1-6アルキル基、窒素含有
    飽和複素環式基又は芳香族複素環−C1-6アルキル基を
    示し;R4 が水素原子、C1-6アルキル基、又はハロゲ
    ン原子、ハロゲノC1-6アルキル基、C1-6アルキル基、
    1-6アルコキシ基、アミノ基、ベンジルオキシ基、シ
    アノ基、ベンゾイル基、C1-6アルカノイル基、カルバ
    モイル基、カルボキシル基、カルボキシC1-6アルキル
    基、C1-6アルカノイルオキシ基、ニトロ基及びスルホ
    ンアミド基から選ばれる1〜5の基が置換してもよいフ
    ェニル、ナフチル、チエニル、フラニル、イミダゾリ
    ル、ピリジル、ピラジル、ピリミジル、ピリダジル、キ
    ノリル、イソキノリル、キナゾリル、キノキサリル、シ
    ンノリル、フェニルC1-6アルキル、C2-6アルケニル若
    しくは芳香族複素環−C1-6アルキル基を示すものであ
    る請求項1記載のアリール酢酸アミド誘導体又はその
    塩。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のアリール酢酸アミ
    ド誘導体又はその塩を有効成分とする医薬。
  4. 【請求項4】 蓄尿障害の予防又は治療剤である請求項
    3記載の医薬。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003513918A (ja) * 1999-11-11 2003-04-15 フアーマシア・アー・ベー トルテロジン含有医薬組成物及びその使用
US6777576B2 (en) 2000-11-07 2004-08-17 Sumika Fine Chemicals Co., Ltd. Production method of 2-cyclohexyl-2-hydroxy-2-phenylacetic acid intermediate therefor and production method thereof
JP2017522366A (ja) * 2014-05-30 2017-08-10 スプハエラ ファーマ ピーヴィーティー リミテッド 抗結核薬としての新規な化合物

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