JPH11192918A - エアバッグ装置用インフレータの作動制御装置 - Google Patents

エアバッグ装置用インフレータの作動制御装置

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JPH11192918A
JPH11192918A JP9367916A JP36791697A JPH11192918A JP H11192918 A JPH11192918 A JP H11192918A JP 9367916 A JP9367916 A JP 9367916A JP 36791697 A JP36791697 A JP 36791697A JP H11192918 A JPH11192918 A JP H11192918A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 早い適正なタイミングで点火判断が行える様
にすると共に、ラフロードやハンマリング等において
も、誤作動の可能性を著しく低減させた新規なエアバッ
グの作動制御装置を提供する。 【解決手段】 1つのエアバッグに対して複数のインフ
レータを備え、車室内に設置されて加速度Gを常時検出
する第一加速度センサ1と、車体の前部クラッシュゾー
ンに設置されて、加速度G’を常時検出する第二加速度
センサ2とを有し、加速度信号G,G’が所定の値G
1,G2を越えた時点から演算を開始し、時間積分され
た時間積分値V,V’に基づき、前記複数のインフレー
タの作動要否の判断を行い、加速度センサに基づく演算
が開始された後、時間積分値V,V’が所定の値Vsを
越えるまでに要した時間t,t’とを求め、tとt’の
時間差Δtの大小により、前記複数のインフレータの作
動形態を判断する様に構成してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の衝突を検知
してエアバッグ装置を作動させるためのエアバッグ装置
の作動制御装置に関するものであり、特に、複数のイン
フレータで1つのエアバッグを展開させる方式のエアバ
ッグ装置において、衝突の程度に対応して適正なインフ
レータの作動形態と作動要否の判断を行える様にした新
規なエアバッグ装置の展開制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来より一般に使用されているエアバッ
グ装置は、1つのインフレータで1つのエアバッグを展
開させる方式である。この方式においては、車室内に設
置された加速度センサによって、車両の加速度変化を常
時検知し、この加速度信号を1回積分或いは2回積分等
の適宜の演算処理を行い、所定の閾値と比較して該閾値
を越えた場合には、インフレータの点火回路に作動信号
を発してインフレータを作動させ、エアバッグを展開さ
せるものである。
【0003】この方式では、安全規格に基づき、50k
m/hの速度で正面衝突した場合に最高の能力を発揮す
る様に設計されているので、衝突の激しさや乗員の位置
或いは姿勢に拘らず、前記閾値さえ越えれば、エアバッ
グは一定の特性で展開する様になっている。従って、中
低速の衝突の場合には、乗員を保護するには過剰な展開
エネルギでエアバッグが展開する事になり、乗員の位置
がエアバッグに近かったり、乗員の体格が小さい場合に
は、乗員が展開したエアバッグによって傷害を受けるお
それがあった。
【0004】又、前記インフレータの作動の要否を判断
するための加速度センサの取付位置には、該センサをエ
アバッグモジュールと一体的に組み込んでステアリング
ホイールに装着する一体型と、車室内の運転席側部に配
置する分離型との2つのタイプがあり、一体型の場合に
は、ステアリングシャフトを通して伝えられる衝突の衝
撃を加速度センサで感知するものであり、分離型の場合
には、車体本体部に配置された取付金具に加速度センサ
を設置し、該車体本体を通して車室内に伝達される衝突
の衝撃を加速度センサで感知するものであるが、いずれ
の場合にも、剛性の高い、即ち、衝突の際に変形の少な
い車室内に設置された加速度センサを通して感知された
加速度の変化に基づいてエアバッグ展開の要否の判断を
行う様になっている。
【0005】又、車両前部の衝撃が車室内に伝わり難い
一部の車両では、車室内に電子式加速度センサを設置
し、車体前部のエンジンルーム等のクラッシュゾーンに
機械式センサを配置したシステムが採用されているが、
機械式センサの役割は、その特性上、オン/オフ判断し
かできず、車室内の加速度センサによる衝突判断システ
ムと並行判断のため、該機械式センサに対するハンマリ
ング等の局所的な衝撃が入力された場合には、誤作動の
可能性もあった。
【0006】又、最近では、複数のインフレータを設置
し、衝突の形態や乗員の状態に対応してインフレータの
出力を適正に制御する事により、エアバッグの展開形態
を最適形態に制御する所謂「スマートエアバッグシステ
ム」と呼ばれる方式が提案されているが、この方式を実
現するためには、インフレータの出力制御の演算のため
に、従来の点火判断タイミングよりも早いタイミングで
の点火判断が必要となるが、係る早期判断方式について
の提案はない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、係る問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的とする処は、こ
れまでのシステムよりも早い適正なタイミングで点火判
断が行える様にすると共に、車室内加速度センサのみに
よる判断では誤作動を生じる可能性のあるラフロードや
ハンマリング等の誤った使用方法(以下、『アブユー
ス』という)においても、適正な判断を行って誤作動の
可能性を著しく低減させた新規なエアバッグの作動制御
装置を提供する事を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、係る観点の元
になされたものであって、その特徴とする処は、従来の
車室内に設置された電子式の第一加速度センサに加え
て、車体前部のクラッシュゾーンにも電子式の第二加速
度センサを設置し、前記第一加速度センサからの加速度
信号に基づいて時間積分された第一時間積分値及び前記
第二加速度センサからの加速度信号に基づいて時間積分
された第二時間積分値並びに該第一時間積分値と第二時
間積分値との積分値差、若しくはこれらと前記積分値差
の変化量の各種衝突形態における特性の差異に基づい
て、インフレータの作動の要否の判断を行う様になし、
前記第一時間積分値が所定の速度閾値を越えるまでの時
間と前記第二時間積分値が所定の速度閾値を越えるまで
の時間との時間差の大小によって前記インフレータの作
動形態の判断を行う様にしてなるものである。又、この
時間差の大小に加えて、前記第一時間積分値或いは第二
時間積分値が所定の速度閾値を越えるまでの時間の時間
の大小との組み合わせによっても、インフレータの作動
形態の判断を行う様にする事も可能である。
【0009】インフレータの作動形態としては、エアバ
ッグを急速に展開させる様にインフレータを作動させる
急展開方式と、エアバッグを緩やかに展開させる様にイ
ンフレータを作動させる緩展開方式とがあり、複数のイ
ンフレータを同時に作動させる急展開方式に対しては、
複数のインフレータを時間差をおいて順次作動させる緩
展開方式があり、又、複数のインフレータを微小時間差
で順次作動させる急展開方式に対しては、複数のインフ
レータの点火時間差を長くして相対的に緩展開させる方
式とがある。
【0010】又、インフレータ作動要否の判断方式とし
ては、次の10通りの方式がある。 (a)前記第一時間積分値を、時間関数の所定の第一速
度閾値と比較し、その大小によって判断する方式 (b)前記第一時間積分値を、前記第二時間積分値の関
数として定められた所定の第二速度閾値と比較し、その
大小によって判断する方式 (c)前記第二時間積分値を、前記第一時間積分値の関
数として定められた所定の第三速度閾値と比較し、その
大小によって判断する方式 (d)前記第一時間積分値と第二時間積分値との積分値
差を、所定の時間関数の第四速度閾値と比較し、その大
小によって判断する方式 (e)前記積分値差の変化量(該積分値の差の時間微分
値)を、所定の時間関数の差分変化閾値と比較し、その
大小によって判断する方式 (f)上記(d),(e)の条件を並列配置し、少なく
ともいずれか一方が作動条件を満足するか否かによって
判断する方式 (g)上記(d),(e)の条件を並列配置し、更に前
記(a)の条件を加えて前記(d),(e)の少なくと
もいずれか一方が作動条件を満足し、且つ前記(a)の
条件を満足するか否かによって判断する方式 (h)前記時間積分値差を、前記第一時間積分値の関数
として設定された所定の第五速度閾値と比較し、その大
小によって判断する方式 (i)上記(e),(h)の条件を並列配置し、少なく
ともいずれか一方が作動条件を満足するか否かによって
判断する方式 (j)前記(c),(e)の条件を並列配置し、少なく
ともいずれか一方が作動条件を満足するか否かによって
判断する方式
【0011】上記方式を採用する事によって、インフレ
ータの作動の不要なラフロードやアブユース或いは鹿突
(鹿等の動物との衝突。以下同じ。)等における誤作動
を防止し、且つ高速正突(高速度での正面衝突。以下同
じ。)や高速斜突(高速度での斜め前方からの衝突。以
下同じ。)における点火タイミングを適正になす事を可
能にしている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。先ず図1は、本発明のエアバッグ
作動制御装置の第一実施例を示すブロック図であり、同
図において、加速度センサ1は、車室内に通常通り設置
されている第一加速度センサであり、加速度センサ2
は、クラッシュゾーンに設置された第二加速度センサで
ある。ここで、クラッシュゾーンとは、車体の車室前方
の車体内空間を言い、衝突時には車室の変形に先行して
変形し、車室の変形を軽減する作用を有する部分であ
り、一般的にはエンジンルーム前部がこれに該当する。
【0013】上記両加速度センサ1,2で検出された加
速度信号G,G’は、演算回路3を経て、リセット回路
19及び2つのインフレータの各トリガ回路20,21
に接続されており、各トリガ回路は、各インフレータ
(図示せず)を点火してエアバッグ22を展開させる様
に構成されている。
【0014】次に、演算回路3についてを説明すると、
車室内の第一加速度センサ1で検出された加速度信号G
は、演算開始判断回路であるブロック4に送信され、該
加速度値Gが所定の加速度G1を越えると、この時点t
0 から該加速度Gに基づく所定の演算を開始する。次
に、ブロック5はオフセット処理手段であり、該演算開
始時点t0 以降の加速度値Gより、所定の加速度G2を
減算して加速度値Gをオフセットし、これによりノイズ
や微小加速度変化をカットする様にしている。次いで、
該オフセット手段5から出力された加速度G3を、積分
手段6において時間積分を行い、第一時間積分値Vを算
出する。一方、クラッシュゾーンに設置された前記第二
加速度センサ2で検出された加速度信号G’は、演算開
始判断回路であるブロック4’に送信され、ここで加速
度センサ2による検出加速度値G’が所定の加速度G
1’を越えると、この時点t0 ’から該加速度G’に基
づく所定の演算を開始し、次のオフセット手段であるブ
ロック5’で前記演算開始時点t0 ’以降の加速度値
G’より所定の加速度G2’を減算してオフセット加速
度G3’を算出し、次いで積分手段6’において、加速
度G3’の時間積分を行って第二時間積分値V’を算出
する。
【0015】ここで、上記車室内に設置した第一加速度
センサ1からの加速度信号に基づいて時間積分した第一
時間積分値Vと、クラッシュゾーンに設置した第二加速
度センサ2からの加速度信号に基づいて時間積分した第
二時間積分値V’との差異について説明する。図12
(A),(B)は、上記VとV’との経時変化を示す線
図であり、(A)はV−t線図,(B)はV’−t線図
であり、時間軸tは同一スケールで示している。両図か
ら明らかな様に、全ての衝突形態において、クラッシュ
ゾーンの第二加速度センサ2に基づく第二時間積分値
V’の方が、車室内の第一加速度センサ1に基づく第一
時間積分値Vよりも、早い時点で大きな値に達している
事が分かる。
【0016】又、特に重大な衝突1つである高速正突で
は、V’は、速やかに大きな値を示し、又、同様に重大
な衝突の1つである高速斜突においても、V’は、高速
正突と同様に初期の段階で急激に増加しているが、一
方、Vの方は、初期に緩やかに増加して途中から急に増
加している。更に、中速センタポール突(中速度での鉄
柱等の柱状体への正面衝突。以下同じ。)の場合には、
ポール衝突部分を中心とした小面積部分が深く圧壊する
ので、Vの値は、衝突後暫くはバンパー或いは更に車体
最前部のみが変形する程度で、基本的にはエアバッグの
展開を要しない低速正突よりも低い値を示し、相当時間
経過後に、やっと低速衝突よりも高くなっている。この
ため、Vで判断したのでは、エアバッグが展開しないか
或いは展開しても時期を逸した遅い時期に展開するおそ
れがあるが、V’の場合には、当初から低速正突よりも
高い値を示している。又、鹿突の場合には、Vの場合に
は僅かな変化しか表れないが、V’の場合には、低速衝
突の最大値並みの大きな数値を示している。これは、鹿
等に衝突しても、これを瞬時に撥ね飛ばすため、クラッ
シュゾーンには変形を伴った比較的大きな加速度の変化
が現れるが、車室内では、クラッシュゾーンで衝撃が吸
収されるため、殆ど変化が現れない事による。更に、ラ
フロードの場合には、VとV’は同様な波形を示してい
る。これは、ラフロードでは車体自体には何等の変形が
生じないので、加速度センサの設置場所による差異が生
じない事による。以上の様に、衝突初期に車両前部のク
ラッシュゾーンが局所的に圧壊或いは変形する中・高速
衝突では、Vに比べてV’の方が早期に立ち上がり、ク
ラッシュゾーンに変形の生じないラフロード等の衝撃で
はVもV’も略同一の波形を示す。又、クラッシュゾー
ンの変形の少ない低速衝突では、V’はVよりも早期に
立ち上がる傾向を示しているが、変形の少ない分だけ、
その差は少なくなっている。
【0017】これらの現象から、本発明で用いるクラッ
シュゾーンに設置した第二加速度センサ2に基づく第二
時間積分値V’と、従来使用されていた車室内に設置し
た第一加速度センサ1に基づく第一時間積分値Vとの間
には、衝突形態に応じて特異な差異が存在している事が
分かる。又、クラッシュゾーンの第二時間積分値V’に
は、激しい衝突ほど、早い時点で大きな立ち上がりを示
している事が分かる。そこで、本発明では、これら衝突
形態による第一,第二時間積分値の差異に基づいて、衝
突の激しさの度合いを判断し、同時に、適正な衝突判断
を行う様にしている点に最大の特徴が存する。
【0018】次に、本発明によるインフレータの作動形
態の判断方式について具体的に説明する。本発明による
インフレータの作動形態の判断方式は、前記第一時間積
分値V及び第二時間積分値V’の各々が、所定の速度閾
値を越えるまでの時間差の大小によって、衝突の激しさ
を判断し、これによってインフレータの作動形態を判断
する様にしている。即ち、図1に示している様に、比較
器7,7’において、第一時間積分値V及び第二時間積
分値V’を、予め設定されている速度閾値Vsと夫々比
較して各間積分値が該閾値を越えた時点(V≧Vs,
V’≧Vsとなる時点)t及びt’を夫々検出し、減算
手段8で両者の差Δt(=t−t’)を演算し、次のイ
ンフレータ作動形態判断装置である比較器12におい
て、予め設定されている時間差閾値Δtsと比較し、閾
値越時間差が該閾値未満(Δt<Δts)の場合には、
早い時期に時間積分値が速度閾値を越えているので激し
い衝突と判断し、エアバッグを急速に展開させる様にブ
ロック14より急展開信号(K=2)を出力する。一
方、前記閾値越時間差が該閾値以上(Δt≧Δts)の
場合には、時間積分値が比較的緩やかに上昇しているの
で衝突の激しさの程度は低いと判断し、エアバッグを穏
やかに展開させる様に、ブロック13より緩展開信号
(K=1)を出力する。尚、前記比較器7,7’におい
て、V<Vs,V’<Vsと判断された場合には、夫々
演算を継続する様になっている。
【0019】ブロック13,14から出力された緩/急
展開信号(K=1,2)は、K値判断回路17に送信さ
れ、ここに後述するインフレータ作動要否判断回路から
作動“要”の信号が送信されたると、該緩/急展開信号
に基づいて第1インフレータのトリガ回路20/第2イ
ンフレータのトリガ回路21にインフレータのトリガ指
令を発してインフレータを作動させ、エアバッグ22を
緩展開或いは急展開させる事になる。
【0020】次に、この作動形態判断を、図12によっ
て説明する。図12(A),(B)において、高速正突
の場合には、第一時間積分値Vは、時間t1において速
度閾値Vsを越えており、第二時間積分値V’は、時間
t1’において速度閾値Vsを越えている。従って、閾
値越時間差Δt1はt1−t1’となる。同様に高速斜
突の場合には、第一時間積分値Vは、時間t2において
速度閾値Vsを越え、第二時間積分値V’は、時間t
2’において速度閾値Vsを越えており、その閾値越時
間差Δt2はt2−t2’となる。以下同様に、中速セ
ンターポール突の場合の閾値越時間差Δt3はt3−t
3’となり、低速正突の閾値越時間差Δt4はt4−t
4’となり、ラフロードの閾値越時間差Δt5はt5−
t5’となる。夫々の時間差を分かり易すくするため、
各時間差の大きさを線分の長さとして図(A)に表示し
ている。ここで、インフレータを急展開させるべき重大
な衝突である高速正突及び高速斜突の各閾値越時間差Δ
t1,Δt2と、インフレータを緩展開せさるべき比較
的穏やかな衝突である中速センターポール突の閾値越時
間差Δt3とは、明らかに大きな開きが認められる。従
って、両者を区別するには、Δt1,Δt2<Δts<
Δt3となる時間差閾値Δtsを設定すれば良い事が分
かる。この様な時間差閾値Δtsを設定しておけば、前
記インフレータ作動形態判定器12において、高速正突
や高速斜突の場合には、急展開が選択され、中速センタ
ーポール突の場合には、緩展開が選択される事になる。
【0021】尚、エアバッグの展開を要しない低速衝突
の場合には、クラッシュゾーンの変形が軽微であるた
め、衝突による加速度値の変化はクラッシュゾーンでの
変化から僅かな遅れで車室内にも現れ、前記閾値越時間
差Δt4は小さな値となっており、同様にラフロードの
場合も、クラッシュゾーンの変形がないので、クラッシ
ュゾーンと車室内の加速度値の変化の現れ方は略同時と
なり、その閾値越時間差Δt5も小さな値となってい
る。従って、このΔt4,Δt5も共に前記時間差閾値
Δts未満となり、前記インフレータ作動形態判定器1
2では、急展開が選択される事になるが、これらの場合
には、後述する様に、エアバッグの作動要否の判断にお
いて、作動不要の判断がなされ、インフレータは作動し
ないから、特に問題はないが、誤作動を確実に防止しよ
うとすれば、前記時間差閾値Δtsを時間関数の閾値と
なし、これにより、低速正突やラフロードにおける誤判
断を回避する事も可能である。即ち、前記時間差閾値Δ
tsを、初期の段階では図12(A)に線分Δtsとし
て表している値とし、一定時間はその値を維持し、低速
正突のV,V’が前記速度閾値Vsを越える時間t4,
t4’では、ゼロ(0)又はその近傍の低い値となすス
テップ関数とする方式、或いは、時間の経過と共に漸減
する直線又は曲線とする方式等により、図12において
低速正突の第一時間積分値Vが速度閾値Vsを越える時
間t4の時点では、該低速正突の閾値越時間差Δt4よ
りも小さな値となし、又、ラフロードにおける第一時間
積分値Vが速度閾値Vsを越える時間t5の時点では、
該ラフロードの閾値越時間差Δt5よりも小さな値とな
る様に、該時間差閾値Δtsを設定する事も可能であ
る。
【0022】又、他の方式としては、図12(A)に示
している様に、前記時間差閾値Δtsと同レベルの時間
差閾値Δts1を第一時間閾値となし、これよりも小さ
く且つ低速正突の前記時間差Δt4よりも大きな第二時
間差閾値Δts2を定めておき、Δts2<Δt<Δt
s1の場合にのみ、急展開を選択する様になし、Δt≧
Δts1の場合は緩展開を選択し、Δt<Δts2の場
合には、選択を保留して演算を継続する様にしておく事
も可能である。
【0023】次に、インフレータ展開形態判断方式の他
の例を図2によって説明する。図2の方式において図1
の方式と異なる点は、前記時間差Δtと時間差閾値Δt
sとの比較と共に、前記第一時間積分値V及び第二時間
積分値V’の前記閾値越時間t,t’も、インフレータ
の作動形態判断に使用している点である。即ち、図2に
おいて、比較器27には、前記閾値越時間差Δtと時間
差閾値Δtsとが入力されると共に、前記第一時間積分
値Vの第一閾値越時間tと、これと比較すべく予めブロ
ック23で設定されている第一時間閾値tsとが夫々入
力されており、その比較の結果、前記閾値越時間差が時
間差閾値未満(Δt<Δts)であり、且つ前記第一閾
値越時間が前記第一時間閾値未満(t<ts)の場合に
は、急展開(K=2)を選択し、一方、前記時間差が前
記閾値以上(Δt≧Δts)、或いは前記第一閾値越時
間が前記第一時間閾値以上(t≧ts)の場合には、緩
展開(K=1)を選択する様にしている。尚、図2に示
している様に、第一時間積分値Vの第一閾値越時間tに
代えて第二時間積分値V’の第二閾値越時間t’を用
い、これをブロック27に入力して、これと比較すべく
予めブロック23で設定されている第二時間閾値ts’
をブロック27に入力して夫々比較し、前記Δt<Δt
sであり、且つt’<ts’の場合には急展開(K=
2)を選択し、Δt≧Δts或いはt’≧ts’の場合
には、緩展開(K=1)を選択する様になす事も可能で
あり、tとtsの比較、t’とts’の比較の両方を用
いても良いか、いずれか一方を用いれば充分である。
【0024】次に、インフレータの作動形態について説
明する。図1に示している如く、インフレータが第1イ
ンフレータと第2インフレータの2つの場合において説
明すると、エアバッグの展開形態には、エアバッグを穏
やかに展開させる緩展開と、急速に展開させる急展開と
の2種類があり、緩展開と急展開とを、インフレータの
作動数によって決定する方式と、インフレータの作動タ
イミングによって決定する方式及びこれらの組み合わせ
がある。この組み合わせを例示すると次の通りである。 (a)第1の方式は、第1インフレータと第2インフレ
ータの点火タイミングを調整する事によって、エアバッ
グの緩展開と急展開とを制御する方式であり、この場合
の緩展開では、第1インフレータと第2インフレータの
点火タイミング差を長くする事によってエアバッグを緩
やかに展開させ、急展開では、両インフレータの点火タ
イミング差を短くして(同時点火を含む)エアバッグを
急速に点火する方式である。 (b)第2の方式は、インフレータの作動数によりエア
バッグを緩展開と急展開とに制御する方式であり、緩展
開では、前記第1インフレータのみを点火し、急展開で
は、第1インフレータと第2インフレータの両方を点火
する方式である。この場合の急展開においては、第1イ
ンフレータと第2インフレータの点火タイミングに差
(同時を含む)を設ける事により、更に微妙な制御も可
能である。これらのいずれの形態を選択するかは、使用
するインフレータの特性や規模によって適宜選定させる
事になるが、好ましい例としては、インフレータ全体の
ガス発生能力を10とした場合に、第1インフレータと
第2インフレータとのガス発生能力の比率を、6:4〜
8:2の範囲で選定しておき、作動順位は、第1インフ
レータを先に作動させる様にしておくのが好ましい。
【0025】因みに、図1において、緩展開信号(K=
1)は、ブロック17から第1インフレータトリガ回路
20に直接入力されるラインがあるが、これは、緩展開
の場合には第1インフレータのみを作動させるケースを
示しており、又、ブロック17から両インフレータトリ
ガ回路20,21に、緩展開信号(K=1)と急展開信
号(K=2)の両方が入力されるラインは、各インフレ
ータの点火時期をずらして作動させるケース及び急展開
で両インフレータを同時に作動させるケースを示してい
る。
【0026】次に、本発明におけるインフレータの作動
要否判断について説明する。図1において、車室内加速
度センサ1に基づく第一時間積分値Vを、インフレータ
作動要否判定器である比較器15に送信し、ここで、ブ
ロック16にて予め設定されている時間関数の第一速度
閾値Vs1と比較し、該第一時間積分値が該第一速度閾
値以上(V≧Vs1)の場合には、エアバッグ展開の要
ありとして、ブロック17にインフレータ作動“要”の
信号を送信し、該ブロック17に前述のインフレータ作
動形態信号(K=1,2)が入力されていれば、その作
動形態に応じてインフレータを作動させる事になる。こ
の作動要否判断は、従来から採用されている車室内加速
度センサを用いた典型的な判断方式であり、インフレー
タの作動を要しない低速正突の場合には、前記第一時間
積分値Vが第一速度閾値Vs1を越えない様に、該第一
速度閾値Vs1は時間関数の閾値として設定されてい
る。本発明においても、インフレータ作動要否判断方式
の1つとして採用して可能であり、その詳細説明は省略
する。
【0027】又、前記第一積分値が第一時間閾値未満
(V<Vs1)の場合には、比較手段18にて、Vを予
め設定されているゼロ(0)又はその近傍の値と比較
し、その設定値以下(例えばゼロ以下)の場合には、シ
ステムリセット回路19によってシステムをリセット
し、その設定値以上(例えばゼロ以上)の場合には、演
算回路3内での演算を継続する。
【0028】次に、図3は、本発明の他の実施例を示す
もので、図1と同一構成は同一符号で示している。図3
では、第二時間積分値V’を、インフレータのトリガ判
断演算回路25に入力して該第二時間積分値V’を用い
てインフレータを作動させるべきか否かの一次判断を行
い、この判断結果に基づいて、ブロック26の第二速度
閾値Vs2の値を変化させ、この変化した第二速度閾値
Vs2を比較器24に入力して、前述の第一速度センサ
1に基づいて演算された第一時間積分値Vと比較する様
にしている。
【0029】即ち、クラッシュゾーンは、衝突時に最初
に破壊される部分であるので、該クラッシュゾーンに設
置された第二加速度センサ2に基づく第二時間積分値
V’の変化は、図12からも分かる通り、通常の車室内
設置の第一加速度センサ1に基づく第一時間積分値Vの
変化に比べて早い時期に変化が終了する。従って、該第
二加速度センサ2の加速度信号に基づいてインフレータ
の作動要否の判断を行えば、通常の車室内設置の第一加
速度センサ1の信号に基づくよりも早い時期に作動要否
の判断が行われる事になる。そこで、本例では、第二加
速度センサ2に基づいて演算された第二時間積分値V’
を用いてブロック25でエアバッグ装置作動要否の一次
判断を行う様にしている。このブロック25における判
断回路は、従来より種々提案され且つ実用化されている
車室内加速度センサからの加速度信号を用いて判断する
システム(アルゴリズム)が使用可能であり、格別な限
定はないが、本件出願人が先に提案し且つ実用化してい
るアルゴリズム(例えば特許第2543839号:特開
平3−253441号公報等に記載のアルゴリズム)が
好ましい。
【0030】次に、ブロック25において、インフレー
タの作動“要”と一次判断された場合には、ブロック2
6において比較器24に入力される第二速度閾値Vs2
の値を比較的低い値に設定し、一方、インフレータの作
動“不要”と判断された場合には、該第二速度閾値Vs
2の値を高い値に設定し、更に、ブロック25における
判断時期に関連させ、早い時期にインフレータの作動
“要”と判断された場合には、Vs2の値を極めて低い
値に設定する等、該第二速度閾値Vs2を、前記第二時
間積分値V’と共に変化する関数、即ち、Vs2=f
(V’)として設定している。
【0031】次に、比較器24で前述の第一時間積分値
Vと第二速度閾値Vs2とが比較され、V≧Vs2の場
合には、ブロック17に入力されている前記緩・急展開
指数であるK値に従って、第1インフレータ/第2イン
フレータの点火を行う事は図1の場合と同一であり、
又、比較器24からのインフレータ作動信号とブロック
13,14からのインフレータ作動形態信号の両方の信
号が入力されなければ、各インフレータへのトリガ信号
を発しない点も、図1の場合と同様である。
【0032】次に、図4は、本発明の更に他の実施例を
示すもので、前記図1〜3の方式では、車室内第一加速
度センサ1からの加速度信号Gに基づく第一時間積分値
Vに基づいてインフレータ作動の要否判断を行っている
が、図4の方式では、クラッシュゾーン設置の第二加速
度センサ2からの加速度信号G’に基づく第二時間積分
値V’をインフレータの作動要否判断にも使用している
点が大きく異なっている。即ち、図4において、第二時
間積分値V’を比較器28に送信し、該比較器28で
は、ブロック32から送信される第三速度閾値Vs3と
比較してインフレータの作動の要否を判断する様になっ
ている点で基本的に異なっている。特に、この第三速度
閾値Vs3は、前記第一時間積分値Vの関数(Vs3=
f(V))として設定されており、該第二時間積分値が
該閾値以上の場合(V’≧Vs3)にはインフレータの
作動が必要と判断され、その信号がブロック17に送信
される。ブロック17に、前記インフレータ作動形態設
定器13又は14から作動形態信号(K=1又はK=
2)が送信されていれば、夫々の作動形態に応じて、第
1,第2インフレータトリガ回路20,21にトリガ信
号が発せられる。一方、前記第二時間積分値が前記第五
閾値未満(V’<Vs3)の場合には、その信号が比較
器30に送信され、第二時間積分値V’が、予め設定さ
れているゼロ(0)又はその近傍の値よりも小さけれ
ば、システムリセット回路19に信号を発して、システ
ムをリセットし、前記V’が所定値以上であれば演算を
継続する事になる。
【0033】尚、本例で使用する第三速度閾値Vs3
(V)と第二時間積分値V’との関係について、図16
によって説明する。図16は、各種衝突形態における第
二加速度センサ2からの加速度信号に基づく第二時間積
分値V’と、車室内第一加速度センサ1からの加速度信
号に基づく時間積分値Vとの関係を示す線図であり、図
中45度の角度の点線aは、V’=Vを意味し、いずれ
の衝突形態においても、最終的にはV’=Vになってい
る。図12(A),(B)からも分かる様に、如何なる
衝突形態においても、衝突時点からV’はVよりも高い
値を示し、時間の経過と共にVに近づく特性を有してい
るので、全ての線は、45度の点線aよりも上方に存在
している。そして、Vの関数として設定された前記第三
速度閾値Vs3(V)も、45度の線aとV’軸の間で
双曲線状のVの関数として設定されており、V’軸側の
曲線cの最小のV値は、図12(A)の鹿突のレベルよ
り若干高い程度の値に設定されており、45度の線aに
沿った曲線部分bは、低速正突を判別できる様に設定さ
れている。この様に、閾値を時間関数ではなく、第一時
間積分値Vの関数となす事により、時間に依存しない安
定した判定が期待できる事になる。
【0034】次に図5は、本発明のインフレータ作動要
否判断の他の例を示すもので、図1〜4の場合には、第
一時間積分値V又は第二時間積分値V’を個別に用いた
例であるが、本例では、減算手段9で第一時間積分値V
と第二時間積分値V’との差Vd(=V’−V)を演算
し、この積分値差Vdをインフレータの作動要否判断に
用いる点に特徴がある。即ち、減算手段9で得られた積
分値差Vdを、比較器34において、予めブロック38
にて時間関数の閾値として設定されている第四速度閾値
Vs4と比較し、Vd≧Vs4の場合にはインフレータ
の作動の“要”ありと判断して、インフレータの作動指
示信号をブロック17に送信する。該ブロック17で
は、前記ブロック13又は14から送られているインフ
レータの作動形態信号(K=1,2)に従って、インフ
レータトリガ回路20,21にトリガ信号の出力を指示
し、このトリガ信号によってインフレータを作動させ、
エアバッグ22を展開させる。
【0035】又、前記積分値差が第四時間閾値未満(V
d<Vs4)の場合には、比較手段36にて、Vdを予
め設定されているゼロ(0)又はその近傍の値と比較
し、その設定値以下(例えばゼロ以下)の場合には、シ
ステムリセット回路19によってシステムをリセット
し、その設定値以上(例えばゼロ以上)の場合には、演
算回路3内での演算を継続する。
【0036】次に、上記Vdと第四時間閾値Vs4との
関係について図13によって説明すると、同図に示す様
に、衝突初期の段階では、該閾値Vs4は、鹿突のレベ
ルよりも高い値Th1に設定され、これによって高速正
突や高速斜突の様な重大な衝突を早い時期に判断し、イ
ンフレータの作動指令を発する様になっている。又、こ
れに続く衝突中期の段階では、衝突後段の低い閾値Th
3に至る右下がりの漸減閾値Th2(時間と共に低下す
る閾値)となっており、この漸減閾値Th2で中速セン
ターポール突の様な中程度の衝突を判断してインフレー
タに作動指令を発する様になっている。尚、後段の低い
閾値Th3は、低速正突におけるインフレータの作動の
要否を判断するもので、所定の速度以下の正突では展開
しない様な値に設定されている。
【0037】本図の時間軸も、図12(A)のV−t線
図の時間軸と同一スケールで示しており、両図の比較か
ら明らかな様に、高速正突や高速斜突の様な重大な衝突
においては、衝突後の極めて早い段階でインフレータに
作動指示を発する事ができるので、速やかにエアバッグ
を展開できる様になるのみならず、前記各インフレータ
の点火形態を判断するための時間的余裕が長くなるの
で、展開形態制御のための演算時間に余裕ができ、精密
な演算でエアバッグ展開形態制御を行う事が可能となる
事が分かる。
【0038】因みに、ラフロードの場合は、図12
(A),(B)に示している通り、VとV’とが殆ど同
じ波形であるので、その差Vdは極めて小さな値とな
る。この事から、Vdで判断すれば、ラフロードによる
エアバッグの誤作動は完全に防止する事ができる様にな
る。更に、車体変形の小さな軽度の衝突においても、両
加速度センサによる時間積分値差は小さな値となるの
で、これによる誤作動も確実に防止できる効果がある。
この意味から、第二加速度センサ2を、クラッシュゾー
ン内の低速正突等の軽度の衝突では変形を生じない部分
に設置する事により、低速正突においても、VとV’の
波形が殆ど同一となり、その差Vdも小さな値とする事
ができるので、低速正突における誤作動を、より確実に
防止する事が可能となる。
【0039】次に、図6は、本発明の他の実施例を示す
もので、前述の図5との相違点は、前記積分値差Vdを
微分器10で時間微分(d(Vd)/dt)してVdの
変化量Gdを演算し、この差分変化量Gdをインフレー
タの作動の要否の判断に用いる点にある。即ち、該差分
変化量Gdを比較器44に送信し、該比較器44にて予
めブロック42にて時間関数の閾値として設定されてい
る差分変化閾値Gsと比較してエアバッグ作動要否の判
断を行う様にしている。該差分変化量が差分変化閾値以
上(Gd≧Gs)の場合には、インフレータ作動の
“要”ありと判断してブロック17にインフレータの作
動指令信号を送信し、前記比較器12にて、前記閾値越
時間差Δtと前記時間差閾値Δtsとの比較によって選
択されたインフレータの展開形態信号(K=1,2)に
従って、夫々第1インフレータトリガ回路20及び第2
インフレータトリガ回路21にトリガ信号の出力を指示
する点は、前述の場合と同一である。一方、前記差分変
化量が差分変化閾値未満(Gd<Gs)の場合には、比
較器36にて、Vdを予め設定されているゼロ(0)又
はその近傍の値と比較し、その設定値以下(例えばゼロ
以下)の場合には、システムリセット回路20によって
システムをリセットし、その設定値以上(例えばゼロ以
上)の場合には、演算回路6内での演算を継続する点
も、前述の場合と同一である。
【0040】次に、上記Gdと、時間関数の前記差分変
化閾値Gsとの関係について図14によって説明する。
図14は、各種衝突形態における前記差分変化量Gdと
時間tとの関係を示した線図であり、同図に示す様に、
衝突初期の段階では、該閾値Gsは、鹿突のレベルより
も高い値Th4に設定され、これによって鹿突によるエ
アバッグの誤作動を防止し、前記高い閾値Th4に続い
て、低い閾値Th6に至る右下がりの急勾配の閾値Th
5で、高速正突や高速斜突の様な重大な衝突を早い時期
に判断し、インフレータの作動指令を発する様になって
いる。又、低い閾値Th6近傍で中速センタポール突を
検知できる様にして中速センタポール突も早い時期に検
知できる様にしている。尚、後段の低い閾値Th6は、
低速正突におけるエアバッグ展開の要否を判断するもの
で、所定の速度以下の衝突では展開しない様な値に設定
されている。
【0041】この図14の時間軸も、図13のVd−t
線図の時間軸と同一スケールで示しており、両図の比較
から明らかな様に、Gdに基づいて判断する方が、更に
一層早い時期に、エアバッグ作動指示を発する事ができ
るので、重大な衝突において速やかなインフレータの展
開要否判断が可能となって、作動要否判断からインフレ
ータの点火時期までに充分な時間的余裕がとれる様にな
り、エアバッグ展開形態判断のための複雑な演算の実行
をも可能とする利点がある。尚、ラフロードの場合は、
前述のVdの場合と同様に極めて小さな値となるので、
Gdで判断すれば、ラフロードによるエアバッグの誤作
動を完全に防止できる事は、Vdの場合と同様である。
【0042】次に、図7は、本発明の他の実施例を示す
ブロック図であり、前記図6に示した方式にVdによる
インフレータの作動要否判断を付加したものであって、
比較器46では、前記積分値差Vdとその変化量Gdと
が入力され、夫々が前記時間関数の第四速度閾値Vs4
及び差分変化閾値Gsと比較され、Vd≧Vs4,Gd
≧Gsのいずれか一方又は双方の条件を満足する場合
に、インフレータの作動が必要と判断し、前記ブロック
17にインフレータの作動指示信号が送信され、前述の
インフレータ作動形態判断回路である比較器12におけ
るΔtと時間差閾値Δtsとの比較によって決定された
インフレータの作動形態信号(K=1又は2)が入力さ
れると、第1,第2インフレータトリガ回路20,21
に、その作動形態に従ってトリガ指示信号を出力する様
になっている。尚、比較器46における比較の結果、V
d<Vs4の場合には、比較器36にてVdが所定の値
と比較され、その結果によってシステムをリセットする
か演算を継続するかが判断される点は、前述の場合と同
一である。
【0043】ここで、Vd≧Vs4とGd≧Gsの条件
のいずれか一方を満足する場合にインフレータの作動が
必要と判断する点は、前述の図5又は図6のケースと同
一であるが、多様な感度設定が可能となる利点があり、
又、両者を共に満足する場合にのみインフレータを作動
させる方式では、二重判断となるので、確実性が向上す
る効果がある。
【0044】次に、図8は、本発明の他の実施例を示す
ブロック図であり、インフレータ作動の要否判断とし
て、前記図7の積分値差Vdによる判断と該積分値差V
dの変化量Gdによる判断に加えて、前記車室内の第一
加速度センサ1に基づく第一時間積分値Vによる判断を
加えたものである。即ち、比較手段48では、前記Vd
とその閾値Vs4との比較、及びGdとその閾値Gsと
の比較に加えて、前記第一時間積分値Vとその時間関数
の閾値として予めブロック16にて設定されている前記
第一速度閾値Vs1との比較がなされ、Vd≧Vs4と
Gd≧Gsの少なくともいずれか一方の条件が満足さ
れ、且つ、V≧Vs1の条件を満足する場合にのみブロ
ック17にインフレータの作動許可信号を出力する様に
している。ブロック17では、前述の作動形態信号(K
=1,2)と、この作動許可信号が入力されると、イン
フレータトリガ回路にトリガ信号を発する事は前述の通
りである。尚、Vd<Vs4の場合は前述の場合と同一
であるので説明は省略する。
【0045】ここで、第一時間積分値Vに基づく判断を
併用したのは、該第一時間積分値Vに対する第一速度閾
値Vs1の値を比較的低い値に設定しておく事により、
実質的に前記VdとGdによって判断がなされる様にな
すと共に、これらVd,Gdによる誤作動を防止する意
味がある。
【0046】次に、図9は、本発明の他の実施例を示す
ブロック図であり、インフレータ作動要否判断の他の例
を示すものであって、上述の図7,8の例では、Vdを
時間関数の閾値と比較していたが、本例では、第一時間
積分値Vの関数として定められた速度関数の閾値と比較
する点に特徴がある。即ち、図9において、減算手段9
で得られた前記V’とVとの差Vdを、比較器52に送
信し、一方、ブロック54には、前記第一時間積分値V
が入力されて該第一時間積分値Vの関数として予め定め
られている第五速度閾値Vs5(=f(V))を演算
し、この第五速度閾値Vs5を比較器52に送信する。
この比較器52で両者を比較し、前記積分値差が該第五
速度閾値以上(Vd≧Vs5)の場合には、インフレー
タのトリガ許可信号をブロック17に送信する。尚、前
記積分値差が前記第五速度閾値未満の場合(Vd<Vs
5)には、Vdは比較手段36に送信されて、ゼロ
(0)或いはその近傍の数値に予め設定されている値と
比較され、Vd<0(又はゼロ近傍の設定値)の場合に
は、システムリセット回路19に信号が送られてシステ
ムはリセットされ、Vd≧0(又はゼロ近傍の設定値)
の場合には、演算が継続される点は前述の場合と同一で
ある。
【0047】次に、本実施例における上記速度関数の閾
値Vs5とVdとの比較について以下に述べる。図15
は、各衝突形態におけるVdとVとの関係を示した線図
であり、前記速度関数の第五速度閾値Vs5は、双曲線
状の形をしており、Vd軸側に立ち上がった曲線部d
は、鹿突を判別できる様に設定され、又、そのVの最小
値は、前述の第一速度閾値Vs1と同一レベルの値に設
定されている。一方、V軸側の漸減曲線eは、低速正突
を判別できる様に設定されている。この判断方式による
と、閾値を時間関数ではなく第一時間積分値Vの関数と
する事により、時間に関係なく安定した判断結果を得る
事ができる様になる。
【0048】次に、図10は、本発明の他の実施例を示
すブロック図であり、インフレータ作動要否の判断とし
て、図9の積分値差Vdと速度関数の第五速度閾値Vs
5との比較に加えて、前述の積分値差の変化量Gdと前
記差分変化閾値Gsとの比較を加えたものである。即
ち、図10において、比較器56には、前記積分値差V
dと第五速度閾値Vs5及び前記差分変化量Gdと差分
変化閾値Gsとが夫々入力され、ここで夫々の比較がな
されて、Vd≧Vs5及びGd≧Gsの条件のいずれか
一方又は双方の条件を満足する場合に、ブロック17に
インフレータのトリガ許可信号を送信する様にしたもの
である。尚、Vd<Vs5の場合には、そのときのVd
の値に応じてシステムリセット回路19を作動させてシ
ステムをリセットしたり、演算を継続させる事は前述の
場合と同一である。
【0049】この様に、時間に依存しない安定性を有す
る速度関数の第五速度閾値Vs5による判断に加えて、
前記時間関数の差分変化閾値GsとGdとの比較を併用
するのは、その判断の幅を広げて信頼性を高めるもので
あるが、一方、両者の条件を共に満足する場合にのみイ
ンフレータの作動を許可する様になすと、前記図14に
示した様に、Gdとその差分変化閾値Gsとの比較の場
合には、高速正突や高速斜突の様な重大な衝突を早期に
判断できるので、衝突の重大性の早期判断に加えて、速
度関数閾値による確実性が加味され、一層信頼性の高い
衝突判定が可能となる。
【0050】次に、図11は、インフレータの作動要否
判断の更に他の例を示すものであって、図10に示した
前記積分値差Vdと速度関数の第五速度閾値Vs5との
比較に代えて、前記第二時間積分値V’を第一時間積分
値Vの関数として設定された前記第三速度閾値Vs3
(=f(V))を用いたものである。即ち、時間積分手
段6で時間積分された第一時間積分値Vをブロック32
に送信して該第一時間積分値Vの関数として予め設定さ
れている第三速度閾値Vs3を演算し、比較器58に送
信する。一方、比較器58には、前記積分器6’から第
二時間積分値V’が送信され、又、ブロック10からは
前記差分変化量Gdが送信され、又、ブロック42から
は差分変化閾値Gsが夫々入力されており、ここで、第
二時間積分値V’と速度関数の前記第六閾値Vs3との
比較及び前記差分変化量Gdとその時間関数の閾値Gs
との比較とがなされ、Gd≧Gs及びV’≧Vs3の2
つの条件の内、いずれか一方又は双方の条件を満足した
場合に、インフレータの作動許可信号をブロック17に
出力する様になっている。この意味から、V’とVs3
との比較のみでインフレータの作動要否の判断を行う事
も可能であるが、本例では、GdとGsとの比較及び
V’とVs3との比較の2種類の比較を行う場合につい
て記載している。
【0051】前記比較器58の比較の結果、V’<Vs
3の場合には、V’の値が比較器30に送信され、V’
はゼロ(0)或いはその近傍の数値に予め設定されてい
る値と比較され、V’<0(又はゼロ近傍の設定値)の
場合には、システムリセット回路19に信号が送られて
システムはリセットされ、V’≧0(又はゼロ近傍の設
定値)の場合には、演算が継続される。即ち、図5〜1
0においては、システムをリセットするか演算を継続す
るかを、その時のVdの値で判断していたが、本例で
は、V’の値で判断する様にしている。この判断に、V
dを用いるかV’を用いるか、或いは図1〜3に示す様
にVを用いるかは任意であり、システム設計上容易な方
を選定すればよい。この意味から、その時のGdの値を
以て、システムをリセットするか演算を継続するかを判
断する様になす事も可能である。
【0052】この図11の場合も、図10の場合と同様
に時間に依存しない安定性を有する速度関数の閾値Vs
3による判断に加えて、時間関数の差分変化閾値Gsと
Gdとの比較を併用しているので、判断領域が広がって
判断能力が高くなる効果がある。又、両者の条件を共に
満足する場合にのみインフレータに作動許可信号を発す
る様になすと、高速正突や高速斜突の様な重大な衝突を
早期に判断できると共に、その衝突の重大性の早期判断
に加えて速度関数閾値による確実性が加味されるので、
一層信頼性の高い衝突判定が可能と効果が期待できる。
【0053】以上説明した通り、本発明は、従来の車室
内に設置した第一加速度センサ加えてクラッシュゾーン
にも第二加速度センサを設置し、各衝突形態における両
センサの加速度値の差異に基づいて生じるその積分値と
両積分値の差或いは積分値差の変化量等の特性の差異に
基づいて、インフレータの作動の要否を判断し、又、両
センサーからの加速度信号信号に基づく時間積分値が所
定のレベルに達するまでの時間差によってインフレータ
の作動形態を判断する点に最大の特徴があり、その具体
的な手法としては、図1乃至図11に示した如き種々の
方式が存在するが、本発明は、これらに図示された方式
に限定されるものではなく、本発明の趣旨に沿って、更
に種々の変形例が存在する事はいうまでもない。
【0054】例えば、時間関数の閾値として示した前記
第一速度閾値Vs1,第四速度閾値Vs4には、時間関
数の特殊なケースとして一定値の閾値も含まれ、更に時
間関数の閾値として記載した差分変化閾値Gsも、同様
に一定値の閾値も含まれる。又、図13及び図14に、
各3本の直線として示した時間関数の閾値Vs4,Gs
も、時間関数の曲線となす事も可能であり、逆に、図1
5,16に第一時間積分値Vの関数曲線として示した速
度閾値Vs5及びVs6を、Vの関数の直線の組み合わ
せで置き換える事も可能である。
【0055】又、図3〜11に示したインフレータの作
動形態判断方式は、前記閾値越時間差Δtと時間差閾値
Δtsとの比較による方式のみを示しているが、これ
は、図2に示している様に、このΔtとΔtsとの比較
に加えて、第一時間積分値Vが所定の速度閾値Vsを越
えた閾値越時間tとその時間閾値tsとの比較或いは第
二時間積分値V’が所定の速度閾値Vsを越えた閾値越
時間t’とその時間閾値ts’との比較を併用する方式
を採用する事も可能である。
【0056】更に、図1〜11の実施例では、2つのイ
ンフレータを用いた場合について説明したが、3つ以上
のインフレータを用いる場合においても、同様に本発明
を適用できる事はいうまでもない。この場合に、緩展開
の作動形態では、一部のインフレータのみを作動させる
様になす事も可能である。
【0057】更に、本発明で使用するインフレータは、
独立した複数のインフレータを用いる場合もあるが、1
つのインフレータのハウジング内を複数の独立した燃焼
室に画成し、各燃焼室内に夫々点火装置を配置する事に
より、各燃焼室を独立して作動させる事のできるインフ
レータであってもよく、本発明でいう複数のインフレー
タとは、これら全ての形態を包含し、独立して点火可能
なガス発生部を複数有するインフレータであれば、その
形態が1つに纏められているかいないかに拘らず、本発
明で使用し得る事は言うまでもない。
【0058】
【発明の効果】以上説明した如く、本発明によれば、車
室内とクラッシュゾーンの両方に加速度センサを設置
し、各種衝突形態等において両センサで検出される加速
度信号の特性の差異に基づき、これらの演算値に生じる
特性の差異によって、インフレータの作動の要否を判断
し、又、両加速度センサからの加速度信号信号に基づく
時間積分値が所定のレベルに達するまでの時間差によっ
てインフレータの作動形態を判断する様にしているの
で、車室内に設置した従来の加速度センサのみによる衝
突検知方式では、判断が困難な場合があったラフロー
ド,低速衝突に代表されるソフトクラッシュも容易に判
別が可能となる。特に、クラッシュゾーンに変形が生じ
ないラフロードやアブユースの場合、或いは車体変形の
少ない低速衝突の場合には、両加速度センサの波形は略
同一波形となるので、両者の時間積分値の差は極めて小
さな値となる。従って、この時間積分値の差を、直接的
或いは間接的にエアバッグの作動の要否判断に用いる事
によって、ラフロードや低速衝突等の車体変形の少ない
ソフトクラッシュにおけるエアバッグの誤作動は完全に
防止する事が可能となる。
【0059】又、クラッシュゾーンに設置した第二加速
度センサからの加速度信号に基づく第二時間積分値V’
は、車室内に設置した第一加速度センサからの加速度信
号に基づく第一時間積分値Vに比べて、衝突後の早い時
期に大きな値になるので、このV’自体或いはV’とV
との差Vd又はこの差の変化量Gdを用いて、これを対
応する時間関数の閾値と比較する事により、高速正突や
高速斜突の如き重大な衝突及び車室内加速度センサでは
検知が遅れがちな中速センターポール突も、衝突後の極
めて早い時期に検知可能となるので、エアバッグの展開
の要否(インフレータの作動の要否)を、作動遅れの心
配のない適正なタイミングで判断する事が可能となる。
【0060】又、衝突後の極めて早い時期に衝突が検知
できる事から、複数のインフレータを用い、その作動に
時期差を設けてインフレータの作動形態を制御するため
の演算時間として、衝突検知からインフレータ作動時期
までに充分な時間的余裕が得られるので、インフレータ
作動形態制御のための複雑な演算を行う事も可能とな
り、エアバッグ展開形態を、衝突形態に応じた最適な形
態に制御する事が容易となる。
【0061】更に、閾値を、前記第一時間積分値Vの関
数となす事により、時間に依存しないため、安定した判
断性能をうることが可能となり、前記時間関数の閾値と
併用する事により、早い判断と確実な判断を併せ持った
エアバッグの展開判断システムとなす事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグ装置用インフレータの作動
制御装置の一実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明におけるインフレータの作動形態判断方
式の他の実施例を示すブロック図である。
【図3】本発明におけるインフレータの作動要否判断方
式の他の実施例を示すブロック図である。
【図4】本発明のインフレータの作動要否判断方式の更
に他の実施例を示すブロック図である。
【図5】本発明のインフレータの作動要否判断方式の更
に他の実施例を示すブロック図である
【図6】本発明のインフレータの作動要否判断方式の更
に他の実施例を示すブロック図である。
【図7】本発明のインフレータの作動要否判断方式の更
に他の実施例を示すブロック図である。
【図8】本発明のインフレータの作動要否判断方式の更
に他の実施例を示すブロック図である。
【図9】本発明のインフレータの作動要否判断方式の更
に他の実施例を示すブロック図である。
【図10】本発明のインフレータの作動要否判断方式の
更に他の実施例を示すブロック図である。
【図11】本発明のインフレータの作動要否判断方式の
更に他の実施例を示すブロック図である。
【図12】各種衝突形態等における加速度センサで検出
された加速度値の時間積分値の時間的変化を示す線図で
あり、(A)は車室内に設置した加速度センサからの加
速度値に基づく時間積分値の変化を示す線図,(B)は
クラッシュゾーンに設置した加速度センサからの加速度
値に基づく時間積分値の変化を示す線図である。
【図13】各種衝突形態等における車室内に設置した加
速度センサからの加速度値に基づく時間積分値と、クラ
ッシュゾーンに設置した加速度センサからの加速度値に
基づく時間積分値との差の時間的変化を示す線図であ
る。
【図14】各種衝突形態等における車室内に設置した加
速度センサからの加速度値に基づく時間積分値と、クラ
ッシュゾーンに設置した加速度センサからの加速度値に
基づく時間積分値との差の変化量の時間的変化を示す線
図である。
【図15】各種衝突形態等における車室内に設置した加
速度センサからの加速度値に基づく時間積分値とクラッ
シュゾーンに設置した加速度センサからの加速度値に基
づく時間積分値との差の、車室内に設置した加速度セン
サからの加速度値に基づく時間積分値との関係を示す線
図である。
【図16】各種衝突形態等におけるクラッシュゾーンに
設置した加速度センサからの加速度値に基づく時間積分
値と、車室内に設置した加速度センサからの加速度値に
基づく時間積分値との関係を示す線図である。
【符号の説明】
1 第一加速度センサ(車室内加速度センサ) 2 第二加速度センサ(クラッシュゾーン加速度セン
サ) 3 演算回路 5,5’ オフセット手段 6,6’ 積分手段 12,27 インフレータの展開形態判断のための比較
器 15,24,28,34,44,46,48, 52,56,58 インフレータ作動要否判断のための
比較器 19 リセット回路 20 第1インフレータトリガー回路 21 第2インフレータトリガー回路 22 エアバッグ V 第一時間積分値 V’ 第二時間積分値 Vd V’とVとの差 Gd Vdの時間変化量 Vs1 時間関数の第一速度閾値 Vs2 第二時間積分値V’の関数の第二速度閾値 Vs3 第一時間積分値Vの関数の第三速度閾値 Vs4 時間関数の第四速度閾値 Vs5 第一時間積分値Vの関数の第五速度閾値

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1つのエアバッグに対して複数のインフ
    レータを備え、車両の衝突を検知すると、その衝突の程
    度に応じて前記複数のインフレータの作動を制御する様
    にしてなるエアバッグ装置用作動制御装置において、 車室内に設置されて、該設置部の加速度(G)を常時検
    出する第一加速度センサ(1)と、 車体の前部クラッシュゾーンに設置されて、該設置部の
    加速度(G’)を常時検出する第二加速度センサ(2)
    とを有し、 該第一加速度センサ(1)からの加速度信号(G)が所
    定の値(G1)を越えた時点から該加速度センサ(G)
    に基づく演算を開始し、又、前記第二加速度センサ
    (2)からの加速度信号(G’)が所定の値(G1’)
    を越えた時点から該加速度センサ(G’)に基づく演算
    を開始し、 前記第一加速度センサ(1)からの加速度信号(G)に
    基づいて時間積分された第一時間積分値(V),前記第
    二加速度センサ(2)からの加速度信号に基づいて時間
    積分された第二時間積分値(V’),該第二時間積分値
    と第一積分値との積分値差(Vd=V’−V)或いはこ
    れらと前記積分値差の変化量(Gd=d(Vd)/d
    t)の各種衝突形態における特性の差異に基づき、これ
    らを適宜組み合わせて、前記複数のインフレータの作動
    要否の判断を行い、 前記第一加速度センサ(1)に基づく演算が開始された
    後、前記第一時間積分値(V)が所定の値(Vs)を越
    えるまでに要した時間(t)と、前記第二加速度センサ
    (2)に基づく演算が開始された後、前記第二時間積分
    値(V’)が所定の値(Vs)を越えるまでに要した時
    間(t’)との差(Δt)を求め、該時間差(Δt)の
    大小により、前記複数のインフレータの作動形態を判断
    する様にしてなる事を特徴とするエアバッグ装置用イン
    フレータの作動制御装置
  2. 【請求項2】 前記インフレータの作動形態は、エアバ
    ッグを穏やかに展開させる緩展開とエアバッグを急速に
    展開させる急展開の2種類からなり、前記時間差(Δ
    t)が、所定の時間差閾値(Δts)未満(Δt<Δt
    s)の場合には急展開の作動形態を選択し、該閾値以上
    (Δt≧Δts)の場合には緩展開を選択する様にして
    なる請求項1に記載のエアバッグ装置用インフレータの
    作動制御装置
  3. 【請求項3】 前記時間差閾値(Δts)が、時間関数
    の閾値である請求項2に記載のエアバッグ装置用インフ
    レータの作動制御装置
  4. 【請求項4】 前記時間差閾値(Δts)が、時間と共
    に減少する時間関数の閾値である請求項3に記載のエア
    バッグ装置用インフレータの作動制御装置
  5. 【請求項5】 前記インフレータの作動形態は、エアバ
    ッグを穏やかに展開させる緩展開とエアバッグを急速に
    展開させる急展開の2種類からなり、前記時間差(Δ
    t)が、所定の第一時間差閾値(Δts1)未満であっ
    て且つ第二時間差閾値(Δts2)以上(Δts2≦Δ
    t<Δts1)の場合には急展開の作動形態を選択し、
    前記第一時間差閾値以上(Δt≧Δts1)の場合には
    緩展開を選択する様にしてなる請求項1に記載のエアバ
    ッグ装置用インフレータの作動制御装置
  6. 【請求項6】 前記インフレータの作動形態は、エアバ
    ッグを穏やかに展開させる緩展開とエアバッグを急速に
    展開させる急展開の2種類からなり、前記時間差(Δ
    t)が、所定の時間差閾値(Δts)未満(Δt<Δt
    s)であって且つ前記第一加速度センサ(1)に基づく
    演算が開始された後の前記第一時間積分値(V)が所定
    の値(Vs)を越えるまでに要した時間(t)が、所定
    の時間閾値(ts)未満(t<ts)の場合には、急展
    開の作動形態を選択し、前記時間差が所定の時間差閾値
    以上(Δt≧Δts)又は前記第一時間積分値が前記所
    定の値を越えるまでに要した時間(t)が前記時間閾値
    (ts)以上(t≧ts)の場合には、緩展開を選択す
    る様にしてなる請求項1に記載のエアバッグ装置用イン
    フレータの作動制御装置
  7. 【請求項7】 前記インフレータの作動形態は、エアバ
    ッグを穏やかに展開させる緩展開とエアバッグを急速に
    展開させる急展開の2種類からなり、前記時間差(Δ
    t)が、所定の時間差閾値(Δts)未満(Δt<Δt
    s)であって且つ前記第二加速度センサ(2)に基づく
    演算が開始された後の前記第二時間積分値(V’)が所
    定の値(Vs’)を越えるまでに要した時間(t’)
    が、所定の時間閾値(ts’)未満(t’<ts’)の
    場合には、急展開の作動形態を選択し、前記時間差が所
    定の時間差閾値以上(Δt≧Δts)又は前記第二時間
    積分値が前記所定の値を越えるまでに要した時間
    (t’)が前記時間閾値(ts’)以上(t’≧t
    s’)の場合には、緩展開を選択する様にしてなる請求
    項1に記載のエアバッグ装置用インフレータの作動制御
    装置
  8. 【請求項8】 前記緩展開は、前記複数のインフレータ
    のうち一部のインフレータのみを作動させてエアバッグ
    を穏やかに展開させ、前記急展開は、全てのインフレー
    タを同時に又は点火タイミングを微小時間ずらして点火
    する事によりエアバッグを急速に展開する様にしたもの
    である請求項2乃至7のいずれかに記載のエアバッグ装
    置の作動制御装置
  9. 【請求項9】 前記緩展開は、前記複数のインフレータ
    の点火タイミングをずらす事によってエアバッグを穏や
    かに展開させ、前記急展開は、該複数のインフレータの
    全てを同時に点火してエアバッグを急速に展開する様に
    したものである請求項2乃至7のいずれかに記載のエア
    バッグ装置用インフレータの作動制御装置
  10. 【請求項10】 前記緩展開は、前記複数のインフレー
    タの各点火タイミング差を長くする事によってエアバッ
    グを穏やかに展開させ、前記急展開は、該各インフレー
    タの点火タイミング差を短くする事によってエアバッグ
    を急速に展開する様にしたものである請求項2乃至7の
    いずれかに記載のエアバッグ装置用インフレータの作動
    制御装置
  11. 【請求項11】 前記インフレータは、第1インフレー
    タと第2インフレータとの2つからなる請求項1乃至1
    0のいずれかに記載のエアバッグ装置用インフレータの
    作動制御装置
  12. 【請求項12】 前記第一時間積分値(V)を、前記イ
    ンフレータの作動の要否を判断するための所定の時間関
    数の第一速度閾値(Vs1)と比較し、該第一時間積分
    値が該閾値以上(V≧Vs1)の場合には、別途選定さ
    れたインフレータの作動形態に従って該インフレータを
    作動させる様にしてなる請求項1乃至11のいずれかに
    記載のエアバッグ装置用インフレータの作動制御装置
  13. 【請求項13】 前記第一時間積分値(V)を、前記イ
    ンフレータの作動の要否を判断するための第二速度閾値
    (Vs2)と比較し、該第一時間積分値が該閾値以上
    (V≧Vs2)の場合には、別途選定されたインフレー
    タの作動形態に従って該インフレータを作動させる様に
    なすと共に、前記第二加速度センサ(2)からの加速度
    信号(G’)に基づいてインフレータの作動要否演算回
    路(25)にて所定の演算を行う事により該インフレー
    タの作動要否の一次判断を行い、この判断結果に基づい
    て、前記第二速度閾値(Vs2)の値を変化させる様に
    してなる請求項1乃至11のいずれかに記載のエアバッ
    グ装置用インフレータの作動制御装置
  14. 【請求項14】 前記第二加速度センサ(2)からの加
    速度信号(G’)に基づくインフレータの作動要否演算
    回路(25)によるインフレータ作動要否の一次判断の
    結果が、作動“要”の場合には、前記第二速度閾値(V
    s2)の値を相対的に下げる様に変化させ、一方、作動
    “不要”と判断された場合には、前記第二速度閾値(V
    s2)の値を相対的に上げる様に変化させる様にしてな
    る請求項13に記載のエアバッグ装置用インフレータの
    作動制御装置
  15. 【請求項15】 前記第二時間積分値(V’)を、前記
    インフレータの作動の要否を判断するための前記第一時
    間積分値(V)の関数の第三速度閾値(Vs3)と比較
    し、該第二時間積分値が該閾値以上(V’≧Vs3)の
    場合には、別途選定されたインフレータの作動形態に従
    って該インフレータを作動させる様にしてなる請求項1
    乃至11のいずれかに記載のエアバッグ装置用インフレ
    ータの作動制御装置
  16. 【請求項16】 前記積分値差(Vd)を、時間関数の
    所定の第四速度閾値(Vs4)と比較し、該積分値差が
    該閾値以上の場合(Vd≧Vs4)には、別途選定され
    たインフレータの作動形態に従って該インフレータを作
    動させる様にしてなる請求項1乃至11のいずれかに記
    載のエアバッグ装置用インフレータの作動制御装置
  17. 【請求項17】 前記積分値差の変化量(Gd)を、時
    間関数の所定の差分変化閾値(Gs)と比較し、該変化
    量が該閾値以上の場合(Gd≧Gs)には、別途選定さ
    れたインフレータの作動形態に従って該インフレータを
    作動させる様にしてなる請求項1乃至11のいずれかに
    記載のエアバッグ装置用インフレータの作動制御装置
  18. 【請求項18】 前記積分値差(Vd)を、前記第四速
    度閾値(Vs4)と比較し、 前記積分値差の変化量(Gd)を、前記差分変化閾値
    (Gs)と比較し、 前記積分値差が前記第四速度閾値以上(Vd≧Vs4)
    及び前記積分値差の変化量が前記差分変化閾値以上(G
    d≧Gs(t))のいずれか一方又は両方の条件を満足
    した場合には、別途選定されたインフレータの作動形態
    に従って該インフレータを作動させる様にしてなる請求
    項1乃至11のいずれかに記載のエアバッグ装置用イン
    フレータの作動制御装置
  19. 【請求項19】 前記積分値差(Vd)を、前記第四速
    度閾値(Vs4)と比較し、 前記積分値差の変化量(Gd)を、前記差分変化閾値
    (Gs)と比較し、 更に前記第一時間積分値(V)を、前記第一速度閾値
    (Vs1)と比較し、 前記積分値差が前記第四速度閾値以上(Vd≧Vs4)
    及び前記積分値差の変化量が前記差分変化閾値以上(G
    d≧Gs)のいずれか一方又は両方の条件を満足し、且
    つ、前記第一時間積分値が前記第一速度閾値以上(V≧
    Vs1)の場合に、別途選定されたインフレータの作動
    形態に従って該インフレータを作動させる様にしてなる
    請求項1乃至11のいずれかに記載のエアバッグ装置用
    インフレータの作動制御装置
  20. 【請求項20】 前記積分値差(Vd)を、前記第一時
    間積分値(V)の関数として設定された所定の第五速度
    閾値(Vs5)と比較し、該積分値差が該閾値以上(V
    d≧Vs5)の場合に、別途選定されたインフレータの
    作動形態に従って該インフレータを作動させる様にして
    なる請求項1乃至11のいずれかに記載のエアバッグ装
    置用インフレータの作動制御装置
  21. 【請求項21】 前記積分値差(Vd)を、前記第五速
    度閾値(Vs5)と比較し、 前記積分値差の変化量(Gd)を、前記差分変化閾値
    (Gs)と比較し、 前記積分値差が前記第五速度閾値以上(Vd≧Vs5)
    及び前記積分値差の変化量が前記差分変化閾値以上(G
    d≧Gs)のいずれか一方又は両方の条件を満足した場
    合に、別途選定されたインフレータの作動形態に従って
    該インフレータを作動させる様にしてなる請求項1乃至
    11のいずれかに記載のエアバッグ装置用インフレータ
    の作動制御装置
  22. 【請求項22】 前記第二時間積分値(V’)を、前記
    第一時間積分値(V)の関数として設定された所定の第
    三速度閾値(Vs3)とを比較し、 前記積分値差の変化量(Gd)を、前記差分変化閾値
    (Gs)と比較し、 前記第二時間積分値が前記第三速度閾値以上(V’≧V
    s3)及び前記積分値差の変化量が前記差分変化閾値以
    上(Gd≧Gs)のいずれか一方又は両方の条件を満足
    した場合に、別途選定されたインフレータの作動形態に
    従って該インフレータを作動させる様にしてなる請求項
    1乃至11のいずれかに記載のエアバッグ装置用インフ
    レータの作動制御装置
  23. 【請求項23】 前記第一加速度センサ(1)で検出さ
    れた加速度値(G)から予め設定された所定の加速度値
    (G2)を減算し、該減算された値(G3)を時間積分
    して第一時間積分値(V)を演算し、前記第二加速度セ
    ンサ(2)で検出された加速度値(G’)から予め設定
    された所定の加速度値(G2’)を減算し、該減算され
    た値(G3’)を時間積分して第二時間積分値(V’)
    を演算する様にしてなる請求項1乃至22のいずれかに
    記載のエアバッグ装置用インフレータの作動制御装置
  24. 【請求項24】 前記第二加速度センサ(2)と、その
    加速度信号(G’)に基づいて時間成分する時間積分手
    段(6’)までの演算回路を、前記クラッシュゾーンに
    配置してなる請求項1乃至23のいずれかに記載のエア
    バッグ装置用インフレータの作動制御装置
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