JPH11191236A - 対物レンズ駆動装置 - Google Patents

対物レンズ駆動装置

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JPH11191236A
JPH11191236A JP28458298A JP28458298A JPH11191236A JP H11191236 A JPH11191236 A JP H11191236A JP 28458298 A JP28458298 A JP 28458298A JP 28458298 A JP28458298 A JP 28458298A JP H11191236 A JPH11191236 A JP H11191236A
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JP
Japan
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objective lens
lens holder
driving device
pair
protrusion
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JP28458298A
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English (en)
Inventor
Koichi Nagai
井 宏 一 永
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造でありながら、フォーカス方向,
トラッキング方向のみならず、光軸の傾きを発生する2
軸の回転も補正可能とする。 【解決手段】 ディスク1にレーザビームを照射する対
物レンズ6を保持する対物レンズホルダ7の一方の側面
には、円柱部分11a,11bと球体部分12a,12
bとからなる摺動棒9,10が立設されている。また摺
動棒9,10は摺動棒保持体13,14に挿入され、そ
の空間内を摺動可能である。対物レンズホルダ7の他方
の側面には永久磁石15a,15bが固着され、これに
対向する位置にトラッキングコイル16a,16b,1
7a,17bおよびフォーカスコイル18a,18b,
19a,19bが配置されている。これらコイルヘの通
電制御を行うことにより、対物レンズホルダ7をX軸お
よびY軸まわりに揺動させることが可能となるため、対
物レンズ6の光軸の傾きを発生させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスクなどの
情報記録媒体に対する情報の記録・再生時に用いられる
対物レンズ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のとおり、コンパクトディスク(C
D:Compact Disk)やレーザディスク(LD:Laser Dis
k)に代表されるように、レーザ光を用いて情報の再生を
行う光ディスク装置が広く普及している。また最近で
は、光ディスク装置はコンピュータの記憶装置として利
用されるようになっている。
【0003】光ディスクに対する情報の記録・再生を行
う場合、対物レンズを用いて光ディスク面にレーザビー
ムを集束しスポットを形成することにより行う。このス
ポットのサイズが小さければ小さい程、光ディスクに対
する記録密度を高くすることができる。
【0004】一方、前述のスポットサイズをできるだけ
小さな状態に保つためには、対物レンズの光軸が光ディ
スク面に対してできるだけ直角となるように照射し、コ
マ収差が発生しにくい状態となるように制御することが
大切である。
【0005】このような制御を行い得る対物レンズ駆動
装置として、例えば図16に示された構造が知られてい
る。
【0006】同図において、対物レンズ90は、長円状
に湾曲形成された4本のワイヤ92によって、対物レン
ズホルダ91を支持している。そして、対物レンズホル
ダに取り付けた4つのフォーカスコイル94と、2つの
トラッキングコイル93により、フォーカス方向、トラ
ッキング方向のみならず、光軸の傾きを発生する2軸の
回転も補正可能となるように、合計4軸の自由度を実現
している。
【0007】しかしながら、この従来例の構造では、ト
ラッキング方向とフォーカス方向とにぎれぞれ直交する
方向の剛性が極めて弱い。また、4本のワイヤを湾曲状
態に成形する必要があるため、加工精度や取り付け精度
を均一に保つのが難しく、特性が安定した装置を製造し
にくい。また、ワイヤの形状にばらつきが大きいと駆動
特性がアンバランスになり、所望の動作特性を実現する
ことが極めて難しくなり、非実用的でなくなってしま
う。また、可動部内部にヨークが入っているため、可動
部が大型化し、またそのため、コイルの電磁力発生点か
ら対物レンズ位置までの長さも長くなり、剛性が低下し
やすく、高い制御帯域を得るのが難しいという問題があ
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来の対
物レンズ駆動装置は、その構造が複雑であったために装
置の小型化が阻まれ、制御帯域を高くすることができず
高精度の位置決めが困難であった。
【0009】そこで本発明は、簡単な構造でありなが
ら、フォーカス方向,トラッキング方向のみならず、光
軸の傾きを発生する2軸の回転も補正可能に構成された
対物レンズ駆動装置の提供を主目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、光学的情報記録媒体にレーザ光を集束
する対物レンズと、前記対物レンズを保持する対物レン
ズ保持体と、前記対物レンズ保持体に接続され、それぞ
れ逆方向に突設した二対の突起部と、前記対物レンズ保
持体が少なくとも前記対物レンズの光軸方向に移動可能
となるように前記突起部のそれぞれを摺動保持するとと
もに、少なくとも前記突起部をその軸回りに回転可能と
なるように摺動保持する一対の突起保持部とを有する対
物レンズ駆動装置とした。
【0011】なお、前記突起部はその摺動部分が円柱形
状をなすように構成することができる。
【0012】また、前記突起部はその摺動部分が球形状
をなすように構成することができる。
【0013】また、前記突起保持部はその摺動部分が平
板状をなすように構成することができる。
【0014】また、前記突起保持部はその摺動部分が円
柱形状をなすように構成することができる。
【0015】そして、以上のように構成された本発明に
よれば、突起部と突起保持部とが摺動する関係に保持さ
れているため、フォーカス方向,トラッキング方向のみ
ならず、光軸の傾きを発生する2軸の回転も補正可能と
なる。
【0016】更に、本発明は、光学的情報記録媒体にレ
ーザ光を集束する対物レンズと、前記対物レンズを保持
する対物レンズ保持体と、前記対物レンズ保持体に接続
され、それぞれ逆方向に突設した一対の突起部と、前記
対物レンズ保持体が少なくとも前記対物レンズの光軸方
向に移動可能となるように前記突起部のそれぞれを摺動
保持するとともに、少なくとも前記突起部をその軸回り
に回転可能となるように摺動保持する一対の突起保持部
と、前記突起部を前記突起保持部の一側に接触させるた
めの予圧手段とを有すると共に、前記一対の突起部と一
体に運動する部材全体の重心が、前記一対の突起部と突
起保持部との接触点同士を結ぶ線分の中点を通る光軸方
向の直線上に存在する対物レンズ駆動装置とすることが
できる。
【0017】そして、このように構成された本発明によ
れば、光軸の傾きを発生する2軸の回転も補正可能とな
るだけでなく、一対の突起部と一体に運動する部材全体
の重心が、一対の突起部と突起保持部との接触点同士を
結ぶ線分の中点を通る光軸方向の直線上に存在すること
で、光軸方向に対物レンズ保持体を移動させる時に発生
する摩擦力によって対物レンズホルダを回転させる力が
発生しないため、高精度の傾き制御が可能になる。
【0018】なお、前記一対の突起部と一体に移動する
部材全体の重心が、一対の突起部と突起保持部との接触
点同士を結ぶ線分の中点に存在するように構成すること
ができる。
【0019】また、本発明は、光学的情報記録媒体にレ
ーザ光を集束する対物レンズと、前記対物レンズを保持
する対物レンズ保持体と、前記対物レンズ保持体に接続
され、それぞれ逆方向に突設した一対の突起部と、前記
対物レンズ保持体が少なくとも前記対物レンズの光軸方
向に移動可能となるように前記突起部のそれぞれを摺動
保持するとともに、少なくとも前記突起部をその軸回り
に回転可能となるように摺動保持する一対の突起保持部
と、前記突起部を前記突起保持部の一側に接触させるた
めの予圧手段とを有すると共に、前記一対の突起部と一
体に運動する部材全体の重心が、前記一対の突起部と突
起保持部との接触点同士を結ぶ線分の中点と、前記一対
の突起部の前記接触点を含む横断面における中心同士を
結ぶ線分の中点との間を通る光軸方向の直線上に存在す
る対物レンズ駆動装置とすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を説明する。
【0021】図1は対物レンズ駆動装置を搭載した光デ
ィスク装置の側面図、図2は本発明に係る対物レンズ駆
動装置を示す斜視図、図3は対物レンズ保持体を示す斜
視図、図4は対物レンズ保持体に近接して設けられるヨ
ークおよびコイルを示す斜視図である。
【0022】情報の記録再生に供されるディスク1(光
ディスク,光磁気ディスクなどの光学的情報記録手段)
は、図示しないべースに固定されたスピンドルモータ2
に対してマグネットチャック等のチャッキング手段によ
り保持されており、記録再生時にはこのスピンドルモー
タ2によって安定に回転駆動される。
【0023】ディスク1に照射するためのレーザ光を生
成する半導体レーザや、フォトディテクタ,コリメート
レンズ,集光レンズ,偏向プリズムなどは光学ユニット
3の内部に配置され、光学ヘッド4上に搭載されてい
る。
【0024】図示しない半導体レーザより発せられたレ
ーザ光は、コリメートレンズ,偏向プリズムを介して光
学ユニット3から出力される。このレーザ光は、立ち上
げミラー5の反射ミラー面で90°方向に向きを変え、
光学ヘッド4の上部に配置された対物レンズ6に導かれ
る。そして、この対物レンズ6よりディスク1内部の記
録面上にレーザ光を集光させ焦点を形成する。またディ
スク1からの反射光は、対物レンズ6に戻り、立ち上げ
ミラー5を経由し、光学ユニット3内の偏向プリズム等
を透過して図示しないフォトディテクタに戻される。
【0025】なお、ディスク1の記録トラック上にレー
ザ光を集光させる対物レンズ6は、対物レンズホルダ
(対物レンズ保持体)7の中央空間内に固定されている。
対物レンズホルダ7はプラスチック等の樹脂から成形さ
れている。
【0026】対物レンズホルダ7の一方の側面(図2中
の左右の面)には、対物レンズ6を挟んで対称な位置の
関係に、対物レンズ6の光軸(Z方向)に対して垂直な方
向(X方向)に長尺な摺動棒(突起部)9,10が立設され
ている。摺動棒9,10は、対物レンズホルダ7の側面
から突設する円柱部分11a,11bと、円柱部分11
a,11bの先端に設けられた球体部分12a,12b
とから構成されている。球体部分12a,12bの直径
の方が、円柱部分11a,11bの直径よりも大きくな
るように製作されている。
【0027】そして、2本の摺動棒9,10の球体部分
12a,12bの中心同士を結んだ線分の中点が、対物
レンズ6の光軸と交差するように設定されている。同時
に、この中点が、対物レンズ6,対物レンズホルダ7等
を含む、2本の摺動棒9,10と一体に運動する部材全
体(可動部)の重心となるように設定されている。な
お、摺動棒9,10は対物レンズホルダ7と一体的に形
成することが可能であるが、両者を別々に製作した後に
接着等の手段により固定してもよい。
【0028】一方、図示しないべース側には摺動棒保持
体(突起保持部)13,14が固定されている。それぞれ
の摺動棒保持体13,14は、所定距離だけ離間した状
態で平行に配置された2枚の規制部材13a,13b,
14a,14bからなっている。
【0029】そして摺動棒9,10は、これら摺動棒保
持体13,14が形成する空間内に挿入されており、ち
ょうど球体部分12a,12bが2枚の規制部材13
a,13b,14a,14bと接触する関係となってい
る。球体部分12a,12bと2枚の規制部材13a,
13b,14a,14bとの間には若干の隙間が設定さ
れており、これによって摺動棒9,10は2枚の規制部
材13a,13b,14a,14bの間を摺動移動する
ことが可能となっている。
【0030】なお、摺動棒9,10が摺動棒保持体1
3,14内からZ方向に離脱することを防止するため
に、摺動棒保持体13、14の上下面にはカバー24,
25が設けられている。また、摺動棒9,10が摺動捧
保持体13,14内からX方向に離脱することを防止す
るために、2つの摺動棒保持体13,14の間隔は所定
長さに設定されている。
【0031】一方、対物レンズホルダ7の他方の側面に
は、対物レンズ6を挟んで対称な位置の関係に、永久磁
石15a、15bが固着されている。永久磁石15a,
15bは、互いに対向する方向にそれぞれN極とS極が並
ぶように着磁されている。永久磁石15a,15bは対
物レンズホルダ7の側面からやや突出した状態で固着さ
れており、磁気ギャップを介して一対のトラッキングコ
イル16a,16b,17a,17bおよびフォーカス
コイル18a,18b,19a,19bと対向してい
る。
【0032】トラッキングコイル16a,16b,17
a,17bおよびフォーカスコイル18a,18b,1
9a,19bは、図示しないべ一スに固定されたヨーク
20,21に巻装されており、これらコイル16a,1
6b,17a,17b,18a,18b,19a,19
bは、永久磁石15a,15bおよびヨーク20,21
とともに磁気回路を形成している。そして、対物レンズ
ホルダ7に搭載された永久磁石15a,15bとヨーク
20,21との吸引力により、対物レンズホルダ7は中
立位置に保持される。
【0033】ここで、例えば永久磁石15a,15bと
ヨーク20,21との距離を非対称に設定することによ
り、吸引力がアンバランスになる。すると摺動棒9,1
0は吸引力が強い側の規制部材13a,13b,14
a,14bに強く押し付けられるようになり、摺動棒
9,10と摺動棒保持体13,14とのクリアランスに
よるガタの影響を極力防止することができ、安定した接
触状態を保つことができるようになる。
【0034】また、対物レンズホルダ7の動作時には、
永久磁石15a,15bとヨーク20,21とが相対速
度を持つことにより、ヨーク20,21中に渦電流が発
生する。この渦電流が減衰効果を生起し、対物レンズ6
に作用する不要な振動が抑制される。
【0035】図4には、ヨーク20,21にトラッキン
グコイルおよびフォーカスコイル16a,16b,17
a,17b,18a,18b,19a,19bを巻装す
る製作手順が示されている。ヨーク20,21は磁性体
からなり、図4(a)に示すように表面に凹凸を有する形
状に一体成形されている。
【0036】図4(b)はヨーク20,21にフォーカス
コイル18a,18b,19a,19bのみを巻装した
状態、図4(c)はヨーク20,21にさらにトラッキン
グコイル16a,16b,17a,17bを巻装した状
態を示している。具体的には、それぞれのコイルは図4
(a)に示された中間部位20a,20b,21a,21
bまわりに、90°異なる方向に巻装されている。
【0037】そして、このようにコイルが巻装されたヨ
ーク20,21は裏返しの状態で図2に示す如く位置決
めされる。なお、巻装されたコイルは係止部位22a,
22b,22c,22d,23a,23b,23c,2
3dに保持されているため、ヨーク20,21を裏返し
た状態でもヨーク20、21から脱落することはない。
【0038】さらに、対物レンズ6の光軸とディスク1
の垂線との傾き(チルト)量を検出するために、光学ヘッ
ド4には、2つのチルトセンサ26,27が搭載されて
いる。チルトセンサ26は対物レンズホルダ7の位置検
出を行い、またチルトセンサ27はディスク1の位置検
出を行う。
【0039】これらチルトセンサ26,27はそれぞ
れ、例えばLED(Laser Emitted Diode )からなる1つ
の発光素子と、PD(Photo Detector)からなる4つの
受光素子、および集光レンズから構成される。そして発
光素子から出射した光が披測定物(例えばディスク1)で
反射し、ディスクの傾きによって4つの受光素子に入射
する光量が変化するのを利用する方法等が採用される。
なお、チルトセンサとしてはこの方法に限らず、例えば
特開平6-28694号公報記載の技術や特開平3-13
7831号公報記載の技術等を採用することも可能であ
る。
【0040】このように構成された対物レンズ駆動装置
によれば、光学ユニット3内のフォトディテクタに取り
込まれた反射光から、記録情報信号,フォーカスオフセ
ット信号,トラックオフセット信号等が生成される。そ
して、フォーカスオフセット信号を用いることにより対
物レンズ6のフォーカス方向の位置ズレが検出され、こ
の位置ズレを補正するようにフォーカスコイル18a,
18b,19a,19bに所定の電流を流す制御動作を
行う。また、トラックオフセット信号を用いることによ
り対物レンズ6のトラック方向の位置ズレが検出され、
この位置ズレを補正するようにリニアモータコイル(光
学ヘッド4を直線駆動するためのコイル:図示せず)およ
びトラッキングコイル16a,16b,17a,17b
に電圧を加えて制御動作を行う。ここで、フォーカスコ
イル18a,18b,19a,19bのそれぞれの駆動
力をFfa,Ffb,Ffc,Ffdとすると、フォー
カス駆動力FFは次式で表現される。 FF=Ffa+Ffb+Ffc+Ffd … (1) そして、このフォーカス駆動力FFを利用して対物レン
ズ6を光軸方向(Z軸方向)に移動させることにより、デ
ィスク1上にレーザ光の焦点を結ばせることができる。
【0041】一方、4つのトラッキングコイル16a,
16b,17a,17bの駆動力の合力を利用すること
により、対物レンズ6の光軸方向と直交し、摺動棒9,
10と平行な方向(X軸方向)に、対物レンズ6を移動さ
せることができ、レーザ光の焦点をディスク1上の所望
のトラックに一致させることができる。
【0042】また、上述のチルトセンサ26,27から
検出されたチルトエラー信号を用いることにより、対物
レンズ6の光軸とディスク1の垂線との相対的な角度差
が検出される。そして、この角度差がゼロとなるように
フォーカスコイル18a,18b,19a,19bに所
定の電流を流す制御動作を行う。
【0043】具体的には、図2においてフォーカスコイ
ル18a,19aとフォーカスコイル18b,19bと
を組として、それぞれ異なる向きに電流制御することに
より、対物レンズホルダ7には摺動棒9,10まわりの
偶力が発生し、対物レンズ6の光軸をX軸まわりに揺動
させることができる。
【0044】また、フォーカスコイル18a,18bと
フォーカスコイル19a,19bとを組として、それぞ
れ異なる向きに電流制御することにより、対物レンズホ
ルダ7には永久磁石15a,15bの着磁方向まわりの
偶力が発生し、対物レンズ6の光軸をY軸まわりに揺動
させることができる。
【0045】ここで、X軸まわりの回転力θXは次式で
表される。 θX=(Ffa+Ffc)−(Ffb+Ffd) … (2) また、Y軸まわりの回転力θYは次式で表される。 θY=(Ffa+Ffb)−(Ffc+Ffd) … (3) なお、X軸まわりの回転がタンジェンシャル(ジッタ)
方向チルト、Y軸まわりの回転がラジアル方向チルトに
相当する。
【0046】式(2)、(3)に示した関係を利用してフォ
ーカスコイル18a,18b,19a,19bを制御す
ることにより、対物レンズ6の光軸を任意の方向に傾け
ることができる。したがって、対物レンズ6はその光軸
をX軸とY軸の2軸まわりに回転し得る自由度を確保す
ることができ、対物レンズ6の光軸がディスク1面に対
して常に直角な状態を保持するよう、対物レンズ6を位
置決めできるようになる。そして、対物レンズ駆動装置
の制御帯域を高くすることにより、対物レンズのコマ収
差を低減させることができ、高精度な位置決めが容易に
可能となる。
【0047】対物レンズ6,対物レンズホルダ7等を含
む上記可動部の重心は、対物レンズ6のディスク1側焦
点に対する節点位置になるべく近づける方がよく、両者
を一致させるのが最も好ましい。このような構成を採用
すれば、対物レンズホルダ7のチルト動作をさせてもデ
ィスク1上のレーザ光の焦点位置が移動せず、チルト動
作とトラッキングのクロストークがなくなりサーボを行
い易くなる。
【0048】なお、許容クロストーク量は制御系の設計
などによって決まり、また許容クロストーク量に基づい
てディスク1側節点と重心位置の偏差が決まる。タンジ
ェンシャル方向(Y方向)に関するクロストークの許容量
は、ディスクヘの記録信号や再生信号のジッタに影響を
与えない程度に決定される。
【0049】本実施形態では、上述したように、摺動棒
9,10の球体部分12a,12bの中心同士を結ぶ線
分の中点に重心が存在する。このため、フォーカス方向
に対物レンズホルダ7が移動する際、2つの摺動棒9,
10で発生する摩擦力によるY軸まわりのモーメントが
キャンセルされ、Y軸まわりのチルトサーボに影響を与
えない。また、球体部分12a,12bと摺動棒支持体
13,14との接触点の摩擦力を十分小さくできる場合
には、X軸まわりのモーメントも重心と接触点との距離
が小さいので無視できる。
【0050】また摺動棒9,10の先端が球体(球体部
分12a,12b)となっているため、対物レンズホル
ダ7がラジアル方向に変位しても、摺動棒9,10と規
制部材13a,13b,14a,14bとの摩擦力の位
置が、可動部の重心に対して変化せず、摩擦力によるチ
ルトが発生しないという効果がある。また、対物レンズ
ホルダ7がY軸まわりに傾いた状態でトラッキング方向
(X方向)に移動する場合にも、2つの球体部分12a、
12bによって発生する摩擦力によるY軸まわりのモー
メントはキャンセルされる。
【0051】また、重心に対して、永久磁石15a,1
5b、トラッキングコイル16a,16b,17b,1
7bおよびフォーカスコイル18a,18b,19a,
19bを対称な関係に配置しているため、フォーカス方
向およびトラッキング方向に駆動力を与える時に発生す
る、チルト駆動に対するクロストークが抑制される。
【0052】続いて、図5を参照して本発明の第2実施
形態を説明する。なお、以下の各実施形態において第1
実施形態と同一構成要素には同一符号を付し、重複する
説明を省略する。
【0053】図5は第2実施形態に係る対物レンズ駆動
装置の、対物レンズ保持体を示す斜視図である。同図に
示されるように、本実施形態の特徴部分は摺動棒9,1
0の形状にある。ここでは摺動棒9,10は円柱部分1
1a,11bのみから構成されている。
【0054】一方、摺動棒保持体13,14を構成する
規制部材13a,13b,14a,14bは円柱状に形
成されており、摺動棒9,10とは点接触の関係となっ
ている。また、新たに規制部材13c,14cが設けら
れ、摺動棒9、10がX軸方向に離脱するのを防止して
いる。なお、本実施形態の構造を理解し易くするため
に、図5ではカバー24のみ示しカバー25は省略して
ある。
【0055】このような構造の本実施形態においても、
第1実施形態と同様の自由度、すなわち対物レンズホル
ダ7のX軸,Z軸方向の並進、X軸,Y軸まわりの回転
の4自由度が確保される。そして、対物レンズ6のチル
ト補正を容易に行うことができる。
【0056】続いて図6を参照して本発明の第3実施形
態を説明する。図6は第3実施形態に係る対物レンズ駆
動装置の、対物レンズ保持体を示す斜視図である。同図
に示されるように、本実施形態の特徴部分も摺動棒9,
10の形状にある。具体的には、摺動棒9,10は円柱
部分11a,11bと、円柱部分11a,11bの先端
に設けられた第2の円柱部分28a,28bとから構成
されている。
【0057】ここで、円柱部分11a,11bと第2の
円柱部分28a,28bとは、互いの中心軸がちょうど
90゜に交差する関係に設定されている。第2の円柱部
分28a,28bの直径の方が、円柱部分11a,11
bの直径よりも大きくなるように製作されている。した
がって、第1実施形態と同一形状の摺動棒保持体を用い
た場合、対物レンズホルダ7のX軸まわりの揺動が規制
されることになる。そして、対物レンズホルダ7は実質
的にX軸,Z軸方向の並進、Y軸まわりの回転の3自由
度のみ有することになる。
【0058】このような対物レンズ駆動装置は、ディス
クの直径が比較的大きく、ディスクの自重による撓みが
大きい場合に有効に作用する。すなわち、ディスクの撓
みはタンジェンシャル方向のチルト成分と同じ方向の変
形であるため、問題となるのはラジアル方向のチルト成
分のみとなるためである。もちろん、直径が小さいディ
スクであっても、既に反り等が生じているディスクに対
しては本実施形態は有効である。
【0059】続いて図7を参照して本発明の第4実施形
態を説明する。図7は第4実施形態に係る対物レンズ駆
動装置の、対物レンズ保持体を示す斜視図である。同図
に示されるように、本実施形態の特徴部分も摺動棒9,
10の形状にある。具体的には、摺動棒9,10は直方
体に形成されており、これが図示しない摺動棒保持体と
摺動する構成となっている。なお、摺動棒保持体は図2
や図5に示された構造のものを利用することが可能であ
る。
【0060】このような構成の摺動棒9,10を用いた
場合には、対物レンズホルダ7はX軸まわりの回転が規
制される。したがって対物レンズホルダ1は第3実施形
態と同様に、実質的にX軸,Z軸方向の並進、Y軸まわ
りの回転の3自由度のみ有することになる。
【0061】なお、以上の第1乃至第4実施形態で説明
した摺動棒9,10および摺動棒保持体13,14を個
別に組み合わせて使用することも可能である。例えば摺
動棒9,10が円柱形状、摺動棒保持体13,14が平
板状であってもよい。
【0062】続いて、図8乃至図15を参照して本発明
の第5実施形態を説明する。なお、本実施形態において
も、第1実施形態と同一構成要素には同一符号を付し、
重複する説明を省略する。
【0063】図8は第5実施形態に係る対物レンズ駆動
装置の斜視図、図9は当該駆動装置を、一部水平断面で
示す平面図、図10は対物レンズ保持体を示す斜視図、
図11は可動部の重心位置等を示すための、接触点にお
ける球体部分の横断面図、図12は対物レンズ保持体に
近接して設けられる予圧手段の一部を兼たヨークおよび
コイルを示す斜視図、図13乃至図15は対物レンズ保
持体に近接して設けられるヨークおよびコイルを示す斜
視図である。
【0064】図8及び図9に示すように、対物レンズホ
ルダ7の側面から突出した摺動棒9,10は、摺動棒保
持体13,14が形成する空間内に挿入され、後述する
予圧手段によって、摺動棒9,10の球体部分12a,
12bが摺動棒保持体13,14の規制部材(摺動板)
13a,14aに接する方向(図8及び図9の対物レン
ズホルダ7上に付された矢印の方向)に付勢されてい
る。
【0065】また、本実施形態においては、図9乃至図
11に示すように、対物レンズ6、対物レンズホルダ7
等を含む一対の摺動棒9,10と一体に運動する部材全
体(可動部)の重心Gは、一対の摺動棒9,10の球体
部分12a,12bと摺動棒保持体13,14の摺動板
13a,14aとの接触点C同士を結ぶ線分の中点に存
在している。なお、可動部の重心Gは、上記接触点C同
士を結ぶ線分の中点を通る光軸方向の直線上にあればよ
いが、上記のように接触点C同士を結ぶ線分の中点に存
在しているのが最も好ましい。
【0066】この場合も、可動部の重心Gは対物レンズ
6のディスク1側焦点に対する節点位置になるべく近づ
ける方がよく、両者を一致させるのがもっとも好まし
い。
【0067】また、可動部の重心Gは、永久磁石15
a,15bとの関係で対称の中心にあるほうが、コイル
の駆動力比を1にできるため制御がしやすい。一方、図
9に示すように、一対の摺動棒9,10の軸線(球体部
分12a,12bの中心O同士を結ぶ線)は、XY平面
内で対物レンズの光軸より永久磁石15b側にずれてい
る。そこで、対物レンズホルダ7の永久磁石15a側の
側面を、永久磁石15b側の側面に比べ突出させること
で、可動部の重心Gが対物レンズ6の光軸A上にあるよ
うにしている(図10参照)。
【0068】ここで、上記摺動板13a,14aとこれ
に対向する規制部材13b,14bとの間には、摺動棒
9,10の球体部分12a,12bの直径より若干広い
隙間が設定されている。このことにより、上記予圧手段
による付勢力を上回る衝撃加速度が加わっても、摺動棒
9,10の球体部分12a,12bがY方向に離脱する
ことなく、摺動板13a,14a上を移動することが可
能になっている。また、摺動棒保持体13,14には、
球体部分12a,12bのX方向の動作距離が制限する
ためのストッパ28a,28bが設けられている。
【0069】なお、少なくとも、球体部分12a,12
bと摺動板13a,14aとの接触部分は、摩擦が少な
いことが求められるため、表面を滑らかにするととも
に、例えば、一方を潤滑材入りの樹脂、一方を特開平1
0-27635に記述されているような固体潤滑材皮膜
を被覆した金属とするとよい。
【0070】また、上記トラッキングコイル16a,1
6b,17a,17bおよびフォーカスコイル18a,
18b,19a,19bが巻装されるヨーク20,21
の形状は、上記第1実施形態と若干異なっている。具体
的には、本実施形態のヨーク20,21は、それぞれ両
端部分に比べて中央部分が対物レンズホルダ7側に突出
した形状を有している。
【0071】また、図9、図12及び図13に示すよう
に、ヨーク20は、その中央部22b,22c,22e
が、ヨーク21の中央部23b,23c,23eに比べ
て対物レンズホルダ7側に伸び、より永久磁石15aに
接近している。このことにより、永久磁石15aとヨー
ク20との吸引力が、永久磁石15bとヨーク21との
吸引力より大きくなり、球体部分12a,12bを摺動
板13a,14aに接する方向に付勢する上記予圧手段
としての作用が生ずるようになっている。
【0072】そして、上記第1実施形態の場合と同様、
対物レンズホルダ7に搭載された永久磁石15a,15
bとヨーク20,21との吸引力により、対物レンズホ
ルダ7は中立位置に保持される。この場合、ヨーク2
0,21は、それぞれ両端部分に比べて中央部分が対物
レンズホルダ7側に突出した形状を有しているので、上
記第1実施形態の場合よりも、対物レンズホルダ7を中
立位置に保持する力を大きくすることができる。
【0073】なお、上述したように、永久磁石15aと
ヨーク20との吸引力は、永久磁石15bとヨーク21
の吸引力より大きいが、この吸引力のZ軸方向の力のア
ンバランスは、(ヨークと磁石の高さ方向の大きさの比
や、求められるZ軸方向の変位量にもよるが、)設計に
よりY軸方向の値に比べて十分に小さくすることも可能
であり、中立位置保持力には大きな影響を与えないよう
にすることができる。
【0074】図14及び図15には、ヨーク20にトラ
ッキングコイル16a,17aおよびフォーカスコイル
18a,19aを巻装する製作手順が示されているが、
この製作手順については、ヨークの形状が異なる以外は
上記第1実施形態と同様であり、ヨーク21についても
同様であるので省略する。
【0075】ここで、4つのフォーカスコイル18a,
18b,19a,19bおよび4つのトラッキングコイ
ル16a,16b,17a,17bのそれぞれの駆動力
からチルト作動力を除いた力は、レンズホルダ7などか
らなる可動部に回転力が発生しないよう、対物レンズホ
ルダー7等からなる可動部の重心G回りに回転モーメン
トを発生させない駆動力比にするとよい。
【0076】また、上述のチルトセンサ26,27から
検出されたチルトエラー信号を用いることにより、キャ
リッジ4(すなわち対物レンズ6に入射する光の光軸)
に対するディスク1と対物レンズホルダ7の傾きが検出
され、これらの傾きから、対物レンズ6の光軸とディス
ク1の垂線との相対角度も求めるられる。そして、これ
らの角度情報から、対物レンズ6のコマ収差がもっとも
小さくなるような、対物レンズホルダ7の傾きを求め、
対物レンズホルダ7の傾きが所望の値になるように、フ
ォーカスコイル16a,16b,17a,17bに所定
の電流を流す制御が行われる。
【0077】なお、要求される最大光学収差量や、対物
レンズ6の設計により、対物レンズ6の光軸と、ディス
ク1の垂線との相対角度がゼロになるようにすれば十分
な場合もあり、その場合には、図1のチルトセンサ2
6,27の配置とは異なり、例えば、ディスク1と対物
レンズホルダ7との相対傾きを検出するための対物レン
ズホルダ7上のチルトセンサがあれば十分である。
【0078】また、キャリッジ4に対する対物レンズホ
ルダ7の傾きを検出する上記チルトセンサ26と、ディ
スク1と対物レンズホルダ7との相対傾きを検出するた
めの上記対物レンズホルダ7上のチルトセンサとの組み
合わせでもよい。
【0079】この場合、一般に対物レンズホルダ7上の
チルトセンサに要求される測定範囲は、チルトセンサ2
6に比べて狭くすることができるため、対物レンズホル
ダ7上のチルトセンサの分解能は、上記チルトセンサ2
6より高い分解能にすることが可能になる。このため、
ディスク1と対物レンズホルダ7との相対角度制御は、
キャリッジ4と対物レンズホルダ7との相対角度制御に
比べて高精度に行うことができる。
【0080】このように、要求精度の面では、ディスク
1と対物レンズホルダ7との相対角度の方が、キャリッ
ジ4と対物レンズホルダ7との相対角度に比べて精度が
高いというメリットがある反面、対物レンズホルダ7上
にセンサが必要になって可動部の重量が増加するという
デメリットがあるので、その点を考慮していずれかを選
択すればよい。
【0081】本実施形態によれば、対物レンズホルダ7
等からなる可動部の重心Gが、一対の摺動棒9,10の
球体部分12a,12bと摺動棒保持体13,14の摺
動板13a,14aとの接触点C同士を結ぶ線分の中点
に存在しているため、フォーカス方向(Z軸方向)に対物
レンズホルダ7が移動する際、接触点Cでの摺動による
Z軸方向の摩擦力によって、対物レンズホルダ7を回転
させる回転モーメントは、Y軸回りにおいて発生しな
い。
【0082】さらに、光ディスクドライブにおいて、ス
ピンドルモータ2の回転より高い周波数成分でのチルト
補正の振幅は微少なため、X軸回りの揺動は、接触点C
同士を結ぶ直線を中心とした回転になるため、Z軸方向
の駆動により生じる接触点Cにおける摩擦力は回転モー
メントにはならず、回転駆動に対するクロストーク(外
乱)にならない。
【0083】また、対物レンズホルダ7がY軸回りに傾
いた状態でトラッキング方向(X軸方向)に動いても、摺
動部で発生する摩擦力は、可動部重心回りにY軸回りの
回転モーメントを発生させない。
【0084】さらに、対物レンズ6のディスク1側焦点
に対する節点と可動部の重心Gとを一致させることによ
り、チルト動作による節点位置の水平移動がなくなる。
このため、対物レンズホルダ7をチルト動作させてもデ
ィスク1上のレーザ光の焦点位置が移動せず、チルト動
作とトラッキングのクロストークがなくなり、高精度な
サーボを行いやすくなる。
【0085】なお、本実施形態においても、許容クロス
トーク量は制御系の設計などによってきまり、また許容
クロストーク量に基いて、ディスク1側焦点と重心位置
Gとの距離が決まる。そして、同様にタンジェンシャル
方向(Y方向)に関するクロストーク量の許容値は、ディ
スクヘの記録信号や再生信号に影響を与えない程度に決
定される。
【0086】以上のように本実施形態によれば、上記第
1実施形態の場合と異なり、上記接触部Cの摩擦を十分
小さくできない場合であっても、フォーカス駆動、トラ
ッキング駆動による回転駆動へのクロストーク(外乱)
が発生せず、高精度のチルトサーボを簡単に実現するこ
とができる。
【0087】なお、この第5実施形態における予圧手段
としては、上述したものに代えて、図14に示すヨーク
20の中央部位20a,20bをヨーク21の中央部位
21a,21bより大きくするか、またはヨーク20と
永久磁石15aとの距離をヨーク21と永久磁石15b
との距離よりわずかに短くすることによる予圧手段を用
いてもよい。また、摺動棒9,10の球体部分12a,
12bを磁性体で作成し、摺動板13a,14aの摺動
面裏側に永久磁石を設置することによる予圧手段を用い
てもよい。
【0088】また、摺動棒9,10の形状は、上記第2
実施形態のように円柱形状であってもよい。さらに、摺
動棒9,10が上記第3又は第4実施形態のように、構
造上はX軸回りに回転できないようなものでも、X軸回
りの微少回転は避けられないので、上述したような可動
部の重心Gの位置設定により、X軸回りの余分な回転を
防ぐ効果が期待できる。
【0089】ここで、図9乃至図11において、可動部
のX軸回りの揺動軸線は、チルト補正の振幅が大きくな
ると、球体部分12a,12bの中心O同士を結ぶ直線
に近づいていく。このため、大きな振幅でX軸回りチル
ト駆動をする必要がある場合(上記第3及び第4実施形
態は除かれる)には、上記接触点C同士を結ぶ線分の中
点Gと、一対の摺動棒9,10の接触点Cを含む横断面
(図11)における中心(この場合は球体部分12a,
12bの中心)O同士を結ぶ線分の中点Mとの間に、可
動部の重心G’が存在した方が、全体としてはよい場合
もある。この場合、両中点G,M間における重心G’の
具体的な位置は、代表的な振幅に依存する。
【0090】なお、本発明は上述の各実施形態に限定さ
れるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲で種々変
形して実施できることは言うまでもない。
【0091】例えば、上述の各実施形態において対物レ
ンズホルダ7には永久磁石15a,15bが固着され、
これに対向する位置にトラッキングコイル16a,16
b,17b,17bおよびフォーカスコイル18a,1
8b,19a,19bが配置されている(ムービングマ
グネット方式)が、逆にフォーカスコイル,トラッキン
グコイルを対物レンズホルダに固着し、これらに対向す
る位置に永久磁石を配置しても(ムービングコイル方
式)同様の自由度を確保することができる。
【0092】この場合、対物レンズホルダの所定位置
(永久磁石からの磁束の作用する並置)に磁性体片を固定
することによって、コイルに電流を流さない状態におい
て対物レンズホルダを中立位置に位置決めすることが可
能となる。
【0093】また、摺動棒9,10の形状は実際に摺動
する部分を除いては任意の形状であっても構わない、こ
れらは加工の容易性を考慮して決定できることはもちろ
ん、コーナー部分を曲面にしたり面取りしたりすること
ができる。
【0094】また、チルトセンサとしては対物レンズを
通過する光を利用するものや、反射ミラーを用いるもの
など、既存のセンサを利用することが可能である。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、簡
単な構造でありながら、フォーカス方向、トラッキング
方向のみならず、光軸の傾きを発生する2軸の回転も補
正可能に構成された対物レンズ駆動装置が実現する。
【0096】更に、請求項6乃至8記載の発明によれ
ば、光軸の傾きを発生する2軸の回転も補正可能に構成
されるだけでなく、フォーカス方向、トラッキング方向
の駆動による回転クロストーク運動の発生しない対物レ
ンズ駆動装置が実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対物レンズ駆動装置を搭載した光ディ
スク装置の側面図。
【図2】本発明に係る対物レンズ駆動装置の第1実施形
態を示す斜視図。
【図3】図2に示す対物レンズ駆動装置における対物レ
ンズ保持体を示す斜視図。
【図4】図2に示す対物レンズ駆動装置における、対物
レンズ保持体に近接して設けられるヨークおよびコイル
を示す斜視図。
【図5】本発明に係る対物レンズ駆動装置の第2実施形
態における、対物レンズ保持体を示す斜視図。
【図6】本発明に係る対物レンズ駆動装置の第3実施形
態における、対物レンズ保持体を示す斜視図。
【図7】本発明に係る対物レンズ駆動装置の第4実施形
態における、対物レンズ保持体を示す斜視図。
【図8】本発明に係る対物レンズ駆動装置の第5実施形
態を示す斜視図。
【図9】図8に示す対物レンズ駆動装置を、一部水平断
面で示す平面図。
【図10】図8に示す対物レンズ駆動装置における対物
レンズ保持体を示す斜視図。
【図11】図8に示す対物レンズ駆動装置における可動
部の重心位置等を示すための、接触点における球体部分
の横断面図。
【図12】図8に示す対物レンズ駆動装置における、対
物レンズ保持体に近接して設けられる予圧手段の一部を
兼たヨークおよびコイルを示す斜視図。
【図13】図8に示す対物レンズ駆動装置における、対
物レンズ保持体に近接して設けられるヨークおよびコイ
ルを示す斜視図。
【図14】図8に示す対物レンズ駆動装置における、対
物レンズ保持体に近接して設けられるヨークおよびコイ
ル(トラッキングコイルを除く)の構造を示す斜視図。
【図15】図8に示す対物レンズ駆動装置における、対
物レンズ保持体に近接して設けられるヨークおよびコイ
ルの構造を示す斜視図。
【図16】従来の対物レンズ駆動装置を示す平面図およ
び側面図。
【符号の説明】
1 ディスク 2 スピンドルモータ 3 光学ユニット 4 光学ヘッド 6 対物レンズ 7 対物レンズホルダ(対物レンズ保持体) 9,10 摺動棒(突起部) 12a,12b 球体部分 13,14 摺動棒保持体(突起保持部) 15a,15b 永久磁石 16a,16b,17a,17b トラッキングコイル 18a,18b,19a,19b フォーカスコイル 20,21 ヨーク 26,27 チルトセンサ A 対物レンズの光軸 C 接触点 G,G’ 可動部の重心 M 一対の球体部分の中心同士を結ぶ線分の中点 O 球体部分の中心

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学的情報記録媒体にレーザ光を集束する
    対物レンズと、 前記対物レンズを保持する対物レンズ保持体と、 前記対物レンズ保持体に接続され、それぞれ逆方向に突
    設した一対の突起部と、 前記対物レンズ保持体が少なくとも前記対物レンズの光
    軸方向に移動可能となるように前記突起部のそれぞれを
    摺動保持するとともに、少なくとも前記突起部をその軸
    回りに回転可能となるように摺動保持する一対の突起保
    持部と、を有することを特徴とする対物レンズ駆動装
    置。
  2. 【請求項2】前記突起部はその摺動部分が円柱形状をな
    していることを特徴とする請求項1記載の対物レンズ駆
    動装置。
  3. 【請求項3】前記突起部はその摺動部分が球形状をなし
    ていることを特徴とする請求項1記載の対物レンズ駆動
    装置。
  4. 【請求項4】前記突起保持部はその摺動部分が平板状を
    なしていることを特徴とする請求項1記載の対物レンズ
    駆動装置。
  5. 【請求項5】前記突起保持部はその摺動部分が円柱形状
    をなしていることを特徴とする請求項1記載の対物レン
    ズ駆動装置。
  6. 【請求項6】光学的情報記録媒体にレーザ光を集束する
    対物レンズと、 前記対物レンズを保持する対物レンズ保持体と、 前記対物レンズ保持体に接続され、それぞれ逆方向に突
    設した一対の突起部と、 前記対物レンズ保持体が少なくとも前記対物レンズの光
    軸方向に移動可能となるように前記突起部のそれぞれを
    摺動保持するとともに、少なくとも前記突起部をその軸
    回りに回転可能となるように摺動保持する一対の突起保
    持部と、 前記突起部を前記突起保持部の一側に接触させるための
    予圧手段とを有すると共に、 前記一対の突起部と一体に運動する部材全体の重心が、
    前記一対の突起部と突起保持部との接触点同士を結ぶ線
    分の中点を通る光軸方向の直線上に存在することを特徴
    とする対物レンズ駆動装置。
  7. 【請求項7】前記一対の突起部と一体に移動する部材全
    体の重心が、前記一対の突起部と突起保持部との接触点
    同士を結ぶ線分の中点に存在することを特徴とする請求
    項6記載の対物レンズ駆動装置。
  8. 【請求項8】光学的情報記録媒体にレーザ光を集束する
    対物レンズと、 前記対物レンズを保持する対物レンズ保持体と、 前記対物レンズ保持体に接続され、それぞれ逆方向に突
    設した一対の突起部と、 前記対物レンズ保持体が少なくとも前記対物レンズの光
    軸方向に移動可能となるように前記突起部のそれぞれを
    摺動保持するとともに、少なくとも前記突起部をその軸
    回りに回転可能となるように摺動保持する一対の突起保
    持部と、 前記突起部を前記突起保持部の一側に接触させるための
    予圧手段とを有すると共に、 前記一対の突起部と一体に運動する部材全体の重心が、
    前記一対の突起部と突起保持部との接触点同士を結ぶ線
    分の中点と、前記一対の突起部の前記接触点を含む横断
    面における中心同士を結ぶ線分の中点との間を通る光軸
    方向の直線上に存在することを特徴とする対物レンズ駆
    動装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1311446C (zh) * 2003-07-31 2007-04-18 株式会社日立制作所 物镜驱动装置和光盘装置

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CN1311446C (zh) * 2003-07-31 2007-04-18 株式会社日立制作所 物镜驱动装置和光盘装置

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