JPH11189862A - 有機着色薄膜の製造法 - Google Patents

有機着色薄膜の製造法

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JPH11189862A
JPH11189862A JP9360362A JP36036297A JPH11189862A JP H11189862 A JPH11189862 A JP H11189862A JP 9360362 A JP9360362 A JP 9360362A JP 36036297 A JP36036297 A JP 36036297A JP H11189862 A JPH11189862 A JP H11189862A
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thin film
organic
colored thin
film
substrate
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JP9360362A
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English (en)
Inventor
Kenji Takaguchi
健二 高口
Hiroshi Tominaga
宏 冨永
Nobuo Kakimoto
信生 垣本
Yoichi Murayama
洋一 村山
Kunihiro Kashiwagi
邦宏 柏木
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Japan Science and Technology Agency
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性を向上させかつ優れた光学特性を発揮
できる有機着色薄膜、およびそれを有するカラーフィル
ター、並びにそのようなカラーフィルターをオールドラ
イプロセスで製造するパターニング方法の提供。 【解決手段】 真空蒸着装置内において、ヘリウムプラ
ズマ雰囲気下、蒸発源を加熱することによりその中に導
入した有機顔料を昇華または蒸発させ、その上部に配置
した基板表面の所定の位置に付着させて有機着色薄膜を
成膜させる方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬質カラー薄膜お
よびその製造方法に関するものである。さらに詳しく
は、本発明は、フラットパネル・ディスプレイ(FP
D)用のカラーフィルター(例えば、液晶ディスプレイ
(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP))を製造する
ための方法であって、カラーフィルターの各画素(RG
B)に対応する有機着色薄膜をイオンプレーティング法
で形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フラットパネル・ディスプレイは、電子
機器および自動車等の計器類に広く用いられている。こ
のフラットパネル・ディスプレイ用のカラーフィルタ
ー、特に液晶ディスプレイ用カラーフィルターは、発色
性・発光効率の向上に加えて、耐光性、耐熱性および耐
溶剤性等の物理的および化学的耐性が要求されている。
【0003】このような欠点を克服するために、特願平
3-346490号および同3-346491号には、硬質カラー薄膜の
製造法が記載されている。特願平3-346491号には、従来
のウエット法またはセミウエット法による製造に起因す
る上記欠点を克服するために、ドライプロセスでの製造
法が記載されている。この方法は、高周波励起イオンプ
レーティングによって、色素物質を蒸着し、その上に透
明オーバーコート膜を気相蒸着して硬質カラー薄膜を基
体表面に形成するものである。更に、前記特許は、高周
波励起イオンプレーティングによりITO透明導電薄膜
等を形成するものである。また、特願平3-346490号に
は、薄膜形成時に、色素物質と透明オーバーコート膜物
質を同時に気相蒸着させて、硬質カラー薄膜を形成する
方法が記載されており、この方法では、色素物質と透明
オーバーコート膜物質の混合カラー薄膜が形成され、さ
らに前記混合カラー薄膜上にITO膜が形成される。
【0004】しかしながら、これらの方法では、気相蒸
着中に存在するアルゴンプラズマにより色素物質が変質
して、カラー膜の光学特性が不良となること、硬質カラ
ー薄膜は、耐水性はあるが、耐溶剤性や耐薬品性に劣
り、特にアルカリ水溶液への浸漬試験において剥離する
ことが分かっている。このようなドライプロセスでは、
カラーフィルターの画素をパターニングする方法が未だ
確立されておらず、更には、前記高周波イオンプレーテ
ィング装置内部での蒸発源部の寸法が小さいため、大型
基板への適用が困難であり、かつ膜厚分布が発生し得
る。
【0005】上記特許以外にも、多くのカラーフィルタ
ーの製造法が提案されており、例えば、染色法、顔料分
散法、電着法、印刷法等が挙げられる。しかしながら、
いずれにおいても、着色薄膜用材料には樹脂バインダー
が必須として含有されており、その樹脂バインダーが着
色薄膜の機能上必要な波長で光を吸収するため、得られ
る薄膜の光学特性は一般に低い。したがって、従来公知
の方法で形成される着色薄膜は、各色毎に所望の着色力
(すなわち、所望の透過率)を達成するために、膜厚を
2〜3μmと厚くする必要がある。このように膜厚を厚く
すると、膜表面の凹凸が顕著となる。また、いずれの方
法も湿式法によるため、その工程が複雑でかつ工程数が
多いという問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、樹脂
バインダーを含まずに有機顔料のみを用いて有機着色薄
膜を製造する方法、およびそれを有する、高い耐熱性お
よび優れた光学特性を発現するカラーフィルターを提供
することである。また、本発明の目的は、前記カラーフ
ィルターをオールドライプロセスで製造する方法、およ
び該方法で使用するイオンプレーティング装置をも提供
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、真空蒸着装置
内において、ヘリウムプラズマ雰囲気下、蒸発源を加熱
することによりその中に導入した有機顔料を昇華または
蒸発させ、その上部に配置した基板表面の所定の位置に
付着させて有機着色薄膜を成膜させる方法を提供する。
本発明の方法において、有機顔料は、2種以上を混合し
て昇華または蒸発させても、あるいは別個に配置させて
同時に昇華または蒸発させてもよい。本発明の有機着色
薄膜の成膜方法において、別個に配置させた2種以上の
有機顔料を順次昇華または蒸発させて有機着色薄膜を積
層させてもよい。本発明は、上記の方法で成膜された有
機着色薄膜も提供する。また、本発明は、真空蒸着装置
内において、ヘリウムプラズマ雰囲気下、蒸発源を加熱
することによりその中に導入した有機顔料を昇華または
蒸発させ、その上部に配置したカラーフィルター用基板
の表面の所定の位置に付着させて有機着色薄膜を成膜さ
せるカラーフィルターの製造方法であって、前記真空蒸
着装置がイオンプレーティング装置であり、画素態様で
開口部を設けたメタルマスクを前記基板の有機着色薄膜
を形成する表面と密着させて配置することにより、昇華
または蒸発させた有機顔料を基板表面の所定の位置に付
着させること、、および前記手順を各色の画素について
順次繰り返すことにより、3色(RGB)の画素を形成
する工程を含むことを特徴とするカラーフィルターを製
造する方法も提供する。さらに、本発明は、上記カラー
フィルターの製造方法において使用するイオンプレーテ
ィング装置であって、前記メタルマスクのための精密位
置合わせ機構(マスクアライメントシステム)および/
または大面積蒸発源を有するイオンプレーティング装置
も提供する。
【0008】
【発明の効果】(1)本発明の方法により有機顔料をガラ
ス基板上に成膜する際、真空蒸着装置内でヘリウムプラ
ズマを用いて成膜することにより、光学特性に優れた有
機着色薄膜を形成することができる。また、有機顔料を
真空蒸着装置に導入する前、すなわち、上記成膜前に、
アルゴンプラズマを用いてガラス基板表面を清浄化する
ことにより、更に密着性の高い薄膜を形成することもで
きる。本発明の方法で形成されるカラーフィルターの画
素(RGB)は、有機顔料のみを用いてオールドライプ
ロセスで形成することができることから、その膜厚を従
来の1/4〜1/3、すなわち0.2〜0.8μm、特に、約
0.5μm程度に薄くでき、表面凹凸のない、光学特性に優
れた有機着色薄膜を得ることができる。
【0009】(2)本発明のカラーフィルターの製造方法
は、真空蒸着装置(イオンプレーティング装置)内にお
いてオールドライプロセスで成膜できるため、従来公知
の湿式法に比べて工程数が低減できる。更に本発明は、
2種以上の有機顔料を、混合してまたは別個に同時に蒸
発させて成膜させるか、あるいは上記有機顔料を順次別
個に蒸発させてそれぞれの膜を積層させることにより、
成膜される有機着色薄膜の光学特性(すなわち、特定波
長における透過率)を微調整することができる。 (3)さらに、本発明で使用するイオンプレーティング装
置は、精密位置合わせ機構(マスクアライメントシステ
ム)を有するため、画素態様で開口部を設けたメタルマ
スクを所定の位置に正確に配置することができる。 (4)大面積蒸発源を装備したイオンプレーティング装置
を使用することで、有機顔料の成膜速度を低減すること
なく、有機着色薄膜の面内膜厚分布均一性を達成するこ
とができる。このようなイオンプレーティング装置を用
いることで、大面積のカラーフィルターの製造が容易と
なる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第1の態様は、真空蒸着装置10内において、ヘ
リウムプラズマ雰囲気下、蒸発源を加熱することにより
その中に導入した有機顔料を昇華または蒸発させ、その
上部に配置した基板表面の所定の位置に付着させて有機
着色薄膜を成膜させる方法である。本発明の方法で使用
する図1に示す真空装置は、ガス導入バルブ5から導入
したガスを、高周波(RF)電界によりプラズマ化し
て、イオンプラズマによって成膜を行う、いわゆるイオ
ンプレーティング装置10であり得る。図1に示す成膜用
チャンバー1には、排気バルブ4を接続し、排気装置とし
て油回転ポンプ2および油拡散ポンプ3を使用している。
前記成膜用チャンバー1内には、ガス導入系5、コイル
6、蒸発源110(これは、有機顔料15を仕込むための抵抗
加熱ボート105および抵抗加熱ボート用蓋111から成
る。)、カラーフィルター用基板101、メタルマスク10
7、前記基板をメタルマスクと密着させるための着磁板1
09、並びにカラーフィルター用基板のためのヒーター10
2等を装備している。前記コイル6は、昇華または蒸発さ
せた有機顔料がプラズマによる影響を受け難くするため
に、蒸発源より下方に配置し、また、プラズマが安定す
る様にできるだけ大きくして、かつ巻数も適宜変化して
よいが、好ましくは一巻きである。
【0011】上記イオンプレーティング装置において、
本発明の方法を実施する場合、先ず被塗物である基板10
1(特に、ガラス基板)を配置し、所望の有機顔料をチ
ャンバー1内の蒸発源110に仕込んでからチャンバー1内
を真空に減圧した後、ヘリウムガスを導入し、RF電力
20W(13.56MHz)を印加してヘリウムプラズマを発生さ
せ、蒸発源110を加熱することで有機顔料粒子を昇華ま
たは蒸発させて、有機着色薄膜を成膜することができ
る。
【0012】本発明の方法では、前記蒸発源110内に有
機顔料を仕込む前に、先ず、成膜装置内を一度10-6Torr
台まで排気し、アルゴンガスを導入してプラズマ活性化
させ、それにより、被塗物であるカラーフィルター用基
板101の表面を清浄化してもよい。前記アルゴンガス
(純度99.9999%以上)の導入量は、プラズマを発生し
易い条件で、かつ、アルゴンプラズマによるイオン衝撃
により基板表面を清浄化させること、基板温度を上昇さ
せないことのバランスをとることを考慮して、ガス導入
時の圧力が1×10-4〜1×10-3Torr、好ましくは4×10-4T
orrとなるように制御し、また、アルゴンガス導入時の
RF電力は、100〜400W、特に200Wに調整することが好
ましい。しかしながら、アルゴンプラズマは、成膜時に
おいて、イオン衝撃が大きすぎるために、成膜した有機
顔料薄膜にダメージを与えて、その結果薄膜が退色する
ことがある。そのため、成膜時には、エチレンガスにア
ルゴンガスよりも分子量およびイオン半径が小さいヘリ
ウムガスに切り替える。ヘリウムガス(純度99.99%以
上)は、導入時の圧力が1×10-4〜1×10-3Torr、好まし
くは1×10-4Torrとなるように調節し、またヘリウムガ
ス導入時のRF電力は、10〜100W、特に20Wとなるよう
に制御することが好ましい。ヘリウムプラズマを使用し
てイオンプレーティングを行うことで、形成される薄膜
のダメージを軽減でき、かつ良好な光学特性有する有機
着色薄膜を成膜することができる。
【0013】上記イオンプレーング装置10は、図1に示
すように、モリブデン(Mo)またはタンタル(Ta)
製抵抗加熱ボート105またはパネルヒーター106を蒸発源
110として含み得る。例えば、前記加熱ボート105内に有
機顔料15を入れ、RF電力を印加して、有機顔料15の昇
華または気化温度まで加熱する。前記加熱ボートには、
好ましくは、穴の位置をずらした2枚の蓋111を重ねて
配置させてよい。このような蓋111を配置させること
で、加熱時に有機顔料15の造粒物の突沸を防止して、異
物のない有機着色薄膜20を形成することができる。この
目的のために、前記蓋111の材質は、加熱ボート本体105
よりも表面温度が高くなるような金属材料(例えば、加
熱ボート本体:Ta、蓋:Mo)から選ばれることが望
ましい。前記蓋に設けた穴は、好ましくは、直径2〜6mm
である。また、前記加熱ボート内には、成膜上への造粒
物の飛散を防止するために、金属メッシュやアルミナメ
ッシュを配置してもよい。
【0014】前記加熱ボート105内の有機顔料15は、加
熱により昇華または蒸発して気化し、チャンバー内でプ
ラズマ化したヘリウム分子と衝突して、その表面が活性
化する。活性化された有機顔料表面が、蒸発源上方に配
置したカラーフィルター用基板101上に付着することに
より、有機着色薄膜20を成膜する。
【0015】ここで、成膜時のカラーフィルター用基板
101の温度は、23〜50℃に維持される。しかしながら、
成膜させる有機顔料の種類によって、成膜時に一定温度
まで加熱しても、あるいは室温で成膜した後、一定の温
度まで昇温してもよい。特に、昇華温度もしくは蒸発温
度が高い有機顔料については、昇華もしくは蒸発した有
機顔料が基板に付着した際、急冷されて凝集体を形成す
ることがあるため、予め基板を加熱しておくことが望ま
しい。
【0016】本発明で使用する有機顔料は、従来公知の
カラーフィルター用顔料がいずれも使用でき、例えば、
赤系顔料としては、ジケトピロロピロール系、アンスラ
キノン系、キナクリドン系、ペリレン系、アゾ系、ベン
ズイミダゾロン系等、緑系としては、ハロゲン化銅フタ
ロシアニン系、アンスラキノン系等、または青系として
は、銅フタロシアニン系、インダントロン系等が挙げら
れる。さらに、上記以外の色を発現する有機顔料として
は、黄色系:イソインドリン系、イソインドリノン系、
キノフタロン系等、および紫系:ジオキサジン系、アン
スラキノン系等が挙げられる。特に、赤色系のアンスラ
キノン系、および緑色系のハロゲン化フタロシアニン系
は成膜時に基板を加熱、あるいは成膜後に加熱すること
が望ましい。
【0017】本発明では、形成し得る有機着色薄膜にお
いて表1に示すような所望の光学特性(特定波長におけ
る透過率、および色度)を達成するために、上記有機顔
料のうち2種以上を組み合わせて、形成される薄膜の調
色を行うことができる。そのような2種以上の有機顔料
の組み合わせにおいて、赤色(R)着色薄膜形成用とし
ては、ジケトピロロイロール系(例えば、C.I.(カラー
・インデックス) Pigment Red254)とアンスラキノン
系(C.I. Pigment Red177)の組み合わせ、緑色(G)
着色薄膜形成用としては、フタロシアニングリーン系
(C.I. Pigment Green7)とイソインドリン系(C.I. Pi
gment Yellow185)との組み合わせ、またはフタロシア
ニングリーン系(C.I. Pigment Green7)と無金属フタ
ロシアニン系(C.I. Pigment Blue16)とジスアゾ系
(C.I. Pigment Yellow83)との組み合わせが挙げら
れ、更に、青色(B)着色膜としては、銅フタロシアニ
ン系(C.I. Pigment Blue15:6)とインダントロン系
(C.I. Pigment Blue60)の組み合わせ、または前記銅
フタロシアニン系とジオキサジン系(C.I. Pigment Voi
let23)の組み合わせが挙げられる。
【0018】
【表1】
【0019】本発明の方法では、上記2種以上の有機顔
料の組み合わせを、真空蒸着装置内の前記加熱ボート内
に混合して導入するかまたは別個に導入し、同時に昇華
または蒸発させて、所望の色の有機着色薄膜を形成する
ことができる。すなわち、上記2種以上の有機顔料15を
組み合わせて昇華または蒸発させ、その配合量比および
成膜速度を制御して着色薄膜20を成膜することによっ
て、光学特性を微調整(すなわち、調色)することがで
きる(図2(a)および(b)参照)。図2(a)に示
すように、前者の方法では、2種以上の有機顔料15を均
一に混合した後、1つの蒸発源105に均一に仕込み、そ
れを昇華または蒸発させて成膜する。混合された有機顔
料15は、その昇華または蒸発温度が低い順に昇華または
蒸発して基板に付着するため、仕込み時に行う配合量に
従い、さらに、それらが単独で成膜された場合とほぼ同
様の膜厚で順に積層されることによって調色された、所
望の光学特性の有機着色薄膜20を成膜することができ
る。すなわち、この方法で形成された有機着色薄膜20
は、ミクロ的には多層構造を有する。
【0020】後者の方法では、2種以上の有機顔料15を
2つ以上の別個の蒸発源105にそれぞれ仕込み、各成膜
速度を制御しながら同時に成膜することによって、2種
以上の有機顔料が実質上均一に混在した単層薄膜が形成
される(図2(b)参照)。この方法では、ある色の有
機着色薄膜を調色するために、先ず、3種の有機顔料
(図2(b)中、×、○および△)それぞれの仕込み比
を3:2:1として蒸発源に導入する。水晶式膜厚計
(IC4/Plus、ライボルト社製)を用い、蒸発源の加熱出
力を制御して、この3種の有機顔料の成膜速度の比も
3:2:1となるように制御する。このような比で成膜
速度を操作することにより、被塗物である基板上に、3
種の有機顔料分子が同時に到達して、結果として単層構
造の薄膜が形成される。この薄膜は、3種の顔料粒子
(×、○および△)が、3:2:1の比で均一に混合さ
れたものとなり得る。
【0021】あるいは、図2(c)に示すように、有機
顔料2種以上の組み合わせを順次、昇華または蒸発させ
て基板に付着させ、各有機顔料に対応する2層以上の有
機着色薄膜を積層させることによって、成膜される有機
着色薄膜の調色を行うこともできる。この方法では、積
層される各有機着色薄膜22の膜厚は、それらの合計が上
記の好ましい膜厚の範囲内となり、かつ所望の光学特性
が得られるように、制御する必要がある。
【0022】本発明の方法で成膜される有機着色薄膜の
膜厚は、0.2〜0.8μmである。成膜される各有機着色薄
膜の膜厚は、所望の光学特性に応じて変化してよい。こ
こで、上記3つの方法のうち、ミクロ的には多層構造を
有する薄膜形成方法(図2(a)参照)および2種以上
の有機顔料の組み合わせを順次成膜する方法(図2
(c)参照)については、それぞれ、各有機顔料の薄膜
の積層物が得られると解される。これらの方法では、成
膜された薄膜において、顔料粒子が再昇華または再蒸発
しないように、昇華または蒸発温度の高い有機顔料の薄
膜の上に昇華または蒸発温度の低い有機顔料の薄膜を形
成することが好ましい。
【0023】上記2つの成膜方法のいずれかに従って各
色の画素に対応する有機着色薄膜を調色する場合、各有
機顔料から成膜した薄膜(組成膜)を積層して得られる
有機着色薄膜の合計膜厚は、有機顔料毎の薄膜(組成
膜)それぞれについての理論膜厚の合計から予測・算出
することができる。ここで、理論膜厚とは、上記組成膜
をそれぞれ単独で基板上に成膜した場合に得られる膜厚
であり、理論膜厚の合計を合計膜厚と呼ぶ。さらに、2
種以上の有機顔料から成膜された有機着色薄膜の合計膜
厚の実測値を実測膜厚とする。実測膜厚は、理論膜厚よ
りも小さくなることがある。これは、先に成膜した膜に
後から成膜した膜成分が潜り込んだためと考えられる。
本発明の明細書中において、この潜り込んだ部分を混在
層、およびその混在層の膜厚を混在膜厚と呼ぶ。例え
ば、ジケトピロロピロール系/アンスラキノン系有機顔
料を用いて赤色薄膜の調色を行う場合について説明する
と、それぞれの有機着色薄膜を単独に成膜した場合(す
なわち、組成膜)の膜厚が0.27μmであるとすると、そ
れらの合計膜厚は0.54μmとなるが、実際に成膜された
有機着色薄膜における実測膜厚は0.47μmであることが
あり、この場合には、ジケトピロロピロール系とアンス
ラキノン系の各着色薄膜が接触部位に、混在膜厚0.07μ
mの混在層が成膜されたと解することができる。これ
を、混合比または膜厚比の点から述べると、例えば、赤
色膜としてジケトピロロピロール系/アンスラキノン系
有機顔料を用いると、合計膜厚が0.3〜0.6μmであっ
て、ジケトピロロピロールの膜厚に対するアンスラキノ
ンの膜厚の比は1:0.8〜1.1となり、緑色膜としてハロゲ
ン化フタロシアニン系/イソインドリン系有機顔料を用
いると、合計膜厚が0.2〜0.5μmであって、ハロゲン化
フタロシアニンの膜厚に対するイソインドリンの膜厚の
比は1:0.9〜1.2となり、また、青色膜として銅フタロシ
アニン系/インダントロン系有機顔料を用いると、合計
膜厚が0.4〜0.8μmであって、銅フタロシアニンの膜厚
に対するインダントロンの膜厚の比は1:0.1〜0.4とな
る。または、青色膜として銅フタロシアニン系/ジオキ
サジン系有機顔料を用いる場合は、合計膜厚が0.3〜0.6
μmであって、銅フタロシアニンの膜厚に対するジオキ
サジンの膜厚の比は1:0.1〜0.3となる。また、これら
は、それぞれ0.01〜0.20μmの混在層が形成される。
【0024】上記混在層の存在の有無は、膜質からも推
定することができる。例えば、組成膜の膜硬度(鉛筆引
っ掻き試験の結果)は2Bであったのに対して、それら
の積層膜の硬度は2Hまで向上することや、密着性試験
(碁盤目テープ剥離試験)の結果においても、剥離が発
生しない薄膜になったこと等から、上記混在層の存在が
予想される。混在層の存在は、積層した薄膜を緻密にす
ると考えられる。
【0025】本発明の方法において使用できるカラーフ
ィルター用基板は、透明な材質の従来から使用されてい
るものであればよく、例えば、ガラス質のもの、ポリカ
ーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリエーテルスルホン(PES)等が挙げられ
るが、ガラス質のものが最も好ましく、無アルカリガラ
スまたはソーダガラスのいずれであってもよい。有機着
色薄膜を形成する観点から、上記基板としては、油脂や
異物等による汚染がなく、かつキズ等の欠陥を有しない
ものが好ましい。
【0026】前記基板は、本発明の方法に付する前に、
予め、エッチング法またはリフトオフ法等によって無機
系の、または顔料分散法や電着法によって有機系のブラ
ックマトリックス(BM)およびアライメントマークを
形成しておく。前記ブラックマトリックスの膜厚は、有
機着色薄膜の膜厚(0.5μm)との段差低減を考慮する
と、薄い方が好ましく、特に0.1〜0.5μmであることが
好ましい。
【0027】本発明の第2の態様は、イオンプレーティ
ング装置内において、ヘリウムプラズマ雰囲気下、画素
態様で開口部を設けたメタルマスクを前記基板の有機着
色薄膜を形成する表面と密着させて配置することによ
り、昇華または蒸発させた有機顔料を基板表面の所定の
位置に付着させることを特徴とするカラーフィルターの
製造法である。この方法では、画素態様で開口部を設け
たメタルマスク107を用い、基板の有機着色薄膜を形成
する表面と密着させて配置し、有機顔料を昇華または蒸
発させて、基板の所定の位置に有機着色薄膜をパターニ
ングする(図3参照)。前記メタルマスク107の材質
は、エレクトロフォーミング(無電界メッキ)で作製で
きる金属ならばよく、特にニッケルが好ましい。
【0028】上記メタルマスク107は、図1に示すよう
に、蒸発源110と被塗物である基板101の間に挿入する。
蒸発源101から気化した有機顔料15は、このメタルマス
ク107の開口部を通過して基板上に付着し、開口部のパ
ターン通りに画素を形成する。本発明で使用するメタル
マスクには、1色の画素に対応する所定の位置に、前記
画素と隣接し得るブラックマトリックス部に成膜する画
素用有機薄膜が重なる(好ましくは約5μm重なる)程
度の大きさの開口部を設ける。開口部の大きさがこれよ
りも小さいと、基板とメタルマスクの位置合わせができ
ていない場合には、画素が所定の位置から外れて隣接す
るブラックマトリックス上に成膜されるため、画素とし
て望まれる位置には何も成膜されないという不利益が生
じる。このような欠陥のあるカラーフィルターをディス
プレイに搭載すると、白点(通称「白抜け」)が発生す
る。あるいは、開口部が上記で定義した大きさよりも大
きい場合、形成される画素が、隣接するブラックマトリ
ックスを越えて、更に他の色の画素にまで形成されるた
め、混色が生じることがある。また、上記開口部の大き
さは、画素位置合わせ機構(アライメントシステム)20
0の位置合わせ精度にも依存する。そのため、開口部の
大きさは、好ましくは位置合わせ精度の2倍程度であっ
て、非常に悪い位置合わせ精度しか得られない場合で
も、形成する画素が隣接する他の色の画素に重ならない
程度の範囲であり得る。
【0029】成膜時において、前記開口部を通過した気
化した有機顔料のみが、カラーフィルター用基板上に付
着することによって、1色の画素に対応するパターニン
グを行うことができる。1色の画素に対応するパターニ
ングが終了すると、メタルマスクを次の色の画素に対応
する位置まで正確に移動させるか、あるいは次の色の画
素に対応する別のメタルマスクを装着した後、上記と同
様にしてパターニングを行う。このようにして、順次3
色の画素に対応するパターニングを行う。ここで、本発
明のイオンプレーティング装置には、基板画素部とメタ
ルマスクの開口部を正確に位置合わせするための、また
は基板の搬入もしくは搬出のための精密位置合わせ機構
(アライメントシステム)200が装備されている(図4
参照)。前記メタルマスク107の位置合わせは、カラー
フィルターの画素パターニングにおける重要な鍵である
ため、特に正確に行わなければならない。
【0030】メタルマスク107の位置合わせは、最初
に、被塗物である基板101上に形成したアライメントマ
ークとメタルマスク107に開けたアライメントマークと
をCCD画像データとしてアライメントシステムの画像処
理部に取り込み、その後、前記データ処理によって、基
板とメタルマスクの各重心位置を精密に位置合わせする
ことにより行う。この時、複数のアライメントマークを
基板、メタルマスクに配置し、同時に位置合わせするこ
とによって、精密かつ正確な位置合わせが可能となる。
本発明のイオンプレーティング装置に搭載されるアライ
メントシステムの位置合わせ精度は、望ましくは±2μm
である。
【0031】上記メタルマスク107は、成膜時や貯蔵中
に与えられる熱や機械的ストレスによって伸びが生じな
いように、メタルマスク外周に枠108を設けて固定して
もよい。このような枠108は、鉄(Fe)、SUS(ス
テンレス鋼)、アルミニウム(Al)、クロム銅から製
造でき、特に、クロム銅は、メタルマスクの材質Niよ
り熱膨張係数が大きく、加熱時にメタルマスクにたわみ
を生じさせないため、最も好ましい。前記枠108は、メ
タルマスクの外周4辺の各辺を2枚の固定板でしっかり
と締め付け、この固定板を枠の外周にガイドピンを用い
て取り付ける。ガイドピンは、固定板をメタルマスクの
伸縮方向のみに移動させることができ、常時、メタルマ
スクのたわみを矯正することが可能である。メタルマス
クのたわみの矯正は、メタルマスクが伸びると、固定板
に配置しているボールプランジャー(内蔵しているバ
ネ)により、メタルマスクの伸びた方向に引っ張って、
たわみを矯正する。引っ張り方向は、例えば、左右方向
の一軸方向のみでもたわみの矯正はできるが、引っ張り
方向の中央部で上下方向の寸法が小さくなる場合がある
ので、本発明で使用するメタルマスクに適した枠は、上
下左右の2方向に引っ張る、2軸テンション型分割式の
ものが適している。また、前記固定板は、メタルマスク
外周に沿って複数個に分割されてもよい。
【0032】本発明のイオンプレーティング装置には、
図3に示すように、大面積カラーフィルターの製造対策
の一つとして、メタルマスク107の自重による歪みを解
消し、かつカラーフィルター基板101とメタルマスク107
との密着性を向上させて、画素パターニング精度を高め
るために、基板の背面部(有機着色薄膜を形成する表面
とは反対側の基板表面と接触する部分)に磁石を含んで
成る着磁板109を設けている。この着磁板109の磁力によ
り、基板とメタルマスクが密着するため、有機顔料分子
が前記マスクの所定の開口部以外を通過して基板に付着
するのを防止できる。
【0033】上記着磁板109を用いて基板101とメタルマ
スク107を密着させる際、基板101と着磁板109が互いに
歪まずに全面接触し合うように、基板101と着磁板109の
間に熱伝導性に優れた緩衝材を挟んでもよい。そのよう
な緩衝材としては、例えば、THERMAGON, INC.製のエラ
ストマー放熱シート(T-Pli2120;板厚=3mm)等が挙げら
れる。
【0034】また、蒸発源からの熱によるメタルマスク
の伸縮を防止するために、面状ヒーター上部に、水冷式
冷却ユニットを設けることもできる。水冷式冷却ユニッ
トは、冷却水を通水するパイプと熱を遮蔽する板とから
構成され、板にはパネルヒーターと同じ位置に穴が開い
ており、昇華または蒸発した有機顔料は通過できるが、
面状ヒーター面から放射された熱は遮断できるように工
夫したものである。
【0035】更に、カラーフィルター用基板101とメタ
ルマスク107は密着させているため、その温度差を±3
℃未満に抑える必要がある。そのため、本発明のイオン
プレーティング装置には、上記着磁板109の代わりに冷
却板を設置することもできる。
【0036】本発明のイオンプレーティング装置には、
使用する有機顔料に依存して基板を成膜時あるいは成膜
後に加熱焼成するために、基板用のヒーター102も搭載
されている(図1参照)。あるいは、基板およびメタル
マスクの加熱は、前記冷却板に、所定温度に加熱したシ
リコンオイルを循環させて、基板及びメタルマスクを背
面から行うこともできる。加熱焼成時の基板温度は180
〜200℃の範囲に制御することが適している。
【0037】本発明におけるもう一つの大面積カラーフ
ィルターの製造対策は、イオンプレーティング装置内の
蒸発源を大面積化することである。蒸発源の大面積化
は、成膜速度を低減することなく、基板上に成膜する有
機着色薄膜の面内均一性を高めることができる。本発明
で使用するイオンプレーティング装置において、大面積
カラーフィルター対応の蒸発源の寸法は、基板の大きさ
に応じて大型化することが可能であり、複数の面状ヒー
ターを組み合わせることにより、大型化に対応してい
る。
【0038】本発明において、大面積化した前記蒸発源
の加熱は、図3に示すように、面状ヒーター(パネルヒ
ーター)106(例えば、PG/PBNヒーター;巴工業
(株)製)を用いて、蒸発源内部の面内温度分布を±3
℃となるように制御することが可能である。上記面状ヒ
ーター106は、少なくとも2枚必要であり、それらを有
機顔料15を仕込むグラファイト製のセル105の上下を挟
むように配置する。ここで、上部のヒーターには複数の
小さな穴を開けておき、昇華または蒸発した有機顔料成
分が基板方向に飛散できるようにする。さらには、有機
顔料15の突沸による凝集体の基板への付着を防止するた
めに、上部の面状ヒーターを2枚一組とし、上下段の面
状ヒーターの穴が重ならないようにずらして配置させて
もよい。これにより、有機顔料15が突沸して下段の面状
ヒーターの穴を通過した場合でも、上段の面状ヒーター
に捕捉され、そこで加熱されて、昇華または蒸発させる
ことができる。すなわち、大面積化した蒸発源において
は、上部面状ヒーター(上段)/上部面状ヒーター(下段)
/グラファイトセル/下部ヒーターの組み合わせを1対
として配置させることが最も好ましい。あるいは、上記
のような上下段から成る2枚一組の上部面状ヒーターの
間に、アルミナメッシュ(例えば、アルミナ長繊維3025
-T(株);ニチビ製)を少なくとも1枚挿入することに
よって、凝集体の付着防止効果を更に向上させることも
できる。
【0039】
【実施例】以下に実施例を用いて本発明を説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。ブラックマトリックスの形成(リフトオフ法) カラーフィルター用ガラス基板(商品名#7059、コーニ
ングジャパン製:寸法360mm×465mm)に、ネガ型レジス
トZPN-1100(日本ゼオン(株)製)をスピンコート法によ
り塗布し、紫外線(g線+h線)で30〜60秒露光し、専
用現像液で現像し、水洗した後乾燥することにより、テ
ーパーの付いたレジストパターンを得た。このパターン
の付いたガラス基板に、イオンプレーティング装置内に
おいて、酸素プラズマ中でCrO膜を成膜し、次いで、
アルゴンプラズマ中でCrを成膜した。こうして積層さ
れたCrO/Cr低反射2層Cr薄膜をリフトオフする
ことによって、ガラス基板上にブラックマトリックスパ
ターンを形成した。表2には、形成されたブラックマト
リックスのパターン精度について、目標値と結果との比
較を示す。
【0040】
【表2】
【0041】実施例1 (1)2種混合顔料による有機着色薄膜の成膜 マスクアライメントシステム(日本精工(株)製アライメ
ントシステムXZ-01、位置合わせ精度±2μm)を装備し
たイオンプレーティング装置((株)シンクロン製ミニプ
ラント型高周波イオンプレーティング装置NCF-MIP001)
内の所定の位置に、前記リフトオフ法で形成したブラッ
クマトリックス付きガラス基板(360mm×465mm×厚さ1.
1mm)を配置した。イオンプレーティング装置内を真空
に減圧(1.0×10-5Torr)した後、アライメントシステ
ムにより、メタルマスクをガラス基板の所定の位置に位
置合わせをした。アルゴン流量を40SCCM(3.5×10-4Tor
r)とし、RF電力200Wをイオンプレーティング装置内
のコイルに印加して、アルゴンプラズマを発生させて、
ガラス基板表面のボンバードを5分間行った。その結
果、ガラス基板表面のドライ洗浄が行えた。ボンバード
に際しては、基板がイオン衝撃により昇温するため、冷
却板により、基板温度を50℃に維持した。
【0042】次に、有機着色薄膜の成膜を行う。先ず、
大面積蒸発源(PG/PBNヒーター)に配置したグラファイ
トセル内に、予め、成膜させる色に対応する有機顔料を
表3に示す配合量比(重量比)で混合し、セル内に均一
となるように仕込んだ。ここで、有機顔料は、各色毎に
成膜するため、それぞれに対応するものを適宜仕込ん
だ。また、前記大面積蒸発源は、ガラス基板に対応させ
るために、上部面状ヒーター(上段)/上部面状ヒーター
(下段)/グラファイトセル/下部ヒーターの組み合わせ
を1対とし、その組み合わせを2対使用したため、これ
ら2対の蒸発源それぞれに、所定量の混合した顔料を仕
込んだ。ここで、基板と蒸発源との間の距離は280mmと
した。
【0043】
【表3】
【0044】表中、ジケトピロロピロール系有機顔料と
しては、C.I.No.Pigment Red 254、アンスラキノン系有
機顔料としては、C.I.No.Pigment Red 177、ハロゲン化
フタロシアニン系有機顔料としては、C.I.No.Pigment G
reen 7、イソインドリン系有機顔料としては、C.I.No.P
igment Yellow 185、銅フタロシアニン系有機顔料とし
ては、C.I.No.Pigment Blue 15:6、およびインダントロ
ン系有機顔料としては、C.I.No.Pigment Blue 60をそれ
ぞれ使用した。
【0045】アルゴンガスをヘリウムガス(流量:350S
CCM(5×10-4Torr))に切り替え、RF出力20Wを印加
してヘリウムプラズマを発生させた。最初に、緑色およ
び黄色の有機顔料を仕込んだ。グラファイトセルを、前
記表3に示した黄色顔料(イソインドリン系)の昇華温
度まで加熱して有機顔料を蒸発させた。蒸発させた有機
顔料は、Niメタルマスク((株)ムラカミ製)の開口部
を通して基板上に到達し、黄色の有機着色薄膜を成膜さ
せた。グラファイトセル内の黄色顔料成分が蒸発し尽く
す前に、成膜速度の低下を防止するために電力を制御し
ながら、徐々に緑色顔料(ハロゲン化フタロシアニン
系)の昇華温度まで加熱し、成膜速度を制御した。これ
により、緑色顔料が昇華し始め、メタルマスクの開口部
を通って黄色の有機着色薄膜上に緑色の有機着色薄膜を
成膜させた。所定の成膜速度を維持するために、電力を
制御し、加熱温度を上昇させた。水晶式膜厚計(インフ
ィコン社製膜厚コントローラーIC4/Plus)が示した所定
膜厚に達した時点で、成膜を終了した。ここで、成膜時
のガラス基板の温度は50℃に保持した。
【0046】次に、グラファイトセル内に2種の青色顔
料(フタロシアニン系およびイオンダントロン系)を仕
込み、上記と同様の手順で青色有機着色薄膜の成膜を行
った。その後、更に2種の赤色の有機顔料(ジケトピロ
ロピロール系およびアンスラキノン系)を仕込んで、同
様にして赤色有機着色薄膜の成膜を行った。各色毎の成
膜速度は30Å/秒となるように調整して成膜した。ま
た、成膜温度および膜厚測定結果をそれぞれ表4にまと
める。ここで、成膜温度は、成膜速度を維持するため
に、所定温度以上に徐々に昇温した。また、膜厚測定
は、触針式膜厚測定装置(ロングスキャン・プロファイ
ラー テンコールFP-2;テンコーツ・インスツルメンツ
・ジャパン(株)製)を用いて測定した。さらに、各色の
有機着色薄膜の可視光領域(波長=380〜780nm)の光学
特性(透過率および色度)を微小面測定装置ミクロカラ
ーアナライザーTC-1800M(東京電色(株)製)で測定し
た。透過率の結果を図5に示す。
【0047】
【表4】
【0048】ただし、上記表3に示した配合量比は一例
であって、配合量比や仕込み量を変化させることによ
り、所望の光学特性を得ることもできる。
【0049】実施例2 (2)2種混合顔料による有機着色薄膜の成膜(成膜後
加熱焼成有り) 前記実施例1と同様の有機顔料組成および手順で、ブラ
ックマトリックス付きガラス基板上に有機着色薄膜を形
成した。有機着色薄膜はいずれも、基板温度50℃におい
て成膜した。成膜した有機着色薄膜の合計膜厚を表5に
まとめる。
【0050】更に、すべての有機着色薄膜を成膜した
後、基板を180℃以上の温度で加熱焼成した。加熱焼成
後、各色の有機着色薄膜についての光学特性を実施例1
と同様にして測定した。透過率測定結果を、実施例1の
結果と比較して図6に示す。また、色度測定結果を表5
に示す。図6より、実施例1における成膜直後の赤色薄
膜は、λ=580nm付近に高い透過率を有していたが、成
膜後、180℃以上に加熱することで、λ=580nm付近の透
過率を低下させることができた。前記波長以外では透過
率の変化はなく、更には色度の向上がみられた。同様
に、緑色薄膜の場合には、λ=535nm付近の透過率が増
加し、光学特性の向上がみられた。青色薄膜についての
光学特性は、ほとんど変化しなかった。
【0051】
【表5】
【0052】実施例3 (3)同時蒸発による有機着色薄膜の成膜(成膜後加熱
焼成有り) イオンプレーティング装置(有機薄膜用真空薄膜形成装
置BMC-1100)内に、抵抗加熱器(モリブデン(Mo)製
ボート)を2器搭載し、以下の手順で有機着色薄膜を成
膜した。実施例1および2で使用したものと同様のブラ
ックマトリックス付きガラス基板とメタルマスクを装置
外で予め位置合わせした後、固定治具で固定した。これ
をイオンプレーティング装置の所定の位置に配置して、
実施例1と同様にして、ヘリウムプラズマによるドライ
洗浄を行った。次に、予め上記2つの抵抗加熱器それぞ
れに、(i)実施例1と同様の組成比で各色に対応する2
種の有機顔料をそれぞれ仕込むこと、(ii)同時にそれぞ
れの昇華温度まで昇温して成膜することから成る2段階
の手順を各色毎に繰り返して、3色の有機着色薄膜を形
成した。本実施例において使用した抵抗加熱器にはそれ
ぞれ前記水晶式膜厚計が設置されており、隣接する抵抗
加熱器の影響を互いに受けないようにすることにより、
抵抗加熱器から昇華または蒸発する有機顔料成分の成膜
速度を表6に示す成膜速度となるように、個別に制御し
た。更に、成膜された有機着色薄膜に特定の顔料成分が
偏在しないように、基板を回転させながら成膜した。有
機着色薄膜を全て成膜した後、実施例2と同様にして基
板を加熱焼成した。得られた有機着色薄膜の光学特性
は、実施例2とほとんど変わらなかった(図7および表
6参照)。
【0053】
【表6】
【0054】実施例4 (4)逐次積層成膜式方法による有機着色薄膜の成膜
(成膜後加熱焼成有り) 実施例1で使用したイオンプレーティング装置と同じ装
置において、実施例1と同様の手順により基板のドライ
洗浄を行った後、装置内の蒸発源に、実施例1と同様の
組成の有機顔料を1種類ずつ仕込んで、ブラックマトリ
ックスつきガラス基板上に各色の有機着色薄膜を逐次成
膜した。有機着色薄膜の逐次成膜の方法は、最初に、ハ
ロゲン化フタロシアニン系緑色顔料を仕込んで、昇華温
度まで加熱し、ハロゲン化フタロシアニン薄膜について
の実施例1と同様のプラズマ条件において、表7に記載
の、制御膜厚が得られるように成膜した。次に、イソイ
ンドリン系顔料を仕込み、同様に成膜した。次いで、銅
フタロシアニン系青色顔料を仕込んで、蒸発させて成膜
した後、インダントロン系青色顔料を仕込んで、表7に
記載の制御膜厚になるように成膜した。その後、ジケト
ピロロピロール系赤色顔料を成膜させた後、最後にアン
スラキノン系赤色顔料を仕込んで成膜した。各薄膜の成
膜速度および制御膜厚、並びに調色された有機着色薄膜
の実測膜厚を表7に示す。さらに、上記手順で積層した
有機着色薄膜を含む基板を、実施例2と同様の手順で、
180℃以上の温度に加熱焼成した。成膜後の加熱によ
り、各色の薄膜の光学特性が向上した(図8参照)。
【0055】
【表7】
【0056】表7において、1層目と2層目の薄膜の制
御膜厚の合計が、膜厚である各色毎の薄膜の膜厚に差が
生じていが、これは、混在層の存在のためであり、その
混在膜厚は、赤色有機着色薄膜:0.14μm、緑色有機着
色薄膜:0.12μmおよび青色有機着色薄膜:0.03μmであ
った。
【0057】実施例5:カラーフィルターの製造 (i)ドライオーバーコートの成膜 上記実施例1〜4で成膜した有機着色薄膜の上に、イオ
ンプレーティング装置を使用してPTFE(ポリテトラ
フルオロエチレン)とSiO2を積層させて、透明な絶
縁性を有する保護層を成膜した。ガラス基板上にはCr
系のブラックマトリックスを使用しているため、絶縁層
としてブラックマトリックス上にSiO2を成膜する必
要がある。しかし、SiO2をブラックマトリックスお
よび有機着色薄膜上に直接成膜すると、有機着色薄膜の
色がイオン衝撃によるダメージによって退色することが
ある。あるいは、PTFEの保護層のみでは、その上に
被覆する後述の樹脂オーバーコートとの親和性が無いた
め、樹脂オーバーコートを撥くことがある。また、樹脂
オーバーコートを上記で得られたカラーフィルター上に
直接塗布すると、有機着色薄膜が剥離もしくは溶解する
場合がある。そのため、PTFE薄膜成膜後にSiO2
薄膜を積層させて、上記のような欠点を克服し、かつ、
より優れた絶縁性等の特性を有する保護層を形成する。
こうして形成したドライオーバーコートによって、有機
着色薄膜に耐薬品性および耐熱性を付与することができ
た。
【0058】本実施例では、先ず、実施例3に記載のイ
オンプレーティング装置の抵抗加熱器にPTFE粒子を
仕込み、10-4Torr台(特に、2×10-4Torr)のアルゴン
(Ar)プラズマ中にて、前記実施例1〜4で得られた
有機着色薄膜上にPTFE膜(膜厚0.1μm)を成膜し
た。その時の成膜速度は、10Å/秒であった。次に、イ
オンプレーティング装置に搭載したルツボ回転形電子ビ
ーム蒸発源(JEBE-102RH4G2:日本電子(株)製)を用い
て、SiO2を蒸発させて、酸素(O2)プラズマ中(酸
素流量50SCCM)、成膜速度10Å/秒で、前記PTFE膜
上に更にSiO2膜(膜厚0.2μm)を成膜することによ
り、積層ドライオーバーコートを成膜した。成膜時は、
基板を回転させて成膜した。
【0059】(ii)樹脂オーバーコートの形成 カラーフィルターの使用条件や貯蔵環境等によっては、
上記で形成されたPTFE/SiO2ドライオーバーコ
ートのみの被覆では、ピンホール等の欠陥および異物の
付着に対する信頼性に欠けるために、あるいは平坦性を
保障するために、以下の手順で、前記PTFE/SiO
2ドライオーバーコート上に更に樹脂オーバーコートを
形成することがある。前記PTFE/SiO2ドライオ
ーバーコート被覆した試料の上に、更にエポキシ変性ア
クリル樹脂:オプトマーSS6699G(日本合成ゴム(株)
製)の樹脂オーバーコートをスピンコーターSP-70
((有)三井精機工業製)を用いて塗布し、250℃で1時
間焼成して、1.8μmの樹脂オーバーコートを形成する
ことにより、カラーフィルターを作製した。
【0060】こうして製造されたカラーフィルターは、
上記PTEF/SiO2保護層により優れた絶縁性を有
し、かつ樹脂オーバーコートによって被覆されているこ
とで、高い耐薬品性を示し、NaOH水溶液等によるクラッ
ク等の発生を回避することができた。
【0061】カラーフィルターの試験方法 上記実施例5からのオーバーコート被覆したカラーフィ
ルター、または実施例1〜4と同様の手順でパターニン
せずに成膜したベタ膜試料について、以下の手順で、表
面観察あるいは各種試験を行った。 1)表面観察 カラーフィルターの表面をそれぞれ、マクロ座標読取り
顕微鏡MHL-320(オリンパス光学工業(株)製)で観察し
て、以下の4点の観察基準全てを克服しているものは
○、それ以外は×とした。観察基準 1.有機着色薄膜に1μm以上の異物が存在しないこ
と。 2.有機着色薄膜に1μm以上の白点(白抜け)が存在
しないこと。 3.有機着色薄膜にクラック(割れ)等の欠陥が存在し
ないこと。 4.各有機着色薄膜の画素が、隣接する画素と重なって
混色していないこと。 2)付着性試験 各有機着色薄膜の密着性について、JIS-K-5400の8.5規
定に準じて、碁盤目テープ法による付着性試験を行っ
た。評価結果は、(碁盤目付着試験後に残存している箇
所の数)/(碁盤目の数=100)で表した。ただし、付
着性試験を行った有機着色薄膜試料は、パターニングし
ないこと(すなわち、ブラックマトリックスの付いてい
ないガラス基板上に、画素形状にではなく)以外は実施
例1〜4と同様の手順で成膜したベタ膜であって、ドラ
イオーバーコートおよび樹脂オーバーコートのいずれも
有しない薄膜を用いた。 3)硬度試験 上記2)付着性試験で使用したのと同様の試料を、各有
機着色薄膜の硬度についてのJIS-K-5400の8.4規定に準
じた鉛筆引っ掻き試験を行った。
【0062】4)耐薬品性試験 上記実施例1〜4で成膜した有機着色薄膜を有する基板
に、更にエポキシ変性アクリル樹脂:オプトマーSS6699
G(日本合成ゴム(製))の樹脂オーバーコートをスピン
コーターSP-70((有)三井精機工業製)で塗布した。塗
布後、250℃で1時間焼成して、樹脂オーバーコート被
覆カラーフィルターを得た。樹脂オーバーコート被覆し
たカラーフィルターの各有機着色薄膜について、下記の
薬品にそれぞれ23±2℃で30分間浸漬した。浸漬後、各
カラーフィルターを水洗し、乾燥させ、実施例1に記載
の色度計(TC-1800M)を用いて、光学特性の変化を調べ
た。これにより、使用した薬品すべてにおいて以下の基
準を克服しているものは○、克服していないものは×と
した。 1.有機着色薄膜の外観に変化がないこと。 2.色度計による測定結果において、色差(ΔEUV +)5
以下であること。
【0063】浸漬した薬品名: i)N-メチル-2-ピロリドン(NMP) ii)γ-ブチロラクトン(GBL) iii)2-プロパノール(IPA) iv)酢酸2-エトキシエチル(ECA) v)2-メトキシエタノール(メチルセロソルブ) vi)18%塩酸 vii)18%塩酸(40±2℃) viii)5%水酸化ナトリウム ix)5%水酸化カリウム
【0064】5)耐熱性試験 上記実施例5からのカラーフィルターを、250℃で1時
間加熱焼成した後、外観検査および色度計による色差測
定を行った。その結果、以下の基準全てを克服している
ものは○、それ以外は×とした。 1.有機着色薄膜の外観に変化がないこと。 2.色度計による測定結果において、色差(ΔEUV +)5
以下であること。 6)耐光試験 上記実施例5からのカラーフィルターを、加速曝露試験
器(サンテスタXF-180:(株)島津製作所製)を用い、60
℃において500時間曝露することによって耐光試験を行
った。その後、外観検査および色度計による色差測定を
行い、以下の基準全てを克服しているものは○、それ以
外は×とした。 1.有機着色薄膜の外観に変化がないこと。 2.色度計による測定結果において、色差(ΔEUV +)5
以下であること。
【0065】上記1)〜6)の試験結果を表8にまとめ
る。
【0066】
【表8】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイオンプレーティング装置の模式的な
概略断面図を示す。
【図2】本発明の有機着色薄膜の製造法の3態様を表す
模式的な概念図である。
【図3】本発明のイオンプレーティング装置内における
チャンバー内の模式的な断面図を示す。
【図4】本発明のイオンプレーティング装置に搭載され
るアライメントシステムの模式的な斜視図を示す。
【図5】本発明の実施例1で成膜した赤色、緑色および
青色の各有機着色薄膜についての光透過率特性を示すグ
ラフである。
【図6】本発明の実施例1(成膜後加熱無し)および実
施例2(成膜後加熱有り)得られた各有機着色薄膜につ
いての光透過率特性の比較を示すグラフである。
【図7】本発明の実施例3で得られた各有機着色薄膜
(成膜後加熱有り)についての光透過率特性を示すグラ
フである。
【図8】本発明の実施例4で得られた各有機着色薄膜
(成膜後加熱有り)についての光透過率特性を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1…成膜用チャンバー、2…油回転ポンプ、3…油拡散
ポンプ、4…リークバルブ、5…ガス導入バルブ、6…
コイル、10…本発明のイオンプレーティング装置、1
5…有機顔料、20、21、22…有機着色薄膜、10
1…カラーフィルター用基板、102…カラーフィルタ
ー用基板のためのヒーター、105…抵抗加熱ボート
(グラファイト製セル)、106…面状ヒーター、10
7…メタルマスク、108…メタルマスク用枠/アライ
メントシステム・ステージ、109…着磁板、110…
蒸発源、111…蒸発源用蓋、200…マスクアライメ
ントシステム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 598001157 柏木 邦宏 埼玉県志木市本町2−11−47 (72)発明者 高口 健二 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 冨永 宏 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 垣本 信生 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 村山 洋一 東京都新宿区下落合3−17−44 ドムス目 白304 (72)発明者 柏木 邦宏 埼玉県志木市本町2−11−47

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空蒸着装置内において、ヘリウムプラ
    ズマ雰囲気下、蒸発源を加熱することによりその中に導
    入した有機顔料を昇華または蒸発させ、その上部に配置
    した基板表面の所定の位置に付着させて有機着色薄膜を
    成膜させる方法。
  2. 【請求項2】 2種以上の混合した有機顔料を用いて有
    機着色薄膜を成膜することを特徴とする請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 別個に配置させた2種以上の有機顔料を
    同時に昇華または蒸発させて有機着色薄膜を成膜するこ
    とを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 別個に配置させた2種以上の有機顔料を
    順次、昇華または蒸発させて積層させて有機着色薄膜を
    成膜することを特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4いずれかに記載の方法で成
    膜される有機着色薄膜。
  6. 【請求項6】 膜厚が0.2〜0.8μmである請求項5記載
    の有機着色薄膜。
  7. 【請求項7】 真空蒸着装置内において、ヘリウムプラ
    ズマ雰囲気下、蒸発源を加熱することによりその中に導
    入した有機顔料を昇華または蒸発させ、その上部に配置
    したカラーフィルター用基板の表面の所定の位置に付着
    させて有機着色薄膜を成膜させることから成るカラーフ
    ィルターの製造法であって、前記真空蒸着装置がイオン
    プレーティング装置であり、画素態様で開口部を設けた
    メタルマスクを前記基板の有機着色薄膜を形成する表面
    と密着させて配置し、前記開口部を通過した昇華または
    蒸発させた有機顔料を各開口部に対応する基板表面の所
    定の位置に付着させること、および前記手順を各色の画
    素について順次繰り返すことにより、3色(RGB)の
    画素を形成する工程を含むことを特徴とするカラーフィ
    ルターを製造する方法。
  8. 【請求項8】 前記メタルマスクがニッケルから成る請
    求項7記載のカラーフィルターを製造する方法。
  9. 【請求項9】 前記イオンプレーティング装置が、前記
    メタルマスクとカラーフィルター用基板を密着させるた
    めの、複数の磁石を含んで成る着磁板を有することを特
    徴とする請求項7記載のカラーフィルターを製造する方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項7〜9のいずれかに記載の方法
    で作製したカラーフィルター。
  11. 【請求項11】 前記イオンプレーティング装置が、前
    記メタルマスクのための精密位置合わせ機構(マスクア
    ライメントシステム)および/または大面積蒸発源を有
    することを特徴とする請求項7〜9のいずれかに記載の
    カラーフィルターを製造する方法。
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