JPH11186599A - 電極に銀を有する窒化物半導体発光装置およびその製造方法ならびに半導体光電子装置 - Google Patents

電極に銀を有する窒化物半導体発光装置およびその製造方法ならびに半導体光電子装置

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JPH11186599A
JPH11186599A JP34558597A JP34558597A JPH11186599A JP H11186599 A JPH11186599 A JP H11186599A JP 34558597 A JP34558597 A JP 34558597A JP 34558597 A JP34558597 A JP 34558597A JP H11186599 A JPH11186599 A JP H11186599A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】p型族窒化物半導体を有する光電子装置の光電
気特性を向上する。 【解決手段】p型窒化物半導体層に銀層を備え、該銀層
が電極として機能するとともに短波長光の光透過層ある
いは反射層として機能するようにしている。厚さ20nmよ
り薄くして透過率の高い透明p電極としたり20nmより厚
くして反射率の高い反射p電極としている。上記銀の機
械的、電気的特性とを向上するため金属や誘電体の安定
化層で銀層を覆うのが好ましい。また透過率をより高め
るため誘電体の安定化層の選択がなされ光学整合層をか
ねるようにできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化物半導体を備えた
電子装置に関し、特にp型窒化物半導体に銀を含む電極
をそなえて光学特性と光電気特性を改善した光電子装置
とその製造方法とに関する。
【0002】本明細書において「窒化物半導体」とは
「III族窒化物半導体」であり、「発光ダイオード」す
なわち「LED」とはp−n接合部あるいは活性層を介挿
したp−n接合部(以下「広義のp−n接合部」と称
す)を有するものを含み、インコヒーレント光を出力す
る電子装置であり、「LED部材」とはこれをさらに加
工してLEDとするため必ずしも半導体ではない単結晶基
板上にひとつあるいは複数の半導体薄膜層を成長して形
成したもので広義のp−n接合部を有する半導体多層膜
構造体であり、「LEDチップ」とはLED部材であってp型
領域とn型領域とがそれぞれの電極であるp電極とn電
極とを有しこれら電極から電気的に駆動されるLED部材
であり、LEDチップは単独であるいはウェーハに多数が
集積されて存在し電極からボンディングワイヤをひきだ
してもよいLED部材であり、「LED製品」とはLEDチップ
を有し、該LEDチップは広義のp−n接合部を駆動する
ための電気配線を有しリード・フレームや印刷基板、セ
ラミック基板等(以下パッケージと総称する)の表面
(ダイ・パッドと総称する)にダイ・ボンディングされ
ている光電子装置であり、例えばLEDランプ、7素子表
示装置等である。
【0003】
【従来の技術】短波長発光装置の開発が活発におこなわ
れている。一般に波長が550nm以下である短波長光が効
率的に発生できれば、長波長発光装置とともに用いてフ
ルカラーディスプレイや白色光源が実現でき、本装置の
応用機器の機能の拡充や消費エネルギーの低減などが期
待されている。これら短波長発光装置の多くはIII族窒
化物半導体に基づいて組立られており、「III族窒化物
半導体」にはGaN、AlN, InN, BN, AlInN, GaInN,
AlGaN,BAlN, BInN, BGaN、BAlGaInN等が含まれる。特
にGaNを筆頭に、GaInN, AlGaN, BGaN、BAlGaInN等のG
aNを主成分とするIII族窒化物半導体を「GaN系半導体」
と称する。
【0004】短波長発光装置の一つであるLEDの例とし
てGaN系半導体に基づいて構成したLED(以下「GaN系LE
D」と称す)を図1を参照して説明する。以下において
混同しないときは「薄膜層」を単に「層」とも称する。
また各層は例えば特願平9−30204号において山田
等が開示する図1の(A)ように複数の異なる組成の亜
層からなるが本発明の理解に必要な範囲で図1の(B)
の簡明な記載を選んで今後の説明をおこなう。
【0005】図1の(A)においてGaN系LED21’はサ
ファイア基板22’、AlNバッファ層23’、n型GaNコ
ンタクト層24’、n型AlGaNクラッド層26’、ドープ
InGaN層28’、p型AlGaNクラッド層30'、p型GaNコ
ンタクト層31’、蒸着金属33’、p電極32’、n
電極25’からなっている。図1の(A)においてGaN
系LED21’は次の図1の(B)のひとつの実現形であ
る。
【0006】一方、図1の(B)においてGaN系LED1は
サファイア基板2、n層3、一般には窒化物半導体の多
重量子井戸層である活性層4、p層5、透明p電極6、
ボンディング用p電極6a、n電極7からなるGaN系LED
チップ10を、パッケージ8のダイ・パッド8aにダイ
・ボンディングして組立てられる。ボンディング用p電
極6a、n電極7は一般にパッケージ8に備え付けられ
たリード線(図示せず)にボンディングワイヤ6b、7
aで接続されている。ボンディングワイヤ6b、7a間
に駆動電圧を印加してGaN系LED1に入力電流を流し、該
入力電流により活性層4から出力光を発生させる。少な
くともボンディング用p電極6aの表面部分とn電極7
の表面部分とは回路接続用金属手段である。
【0007】図1の(A)の発光ダイオード21’と図
1の(B)のGaN系LED1間には下記の対応が成り立って
いる。 サファイア基板2:はサファイア基板22’、 、 n層3:AlNバッファ層23’; n型GaNコンタクト層24’; n型AlGaNクラッド層26’、 活性層4:ドープInGaN層28’、 p層5:p型AlGaNクラッド層30'; p型GaNコンタクト層31’、 p電極6;p電極6a:蒸着金属33’;p電極32’、 n電極7:蒸着金属33’;n電極25’。 AlNバッファ層23’は本願発明の説明においてサファ
イア基板2に対応する1要素と解しても当業者が本願発
明を実施するに特に支障はないが、本願発明の理解を容
易にするため上記の対応を基礎に以下の明細書は記載さ
れている。
【0008】上記の構造を有するGaN系LED1では、した
がって、(イ)できるだけ小さな駆動電力(=入力電流
×駆動電圧)で、できるだけ多くの光を活性層4から発
生させ、(ロ)活性層4で発生した光をなるべく多く出
力光として外に取り出す、ことが重要である。
【0009】できるだけ小さな駆動電力で、できるだけ
多くの光を活性層4から発生させるため、多くの努力が
はらわれた。p型窒化物半導体層の抵抗率はn型窒化物
半導体層の抵抗率に比べかなり大きく、p型窒化物半導
体層にp電極を形成するとn型窒化物半導体層にn電極
を形成した場合に比べ金属−半導体接合により大きな接
触電圧を生じ窒化物半導体素子の消費電力を増加させる
主因となっていた。そのため、p電極は接触電圧を低下
させるためn電極よりかなり広くなっている。
【0010】上記接触電圧の低減のため、p電極として
p型窒化物半導体層上にパラジュームを蒸着する技術
(特願平9−30204号)やp電極を形成する前のp
型窒化物半導体層の清浄化技術(特願平9−48402
号)やp型窒化物半導体層とp電極金属の間にV族置換
型窒化物半導体層を挿入する技術(特願平9−5339
号)などが開発された。一方LEDではこの広い面積を
有するp電極が活性層で発生した光の多くに遭遇するた
め、活性層で発生した光をなるべく多く出力光として外
に取り出すのに好ましい光学的特性、すなわち透過率や
反射率、を合わせ持つことが望まれる。
【0011】図1の(B)において活性層4で発生した
光は全方向に進行するが、そのうち、GaN系LED1の出力
光として有効な光は透明p電極6から外部に放出される
光である。したがって、透明p電極6は透過率が大きく
なければならない。活性層4からパッケージ8側では光
を反射して透明p電極6の方向にむける工夫がなされ
る。
【0012】透明電極6としては厚さ数nmのニッケルと
金の多層膜(例えばニッケル1nmに8nmの2層膜)が用い
られ、その透過率は40〜50%程度である。また、この透
明電極6は、薄すぎてボンディングには適さず、ボンデ
ィング部分にはさらに厚いボンディング用の電極6aが
必要となる。ボンディング用の電極6aとしては、数1
00nmの厚みをもったニッケルと金の多層膜などがよく
用いられ、その面積はボンディング作業の簡便性を確保
するため最小でも一辺が80〜100μmの矩形程度の面積を
必要とする。
【0013】一方、n電極側にはその直下に活性層4が
ないため、光出力を透過させる工夫はされないのが一般
的で、n電極7としてはチタンやアルミなどの多層膜が
ボンディング用電極として形成されている。これらのボ
ンディング用電極はその厚みのために光を透過すること
ができないので、ボンディング作業の簡便性を損なわな
い限りなるべく小さな面積になるように設計される。
【0014】また、パッケージ8側に向った光は、パッ
ケージ表面すなわちダイ・パッド8aに形成された反射
手段によって反射される。例えば、良く用いられる反射
手段としては、反射率が高い白色ダイ・パッド自体や、
ダイ・パッドに設けた反射率の高いテープなどである。
パッケージ自体を金属とし、その表面にアルミニューム
などをめっきして反射手段とすることもある。いずれの
場合にも実装時の表面状態、実装までの保存状態などの
影響を受けるが、その反射率は50〜80%である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】したがって、従来のL
EDでは、活性層から発生した光が透明p電極側から出
力されて外に取り出される場合、透明p電極側へ向った
光はボンディング用電極やボンディングワイヤなどで反
射、吸収されるだけでなく、透明p電極でもその50〜60
%が反射、吸収される。一方、パッケージ側に出力され
た光は、ダイ・パッドに設置された反射手段によって、
その50〜80%が反射されるが、この反射光と直進光を合
計しても活性層で発生した光の総量の半分程度しか出力
光として取り出すことができない。
【0016】外に取り出す出力光の強度すなわちLEDの
発光強度を増加させるために、p電極の透過率をさらに
高くしようとして薄くすると、透明p電極の面積抵抗が
大きくなり、入力電流の広がりが制限される。そのため
LEDの端子間電圧を上昇させざるをえず、結果的にLEDの
発光効率を低下させてしまう。また、p電極は光の透過
とボンディングという2つの機能を持たせるために、複
雑な膜構造をとらざるをえない。さらに、パッケージ側
へ出力した光を反射させるための手段が必要となるた
め、部品点数の増加、製造プロセスの複雑化につなが
り、ひいてはLEDのコストの上昇を招いている。また、
ボンディング用電極やボンディングワイヤなどで反射、
吸収される光を有効に出力光とすることができることが
望ましい。さらに、p電極として他の光電子装置に広く
応用できるすぐれた機械的、電気的、光学的特性、光電
気特性あるいはそれらの協同的特性の改善されたp電極
や装置構成が得られることが望ましい。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、抵抗率の低い
銀すなわちAgをp電極の少なくとも一部分の第1層金属
として用い電気的にすぐれた特性と光学的にすぐれた特
性を有するp電極を安定に実現できる新規な技術に基づ
いている。本発明の半導体光電子装置はp型窒化物半導
体層を備える電子装置であって該p型窒化物半導体層に
蒸着した銀層を備え、該銀層が電極として機能するとと
もに光の、限定的でないが特に短波長光の、透過層ある
いは反射層として機能するようにしている。その厚さを
調整して該一部分を透過率の高い透明p電極としたり反
射率の高い反射p電極としている。
【0018】上記銀の機械的、電気的特性とを向上する
ため金属や誘電体の安定化層で銀層を覆うのが好まし
い。透過率をさらに改善するため透明誘電体の整合層で
透明p電極の銀を覆ってもよい。また、銀をIII族窒化
物半導体に安定に被着させるため、所定の基板温度およ
び蒸着速度が選ばれる。さらに銀の蒸着まえに所定の洗
浄をおこなって被着した銀の安定性を高めてもよい。
【0019】
【実施例】以下に窒化物半導体LEDの製造に関する本発
明を理解するためGaN系LEDの製造に関する本発明の実施
例を説明する。当業者は以下の実施例から他の窒化物半
導体LEDを組立てる場合の知識をも得ることができる。
また、透明p電極や反射p電極のLED以外の電子装置へ
の応用の可能性についても見通しが立とう。
【0020】図2は、p電極を構成する第1層金属とし
て銀(Ag)層21を蒸着した本発明の第1の実施例のGa
N系LED20の断面図である。図1のLED1におけると同
様の機能、性能を発揮する部分には図1におけると同じ
参照番号が付されている。銀層21には図1におけると
同様にボンディング用の電極金属層21aがニッケル・
金等で構成される。ボンディング用の電極金属層21a
の少なくとも表面部分は金等の回路接続に適した回路接
続用金属とする。図2のLEDは、基板2と該基板上の
n型窒化物半導体層3と、n型窒化物半導体層上の窒化
物半導体からなる活性層4と、活性層上のp型窒化物半
導体層5と、p型窒化物半導体層上の銀層21と、を備
えたLED部材をパッケージ8にボンディングしたLED
の一実施形態として窒化物半導体としてGaN系半導体を
選択したものである。また、各窒化物半導体層の主要部
は周知のように必要な組成の層を必要な数だけ含む多層
膜として形成されている。
【0021】以下に図3の工程図を参照してLED20の
組立プロセスを説明する。まずCVD法などの従来の素
子形成プロセス(例えば前記特願平9−30204号参
照)を用いて、不透明基板を含む他の基板であってもよ
いサファイア基板2上に、n層3、活性層4とp層5を
順次形成しLED部材を組立てた(工程31)。次いで
該LED部材を他の金属であってもよいニッケルをマスク
としフォトリソグラフィ法でパターニングし、反応性イ
オンエッチングによって、該LED部材をn電極7を形成
するn層3の一部分(図1の(A)ではn型GaN層2
4’の蒸着金属33’取り付け部分)まで掘り下げた
(工程32)。その後、室温でマスクとして使用したニ
ッケルをLED部材から王水で除去した(工程33)。
【0022】ニッケルの除去に燐酸を用いたり、王水を
室温より昇温して用いることも可能であるが王水を用い
てニッケルを除去する方法は窒化物半導体表面の洗浄も
兼ねておこなえるので好ましい。ニッケルの除去は数分
で終了するがLED部材を王水に浸漬する時間は通常この
ような処理で採用される5分(特願平9−30204参
照)よりかなり長い30分から1時間程度とした。30
分より短くしてゆくとp層表面の清浄化効果が次第に失
われ、後工程で該表面に蒸着された銀の安定性が失われ
ることが判明したのでこの浸漬時間を30分からあまり
短くすることは避けなければならない。
【0023】その後サファイア基板2を900℃とし窒素
雰囲気中で5分間LED部材の活性化を行った(工程3
4)。該活性化後LED部材を室温でふっ酸により10
分間洗浄し(工程35)、p電極の第1層21を形成す
るためp層5の表面(図1の(A)のp型GaN層31’
の表面に相当)の大部分に、Agを100nm蒸着した(工程
36)。ふっ酸による表面清浄化は前記特願平9−48
402号の開示が参考になる。
【0024】次にp電極のボンディング用の電極金属層
21aを形成するためニッケル300nmと金50nm程度を順
次蒸着してパターニングし、第1回目のアニール(アニ
ール1)をおこなった(工程37)。その後n電極7を
形成するためのn型GaN部分に、Tiを10nm、Alを200nm順
次蒸着してパターニングしLED部材をLEDチップとし
て形成し、第2回目のアニール(アニール2)をおこな
った(工程38)アニールについては後述する。形成し
たLEDチップをパッケージ8のダイ・パッド8aに取り
付け、ボンディングワイヤを配線して樹脂封じなどの処
理をおこなってLED製品を完成させた(工程39)。n
電極7は別の材料構成でもよいが、少なくとも表面部分
は金等の回路接続のための回路接続用金属とする。な
お、アニール1を省略しアニール2だけとしてもよい。
アニール1を200℃以下でおこないアニール2を200℃以
上で好ましくは400℃以上でおこなうのがよい。
【0025】Agを蒸着するときの蒸着速度、および蒸着
中のサファイア基板2の温度を変えることにより形成さ
れたLEDチップの特性が変化する。この特性変化を調べ
るためまずこれら蒸着速度と温度とを変えてLED部材を
多数形成した。これらLED部材は、図3の工程36を終
了した時点のLED部材でアニール1をおこなう前に得ら
れる。各LEDチップを入力電流20mAで室温連続動作さ
せその発光強度の時間変化を測定した。銀の蒸着時にサ
ファイア基板2の温度を室温とし、蒸着速度を0.1nm/秒
として形成したLEDチップの発光強度は連続動作開始後
30分でに、連続動作開始時の発光強度の5%以下に減少
した。
【0026】これに対して、サファイア基板2の温度を
200℃にし、蒸着速度を0.03nm/秒として形成したLEDチ
ップでは30分以上連続動作させても発光強度はまったく
減少せず、長時間連続動作でも発光強度が減少しないこ
とが確かめられた。サファイア基板2の温度を室温と
し、蒸着速度を0.03nm/秒として形成したLEDチップでは
30分以上連続動作させると発光強度が動作開始時の60〜
80%になる。サファイア基板2の温度を200℃とし、蒸
着速度を0.1nm/秒として形成したLEDチップでは30分以
上連続動作させると発光強度が動作開始時の約90%にな
る。
【0027】極端な高温では蒸着された銀が島状になっ
てしまうので電極として使用することはできない。サフ
ァイア基板2の温度を更に高くすると蒸着速度が0.03nm
/秒でも400℃近くから銀の被着が不均一になりだし、蒸
着速度が高いと更に低い温度でも銀の被着が不均一が生
じる。この不均一が生じると銀層の抵抗値が上昇し、そ
の光散乱が増加するとともにLEDの上記発光強度の経時
減衰が速くなりLEDは実用に供し得ない。以下に詳細に
述べるが実施例のLEDチップはアニール1、2の前後い
ずれにおいてもこのような測定結果となった。
【0028】このような実験の結果、銀層の蒸着は蒸着
速度を約0.05nm/秒以下とし、サファイア基板2の温度
を200℃以下とするのが好ましいと判明した。LED製造の
効率を考えれば、蒸着速度は高い方がよいが、高速過ぎ
れば銀の層の品質がさがる。また、製造の容易さからサ
ファイア基板2の温度を室温等のより低温とすれば、良
好な銀層の品質を得るため蒸着速度をより低くする必要
があり、0.03nm/秒以下にするのがよい。上記のように
サファイア基板2の温度を200℃近傍にし、蒸着速度を
0.03nm/秒近傍に選ぶのが得策である。
【0029】また、銀層の蒸着速度とLED部材の基板温
度とを可変して、発光強度を測定し製造プロセスに対す
るより適切な銀層の蒸着速度と基板温度とを決定するの
がさらに好ましい。この場合、Ag層における出力光の輝
度分布の均一性も良好であることが好ましい。
【0030】従来のLED製造プロセスでは、LEDの動
作電圧を下げるために、電極を蒸着した後にLEDチッ
プを400〜500℃でアニールする方法がよく用いられてき
た。本発明の第1の実施例のLEDチップを形成する際
は、Agを蒸着した直後は、LEDチップを窒素雰囲気中
で通常知られている温度(400〜500℃)よりも低い200
℃でアニール1を行い、ボンディング用の金属電極やn
電極をつけたあとは500℃でアニール2をおこなった。
前述のようにアニール1を省略してもよい。
【0031】図4は、アニールの時間効果を確認するた
めの実験結果を示すグラフである。図4は、p層5と同
じ特性を有するp型GaN基板上に蒸着された2つのAg電
極間の電圧降下を該電極の間に500uAの電流を流して測
定した結果を示している。p型GaN基板はAg蒸着後に窒
素雰囲気中、200℃でアニールされたもので、Ag電極間
電圧降下は該アニール時間を変えてプロットしてある。
図4はAg蒸着中のp型GaN基板の温度Tsが室温でのカー
ブ41と200℃でのカーブ42とを示しているが、温度T
sがその他の値の場合でも、20分以上アニールすること
で、2つのAg電極間の電圧降下はアニール前よりも低下
した。温度Tsによらずアニールの効果を見積もれる点は
有利である。
【0032】なお、上記電圧降下の値はp型GaN基板に
よるアニール非依存抵抗の寄与が大きい。実際に形成さ
れたLEDチップ間の端子間電圧が3〜4ボルトになる
ことを考慮すると、最終製品としてのLEDに対するAg電
極の接触電圧のアニールによる変化は50%を越えると
いえる。したがって、アニールによるLEDの効率(出力
光電力/入力電力)の改善がおこなえる。ここでのアニ
ールは前述のアニール1に相当しアニール温度は200℃
以上とするのが効果的である。特にn電極7を形成して
からアニールする場合(アニール2)は400〜500℃でア
ニールするのがよい。上記したように本発明の第1の実
施例のGaN系LEDおよびGaN系LEDチップは第1層が銀層で
あるp電極を有するLEDの製造プロセスの確立に役立
つ。
【0033】図5は本発明の第2の実施例のLED50の
部分断面図である。なお、TiO2層52はボンディング用
の電極金属層21aよりかなり薄くなっており図5では
寸法を信用すべき出ない。図2のLED20におけると同
様の機能、性能を発揮する部分には図2におけると同じ
参照番号が付されている。本発明の第2の実施例と第1
の実施例との違いは、p電極として蒸着される銀層51
厚さを10nmと薄くし出力光に対する透過率を改善した点
と、該銀層の保護、安定化と透過率の更なる改善をする
ため、p電極の上にTiO2層52を蒸着した点にある。
【0034】ボンディング用の電極金属層51aはボン
ディング用の電極金属層21aと実質的におなじもので
ある。2枚のTiO2膜により透明銀電極をサンドウィッチ
し透過率を改善する技術は周知であるが(「薄膜ハンド
ブック」、496頁、オーム社、東京(1983)参照)、
銀層上にTiO2層52を蒸着した本第2の実施例の構成で
も出力光に対する透過率を改善できることが判明した。
金属層は厚さが20nm以下で透明となるが、透明導電膜
としての膜厚は3〜15nmの範囲に限定されるといわ
れ、また波長が500nm以下では銀の吸収が金より少ない
といわれている(「薄膜ハンドブック」、495頁、オ
ーム社、東京(1983)参照)。本第2の実施例ではLED
の効率を改善し信頼性を確保する観点から該膜厚を10
nmとした。
【0035】なお、p電極の第1層として蒸着された銀
層上にTiO2を蒸着することの効果を測定してLEDの設計
に役立てるため次の実験をおこなった。まず光学部品の
透明基板として一般に用いられている光学ガラスである
BK7基板(「理科年表」、518−519頁、丸善、東
京(1992))上に銀を蒸着した。BK7基板温度を室温に
し、蒸着速度0.03nm/秒で厚さ10nmのAg層を蒸着した
試料1と、さらにその上に厚さ25nmのTiO2層を蒸着した
試料2を作成した。
【0036】図6は、このようにして作成された試料
1、2の透過率の測定結果を示している。測定光の波長
が450nmでの透過率は、試料1がカーブ61から透過率4
9%なのに対して試料2ではカーブ62から透過率66%ま
で増加している。上記試料2ではTiO2膜の膜厚として25
nmを選んだが、これは波長が450nmでのAg層とTiO2膜の
合成多層膜の透過率を最大にする厚さであるためであ
る。従来良く使用されるニッケル1nmと金8nmの2層膜
の透過率は47%であった。波長が450nmより短い領域で
はさらにAg層とTiO2膜の合成多層膜が有利となることが
分った。(なおAg層の層厚が7nmではAg層と合成多層膜
の透過率はそれぞれ52%、71%であった。)
【0037】本発明の発明者等は、他の金属薄膜層に比
べAg層の吸収が少なく反射率に透過率が依存しているこ
とを突き止め(図8も参照)、所望波長での透過率を最
大にするためには該波長λに比例してTiO2膜の膜厚を変
えればよいことも見出した。ひとつの方法として膜厚を
25×λ/450(nm)とする方法がある。本発明の第
2の実施例ではTiO2膜の膜厚を25nmとし波長が450nmで
のAg層の透過率を最大にしている。TiO2膜は透過率を高
める光学整合層として機能しその所要膜厚はAg層の膜厚
に依らず膜厚制御が容易な点は有利である。勿論、ボン
ディング用の金属電極51a下部を除く部分のみを銀層
としても出力光を増す効果が得られることは明白であ
る。あるいはボンディング用の金属電極51aの下部近
傍を含む銀層51の厚さを増加させて金属電極51aと
銀層の接続を容易にしてもよい。
【0038】図7は本発明の第2の実施例のGaN系LEDを
製造するために図3の工程図に工程381と工程382
とを追加すべきことを示している。工程38においてn
電極7を形成し、引き続きアニール2を実施した後、Ti
O2を蒸着しパターニングしてTiO2層52を形成し(工程
381)、該TiO2層52にボンディング用の金属電極5
1a上部の穴をパターニングして形成したのち第3回目
のアニール(アニール3)をおこなった(工程38
2)。その後形成したLEDチップをパッケージ8のダイ
・パッド8aに取り付け、ボンディングワイヤを配線し
て樹脂封じなどの処理をおこなってLED製品を完成させ
た(工程39)。
【0039】TiO2層52を用いる場合、銀層51の蒸着
時の条件が緩和され、サファイア基板2の温度が同一で
も銀の蒸着速度を高くできる。すなわちTiO2層52は光
学整合層として機能するだけでなく、銀層51の機械
的、電気的特性とを向上するための誘電体安定化層とし
ても機能している点が好ましい。代替誘電体透明薄膜と
して、SiO2、Al2O3なども効果があるがTiO2層52が最
も効果的であった。また、第1の実施例におけると同様
に、アニールはアニール1、2をおこなってもよいし、
アニール2のみ、あるいはアニール3のみとしてもよ
い。
【0040】第2の実施例のLEDチップはその電圧電
流特性が図15のカーブ151とほとんど同じであり、
良好な特性が得られた。またその光出力は透明電極の透
過率に略比例したので銀層51が10nmでTiO2層52が25
nmのとき、ニッケル層の場合、ニッケル1nmと金8nmの
2層膜で図2の銀層51とTiO2層52とを置換した従来
技術によるLED(LED-P)に比べ少なくとも1.4倍以上の効
率(光強度/入力電力)を得ることができた。
【0041】一方発明者等は上記銀層が良好な反射膜と
して機能するp電極を構成できることを見出し本発明の
第3の実施例を構成した。銀の光吸収が少ない点はここ
でも有利である。まず図8を参照して銀が反射率の高い
p電極を実現する金属として優れている点について説明
する。
【0042】図8にはガラスに蒸着した膜厚100nmの各
種金属層の反射率の波長依存特性がプロットされてい
る。図8において、それぞれ、カーブ80は銀層、カー
ブ81はパラジウム層、カーブ82は白金層、カーブ8
3はニッケル層、カーブ84は金層、カーブ85はアル
ミニウム層、カーブ86はクロム層、カーブ87はチタ
ン層の各反射率を表している。GaN系LEDの出力光である
青から緑付近の波長において90%以上の反射率が得られ
る薄膜材料は、銀もしくはアルミニウムであることが分
った。
【0043】また、p電極としてオーミック接合を形成
できる金属は、銀、パラヂウム、白金、ニッケルが知ら
れている。銀以外のこれら金属の薄膜の反射率は、青か
ら緑付近の波長においていずれも65%以下であり、これ
らの金属をp電極として使用しても、従来の反射p電極
に比較して明らかな優位性を示すことはできない。一
方、金、アルミニウム、クロム、チタンなどはp電極と
してオーミック接合が形成できないことが分かってい
る。したがって、より高い反射率が得られ、p電極とし
て良好に機能する金属薄膜としては銀が最も適している
ことがわかった。
【0044】銀薄膜について、波長470nmの光に対する
反射率を膜厚を変えてプロットすると図9のとおりであ
る。膜厚の増加に伴って反射率も大きくなるが、膜厚が
50nm付近で飽和する。従来のp電極に対して顕著な優位
性を得るためには少なくとも20nm以上の膜厚が必要であ
ることがわかる。また、銀の量を50nm以上とすれば少な
い銀で十分な効果が得られる。100nm以上は反射率を得
るためには光学的には殆ど意味がない。しかし、銀に他
の金属が拡散して銀そのものの反射率が得られない恐れ
のある場合は銀の厚さを拡散する金属と量に応じてさら
に増加させるのがよい。
【0045】以上の知見と銀層がp型窒化物半導体上に
透明電極として安定に形成できる本発明の技術に基づき
本発明の発明者等は、LED素子(チップ)をパッケージ
にフリップ・ボンディングしてLEDを構成する考えに至
った。
【0046】図10には本発明の第3、第4の実施例の
LEDチップ100A(図10の(A))とLEDチップ10
0B(図10の(B))の断面が示されている。これ
ら、第3、第4の実施例ではサファイア基板2が活性層
4から発生する光に対し高い透過率をもつので出力光は
サファイア基板2から外に放射される。サファイア基板
2とは別の透明基板を用いてもよい。図10において図
2のLED20におけると同様の機能、性能を発揮する部
分には図2におけると同じ参照番号が付されている。パ
ッケージ8を除きLEDチップ100の組立はLED20を組
立てる場合と同様であるが、蒸着される銀層101の膜
厚が銀層51の膜厚に比較し厚くなっている。
【0047】第3の実施例のLEDチップ100Aはp電
極が銀層101(厚さ100nm)と層103Aのみを有
し、それら薄膜間に拡散阻止層102を有しないLEDチ
ップ20である。層103Aが銀層101の安定化層で
あり銀層101の反射率を低下させない金属や誘電体で
銀層の全体あるいは一部を覆うように構成される。まず
LEDチップ100Aが誘電体からなる層103Aを用い
る場合はその一部に穴を設け銀層へ接続される回路接続
用金属層が必要である。銀層の厚さが20nm以上で反射層
として形成する工程(図3の工程36)を除けば製造工
程は第2の実施例におけると同様に工程31から工程3
8、工程381〜工程382を経てLEDチップ100A
が形成される。
【0048】さらにLEDチップ100Aは工程382か
らは後述の図12に記載の工程391に移行して銀層上
の回路接続用金属層とn電極7上にボールボンディング
法によって金バンプ等のボンディング電極116を形成
しLEDチップ100Aが実装できる状態となる(図11
の(A))。次にLEDチップのフリップチップ・ボンデ
ィングをおこなう。まず、LEDチップ100Aをウェー
ハ上に多数形成した場合は該ウェーハ裏面をラッピング
し該ウェーハをスクライビングによって1つ1つのLED
チップ100Aに分割した(工程392)。また、図1
1の(B)に示すようにパッケージ118のダイ・パッ
ド上のリード線118a上に、インジウム系の低融点金
属から成るバンプ118bを形成した(工程393)。
最後にLEDチップ100Aとパッケージ118とを位置
合わせして、加熱・加圧してボンディング電極116と
バンプ118bとを接合し図11の(C)に示すLED11
0が得られた(工程394)。チップ保護等のため必要
に応じてLED110を樹脂封止してもよい。なお上記LED
チップ100AとLED製品の製造工程でのアニールにつ
いては第2の実施例におけると同じである。金属層10
3Aを用いる場合は後述の第4の実施例のLEDチップの
製造工程において第2層102を欠く場合と同じなの
で、ここでは述べない。また、層103Aが金属であれ
誘電体であれ銀層に対する安定化層として機能する点は
共通である。
【0049】本発明の第4の実施例のLEDチップ100
Bも図3の工程35までを経過したLED部材にさらに
図12に記載の工程を加えることで形成される。工程3
6Aにおいて銀層101銀層101を20nm以上、第4の
実施例では100nm蒸着し、工程371においてニッケル
の拡散阻止層102を厚さ300nmまで蒸着した。ただしL
ED部材のアニールはおこなわない。拡散阻止層102
は、必須ではないが、銀層101の側面をも覆いp層5
とともに該銀層101を封止するようにした。次に回路
接続用金属、ここでは金を50nm厚まで蒸着した(工程3
72)。n電極7はn層3上にチタン層(厚さ10nm)を
蒸着しさらにその上に回路接続用金属としてアルミニウ
ム層(厚さ200nm)を蒸着して形成した(工程38)。
良好なオーミック接合を得るためのアニールは前記図3
の工程でのアニール2と同様に、基板温度450℃、3
0分実施した(工程38)。
【0050】次に工程373は省略して前述の工程39
1に移行して金層103とn電極7上にボールボンディ
ング法によって金バンプ電極等のボンディング電極11
6を形成しLEDチップ100Bが実装できる状態となる
(図11の(A))。次に上記第3の実施例でLEDチッ
プ100Aについておこなったと同様に、工程392〜
工程394によりLEDチップ100Bをパッケージ11
8にフリップチップ・ボンディングする。チップ保護等
のため必要に応じてLED110を樹脂封止してもよい。
【0051】本発明の第3の実施例において銀層101
上に直接蒸着されるボンディング電極116として金層
や金バンプ電極を採用すると金の拡散により銀層110
側の反射率が劣化してしまうことがある。本発明の第4
の実施例はp電極を3層構造として上記不都合を解消し
たものである。
【0052】すなわちp電極の3層構造は第1層101
が半導体とのオーミックな接続が得られ、かつ、反射率
の高い材料、第2層102は後工程での第1層への金属
拡散を抑制し第1層の反射率の減少を押さえる材料、そ
して、第3層103はボンディングやバンプ形成を可能
にする材料が選択されるのが好ましい場合が多い。以下
に、それら条件満たすように各層の材料選択をおこなっ
た場合について図13を用いて説明する。
【0053】図13はp電極の第2層の必要性を説明す
るためp電極の反射率を測定光の波長にたいしてプロッ
トした図である。オーミック接合を得るための前述のア
ニールによりp電極の光に対する反射率の変化がわか
る。カーブ131はp電極として銀層101を蒸着した
直後のサファイア基板2側からみた反射率、カーブ13
2は拡散阻止層102として第2層のニッケル層を第1
層である銀と第3層である金層103の間に設置した三
層構造でのアニール後の反射率、カーブ133は第2層
を設置しない銀層101と金層103の二層構造でのア
ニール後の反射率である。
【0054】上記2層構造では、アニールによって金が
銀層101側に拡散し、顕微鏡による目視観察でも顕著
な色の変化があり、結果として反射率が減少している。
一方、第2層としてニッケルを設置した場合(カーブ1
32)については、アニール後も反射率の減少は5%程度
であり、顕微鏡による目視観察でも顕著な色の変化は認
められなかった。第2層102のニッケルが拡散防止層
として機能し、第3層103の金が第1層101である
銀層への拡散を阻止している。第4の実施例では金拡散
を重視しボンディング性をやや犠牲にした金厚みの選定
をおこなっている。
【0055】次に図14、図15を用いて本発明の第4
の実施例についてさらに説明する。図14は、本発明の
第4の実施例によるLEDの出力光の発光強度141と従
来のLEDの出力光の発光強度142の入力電流に対する
変化を任意単位(au)で比較プロットしたものである。
この従来のLED(前記LED-P)のLEDチップは図1のLEDチ
ップ10と同じで、第4の実施例のチップと電極構成が
異なるがそれ以外の構成は等価であり、同一チップ面
積、同一p層面積とを有する。p層面積の約15%がボン
ディング用の金属p電極であり、フリップチップ方式実
装によりこの程度の出力光の増加は予測される。図15
は、本発明の第4の実施例によるLEDの駆動電圧151
と従来のLEDの駆動電圧152の入力電流に対する変化
を比較プロットしたものである。
【0056】図14、図15から明らかなように、本発
明の第4の実施例のLEDは従来のLEDに比較して約2倍明
るく、駆動電圧は同等か少し低いことがわかる。前記第
3層103を金層からアルミニウム層としても同様の効
果を得ることができる。また、銀層101の上に第2層
102等を設けたので銀層の安定度が増し、それがない
場合に比較し銀層101の蒸着形成時に基板温度をより
低温とし蒸着速度をより高速にできる点は有利である。
すなわち第2層101は拡散阻止層として機能するだけ
でなく、銀層101の機械的、電気的特性を向上するた
めの金属安定化層としても機能している点が好ましい。
【0057】また、第2層102や第3層103はそれ
自体多層薄膜であってもよいし、それら多層膜の構成が
それらの面積的広がりにわたり均一である必要もない。
第2層102を安定化層としてのみ機能させ安定化層と
して用いる場合は第2層が銀層100に拡散しないこと
が特にもとめられる。第2層102を拡散阻止層として
機能させるばあいは第2層が銀層100に拡散しないと
ともに第3層の銀層への拡散を阻止する能力が高い必要
がある。第3の実施例において第2層102を欠くばあ
い第3層103は回路接続に適するとともに銀層100
に拡散しないことが特にもとめられる。
【0058】第1層である銀層101への第2層102
や第3層103の金属の拡散は高温アニールを行ってい
るときに著しいので、第4の実施例において次のような
工程変更をおこなって、第5の実施例を得た。 (1)工程372を省略し第4の実施例では省略した工
程373に置いて回路接続用金属電極の蒸着をおこな
う。この場合工程372でおこなったよりも第3層を厚
く蒸着してボンディング性を改善できよう。このように
すると第3層103の拡散は極めて少なくなり、銀層1
01の反射率の低下が少なくなりLEDの光量すなわち
発光強度を更に多くすることができる。ただし、第2層
102の表面がが工程38のアニール2の中で酸化する
などの第3層との密着性を損なう変化を生じないように
注意しなければならない。そのような変化が生じたばあ
いは、変化した表面の除去プロセスを追加してもよい。 (2)また、上記表面の変化による密着性の悪化を軽減
するため、工程371と工程373とを実施し、工程3
72では第3層103を第4の実施例での工程371に
おけるより薄く蒸着し、工程373では追加の第3層蒸
着をおこなうようにしてもよい。
【0059】上記第3〜第5の実施例では工程371に
おけるアニール11を行っていないが工程管理等の目的
で該アニール11をおこなって工程371までの工程を
経たLED部材の種々の測定をおこなってもよい。上記第
3〜第5の実施例ではフリップチップ構造をとるため、
従来の方法では、出力された光が反射、吸収する原因と
なっていた透明電極、ボンディング用電極、ボンディン
グワイヤなどが出力光射出方向には存在せず多くの光を
LEDチップから外に取り出せる。また、p電極の銀層1
01の反射率が高いためさらに光の取り出し効率を高め
られると同時に、LEDチップの薄膜構造が簡略化し、ダ
イ・パッドの反射率を高めるための手段も必要もないた
めLED製品の構造を簡略化でき、コストを削減できる。
【0060】さらに、前記第2の実施例のLEDチップに
おいて銀層51の厚さを20nmより厚くし、該LEDチップ
をフリップチップ・ボンディングして前記第3、第4の
実施例のLEDと同様なLED製品が本発明の第6の実施例の
LEDとして得られる。また、フリップチップ・ボンディ
ングをするためのボンディング電極とインジウム系の低
融点金属から成るバンプとはLEDチップとパッケージ間
で互いに交換することもできるし、適宜の別の金属とす
ることもできる。
【0061】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明は実施例に限定されるものではなく、種々の変形
や追加をおこなってより多くの電子装置に応用できるも
のである。以下に本発明の実施態様のいくつかを列挙し
て本発明の多様な実施への参考に供したい。
【0062】(実施態様1):基板と該基板上のn型窒
化物半導体層と、n型窒化物半導体層上の窒化物半導体
からなる活性層と、活性層上のp型窒化物半導体層と、
p型窒化物半導体層上の銀層と、を備えたLED部材。
【0063】(実施態様2):前記窒化物半導体層と前
記活性層とGaN系半導体層であることを特徴とする実施
態様1に記載のLED部材。 (実施態様3):前記n型窒化物半導体層上にn電極を
追加し前記p型窒化物半導体層上にp電極を追加して成
る実施態様1あるいは実施態様2に記載のLED部材。 (実施態様4):前記銀層上に安定化層を追加して成る
実施態様1あるいは実施態様2に記載のLED部材。
【0064】(実施態様5):前記銀層上に安定化層を
追加して成る実施態様3に記載のLED部材。 (実施態様6)前記安定化層が光整合層で前記銀層の厚
さが20nm以下であることを特徴とする実施態様4あるい
は実施態様5に記載のLED部材。 (実施態様7):前記安定化層が誘電体で前記銀層の厚
さが20nm以上であることを特徴とする実施態様4あるい
は実施態様5に記載のLED部材。 (実施態様8):前記光整合層がTiO2層であることを特
徴とする実施態様6に記載のLED部材。
【0065】(実施態様9):前記TiO2層の厚さが前記
活性層から発生する注目光の波長の約18分の1である
ことを特徴とする実施態様8に記載のLED部材。 (実施態様10):実施態様3〜実施態様9のいずれか
に記載の前記LED部材と該LED部材をダイ・ボンディング
し前記p電極とn電極とをワイヤボンディングするため
のパッケージとを備えたLED製品。
【0066】(実施態様11):基板を用意する工程
と、基板上にn型窒化物半導体層を成長させる工程と、
n型窒化物半導体層上に窒化物半導体からなる活性層を
成長させる工程と、活性層上にp型窒化物半導体層を成
長させる工程と、前記基板を加熱して前記p型窒化物半
導体層の活性化をおこなう工程と、該p型窒化物半導体
層上に所定の厚さの銀層を設ける工程と、を含むLED部
材の製造方法。
【0067】(実施態様12):前記設ける工程におい
て前記基板の温度を室温より高い温度に加熱して銀層を
蒸着することを特徴とする実施態様11に記載のLED部
材の製造方法。 (実施態様13):前記室温より高い温度は200℃以下
であることを特徴とする実施態様12に記載のLED部材
の製造方法。 (実施態様14):前記設ける工程において前記銀層を
1秒当たり0.05nm以下の割合で蒸着することを特徴とす
る実施態様11から実施態様13のいずれかに記載のLE
D部材の製造方法。
【0068】(実施態様15):前記設ける工程のあと
に前記基板と前記n型窒化物半導体層と前記活性層と前
記p型窒化物半導体層と前記銀層とからなる第1のLED
部材をアニールする工程を追加したことを特徴とする実
施態様11から実施態様13のいずれかに記載のLED部
材の製造方法。 (実施態様16):前記アニールは前記基板を200℃以
上に加熱しておこなうことを特徴とする実施態様15に
記載のLED部材の製造方法。 (実施態様17):前記アニールは窒素雰囲気中でおこ
なうことを特徴とする実施態様15あるいは実施態様1
6に記載のLED部材の製造方法。
【0069】(実施態様18):前記アニールは20分
以上おこなうことを特徴とする実施態様15あるいは実
施態様17に記載のLED部材の製造方法。 (実施態様19):前記銀層の厚さが20nm以下であるこ
とを特徴とする実施態様11〜実施態様18のいずれか
に記載のLED部材の製造方法。 (実施態様20):前記銀層に安定化層を設ける工程を
追加したことを特徴とする実施態様11〜実施態様18
のいずれかに記載のLED部材の製造方法。 (実施態様21):前記銀層に光学整合層を設ける工程
を追加したことを特徴とする実施態様19に記載のLED
部材の製造方法。
【0070】(実施態様22):基板を用意する工程
と、基板上にn型窒化物半導体層を成長させる工程と、
n型窒化物半導体層上に窒化物半導体からなる活性層を
成長させる工程と、活性層上にp型窒化物半導体層を成
長させる工程と、前記p型窒化物半導体層と前記活性層
と前記n型窒化物半導体層の一部を前記p型窒化物半導
体層側から掘り下げて該前記n型窒化物半導体層にn電
極形成部分を形成する工程と、前記基板を加熱して前記
p型窒化物半導体層の活性化をおこなう工程と、該p型
窒化物半導体層上に銀層を所定の厚さに蒸着する工程
と、前記銀層上にボンディング用の電極金属層を蒸着す
る工程と、前記n電極形成部分にn電極を蒸着する工程
と、を含むLED部材の製造方法。
【0071】(実施態様23):前記銀層に光学整合層
を蒸着する工程を追加したことを特徴とする実施態様2
2に記載のLED部材の製造方法。 (実施態様24):前記基板と前記n型窒化物半導体層
と前記活性層と前記p型窒化物半導体層と前記銀層と前
記ボンディング用の電極金属層と前記n電極とからなる
第3のLED部材を200℃以上でアニールすることを特
徴とする実施態様22〜実施態様23に記載のLED部材
の製造方法。 (実施態様25):前記アニールは20分以上おこなう
ことを特徴とする実施態様15あるいは実施態様24に
記載のLED部材の製造方法。
【0072】(実施態様26):前記n電極形成部分を
形成した後前記活性化をおこなう前に、前記基板と前記
n型窒化物半導体層と前記活性層と前記p型窒化物半導
体層とを含む第4のLED部材を王水に浸漬する工程を追
加して成る実施態様11〜実施態様25のいずれかに記
載のLED部材の製造方法。 (実施態様27):前記浸漬する時間は30分以上であ
ることを特徴とする実施態様26に記載のLED部材の製
造方法。
【0073】(実施態様28):p型窒化物半導体層を
備える電子装置であって該p型窒化物半導体層に蒸着し
た銀層を備え、該銀層が電極として機能するとともに短
波長光の光透過層あるいは反射層として機能することを
特徴とする半導体光電子装置。 (実施態様29):前記銀層の厚さが20nm以下で光透過
層として機能することを特徴とする実施態様29に記載
の半導体光電子装置。 (実施態様30):前記銀層が安定化層を有することを
特徴とする実施態様29に記載の半導体光電子装置。 (実施態様31):前記安定化層が光学整合層として機
能することを特徴とする実施態様30に記載の半導体光
電子装置。
【0074】
【発明の効果】本発明を実施することによって、従来の
ものに比較して明るいダイオードが得られる。また、下
記の効果が得られる。 1)動作電圧の低く、連続動作に対して安定に動作するLE
Dを効率的に実現できる。 2)LEDにおいて低い動作電圧を維持したまま、光の取り
出し効率を増加できる。 3)上記1)、2)により、例えば、少数のLEDで同等
の性能を得ることができるため、発光装置の小型化、低
コスト化が実現可能となる。 4)また、受光装置等のp型窒化物半導体層を備える光
電子装置であれば本発明の銀層を備え、該銀層が電極と
して機能するとともに光の、限定的ではないが特に短波
長光の、透過層あるいは反射層として良好に機能する半
導体光電子装置広く応用できるので有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術によるGaN系半導体に基づいて構成し
たGaN系LEDの断面図である
【図2】p電極を構成する第1層金属として銀(Ag)層
21を蒸着した本発明の第1の実施例のGaN系LED20の
断面図である。
【図3】LED20の組立プロセスを説明するための工程
図である。
【図4】アニールの効果を確認するための実験結果を示
すグラフである。
【図5】本発明の第2の実施例のLED50の部分断面図
である。
【図6】試料1、2の透過率の測定結果を示す測定光の
波長が450nmでの透過率のグラフである。
【図7】本発明の第2の実施例のGaN系LEDを製造するた
めに図3の工程図に工程381と工程382とを追加す
べきことを示す部分肯定図である。
【図8】にはガラスに蒸着した膜厚100nmの各種金属層
の反射率の波長依存特性をプロットしたグラフである。
【図9】銀層について、波長470nmの光に対する反射率
を膜厚を変えてプロットしたグラフである。
【図10】本発明の第4の実施例のLEDチップ100の
断面図である。
【図11】LEDチップ100をパッケージにボンディン
グする手順を説明するための図である。
【図12】本発明の第4の実施例のLEDチップ100B
の製造とその実装とをおこなう工程を示す工程図であ
る。
【図13】p電極の第2層の必要性を説明するためp電
極の反射率を測定光の波長にたいしてプロットしたグラ
フである。
【図14】 本発明の第4の実施例によるLEDの発光強度
141と従来のLEDの発光強度142の入力電流に対す
る変化を任意単位(au)で比較プロットしたグラフであ
る。
【図15】本発明の第4の実施例によるLEDの駆動電圧
151と従来のLEDの駆動電圧152の入力電流に対す
る変化を比較プロットしたグラフである。
【符号の説明】
1 GaN系LED 2 サファイア基板 3 n層 4 活性層4、 5 p層5、 6 透明p電極6 6a ボンディング用p電極 7 n電極 8 パッケージ 8a ダイ・パッド 10 従来技術のGaN系LEDチップ 20 本発明の第1の実施例のGaN系LED 21 銀(Ag)層 21a ボンディング用の電極金属層 100A、100B LEDチップ 101 銀層(第1層) 102 拡散阻止層(第2層) 103 回路接続用金属層(第3層) 103A 回路接続用金属層 110 LED 116 ボンディング電極 118 パッケージ 118a リード線 118b 低融点金属から成るバンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 範秀 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番2号 ヒューレット・パッカードラボラトリー ズジャパンインク内 (72)発明者 金子 和 神奈川県川崎市高津区坂戸3丁目2番2号 ヒューレット・パッカードラボラトリー ズジャパンインク内

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と該基板上のn型窒化物半導体層と、 n型窒化物半導体層上の窒化物半導体からなる活性層
    と、 活性層上のp型窒化物半導体層と、 p型窒化物半導体層上の銀層と、を備えたLED部材。
  2. 【請求項2】前記窒化物半導体層と前記活性層とGaN系
    半導体層であることを特徴とする請求項1に記載のLED
    部材。
  3. 【請求項3】前記n型窒化物半導体層上にn電極を追加
    し前記p型窒化物半導体層上にp電極を追加して成る請
    求項1あるいは請求項2に記載のLED部材。
  4. 【請求項4】前記銀層上に安定化層を追加して成る請求
    項1あるいは請求項2に記載のLED部材。
  5. 【請求項5】前記銀層上に安定化層を追加して成る請求
    項3に記載のLED部材。
  6. 【請求項6】前記安定化層が光整合層で前記銀層の厚さ
    が20nm以下であることを特徴とする請求項4あるいは請
    求項5に記載のLED部材。
  7. 【請求項7】前記安定化層が誘電体で前記銀層の厚さが
    20nm以上であることを特徴とする請求項4あるいは請求
    項5に記載のLED部材。
  8. 【請求項8】前記光整合層がTiO2層であることを特徴と
    する請求項6に記載のLED部材。
  9. 【請求項9】前記TiO2層の厚さが前記活性層から発生す
    る注目光の波長の約18分の1であることを特徴とする
    請求項8に記載のLED部材。
  10. 【請求項10】請求項3〜請求項9のいずれかに記載の
    前記LED部材と該LED部材をダイ・ボンディングし前記p
    電極とn電極とをワイヤボンディングするためのパッケ
    ージとを備えたLED製品。
  11. 【請求項11】基板を用意する工程と、 基板上にn型窒化物半導体層を成長させる工程と、 n型窒化物半導体層上に窒化物半導体からなる活性層を
    成長させる工程と、 活性層上にp型窒化物半導体層を成長させる工程と、 前記基板を加熱して前記p型窒化物半導体層の活性化を
    おこなう工程と、 該p型窒化物半導体層上に所定の厚さの銀層を設ける工
    程と、を含むLED部材の製造方法。
  12. 【請求項12】前記設ける工程において前記基板の温度
    を室温より高い温度に加熱して銀層を蒸着することを特
    徴とする請求項11に記載のLED部材の製造方法。
  13. 【請求項13】前記室温より高い温度は200℃以下であ
    ることを特徴とする請求項12に記載のLED部材の製造
    方法。
  14. 【請求項14】前記設ける工程において前記銀層を1秒
    当たり0.05nm以下の割合で蒸着することを特徴とする請
    求項11から請求項13のいずれかに記載のLED部材の
    製造方法。
  15. 【請求項15】前記設ける工程のあとに前記基板と前記
    n型窒化物半導体層と前記活性層と前記p型窒化物半導
    体層と前記銀層とからなる第1のLED部材をアニールす
    る工程を追加したことを特徴とする請求項11から請求
    項13のいずれかに記載のLED部材の製造方法。
  16. 【請求項16】前記アニールは前記基板を200℃以上に
    加熱しておこなうことを特徴とする請求項15に記載の
    LED部材の製造方法。
  17. 【請求項17】前記アニールは窒素雰囲気中でおこなう
    ことを特徴とする請求項15あるいは請求項16に記載
    のLED部材の製造方法。
  18. 【請求項18】前記アニールは20分以上おこなうこと
    を特徴とする請求項15あるいは請求項17に記載のLE
    D部材の製造方法。
  19. 【請求項19】前記銀層の厚さが20nm以下であることを
    特徴とする請求項11〜請求項18のいずれかに記載の
    LED部材の製造方法。
  20. 【請求項20】前記銀層に安定化層を設ける工程を追加
    したことを特徴とする請求項11〜請求項18のいずれ
    かに記載のLED部材の製造方法。
  21. 【請求項21】前記銀層に光学整合層を設ける工程を追
    加したことを特徴とする請求項19に記載のLED部材の
    製造方法。
  22. 【請求項22】基板を用意する工程と、 基板上にn型窒化物半導体層を成長させる工程と、 n型窒化物半導体層上に窒化物半導体からなる活性層を
    成長させる工程と、 活性層上にp型窒化物半導体層を成長させる工程と、 前記p型窒化物半導体層と前記活性層と前記n型窒化物
    半導体層の一部を前記p型窒化物半導体層側から掘り下
    げて該前記n型窒化物半導体層にn電極形成部分を形成
    する工程と、 前記基板を加熱して前記p型窒化物半導体層の活性化を
    おこなう工程と、 該p型窒化物半導体層上に銀層を所定の厚さに蒸着する
    工程と、 前記銀層上にボンディング用の電極金属層を蒸着する工
    程と、 前記n電極形成部分にn電極を蒸着する工程と、を含む
    LED部材の製造方法。
  23. 【請求項23】前記銀層に光学整合層を蒸着する工程を
    追加したことを特徴とする請求項22に記載のLED部材
    の製造方法。
  24. 【請求項24】前記基板と前記n型窒化物半導体層と前
    記活性層と前記p型窒化物半導体層と前記銀層と前記ボ
    ンディング用の電極金属層と前記n電極とからなる第3
    のLED部材を200℃以上でアニールすることを特徴と
    する請求項22〜請求項23に記載のLED部材の製造方
    法。
  25. 【請求項25】前記アニールは20分以上おこなうこと
    を特徴とする請求項15あるいは請求項24に記載のLE
    D部材の製造方法。
  26. 【請求項26】前記n電極形成部分を形成した後前記活
    性化をおこなう前に、前記基板と前記n型窒化物半導体
    層と前記活性層と前記p型窒化物半導体層とを含む第4
    のLED部材を王水に浸漬する工程を追加して成る請求項
    11〜請求項25のいずれかに記載のLED部材の製造方
    法。
  27. 【請求項27】前記浸漬する時間は30分以上であるこ
    とを特徴とする請求項26に記載のLED部材の製造方
    法。
  28. 【請求項28】p型窒化物半導体層を備える電子装置で
    あって該p型窒化物半導体層に蒸着した銀層を備え、該
    銀層が電極として機能するとともに短波長光の光透過層
    あるいは反射層として機能することを特徴とする半導体
    光電子装置。
  29. 【請求項29】前記銀層の厚さが20nm以下で光透過層と
    して機能することを特徴とする請求項29に記載の半導
    体光電子装置。
  30. 【請求項30】前記銀層が安定化層を有することを特徴
    とする請求項29に記載の半導体光電子装置。
  31. 【請求項31】前記安定化層が光学整合層として機能す
    ることを特徴とする請求項30に記載の半導体光電子装
    置。
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