JPH11186020A - 零相変流器 - Google Patents

零相変流器

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JPH11186020A
JPH11186020A JP9348410A JP34841097A JPH11186020A JP H11186020 A JPH11186020 A JP H11186020A JP 9348410 A JP9348410 A JP 9348410A JP 34841097 A JP34841097 A JP 34841097A JP H11186020 A JPH11186020 A JP H11186020A
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JP
Japan
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zero
current transformer
phase current
core
amorphous alloy
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JP9348410A
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Naomichi Hirama
直道 平間
Yasuaki Moriya
泰明 森谷
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Toshiba Corp
Toshiba Development and Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Electronic Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高出力で過漏電特性の優れた零相変流器を提
供する。 【解決手段】 磁性合金薄帯を巻回又は積層してなるコ
アに巻線を施した構成を有する零相変流器において、該
磁性コアに、直流角形比を0.1〜20%とした磁性合
金薄帯を用いることにより高出力で過漏電特性の優れた
零相変流器を得る。磁性合金としては、パーマロイ、非
晶質金属、微細結晶構造を有する磁性合金を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、漏電遮断器等に使
用される零相変流器(ZCT)に関し、詳しくは、所定
の角形比をもつ磁性合金からなるコアを用いることによ
り、特に過漏電特性に優れた高出力零相変流器に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】零相変流器は、建築物から家電製品とい
った一般電気機器等の漏洩遮断器の電流センサーとして
幅広く用いられている。零相変流器を用いた漏洩遮断器
の基本構成回路を図1に示す。零相変流器を貫通する2
つの導線には相反する方向に電流が流れており、零相変
流器の1次側電流としてみた場合、電流I1とI2 は
相殺されてI1−I2 =0となるため2次側の誘起電
圧はゼロである。
【0003】導線の一部に漏電が生じると、 I1−I
2 ≠0となり結果として1次側電流が存在し、2次側
に誘起電圧が生じる。これによって導線に接続している
リレー回路が作動し、電流が遮断される。このように、
零相変流器は微小な漏洩電流を検知する必要があるた
め、零相変流器用コアに用いる磁性材料は透磁率、特に
感度を上げるため初透磁率が高いことが重要な条件とな
る。また、零相変流器の使用される環境を考慮すると温
度特性の安定化も重要な条件となる。
【0004】さらに、零相変流器に要求される特性とし
て、過漏電特性が挙げられる。零相変流器は常に所定の
電流値で再現性良く動作信号を出すことが要求される
が、通常数10mAといった微小な電流を検出している
ため接地地絡のような過大な電流(過電流)が通過する
と、通過前と比較して感度電流値が大きくなり、零相電
流に対する感度が悪くなる。この感度の低下の度合いを
「過漏電特性」と呼び、[(過電流通過後の2次側出力
電圧−過電流通過前の2次側出力)/過電流通過前の2
次側出力電圧]×100で示す値のことで、パーセント
で表わす。この過漏電特性が0に近いものほど接地地絡
のような過大な電流が流れた後も劣化が少なく、感度の
良い零相変流器となる。
【0005】従来、零相変流器コア用磁性合金材料とし
てはパーマロイと呼ばれるNi−Fe合金、Co系非晶
質合金、Fe系非晶質合金が用いられていた。しかし、
これらの磁性合金はいずれも角形比が45%以上と高く
過漏電特性が十分ではなく、仮に過漏電特性が良かった
としても高い2次出力は得られないという問題があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べたように、
零相変流器に関し、従来の磁性合金では過漏電特性が悪
く、高出力かつ過漏電特性の良いものは得られなかっ
た。そこで、本発明は上記問題点に鑑み、十分な感度、
高出力を得、なお且つ過漏電特性に優れた零相変流器を
提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の目的を達
成するため請求項1記載の発明に係るZCTは、磁性合
金薄帯を巻回又は積層してなるコアに巻線を施した構成
を有する零相変流器において、該コアの直流角形比が
0.1〜20%であることを特徴とする零相変流器とな
り、請求項2として、磁性合金薄帯からなるコアに対
し、幅方向に磁場を印加して熱処理を施したことを特徴
とする請求項1記載の零相変流器。
【0008】請求項3として、磁性合金薄帯がパーマロ
イ、Co系非晶質合金、Fe系非晶質合金、Fe−Ni
系非晶質合金、微細結晶構造を有する磁性合金のいずれ
かであることを特徴とする請求項1〜2記載の零相変流
器。
【0009】請求項4として、Ni:55〜85wt
%、Mo:7wt%以下、Fe:残部からなる組成を有
するパーマロイからなる直流角形比が0.1〜20%で
あるコアを具備したことを特徴とする零相変流器。
【0010】請求項5として、Cuを2〜27wt%含
有したことを特徴とする請求項4の零相変流器。請求項
6として、非晶質合金薄帯を巻回又は積層してなるコア
に巻線を施した構成を有する零相変流器において、非晶
質合金が下記の一般式を満たすCo系非晶質合金又はF
e系非晶質合金であり、なお且つ直流角形比が0.1〜
20%であるコアを具備したことを特徴とする零相変流
器。
【0011】一般式:(M1-a M’a100-bb 式中、MはFe、Coから選ばれる少なくとも1種の元
素を、M’はTi、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Z
r、Nb、Mo、Ta、Wから選ばれる少なくとも1種
の元素を、XはB、Si、C、Pから選ばれる少なくと
も1種の元素を示し、0≦a≦0.5、10≦b≦35
(各数字はat%) 請求項7として、非晶質合金薄帯を巻回又は積層してな
るコアに巻線を施した構成を有する零相変流器におい
て、非晶質合金が下記の一般式を満たすFe−Ni系非
晶質合金であり、なお且つ直流角形比が0.1〜20%
であるコアを用いたことを特徴とする零相変流器。
【0012】 一般式:(Ni1-a Fea100-x-y-zx Siyz 式中、MはV、Cr、Mn、Co、Nb、Mo、Ta、
W、Zrから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、
0.2≦a≦0.5、0.05≦x≦10、4≦y≦1
2、5≦z≦20、15≦y+z≦30 (各数字はa
t%) 請求項8として、微細結晶構造を有する磁性合金薄帯を
巻回又は積層してなるコアに巻線を施した構成を有する
零相変流器において、微細結晶構造を有する磁性合金が
下記の式を満たし、なお且つ直流角形比が0.1〜20
%であるコアを用いたことを特徴とする零相変流器。
【0013】一般式;Fea Cubc Side 式中、 M:周期律表4a 、5a 、6a 族元素又はM
n、Ni、Co,Alから選ばれる少なくとも1種以
上、a +b +c +d +e =100at%、0.01≦b
≦4、0.01≦c≦10、10≦d≦25、3≦e≦
12、17≦d+e≦30。
【0014】請求項9として、微細結晶構造として、5
0〜300オングストロームの結晶粒を合金中に面積比
で50〜90%以上存在することを特徴とする請求項8
の零相変流器。
【0015】請求項10として、コアに対し、幅方向に
磁場を印加して熱処理を施したことを特徴とする請求項
4〜9記載の零相変流器となる。本発明においては、直
流角形比を0.1〜20%とした磁性合金コアを用いる
ことにより高出力かつ過漏電特性の優れた零相変流器を
得ることが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明を実施するための形態につ
いて説明する。本発明では、直流角形比を0.1〜20
%とした磁性合金薄帯を用いている。直流角形比とは、
直流ヒステリシス曲線におけるBr(残留磁束密度)/
Bs(飽和磁束密度)の比であり、その比が0.1〜2
0%のものがよく、好ましくは0.1〜10%である。
この直流角形比が、小さいと零相変流器における過漏電
特性が向上する。その理由として、直流角形比が小さい
と交流での透磁率が上がり、交流特性が向上するためで
あり、接地地絡のような大電流が流れた後でも微小電流
を感度良く検出することが可能となる。
【0017】直流角形比を0.1〜20%にする方法と
しては、コアを構成する薄帯の幅方向に磁場を印加して
熱処理を施すことが効果的である。例えば図2に示す通
り、非晶質合金薄帯を巻回したコアの幅方向に磁場を印
加することになり、この方向に有効に磁場が印加される
のであれば幅方向からの多少の傾きは許容される。な
お、磁場中熱処理は非晶質薄帯を製造、巻回しコアを形
成した後の歪取り熱処理の次の処理として連続して行っ
てもよいし、歪取り熱処理後一旦冷却した後、改めて磁
場中熱処理を行ってもよい。磁場の印加も、磁場中熱処
理時に始めて印加してもよいし、歪取り熱処理時から印
加してもよい。
【0018】熱処理温度は、キュリー温度以下であれば
よく、100℃以上が実用的であり、好ましくは180
℃以上であるとより効果的である。雰囲気については、
窒素、アルゴン等の不活性ガス中、真空中や水素ガス等
の還元雰囲気中、大気中等のいずれでもよい。熱処理時
間は、10分〜3時間程度が好ましく、特に好ましくは
1時間〜2時間である。
【0019】なお、磁場中熱処理時に印加する磁場の強
さは1Oe以上、好ましくは10Oe以上である。パー
マロイについても、溶解、圧延処理により製造されたパ
ーマロイ薄帯を巻回又は積層することによってコアを形
成し、非晶質合金の場合と同様に幅方向に磁場を印加し
ながら熱処理を行うことにより直流角形比を所定の数値
に調整することが可能となる。
【0020】微細結晶構造を有する合金についても同様
に、液体急冷法により非晶質合金薄帯を得た後、所定の
熱処理を施すことにより微細結晶を析出させ、その後、
コアを成形し、幅方向に磁場を印加しながら熱処理を施
すことにより直流角形比を調整する。
【0021】次に各磁性合金の組成及び製造方法につい
て説明する。まず、パーマロイについては、Ni:55
〜85wt%、Mo:7wt%以下、Fe:残部、及び
/又はCu:2〜27wt%のものが好ましい。組成を
このように調整することにより、飽和磁束密度及び透磁
率が高く、鉄損が少ないパーマロイにすることができ
る。このようなパーマロイは、溶解法により合金薄板を
形成した後、熱間圧延及び冷間圧延により厚さ0.05
〜0.4mmの薄帯に圧延し、所定形状のコアする。こ
の後、上述のような幅方向に磁場を印加しながらの熱処
理により直流角形比を調整する。
【0022】次に、Co系非晶質合金又はFe系非晶質
合金について説明すると、一般式:(M1-a M’a
100-bb 、(式中、MはFe、Coから選ばれる少な
くとも1種の元素を、M’はTi、V、Cr、Mn、N
i、Cu、Zr、Nb、Mo、Ta、Wから選ばれる少
なくとも1種の元素を、XはB、Si、C、Pから選ば
れる少なくとも1種の元素を示し、0≦a≦0.5、1
0≦b≦35(各数字はat%))、M元素はCo又は
/及びFeとなり磁束密度や鉄損、微小電流に対する感
度等要求される磁気特性に応じて組成比率を調整してい
く、M’元素は、熱安定性、耐食性、結晶化温度の制御
のために必要な元素であり、好ましくはCr、Mn、Z
r、Nb、Moを用いるのがよく、X元素は非晶質合金
を得るのに必要な元素であり、特にBは非晶質化するの
に有効な元素であり、Siは非晶質形成を助成すること
及び結晶化温度の上昇に有効な元素である。
【0023】Fe−Ni系非晶質合金については、一般
式:(Ni1-a Fea100-x-y-zx Siyz
(式中、MはV、Cr、Mn、Co、Nb、Mo、T
a、W、Zrから選ばれる少なくとも1種の元素を示
し、0.2≦a≦0.5、0.05≦x≦10、4≦y
≦12、5≦z≦20、15≦y+z≦30 (各数字
はat%))、このFe−Ni系非晶質合金はNiリッ
チなFe−Ni系をベースとすることにより前述のCo
系よりは安価に製造することができ、磁気特性も良好で
ある。ここでM元素は、熱安定性、耐食性、結晶化温度
の制御のために必要な元素であり、好ましくはCr、M
n、Co、Nbである。
【0024】非晶質合金薄帯の製造方法としては、液体
急冷法が好ましく、具体的には、所定の組成比に調整し
た合金素材を溶融状態から105 ℃/秒以上の冷却速度
で急冷することによって得られる。このような液体急冷
法により製造された非晶質合金薄帯の厚みは、20μm
以下が好ましく、さらに好ましくは8〜15μmであ
り、薄帯の厚さを制御することにより低損失のコアを得
ることが可能となる。
【0025】微細結晶構造を有する磁性合金について
は、一般式;Fea Cubc Side 、(式中、
M:周期律表4a 、5a 、6a 族元素又はMn、Ni、
Co,Alから選ばれる少なくとも1種以上、 a +b
+c +d +e =100at%、0.01≦b≦4、0.
01≦c≦10、10≦d≦25、3≦e≦12、17
≦d+e≦30)、ここでCuは耐食性を高め、結晶粒
の粗大化を防ぐと共に、鉄損や透磁率等の軟磁気特性を
改善するのに有効な元素であり、M元素は結晶径の均一
化に有効であると共に、磁歪及び磁気異方性の低減、温
度変化に対する磁気特性の改善に有効な元素である。微
細結晶構造としては、50〜300オングストロームの
結晶粒を合金中に面積比で50〜90%以上存在するこ
とが好ましい。
【0026】微細結晶構造を有する磁性合金の製造方法
としては、液体急冷法により非晶質薄帯を得た後、前記
非晶質の結晶化温度に対し−50〜+120℃、1分〜
5時間の熱処理を行い、微細結晶を析出させる方法、又
は液体急冷法の急冷速度を制御して微細結晶を直接析出
させる方法等により得ることが可能となる。このように
して得た微細結晶構造を有する磁性合金薄帯からコアを
形成した後、幅方向に磁場をかけながら熱処理すること
により所定の直流角形比を得ることができる。
【0027】このように直流角形比を0.1〜20%に
することにより高出力で過漏電特性が良好な零相変流器
を可能とする。これらのコアは、磁性合金薄帯の絶縁を
得るために、磁性合金薄帯及び/又はコア自体に絶縁処
理を施す。絶縁処理については、層間絶縁を得るために
マグネシア、アルミナ、シリカ、ジルコニアといった金
属酸化物の絶縁被覆を薄帯表面に設ける。その後、コア
を成形し、樹脂被覆、樹脂含浸、樹脂ケースへの収納等
の処理を行うと良く、ここで用いる樹脂としてはエポキ
シ系やシリコーン系等絶縁性のある樹脂であれば特に限
定されるものではない。
【0028】また、より高出力で過漏電特性を向上させ
る方法として巻線の巻数(ターン数)を300ターン以
上にすることが挙げられ、好ましくは500〜1500
ターンであり、コア形状や要求される特性に合わせてタ
ーン数を調整する。この巻線を施すと、より高出力を得
ることが可能となるが、あまりターン数が大きくなると
巻線抵抗が大きくなり、またコスト面や製造性からもタ
ーン数が多すぎるのは良くない。
【0029】
【実施例】(実施例1〜8)所定の直流角形比をもつC
o系非晶質合金又は微細結晶を有する磁性合金からなる
コアに関する過漏電特性を測定した。
【0030】(比較例1〜4)比較のためパーマロイか
らなるトロイダルコアと、本発明の範囲外の直流角形比
をもつCo系非晶質合金からなるコアの過漏電特性を測
定した。
【0031】測定条件としては、N1=1T(ター
ン)、N2=750T、2次側抵抗R2=5kΩ、零相
電流I1=20mA、周波数f=60Hzとし、2次出
力の過漏電を掛ける前後の出力を測定することにより、
過漏電特性を測定した。
【0032】
【表1】
【0033】表1から分かる通り、直流角形比が本発明
の範囲内のコアを用いた場合は高出力で過漏電特性が優
れていることが分かり、同じCo系の非晶質合金を用い
たとしても直流角形比が本発明の範囲外のコアでは過漏
電特性が悪いことが分かる。また、比較例3のように過
漏電特性が優れていたとしても出力電圧は低く感度が悪
くなる。
【0034】(実施例9)3.6Fe−1.5Nb−
1.9Cr−14Si−11B−Co系非晶質合金薄帯
にコロイダルシリカを絶縁被覆し、外径21mmx内径
14mmx幅4.5mmのトロイダルコアを成形した。
このコアを190℃、1時間で窒素雰囲気中で幅方向磁
場熱処理を行い直流角形比を10%にした後、樹脂ケー
スに入れて2次巻線を施し60Hzにおける2次出力電
圧を測定した。
【0035】(比較例5)80Ni−6Mo−Feであ
るパーマロイ磁性合金を熱間加工、冷間加工により厚さ
0.5mmの薄板に加工した後、プレス加工により外径
19.2mmx内径14.5mmx板厚0.5mmの板
状コアに加工した。この板状コアを1100℃、2時間
で水素雰囲気中で熱処理し5枚(5p)のコアを誦しケ
ースに入れた後、2次巻線を施し60Hzにおける2次
出力を測定した。この時のパーマロイ積層コアの直流角
形比は50%であった。
【0036】(比較例6)76Ni−4Mo−5Cu−
Feであるマーマロイ磁性合金を厚さ0.2mm、幅5
mmに加工し、溶着防止のため表面にマグネシア被覆を
施し、外径25.5mmx内径20mmx幅5mmのト
ロイダルコアを成形した。このトロイダルコアを110
0℃、2時間で水素雰囲気中で熱処理し、樹脂ケースに
入れた後、2次巻線を施し60Hzにおける2次出力電
圧を測定した。この時の直流角形比は48%であった。
【0037】
【表2】
【0038】表2から分かる通り、直流角形比を調整
し、さらに巻線のターン数を制御することにより高出力
で過漏電特性が良好な零相変流器を得ることが可能とな
る。直流角形比が本発明の範囲外のものでは、巻線を施
したとしても、高出力で過漏電特性の良いものは得られ
なかった。本発明の零相変流器によれば、特に、巻線数
が300ターン以上になると、出力電圧及び過漏電特性
の数値が大幅に向上することが分かる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の直流角形
比を0.1〜20%にしたコアを用いた零相変流器は、
高出力かつ過漏電特性に優れることから接地地絡のよう
な大電流が流れた後でも良好な特性を示すことが分か
り、建築物から家電製品までさまざまな分野の漏電遮断
器に長期にわたり安定した性能を発揮することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のZCTを表わす回路図である。
【図2】本発明のコアの幅方向を示す図である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性合金薄帯を巻回又は積層してなるコ
    アに巻線を施した構成を有する零相変流器において、該
    コアの直流角形比が0.1〜20%であることを特徴と
    する零相変流器。
  2. 【請求項2】 磁性合金薄帯からなるコアに対し、幅方
    向に磁場を印加して熱処理を施したことを特徴とする請
    求項1記載の零相変流器。
  3. 【請求項3】 磁性合金薄帯がパーマロイ、Co系非晶
    質合金、Fe系非晶質合金、Fe−Ni系非晶質合金、
    微細結晶構造を有する磁性合金のいずれかであることを
    特徴とする請求項1〜2記載の零相変流器。
  4. 【請求項4】 Ni:55〜85wt%、Mo:7wt
    %以下、Fe:残部からなる組成を有するパーマロイか
    らなる直流角形比が0.1〜20%であるコアを具備し
    たことを特徴とする零相変流器。
  5. 【請求項5】 パーマロイに、Cuを2〜27wt%含
    有させたことを特徴とする請求項4の零相変流器。
  6. 【請求項6】 非晶質合金薄帯を巻回又は積層してなる
    コアに巻線を施した構成を有する零相変流器において、
    非晶質合金は下記の一般式を満たすCo系非晶質合金又
    はFe系非晶質合金であり、なお且つ直流角形比が0.
    1〜20%であるコアを具備したことを特徴とする零相
    変流器。 一般式:(M1-a M’a100-bb 式中、MはFe、Coから選ばれる少なくとも1種の元
    素を、 M’はTi、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zr、N
    b、Mo、Ta、Wから選ばれる少なくとも1種の元素
    を、 XはB、Si、C、Pから選ばれる少なくとも1種の元
    素を示し、0≦a≦0.5、10≦b≦35 (各数
    字はat%)
  7. 【請求項7】 非晶質合金薄帯を巻回又は積層してなる
    コアに巻線を施した構成を有する零相変流器において、
    非晶質合金は下記の一般式を満たすFe−Ni系非晶質
    合金であり、なお且つ直流角形比が0.1〜20%であ
    るコアを用いたことを特徴とする零相変流器。 一般式:(Ni1-a Fea100-x-y-zx Siyz 式中、MはV、Cr、Mn、Co、Nb、Mo、Ta、
    W、Zrから選ばれる少なくとも1種の元素を示し、
    0.2≦a≦0.5、0.05≦x≦10、4≦y≦1
    2、5≦z≦20、15≦y+z≦30 (各数字はa
    t%)
  8. 【請求項8】 微細結晶構造を有する磁性合金薄帯を巻
    回又は積層してなるコアに巻線を施した構成を有する零
    相変流器において、微細結晶構造を有する磁性合金は下
    記の式を満たし、なお且つ直流角形比が0.1〜20%
    であるコアを用いたことを特徴とする零相変流器。 一般式;Fea Cubc Side 式中、 M:周期律表4a 、5a 、6a 族元素又はM
    n、Ni、Co,Alから選ばれる少なくとも1種の元
    素を示し、a +b +c +d +e =100at%、0.0
    1≦b≦4、0.01≦c≦10、10≦d≦25、3
    ≦e≦12、17≦d+e≦30
  9. 【請求項9】 微細結晶構造として、50〜300オン
    グストロームの結晶粒を合金中に面積比で50〜90%
    以上存在することを特徴とする請求項8の零相変流器。
  10. 【請求項10】 コアに対し、幅方向に磁場を印加して
    熱処理を施したことを特徴とする請求項4〜9記載の零
    相変流器。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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