JPH11184861A - 類似部品検索方法及び検索装置 - Google Patents

類似部品検索方法及び検索装置

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JPH11184861A
JPH11184861A JP34928397A JP34928397A JPH11184861A JP H11184861 A JPH11184861 A JP H11184861A JP 34928397 A JP34928397 A JP 34928397A JP 34928397 A JP34928397 A JP 34928397A JP H11184861 A JPH11184861 A JP H11184861A
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similar
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question
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JP34928397A
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Inventor
Yoshiaki Usami
芳明 宇佐美
Munetoshi Unuma
宗利 鵜沼
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】設計変更部品に対する類似部品の検索を高速に
行ない、かつ検索結果を判り易く表示する類似部品検索
方法及び検索装置を提供する。 【解決手段】複数の部品と該各部品の仕様値とが予め格
納されたデータベース1から読み込んだ仕様値を要素に
持つベクトルを、特徴ベクトル設定手段3で各部品毎に
特徴ベクトルとして設定すると共に、ベクトル方向算出
手段4で特徴ベクトルの方向を算出しておく。次に、質
問ベクトル設定手段7で、設計変更を行なった変更部品
の仕様値を要素に持つベクトルを質問ベクトルとして設
定し、シェーディング処理手段10で、各部品の特徴ベ
クトルの方向と、質問ベクトルの方向と合致する方向に
設定された光源ベクトルの方向とを基に、類似部品を他
の部品より明るい輝度の表示図形として表示して検索す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、CADデータベース
の情報検索のためのユーザインターフェースに係わり、
特にユーザが設計変更した部品に対する類似部品を検索
表示する類似部品検索方法及び検索装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】プラントのような大規模な構造物では、
設計に用いるデータベースは巨大であり、データ間の関
連を把握することは困難になっている。特に設計内容の
一部分を変更するときに、その影響が及ぶ範囲を予測す
ることは非常に困難であった。
【0003】いま、ユーザが設計変更した部品に対し
て、データベース内で類似した部品を検索する場面を想
定する。類似した部品が検索できれば、既に変更した部
品と同様の変更を加えなければならないことが予測でき
る。類似の部品を検索するための技術として、情報検索
技術が知られている。
【0004】特に、ベクトル空間モデルと呼ばれる手法
では、情報の特徴をベクトル量として記憶する。このベ
クトル空間では、ベクトルの近さが情報の近さを表わす
ので、情報の類似度を簡単に表現することができる。さ
らに、情報検索は対話型で用いるシステムであるので、
ベクトル空間モデルを用いて、利用者のために使いやす
いユーザインタフェースも提案されている。
【0005】例えば、電子情報通信学会技術報告DE96-1
2の第7頁から第12頁(1996年)においては、デー
タベースに格納されている文献集合をベクトル空間モデ
ルとして表現し、利用者は二次元の入出力インターフェ
ースを用いて、検索目標を指定入力する方法が示されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】データベースへ格納さ
れている部品の仕様値は、当然ながら人為的に定められ
た値であるので、文献集合などの場合と異なり、規格
化、共通化されていることがある。このような場合、3
次元空間での部品の分散は小さくなり、特定の仕様値が
集中して数多く格納されていることになる。
【0007】設計のデータベースから、設計変更した変
更部品に対する類似部品、例えば特徴が似ている部品或
いは特性が似ている部品を検索しようとする場合、部品
の分散が小さい場合には、これをそのままグラフィカル
に表示すると、部品の表示図形が3次元空間の特定位置
に集中することとなり、図形同士が重なるため、類似部
品の判別がとても困難となる。
【0008】本発明の目的は、複数の部品が3次元空間
の特定位置に集中していても、設計変更した部品に対す
る類似部品の検索を高速に行ない、かつ検索結果を判り
易く表示する類似部品検索方法及び検索装置を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、CAD計算機内にモデル化された設計構造
物を構成する複数の部品の中から、設計変更を行なった
変更部品に類似する類似部品を検索する類似部品検索方
法において、前記複数の部品と該各部品の仕様値とが予
め格納されたデータベースから読み込んだ前記仕様値を
要素に持つベクトルを前記各部品毎に特徴ベクトルとし
て設定すると共に前記特徴ベクトルの方向を算出してお
き、前記設計変更を行なった変更部品の仕様値を要素に
持つベクトルを前記特徴ベクトルの中から選び質問ベク
トルとして設定すると共に前記質問ベクトルの方向を算
出し、前記各部品の特徴ベクトルの方向と、前記質問ベ
クトルの方向と合致する方向に設定された光源ベクトル
の方向とを基に、前記類似部品を他の部品より明るい輝
度の表示図形として表示して検索することを特徴とす
る。
【0010】また、本発明の他の特徴は、CAD計算機内
にモデル化された設計構造物を構成する複数の部品の中
から、設計変更を行なった変更部品に類似する類似部品
を検索する類似部品検索装置において、前記複数の部品
と該各部品の仕様値とを予め格納したデータベースから
前記各部品の仕様値を読み込み標準化する仕様値標準化
手段と、前記標準化された仕様値を要素に持つベクトル
を前記各部品毎に特徴ベクトルとして設定する特徴ベク
トル設定手段と、前記設定された特徴ベクトルの方向を
算出するベクトル方向算出手段と、前記変更部品を入力
する入力手段と、前記入力された変更部品の前記標準化
された仕様値を要素に持つベクトルを前記特徴ベクトル
の中から選び質問ベクトルとして設定する質問ベクトル
設定手段と、前記質問ベクトルの方向と合致する方向に
光源ベクトルを設定する光源ベクトル設定手段と、前記
算出された各部品の特徴ベクトルの方向と、前記光源ベ
クトルの方向とを基に、前記光源ベクトルの方向に近い
特徴ベクトルの方向をもつ部品を第一の類似部品として
検索し、前記第一の類似部品の表示図形を他の部品より
明るい輝度で出力するシェーディング処理手段とを有す
ることにある。
【0011】本発明によれば、仕様値標準化手段は、CA
D計算機内にモデル化された設計構造物を構成する複数
の部品と該各部品の仕様値とを予め格納したデータベー
スから前記各部品の仕様値を読み込み標準化する。特徴
ベクトル設定手段は、標準化された仕様値を要素に持つ
ベクトルを各部品毎に特徴ベクトルとして設定する。ベ
クトル方向算出手段は、設定された特徴ベクトルの方向
を算出する。
【0012】入力手段は、変更部品を入力する。質問ベ
クトル設定手段は、入力された変更部品の標準化された
仕様値を要素に持つベクトルを特徴ベクトルの中から選
び質問ベクトルとして設定する。光源ベクトル設定手段
は、質問ベクトルの方向と合致する方向に光源ベクトル
を設定する。シェーディング処理手段は、算出された各
部品の特徴ベクトルの方向と光源ベクトルの方向とを基
に、光源ベクトルの方向に近い特徴ベクトルの方向をも
つ部品を第一の類似部品として検索し、第一の類似部品
の表示図形を他の部品より明るい輝度で出力する。
【0013】これにより、複数の部品が3次元空間の特
定位置に集中していても、設計変更した部品に対する類
似部品の検索を高速に行ない、かつ検索結果をユーザに
判り易く表示することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態例に
係る類似部品検索方法及び検索装置を、図を用いて説明
する。
【0015】図1は、本発明の一実施の形態例に係る類
似部品検索装置の機能構成図である。類似部品検索装置
は、仕様値標準化手段2と、特徴ベクトル設定手段3
と、ベクトル方向算出手段4と、ベクトル長さ算出手段
5と、入力手段6と、質問ベクトル設定手段7と、光源
ベクトル設定手段8と、クリッピング範囲設定手段9
と、シェーディング処理手段10と、Zバッファ処理手
段11と、表示手段12とで構成されている。
【0016】仕様値標準化手段2は、予め複数の部品と
各部品の仕様値とを格納したデータベース1から各部品
の仕様値を読み込み標準化する。特徴ベクトル設定手段
3は、標準化された仕様値を要素に持つベクトルを部品
毎に特徴ベクトルとして設定する。ベクトル方向算出手
段4は、設定された特徴ベクトルの方向を算出し、ベク
トル長さ算出手段5は、設定された特徴ベクトルの長さ
を算出する。
【0017】一方、入力手段6は、ユーザが指定した変
更部品を入力する。質問ベクトル設定手段7は、入力さ
れた変更部品の標準化された仕様値を要素に持つベクト
ルをを特徴ベクトル設定手段3で設定された特徴ベクト
ルの中から選び質問ベクトルとして設定する。
【0018】光源ベクトル設定手段8は、入力された変
更部品に対する類似部品を検索する第一の条件として質
問ベクトルと合致する方向に光源ベクトルを設定する。
クリッピング範囲設定手段9は、入力された変更部品に
対する類似部品を検索する第二の条件として質問ベクト
ルの長さ近傍にクリッピング範囲を設定する。
【0019】シェーディング処理手段10は、各部品の
特徴ベクトルの方向と第一の条件とを基に、光源ベクト
ルの方向に近い特徴ベクトルの方向をもつ部品を第一の
類似部品として検索し、第一の類似部品の表示図形を他
の部品より明るい輝度で出力する。
【0020】Zバッファ処理手段11は、各部品の特徴
ベクトルの長さと第二の条件とを基に、クリッピング範
囲内に配置された部品を第二の類似部品として検索し、
第二の類似部品の表示図形を出力する。
【0021】表示手段12は、出力された第一の類似部
品の表示図形及び第二の類似部品の表示図形を表示す
る。
【0022】図2は、図1の類似部品検索装置の実現構
成を示す図である。
【0023】CPU501、メモリ502、検索処理回
路部503から構成される計算機システム50に接続さ
れたディスプレイ52、キーボード53、およびマウス
54を用いて、各種の設計情報を格納したデータベース
51をアクセスし、変更部品の指定、類似部品検索条件
の指定等の入力と検索処理、及び検索結果である類似部
品の表示を行なう。
【0024】検索処理回路部503は、ユーザが設計の
変更部品に対する類似部品を検索するためのユーザイン
ターフェースの計算を実行する回路である。このうち、
シェーディング処理回路部5031は、三次元グラフィ
ックス機能である表示図形の陰影付けの処理をして、検
索した類似部品の表示図形を明るい輝度でディスプレイ
に表示させる。また、Zバッファ処理回路部5032
は、同じく三次元グラフィックス機能である表示図形の
隠れ面の処理をして、検索した類似部品の表示図形だけ
をディスプレイに表示させる。
【0025】図3は、図1のデータベースの説明図であ
る。データベース1には、n個の部品の情報が格納され
ているものとし、それぞれを、部品1〜部品nとする。
そして、各部品に関する情報としては、m個の設計の仕
様が格納されており、それぞれを、仕様1〜仕様mとす
る。
【0026】この仕様の値は、具体的には、例えば重
量、体積、圧力、および温度などの数値で、部品の特性
を規定するものであり、ここではd11〜dmnのように表記
する。
【0027】図4は、ベクトル空間モデルの説明図であ
る。このモデルは、論理式を使用せずにデータベースの
情報を検索するための方法である。このモデルでは、検
索対象となるデータベースの個々の内容は、特徴ベクト
ルと呼ばれるベクトル量に変換される。さらに、検索キ
ーも質問ベクトルと呼ぶベクトルに変換する。
【0028】図4では、例えば3軸から構成される三次
元の空間を図示しているが、多次元のベクトル空間の中
で、これらのベクトル量を扱う。検索をする際には、質
問ベクトルと特徴ベクトルとの間の多次元空間での距離
を算出し、両者の関係を判断する。すなわち、この距離
が近ければ両者は類似しているものと判断する。さら
に、その距離の大小により、両者の情報の類似度を順序
付けする。
【0029】図5は、設計変更影響範囲の説明図であ
る。変更影響範囲を求める場合には、さまざまなケース
が存在するが、ここでは変更した部品に類似した性質を
持つ部品を検索するケースを想定する。ある部品の設計
値を変更したときには、類似した部品も変更すべきもの
として、これを検索する。
【0030】類似した部品が検索できれば、これに既に
変更した部品と同様の修正を施せばよい。ここでは、変
更影響範囲を予測することは、変更対象に対する類似検
索であると考える。
【0031】図5では、図3のデータベース1の仕様
1、仕様2及び仕様3の3つを多次元空間の中から評価
軸として選び、各部品の特徴ベクトルをプロットしてい
る。
【0032】ここで、この特徴ベクトルとは、図3の、
例えば部品1ではd11、d21、d31、、、およびdm1から構
成されるような列ベクトルである。これらの列ベクトル
が部品の特徴ベクトルとなる。
【0033】そして、質問ベクトルは、変更部品の特徴
ベクトルに等しくする。このベクトル空間では変更影響
範囲はハッチングで示す部分で、質問ベクトルからの所
定の距離以内の領域である。すなわち、変更影響範囲内
の部品2及び部品4が、変更部品(部品1)に対する類
似部品になる。
【0034】図5では、あくまでも説明のため、仕様
1、仕様2、および仕様3の3つの評価軸をそのまま三
次元空間にマッピングしているが、本実施の形態例で
は、特徴ベクトルの情報はこれとは異なった格納方法と
なる。
【0035】以下では、本実施の形態例における特徴ベ
クトルの格納方法につき、詳細に説明する。
【0036】図6は、シェーディング処理の説明図であ
る。シェーディングとは、三次元グラフィックス技術の
一部で、表示図形を陰影づけする処理である。最も単純
なシェーディングでは、物体の輝度である反射光強度I
は、単位面積あたりに入射する光の量と考えられる。
【0037】物体表面上の点Pにおける法線ベクトルをN
とし、光源ベクトルをLとすると、反射光強度Iは、NとL
の内積で求められ、 I = (N・L) のように計算する。但し、NもLもベクトルの長さは1の
単位ベクトルとする。
【0038】この関係は、NとLの方向が近ければ反射光
強度Iが大きく、すなわちその点の輝度は明るくなる。
逆にNとLの方向が離れていれば反射光強度Iは小さく、
その点の輝度は暗くなる。
【0039】図7は、本実施の形態例における特徴ベク
トルの向きの可視化の説明図である。本実施の形態例で
は、各部品の特徴ベクトルを、表示図形の法線ベクトル
として格納する。
【0040】例えば、図3の部品1を、仕様1、仕様2
及び仕様3に関して表示する場合では、特徴ベクトルの
長さをS、法線ベクトルのXYZ方向成分をnx、nyおよびnz
として、 S = ((d11)2+(d21)2+(d31)2)1/2 …(式1) nx = d11 / S, ny = d21 / S, nz = d31 / S …(式2) のように設定すればよい。
【0041】また、質問ベクトルには、変更した部品の
特徴ベクトルを、光源ベクトルとして格納する。法線ベ
クトルは、単位ベクトルの必要があるので、(式2)の
ように、Sでの除算となる。
【0042】したがって、法線ベクトルとしては、ベク
トルの向きの情報のみで、長さの情報は記憶しない。ま
た、もし、変更部品が部品1であれば、光源ベクトルの
XYZ方向成分をlx、lyおよびlzとして、 lx = nx, ly = ny, lz = nz …(式3) と設定する。
【0043】以上のように、特徴ベクトル及び質問ベク
トルを格納すると、図7のように、質問ベクトルの光源
方向に近い特徴ベクトルの法線方向をもつ部品は、大き
な反射光強度のために明るく表示され、特徴ベクトルの
法線方向が異なる部品は暗く表示される。
【0044】図8は、Zバッファ処理の説明図である。
本処理もシェーディング同様に、三次元グラフィックス
技術の一部で、表示図形の隠れ面を消去する処理を行
う。いま視線の方向をZ軸とし、この軸上で視点から遠
い物体は視点から近い物体に隠されるものとして処理す
る。
【0045】例えば、物体2が視点から一番近い距離に
あり、物体1及び物体3は、物体2によってその一部が
隠されている。Zバッファとは、視点から物体までの距
離値を、表示画像の画素単位に記憶するバッファであ
る。
【0046】図9は、本実施の形態例における特徴ベク
トルの長さの可視化の説明図である。本実施の形態例で
は、上述したZバッファに各部品の特徴ベクトルの長さ
を格納する。このためには、図9のように、例えば三次
元空間のうちのZ軸方向に関して、各部品の表示図形を
特徴ベクトルの長さに対応した位置に配置すればよい。
【0047】図9では、視点位置をZ軸の原点とし、各
表示図形のZ座標値は、特徴ベクトルの長さとしてい
る。またZバッファ処理にはクリッピングと呼ばれる機
能があり、視点に対して極端に近い図形や、極端に遠い
図形を表示しないようにすることができる。本実施の形
態例ではこの機能を活用して、質問ベクトルに近い長さ
の図形だけを表示する。
【0048】また、図9では、クリッピング範囲をZ=Z1
からZ=Z2までの区間とし、この区間内に配置された部品
の表示図形のみを表示する。また、このクリッピング範
囲は質問ベクトルの長さを中心とする。すると、図9の
例では、質問ベクトルの長さに近い特徴ベクトルの長さ
をもつ、部品1、部品2および部品4のみが画面に表示
される。
【0049】ここで、図10のフローチャートにより、
図1の類似部品検索装置の動作の処理アルゴリズムを説
明する。
【0050】始めに、ステップ101で部品の仕様に対し
法線成分を割り当てる。例えば(式2)のような法線成
分を割り当てる場合では、仕様1を法線ベクトルのX成
分、仕様2を法線ベクトルのY成分、および仕様3を法
線ベクトルのZ成分とすることをユーザが指定し、入力
する。
【0051】次に、ステップ102ではCADデータベースよ
り仕様値を読み込む。具体的には図3のようなデータの
中から表示する仕様値だけをデータベースから読み込
み、メモリに記憶する。
【0052】ステップ103は、ステップ104からステップ
108までの処理を、部品について繰り返すことを意味す
る。
【0053】まずステップ104は仕様値を標準化する。
仕様値は圧力や温度といった異質な単位が混在している
ので、特徴ベクトルの距離で類似度を判断するためには
この影響を取り除く必要がある。
【0054】そのためには、統計の手法として知られて
いるように、すべての仕様が平均が0、分散が1になる
ように標準化すればよい。このためには、もとの仕様値
をd、標準化された仕様値をds、仕様dの平均値をda、仕
様dの標準偏差をSdとすると、 ds = (d - da) / Sd …(式4) として計算する。
【0055】次に、ステップ105では特徴ベクトルのX,
Y,Z方向成分を算出する。具体的には(式2)の計算で
ある。
【0056】次に、ステップ106では、算出された特徴
ベクトルのX,Y,Z方向成分を法線ベクトルとして格納す
る。通常の三次元グラフィックス機能では、表示図形の
法線ベクトル成分を格納するコマンドがあるので、これ
を利用する。通常は法線ベクトルは面の向きとは無関係
に設定できるので、必ずしも表示図形の面を上記の法線
ベクトルに合わせる必要はない。
【0057】次に、ステップ107では特徴ベクトルの長
さを算出する。具体的には(式1)の計算である。
【0058】次に、ステップ108では特徴ベクトルの長
さをZバッファに格納する。これは各部品の表示図形
を、例えば、Z軸に関して、図9のようなZ座標値に配置
することである。
【0059】ステップ109は、ステップ110からステップ
114までの処理を質問数だけ繰り返すことを意味する。
ここで質問数とは類似検索を実施する回数である。
【0060】次に、ステップ110では変更部品を質問ベ
クトルとして設定する。具体的には(式3)の計算によ
り設定される。
【0061】次に、ステップ111では光源を質問ベクト
ルの方向成分に設定する。ここでも、通常の三次元グラ
フィックス機能では、光源のベクトル成分を格納するコ
マンドがあるので、これを利用する。
【0062】次に、ステップ112ではクリッピング範囲
を質問ベクトルの長さ近傍に設定する。これは、図9の
ように、変更部品のZ値を中心に、その近傍の区間をク
リッピング範囲とする。
【0063】次に、ステップ113でシェーディング処理
を行なう。図7のように、光源ベクトルの方向、すなわ
ち質問ベクトルの方向に近い特徴ベクトルの方向を持つ
部品の表示図形だけが、明るい輝度値に計算される。
【0064】次に、ステップ114でZバッファ処理を行
う。図9のように、クリッピング範囲内に配置された部
品、すなわち質問ベクトルの長さに近い特徴ベクトルの
長さを持つ部品の表示図形のみが検出され、これがディ
スプレイ52上に表示される。
【0065】図11は、本発明の他の実施の形態とし
て、図7及び図9で可視化された類似部品の表示図形
を、図面上に表示した例を示す。この例では、具体的に
XY平面に部品が記載された図面を配置し、類似部品とし
て検索された部品の近傍に、変更影響範囲を示すマーカ
として表示している。
【0066】例えば、図面の情報は画像として読み込
み、特定の平面図形の模様としてテクスチュアマップ
し、この平面図形をクリッピング範囲内の再遠方に配置
すればよい。すると、シェーディング処理により、質問
ベクトルに近い部品の表示図形は明るく表示され、そう
でないものは暗く表示される。また、Zバッファ処理に
より、ベクトルの長さが所定値以上の部品については、
表示図形は表示されない。
【0067】ここで、常に部品名を表示しておけば、表
示図形が表示されていないことを、ユーザは認識でき
る。さらに、その部品名をユーザがマウスなどで選択す
ることにより、その部品が質問ベクトルとして設定され
るユーザーインターフェースも可能である。
【0068】本実施の形態例によれば、通常の図面情報
に加えて、同時に変更影響範囲を示すことができる。表
示図形の表示形態としては、半透明表示とし、該当部品
に重ねる状態で表示してもよい。また、図面情報だけで
なく、三次元のCADモデルでも平面に形状を投影した画
像を用いれば、図面と同様に扱うこともできる。
【0069】前述したように、本実施の形態例によれ
ば、データの持つ特徴ベクトルの構成軸を、そのまま三
次元空間にマッピングするのではなく、表示図形の法線
ベクトル成分とたとえばZ軸方向の奥行き情報と格納し
ている。したがって、残るX軸およびY軸に関しては表示
図形を自由に配置できるので、表示図形が特定の場所に
集中して表示される現象を避けることができ、システム
のユーザにとって使いやすいユーザインタフェースを提
供することができる。
【0070】また、本実施の形態例では、類似部品検索
時にシェーディング処理とZバッファ処理を用いるが、
通常、これらは計算機の三次元グラフィックスのための
ハードウエア機能として提供されるので、データ量が多
い場合でも高速にデータ処理することができる。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、複数の部品が3次元空
間の特定位置に集中していても、設計変更した部品に対
する類似部品の検索を高速に行ない、かつ検索結果を判
り易く表示することができるので、プラントのような大
規模構造物の設計に用いられるCADの作業効率を向上さ
せることができる。また、ユーザにとって使いやすいユ
ーザインタフェースを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態例に係る類似部品検索装
置の機能構成図である。
【図2】図1の類似部品検索装置の実現構成を示す図で
ある。
【図3】図1のデータベースの説明図である。
【図4】ベクトル空間モデルの説明図である。
【図5】設計変更影響範囲の説明図である。
【図6】図1のシェーディング処理の説明図である。
【図7】特徴ベクトルの向きの可視化の説明図である。
【図8】図1のZバッファ処理の説明図である。
【図9】特徴ベクトルの長さの可視化の説明図である。
【図10】図1の類似部品検索装置の動作を示すフロー
チャート図である。
【図11】本発明の他の実施の形態として、図7及び図
9で可視化された類似部品の表示図形を、図面上に表示
した例を示す図である。
【符号の説明】
1…データベース、2…仕様値標準化手段、3…特徴ベ
クトル設定手段、4…ベクトル方向算出手段、5…ベク
トル長さ算出手段、6…入力手段、7…質問ベクトル設
定手段、8…光源ベクトル設定手段、9…クリッピング
範囲設定手段、10…シェーディング処理手段、11…
Zバッファ処理手段、12…表示手段、50…計算機シ
ステム、501…CPU、502…メモリ、503…検
索処理回路部、5031…シェーディング処理回路部、
5032…Zバッファ処理回路部、52…ディスプレ
イ、53…キーボード、54…マウス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】CAD計算機内にモデル化された設計構造物
    を構成する複数の部品の中から、設計変更を行なった変
    更部品に類似する類似部品を検索する類似部品検索方法
    において、 前記複数の部品と該各部品の仕様値とが予め格納された
    データベースから読み込んだ前記仕様値を要素に持つベ
    クトルを前記各部品毎に特徴ベクトルとして設定すると
    共に前記特徴ベクトルの方向を算出しておき、前記設計
    変更を行なった変更部品の仕様値を要素に持つベクトル
    を前記特徴ベクトルの中から選び質問ベクトルとして設
    定すると共に前記質問ベクトルの方向を算出し、前記各
    部品の特徴ベクトルの方向と、前記質問ベクトルの方向
    と合致する方向に設定された光源ベクトルの方向とを基
    に、前記類似部品を他の部品より明るい輝度の表示図形
    として表示して検索することを特徴とする類似部品検索
    方法。
  2. 【請求項2】CAD計算機内にモデル化された設計構造物
    を構成する複数の部品の中から、設計変更を行なった変
    更部品に類似する類似部品を検索する類似部品検索方法
    において、 前記複数の部品と該各部品の仕様値とが予め格納された
    データベースから読み込んだ前記仕様値を要素に持つベ
    クトルを前記各部品毎に特徴ベクトルとして設定すると
    共に前記特徴ベクトルの方向及び長さを算出しておき、
    前記設計変更を行なった変更部品の仕様値を要素に持つ
    ベクトルを前記特徴ベクトルの中から選び質問ベクトル
    として設定すると共に前記質問ベクトルの方向及び長さ
    を算出し、前記各部品の特徴ベクトルの方向と前記質問
    ベクトルの方向と合致する方向に設定された光源ベクト
    ルの方向とを基に、前記光源ベクトルの方向に近い特徴
    ベクトルの方向をもつ部品を第一の類似部品として検索
    し、かつ各部品の特徴ベクトルの長さと前記質問ベクト
    ルの長さ近傍に設定されたクリッピング範囲とを基に、
    前記クリッピング範囲内に配置された部品を第二の類似
    部品として検索することを特徴とする類似部品検索方
    法。
  3. 【請求項3】CAD計算機内にモデル化された設計構造物
    を構成する複数の部品の中から、設計変更を行なった変
    更部品に類似する類似部品を検索する類似部品検索装置
    において、 前記複数の部品と該各部品の仕様値とを予め格納したデ
    ータベースから前記各部品の仕様値を読み込み標準化す
    る仕様値標準化手段と、前記標準化された仕様値を要素
    に持つベクトルを前記各部品毎に特徴ベクトルとして設
    定する特徴ベクトル設定手段と、前記設定された特徴ベ
    クトルの方向を算出するベクトル方向算出手段と、前記
    変更部品を入力する入力手段と、前記入力された変更部
    品の前記標準化された仕様値を要素に持つベクトルを前
    記特徴ベクトルの中から選び質問ベクトルとして設定す
    る質問ベクトル設定手段と、前記質問ベクトルの方向と
    合致する方向に光源ベクトルを設定する光源ベクトル設
    定手段と、前記算出された各部品の特徴ベクトルの方向
    と、前記光源ベクトルの方向とを基に、前記光源ベクト
    ルの方向に近い特徴ベクトルの方向をもつ部品を第一の
    類似部品として検索し、前記第一の類似部品の表示図形
    を他の部品より明るい輝度で出力するシェーディング処
    理手段とを有することを特徴とする類似部品検索装置。
  4. 【請求項4】CAD計算機内にモデル化された設計構造物
    を構成する複数の部品の中から、設計変更を行なった変
    更部品に類似する類似部品を検索する類似部品検索装置
    において、 前記複数の部品と該各部品の仕様値とを予め格納したデ
    ータベースから前記各部品の仕様値を読み込み標準化す
    る仕様値標準化手段と、前記標準化された仕様値を要素
    に持つベクトルを前記各部品毎に特徴ベクトルとして設
    定する特徴ベクトル設定手段と、前記設定された特徴ベ
    クトルの方向を算出するベクトル方向算出手段と、前記
    設定された特徴ベクトルの長さを算出するベクトル長さ
    算出手段と、前記変更部品を入力する入力手段と、前記
    入力された変更部品の前記標準化された仕様値を要素に
    持つベクトルを前記特徴ベクトルの中から選び質問ベク
    トルとして設定する質問ベクトル設定手段と、前記質問
    ベクトルの方向と合致する方向に光源ベクトルを設定す
    る光源ベクトル設定手段と、前記質問ベクトルの長さ近
    傍にクリッピング範囲を設定するクリッピング範囲設定
    手段と、前記算出された各部品の特徴ベクトルの方向と
    前記光源ベクトルの方向とを基に、前記光源ベクトルの
    方向に近い特徴ベクトルの方向をもつ部品を第一の類似
    部品として検索し、前記第一の類似部品の表示図形を他
    の部品より明るい輝度で出力するシェーディング処理手
    段と、前記算出された各部品の特徴ベクトルの長さと前
    記クリッピング範囲とを基に、前記クリッピング範囲内
    に配置された部品を第二の類似部品として検索し、前記
    第二の類似部品の表示図形を出力するZバッファ処理手
    段とを有することを特徴とする類似部品検索装置。
  5. 【請求項5】CAD計算機内にモデル化された設計構造物
    を構成する複数の部品の中から、設計変更を行なった変
    更部品に類似する類似部品を検索処理する処理プログラ
    ムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であ
    って、前記処理プログラムは、前記複数の部品と該各部
    品の仕様値とが予め格納されたデータベースから読み込
    んだ前記仕様値を要素に持つベクトルを前記各部品毎に
    特徴ベクトルとして設定させると共に前記特徴ベクトル
    の方向を算出させておき、前記設計変更を行なった変更
    部品の仕様値を要素に持つベクトルを前記特徴ベクトル
    の中から選び質問ベクトルとして設定させると共に前記
    質問ベクトルの方向を算出させ、前記各部品の特徴ベク
    トルの方向と、前記質問ベクトルと合致する方向に設定
    された光源ベクトルの方向とを基に、前記類似部品を他
    の部品より明るい輝度の表示図形として表示させて検索
    させることを特徴とする類似部品検索処理プログラムを
    記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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