JPH11184362A - 光学式表示装置 - Google Patents

光学式表示装置

Info

Publication number
JPH11184362A
JPH11184362A JP6912698A JP6912698A JPH11184362A JP H11184362 A JPH11184362 A JP H11184362A JP 6912698 A JP6912698 A JP 6912698A JP 6912698 A JP6912698 A JP 6912698A JP H11184362 A JPH11184362 A JP H11184362A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
display device
light
hologram
optical display
light source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6912698A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3452480B2 (ja
Inventor
Yoshinao Taketomi
義尚 武富
Toshihiro Kubota
敏弘 久保田
Takahiko Tanji
能彦 丹治
Masao Hayashi
全郎 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP06912698A priority Critical patent/JP3452480B2/ja
Publication of JPH11184362A publication Critical patent/JPH11184362A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3452480B2 publication Critical patent/JP3452480B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)
  • Illuminated Signs And Luminous Advertising (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 新たな手法に基づくホログラム技術の利用に
よって、少ない占有空間で、明るく明瞭な画像情報を再
生・表示することができる軽量な光学式表示装置を提供
する。 【解決手段】 ホログラム素子と、光源と、を備える光
学式表示装置において、該ホログラムは、スリットを通
過した光を利用して得られた、被写体の情報を有する光
と、該被写体の情報を有する該光とは異なる入射光路を
有する参照光と、によって形成される反射型ホログラム
であり、該光源からの光で該被写体の再生像を表示す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像情報や文字情
報を表示する光学式表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像情報や文字情報を表示する光
学式表示装置は、様々な分野で広く使用されている。そ
の一例は、交通情報表示板、行き先案内板、或いは宣伝
広告板などに広く使用されている電光式の光学式表示装
置であり、例えば、特開平6−228921号公報、特
開平7−129108号公報、特開平7−140912
号公報、特開平8−6513号公報、特開平8−158
322号公報、特開平8−160894号公報などに、
関連する技術が開示されている。以下ではまず、光学式
表示装置の最も一般的な例の一つである蛍光灯内蔵式の
光学式道路標識を、図面を参照して説明する。但し、こ
れ以外にも、LEDやEL素子を内蔵して自発光表示を
行うものや、光ファイバや導光板で光源からの光を導く
ものなど、様々な従来技術による構成が知られている。
【0003】図1Aは、従来の光学式道路標識の構成を
示す側面図であり、図1Bは、その正面図である。具体
的には、156は標識表示板、157はリング型蛍光
管、158は標識本体、及び159は標識支柱を示す。
【0004】標識表示板156は、半透明の樹脂の上に
標識のパターンが印刷されて構成されており、このパタ
ーンを標識内部側からリング型蛍光管157の光によっ
て照明することで、夜でも標識が認識される。標識本体
158は、リング型蛍光管157と標識表示板156と
を支持していて、標識支柱159に支持されることによ
って道路の側壁或いはトンネル天井などに設置される。
【0005】しかし、上記のような従来の構成は、以下
のような問題点を有する。
【0006】まず、標識のパターンが半透明の樹脂の上
に印刷されているか或いはカラー樹脂で構成されている
ために、光源であるリング型蛍光管157が発する光の
多くがこの樹脂に吸収されてしまうため、表示が十分に
明るくない。
【0007】第2に、標識表示板156及び蛍光管(光
源)157を含む表示部が標識本体158によって支持
される構造になっているので、表示部を含む部分が大き
く且つ重くなる。さらに、それを支える標識支柱159
も堅固でなければならず、全体構成が、さらに大きく且
つ重い構造になる。
【0008】第3に、その構造上、取付面である道路の
側壁或いはトンネル天井などから大きく突出した形で設
置しなければならないため、何らかの理由で人、車、或
いは運搬物などの移動体が接触すると、表示装置本体の
破損と同時に移動体の損傷が生じ得る。さらに、こうし
た事故を避けるためには設置空間を大きく確保する必要
があり、非経済的である。
【0009】上記の問題点は、図1A及び及び図1Bに
従来例として示した蛍光灯内蔵式の光学式道路標識だけ
の課題ではなく、LEDなどの自発光式構成や、光ファ
イバや導光板で光源からの光を導く形態の構成でも、同
様である。さらに、上述の道路標識に限らず、表示すべ
きパターンを光源からの光によって照射するタイプの光
学式表示装置の全般に、共通の問題点である。
【0010】そこで、以上のような問題を解決し得る構
成として、ホログラムを使用した構成が考えられる。
【0011】以下では、まず、一般的な従来技術による
ホログラムの作成原理、及びそのような従来のホログラ
ムを使用した画像情報の表示(再生)原理を説明する。
【0012】図2Aは、一般的なホログラムの作成原理
を模式的に示す図である。
【0013】すなわち、被写体Oをレーザ光源から発し
た物体照明光ILで照射して、被写体Oの形状などに関
する情報を有する物体光OLを形成し、ホログラム乾板
H1に入射させる。さらに、同時に、物体照明光ILと
同じレーザ光源から発した光をビームスプリッタなどで
分離して形成した参照光RL1を、ホログラム乾板H1
に斜めから入射させる。これにより、物体光OLと参照
光RL1との干渉縞が、ホログラム乾板H1に記録され
る。このような干渉縞(被写体Oの情報を有している)
が記録されたホログラム乾板H1を、以下では「ホログ
ラム板H1」とも称する。
【0014】図2Bは、図2Aによって形成されたホロ
グラム板H1の再生原理を模式的に示す図である。
【0015】すなわち、ホログラム板H1の作成時に使
用したものと同じレーザ光源からの光である再生照明光
RI1を、参照光RL1(図2A参照)と同じ経路で伝
搬させて、ホログラム板H1に照射する。これによっ
て、ホログラム板H1に記録された被写体の情報を有す
る光(再生光)R1が再生されて、最初に被写体が置か
れていた位置に、再生像I1が観察される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上のような
方式では、ホログラム板H1の作成時及び再生時の光源
としてレーザ光源を使用する必要があるため、コストが
低減できない、取り扱いが煩雑である、などの問題点を
有している。
【0017】これに対して、以下で説明する反射型ホロ
グラムでは、白色光を使用したホログラム像の再生が可
能になる。
【0018】反射型ホログラムの作成にあたっては、ま
ず図2Aに示す方法で作成したホログラム板H1に、図
3Aに示すように、図2Bに示す再生照明光RI1とは
逆の方向から再生照明光(レーザ光)RI21を照射す
る。これによって、ホログラム板H1から被写体があっ
た位置に向かう再生光R21が再生され、被写体があっ
た位置に被写体の実像(再生像)I21が再生される。
次に、図3Bに示すように、被写体の再生像I21から
距離z0だけ離れた位置に新たなホログラム乾板H2を
置き、このホログラム乾板H2に対して、ホログラム板
H1とは逆の方向から参照光RL2を斜めに入射させ
る。この参照光RL2は、再生照明光RI21と同じレ
ーザ光源から発した光をビームスプリッタなどで分離し
て形成される。これにより、再生照明光RI21と参照
光RL2との干渉縞が、ホログラム乾板H2に記録され
る。このような干渉縞(被写体の情報を有している)が
反射型ホログラムとして記録されたホログラム乾板H2
を、以下では「反射型ホログラム板H2」とも称する。
【0019】図3Cは、上記のように形成された反射ホ
ログラム板H2の再生原理を模式的に示す図である。
【0020】すなわち、反射型ホログラム板H2を、図
3Bの参照光RL2と正反対の方向に伝搬する再生照明
光RI22(反射型ホログラム板H2からある距離だけ
離れて置かれた点光源からの白色光)で、照射する。こ
れによって、反射型ホログラム板H2に記録された被写
体の情報を有する再生光R22が再生されて、最初に被
写体が置かれていた位置に再生像I22が形成される。
【0021】反射型ホログラムでは、光の回折特性(回
折効率)における波長選択性(色選択性)が高いため
に、ホログラム作成に使用されたレーザ光の波長の近傍
の光で、像I22が再生される。これにより、重ね合わ
せによってカラー画像の再生も可能である。しかし、反
射型ホログラム乾板H2の位置及び再生像I22の表示
位置を示す距離z0が大きいと、明瞭な再生像が得られ
なくなる。
【0022】ここで、反射型ホログラムの再生像がぼけ
る理由を、図3D及び図3Eを参照してさらに説明す
る。
【0023】反射型ホログラムに対する再生照明光RI
22は、白色光である。このため、ホログラムの作成時
に使用されたレーザ光の波長λ0以外の波長も、再生照
明光RI22に含まれる。図3Eの回折効率の波長依存
性のグラフに示されるように、反射型ホログラムでは波
長選択性が高く、ホログラムの作成時に使用されたレー
ザ光の波長(中心波長)λ0から大きく離れた波長の光
は、ほとんど回折されない。従って、中心波長λ0の近
傍の波長の光だけが回折されて、像I22が再生され
る。しかし、このときに実際には、図3D及び図3Eで
λ1及びλ2で代表されているような、中心波長λ0の
近傍にあるがλ0とは異なる波長の光も再生光R22に
含まれており、それらの光による再生像も同時に形成さ
れて、中心波長λ0の光による本来の再生像に重畳され
る。この影響で、再生像I22が形成される位置までの
距離z0が大きく設定された場合には、再生像I22が
ぼけてしまう。すなわち、反射型ホログラムでは、作成
時に設定された距離z0から離れると、明瞭な再生像I
22を視認することができない。これは、所期の情報を
明瞭に伝達することを目的とする道路標識などの光学式
情報装置への応用にあたっては、極めて重大な短所とな
る。
【0024】以上のように、従来の一般的なホログラ
ム、及びそれを応用した反射型ホログラムは、例えば道
路標識のような光学式表示装置として利用するために
は、コストの面や正確な情報の表示・伝達などの面で、
大きな問題を有している。
【0025】一方、上記で説明したものとはさらに異な
るホログラム表示方法として、レインボウホログラムと
して知られる手法がある。
【0026】レインボウホログラムの作成にあたって
は、まず図2Aに示す方法で作成したホログラム板H1
に、図4Aに示すように、幅Δのスリットを通して、図
2Bに示す再生照明光RI1とは逆の方向から再生照明
光(レーザ光)RI31を照射する。これによって、ホ
ログラム板H1から被写体があった位置に向かう再生光
R31が再生され、被写体があった位置に被写体の実像
(再生像)I31が再生される。次に、図4Bに示すよ
うに、被写体の再生像I31から距離z0だけ離れた位
置に、新たなホログラム乾板H3を置き、このホログラ
ム乾板H3に対して、ホログラム板H1と同じ側から参
照光RL3を斜めに入射させる。この参照光RL3は、
再生照明光RI31と同じレーザ光源から発した光をビ
ームスプリッタなどで分離して形成される。これによ
り、再生照明光RI31と参照光RL3との干渉縞が、
ホログラム乾板H3に記録される。このような干渉縞
(被写体の情報を有している)がレインボウホログラム
手法による透過型ホログラムとして記録されたホログラ
ム乾板を、以下では「レインボウホログラム板H3」と
も称する。
【0027】図4Cは、上記のように形成されたレイン
ボウホログラム板H3の再生原理を模式的に示す図であ
る。
【0028】すなわち、レインボウホログラム板H3
を、図4Bの参照光RL3と正反対の方向に伝搬する再
生照明光RI32(レインボウホログラム板H3からあ
る距離だけ離れて置かれた点光源からの白色光)で、照
射する。これによって、レインボウホログラム板H3に
記録された被写体の情報を有する再生光R32が再生さ
れて、作成時にスリットが置かれていた位置に向かい、
最初に被写体が置かれていた位置に再生像I32が形成
される。
【0029】このようにして形成されるレインボウホロ
グラムでは、反射型ホログラムに比べて明瞭な再生像が
観察される。この理由を、図4D及び図4Eを参照して
説明する。
【0030】レインボウホログラムに対する再生照明光
RI32は白色光であるので、ホログラムの作成時に使
用されたレーザ光の波長λ0以外の波長も、再生照明光
RI32に含まれる。しかし、図4Eの回折効率の波長
依存性のグラフに示されるように、透過型ホログラムで
あるレインボウホログラムでは波長選択性が低く、比較
的広い波長範囲の光を回折して再生光R32を発し、異
なった波長の光に対応する像I32が再生される。但
し、レインボウホログラムの作成時にスリットを使用し
ていることから、異なる波長の光による再生像は、それ
ぞれ異なった位置に(すなわち、空間的に分離されて)
形成される。例えば、図4D及び図4Eでλ1及びλ2
で代表されているような中心波長λ0とは異なる波長に
よる再生像は、中心波長λ0の光による再生像とは異な
る位置に同時に形成され、中心波長λ0の光による本来
の再生像に空間的に重畳されることはない。このため、
レインボウホログラムでは、観察位置の変化に応じて異
なる色の再生像I32が、比較的明瞭に観察される。
【0031】観察位置によって異なる色の再生像I32
が観察されるということが、レインボウホログラムの名
称の由来でもあり、この点をメリットとして捉えた各種
のアプリケーションが提案されてきている。しかし、他
方で、カラー画像の再生という観点からは、このような
観察位置による再生像I32の色の変化は、所期のカラ
ー画像が再生できないというデメリットとなる。例え
ば、先に述べた道路標識の場合には、所定の色の使用も
伝達すべき情報の一部を構成していることから、上記の
ようなレインボウホログラムの特徴は、所期の情報を明
瞭に伝達することを目的とする光学式情報装置への応用
にあたっては、極めて重大な短所となる。
【0032】本発明は、以上のような従来技術の問題点
を考慮してなされてものであって、その目的は、新たな
手法に基づくホログラム技術の利用によって、少ない占
有空間で、明るく明瞭な画像情報を再生・表示すること
ができる軽量な光学式表示装置を提供することである。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明のある局面によっ
て提供される光学式表示装置は、ホログラム素子と光源
とを備える。該ホログラムは、スリットを通過した光を
利用して得られた、被写体の情報を有する光と、該被写
体の情報を有する該光とは異なる入射光路を有する参照
光と、によって形成される反射型ホログラムであり、該
光源からの光で該被写体の再生像を表示する。このよう
な特徴によって、上記の目的が達成される。
【0034】ある実施形態では、前記被写体の情報を有
する前記光は、前記スリットを通過した拡散光を該被写
体に照射して得られる物体光である。前記拡散光は、す
りガラスに光を通すことで形成され得る。
【0035】他の実施形態では、前記被写体の情報を有
する前記光は、前記スリットを通過した拡散光を該被写
体に照射して得られる物体光と、該物体光とは異なる入
射光路を有する照射光と、によって形成された透過型ホ
ログラムを再生して得られる再生光である。前記拡散光
は、すりガラスに光を通すことで形成され得る。
【0036】さらに他の実施形態では、前記被写体の情
報を有する前記光は、該被写体の像が記録された透過型
ホログラムに近接して配置された前記スリットを通過し
て得られた、該透過型ホログラムの再生光である。
【0037】さらに他の実施形態では、前記被写体の情
報を有する前記光は、該被写体の像が記録された透過型
ホログラムに近接して配置された前記スリットと、該ス
リットの長手方向に母線を有するシリンドリカルレンズ
と、を通過して得られた、該透過型ホログラムの再生光
である。
【0038】前記参照光は、前記スリットの長手方向に
直交する方向に複数のビームを重ね合わせて構成され得
る。
【0039】好ましくは、前記光源は線状光源である。
前記線状光源は、前記スリットの長手方向に直交する面
の上或いはその近傍に配置され得る。
【0040】ある実施形態では、前記参照光は、前記ス
リットの長手方向に直交する面を入射平面とする。或い
は、前記参照光は、前記スリットの長手方向に直交する
面とは異なる面を入射平面とし得る。
【0041】本発明の他の局面によって提供される光学
式表示装置は、ホログラム素子と光源とを備える光学式
表示装置である。該ホログラムは、一方向に拡散する拡
散光を利用して得られた、被写体の情報を有する光と、
該被写体の情報を有する該光とは異なる入射光路を有す
る参照光と、によって形成される反射型ホログラムであ
り、該光源からの光で該被写体の再生像を表示する。こ
のような特徴によって、上記の目的が達成される。
【0042】ある実施形態では、前記被写体の情報を有
する前記光は、前記拡散光を該被写体に照射して得られ
る物体光である。
【0043】他の実施形態では、前記被写体の情報を有
する前記光は、前記拡散光を該被写体に照射して得られ
る物体光と、該物体光とは異なる入射光路を有する照射
光と、によって形成された透過型ホログラムを再生して
得られる再生光である。前記参照光は、前記拡散光の拡
散方向に直交する方向に複数のビームを重ね合わせて構
成され得る。
【0044】さらに他の実施形態では、前記被写体の情
報を有する前記光は、該被写体の像が記録された透過型
ホログラムに近接して配置された前記スリットを通過し
て得られた、該透過型ホログラムの再生光である。前記
参照光は、前記拡散光の拡散方向に直交する方向に複数
のビームを重ね合わせて構成され得る。
【0045】ある実施形態では、前記拡散光は、レンチ
キュラーレンズに光を通すことで形成されている。
【0046】好ましくは、前記光源は線状光源である。
前記線状光源は、前記拡散光の拡散方向に直交する面の
上或いはその近傍に配置され得る。
【0047】ある実施形態では、前記参照光は、前記拡
散光の拡散方向に直交する面を入射平面とする。或い
は、前記参照光は、前記拡散光の拡散方向に直交する面
とは異なる面を入射平面とし得る。
【0048】本発明によれば、複数の表示ユニットが配
置面の上に配列され、該複数のユニットからの再生像が
合成して表示される光学式表示システムであって、該複
数のユニットの各々が上述の特徴を有する本発明の光学
式表示装置であるような光学式表示システムが、提供さ
れる。
【0049】本発明の光学式表示装置における前記ホロ
グラム素子は、複数のホログラム要素を組み合わせて構
成され得る。
【0050】本発明の光学式表示装置における前記ホロ
グラム素子は、可撓性基板の上に形成され得る。
【0051】本発明の光学式表示装置における前記ホロ
グラム素子は、携帯可能であり得る。
【0052】本発明の光学式表示装置における前記光源
は、線状光源であり得て、該線状光源の長さ及び設置方
向が、所定の再生像の視認範囲が得られるように設定さ
れ得る。
【0053】本発明の光学式表示装置における前記光源
は、線状光源であり得て、該線状光源を入射平面外に移
動することで再生像の結像位置がシフトされ得る。
【0054】ある場合には、本発明の光学式表示装置
は、複数の前記ホログラム素子を備え、一つの光源で該
複数のホログラム素子を再生するように構成されてい
る。
【0055】本発明の光学式表示装置における前記光源
は、線状光源であり得る。ある場合には、該線状光源
が、蛍光管、或いは蛍光管と反射板との組合せである。
【0056】本発明の光学式表示装置における前記光源
は、多数面ミラーと点光源とから構成された線状光源で
あり得る。
【0057】本発明の光学式表示装置における前記光源
は、円筒面ミラーと点光源とから構成された線状光源で
あり得る。
【0058】本発明の光学式表示装置における前記光源
は、ミラー或いはレンズによって線状に集光された光ビ
ームによって構成された線状光源であり得る。
【0059】本発明の光学式表示装置における前記光源
は、点光源の列によって構成された線状光源であり得
る。
【0060】本発明の光学式表示装置における前記光源
は、2次元表示装置の上に表示された輝線によって構成
された線状光源であり得る。
【0061】本発明によれば、上記のような特徴を有す
る本発明の光学式表示装置と、情報通信装置と、を備え
た光学式表示システムが提供され得る。前記光学式表示
装置は、前記情報通信装置の通信領域を3次元的に表示
し得る。前記光学式表示装置の表示領域と前記情報通信
装置の前記通信領域とが一致し得る。前記情報通信装置
は、情報の一方向通信或いはインタラクティブ通信を行
い得る。
【0062】本発明の他の局面によって提供される光学
式表示装置は、画像表示装置と、結像光学系と、ホログ
ラムスクリーンと、を備える。該ホログラムスクリーン
は、点光源からの光を反射して、該点光源とは異なる位
置に点像を結像するように構成されており、該結像光学
系は、該画像表示装置に表示された画像の縦方向の焦点
を、該ホログラムスクリーンの上に一致させるように構
成されている。このような特徴によって、前述の目的が
達成される。
【0063】ある実施形態では、前記結像される点像は
実像である。
【0064】他の実施形態では、前記結像される点像
は、前記ホログラムスクリーンに対して、前記点光源と
は反対側の位置に結像される虚像である。
【0065】ある実施形態では、前記結像光学系は、縦
方向と横方向とでお互いに独立した結像機能を有してい
て、該縦方向については、前記画像表示装置に表示され
た画像の縦方向の焦点を、前記ホログラムスクリーンの
上に一致させるように構成され、該横方向については、
焦点距離が可変になるように構成されている。
【0066】上記の光学式表示装置は、偏光を透過させ
る方向が両眼でお互いに直交している偏光メガネを、さ
らに備え得る。
【0067】本発明によれば、複数の表示ユニットが横
方向に配置されている光学式表示システムであって、該
複数の表示ユニットの各々が上述した特徴を有する本発
明の光学式表示装置であるような光学式表示システム
が、提供され得る。
【0068】また、本発明によれば、複数の表示ユニッ
トが奥行き向に配置されている光学式表示システムであ
って、該複数の表示ユニットの各々が上述した特徴を有
する本発明の光学式表示装置であるような光学式表示シ
ステムが、提供され得る。
【0069】前記画像表示装置は、LED、CRT、高
分子分散型液晶パネル、或いは有機ELパネルから選択
された表示素子と、偏光スイッチング素子と、を含み得
る。
【0070】また、前記偏光スイッチング素子は、強誘
電液晶パネルを含み得る。
【0071】
【発明の実施の形態】本発明の具体的な実施形態の説明
に先立って、まず、本発明の光学式表示装置を実現する
ために本願発明者によって提案されるホログラムの原理
について、説明する。
【0072】本発明によるホログラムの作成にあたって
は、まず図2Aに示す従来の方法で作成したホログラム
板H1に、図5Aに示すように、幅Δのスリットを通し
て、図2Bに示す再生照明光RI1とは逆の方向から再
生照明光(レーザ光)RI41を照射する。これによっ
て、ホログラム板H1から被写体があった位置に向かう
再生光R41が再生され、被写体があった位置に被写体
の実像(再生像)I41が再生される。次に、図5Bに
示すように、被写体の再生像I41から距離z0だけ離
れた位置にホログラム乾板H4を置き、このホログラム
乾板H4に対して、ホログラム板H1とは反対側から参
照光RL4を斜めに入射させる。この参照光RL4は、
再生照明光RI41と同じレーザ光源から発した光をビ
ームスプリッタなどで分離して形成される。これによ
り、再生照明光RI41と参照光RL4との干渉縞が、
ホログラム乾板H4に記録される。このような干渉縞
(被写体の情報を有している)が反射型ホログラムとし
て記録されたホログラム乾板H4を、以下では「ホログ
ラム板H4」とも称する。
【0073】図5Cは、上記のように形成されたホログ
ラム板H4の再生原理を模式的に示す図である。
【0074】すなわち、ホログラム板H4を、図5Bの
参照光RL4とは正反対の方向に伝搬する再生照明光
(白色光)RI42で照射する。これによって、ホログ
ラム板H4に記録された被写体の情報を有する再生光R
42が再生されて、作成時にスリットが置かれていた位
置に向かい、最初に被写体が置かれていた位置に再生像
I42が形成される。
【0075】このようにして形成される本発明のホログ
ラムでは、従来の反射型ホログラムに比べて明瞭な再生
像I42が観察され、且つ従来のレインボウホログラム
のような観察位置に依存する再生像の色の大きな変化と
いう問題点も生じない。この理由を、以下に説明する。
【0076】本発明のホログラムに対する再生照明光は
白色光であるので、ホログラムの作成時に使用されたレ
ーザ光の波長λ0以外の波長も、再生照明光に含まれ
る。しかし、図6Aの回折効率の波長依存性のグラフに
示されるように、反射型ホログラムでは波長選択性が高
く、ホログラム作成時に使用されたレーザ光の波長(中
心波長)λ0から大きく離れた波長の光は、ほとんど回
折されない。従って、基本的には、中心波長λ0の近傍
の波長の光だけが回折されて再生光R42となり、これ
らの光による像I42が再生される。このときに実際に
は、図6A及び図6Bでλ1及びλ2で代表されている
ような、中心波長λ0の近傍にあるがλ0とは異なる波
長の光による再生像も同時に形成されるが、本発明で
は、ホログラムの作成時にスリットを使用していること
から、異なる波長の光による再生像は、それぞれ異なっ
た位置に(すなわち空間的に分離されて)形成される。
例えば、図6A及び図6Bでλ1及びλ2で代表されて
いるような中心波長λ0とは異なる波長による再生像
は、中心波長λ0の光による再生像とは異なる位置に同
時に形成され、中心波長λ0の光による本来の再生像に
空間的に重畳されることはない。このため、本発明のホ
ログラムでは、観察位置によって再生像I42の色が僅
かに変化するものの、各色の再生像I42は明瞭に観察
される。
【0077】ここで、本発明のホログラムは反射型であ
ることから、回折効率における波長選択性が高く、中心
波長λ0の近傍以外の波長の光は回折されない。このた
め、再生照明光として、ホログラム板H4からある距離
だけ離れて配置された点光源からの白色光RI42Aを
使用する場合には、観察位置が大きく変化すると(すな
わち、観察者が大きく移動すると)、その観察位置で観
察し得る像を形成する波長に対するホログラムの回折効
率は零になって、再生像が観察されないことになる。言
い換えると、本発明のホログラムを点光源からの平行光
RI42Aで再生すると、再生像I42の視認範囲が極
めて狭くなる。
【0078】しかし、図7Aに示すように、ホログラム
板H4に入射する再生照明光RI42が平行光ではな
く、ある入射角度を有する光の集合体である場合には、
それぞれの入射角度に応じて最も適した波長を有する再
生光R42による再生像I42が、お互いに空間的に異
なった位置に分離して再生される。このような入射条件
は、点光源ではなく線状光源LLを使用すれば、実現す
ることが可能である。すなわち、図7Bに示すように、
本発明のホログラムに対する再生照明光RI42の光源
LLとして蛍光灯のような線状光源LLを使用すれば、
ホログラム板H4に対する再生照明光RI42の入射角
度に意図的にある角度範囲を持たせることができて、結
果的に再生像I42の視認範囲を広げることが可能にな
る。
【0079】このとき、本発明のホログラムに対する観
察位置が変化すると、従来のレインボウホログラムの場
合のように、再生像I42の色が変化する。しかし、こ
のような再生像I42の色の変化の割合は、レインボウ
ホログラムにおける色変化の数%程度である。例えば、
入射角度45度の参照光でホログラム板を形成した場合
に、レインボウホログラムにおける再生像の色が青から
赤に変化するような観察位置の変化では、100nmオ
ーダの波長変化が生じている。これに対して、本発明の
ホログラムでは、同程度の観察位置の変化に対して、再
生像I42の波長変化は約6nmであり、色の変化は殆
ど認識されない。
【0080】なお、上記のような本発明のホログラムの
構成を従来のレインボウホログラムに応用しても、7色
の再生像がお互いに重なり合って、全体が白色化してい
くにすぎない。これは、従来のレインボウホログラムが
透過型ホログラムであるのに対して、本発明のホログラ
ムが反射型であり、回折効率の波長依存性が高いことに
よる。
【0081】このように、本発明のホログラム形成原理
では、従来の反射型ホログラムでは短所と考えられてい
た「回折効率の波長依存性が高く再生像の視認範囲が狭
い」という特徴を長所として捉えて、スリットを通した
レーザ光で再生された像を反射型ホログラムとして焼き
付けてホログラム板を形成する。そして、そのようにし
て形成したホログラム板を用いて再生像を得ることによ
って、観察位置がずれても像のぼけが少ない、波長選択
性が高く再生像の重ね合わせによるカラー再生像を得る
ことができるなどの、従来の様々なホログラムの構成原
理では得られなかった特徴を得ることができる。
【0082】以下では、以上のような原理に基づく本発
明のホログラム手法を利用して構成される本発明の光学
式表示装置の様々な実施形態を、添付の図面を参照しな
がら説明する。
【0083】(第1の実施形態)図8は、本発明の第1
の実施形態における光学式表示装置の構成を示す側面図
であり、図9は、光学式表示装置の平面図である。この
実施形態では、本発明の光学式表示装置が、トンネル内
の道路標識として用いられている。
【0084】図8において、1は本実施形態の光学式表
示装置、2はホログラム、3は線状光源である蛍光灯、
4は蛍光灯灯具、5は遮蔽板である。光学式表示装置1
は、トンネル6の天井面7に配置されている。
【0085】蛍光灯3を発した照明光8のうちでホログ
ラム2に入射するものは、これによって回折されて再生
光9となり、仮想表示面10に再生像11が形成され
る。このとき、正面から見た再生像11は、トンネル6
の内部を通行中の車から見ると、制限速度表示の道路標
識があたかもトンネル6の天井面7から離れて下がった
位置に吊り下げられているかのように見えることにな
る。しかし、これは仮想表示面10の上での表示(再生
像11)であり、現実的にその箇所には何も物体は存在
しない。従って、車との接触事故などは全く起こり得な
い。
【0086】なお、仮想表示面10は、空間内に仮想的
に設けられた平面または曲面である。また、ホログラム
2の表面からの反射光は、路面に向かう方向(この方向
の反射光は図8に図示されている)、或いは天井面7に
向かう方向(この方向の反射光は図8に図示されていな
い)に偏向させることができるため、運転者の目に直接
入ることはない。むしろ、これらの反射光は、それぞれ
道路面や天井面を照らす照明光となり得て、有用に活用
され得る。
【0087】また、蛍光灯3からの照明光8の一部は遮
蔽板5によって遮られるため、これも運転者の目に直接
入ることはない。照明光8のうちで直接に道路面や天井
面に向かう光も、それぞれ道路面や天井面を照らす照明
光となり得て、有用に活用され得る。
【0088】蛍光灯3及び蛍光灯灯具4を含む光源部
は、家庭やオフィスで使用されている一般的な灯具が使
用して構成できるが、トンネル内の清掃時に水が入らな
いように、防水対策を施すことが好ましい。例えば、蛍
光灯3と蛍光灯灯具4とをトンネル6の天井面7に埋め
込み、透明なカバーで覆うことによって、光源部を構成
してもよい。
【0089】次に、ホログラム2が仮想表示面10に再
生像11を形成する原理を、その作製方法に関連付けて
説明する。
【0090】まず、図10を用いて、簡単にホログラム
2の作製方法を説明する。
【0091】図10は、ホログラム2の作製光学系を示
す斜視図であり、12はスリット、13は被写体である
制限速度表示道路標識のパターンマスク、14は物体
光、15は入射平面、16は参照光、17はホログラム
乾板である。通常は、作製光学系は光学定板上に配置さ
れるために、図10に示した光学系を90度横に寝かせ
た水平配置を取るが、ここでは、光学式表示装置の動作
時の配置に合わせて、垂直配置を図示している。また、
実際には、カラー3原色に対応するように複数の異なる
パターンを有するパターンマスクを使用し、露光用のレ
ーザ波長や光学系配置を適宜切り替ることでホログラム
の作製が行われるが、ここでは簡便のため、一つのパタ
ーンマスク13を有する構成について説明する。
【0092】ホログラム2の作製方法は、以下に示す通
りである。
【0093】まず、図示されていないすりガラスを透過
して拡散光となった波長514.5nmのアルゴンレー
ザ光をスリット12に入射させ、これを通過した光でパ
ターンマスク13の情報を読み取ることにより、物体光
14を形成する。本構成は、再生像を浮き上がらせて見
せるためのものであり、パターンマスク13は、スリッ
ト12の側から見て表向きとなるように設置されてい
る。なお、使用するスリットは、例えば幅が約1.5m
mで、長さは約40mmである。
【0094】スリット12の長手方向に垂直な面として
一意に定義される入射平面15の上には、前記のアルゴ
ンレーザを発した略平行光である参照光16を、入射さ
せる。ここでは、反射ホログラムを形成するため、参照
光16はホログラム乾板17の裏面から15度の角度を
なすように入射させる。なお、参照光16が入射平面1
5の上に入射することは、必ずしも必要ではないが、こ
こでは、より好ましい形態として、入射平面15の上に
参照光16が入射する構成を描いている。
【0095】以上により、物体光14と参照光16とは
干渉縞を形成し、ホログラム乾板17にこの干渉縞が記
録される。一般に、ホログラム乾板17の構成材料とし
ては、銀塩、重クロム酸ゼラチン、光重合型フォトポリ
マなどが用いられる。例えば、厚さ約20μmのドライ
フィルムタイプの光重合型フォトポリマをガラス基板に
貼り付けて、ホログラム乾板17を構成する。
【0096】次に、ホログラム2の作製方法について、
さらに詳細に述べる。
【0097】図11A及び図11Bは、図10に示した
ホログラムの作製光学系の側面図及び平面図をそれぞれ
示す。なお、18はすりガラス、19はレーザ光、20
は拡散光である。
【0098】図11Aに図示されるように、すりガラス
18に入射したレーザ光19は、拡散光20となってス
リット12に入射する。側面から見たスリット12は幅
が狭く、拡散光20の一部しか通過させない。従って、
これを通過した光は、側面から見るとあたかも一点から
発した拡がり光に類似して見える。この光がパターンマ
スク13の情報を読み取り、ホログラム乾板17の上に
物体光14として照射されるが、これは、パターンマス
ク13のホログラム乾板17への投影と見ることができ
る。被写体の情報を含むこの物体光14は、ホログラム
乾板17の裏面から入射する参照光16との間で干渉縞
を形成し、ホログラム乾板17にこの干渉縞が記録され
る。
【0099】このとき、ホログラム乾板17に投影され
るパターンマスク13の「影」は拡大されているので、
予めこの投影倍率を考慮して、パターンマスク13は一
方向に縮小して作製されている。この倍率は光学系の設
定によって異なるが、通常は約1.2倍〜約2倍であ
る。
【0100】より具体的に述べると、本来のパターンマ
スク13の高さをHmとし、観察位置OPから実際に見
える像の高さをHiとすれば、その倍率は、図12の幾
何学的関係から、 Hi=Hm(1−z0/L’)/(1−z0/L) と表される。ここで、z0はホログラム乾板17から像
(パターンマスク13)までの距離、Lはホログラム作
製時のホログラム乾板17からスリット12までの距
離、L’はホログラム乾板17から観察位置OPまでの
距離である。これからわかるように、L=L’のときに
は倍率は1であり、スリット12が置かれていた位置か
ら観察する場合には、拡大縮小作用は生じない。一方、
距離L’が変化する場合、つまりスリット12が置かれ
ていた位置から移動して広い範囲から観察する場合に
は、拡大縮小作用が生じる。
【0101】この関係を、規格化観察距離(L’/L)
と規格化像高さ(Hi/Hm)との関係として、L/z
0をパラメータにして図13に示す。これより、広い範
囲から観察する場合の倍率の変化を少なくするには、L
/z0の値を大きくとれば良い。好ましくは、L/z0
=10以上とすることによって、広い範囲から観察して
も倍率を1.1以下(すなわち、10%以下の形状変
化)に抑えることができる。
【0102】さらに好ましくは、L/z0の値を実質上
無限大に選ぶことができれば、倍率の変化を理論上無く
すことができる。定義に戻って考えて見ると、L/z0
の値を実質上無限大に選ぶということは、z0=0の場
合を除けば、スリット12からホログラム17に引いた
直線が傾きを持たないということに対応する。従って、
図14に示すように、ホログラム17の高さ方向には光
の拡散効果を持たずホログラム17の幅方向にのみ光の
拡散効果を有する1次元ディフューザ1001で、スリ
ット12及びすりガラス18を置き換えればよい。この
ようなディフューザ1001としては、回折格子を用い
た構成やホログラフィックに作製されている構成など、
幾つもの構成例があり、例えば、円筒レンズが配列され
た構成を有するレンチキュラーレンズシートを用いても
良い。
【0103】ここで再び、スリット12とすりガラス1
8とを用いたホログラムの作製方法に戻って、説明を続
ける。
【0104】図11Bの平面図に示されるように、上方
から見たスリット12の幅は広く、すりガラス18を発
した拡散光20を広い範囲にわたって通過させる。図1
1Bでは、スリット12の中央部を通過した拡散光を実
線で、またスリット12の両端部を通過した拡散光を破
線で示している。実線で示された拡散光は、パターンマ
スク13を正面から見たときの情報をホログラム乾板1
7に投影し、破線で示された両拡散光は、それぞれスリ
ット12の端部からパターンマスク13を少し斜めに見
たときの情報をホログラム乾板17に投影する。これら
の情報を含んだ物体光14は、ホログラム乾板17の裏
面から入射する参照光16との間で干渉縞を形成し、ホ
ログラム乾板17にこの干渉縞が記録される。これは、
後にホログラムを再生するときに、観察者の両眼に向け
て異なった角度から見たパターンマスク13の再生像を
形成する原理となる。
【0105】以上、わかりやすくするために側面図と平
面図とに分けて説明を行ってきたが、実際のホログラム
作製プロセスでは、上記の干渉縞の記録が同時に進行す
ること言うまでもない。
【0106】続いて、本発明のホログラムの再生原理を
説明する。
【0107】一般に、ホログラムを再生するために用い
る照明光は、参照光の共役光である。本発明のホログラ
ムの作製プロセスでは、前述のように参照光を平行光と
しているので、照明光も平行光でよい。しかし、ホログ
ラム作製時には、レーザ光を用いているので容易に平行
光を形成することができるが、ホログラム再生に一般に
用いられるハロゲンランプ等の白色光源から平行光を形
成することは、困難である。現実的には、発光部の小さ
な光源を選び、さらにこれに開口制限をして、この概略
点光源とみなし得る光源をホログラムから十分に距離を
離して配置し、これを発した略平行光とみなし得る発散
光で照明することで、ホログラム再生が行われる。本実
施形態におけるホログラム2も、こうした手法で一応の
像再生は可能である。
【0108】図15A及び図15Bは、ホログラム2の
再生原理を示す側面図及び平面図である。21はハロゲ
ンランプ、22は開口、23は照明光、24は再生光、
25は観察者、26はスリット12の再生像である。
【0109】ハロゲンランプ21を発した光は開口22
によって絞られ、略平行光とみなし得る照明光23が形
成される。この照明光23がホログラム2によって回折
されて形成された再生光24は、仮想表示面10、即ち
ホログラム作製時にパターンマスク13が置かれていた
位置の近傍にその再生像11を形成し、観察者25に
は、再生像11がホログラム面から浮き上がって見え
る。
【0110】観察の結果、再生像11が観察可能な水平
方向の視認角は約8度あり、これは、実際の道路におい
て自動車が車線変更(即ち左右6m程度の移動)を行っ
たとしても、50〜100m離れた位置から見れば、本
発明の光学式表示装置1による表示が認識できることを
意味している。しかし、垂直方向の視認角度は約1度と
小さく、これは、高速で進行中の自動車から標識を認識
できる区間或いは時間が、必ずしも十分に確保できない
ことを意味する。
【0111】また、この再生像11は、スリット12の
再生像26が形成される位置、即ちホログラム作製時に
スリット12が置かれていた位置に観察者がいるとき
に、最も明るく見え、また、この近傍で、再生像11の
全体を見ることができる。しかし、この位置よりもホロ
グラム2に近づいた場合、或いはホログラム2から遠ざ
かった場合には、像の一部しか見えない。
【0112】以上の観察結果より、点光源を使用した再
生では、再生像は得られるものの、実用的なトンネル用
道路標識を構成することが極めて困難である。
【0113】そこで、本願発明者は、光源とホログラム
との配置関係や照明光とホログラムとの相互作用などに
関する検討をさらに継続し、さらに詳細な再生像の観察
を行った結果、上記の問題を解決し且つ本発明の光学式
表示装置1を構成する上で極めて重要な、他には例のな
い実用上のメリットを見い出すに至った。
【0114】図16A及び図16Bには、前記の再生像
観察の過程で使用した開口22のうち、特徴的な2つの
形状を示す。
【0115】観察の結果、図16Aのように開口22の
幅を水平方向に広げると、ホログラム2の再生像はぼけ
るが、図16Bのように垂直方向に開口22の長さを伸
ばしても、ホログラム2の再生像はぼけなかった。しか
も、開口22の長さを伸ばすにつれて垂直方向の視認範
囲が拡大し、且つその視認範囲で、再生像の色が変わら
ないということが確認された。つまり、観察者には、垂
直方向の視認範囲内で常にボケのない同じ色の像が観察
される。これは、ホログラム2を反射型で構成したこと
による著しい効果である。
【0116】また、垂直方向に長い開口22を用いる
と、スリット12の再生像26が形成される位置よりも
観察者がホログラム2に近づいた場合、或いはホログラ
ム2から遠ざかった場合にも、再生像の全体が観察でき
る。つまり、観察者には、像からの位置をその奥行き方
向に変えても、ボケのない同じ色の像の全体が、その一
部が欠けることなく見える。
【0117】なお、ここで「色が変わらない」という表
現を用いているが、厳密に言うと、再生波長は変化して
いる。しかし、後述するように、ホログラムのパラメー
タを適切に選択することで、人の目にはわからないほど
の波長変化に抑えることができる。
【0118】以上の観察結果は、本発明によるホログラ
ム2と垂直方向に長い開口22の組み合わせ構成をとる
ことで、前述した問題が全て解決し、実用的なトンネル
用道路標識を構成できることを意味している。
【0119】本発明の第1の実施形態では、図8に示し
たように、光源として直管蛍光灯3を使用している。こ
の直管蛍光灯3による再生でも、ボケがなく色の変化が
ない明るい再生像が得られている。また、ホログラム2
を上下方向から覗くようにして観察しても、常にボケの
ない再生像が確認できる。所定の条件下で蛍光灯3をホ
ログラム2に少し近づけると、垂直方向の視認角度が±
5度に達することがあり、これは、高速で進行中の自動
車から標識を認識できる区間及び時間が、十分に大きく
とれることを示唆する。また、ホログラム2からの距離
が変わっても再生像が欠けることがなく、光学式表示装
置1の十分手前から再生像が見える。
【0120】なお、ホログラムの作製プロセスにおい
て、参照光16を入射平面15の上に入射させている
が、これに限られるものではない。また、像再生におい
て、蛍光灯を入射平面15の上に配置しているが、これ
に限られるものではない。本発明によれば、参照光の入
射方向並びに線状光源の配置と方向とには、裕度があ
る。
【0121】また、1次元ディフューザ1001を用い
たホログラムの作製方法については、拡散光が広がる方
向に対して直交する面として、入射平面を定義すること
ができる。参照光は、その入射平面上で入射させるのが
基本的な構成であるが、これに限られるものではない。
また、像再生において、蛍光灯を入射平面上に配置する
のが基本的な構成であるが、これに限られるものではな
い。
【0122】(第2の実施形態)第1の実施形態では、
線状光源である蛍光灯3を水平に配置したが、この蛍光
灯3の設置条件は、基本的に入射平面15の上或いはそ
の近傍に置かれる限り、その方位は問わない。
【0123】図17Aは、本発明の光学式表示装置の再
生光学系を斜視図として示したものであるが、図示する
水平配置或いは垂直配置の何れも可能であるとともに、
その中間の任意の角度での設置が可能である。但し、そ
の設置方向によって、垂直方向の視認角度範囲は変化す
る。
【0124】図17B及び図17Cは、同じ長さの蛍光
灯27を水平配置した場合及び垂直配置した場合の、視
認角度範囲の比較図である。
【0125】図17Bの水平配置の場合、蛍光灯27の
右端を発した照明光28は、ホログラム2によって回折
されて再生像29を形成し、この再生像29は観察者3
0によって認識される。一方、蛍光灯27の左端を発し
た照明光31は、ホログラム2によって回折されて再生
像32を形成し、この再生像32は観察者33によって
認識される。この観察者30の位置と観察者33の位置
とがホログラム2に対してなす角度が、水平配置時の視
認角度範囲となる。
【0126】また、図17Cの垂直配置の場合、実線で
示される蛍光灯27の下端を発した照明光34は、ホロ
グラム2によって回折されて再生像35を形成し、この
再生像35は観察者36によって認識される。一方、蛍
光灯27の上端を発した照明光37は、ホログラム2に
よって回折されて再生像38を形成し、この再生像38
は観察者39によって認識される。この観察者36の位
置と観察者39の位置とがホログラム2に対してなす角
度が、垂直配置時の視認角度範囲となる。
【0127】水平配置の場合と垂直配置の場合とを比較
すれば、垂直配置の方が視認角度を広く取れることがわ
かる。見方を変えれば、垂直配置に近い構成を取ること
で、より短い蛍光灯を使用することが可能となる。厳密
には、再生用照明光の光路に蛍光灯を垂直に配置するの
が、より好ましい。
【0128】図18は、本発明の第2の実施形態におけ
る光学式表示装置の構成を示す側面図である。この実施
形態でも、本発明の光学式表示装置は、トンネル内の道
路標識として用いられている。
【0129】図18において、40は本実施形態の光学
式表示装置、41は線状光源である蛍光灯、42は蛍光
灯灯具、43は反射板である。光学式表示装置40は、
トンネル6の天井面7に配置されている。
【0130】蛍光灯41を発した直接光と反射板43で
一旦反射された間接光とが合成されて、照明光44が形
成される。この反射板43の効果によって、一層明るい
表示が可能になる。照明光44のうちでホログラム2に
入射するものは、これによって回折されて再生光45と
なり、仮想表示面10に再生像11が形成される。この
とき、正面から見た再生像11は、トンネル6の内部を
通行中の車から見ると、制限速度表示の道路標識があた
かもトンネル6の天井面7から離れて下がった位置に吊
り下げられているかのように見えることになる。しか
し、これは仮想表示面10の上での表示(再生像11)
であり、現実的にその箇所には何も物体は存在しない。
従って、車との接触事故などは全く起こり得ない。
【0131】なお、仮想表示面10は、空間内に仮想的
に設けられた平面または曲面である。また、ホログラム
2の表面からの反射光は、路面に向かう方向(この方向
の反射光は図18に図示されている)、或いは天井面7
に向かう方向(この方向の反射光は図18に図示されて
いない)に偏向させることができるため、運転者の目に
直接入ることはない。むしろ、これらの反射光は、それ
ぞれ道路面や天井面を照らす照明光となり得て、有用に
活用され得る。
【0132】また、蛍光灯41からの照明光44の一部
は、蛍光灯灯具42や反射板43によって遮られるた
め、これも運転者の目に直接入ることはない。照明光4
4のうちで直接に道路面や天井面に向かう光も、それぞ
れ道路面や天井面を照らす照明光となり得て、有用に活
用され得る。
【0133】蛍光灯41及び蛍光灯灯具42を含む光源
部は、家庭やオフィスで使用されている一般的な灯具が
使用して構成できるが、トンネル内の清掃時に水が入ら
ないように、防水対策を施すことが好ましい。例えば、
蛍光灯41と蛍光灯灯具42とを透明なカバーで覆うこ
とによって、光源部を構成してもよい。
【0134】(第3の実施形態)前述の視認角度範囲が
蛍光灯の長さとその配置方向とに依存するという特性を
利用すると、意図的に視認範囲を制限することができ
る。例えば、図19に示すように道路標識がその100
m手前から見え始め且つ50m手前で見えなくなるよう
な構成を、蛍光灯の長さ及び配置方向の適切な設定によ
って実現することができる。
【0135】なお、この構成は、本明細書に述べられて
いる何れの実施形態における本発明の光学式表示装置に
おいても、実施可能である。
【0136】(第4の実施形態)図20は、蛍光灯46
の設置位置が入射平面15から離れている場合の本発明
の光学式表示装置の平面図である。
【0137】色変化と水平方向の視認角度範囲の減少と
が僅かに伴うが、このような場合でも、再生像48は良
好に認識できる。但し、このときは、図20に示すよう
に、蛍光灯46が入射平面15から移動した方向と反対
側に移動した位置から、観察者49は観察しなければな
らない。これは、照明光47がホログラム2に対して斜
めに入射し、これによって、再生像48も入射平面15
から離れた位置に結像するためである。光学式表示装置
の設置場所の制約等の理由により蛍光灯46を入射平面
15上に設置することが困難な場合、前記のような配置
を積極的に利用して表示を行うとよい。もちろん、意図
的にこのような再生配置を考慮してホログラムを作製す
ることが可能なことは、言うまでもない。
【0138】なお、この構成は、本明細書に述べられて
いる何れの実施形態における本発明の光学式表示装置に
おいても、実施可能である。
【0139】(第5の実施形態)これまでは、一つのパ
ターンマスクに対するプロセスと、これにより作製され
たホログラムの再生のみ記述してきた。単色表示の場合
はこれでよいが、カラー表示を行う場合は、表示するカ
ラーに対応する異なったパターンマスクを用いてホログ
ラムを作製し、これを積層することでカラー表示を実現
する。
【0140】図21Aは、カラー3原色に対応する3枚
の露光用パターンマスクである。これらのパターンマス
クを被写体として使用して、それぞれR、G、B単色の
ホログラムを作製する。図21Bは、作製されたホログ
ラムを3枚重ねたときの再生像の様子である。また、図
21Cは、作製されたホログラムを一枚の基板の上に積
層した様子を示すものである。
【0141】本発明の実施形態で述べているホログラム
の有用な特性、即ち上下方向の開口制限幅を広げてもそ
の視認範囲で再生像の色が変わらないという特性は、各
々のカラーに対して成立する。従って、積層されたホロ
グラムのカラー再生像の色は、その視認範囲で変わらな
い(厳密に言うと再生波長はわずかに変化しているが、
人間の目には大きな色変化としては認識されない)。再
生像の中心位置における再生波長の変化は、図22に、
参照光の入射角度θに対する波長シフト比(ΔλR/Δ
λT)として示すように、各色のホログラム作製時に設
定した参照光の入射角度θに依存する。即ち、参照光の
入射角度θが大きくなれば、色変化も大きくなる。しか
し、例えば参照光の入射角度θ=30度の場合を例に取
ると、標識として要求される視認角度±2度の範囲での
色変化(波長変化)は約4nmであり、ほとんど人間の
目で検知できるような色の変化ではない。従って、通常
に用いられる参照光の入射角度θ=45度以下において
は、再生像は単色として認知される。
【0142】なお、図22に示す波長シフト比(ΔλR
/ΔλT)とは、従来のレインボウホログラムのような
透過型構成における波長シフト量ΔλTに対する、反射
型ホログラムである本発明の構成における波長シフト量
ΔλRの比率を示す。
【0143】さらに厳密に言うと、再生像内にも色分布
が存在し、参照光の入射角度θが大きくなれば、その色
分布も大きくなる。この関係は、図23に、参照光角度
と再生波長幅との関係として示されている。ここで、H
はホログラムの高さを示している。図23より、パラメ
ータL/Hを大きな値に選ぶことで、通常用いられる参
照光角度45度以下の範囲においては、色分布を、認識
できないレベルまで小さくすることができる。
【0144】また、この再生像内の色分布は、観察する
位置によっても変化する。即ち、観察する位置が遠くに
行けば行くほど、色変化も大きくなる。この関係は、図
24に、規格化観察位置と再生波長幅との関係として示
されている。これより、パラメータL/Hを適切に選ぶ
ことで、色分布を、認識できないレベルまで小さくする
ことができる。
【0145】さらに好ましくは、L/Hの値を実質上無
限大に選ぶことができれば、倍率の変化を理論上無くす
ことができる。定義に戻って考えて見ると、L/Hの値
を実質上無限大に選ぶということは、 スリットからホ
ログラムに引いた直線が傾きを持たないということに対
応する。従って、ホログラムの高さ方向には光の拡散効
果を持たずホログラムの幅方向にのみ光の拡散効果を有
する1次元ディフューザで、スリット及びすりガラスを
置き換えればよい。このようなディフューザとしては、
回折格子を用いた構成やホログラフィックに作製されて
いる構成など、幾つもの構成例があり、例えば、円筒レ
ンズが配列された構成を有するレンチキュラーレンズシ
ートを用いても良い。
【0146】なお、このような場合の露光光学系の構成
は、図14を参照して説明した通りである。
【0147】上記で説明した本実施形態の構成は、本明
細書に述べられている何れの実施形態における本発明の
光学式表示装置においても、実施可能である。
【0148】(第6の実施形態)図25A〜図25Cに
示すように、本発明のホログラム2は、曲げたり、丸め
たり、折り畳んだりすることができる可撓性基板に積層
することも、可能である。
【0149】前記したホログラム2の作製プロセスにお
いて、ドライフィルムタイプのフォトポリマをガラス基
板に貼り付けることでホログラム乾板を形成したが、プ
ロセス後には、ホログラム像が記録されたこのフォトポ
リマは、ガラス基板からはがして別の基板に貼り替える
ことが可能である。プラスチックフィルム、紙、布な
ど、またこれに限らない他の可撓性基板に貼り替えられ
た本発明のホログラム2は、図25A〜図25Cに示す
ように、曲げたり、丸めたり、折り畳んだりすることが
できる。こうすることで、不要時に表示装置のコンパク
トな収納が可能になり、また、容易に持ち運ぶことが可
能となる。
【0150】また、このときに、光源は持ち運ぶ必要が
ない。なぜなら、蛍光灯が使用されている場所を見つけ
るのは極めて容易であり、一般の家庭、オフィス、駅、
電車、エレベータ等で用いられている蛍光灯の近傍でホ
ログラムを広げるだけで、簡単に再生像を得ることがで
きる。このため、本発明のホログラムは、広告、案内表
示、看板等として、或いはこれ以外の様々な用途で、有
効に利用可能である。また、設置方法も、壁面に押しピ
ンやテープ等のありふれた手段を用いて貼り付けるだけ
で十分である。以上に述べたような形態がとれるのは、
本発明では、最も普及している光源と言える蛍光灯で、
ホログラムの再生像表示ができるためである。
【0151】また、複数枚のホログラムを重ねること
で、ファイル或いは本の様な形態に構成することも可能
である。この場合には、蛍光灯の下で一枚一枚ページを
めくるように再生像を見ることができ、商品のカタロ
グ、絵本、地図等として、或いはこれ以外の様々な用途
で、有効に利用可能である。
【0152】さらに、図25Dに示したようなループ状
の可撓性基板に像を記録し、これをロールで動かすこと
で連続した画像の再生ができる。また、図25Eに示す
ような巻取り式の形態を取ってもよい。
【0153】上記で説明した可撓性基板にホログラムを
積層する本実施形態の構成は、本明細書に述べられてい
る何れの実施形態における本発明の光学式表示装置にお
いても、実施可能である。
【0154】(第7の実施形態)一般に露光用レーザと
して使用されるレーザは、アルゴンレーザ或いはクリプ
トンレーザであり、それぞれ488nm、514.5n
mと647.1nmが、主要発振波長である。この3つ
の波長で露光を行えば、その波長でのカラー再生表示が
可能であるが、例えば人間の目の視感度が最も高い55
0nmでの緑色の表示を行いたい場合や、570nm近
傍の黄色を表示したい場合など、レーザの発振波長以外
の色の再生表示を行うときには、一般には次のようなプ
ロセスが必要となる。
【0155】ホログラム材料として銀塩を使用した場合
は、514.5nmのアルゴンレーザで露光後に、サン
プルを適切な溶液に浸してホログラムの周期構造の間隔
を広げ、550nm或いは570nmに再生波長をシフ
トする。また、ドライフィルム型のフォトポリマの場
合、同じく514.5nmのアルゴンレーザで露光した
サンプルをUV光による全面照射の後、カラーチューニ
ングフィルムをこれに積層して、熱処理が施される。カ
ラーチューニングフィルムからフォトポリマ側に、これ
を膨潤させる物質が移動することで、周期構造の間隔が
広がり、550nm或いは570nmに再生波長がシフ
トされる。このような方法は、いずれにしてもレーザ露
光後に付加的なプロセスを施す必要があり、生産効率の
向上という観点から見て好ましくない。
【0156】これに対して、本発明の光学式表示装置の
ホログラムでは、レーザ露光時に参照光と物体光とを適
切な角度でホログラム乾板に入射させるように設定する
ことで、その後の付加的なプロセスを経ることなく、再
生色のシフトが可能となる。
【0157】図26は、レーザ発振波長以外の色で再生
表示を行うホログラムの作製光学系の側面図を示してい
る。図15Aに示した光学系とは異なり、ホログラム乾
板50は、物体光の光軸に対してθobjなる角度で傾い
て配置されている。また、被写体であるパターンマスク
51も、同様にθobjなる角度で傾いて配置されてい
る。このパターンマスク51は、前記したパターンマス
ク13よりもさらに一方向に縮小して作製されている。
厳密に言うと、その縮小率は一様ではなく、パターンマ
スク51の位置によって連続的に変化する縮小率を持っ
て作製されている。一方、参照光52は、ホログラム乾
板50の裏面よりθrefなる角度で入射するように、構
成されている。
【0158】このような作製光学系を用いて、例えば波
長λ=514.5nmのレーザ光で露光を行うとき、物
体光角度θobjを−25.3゜及び参照光角度θrefを4
2.1゜とすることで、再生時には、ホログラム乾板の
正面に波長λE=550nmの明るい緑色の再生像が観
察できる。このとき、波長550nmの照明光の入射角
度は15゜となっている。
【0159】また、同じく波長λ=514.5nmのレ
ーザ光で露光を行うとき、物体光角度θobjを−33.
1゜及び参照光角度θrefを51.2゜とすることで、
再生時には、ホログラム乾板の正面に波長λE=570
nmの明るい黄色の再生像が観察できる。このとき、波
長570nmの照明光の入射角度も15゜となってい
る。
【0160】なお、上記の角度は、 θRE = sin-1[nsin{(θO+θR)/2+π−φ}] θOE = sin-1[nsin{(θO+θR)/2+φ}] という関係式から求められる。ここで、θRE及びθOE
は、それぞれ表示させたい波長における照明光及び再生
光の入射角度である。πは円周率、nはホログラム材料
の平均屈折率であり、ここではn=1.52として計算
を行った。また、θR、θO、φは、それぞれ、 θO = sin-1(sinθobj/n) θR = sin-1(sinθref/n)−π φ = sin-1[λsin{(θO−θR)/2}/λE] で表されるパラメータである。
【0161】このようにして、所望の再生波長を示すよ
うに作製されたホログラムを用いれば、連続した発光分
布を持つ光源、例えば白色蛍光灯との組み合わせによ
り、任意の中間色を表示することができる。また、RG
B3色に対応する3つの発光ピークを持つ光源、例えば
3波長型の蛍光灯との組み合わせにより、光利用効率の
高い明るい再生像の表示が可能になる。
【0162】上記で説明した実施形態の構成は、本明細
書に述べられている何れの実施形態における本発明の光
学式表示装置においても、実施可能である。
【0163】(第8の実施形態)本発明の第5の実施形
態の説明の中で既に述べたように、垂直方向に観察者の
視野を移動するとき、再生波長はわずかに変化してい
る。ホログラム作製時に物体光が正面から入射すると仮
定すると、この色変化の程度は設定した参照光の入射角
度θに依存し、θが大きくなれば色変化も大きくなる。
例えば、θが45度を超える場合、標識として要求され
る視認角度±2度の範囲で、6nm以上の再生波長変化
が再生像の中心において生じ、色相変化の大きいところ
では、人の目にもわずかに色が変化することが認識され
る。また、像内部での色分布も、顕著になってくる。
【0164】これを抑制するためにパラメータL/Hを
最適に選んでホログラムを作製する方法については、第
5の実施形態の説明の中で既に述べたが、本発明の光学
式表示装置のホログラムでは、作製後に色変化を最小に
抑えることのできるホログラムの設定角度が存在する。
その設定角は、照明光と物体光のなす角度の概略1/2
の角度であって、厳密には、 θac = sin-1[nsin{(θO+θR+π)/2}] という関係式を満たす角度である。
【0165】例えば、露光波長を514.5nmとし、
参照光の入射角度θref=45°及び物体光の入射角度
が0°のとき、上式より、θac=21.4°となる。こ
のとき、標識として要求される視認角度±2度の範囲
で、約0.2nmの再生波長変化しかなく、色の変化は
認識されることはない。また、再生像内部での色分布
も、極めて小さく抑えられる。なお、このとき、わずか
に長波長側に再生波長がシフトするので、これを見込ん
だ作製光学系の設定を行うことが好ましい。
【0166】図27Aは、ホログラムの設置角度をθac
に近くした場合の設置状況を示し、図27Bは、比較の
ために通常の設置状況を示す。
【0167】図27Aの様にホログラム53の設置角度
をθacに限りなく近づけていくと、照明光54の光路と
再生光55の光路とが接近する。このため、現実的に
は、設置角度を、θacにできる限り近く、且つ再生像を
見ようとする観察者56が照明光54を遮らないような
角度として、ホログラムを設置することが好ましい。或
いは、第4の実施形態で述べたように、図示されていな
い照明用線状光源をわずかに左右に移動し、照明光54
と観察者56とが重ならないようにするとより好まし
い。
【0168】上記で説明した本実施形態の構成は、本明
細書に述べられている何れの実施形態における本発明の
光学式表示装置においても、実施可能である。
【0169】(第9の実施形態)ホログラムのサイズを
大きくすれば、仮想表示面及び再生像のサイズを大きく
できる。しかし、ホログラム作製光学系で通常実現され
ている露光面積はφ300mmからφ400mm程度で
あり、再生像のサイズは、この大きさが限界となる。こ
れを超えて大きな露光面積を実現することは不可能では
ないが、 (1)レンズ、ミラー等の光学部品の作製が困難で高コ
ストである (2)レーザビームが極端に広げられたことにより光強
度が低下する (3)上記(2)に伴って露光時間が増大する (4)上記(3)に起因して露光条件が不安定化する
(空気の揺らぎ、振動、レーザの安定性等の悪影響が確
率的に高まる) などの問題点が生じる。これらの困難な課題を回避する
ために、本発明の光学式表示装置では、より安定な条件
で作製可能な小型の要素ホログラムを準備し、この要素
ホログラムをちょうどタイルを貼るように組み合わせる
ことで、大型サイズのホログラムを形成する。
【0170】図28は、1m角のホログラムを構成した
例である。ここでは、25cm角の要素ホログラム16
枚を4×4のマトリックス状に配置して、1m角を実現
している。各要素ホログラムは、被写体である約1m角
のパターンマスクを縦横それぞれ4等分に分割し、この
分割された要素マスクを用いて作製されたものである。
25cmサイズの露光において、上記の困難な課題は発
生しない。
【0171】上記で説明した本実施形態の構成は、本明
細書に述べられている何れの実施形態における本発明の
光学式表示装置においても、実施可能である。
【0172】(第10の実施形態)本発明の光学式表示
装置における従来の装置には見られない特長は、これま
で各実施形態として基本的構成を示してきた光学式表示
装置を新たに一つの表示ユニットとし、これを配置面上
に複数個配置することで、各ユニットからの再生像を仮
想表示面上で合成表示することができるという点であ
る。例えば、観察者から見て表示ユニットが左右に並ん
で配置される場合、それぞれの再生像を仮想表示面上で
合成することで、表示幅を左右に広げることができる。
【0173】図29A及び図29Bは、表示ユニット5
7を3つ左右に並べて構成した光学式表示装置の一例の
正面図及び側面図である。
【0174】蛍光灯58により再生されるホログラム再
生像59は、各表示ユニットごとに異なり、それぞれの
表示ユニットで「A」「B」及び「C」の各文字を一つ
づつ再生表示するように構成されている。図示したよう
に各表示ユニットを左右に近接して配置したとき、各文
字が並んで一つの言葉として認識できるようになる。
【0175】各ユニットの間には遮蔽板60を配置し、
各ユニットの蛍光灯が他のユニットのホログラムを再生
しないようにすることが望ましい。
【0176】(第11の実施形態)表示される情報が図
29Aのような文字列であれば、文字間に若干の隙間が
あっても、全く問題なく情報は観察者に伝わる。しか
し、表示される情報が図形である場合、その中に隙間が
できるということは好ましくなく、場合によってはその
隙間自体が一つの情報として認知され、結果的に本来伝
えられるべき情報と異なる情報として観察者が認識して
しまう可能性がある。第10の実施形態の構成の場合、
各表示ユニットのホログラムを完全に密着して配置した
としても、蛍光灯を基本位置に配置した場合は、各ホロ
グラムからの再生像は仮想表示面上で離れた位置に再生
され、上記の課題が発生する。
【0177】このような課題を解決するために、本実施
形態では、本発明の第4の実施形態で述べた手法を用い
る。即ち、蛍光灯のオフセット配置による再生像の結像
位置のシフトを積極的に利用することで、像のつなぎ目
のない大きな合成再生像を構成する。
【0178】図30A及び図30Bは、表示ユニットを
3つ左右に並べて一つの大きなパターンを表示する光学
式表示装置の一例を示す図であり、それぞれ、分割され
た再生像及び継ぎ目なく合成された再生像を示す。
【0179】各表示ユニットは、図30Aに示されたよ
うな個々の再生像を表示するように構成されている。各
ユニットを左右に並べて配置し、破線で示された左側の
表示ユニット61の蛍光灯62を左に移動させると、再
生像63は右側に移動し、中央に置かれた表示ユニット
64の再生像65に隙間なく並んで表示されるようにな
る。同様に、右側の表示ユニット66の蛍光灯67を右
に移動させると、再生像68は左側に移動し、中央に置
かれた表示ユニット64の再生像65に隙間なく並んで
表示されるようになる。
【0180】上記したように、本発明によれば、再生像
を隙間なくつなぎ合わせることができ、これにより大き
なパターンの表示が可能になる。
【0181】(第12の実施形態)本発明の光学式表示
装置の特徴を十分に発現する構成は、観察者から見た再
生像の奥行き方向に表示ユニットを複数配置し、それぞ
れのホログラムからの再生像を仮想表示面上で合成する
構成である。
【0182】図31Aは、本発明の第12の実施形態に
おける光学式表示装置の構成を示す側面図である。この
実施形態では、本発明の光学式表示装置が、トンネル内
の道路標識として用いられている。具体的には、69は
本実施形態の光学式表示装置、70〜72は表示ユニッ
ト、73〜75はホログラム、76〜78は線状光源で
ある蛍光灯を示している。表示ユニット70〜72は、
トンネル79の天井面80に並んで配置されている。
【0183】以上のように構成された光学式表示装置6
9について、以下にその動作を説明する。
【0184】まず、ホログラム73、74、75には、
図31Bに示すような制限速度を表す道路標識の原画パ
ターン81がそれぞれ分割されて、本発明の第1の実施
形態で述べたような手法で記録されている。即ち、図3
1Cに示すように、ホログラム73には原画パターン8
1を分割して得られる下部約1/3の要素パターン82
が記録されており、ホログラム74には中央部約1/3
の要素パターン83が記録されており、ホログラム75
には上部約1/3の要素パターン84が記録されてい
る。なお、各ホログラムの作製光学系において、要素パ
ターンのパターンマスクとホログラム乾板とをそれぞれ
異なる距離に配置することで、各ホログラムが作製され
ている。
【0185】図31Aに示したように、蛍光灯76によ
るホログラム73の再生像85は、仮想表示面86の近
傍に形成されるように構成されている。同様に、蛍光灯
77によるホログラム74の再生像87は仮想表示面8
8の近傍に形成されるように、また蛍光灯78によるホ
ログラム75の再生像89は仮想表示面90の近傍に形
成されるように、それぞれ構成されている。このとき、
正面から見た再生像85、87、89は、図31Dに示
すように一つの像として合成されるため、これをトンネ
ル79の内部を通行中の車から見ると、制限速度表示の
道路標識が、あたかもトンネル79の天井面80から吊
り下げられているかのように見える。しかし、これは仮
想表示面上での表示であり、現実的にその表示面には何
も物体は存在しないので、車との接触事故などは全く起
こり得ない。
【0186】この構成によるメリットは、配置する表示
ユニットの数をNとしたときに、表示ユニットの高さを
ほぼ1/Nの割合で小さくできるという点である。この
ように極めて平坦な構造の光学式表示装置によってトン
ネル掘削の断面積を削減することができ、これによる建
築コストの削減効果は大きい。
【0187】(第13の実施形態)図32は、本実施形
態における光学式表示装置の斜視図である。これは、ト
ンネル内の非常用電話の位置を表示するために構成され
た例であり、91は蛍光灯、92はホログラムユニッ
ト、93は非常用電話である。
【0188】このホログラムユニット92は、図33に
示すような構造を有している。具体的には、94は第1
ホログラム、95は第2ホログラム、96は表示板であ
り、第1ホログラム94はホログラムユニット92の第
1面97の側に、また第2ホログラム95はホログラム
ユニット92の第2面98の側に、それぞれ再生像を形
成するよう構成されている。第1ホログラム94が配さ
れる表示板96の第1面99には、第1ホログラム94
によって再生される表示情報と同一の情報が記されてお
り、同様に、第2ホログラム95が配される表示板96
の第2面100には、第2ホログラム95によって再生
される表示情報と同一の情報が記されている。
【0189】このように構成されたホログラムユニット
92は、図32に示したように、線状光源である蛍光灯
91の下に配置される。この動作を説明するために、図
34の側面図を参照すると、蛍光灯91の領域101か
ら発する照明光102によって、第1ホログラム94の
再生像103が形成される。この例では、「非常用電
話」の文字が表示される。一方、蛍光灯91の領域10
4から発する照明光105によって、第2ホログラム9
5の再生像106が形成され、同様に「非常用電話」の
文字が表示される。従って、この光学式表示装置の両側
にいる人に、それぞれ非常用電話93の位置を明確に示
すことができる。また、この例の場合、表示板96の両
側に「非常用電話」の文字情報が記されており、透明な
ホログラム面を通じて反対側の表示を確認できる。従っ
て、例えば蛍光灯91が点灯しない緊急の場合にも、懐
中電灯などで非常用電話93の位置を確認できる。
【0190】なお、ここでは同一の情報を表示する例に
ついて説明したが、それぞれのホログラムに異なる情報
を記録することで両側に異なる情報を表示することが可
能であることは、言うまでもない。
【0191】(第14の実施形態)図35は、本実施形
態における光学式表示装置の斜視図であり、107は蛍
光灯、108は第1のホログラムユニット、109は第
2のホログラムユニットである。
【0192】このホログラムユニット108及び109
は、それぞれ図36に示すような構造を有している。す
なわち、110は第1ホログラム、111は第1表示
板、112は第2ホログラム、113は第2表示板であ
る。このように構成された第1及び第2のホログラムユ
ニット108及び109は、図35に示したように、線
状光源である蛍光灯107の両端近傍に配置される。
【0193】図37の平面図を用いて、本実施形態にお
ける光学式表示装置の動作を説明する。
【0194】蛍光灯107から発する照明光114によ
って、第1ホログラム110の再生像115が形成され
る。一方、蛍光灯107から発する照明光116によっ
て、第2ホログラム112の再生像117が形成され
る。従って、この光学式表示装置の両側にいる人に、同
一の或いは異なった情報を表示することができる。
【0195】また、第1表示板111には、第1ホログ
ラム110の再生像115と同一の情報が記されてお
り、もう一方の第2表示板113には、第2ホログラム
112の再生像117と同一の情報が記されており、こ
れらは、それぞれ透明なホログラム面を通じて反対側か
ら確認できる。従って、例えば蛍光灯107が点灯しな
い緊急の場合にも、懐中電灯などで情報を確認すること
ができる。
【0196】なお、ここでは、緊急時の表示のために表
示板を設け、この両面に一つずつホログラムを配置する
構成を説明したが、これ以外の応用において、上記機能
を有する表示板が不用の場合には、ホログラムユニット
を1枚のホログラムで置き換えることもできる。このホ
ログラムは、その表面側及び裏面側から2重露光して記
録された反射型ホログラムであり、両側から、同一の或
いは異なった再生像を観察することができる。
【0197】(第15の実施形態)以上の第13及び第
14の実施形態では、一つの線状光源から複数のホログ
ラムを再生する光学式表示装置の例を示したが、この再
生される複数のホログラムは、上記の例のように同一配
置面に置かれる必要はない。
【0198】図38は、一つのホログラムを側壁に、及
びもう一つのホログラムを天井に配置した、本実施形態
における光学式表示装置の平面図である。
【0199】118は蛍光灯、119は第1ホログラ
ム、120は第2ホログラムである。蛍光灯118を発
した照明光121は、第1ホログラム119の再生像1
22を形成し、照明光123は、第2ホログラム120
の再生像124を形成する。このような再生動作が実現
可能であるのは、本発明におけるホログラムが蛍光灯で
再生可能であるためである。
【0200】このような複数のホログラムを同時に再生
する光学式表示装置の構成は、この形態に限られること
はなく、線状光源から全方位に発せられる光を照明光と
して巧みに利用することで、これ以外にも種々の構成が
可能になる。
【0201】なお、第1の実施形態では、ホログラムの
作製プロセスにおいて、参照光16を入射平面15の上
に入射させたが、これに限られるものではなく、あえて
この構成をとらないことも有効になる。例えば、物体光
を入射平面上に入射させ、その一方で参照光を入射平面
とは異なる平面上に入射させて、ホログラムを形成する
と、図38に示した蛍光灯とホログラムとの配置におい
て、左方から入る照明光に対して再生像をホログラムの
正面から見ることができる。また、照明光の反射光と再
生像とが得られる方向が異なるため、見やすい表示が実
現する。
【0202】(第16の実施形態)本発明におけるホロ
グラムの作製方法は、第1の実施形態で述べた方法に限
られることはない。例えば、一旦透過ホログラムとして
記録された像を再生し、これを反射型ホログラムとして
記録することも、可能である。
【0203】図39A及び図39Bは、本実施形態にお
けるホログラムの作製光学系の側面図及び平面図をそれ
ぞれ示す。
【0204】図39Aに図示されるように、すりガラス
125に入射したレーザ光126は、拡散光127とな
ってスリット128に入射する。側面から見たスリット
128は幅が狭く、拡散光127の一部しか通過させな
い。従って、これを通過した光は、側面から見るとあた
かも一点から発した拡がり光に類似して見える。この光
がパターンマスク129の情報を読み取り、ホログラム
乾板130の上に物体光131として照射されるが、こ
れは、パターンマスク129のホログラム乾板130へ
の投影と見ることができる。被写体の情報を含むこの物
体光131は、ホログラム乾板130にこれと同じ側か
ら入射する参照光132との間で干渉縞を形成し、ホロ
グラム乾板130にこの干渉縞が記録される。
【0205】このとき、ホログラム乾板130に投影さ
れるパターンマスク129の「影」は拡大されているの
で、予めこの投影倍率を考慮して、パターンマスク12
9は一方向に縮小して作製されている。この倍率は光学
系の設定によって異なるが、通常は約1.2倍〜約2倍
である。
【0206】一方、図39Bの平面図に示されるよう
に、上方から見たスリット128の幅は広く、すりガラ
ス125を発した拡散光127を広い範囲にわたって通
過させる。図39Bでは、スリット128の中央部を通
過した拡散光を実線で、またスリット128の両端部を
通過した拡散光を破線で示している。実線で示された拡
散光は、パターンマスク129を正面から見たときの情
報をホログラム乾板130に投影し、破線で示された両
拡散光は、それぞれスリット128の端部からパターン
マスク129を少し斜めに見たときの情報をホログラム
乾板130に投影する。これらの情報を含んだ物体光1
31は、ホログラム乾板130に同じ側から入射する参
照光132との間で干渉縞を形成し、ホログラム乾板1
30にこの干渉縞が記録される。これは、後にホログラ
ムを再生するときに、観察者の両眼に向けて異なった角
度から見たパターンマスク129の再生像を形成する原
理となる。
【0207】以上、わかりやすくするために側面図と平
面図とに分けて説明を行ってきたが、実際のホログラム
作製プロセスでは、上記の干渉縞の記録が同時に進行す
ることは、言うまでもない。
【0208】図40は、上記のプロセスで作製されたホ
ログラムをマスタホログラムとし、そのマスタホログラ
ムから反射型ホログラムを得るための光学系を表すもの
である。マスタホログラム133に入射させる照明光1
34は、このマスタホログラムを作製するときに用いた
参照光132に等しい。この照明光134によってマス
タホログラム133から再生光135が形成され、これ
が物体光となってホログラム乾板136に入射し、この
裏側から入射する参照光137との間で干渉縞を形成す
ることにより、反射型ホログラムが形成される。
【0209】以上のように、本実施形態では一旦透過型
ホログラムを作製し、これをマスタホログラムとして反
射型ホログラムを作製する。この方法により、反射型ホ
ログラムを作製する光学系構成が容易になり、また、再
生表示面とホログラムとの間の距離を再調整できるとい
う利点がある。即ち、マスタホログラム作製時にパター
ンマスク129が置かれていた位置に再生像138が形
成されるが、マスタホログラム133と再生像138と
の間の距離がd1であったのに対し、反射型ホログラム
136と再生像138との間の距離はd2となってい
る。これにより、再生像のホログラム面からの浮上量
を、拡大或いは縮小することができる。
【0210】(第17の実施形態)図41は、第17の
実施形態におけるホログラムの作製光学系を示してい
る。これも、一旦透過型ホログラムを作製し、これをマ
スタホログラムとして反射型ホログラムを形成するプロ
セスである。
【0211】図41において、3次元物体である被写体
139を照明光140で照射することで得られる物体光
141が、これと同じ側からホログラム乾板142に入
射する参照光143との間で干渉縞を形成する。これが
透過ホログラムとしてホログラム乾板142に記録され
て、マスタホログラム144となる。
【0212】図42において、マスタホログラム144
に参照光143の共役波である照明光145を入射する
ことで、被写体139の再生像が得られる。ここでは、
スリット146をマスタホログラム144に近接して配
置し、これを通して出射してきた光を物体光147と
し、ホログラム乾板148の裏側から入射する参照光1
49と間で干渉縞を形成させて、これを反射型ホログラ
ムとしてホログラム乾板148に記録する。なお、15
0は、被写体139の再生像である。
【0213】このような手法をとることにより、3次元
物体、或いはホログラム面から離れた物体に対しても、
ボケのない再生像を得ることができる。
【0214】(第18の実施形態)図43は、第18の
実施形態におけるホログラムの作製光学系を示してい
る。これも、一旦透過型ホログラムを作製し、これをマ
スタホログラムとして反射型ホログラムを形成するプロ
セスである。
【0215】図43の光学系が図42の光学系と異なる
のは、スリット146に代えて負のシリンドリカルレン
ズ151と開口152とを配置した点である。このシリ
ンドリカルレンズ151の働きにより、再生光153が
図中の上下方向において像を結ぶ位置をホログラム乾板
154の上に合致させることができ、これにより、3次
元物体或いはホログラム面から離れた物体に対して、シ
ャープな再生像を得ることができる。なお、155は、
被写体139の再生像である。
【0216】図43では、再生像155がマスタホログ
ラムとホログラム乾板との間に形成される場合を想定し
て、負のパワーを持つシリンドリカルレンズ151を使
用しているが、図43において再生像155がホログラ
ム乾板154の左側に形成される場合は、正のパワーを
持つシリンドリカルレンズを使用する。
【0217】(第19の実施形態)図44は、本発明の
第19の実施形態における光学式表示装置の構成を示す
側面図である。この実施形態では、本発明の光学式表示
装置が、トンネル内の道路標識として用いられている。
【0218】図44において、201は本実施形態の光
学式表示装置、202はホログラムスクリーン、203
はシリンドリカルレンズ、204はLED表示装置であ
る。光学式表示装置201は、トンネル205の天井面
206に配置されている。なお、図示するように、トン
ネル205の幅方向(図面に垂直)をx方向、長手方向
をy方向、上下方向をz方向とする。
【0219】LED表示装置204に表示された画像
は、シリンドリカルレンズ203によってホログラムス
クリーン202の上に投影され、このホログラムスクリ
ーン202によって回折反射された画像は、仮想表示面
208の上に再生結像される。このとき、像209をト
ンネル205の内部を通行中の車から見ると、標識が、
あたかもトンネル205の天井面206から離れて下が
った位置に吊り下げられているかのように見える。しか
し、これは仮想表示面208の上での表示であり、現実
的にその表示面208には何も物体は存在せず、車との
接触事故などは全く起こり得ない。
【0220】仮想表示面208は、空間内に仮想的に設
けられた平面或いは曲面である。ホログラムスクリーン
202の表面で反射する反射光は、路面に向かう方向或
いは天井面206に向かう方向に偏向されて、運転者の
目に直接入ることはない。これらの偏向された反射光
は、それぞれ道路面や天井面を照らす照明光として、有
用である。
【0221】本実施形態の光学式表示装置が上記のよう
な機能を有する理由について、以下に説明する。
【0222】図44において、LED表示装置204に
表示された画像は、シリンドリカルレンズ203によっ
てホログラムスクリーン202の上に結像される。 L
ED表示装置204に表示される画像は上下左右が反転
しており、また、シリンドリカルレンズ203の母線
は、x方向に平行に置かれている。このとき、それぞれ
の構成要素は、画像のz成分だけがホログラムスクリー
ン202の上に合焦されるよう配置されている。言い換
えると、シリンドリカルレンズ203の作用によって、
前記画像に含まれている例えばx方向に延びる線や輪郭
が、ホログラムスクリーン202の上で最も鮮明になる
ように、各構成要素が配置される。その結果、ホログラ
ムスクリーン202の位置に通常の投射用スクリーンを
置いて見ると、そこには図45に示すような、x方向に
延びる線や輪郭のみが鮮明でz方向に延びる線や輪郭が
ぼけた像が写っていることになる。なお、図45は、円
形及び正方形の像をシリンドリカルレンズ203で結像
し、ホログラムスクリーン202の位置に通常の投射用
スクリーンを置いたときに見える様子を、模式的に描い
た図である。
【0223】次に、ホログラムスクリーン202の機能
について、説明する。
【0224】図46A及び図46Bは、光学式表示装置
201からホログラムスクリーン202とLED表示装
置204とのみを取り出した構成の平面図及び側面図で
ある。シリンドリカルレンズ203がない場合、ホログ
ラムスクリーン202は、LED表示装置204の点A
を発した光を仮想表示面208の上の点Bに結像する機
能を有している。
【0225】上記の機能を有するホログラムスクリーン
202は、例えば図47に示す露光光学系で作製でき
る。すなわち、レンズ210によって集光されたレーザ
ビーム211は、点Aの位置に置かれたピンホール21
2を通過して発散光となり、後にホログラムスクリーン
202となるホログラム乾板213に、図中右側から入
射する。一方、点Bに向かって収束するレーザビーム2
14は、ホログラム乾板213に、図中左側、即ち前記
のレーザビーム211とは反対側から入射する。これら
の2つのレーザビームの干渉パターンがホログラム乾板
213に記録されることで、上記のような機能を有する
ホログラムスクリーン202が構成される。
【0226】シリンドリカルレンズ203が光路内に配
置され、図45に示したような、画像のz成分(即ちx
方向に延びる線や輪郭)のみが鮮明で画像のx成分(即
ちz方向に延びる線や輪郭)がぼけた像が投影される
と、ホログラムスクリーン202は、下記のような機能
を示す。
【0227】図48A及び図48Bは、光学式表示装置
201の各要素を光線がどのように進んでいくかを示す
平面図及び側面図である。
【0228】まず、画像のx成分については、図48A
に示すように、シリンドリカルレンズ203の作用を受
けていないため、LED表示装置204の上に表示され
た点Aの像がそのままホログラムスクリーン202に投
影されていると考えることができる。従って、図45に
おいて点Aを発した光が点Bに結像されたのと同様に、
ホログラムスクリーン202の作用により、x成分のみ
(即ちz方向に延びる線や輪郭)が仮想表示面208の
上にシャープに結像されることになる。
【0229】一方、画像のz成分については、上述のよ
うにシリンドリカルレンズ203の作用によってホログ
ラムスクリーン202の上で最も鮮明になっている。こ
れを図示すると、図48Bのように、LED表示装置2
04の上に表示された点Aの像が、ホログラムスクリー
ン202の上の点Cに結像されている。点Cには、点A
を発してz方向に一旦広がった光がシリンドリカルレン
ズ203を透過した後、z成分だけがある収束角度をも
って収束されている。このため、ホログラムスクリーン
202によって回折反射した後は、z方向にわずかな発
散角度を持つ発散光となって、仮想表示面208の上に
投影される。
【0230】厳密に言うと、この発散光に含まれる各光
束は、僅かに異なった波長成分を有する。つまり、表示
装置の発光分布には数十nmの幅があり、ホログラムス
クリーン202によって分光され、各波長ごとに異なる
角度で回折反射される。
【0231】以上では、x成分とz成分とに分けて、L
ED表示装置204の上に表示された像がどのような経
過をたどって仮想表示面208の上に投影及び結像され
るかを説明してきたが、その結果として、観察者215
の目にはどのように見えるかを、次に説明する。
【0232】図49A及び図49Bは、図48A及び図
48Bからホログラムスクリーン202以降の光線を取
り出した平面図及び側面図で、仮想表示面208から離
れた位置から見ている観察者215の瞳に至る光線の経
路が示されている。
【0233】図49Aに示すように、観察者215の左
右それぞれの目には、仮想表示面208の上の1点Bか
ら光が発せられた場合と同様の光線が入射している。こ
れは即ち、画像のx成分が、仮想表示面208の上でシ
ャープな線や輪郭となって見えていることを示す。な
お、観察者215には、2本の破線で示された範囲内に
おいて、上記の画像が見える。
【0234】一方、図49Bに示すように、観察者21
5の両方の目には、ホログラムスクリーン202の1点
Cから発せられた場合と同様の光線が入射している。こ
れは即ち、画像のz成分が、ホログラムスクリーン20
2の上でシャープな線や輪郭となって見えていることを
示す。なお、観察者215には、2本の破線で示された
範囲内において、上記の画像が見える。
【0235】上述のようなx成分とz成分とが互いに異
なった見え方をするとき、人の目には一つの画像として
認識することが困難なように思えるが、実はそうではな
い。
【0236】一般に、人の目には水平方向の両眼視差が
あるために、立体感や奥行き感が認識される。ここで、
両眼視差とは、一つの物体を見るときに右目と左目の視
野の中で物体の像が投影される位置が異なること、或い
はその位置の差を意味する。例えば、簡便のために縦に
延びる長い直線を両目で見たと仮定すると、右目も左目
もそれを縦に延びる長い直線であると認識できる。それ
と同時に、両眼視差によりその像が投影される位置がそ
れぞれの目で異なるため、水平方向に概略どのくらい離
れた位置にその長い直線が置かれているかを、経験的に
判断できる。
【0237】一方、鉛直方向に対しては、人の目は同じ
高さにあるために上記のような両眼視差は発生せず、そ
の結果として立体感や奥行き感が得られにくい。例え
ば、簡便のために横に延びる長い直線を両目で見たと仮
定すると、右目も左目もそれを横に延びる長い直線であ
ると認識できる。しかし、その像が投影される位置は両
方の目で変わらないため、視差は生じない。従って、鉛
直方向にどのくらい離れた位置にその長い直線が置かれ
ているかということを、明確には判断できない。例え
ば、高い鉄棒につかまるために飛びつこうとするとき
に、空を背景として左右に延びる直線として目に映る鉄
棒までの距離がつかめず、少しの瞬間だけ飛びつくこと
を躊躇する場合が、上述のケースに相当する。
【0238】重要なことは、水平方向の両眼視差こそ
が、立体感や奥行き感を与える最も支配的な要素であ
る。これに基づいて、上記した本発明の光学式表示装置
のx成分とz成分とそれぞれの見え方を、考察する。
【0239】図49Aで示したのは、観察者215の左
右それぞれの目には、画像のx成分のシャープな線や輪
郭が、仮想表示面208の上において見えているという
事実である。これは、上述の比喩で言うと、縦に延びる
長い直線の見え方に相当する。従って、観察者215の
左右それぞれの目には両眼視差が生じているため、画像
がちょうど仮想表示面208の上に位置しているという
ことが認識される。
【0240】一方、図49Bに示したのは、観察者21
5の左右それぞれの目には、画像のz成分のシャープな
線や輪郭が、ホログラムスクリーン202の上において
見えているという事実である。これは、上述の比喩で言
うと、横に延びる長い直線の見え方に相当する。従っ
て、観察者215の左右それぞれの目には両眼視差が生
じないため、画像の位置を明確には判断できない。
【0241】従って、x成分のシャープな線や輪郭が、
両眼視差を与える主因子であり、位置を認識する上での
支配的な要因となるため、結果的に、観察者の目には仮
想表示面208の位置に像が浮かんでいるように見える
ことになる。
【0242】なお、上記の説明では省略したが、ホログ
ラムスクリーン202、シリンドリカルレンズ203、
LED表示装置204の相対的な設置角度は、意図的に
傾けてある。これは、LED表示装置204の上に通常
は縦横等間隔に形成されているマトリックス状の画素配
列を、歪むことなく鮮明にホログラムスクリーン202
の上に結像させるためである。これは、建築物の撮影時
に用いられるフロントライジングと呼ばれるテクニック
である。すなわち、通常のカメラを背の高いビルのよう
な建築物に向けて、見上げるような形で写真撮影する
と、本来長方形であるビルの形が、図50に示したよう
な台形型となって撮影される。フロントライジング法
は、このような形状の歪みを矯正し、且つ被写体全体で
焦点が合っているような写真を撮影する時に、用いられ
る。
【0243】フロントライジング法の手順を、図51A
〜図51Dに示す。ここで、216はフィルム面、21
7は撮影レンズである。
【0244】すなわち、まず通常の配置(図51A)か
らカメラを被写体の方に向け(図51B)、次にフィル
ム面216だけを被写体に平行な方向へ傾ける(図51
C)。このとき、前記した被写体の歪みが矯正される。
次に、撮影レンズ217を被写体に平行な方向へ傾ける
(図51D)。このとき、被写体全体にわたって焦点が
合うようになる。なお、フロントライジングの名前は、
上記手順の結果として、撮影レンズ217がフィルム面
216に対して持ち上げられた形になることに由来す
る。
【0245】図52は、これまでに説明してきた本実施
形態の光学式表示装置201のホログラムスクリーン2
02、シリンドリカルレンズ203、LED表示装置2
04のみを取り出して、左回りに回転させた図である。
LED表示装置204を被写体、シリンドリカルレンズ
203を撮影レンズ、ホログラムスクリーン202をフ
ィルム面と考えれば、本実施形態の光学式表示装置20
1が、上記のフロントライジングと同じ構成をとってい
ることがわかる。
【0246】以上は、LED表示装置204が縦横に等
間隔に形成されているマトリックス状の画素配列を有し
ていることを想定したときの光学式表示装置201の配
置構成であるが、図50に示したような台形の歪みを補
正するような画素配列を持つ表示装置を使用することが
できる場合は、これらの配置構成は異なってくる。
【0247】図53は、台形の歪みを補正するようには
じめから上下反転した台形状の画素配列を持つ表示装置
218を用いるときの配置構成である。
【0248】ホログラムスクリーン202、シリンドリ
カルレンズ203、表示装置218が置かれる面(図で
は直線で示されている)は、それぞれの延長線が1点で
交わるように配置されている。これはシャインプルーグ
の条件(Scheimpflug condition)と呼ばれる、写真技
術分野においてよく知られた条件である。この条件を満
たすとき、表示装置218の上に表示された画像の全体
が、鮮明にホログラムスクリーン202の上に投影され
る。
【0249】本発明によれば、z方向の光束は、僅かに
色が変わっているが、瞳に取り込まれる光束の中での色
変化は小さく、単色に見える。先にホログラムスクリー
ン202の作製方法を説明したときは単色レーザによる
方法のみを記述したが、同様の手法を用いて赤色、青
色、緑色のレーザによる多重露光を行えば、カラー画像
の表示が可能となる。
【0250】また、本実施形態では、シリンドリカルレ
ンズ203を用いているが、これに限るものではなく、
上記したように画像のz成分をホログラムスクリーン2
02の上に鮮明に投影結像するものであれば、他の構成
も使用できる。例えば、縦横で焦点距離の異なるアナモ
ルフィック光学系や、通常の投影レンズとシリンドリカ
ルレンズとの組み合わせが、使用可能である。特に、x
方向の焦点距離を変えられるレンズやミラーを用いる
と、像が観察される奥行き方向の位置を容易に変更する
ことができる。例えば、図54A及び図54Bに示した
ように、x方向にのみパワーをもつ可変焦点レンズ30
1を配置すると、LED表示装置204の位置を変える
ことなしに像が形成される仮想表示面208の位置が前
後する。なお、可変焦点レンズ301の代わりに可変焦
点ミラーを用いて、光路を折り曲げた構成をとることも
可能である。
【0251】また、本実施形態では、画像表示装置とし
てLED表示装置を使用しているが、これに限るもので
はなく、明るい画像を表示できるものであればよい。例
えば、LED、CRT、高分子分散型液晶パネル、或い
は有機ELパネルから選択された表示素子と、偏光スイ
ッチング素子と、から構成される画像表示装置を使用す
ることが考えられる。また、偏光スイッチング素子とし
ては、強誘電液晶パネルを含む構成が、使用可能であ
る。
【0252】以上に説明してきたように、本発明の光学
式表示装置によれば、LED表示装置204に表示され
た画像が仮想表示面208の上に再生結像されるが、こ
れは仮想表示面208の上での表示であり、現実的にそ
の表示面208には何も物体は存在しない。従って、車
との接触事故などは、全く起こり得ない。また、装置全
体の高さも低く設定できるため、狭い空間を有効に利用
できる表示装置を供することができる。
【0253】また、ここでは、本発明の光学式表示装置
に関して、トンネル内の道路標識としての応用を主に説
明してきたが、これに限られるものではない。本実施形
態で説明したのと同様の形態の光学式表示装置を、投写
型のディスプレイとして使用することも容易にできる。
画像がスクリーン面から手前に浮かんで見えるという特
性を活かして、ゲーム、アミューズメント等の分野での
様々な応用形態が考えられる。
【0254】また、図47において、ホログラムスクリ
ーン202を作製する際に、点Bに向かって収束するレ
ーザビーム214をホログラム乾板213に図中左側か
ら入射させたが、これを図55に示すような、ホログラ
ム乾板213の左側の点Eを発する発散光であるレーザ
ビーム219に置き換えてもよい。このようにして作製
されたホログラムスクリーン220は、図56に示すよ
うに配置される。ホログラムスクリーン220以外の構
成要素は全く変わらないため、先の説明と同様に、LE
D表示装置204に表示された画像はシリンドリカルレ
ンズ203によって投影結像され、前記画像に含まれて
いる例えばx方向に延びる線や輪郭が、ホログラムスク
リーン220の上で最も鮮明になるように配置される。
【0255】一方、画像のx成分については、シリンド
リカルレンズ203の作用を受けないため、LED表示
装置204の上に表示された像がそのままホログラムス
クリーン220に投影されていると考えることができ
る。従って、ホログラムスクリーン220の作用によっ
て、x成分のみ(即ちz方向に延びる線や輪郭)が、そ
のホログラムスクリーン220の左側の虚像である点像
Eがあった位置に新たに形成される仮想表示面221の
上に、シャープに結像されることになる。観察者には、
ホログラムスクリーン220の向こう側の仮想表示面2
21の上にx成分の鮮明な像が見えるため、先の説明と
同様に、この場所に像が浮かんでいるように認識され
る。
【0256】このような光学式表示装置は、先の説明と
同様に道路標識として応用することが可能であるが、よ
り適した応用分野は、いわゆるヘッドアップディスプレ
イへの応用である。最もよく知られている応用例では、
自動車のダッシュボード上に配置され、フロントガラス
の向こう側のボンネットの上方付近に運転に必要な交通
情報、速度情報、ナビゲーション情報等を表示する。こ
のための配置構成の一例を、図57に示す。この場合の
表示装置204としては、LED表示装置以外に、CR
T、液晶表示装置、蛍光表示管、有機EL等が使用でき
る。また、ホログラムスクリーン220は、先に説明し
たホログラムスクリーン220の作製時と同様に、発散
光を干渉させて作製される。なお、ホログラムスクリー
ン220をフロントガラス上に設置してもよい。また、
投影光学系も、上記の説明の通りに、シリンドリカルレ
ンズ、アナモルフィック光学系、或いは通常の投影レン
ズとシリンドリカルレンズとの組み合わせでもよい。
【0257】(第20の実施形態)本発明によれば、ス
クリーンから離れた位置に2次元画像を投影することが
できる。この原理を応用して、3次元画像を見せる表示
装置を構成することも可能である。以下、その詳細につ
いて説明する。
【0258】人が一つの3次元物体を見るとき、右眼と
左眼とに映るその物体の像は、お互いに僅かに異なって
いる。この両眼視差と呼ばれる僅かな違いを手がかり
に、人は、その物体の立体的構造や奥行きを認識する。
この原理を利用して、表示装置に右眼像と左眼像を交互
に表示させ、それぞれの像を右眼と左眼に独立して見せ
ることで、3次元画像を認識させる方式の3次元表示装
置が多く提案されている。
【0259】一般に3次元画像を見ているときには疲労
感を生じ易く、場合によっては、車酔いに似たような気
分の悪さを感じることもある。こうした生理的現象は、
個人差があって一概には言えないが、これまでに3次元
画像の問題点として指摘されてきており、この問題を解
決するための研究開発が進められている。
【0260】本発明の表示装置に上記の3次元画像表示
原理を適用することにより、上記のような問題を解決す
る新しい3次元画像表示装置を構成することができる。
その構成を、図58に模式的に示す。具体的には、42
0はホログラムスクリーン、402は空間光変調素子、
403は投影光学系である。偏光めがね404を装着し
た観察者415には、3次元画像406が観察される。
【0261】ここで、空間変調素子402は、表示され
る画像の偏光方向を切り替えることができる画像表示装
置であればよく、直線偏光の方向を切り替えられるも
の、或いは円偏光の回転方向を切り替えられるものなど
が利用できる。こうした空間変調素子402としては、
既に120Hz以上で動作するものが一般に入手可能で
あり、人の目には認知できない速度で画像を切り替える
ことで、両眼視差による3次元画像表示が可能となって
いる。また、こうした素子を偏光スイッチング素子とし
て利用し、非偏光の表示装置、例えばCRT、有機E
L、高分子分散型液晶素子等と組み合わせることでも、
空間変調素子402を構成することができる。
【0262】また、投影光学系403としては、既に記
述したように、最も簡素な構成としてシリンドリカルレ
ンズを用いることができる。但し、これに限るものでは
なく、上記したように、画像のz成分をホログラムスク
リーン420の上に鮮明に投影結像するものであればよ
い。例えば、縦横で焦点距離の異なるアナモルフィック
光学系や、通常の投影レンズとシリンドリカルレンズと
の組み合わせでもよい。また、上述したように、x方向
の焦点距離を変えられるレンズやミラーを用いると、像
が観察される奥行き方向の位置を容易に変更することが
できる。例えば、図54A及び図54Bに示したよう
に、x方向にのみパワーをもつ可変焦点レンズを配置す
ると、LED表示装置の位置を変えることなしに、像が
形成される仮想表示面の位置が前後する。なお、可変焦
点レンズの代わりに可変焦点ミラーを用いて、光路を折
り曲げた構成をとることも可能である。
【0263】また、偏光めがね404は、偏光板の方位
を互いに直交させてあり、これを装着することにより、
上記の空間光変調素子402によって切り替えられる画
像を、右眼及び左眼それぞれで独立して認知することが
できる。
【0264】本発明による3次元表示装置の特徴は、ス
クリーン面と画像が観察される位置とを離すことがで
き、さらに、それらの間の距離を変化させることができ
る点にある。これが、上記したような疲労感等の問題を
解決できるポイントである。つまり、画像がスクリーン
面上に固定されないため、目の焦点は、スクリーンでな
く実際の像に合うよう調節される。さらに、その像の位
置を変化させることができるため、実際の像が見えてい
るところに目の焦点と輻輳角を合わせることができ、自
然な3次元表示が可能となる。
【0265】(第21の実施形態)先にも述べたよう
に、本発明の光学式表示装置における従来の装置には見
られない特長は、各実施形態として基本的構成を示して
きた光学式表示装置を新たに一つの表示ユニットとし、
これを配置面上に複数個配置することで、各ユニットか
らの再生像を仮想表示面上で合成表示することができる
点である。
【0266】図59A及び図59Bは、表示ユニット2
23を3つ左右に並べて構成した光学式表示装置の一例
の側面図及び正面図である。
【0267】仮想表示面224の上に形成される像22
5は各表示ユニットごとに異なっており、図示する例で
は、それぞれの表示ユニットで「A」「B」及び「C」
の各文字を一つずつ再生表示する。図示したように各表
示ユニットを左右に近接して配置すると、各文字が並ん
で一つの言葉として認識できるようになる。
【0268】または、図60に示すように、1つの大き
なパターンを3つのパターン270、271、及び27
2に分割して表示し、仮想表示面上で合成することもで
きる。
【0269】このように、観察者から見て表示ユニット
が左右に並んで配置される場合、それぞれの再生像を仮
想表示面上で合成することで、表示幅を左右に広げるこ
とができる。
【0270】さらに、本発明の光学式表示装置の特徴を
十分に発現する構成は、観察者から見た像の奥行き方向
に表示ユニットを複数配置し、それぞれの表示ユニット
からの像を仮想表示面上で合成する構成である。
【0271】図61は、像の奥行き方向に表示ユニット
を複数配置した光学式表示装置226の構成を示す側面
図である。この実施形態では、本発明の光学式表示装置
226が、トンネル内の道路標識として用いられてい
る。具体的には、図61において、226は本実施例の
光学式表示装置、227〜229は表示ユニットであ
り、各表示ユニット227〜229は、トンネル230
の天井面231に並んで配置されている。
【0272】各表示ユニット227〜229のホログラ
ムスクリーンは、図62A〜図62Cに示す作製光学系
で作製される。これらの光学系は、何れも、基本的には
図47で説明した光学系と同じである。但し、収束光と
して入射するレーザビームが集光する点が、それぞれ異
なっている。
【0273】図62Aは、表示ユニット227で用いら
れるホログラムスクリーンの作製光学系であり、レーザ
ビーム232は、点Fに収束するように入射される。図
62Bは、表示ユニット228で用いられるホログラム
スクリーンの作製光学系であり、レーザビーム233は
点Gに収束するように入射される。図62Cは、表示ユ
ニット229で用いられるホログラムスクリーンの作製
光学系であり、レーザビーム234は点Hに収束するよ
うに入射される。
【0274】図61に示したように、表示ユニット22
7の像235は、仮想表示面236の近傍に形成され
る。同様に、表示ユニット228の像237は、仮想表
示面238の近傍に形成され、表示ユニット229の像
239は、仮想表示面240の近傍に形成される。
【0275】表示ユニット227、228、229の各
々には、図63Aに示す制限速度を表す道路標識の原画
パターン241が分割された図63Bに示すような要素
パターン242、243、244が、表示されている。
すなわち、表示ユニット227には原画パターン241
を分割して得られる下部約1/3の要素パターン242
が、像235として表示されている。同様に、表示ユニ
ット228には、中央部約1/3の要素パターン243
が像237として表示され、表示ユニット229には、
上部約1/3の要素パターン244が像239として表
示されている。
【0276】このとき、正面から見た再生像235、2
37、239は、図63Cに示すように一つの像として
合成されるため、これをトンネル230の内部を通行中
の車から見ると、制限速度表示の道路標識が、あたかも
トンネル230の天井面231から吊り下げられている
かのように見える。しかし、これは仮想表示面上での表
示であり、現実的にその表示面には何も物体は存在しな
いので、車との接触事故などは全く起こり得ない。
【0277】この構成によるメリットは、配置する表示
ユニットの数をNとしたときに、表示ユニットの高さを
ほぼ1/Nの割合で小さくできる点である。このように
極めて平坦な構造の光学式表示装置によって、トンネル
掘削の断面積を削減することができ、これによる建築コ
ストの削減効果は大きい。
【0278】以上に述べてきたように、本発明によるホ
ログラムを用いた光学式表示装置においては、蛍光灯と
いう安価で長寿命の光源が初めて使用可能となった点の
工業的価値は、極めて高い。
【0279】但し、本発明の光学式表示装置の特徴を活
かすための光源は、蛍光灯に限るものではなく、細長い
線状光源であればよい。線状光源としては、既に述べた
ランプと縦長開口との組み合わせや、直管蛍光灯の他
に、小型電球を1次元に配列したもの、半導体レーザや
LEDの1次元アレイ、発光部を線状に形成した有機E
L、或いは光源の光を光ファイバなどの導光手段を用い
て導いて線状の光出射部分を構成したもの、等が容易に
利用可能である。さらに、この他にも、種々の選択が可
能である。例えば、点光源と円筒ミラー或いは多面ミラ
ーとの組み合わせにより、擬似的に線状の光源を形成す
ることもできる。偏心ミラーによる小型化を図ること
も、好ましい。または、ミラー或いはレンズによって線
状に集光させた光ビームで、線状の光源を形成すること
もできる。この構成によれば、ホログラムに近い位置
に、仮想的な高輝度の線状光源を構成することができ
る。或いは、CRT等の2次元表示装置上に縦方向に細
長い輝線を表示しても、線状光源として機能させること
ができる。輝線の表示位置を順次動かしていけば、再生
位置がそれに呼応して移動するため、再生像が移動して
見えるという効果を生み出すこともできる。この他に
も、可動の線状光源を用いて、同様の効果を出すことが
できる。
【0280】また、光源の発光特性については、連続し
た発光分布を持つものでもよく、3原色の独立した発光
ピークを持つ光源を用いてもよい。或いは、3原色の独
立した発光源を組み合わせることで、線状光源を構成し
てもよい。こうすることで、各色ごとに光源を点滅する
ことが可能となり、特定の色の再生像を表示したり表示
しなかったりするような、極めて効果的な表示が可能と
なる。
【0281】なお、図8において、紙面に直交する軸を
中心にホログラム2を180°裏返すと、再生像が形成
される仮想表示面もまたはホログラム2の向こう側、図
8で言えば天井面7の奥に移動するため、ホログラム2
の向こう側に再生像ができる。本発明の光学式表示装置
では、このような再生像表示を行うこともできる。但
し、この場合に得られる再生像は裏返るので、このよう
な配置で再生像を表示する場合には、ホログラム2の作
製時に、パターンマスクをあらかじめホログラム乾板側
から見て表向きに設定しておく必要がある。
【0282】また、参照光を、スリットの長手方向と直
交する方向に複数のビームを重ね合せて形成すれば、再
生時に線状光源を用いることなく、視認範囲を広げるこ
とができる。この場合、照明光源は、点光源で良い。但
し、本質的に再生像が観察される場所は離散的であり、
上下方向に視点を移動すれば、再生像が見える位置と見
え難い位置が交互に現れる。その状態は、ホログラム作
製時に用いた複数ビームの重なり具合によって変わる。
複数のビームが互いに近接した配置を持つ場合には、視
点を移動しても、再生像が途切れることなく観察され
る。この参照光の構成は、スリットと散乱光の組み合わ
せで物体光を形成する場合に限らず、これにシリンドリ
カルレンズを組み合わせた場合、透過型ホログラムの再
生像を物体光とする場合、また一方向に拡散する拡散光
で物体光を形成する場合にも、有効である。
【0283】また、ホログラム乾板に近接するようにレ
ンチキュラーレンズシートのような1次ディフューザを
配置してホログラムを露光することで、再生時に線状光
源を用いることなく、視認範囲を広げることができる。
この場合、照明光源は、点光源で良い。但し、本質的に
再生像が観察される場所は離散的であり、上下方向に視
点を移動すれば、再生像が見える位置と見え難い位置が
交互に現れる。その状態は、レンチキュラーレンズシー
トの仕様によって変わり、レンチキュラーレンズシート
のピッチが細かいものを選択することにより、視点を移
動しても再生像が途切れることなく観察されるようにな
る。
【0284】再生表示面は一つの平面に限られることは
なく、複数の平面或いは曲面から構成してもよい。ま
た、上記の幾つかの実施形態で既に述べたように、被写
体として3次元物体を用いてもよい。但し、3次元物体
を被写体として使用する場合には、図10並びに図11
A及び図11Bに示したホログラム作製光学系について
は、3次元被写体にレーザ光を照射することで発生する
前記被写体からの反射光が、この被写体とホログラム乾
板の間に置かれたスリットを通過するように、光学系を
再配置する必要がある。この場合にもスリットを通過し
てきた光が物体光となるが、前記レーザ光と前記物体光
が、光軸上に配列しなくなる。
【0285】また、ホログラム2の複製は、容易に作成
できる。例えば、ホログラム2と未露光のホログラム乾
板とを、より好ましくは屈折率整合液を介して密着し、
レーザ光を適切な角度でホログラム乾板側から入射させ
ることで、ホログラム2に記録された情報をホログラム
乾板に転写複製することができる。
【0286】上記の各実施形態では、光学式道路標識、
及び道路情報表示板への適用例を中心に本発明のアプリ
ケーションを説明してきたが、この用途に限られること
は全くなく、一般文字情報、宣伝広告などを表示しても
よい。同様に、設置場所も、トンネル内に限らず、ビ
ル、エレベータ、地下街、駅などに設置しても、その効
果は大きい。また、ホログラムによって回折されなかっ
た非回折光を周辺照明に用いる構成としてもよい。
【0287】さらに、設置位置も、天井に限らず、壁
面、床面などに設置しても、効果的である。例えば、通
路床面にホログラムを設置し、天井に既に設けられてい
る照明用蛍光灯による再生を行うように構成して、その
再生像として矢印、位置等を示す指標を表示させると、
誘導案内標識として機能する。特に、再生像を床面から
数十cmほど浮上させて表示するように構成すると、見
やすくなる。或いは、このようにして得られる表示は、
人の目を引く表示となるために、通行する人の足を止め
るための手段として用いることもできる。
【0288】(第22の実施形態)本発明の原理による
ホログラムを利用した光学式表示装置では、再生像とし
て矢印や位置等を示す指標を表示することで、ある空間
を観察者に提示することができる。本実施形態では、こ
の特徴の応用例として、非接触カードを通過させる位置
を可視化して利用者に提示するシステムを説明する。
【0289】鉄道の駅を例に取ると、現在設置されてい
る自動改札システムは、定期券に記録された情報を磁気
的に読み取る方式のものが主流である。しかし、今後
は、利用者が携帯する定期券の情報を、電波その他の方
法で非接触で読み取る方式への置き換えが、検討されて
いる。これは、定期券を一旦機械の中に挿入する現在の
改札の仕方に代わって、利用者が非接触カードである定
期券を手に持ったまま改札を通過することで、改札の効
率化及びよりスムーズな人の流れを実現することを目指
している。
【0290】ここで考慮すべき点は、利用者が定期券
を、カードリーダから離れた空間に設定されている所定
の通信領域(例えば、無線によって信号の読み取りを行
なう領域)の中を、有効に通過させることができるかど
うかという点である。これが上手くできずに何度も読み
取りを繰返さなければならないようであれば、かえって
改札での人の流れが滞ってしまうことになる。
【0291】この通信領域へのカードの有効な通過とい
う問題点は、非接触カードシステムに固有の問題であ
る。なぜなら、従来の読取装置であれば、利用者はカー
ドを挿入口に差し込むだけで、その読み取りのための位
置決めは、自動的に機械が行なう。従って、上手く読み
取るための工夫について、利用者に負担はかからない。
一方、非接触カードシステムでは、空間的に通信領域が
広がって配置されているため、まずカードを最適な通信
領域に持ち込むこと、さらに、情報の読み取りに必要な
時間だけその通信領域内にカードが提示され続けている
ことが、必須条件になり、こうした作業を、全て利用者
に委ねることになる。
【0292】そのような状況のもとで、利用者に負担を
かけず且つ確実にカードの読み取りを行なうためには、
非接触カードを通過させるべき位置(領域)を可視化す
ることが、有効な手段と考えられる。本発明による光学
式表示装置によれば、カードリーダから離れた位置にあ
る通信領域に、鮮明なカラー画像のホログラム再生像と
して、矢印などの指標を表示することができ、カードを
かざすべき位置を通過する利用者に、確実に提示するこ
とができる。
【0293】また、一般に改札を通過する利用者は急い
でいるために、通過するときのみに通信領域が見えるよ
うな表示では、本来の機能を果たすことはできない。こ
れは、表示が見えた時点でカードを最適位置に動かす動
作に、負担がかかるからである。従って、利用者に通信
領域の位置を確実に知らせるためには、改札口に近づい
てきた時点で、通信領域の位置が概略把握できるような
表示であることが望ましい。これにも、本発明の光学式
表示装置は有効に作用する。
【0294】すなわち、例えば第3の実施形態に関連し
て説明したように、本発明の光学式表示装置では、光源
の配置によって、表示の視認領域を前後に広げることが
できる。この機能を利用することで、利用者がまだ改札
口から離れたところにいるときから、何か見えていると
いう状況を作ることができる。従って、利用者はその見
えている部分を目安に、カードを提示する準備を始める
ことができる。さらに、改札口に近づくにつれて、表示
部が次第にはっきりと見え始め、利用者はどこに定期券
をかざせばよいかということが確実に見えてくる。実際
に改札口を通過する際には、適切な高さ及び位置にカー
ドを保持しながら通過することができるので、確実な情
報の読み取りが可能となる。
【0295】上述の「何か見えている状況」とは、歩い
てくるにつれて提示位置が点滅して見える、あるいは色
が変わって見えるなど、人の目をひくものであれば、ど
のような表示でもよい。これには、複数の参照光によっ
て作製されたホログラムが見る位置によって見えたり消
えたりするという本発明の特性を、有効に利用できる。
或いは、色変化の小さくなるような配置を避けて光学式
情報装置を構成することで、実現が可能である。
【0296】なお、視認範囲としては、前方で広く設定
されると同時に、提示位置を通り過ぎたときに少し振り
返るようにしても見えていることが望ましい。これも、
第3の実施形態に関連して説明したように、光源の配置
によって、表示の視認領域を限定することができる。
【0297】また、利用者の身長には個人差があるた
め、見る高さが変わったときにも、明瞭に見えているこ
とが望ましい。これは、ホログラム作製時に使用するデ
ィフューザの拡散の度合いを大きくし且つスリットを長
くする、或いは、1次元ディフューザの幅及び拡散度合
いを大きくすることで、実現できる。
【0298】なお、無線カード処理装置に関する特開平
9−6935公報には、ホログラム投影装置により、通
信領域とほぼ同等な範囲に斜線模様による表示をした3
次元的立体映像を映し出す旨の記述がある。しかし、こ
うした機能を実際に実現するためには、本発明が提案す
る方法の利用が不可欠である。
【0299】なお、上記では、非接触カードシステムを
例にとっているが、例えばPOSシステムのような他の
情報通信装置に対しても、本発明の光学式表示装置を組
み合わせることができる。この場合に、構成される光学
式表示システムでは、光学式表示装置が、情報通信装置
の通信領域を3次元的に表示する。好ましくは、光学式
表示装置の表示領域と情報通信装置の前記通信領域と
を、お互いに一致させる。なお、情報通信装置として
は、一方向に情報の通信(受信或いは送信)を行う構成
であっても良く、或いは、双方向にインタラクティブ通
信(送受信)を行う構成であっても良い。
【0300】
【発明の効果】本発明は、上記した構成によって、ホロ
グラム再生像による表示を行うので、空間内に仮想的に
設けられた実体のない面に、実体のないホログラム再生
像による表示を行うことができる。また、表示装置自体
は、設置箇所の壁面に極めて近接した平坦な領域に配置
されるため、突出する部分が小さく、表示装置の巨大化
や設置領域(占有領域)の増大、或いは表示装置への接
触事故といった、従来の表示装置における問題点が解消
される。
【0301】また、本発明によれば、蛍光灯を再生光源
として使用する表示が可能となり、再生光源がいつどこ
でも利用可能となるで、ホログラムのみを軽量且つ可撓
性の基板に作製することで、容易に携帯可能な表示装置
を実現することができる。
【0302】さらに、この原理を応用して、ヘッドアッ
プディスプレイや3次元表示装置など、スクリーン面か
ら画像を離して観察する新規なディスプレイが実現され
る。
【0303】例えば、本発明の光学式表示装置を非接触
カードシステムに利用すれば、空間的に広がる通信領域
を利用者に対して明瞭に提示することができて、非接触
カードシステム本来の機能をより確実且つ効果的に発揮
させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1A】従来の光学式道路標識の構成を示す側面図で
ある。
【図1B】従来の光学式道路標識の構成を示す正面図で
ある。
【図2A】一般的な従来のホログラムの作成原理を模式
的に示す図である。
【図2B】図2Aによって形成されたホログラムの再生
原理を模式的に示す図である。
【図3A】従来の反射型ホログラムの作成原理を模式的
に示す図である。
【図3B】従来の反射型ホログラムの作成原理を模式的
に示す図である。
【図3C】図3A及び図3Bで形成された反射型ホログ
ラムの再生原理を模式的に示す図である。
【図3D】反射型ホログラムの再生像がぼける理由を説
明するための模式図である。
【図3E】反射型ホログラムにおける回折効率の波長依
存性を模式的に示す図である。
【図4A】従来のレインボウホログラムの作成原理を模
式的に示す図である。
【図4B】従来のレインボウホログラムの作成原理を模
式的に示す図である。
【図4C】図4A及び図4Bで形成されたレインボウホ
ログラムの再生原理を模式的に示す図である。
【図4D】レインボウホログラムの再生像のぼけが少な
い理由を説明するための模式図である。
【図4E】レインボウホログラムにおける回折効率の波
長依存性を模式的に説明する図である。
【図5A】本発明による反射型ホログラムの作成原理を
模式的に示す図である。
【図5B】本発明による反射型ホログラムの作成原理を
模式的に示す図である。
【図5C】図5A及び図5Bで形成された本発明の反射
型ホログラムの再生原理を模式的に示す図である。
【図6A】本発明の反射型ホログラムの再生像のぼけが
少ない理由を説明するための模式図である。
【図6B】本発明の反射型ホログラムにおける回折効率
の波長依存性を模式的に説明する図である。
【図7A】図5A及び図5Bで形成された本発明の反射
型ホログラムを線状光源を用いて再生する様子を模式的
に示す図である。
【図7B】図5A及び図5Bで形成された本発明の反射
型ホログラムを線状光源を用いて再生する様子を模式的
に示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態における光学式表示装
置の構成を示す側面図である。
【図9】図8の光学式表示装置の平面図である。
【図10】本発明におけるホログラムの作製光学系を示
す斜視図である。
【図11A】図10に示したホログラムの作製光学系の
側面図である。
【図11B】図10に示したホログラムの作製光学系の
平面図である。
【図12】ホログラム高さと観察位置との幾何学的関係
を模式的に示す図である。
【図13】再生像の大きさと観察位置との関係を示すグ
ラフである。
【図14】1次元ディフューザを用いた露光光学系の構
成を模式的に示す図である。
【図15A】本発明によるホログラムの再生原理を示す
側面図である。
【図15B】本発明によるホログラムの再生原理を示す
平面図である。
【図16A】本発明による再生像の観察で使用し得る開
口の形状を示す図である。
【図16B】本発明による再生像の観察で使用し得る開
口の形状を示す図である。
【図17A】本発明の光学式表示装置の再生光学系を示
す斜視図である。
【図17B】同じ長さの蛍光灯を水平配置した場合の視
認角度範囲を示す図である。
【図17C】同じ長さの蛍光灯を垂直配置した場合の視
認角度範囲を示す図である。
【図18】本発明の第2の実施形態における光学式表示
装置の構成を示す側面図である。
【図19】視認距離を限定できることを模式的に示す図
である。
【図20】線状光源(蛍光灯)の設置位置が入射平面か
ら離れている場合(オフセット配置された場合)におけ
る、本発明の光学式表示装置の平面図である。
【図21A】カラー3原色に対応する3枚の露光用パタ
ーンマスクを示す図である。
【図21B】作製された3原色のホログラムを重ねたと
きの再生像を示す図である。
【図21C】作製されたホログラムを一枚の基板の上に
積層した様子を示す図である。
【図22】再生像の中心の色変化と参照光角度との関係
を示すグラフである。
【図23】再生像内の色分布と参照光角度との関係を示
すグラフである。
【図24】再生像内の色分布と観察位置との関係を示す
グラフである。
【図25A】ホログラムを可撓性基板の上に形成した例
を示す図である。
【図25B】ホログラムを可撓性基板の上に形成した例
を示す図である。
【図25C】ホログラムを可撓性基板の上に形成した例
を示す図である。
【図25D】ホログラムを可撓性基板の上に形成した例
を示す図である。
【図25E】ホログラムを可撓性基板の上に形成した例
を示す図である。
【図26】レーザ発振波長以外の色で再生表示を行うホ
ログラムの作製光学系の側面図を示す。
【図27A】視認範囲内で色変化が小さくなるホログラ
ムの設置状況を示す図である。
【図27B】通常のホログラム再生状況を示す図であ
る。
【図28】要素ホログラムの組み合わせで大型の表示を
行うことを示す概念図である。
【図29A】表示ユニットを3つ左右に並べて構成した
光学式表示装置の一例の正面図である。
【図29B】表示ユニットを3つ左右に並べて構成した
光学式表示装置の一例の側面図である。
【図30A】表示ユニットを3つ左右に並べて一つの大
きなパターンを表示する光学式表示装置の一例を示す図
であり、分割された再生像を示す。
【図30B】表示ユニットを3つ左右に並べて一つの大
きなパターンを表示する光学式表示装置の一例を示す図
であり、継ぎ目なく合成された再生像を示す。
【図31A】本発明の第12の実施形態における光学式
表示装置の構成を示す側面図である。
【図31B】図31Aの光学式表示装置によって表示さ
れるパターンを示す図である。
【図31C】図31Aの光学式表示装置における各表示
ユニットに記録される要素パターンを示す図である。
【図31D】図31Aの光学式表示装置によって表示さ
れる再生像を示す図である。
【図32】本発明の第13の実施形態における光学式表
示装置の斜視図である。
【図33】図32の光学式表示装置に含まれるホログラ
ムユニットの構成図である。
【図34】図32の光学式表示装置の動作原理図であ
る。
【図35】本発明の第14の実施形態における光学式表
示装置の斜視図である。
【図36】図35の光学式表示装置に含まれるホログラ
ムユニットの構成図である。
【図37】図35の光学式表示装置の動作原理図であ
る。
【図38】本発明の第15の実施形態における光学式表
示装置の構成図である。
【図39A】本発明の第16の実施形態における透過型
ホログラムの作製光学系の側面図である。
【図39B】本発明の第16の実施形態における透過型
ホログラムの作製光学系の平面図である。
【図40】本発明の第16の実施形態における反射型ホ
ログラムの作製光学系の側面図である。
【図41】本発明の第17の実施形態における透過型ホ
ログラムの作製光学系の側面図である。
【図42】本発明の第17の実施形態における反射型ホ
ログラムの作製光学系の側面図である。
【図43】本発明の第18の実施形態における反射型ホ
ログラムの作製光学系の側面図である。
【図44】本発明の第19の実施形態における光学式表
示装置の側面図である。
【図45】図44の光学式表示装置において、ホログラ
ムスクリーン上に投影結像される像を、模式的に示す図
である。
【図46A】図44の光学式表示装置におけるホログラ
ムスクリーンの機能原理を模式的に示す平面図である。
【図46B】図44の光学式表示装置におけるホログラ
ムスクリーンの機能原理を模式的に示す側面図である。
【図47】図44の光学式表示装置におけるホログラム
スクリーンの作製光学系を模式的に示す図である。
【図48A】図44の光学式表示装置における光線の進
み方を模式的に示す平面図である。
【図48B】図44の光学式表示装置における光線の進
み方を模式的に示す側面図である。
【図49A】図44の光学式表示装置におけるホログラ
ムスクリーンから観察者までの光線の進み方を模式的に
示す平面図である。
【図49B】図44の光学式表示装置におけるホログラ
ムスクリーンから観察者までの光線の進み方を模式的に
示す側面図である。
【図50】背の高い建造物を通常のカメラで撮影したと
きの撮影像の歪みを模式的に示す図である。
【図51A】フロントライジング写真撮影技術の手順を
模式的に示す図である。
【図51B】フロントライジング写真撮影技術の手順を
模式的に示す図である。
【図51C】フロントライジング写真撮影技術の手順を
模式的に示す図である。
【図51D】フロントライジング写真撮影技術の手順を
模式的に示す図である。
【図52】図44の光学式表示装置の配置がフロントラ
イジング写真撮影技術の条件を満たしていることを模式
的に示す図である。
【図53】写真撮影技術であるシャインプルーグ条件に
基づいた構成図である。
【図54A】可変焦点レンズを用いて構成される光学式
表示装置における光線の進み方を模式的に示す平面図で
ある。
【図54B】可変焦点レンズを用いて構成される光学式
表示装置における光線の進み方を模式的に示す側面図で
ある。
【図55】像がホログラムスクリーンの向こう側に形成
される光学式表示装置における、ホログラムスクリーン
の作製光学系を模式的に示す図である。
【図56】像がホログラムスクリーンの向こう側に形成
される光学式表示装置の構成を模式的に示す図である。
【図57】図56の光学式表示装置をヘッドアップディ
スプレイに応用した場合の構成を模式的に示す図であ
る。
【図58】本発明の第20の実施形態における3次元表
示装置の構成を模式的に示す図である。
【図59A】表示ユニットを3つ左右に並べて一つの大
きなパターンを表示する光学式表示装置の一例の側面図
である。
【図59B】表示ユニットを3つ左右に並べて一つの大
きなパターンを表示する光学式表示装置の一例の正面図
である。
【図60】表示ユニットを3つ左右に並べて一つの大き
なパターンを表示する光学式表示装置の他の一例の正面
図である。
【図61】複数の表示ユニットを像の奥行き方向に並べ
て1つの大きなパターンを表示する光学式表示装置の構
成を示す側面図である。
【図62A】図61の光学式表示装置に含まれる各表示
ユニットのホログラムスクリーンの作製光学系を示す図
である。
【図62B】図61の光学式表示装置に含まれる各表示
ユニットのホログラムスクリーンの作製光学系を示す図
である。
【図62C】図61の光学式表示装置に含まれる各表示
ユニットのホログラムスクリーンの作製光学系を示す図
である。
【図63A】図61の光学式表示装置によって表示され
るパターンを示す図である。
【図63B】図61の光学式表示装置における各表示ユ
ニットに記録される要素パターンを示す図である。
【図63C】図61の光学式表示装置によって表示され
る再生像を示す図である。
【符号の説明】
1 光学式表示装置 2 ホログラム 3 蛍光灯 4 蛍光灯灯具 5 遮蔽板 6 トンネル 7 天井面 8 照明光 9 再生光 10 仮想表示面 11 再生像 12 スリット 13 パターンマスク 14 物体光 15 入射平面 16 参照光 17 ホログラム乾板 18 すりガラス 19 レーザ光 20 拡散光 21 ハロゲンランプ 22 開口 23 照明光 24 再生光 25 観察者 26 スリットの再生像 27 蛍光灯 28、31、34、37、44、47 照明光 29、32、35、38、48 再生像 30、33、36、39、49 観察者 40 光学式表示装置 41 蛍光灯 42 蛍光灯灯具 43 反射板 44 照明光 45 再生光 46 蛍光灯 50 ホログラム乾板 51 パターンマスク 52 参照光 53 ホログラム 54 照明光 55 再生光 56 観察者 57 表示ユニット 58 蛍光灯 59 再生像 60 遮蔽板 61、64、66 表示ユニット 62、67 蛍光灯 63、65、68 再生像 69 光学式表示装置 70、71、72 表示ユニット 73、74、75 ホログラム 76、77、78 蛍光灯 79 トンネル 80 天井面 81 原画パターン 82、83、84 要素パターン 85、87、89 再生像 86、88、90 仮想表示面 91 蛍光灯 92 ホログラムユニット 93 非常用電話 94 第1ホログラム 95 第2ホログラム 96 表示板 97 ホログラムユニット第1面 98 ホログラムユニット第2面 99 表示板第1面 100 表示板第2面 101、104 領域 102、105 照明光 103、106 再生像 107 蛍光灯 108、109 ホログラムユニット 110 第1ホログラム 111 第1表示板 112 第2ホログラム 113 第2表示板 114、116 照明光 115、117 再生像 118 蛍光灯 119 第1ホログラム 120 第2ホログラム 121、123 照明光 122、124 再生像 125 すりガラス 126 レーザ光 127 拡散光 128 スリット 129 パターンマスク 130 ホログラム乾板 131 物体光 132 参照光 133 マスタホログラム 134 照明光 135 再生光 136 ホログラム乾板 137 参照光 138 再生像 139 被写体 140 照明光 141 物体光 142 ホログラム乾板 143 参照光 144 マスタホログラム 145 照明光 146 スリット 147 物体光 148 ホログラム乾板 149 参照光 150 被写体の再生像 151 シリンドリカルレンズ 152 開口 153 再生光 154 ホログラム乾板 155 被写体の再生像 156 標識表示板 157 リング型蛍光管 158 標識本体 159 標識支柱 201 光学式表示装置 202 ホログラムスクリーン 203 シリンドリカルレンズ 204 LED表示装置 205 トンネル 206 天井面 208 仮想表示面 209 像 210 レンズ 211 レーザビーム 212 ピンホール 213 ホログラム乾板 214 レーザビーム 215 観察者 216 フィルム面 217 撮影レンズ 218 表示装置 219 レーザビーム 220 ホログラムスクリーン 221 仮想表示面 223 表示ユニット 224 仮想表示面 225 像 226 光学式表示装置 227、228、229 表示ユニット 230 トンネル 231 天井面 232、233、234 レーザビーム 235、237、239 像 236、238、240 仮想表示面 241 原画パターン 242、243、244 要素パターン 270、271、272 パターン 301 可変焦点レンズ 402 空間変調素子 403 投影光学系 404 偏光めがね 406 3次元画像 415 観察者 420 ホログラムスクリーン 1001 1次元ディフューザ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G09F 19/12 G09F 19/12 L (72)発明者 林 全郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (66)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホログラム素子と、光源と、を備える光
    学式表示装置であって、該ホログラムは、 スリットを通過した光を利用して得られた、被写体の情
    報を有する光と、 該被写体の情報を有する該光とは異なる入射光路を有す
    る参照光と、によって形成される反射型ホログラムであ
    り、 該光源からの光で該被写体の再生像を表示する、光学式
    表示装置。
  2. 【請求項2】 前記被写体の情報を有する前記光は、前
    記スリットを通過した拡散光を該被写体に照射して得ら
    れる物体光である、請求項1に記載の光学式表示装置。
  3. 【請求項3】 前記拡散光は、すりガラスに光を通すこ
    とで形成されている、請求項2に記載の光学式表示装
    置。
  4. 【請求項4】 前記被写体の情報を有する前記光は、前
    記スリットを通過した拡散光を該被写体に照射して得ら
    れる物体光と、該物体光とは異なる入射光路を有する照
    射光と、によって形成された透過型ホログラムを再生し
    て得られる再生光である、請求項1に記載の光学式表示
    装置。
  5. 【請求項5】 前記拡散光は、すりガラスに光を通すこ
    とで形成されている、請求項4に記載の光学式表示装
    置。
  6. 【請求項6】 前記被写体の情報を有する前記光は、該
    被写体の像が記録された透過型ホログラムに近接して配
    置された前記スリットを通過して得られた、該透過型ホ
    ログラムの再生光である、請求項1に記載の光学式表示
    装置。
  7. 【請求項7】 前記被写体の情報を有する前記光は、該
    被写体の像が記録された透過型ホログラムに近接して配
    置された前記スリットと、該スリットの長手方向に母線
    を有するシリンドリカルレンズと、を通過して得られ
    た、該透過型ホログラムの再生光である、請求項1に記
    載の光学式表示装置。
  8. 【請求項8】 前記参照光は、前記スリットの長手方向
    に直交する方向に複数のビームを重ね合わせて構成され
    ている、請求項1に記載の光学式表示装置。
  9. 【請求項9】 前記光源は線状光源である、請求項1に
    記載の光学式表示装置。
  10. 【請求項10】 前記線状光源は、前記スリットの長手
    方向に直交する面の上或いはその近傍に配置されてい
    る、請求項9に記載の光学式表示装置。
  11. 【請求項11】 前記参照光は、前記スリットの長手方
    向に直交する面を入射平面とする、請求項1に記載の光
    学式表示装置。
  12. 【請求項12】 前記参照光は、前記スリットの長手方
    向に直交する面とは異なる面を入射平面とする、請求項
    1に記載の光学式表示装置。
  13. 【請求項13】 ホログラム素子と、光源と、を備える
    光学式表示装置であって、該ホログラムは、 一方向に拡散する拡散光を利用して得られた、被写体の
    情報を有する光と、 該被写体の情報を有する該光とは異なる入射光路を有す
    る参照光と、によって形成される反射型ホログラムであ
    り、 該光源からの光で該被写体の再生像を表示する、光学式
    表示装置。
  14. 【請求項14】 前記被写体の情報を有する前記光は、
    前記拡散光を該被写体に照射して得られる物体光であ
    る、請求項13に記載の光学式表示装置。
  15. 【請求項15】 前記被写体の情報を有する前記光は、
    前記拡散光を該被写体に照射して得られる物体光と、該
    物体光とは異なる入射光路を有する照射光と、によって
    形成された透過型ホログラムを再生して得られる再生光
    である、請求項13に記載の光学式表示装置。
  16. 【請求項16】 前記参照光は、前記拡散光の拡散方向
    に直交する方向に複数のビームを重ね合わせて構成され
    ている、請求項15に記載の光学式表示装置。
  17. 【請求項17】 前記被写体の情報を有する前記光は、
    該被写体の像が記録された透過型ホログラムに近接して
    配置された前記スリットを通過して得られた、該透過型
    ホログラムの再生光である、請求項13に記載の光学式
    表示装置。
  18. 【請求項18】 前記参照光は、前記拡散光の拡散方向
    に直交する方向に複数のビームを重ね合わせて構成され
    ている、請求項17に記載の光学式表示装置。
  19. 【請求項19】 前記拡散光は、レンチキュラーレンズ
    に光を通すことで形成されている、請求項13に記載の
    光学式表示装置。
  20. 【請求項20】 前記光源は線状光源である、請求項1
    3に記載の光学式表示装置。
  21. 【請求項21】 前記線状光源は、前記拡散光の拡散方
    向に直交する面の上或いはその近傍に配置されている、
    請求項20に記載の光学式表示装置。
  22. 【請求項22】 前記参照光は、前記拡散光の拡散方向
    に直交する面を入射平面とする、請求項13に記載の光
    学式表示装置。
  23. 【請求項23】 前記参照光は、前記拡散光の拡散方向
    に直交する面とは異なる面を入射平面とする、請求項1
    3に記載の光学式表示装置。
  24. 【請求項24】 複数の表示ユニットが配置面の上に配
    列され、該複数のユニットからの再生像が合成して表示
    される光学式表示システムであって、 該複数のユニットの各々が、請求項1に記載の光学式表
    示装置である、光学式表示システム。
  25. 【請求項25】 複数の表示ユニットが配置面の上に配
    列され、該複数のユニットからの再生像が合成して表示
    される光学式表示システムであって、 該複数のユニットの各々が、請求項13に記載の光学式
    表示装置である、光学式表示システム。
  26. 【請求項26】 前記ホログラム素子は、複数のホログ
    ラム要素を組み合わせて構成されている、請求項1に記
    載の光学式表示装置。
  27. 【請求項27】 前記ホログラム素子は、複数のホログ
    ラム要素を組み合わせて構成されている、請求項13に
    記載の光学式表示装置。
  28. 【請求項28】 前記ホログラム素子は、可撓性基板の
    上に形成されている、請求項1に記載の光学式表示装
    置。
  29. 【請求項29】 前記ホログラム素子は、可撓性基板の
    上に形成されている、請求項13に記載の光学式表示装
    置。
  30. 【請求項30】 前記ホログラム素子は、携帯可能であ
    る、請求項1に記載の光学式表示装置。
  31. 【請求項31】 前記ホログラム素子は、携帯可能であ
    る、請求項13に記載の光学式表示装置。
  32. 【請求項32】 前記光源が線状光源であり、該線状光
    源の長さ及び設置方向が、所定の再生像の視認範囲が得
    られるように設定されている、請求項1に記載の光学式
    表示装置。
  33. 【請求項33】 前記光源が線状光源であり、該線状光
    源の長さ及び設置方向が、所定の再生像の視認範囲が得
    られるように設定されている、請求項13に記載の光学
    式表示装置。
  34. 【請求項34】 前記光源が線状光源であり、該線状光
    源を入射平面外に移動することで再生像の結像位置がシ
    フトされる、請求項1に記載の光学式表示装置。
  35. 【請求項35】 前記光源が線状光源であり、該線状光
    源を入射平面外に移動することで再生像の結像位置がシ
    フトされる、請求項13に記載の光学式表示装置。
  36. 【請求項36】 複数の前記ホログラム素子を備え、一
    つの光源で該複数のホログラム素子を再生する、請求項
    1に記載の光学式表示装置。
  37. 【請求項37】 複数の前記ホログラム素子を備え、一
    つの光源で該複数のホログラム素子を再生する、請求項
    13に記載の光学式表示装置。
  38. 【請求項38】 前記光源が線状光源であり、該線状光
    源が、蛍光管、或いは蛍光管と反射板との組合せであ
    る、請求項1に記載の光学式表示装置。
  39. 【請求項39】 前記光源が線状光源であり、該線状光
    源が、蛍光管、或いは蛍光管と反射板との組合せであ
    る、請求項13に記載の光学式表示装置。
  40. 【請求項40】 前記光源が、多数面ミラーと点光源と
    から構成された線状光源である、請求項1に記載の光学
    式表示装置。
  41. 【請求項41】 前記光源が、多数面ミラーと点光源と
    から構成された線状光源である、請求項13に記載の光
    学式表示装置。
  42. 【請求項42】 前記光源が、円筒面ミラーと点光源と
    から構成された線状光源である、請求項1に記載の光学
    式表示装置。
  43. 【請求項43】 前記光源が、円筒面ミラーと点光源と
    から構成された線状光源である、請求項13に記載の光
    学式表示装置。
  44. 【請求項44】 前記光源が、ミラー或いはレンズによ
    って線状に集光された光ビームによって構成された線状
    光源である、請求項1に記載の光学式表示装置。
  45. 【請求項45】 前記光源が、ミラー或いはレンズによ
    って線状に集光された光ビームによって構成された線状
    光源である、請求項13に記載の光学式表示装置。
  46. 【請求項46】 前記光源が、点光源の列によって構成
    された線状光源である、請求項1に記載の光学式表示装
    置。
  47. 【請求項47】 前記光源が、点光源の列によって構成
    された線状光源である、請求項13に記載の光学式表示
    装置。
  48. 【請求項48】 前記光源が、2次元表示装置の上に表
    示された輝線によって構成された線状光源である、請求
    項1に記載の光学式表示装置。
  49. 【請求項49】 前記光源が、2次元表示装置の上に表
    示された輝線によって構成された線状光源である、請求
    項13に記載の光学式表示装置。
  50. 【請求項50】 光学式表示装置と情報通信装置とを備
    えた光学式表示システムであって、該光学式表示装置
    が、請求項1に記載の光学式表示装置である、光学式表
    示システム。
  51. 【請求項51】 前記光学式表示装置は、前記情報通信
    装置の通信領域を3次元的に表示する、請求項50に記
    載の光学式表示システム。
  52. 【請求項52】 前記光学式表示装置の表示領域と前記
    情報通信装置の前記通信領域とが一致する、請求項51
    に記載の光学式表示システム。
  53. 【請求項53】 前記情報通信装置は、情報の一方向通
    信或いはインタラクティブ通信を行う、請求項50に記
    載の光学式表示システム。
  54. 【請求項54】 光学式表示装置と情報通信装置とを備
    えた光学式表示システムであって、該光学式表示装置
    が、請求項13に記載の光学式表示装置である、光学式
    表示システム。
  55. 【請求項55】 前記光学式表示装置は、前記情報通信
    装置の通信領域を3次元的に表示する、請求項54に記
    載の光学式表示システム。
  56. 【請求項56】 前記光学式表示装置の表示領域と前記
    情報通信装置の前記通信領域とが一致する、請求項55
    に記載の光学式表示システム。
  57. 【請求項57】 前記情報通信装置は、情報の一方向通
    信或いはインタラクティブ通信を行う、請求項54に記
    載の光学式表示システム。
  58. 【請求項58】 画像表示装置と、結像光学系と、ホロ
    グラムスクリーンと、を備える光学式表示装置であっ
    て、 該ホログラムスクリーンは、点光源からの光を反射し
    て、該点光源とは異なる位置に点像を結像するように構
    成されており、 該結像光学系は、該画像表示装置に表示された画像の縦
    方向の焦点を、該ホログラムスクリーンの上に一致させ
    るように構成されている、光学式表示装置。
  59. 【請求項59】 前記結像される点像は実像である、請
    求項58に記載の光学式表示装置。
  60. 【請求項60】 前記結像される点像は、前記ホログラ
    ムスクリーンに対して、前記点光源とは反対側の位置に
    結像される虚像である、請求項58に記載の光学式表示
    装置。
  61. 【請求項61】 前記結像光学系は、縦方向と横方向と
    でお互いに独立した結像機能を有していて、 該縦方向については、前記画像表示装置に表示された画
    像の縦方向の焦点を、前記ホログラムスクリーンの上に
    一致させるように構成され、 該横方向については、焦点距離が可変になるように構成
    されている、請求項58に記載の光学式表示装置。
  62. 【請求項62】 偏光を透過させる方向が両眼でお互い
    に直交している偏光メガネをさらに備える、請求項58
    に記載の光学式表示装置。
  63. 【請求項63】 複数の表示ユニットが横方向に配置さ
    れている光学式表示システムであって、該複数の表示ユ
    ニットの各々が、請求項58に記載の光学式表示装置で
    ある、光学式表示システム。
  64. 【請求項64】 複数の表示ユニットが奥行き方向に配
    置されている光学式表示システムであって、該複数の表
    示ユニットの各々が、請求項58に記載の光学式表示装
    置である、光学式表示システム。
  65. 【請求項65】 前記画像表示装置が、LED、CR
    T、高分子分散型液晶パネル、或いは有機ELパネルか
    ら選択された表示素子と、偏光スイッチング素子と、を
    含む、請求項58に記載の光学式表示装置。
  66. 【請求項66】 前記偏光スイッチング素子が強誘電液
    晶パネルを含む、請求項65に記載の光学式表示装置。
JP06912698A 1997-03-18 1998-03-18 光学式表示装置 Expired - Lifetime JP3452480B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06912698A JP3452480B2 (ja) 1997-03-18 1998-03-18 光学式表示装置

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6407197 1997-03-18
JP9-64071 1997-03-18
JP27840297 1997-10-13
JP9-278402 1997-10-13
JP06912698A JP3452480B2 (ja) 1997-03-18 1998-03-18 光学式表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11184362A true JPH11184362A (ja) 1999-07-09
JP3452480B2 JP3452480B2 (ja) 2003-09-29

Family

ID=27298372

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06912698A Expired - Lifetime JP3452480B2 (ja) 1997-03-18 1998-03-18 光学式表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3452480B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007051510A (ja) * 2005-08-19 2007-03-01 Megachips Lsi Solutions Inc 道路標識表示システム
JP2016188905A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 セイコーエプソン株式会社 頭部装着型表示装置および体積ホログラフィック素子の製造方法
JP2017156756A (ja) * 2011-04-15 2017-09-07 大日本印刷株式会社 照明装置、投射装置および投射型映像表示装置
JP2018004889A (ja) * 2016-06-30 2018-01-11 パナソニックIpマネジメント株式会社 ヘッドアップディスプレイ
KR101881134B1 (ko) * 2017-12-13 2018-07-23 이진규 도로 반사경 표시장치
JP2019157552A (ja) * 2018-03-15 2019-09-19 名古屋電機工業株式会社 表示装置、表示方法および表示プログラム
CN114995014A (zh) * 2022-06-29 2022-09-02 佛山科学技术学院 一种虹与霓偏向角测量装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007051510A (ja) * 2005-08-19 2007-03-01 Megachips Lsi Solutions Inc 道路標識表示システム
JP2017156756A (ja) * 2011-04-15 2017-09-07 大日本印刷株式会社 照明装置、投射装置および投射型映像表示装置
JP2016188905A (ja) * 2015-03-30 2016-11-04 セイコーエプソン株式会社 頭部装着型表示装置および体積ホログラフィック素子の製造方法
JP2018004889A (ja) * 2016-06-30 2018-01-11 パナソニックIpマネジメント株式会社 ヘッドアップディスプレイ
KR101881134B1 (ko) * 2017-12-13 2018-07-23 이진규 도로 반사경 표시장치
JP2019157552A (ja) * 2018-03-15 2019-09-19 名古屋電機工業株式会社 表示装置、表示方法および表示プログラム
CN114995014A (zh) * 2022-06-29 2022-09-02 佛山科学技术学院 一种虹与霓偏向角测量装置
CN114995014B (zh) * 2022-06-29 2024-06-07 佛山科学技术学院 一种虹与霓偏向角测量装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3452480B2 (ja) 2003-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100377883B1 (ko) 광학식 표시 장치
Halle Autostereoscopic displays and computer graphics
JP3576521B2 (ja) 立体表示方法及びその装置
CN110168427A (zh) 具有正确的单目深度线索的近眼顺序光场投影仪
US6844948B2 (en) Integral hologram revolving lamp and method for making same
TW201730629A (zh) 顯示裝置及空中像的顯示方法
JP2000509591A (ja) 3次元画像生成方法及び装置
CN105008984B (zh) 立体影像显示装置
JP3138753B2 (ja) ビューア
KR20100001261A (ko) 홀로그램 소자를 이용한 3차원 영상 표시 장치 및 방법
JP3452480B2 (ja) 光学式表示装置
JP3270332B2 (ja) 三次元像投写装置
JP2002072135A (ja) 光線再生と影絵型多眼パララックスを兼用した3次元画像表示システム
JP2006259058A (ja) 三次元画像表示装置
US6462869B1 (en) Projection screen and system for large-surface images
JPH09500219A (ja) ホログラム
US20080151039A1 (en) On-Screen Relief Viewing Method and Device
JPH1195166A (ja) 立体画像表示方法及び立体画像表示装置
JPH11119154A (ja) バーチャルスクリーン型立体表示装置
JPH10288971A (ja) ホログラム標識
JP3454794B2 (ja) 三次元映像表示装置
JP4324845B2 (ja) 映像表示装置
CN112764219B (zh) 抬头显示系统及其应用
JPH11190968A (ja) ホログラム立体表示装置
JP2761833B2 (ja) 立体像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030304

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030708

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070718

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080718

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090718

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090718

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100718

Year of fee payment: 7