JPH1118379A - 電動機の固定子の製造方法 - Google Patents
電動機の固定子の製造方法Info
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- JPH1118379A JPH1118379A JP16395597A JP16395597A JPH1118379A JP H1118379 A JPH1118379 A JP H1118379A JP 16395597 A JP16395597 A JP 16395597A JP 16395597 A JP16395597 A JP 16395597A JP H1118379 A JPH1118379 A JP H1118379A
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- resin molding
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 不飽和ポリエステル樹脂成形材料でモールド
される電動機の固定子の製造時の不具合を減少させるこ
とを目的とする。 【解決手段】 少なくともコイルエンド部およびスロッ
ト部が不飽和ポリエステル樹脂成形材料1によって一体
にモールドされた電動機の固定子において、固定子を一
体にモールドする製造工程の保圧時に、不飽和ポリエス
テル樹脂成形材料1がコイルエンド部等に与える圧力を
10〜40kg/cm2として、電動機固定子の製造時の不
具合発生を低減させるものである。
される電動機の固定子の製造時の不具合を減少させるこ
とを目的とする。 【解決手段】 少なくともコイルエンド部およびスロッ
ト部が不飽和ポリエステル樹脂成形材料1によって一体
にモールドされた電動機の固定子において、固定子を一
体にモールドする製造工程の保圧時に、不飽和ポリエス
テル樹脂成形材料1がコイルエンド部等に与える圧力を
10〜40kg/cm2として、電動機固定子の製造時の不
具合発生を低減させるものである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家電機器や空調機
器に使用される電動機、特に不飽和ポリエステル樹脂成
形材料でモールドされた固定子の製造方法に関する。
器に使用される電動機、特に不飽和ポリエステル樹脂成
形材料でモールドされた固定子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電動機の固定子はその防振性・形
状任意性・信頼性の良さにより、固定子全体を不飽和ポ
リエステル樹脂成形材料によりモールドすることが広く
採用されている。その代表的な構造を図1を参照しなが
ら説明する。図1は電動機を示す。図1に示すように電
動機は固定子鉄心2と巻線3と、前記固定子鉄心2と巻
線3をモールドしている不飽和ポリエステル樹脂成形材
料1とで固定子が構成され、前記固定子に取り付けられ
ている固定子枠には軸5が固着された回転子4が軸受6
を介して回転自在に取り付けられている。
状任意性・信頼性の良さにより、固定子全体を不飽和ポ
リエステル樹脂成形材料によりモールドすることが広く
採用されている。その代表的な構造を図1を参照しなが
ら説明する。図1は電動機を示す。図1に示すように電
動機は固定子鉄心2と巻線3と、前記固定子鉄心2と巻
線3をモールドしている不飽和ポリエステル樹脂成形材
料1とで固定子が構成され、前記固定子に取り付けられ
ている固定子枠には軸5が固着された回転子4が軸受6
を介して回転自在に取り付けられている。
【0003】上記構成で使用されている不飽和ポリエス
テル樹脂成形材料1は不飽和ポリエステル樹脂、スチレ
ンモノマー、ガラス繊維、炭酸カルシウム、水酸化アル
ミニウム、硬化触媒などを混合することによって構成さ
れている。また、従来から、不飽和ポリエステル樹脂成
形材料によるモールド工法は、射出成形機により行われ
ている。その代表的な方法として、まず、モールド前の
固定子を加熱された金型に設置し、次に射出成形機で金
型内に不飽和ポリエステル樹脂成形材料を充填させ、充
填させた不飽和ポリエステル樹脂成形材料が金型の熱に
より硬化するまで金型内に一定の圧力で保圧を行い、硬
化終了後に固定子を取り出すものがある。また、一般的
に電動機の固定子の巻線に使用されている電線は、安価
である理由から絶縁皮膜として約10〜40μmのウレ
タン樹脂を焼き付けた電線が使用されている。これらの
電線は保圧時の不飽和ポリエステル樹脂成形材料が巻線
に与える熱や圧力によって、変形や短絡・断線など起こ
す。
テル樹脂成形材料1は不飽和ポリエステル樹脂、スチレ
ンモノマー、ガラス繊維、炭酸カルシウム、水酸化アル
ミニウム、硬化触媒などを混合することによって構成さ
れている。また、従来から、不飽和ポリエステル樹脂成
形材料によるモールド工法は、射出成形機により行われ
ている。その代表的な方法として、まず、モールド前の
固定子を加熱された金型に設置し、次に射出成形機で金
型内に不飽和ポリエステル樹脂成形材料を充填させ、充
填させた不飽和ポリエステル樹脂成形材料が金型の熱に
より硬化するまで金型内に一定の圧力で保圧を行い、硬
化終了後に固定子を取り出すものがある。また、一般的
に電動機の固定子の巻線に使用されている電線は、安価
である理由から絶縁皮膜として約10〜40μmのウレ
タン樹脂を焼き付けた電線が使用されている。これらの
電線は保圧時の不飽和ポリエステル樹脂成形材料が巻線
に与える熱や圧力によって、変形や短絡・断線など起こ
す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この電動機の固定子に
おいては、モールド成形時に発生する電線の断線・変形
・短絡などの不具合や固定子から発生する残留スチレン
モノマーのにおいの低減が要求されていた。
おいては、モールド成形時に発生する電線の断線・変形
・短絡などの不具合や固定子から発生する残留スチレン
モノマーのにおいの低減が要求されていた。
【0005】本発明は、電動機の固定子を製造する際の
モールド成形時の不具合の改善とモールド後の固定子か
ら発生する残留スチレンモノマーのにおいの低減を目的
とする。
モールド成形時の不具合の改善とモールド後の固定子か
ら発生する残留スチレンモノマーのにおいの低減を目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、少なくともコイルエンド部およびスロット
部が不飽和ポリエステル樹脂成形材料によって一体にモ
ールドされる電動機の固定子において、固定子を一体に
モールドする製造工程の保圧時に、不飽和ポリエステル
樹脂成形材料がコイルエンド部などに与える圧力を10
〜40kg/cm2とし、また、固定子を一体にモールドす
る際の金型温度を150〜170℃とし、また、固定子
を一体にモールドする際のコイルエンド部の予熱温度を
80〜120℃とし、さらには、不飽和ポリエステル樹
脂成形材料に粒子径が200μm〜500μmの炭酸カ
ルシウムまたは水酸化アルミニウムを15%〜35%含
有させたものである。
に本発明は、少なくともコイルエンド部およびスロット
部が不飽和ポリエステル樹脂成形材料によって一体にモ
ールドされる電動機の固定子において、固定子を一体に
モールドする製造工程の保圧時に、不飽和ポリエステル
樹脂成形材料がコイルエンド部などに与える圧力を10
〜40kg/cm2とし、また、固定子を一体にモールドす
る際の金型温度を150〜170℃とし、また、固定子
を一体にモールドする際のコイルエンド部の予熱温度を
80〜120℃とし、さらには、不飽和ポリエステル樹
脂成形材料に粒子径が200μm〜500μmの炭酸カ
ルシウムまたは水酸化アルミニウムを15%〜35%含
有させたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、固定子を一体にモールドする際の保圧時に、不飽和
ポリエステル樹脂成形材料がコイルエンド部などに与え
る圧力を10〜40kg/cm2としたものであり、巻線と
して使用されている電線の変形や断線などによる電気的
な不具合を低減させるものである。電動機の固定子の巻
線に使用されている電線は、安価であることから絶縁皮
膜として約10〜40μmのウレタン樹脂を焼き付けた
ウレタン電線が使用されている。これらの電線は保圧時
に不飽和ポリエステル樹脂成形材料が巻線に与える圧力
によって、変形や短絡・断線など起こす。固定子を一体
にモールドする際の保圧時に、不飽和ポリエステル樹脂
成形材料がコイルエンド部などに与える圧力を40kg/
cm2以下にする理由は、固定子に使用している巻線の変
形・短絡・断線による不具合を低減させるものであり、
また、前記圧力を10kg/cm2以上にする理由は、モー
ルド時の圧力不足によるモールド後の不飽和ポリエステ
ル樹脂成形材料の強度不足をなくすものである。
は、固定子を一体にモールドする際の保圧時に、不飽和
ポリエステル樹脂成形材料がコイルエンド部などに与え
る圧力を10〜40kg/cm2としたものであり、巻線と
して使用されている電線の変形や断線などによる電気的
な不具合を低減させるものである。電動機の固定子の巻
線に使用されている電線は、安価であることから絶縁皮
膜として約10〜40μmのウレタン樹脂を焼き付けた
ウレタン電線が使用されている。これらの電線は保圧時
に不飽和ポリエステル樹脂成形材料が巻線に与える圧力
によって、変形や短絡・断線など起こす。固定子を一体
にモールドする際の保圧時に、不飽和ポリエステル樹脂
成形材料がコイルエンド部などに与える圧力を40kg/
cm2以下にする理由は、固定子に使用している巻線の変
形・短絡・断線による不具合を低減させるものであり、
また、前記圧力を10kg/cm2以上にする理由は、モー
ルド時の圧力不足によるモールド後の不飽和ポリエステ
ル樹脂成形材料の強度不足をなくすものである。
【0008】固定子を一体にモールドする際の金型温度
を150℃以上にする理由は150℃未満の金型温度で
成形した場合、成形後固定子から発生するスチレンモノ
マーによるにおいが低減できないからであり、170℃
以下にする理由は、170℃を超える金型温度では、使
用している電線の絶縁被覆として使用しているウレタン
樹脂のガラス転移温度に近い温度であるために、絶縁被
覆が軟化しモールド時の圧力により短絡しやすい状態と
なるからである。不飽和ポリエステル樹脂成形材料は一
般的に、不飽和ポリエステル樹脂とスチレンモノマーを
ラジカル重合させ不溶不融とする熱硬化性樹脂である
が、成形後に不飽和ポリエステル樹脂成形材料に残存し
ているスチレンモノマー・低分子量のスチレンがにおい
を発生させていた。金型温度を150℃以上にするのは
不飽和ポリエステル樹脂成形材料中のスチレンモノマー
をモールド時に、不飽和ポリエステル樹脂と重合させや
すくすると共に残存したスチレンモノマーを少なくとも
揮発しないポリスチレン樹脂にし、固定子からのにおい
の発生を抑えるという作用を有する。
を150℃以上にする理由は150℃未満の金型温度で
成形した場合、成形後固定子から発生するスチレンモノ
マーによるにおいが低減できないからであり、170℃
以下にする理由は、170℃を超える金型温度では、使
用している電線の絶縁被覆として使用しているウレタン
樹脂のガラス転移温度に近い温度であるために、絶縁被
覆が軟化しモールド時の圧力により短絡しやすい状態と
なるからである。不飽和ポリエステル樹脂成形材料は一
般的に、不飽和ポリエステル樹脂とスチレンモノマーを
ラジカル重合させ不溶不融とする熱硬化性樹脂である
が、成形後に不飽和ポリエステル樹脂成形材料に残存し
ているスチレンモノマー・低分子量のスチレンがにおい
を発生させていた。金型温度を150℃以上にするのは
不飽和ポリエステル樹脂成形材料中のスチレンモノマー
をモールド時に、不飽和ポリエステル樹脂と重合させや
すくすると共に残存したスチレンモノマーを少なくとも
揮発しないポリスチレン樹脂にし、固定子からのにおい
の発生を抑えるという作用を有する。
【0009】固定子を一体にモールドする際のコイルエ
ンド部の予熱温度を80℃以下にした場合、モールド時
の金型温度とコイルエンド部の温度差により成形後の固
定子の不飽和ポリエステル樹脂成形材料部分にクラック
が発生するためであり、予熱温度を120℃より高くす
ると、モールド時の保圧時の不飽和ポリエステル樹脂成
形材料がコイルエンド部に与える圧力との相乗作用によ
り、固定子に使用している電線が短絡しやすくなるから
である。
ンド部の予熱温度を80℃以下にした場合、モールド時
の金型温度とコイルエンド部の温度差により成形後の固
定子の不飽和ポリエステル樹脂成形材料部分にクラック
が発生するためであり、予熱温度を120℃より高くす
ると、モールド時の保圧時の不飽和ポリエステル樹脂成
形材料がコイルエンド部に与える圧力との相乗作用によ
り、固定子に使用している電線が短絡しやすくなるから
である。
【0010】請求項2記載の発明は、固定子を一体にモ
ールドする際の不飽和ポリエステル樹脂成形材料に粒子
径が200μm〜500μmの炭素カルシウムを15%
〜35%含有させることにより、固定子の巻線に使用し
ている電線の短絡などによる不具合を低減させるもので
ある。粒子径が200μm以上の炭酸カルシウムを使用
する理由は、粒子径が200μm以上の炭酸カルシウム
を含有させることにより、固定子を一体にモールドする
製造工程の保圧時に、金型内の不飽和ポリエステル樹脂
成形材料中の液状である不飽和ポリエステル樹脂が分離
され、電線と電線の間に含浸され、成形圧力による電線
と電線との短絡を低減させるからであり、これは200
μm以上の粒子を不飽和ポリエステル樹脂成形材料に含
有させることにより、不飽和ポリエステル樹脂成形材料
中の不飽和ポリエステル樹脂(液状)との濡れ性が低下
し、分離しやすくなるからである。また、炭酸カルシウ
ムを使用する理由は、炭酸カルシウムは安価であるから
である。また、粒子径が500μm以下の炭酸カルシウ
ムを使用する理由は、粒子径が500μm以上の炭酸カ
ルシウムを含有させた場合、使用する射出成形機や金型
に根詰まりなどを発生させ、不具合の原因となるからで
ある。また、含有量を15%以上にする理由は15%以
下では短絡などの不具合が低減できないからであり、3
5%以下にする理由は、35%以上にすると強度が低下
するからである。
ールドする際の不飽和ポリエステル樹脂成形材料に粒子
径が200μm〜500μmの炭素カルシウムを15%
〜35%含有させることにより、固定子の巻線に使用し
ている電線の短絡などによる不具合を低減させるもので
ある。粒子径が200μm以上の炭酸カルシウムを使用
する理由は、粒子径が200μm以上の炭酸カルシウム
を含有させることにより、固定子を一体にモールドする
製造工程の保圧時に、金型内の不飽和ポリエステル樹脂
成形材料中の液状である不飽和ポリエステル樹脂が分離
され、電線と電線の間に含浸され、成形圧力による電線
と電線との短絡を低減させるからであり、これは200
μm以上の粒子を不飽和ポリエステル樹脂成形材料に含
有させることにより、不飽和ポリエステル樹脂成形材料
中の不飽和ポリエステル樹脂(液状)との濡れ性が低下
し、分離しやすくなるからである。また、炭酸カルシウ
ムを使用する理由は、炭酸カルシウムは安価であるから
である。また、粒子径が500μm以下の炭酸カルシウ
ムを使用する理由は、粒子径が500μm以上の炭酸カ
ルシウムを含有させた場合、使用する射出成形機や金型
に根詰まりなどを発生させ、不具合の原因となるからで
ある。また、含有量を15%以上にする理由は15%以
下では短絡などの不具合が低減できないからであり、3
5%以下にする理由は、35%以上にすると強度が低下
するからである。
【0011】請求項3記載の発明は、固定子を一体にモ
ールドする際の不飽和ポリエステル樹脂成形材料に粒子
径が200μm〜500μmの水酸化アルミニウムを1
5%〜35%含有させるものであり、請求項2と同等の
効果を出しながら、不飽和ポリエステル樹脂成形材料に
難燃性を付与するものである。
ールドする際の不飽和ポリエステル樹脂成形材料に粒子
径が200μm〜500μmの水酸化アルミニウムを1
5%〜35%含有させるものであり、請求項2と同等の
効果を出しながら、不飽和ポリエステル樹脂成形材料に
難燃性を付与するものである。
【0012】
【実施例】次に本発明の具体例を説明する。また、不飽
和ポリエステル樹脂成形材料の組成を(表1)に示す。
また、本発明の不飽和ポリエステル樹脂成形材料はこれ
に限定されるものではない。
和ポリエステル樹脂成形材料の組成を(表1)に示す。
また、本発明の不飽和ポリエステル樹脂成形材料はこれ
に限定されるものではない。
【0013】
【表1】
【0014】(実施例1)モールド後に金型から固定子
を取り出すために金型に設置されているエジェクターピ
ンに圧力センサーを取り付け、保圧時の不飽和ポリエス
テル樹脂成形材料が固定子のコイルエンド部に与える圧
力を測定できるようにする。固定子のモールド製造工程
時の条件を、金型温度を155℃、予熱温度を100℃
とし、保圧時の不飽和ポリエステル樹脂成形材料がコイ
ルエンド部に与える圧力を1〜60kg/cm2としたとき
の固定子の電線の短絡や断線などの不具合の発生率と固
定子の不飽和ポリエステル樹脂成形材料部分の曲げ強度
を図2に示す。図2より、不飽和ポリエステル樹脂成形
材料が固定子のコイルエンド部に与える圧力が40kg/
cm2を超えると不具合の発生率が悪化し、40kg/cm2未
満であると不飽和ポリエステル樹脂成形材料部分の強度
が低下する。
を取り出すために金型に設置されているエジェクターピ
ンに圧力センサーを取り付け、保圧時の不飽和ポリエス
テル樹脂成形材料が固定子のコイルエンド部に与える圧
力を測定できるようにする。固定子のモールド製造工程
時の条件を、金型温度を155℃、予熱温度を100℃
とし、保圧時の不飽和ポリエステル樹脂成形材料がコイ
ルエンド部に与える圧力を1〜60kg/cm2としたとき
の固定子の電線の短絡や断線などの不具合の発生率と固
定子の不飽和ポリエステル樹脂成形材料部分の曲げ強度
を図2に示す。図2より、不飽和ポリエステル樹脂成形
材料が固定子のコイルエンド部に与える圧力が40kg/
cm2を超えると不具合の発生率が悪化し、40kg/cm2未
満であると不飽和ポリエステル樹脂成形材料部分の強度
が低下する。
【0015】(実施例2)固定子のモールド製造工程時
の条件を、保圧時の不飽和ポリエステル樹脂成形材料が
コイルエンド部に与える圧力を30kg/cm2、金型温度
を155℃とし、予熱温度を60〜160℃としたとき
の固定子の電線の短絡や断線などの不具合の発生率を図
3に示す。図3より、予熱温度が120℃を超えると不
具合の発生率が悪化し、80℃未満ではモールド後に固
定子の不飽和ポリエステル樹脂成形材料部分にクラック
などが発生する。
の条件を、保圧時の不飽和ポリエステル樹脂成形材料が
コイルエンド部に与える圧力を30kg/cm2、金型温度
を155℃とし、予熱温度を60〜160℃としたとき
の固定子の電線の短絡や断線などの不具合の発生率を図
3に示す。図3より、予熱温度が120℃を超えると不
具合の発生率が悪化し、80℃未満ではモールド後に固
定子の不飽和ポリエステル樹脂成形材料部分にクラック
などが発生する。
【0016】(実施例3)固定子のモールド製造工程時
の条件を、保圧時の不飽和ポリエステル樹脂成形材料が
コイルエンド部に与える圧力を30kg/cm2、予熱温度
を100℃、型締め時間を180秒とし、金型温度を1
30・140・150・160・170℃にしたとき
の、固定子の不飽和ポリエステル樹脂成形材料部分の残
留スチレンモノマー量を測定した結果を(表2)に示
す。
の条件を、保圧時の不飽和ポリエステル樹脂成形材料が
コイルエンド部に与える圧力を30kg/cm2、予熱温度
を100℃、型締め時間を180秒とし、金型温度を1
30・140・150・160・170℃にしたとき
の、固定子の不飽和ポリエステル樹脂成形材料部分の残
留スチレンモノマー量を測定した結果を(表2)に示
す。
【0017】
【表2】
【0018】(表2)より金型温度を150℃以上にす
ることにより、残留スチレンモノマーは大幅に減少し、
固定子からのスチレンモノマーによるにおいを低減でき
る。
ることにより、残留スチレンモノマーは大幅に減少し、
固定子からのスチレンモノマーによるにおいを低減でき
る。
【0019】(実施例4)不飽和ポリエステル樹脂成形
材料に粒子径が250〜400μmの炭酸カルシウムを
10〜40%まで含有させ、固定子のモールド製造工程
時の条件を、保圧時の不飽和ポリエステル樹脂成形材料
がコイルエンド部に与える圧力を30kg/cm2、金型温
度を155℃とし、予熱温度を100℃としたときの固
定子の電線の短絡や断線などの不具合の発生率と固定子
の不飽和ポリエステル樹脂成形材料部分の曲げ強度を図
4に示す。図4より、含有率が15%以下では不具合の
発生率の低減が図れず、35%以上では不飽和ポリエス
テル樹脂成形材料部分の強度が低下する。
材料に粒子径が250〜400μmの炭酸カルシウムを
10〜40%まで含有させ、固定子のモールド製造工程
時の条件を、保圧時の不飽和ポリエステル樹脂成形材料
がコイルエンド部に与える圧力を30kg/cm2、金型温
度を155℃とし、予熱温度を100℃としたときの固
定子の電線の短絡や断線などの不具合の発生率と固定子
の不飽和ポリエステル樹脂成形材料部分の曲げ強度を図
4に示す。図4より、含有率が15%以下では不具合の
発生率の低減が図れず、35%以上では不飽和ポリエス
テル樹脂成形材料部分の強度が低下する。
【0020】(実施例5)各不飽和ポリエステル樹脂成
形材料に粒子径が1〜30μm、100〜200μm、
200〜500μm、500μm以上の水酸化アルミニ
ウムを25%含由させ、固定子のモールド製造工程時の
条件を、保圧時の不飽和ポリエステル樹脂成形材料がコ
イルエンド部に与える圧力を30kg/cm2、金型温度を
155℃とし、予熱温度を100℃としたときの固定子
の電線の短絡や断線などの不具合の発生率を図5に示
す。図5より粒子径が200μm以上で不具合の発生率
が低下し、500μm以上では射出成形機や金型に根詰
まりを発生させる。
形材料に粒子径が1〜30μm、100〜200μm、
200〜500μm、500μm以上の水酸化アルミニ
ウムを25%含由させ、固定子のモールド製造工程時の
条件を、保圧時の不飽和ポリエステル樹脂成形材料がコ
イルエンド部に与える圧力を30kg/cm2、金型温度を
155℃とし、予熱温度を100℃としたときの固定子
の電線の短絡や断線などの不具合の発生率を図5に示
す。図5より粒子径が200μm以上で不具合の発生率
が低下し、500μm以上では射出成形機や金型に根詰
まりを発生させる。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、少なくと
もコイルエンド部およびスロット部が不飽和ポリエステ
ル樹脂成形材料によって一体にモールドされた電動機の
固定子で巻線にウレタン電線を使用した電動機の固定子
において、圧力測定手段を備えた射出成形機によって固
定子を一体にモールドする製造工程の保圧時に、不飽和
ポリエステル樹脂成形材料がコイルエンド部などに与え
る圧力を10〜40kg/cm2とし、固定子を一体にモー
ルドする際の金型温度を150〜170℃、コイルエン
ド部の予熱温度の予熱温度を80〜120℃とすること
により、固定子の巻線に使用している電線の短絡や断線
などの不具合を低減することができる。
もコイルエンド部およびスロット部が不飽和ポリエステ
ル樹脂成形材料によって一体にモールドされた電動機の
固定子で巻線にウレタン電線を使用した電動機の固定子
において、圧力測定手段を備えた射出成形機によって固
定子を一体にモールドする製造工程の保圧時に、不飽和
ポリエステル樹脂成形材料がコイルエンド部などに与え
る圧力を10〜40kg/cm2とし、固定子を一体にモー
ルドする際の金型温度を150〜170℃、コイルエン
ド部の予熱温度の予熱温度を80〜120℃とすること
により、固定子の巻線に使用している電線の短絡や断線
などの不具合を低減することができる。
【0022】また、不飽和ポリエステル樹脂成形材料に
粒子径が200μm〜500μmの炭酸カルシウムを1
5〜35%含有させることにより固定子の電線と電線の
間に液状の不飽和ポリエステル樹脂が含浸され、電線の
短絡などの不具合を低減することができる。
粒子径が200μm〜500μmの炭酸カルシウムを1
5〜35%含有させることにより固定子の電線と電線の
間に液状の不飽和ポリエステル樹脂が含浸され、電線の
短絡などの不具合を低減することができる。
【0023】また、不飽和ポリエステル樹脂成形材料に
粒子径が200μm〜500μmの水酸化アルミニウム
を15%〜35%含有させることにより固定子の電線と
電線の間に液状の不飽和ポリエステル樹脂が含浸され、
電線の短絡などの不具合を低減することができると共に
不飽和ポリエステル樹脂成形材料に難燃性を付与するこ
とができる。
粒子径が200μm〜500μmの水酸化アルミニウム
を15%〜35%含有させることにより固定子の電線と
電線の間に液状の不飽和ポリエステル樹脂が含浸され、
電線の短絡などの不具合を低減することができると共に
不飽和ポリエステル樹脂成形材料に難燃性を付与するこ
とができる。
【図1】モールドモータを示す断面図
【図2】不具合の発生率と不飽和ポリエステル樹脂成形
材料部分の曲げ強度との関係を示す図
材料部分の曲げ強度との関係を示す図
【図3】不具合の発生率と予熱温度との関係を示す図
【図4】予熱温度を100℃としたときの不具合の発生
率と固定子の不飽和ポリエステル樹脂成形材料部分の曲
げ強度との関係を示す図
率と固定子の不飽和ポリエステル樹脂成形材料部分の曲
げ強度との関係を示す図
【図5】予熱温度を100℃としたときの不具合の発生
率と粒子径との関係を示す図
率と粒子径との関係を示す図
1 不飽和ポリエステル樹脂成形材料 2 固定子鉄心 3 巻線 4 回転子 5 軸 6 軸受
Claims (3)
- 【請求項1】少なくともコイルエンド部およびスロット
部が不飽和ポリエステル樹脂成形材料によって一体にモ
ールドされた電動機の固定子で巻線にウレタン電線を使
用した電動機の固定子において、圧力測定手段を備えた
射出成形機によって固定子を一体にモールドする製造工
程の保圧時に、不飽和ポリエステル樹脂成形材料がコイ
ルエンド部などに与える圧力を10〜40kg/cm2と
し、固定子を一体にモールドする際の金型温度を150
〜170℃、コイルエンド部の予熱温度の予熱温度を8
0〜120℃とした電動機の固定子の製造方法。 - 【請求項2】不飽和ポリエステル樹脂成形材料が粒子径
が200μm〜500μmの炭酸カルシウムを15%〜
35%含有している請求項1記載の電動機の固定子の製
造方法。 - 【請求項3】不飽和ポリエステル樹脂成形材料が粒子径
が200μm〜500μmの水酸化アルミニウムを15
%〜35%含有している請求項1記載の電動機の固定子
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16395597A JPH1118379A (ja) | 1997-06-20 | 1997-06-20 | 電動機の固定子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16395597A JPH1118379A (ja) | 1997-06-20 | 1997-06-20 | 電動機の固定子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1118379A true JPH1118379A (ja) | 1999-01-22 |
Family
ID=15784007
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16395597A Pending JPH1118379A (ja) | 1997-06-20 | 1997-06-20 | 電動機の固定子の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1118379A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001231192A (ja) * | 2000-02-18 | 2001-08-24 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | モールドモータの製造方法 |
JP2006035831A (ja) * | 2004-07-30 | 2006-02-09 | Uchihama Kasei Kk | モーター用ローターの製造法 |
-
1997
- 1997-06-20 JP JP16395597A patent/JPH1118379A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001231192A (ja) * | 2000-02-18 | 2001-08-24 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | モールドモータの製造方法 |
JP2006035831A (ja) * | 2004-07-30 | 2006-02-09 | Uchihama Kasei Kk | モーター用ローターの製造法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050412 |
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RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20050624 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050816 |