JPH11183246A - 周期的振動現象監視診断方法 - Google Patents
周期的振動現象監視診断方法Info
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- JPH11183246A JPH11183246A JP35667497A JP35667497A JPH11183246A JP H11183246 A JPH11183246 A JP H11183246A JP 35667497 A JP35667497 A JP 35667497A JP 35667497 A JP35667497 A JP 35667497A JP H11183246 A JPH11183246 A JP H11183246A
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- Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】振動データ診断時の基準データを振動モデルと
して、限られた実測データより作成した教師データを学
習して構築するニューラルネットワークの振動モデルを
安定化し、この振動モデルより得た基準データと実測値
の比較に、位相を揃えるハードウェアの改造が不要な周
期的振動現象監視診断方法を提供する。 【解決手段】請求項1記載の発明に係る周期的振動現象
監視診断方法は、工学システムの構成機器から観測する
周期的振動監視診断方法において、観測した時系列デー
タより再構成したトラジェクトリを基に、教師データを
作成してニューラルネットワーク1による振動モデルを
構築し、任意の時刻にて観測された時系列データとこの
時系列データより初期値を与えられた前記ニューラルネ
ットワーク1で構築された振動モデルの出力の時間発展
を比較することを特徴とする。
して、限られた実測データより作成した教師データを学
習して構築するニューラルネットワークの振動モデルを
安定化し、この振動モデルより得た基準データと実測値
の比較に、位相を揃えるハードウェアの改造が不要な周
期的振動現象監視診断方法を提供する。 【解決手段】請求項1記載の発明に係る周期的振動現象
監視診断方法は、工学システムの構成機器から観測する
周期的振動監視診断方法において、観測した時系列デー
タより再構成したトラジェクトリを基に、教師データを
作成してニューラルネットワーク1による振動モデルを
構築し、任意の時刻にて観測された時系列データとこの
時系列データより初期値を与えられた前記ニューラルネ
ットワーク1で構築された振動モデルの出力の時間発展
を比較することを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電プラント等の
ような工学システムにおいて観測される周期的な振動現
象の監視に係り、例えば、ポンプのような回転体の軸振
動等における周期的振動現象監視診断方法に関する。
ような工学システムにおいて観測される周期的な振動現
象の監視に係り、例えば、ポンプのような回転体の軸振
動等における周期的振動現象監視診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種プラント等の工学システムを構成す
る機器の状態に係る監視診断は、特に発電プラント等の
大規模で重要なシステムを安定に、かつ長期に亘って運
営するのに必要な技術である。
る機器の状態に係る監視診断は、特に発電プラント等の
大規模で重要なシステムを安定に、かつ長期に亘って運
営するのに必要な技術である。
【0003】例えば、蒸気を用いてタービンを回すこと
によって発電を行うような発電プラントにおいては、蒸
気の供給源とする給水のための大型ポンプは、プラント
の運転中は連続して稼働し続けさせなければならない。
また、その機器の状態を常に把握して、異常が発生した
場合に迅速に検出することは、プラント全体の運用にお
いて異常の波及を最小限に食い止める上で重要なもので
ある。
によって発電を行うような発電プラントにおいては、蒸
気の供給源とする給水のための大型ポンプは、プラント
の運転中は連続して稼働し続けさせなければならない。
また、その機器の状態を常に把握して、異常が発生した
場合に迅速に検出することは、プラント全体の運用にお
いて異常の波及を最小限に食い止める上で重要なもので
ある。
【0004】このような工学システムにおいて重要な回
転機器類には、監視診断のための各種センサが取り付け
られており、近年ではこれらセンサより得られる情報を
より有効に活用するために、回転機器そのものに位相検
出のための工夫が施されるようになった。
転機器類には、監視診断のための各種センサが取り付け
られており、近年ではこれらセンサより得られる情報を
より有効に活用するために、回転機器そのものに位相検
出のための工夫が施されるようになった。
【0005】なお、ここでいう位相とは、周期的な挙動
の一周期と[0,2π)を対応させて、振動を角度(位
相角)によって表現することである。なお、前記センサ
から得られる信号の評価については、信号の振幅や周波
数スペクトル、及び信号の位相情報といったものが用い
られる。
の一周期と[0,2π)を対応させて、振動を角度(位
相角)によって表現することである。なお、前記センサ
から得られる信号の評価については、信号の振幅や周波
数スペクトル、及び信号の位相情報といったものが用い
られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】回転体等における振動
データを診断の対象とするときに、基準となるデータを
どのような形で提供するか、また、この基準データと測
定値とをどのように比較して結論を導くかが問題とな
る。
データを診断の対象とするときに、基準となるデータを
どのような形で提供するか、また、この基準データと測
定値とをどのように比較して結論を導くかが問題とな
る。
【0007】基準データについては、例えば実測値を診
断のための基準データとするためには、比較に耐え得る
だけの細かいサンプリングによるデータの蓄積が必要で
あり、実際の比較においては、蓄積されたデータの検索
と実測値に合わせた基準データ間の内挿が必要となる。
即ち、この方法はハードウェア化に適してはおらず、リ
アルタイムの監視診断のための手法としては最適なもの
ではない。
断のための基準データとするためには、比較に耐え得る
だけの細かいサンプリングによるデータの蓄積が必要で
あり、実際の比較においては、蓄積されたデータの検索
と実測値に合わせた基準データ間の内挿が必要となる。
即ち、この方法はハードウェア化に適してはおらず、リ
アルタイムの監視診断のための手法としては最適なもの
ではない。
【0008】一方、実測されたデータからモデルを構築
して、基準となるデータをそのモデルから得ることも考
えられる。この測定された時系列からモデルを構築する
手法としては、自己回帰モデル(システムの過去の履歴
をシステムの説明変数とするモデル)や、GMDH(Gr
oup Method od Data Handling :ある意味で自己回帰モ
デルに非線形の効果を考慮したもの)等が挙げられる
が、神経のモデルとして知られるニューラルネットワー
クもモデル構築の有効な一手法である。
して、基準となるデータをそのモデルから得ることも考
えられる。この測定された時系列からモデルを構築する
手法としては、自己回帰モデル(システムの過去の履歴
をシステムの説明変数とするモデル)や、GMDH(Gr
oup Method od Data Handling :ある意味で自己回帰モ
デルに非線形の効果を考慮したもの)等が挙げられる
が、神経のモデルとして知られるニューラルネットワー
クもモデル構築の有効な一手法である。
【0009】このニューラルネットワークについては、
現在まで色々なタイプのものが提案されているが、ニュ
ーラルネットワークに対して教師データを与え、いわゆ
るバックプロパゲーション(back propagation:誤差逆
伝搬法)により、対象の特性を学習するというのが現在
でも一般的なものである。
現在まで色々なタイプのものが提案されているが、ニュ
ーラルネットワークに対して教師データを与え、いわゆ
るバックプロパゲーション(back propagation:誤差逆
伝搬法)により、対象の特性を学習するというのが現在
でも一般的なものである。
【0010】これは、教師データとして与えられたニュ
ーラルネットワークの入力及び出力を満足するように、
ニューラルネットワークの内部状態を調整するというこ
とである。この教師データが、ニューラルネットワーク
によってモデルを構築しようとする関数空間内で偏った
分布を持つ場合に、当然のことながらニューラルネット
ワークの入力に対する出力の妥当性は、教師データの取
る狭い範囲にのみ限られることになる。
ーラルネットワークの入力及び出力を満足するように、
ニューラルネットワークの内部状態を調整するというこ
とである。この教師データが、ニューラルネットワーク
によってモデルを構築しようとする関数空間内で偏った
分布を持つ場合に、当然のことながらニューラルネット
ワークの入力に対する出力の妥当性は、教師データの取
る狭い範囲にのみ限られることになる。
【0011】特に、ニューラルネットワークに微分方程
式を解かせる場合は、解(軌道)が不安定になったり、
たとえ、ニューラルネットワークが安定に振る舞ったと
しても、目的の軌道が得られなくなる場合がある。これ
は、トラジェクトリ(trajectory:軌道)を安定化する
ための条件であるベイスィン(basin :吸引域)の特性
が、教師データに含まれていないためである。
式を解かせる場合は、解(軌道)が不安定になったり、
たとえ、ニューラルネットワークが安定に振る舞ったと
しても、目的の軌道が得られなくなる場合がある。これ
は、トラジェクトリ(trajectory:軌道)を安定化する
ための条件であるベイスィン(basin :吸引域)の特性
が、教師データに含まれていないためである。
【0012】また、ベイスィンとは安定なトラジェクト
リの近傍であり、このベイスィン内の状態は時間発展と
共にトラジェクトリに近付いて行く。そしてこのとき
に、系は大域的に漸近安定であるといい、トラジェクト
リをアトラクタ(attractor )と呼ぶ。
リの近傍であり、このベイスィン内の状態は時間発展と
共にトラジェクトリに近付いて行く。そしてこのとき
に、系は大域的に漸近安定であるといい、トラジェクト
リをアトラクタ(attractor )と呼ぶ。
【0013】なお、工学システムおいて、観測からこの
ベイスィンの情報を得られない場合は少なくない。例え
ば、回転体の軸振動のデータであれば、その軌道から外
れたところのベクトル場を観測から得るのは難しく、必
然的にニューラルネットワークの教師データは得られる
軌道上に制限される。
ベイスィンの情報を得られない場合は少なくない。例え
ば、回転体の軸振動のデータであれば、その軌道から外
れたところのベクトル場を観測から得るのは難しく、必
然的にニューラルネットワークの教師データは得られる
軌道上に制限される。
【0014】さらに、基準データと実測値との比較を行
う際に、特に位相を比較する場合は、基準データと実測
値の初期値の位相を揃える必要がある。このために最近
では、回転体の回転軸やそれに付随する構造材に、マー
カーとしての突起や、鏡及び回転角を測定するための位
相角計といったものを付加あるいは装着して、測定及び
異常検出を容易にしようとする試みがなされている。
う際に、特に位相を比較する場合は、基準データと実測
値の初期値の位相を揃える必要がある。このために最近
では、回転体の回転軸やそれに付随する構造材に、マー
カーとしての突起や、鏡及び回転角を測定するための位
相角計といったものを付加あるいは装着して、測定及び
異常検出を容易にしようとする試みがなされている。
【0015】しかしながら、これらの方法は既存のプラ
ントの設備には、ハードウェアの大幅な改造や変更を伴
うために、容易に導入することが困難であり、また、こ
のようなハードウェアの導入には、コストの増加が避け
られない。しかも、機器の配置の関係から構造物に埋め
込まれるような機器に対しては、前記のような改造を実
施することが難しい場合もある。
ントの設備には、ハードウェアの大幅な改造や変更を伴
うために、容易に導入することが困難であり、また、こ
のようなハードウェアの導入には、コストの増加が避け
られない。しかも、機器の配置の関係から構造物に埋め
込まれるような機器に対しては、前記のような改造を実
施することが難しい場合もある。
【0016】本発明の目的とするところは、振動データ
診断時の基準データをニューラルネットワークによる振
動モデルとして得て、限られた実測データより作成され
た教師データを学習することで、構築するニューラルネ
ットワークの振動モデルを安定化すると共に、この振動
モデルより得られる基準データと実測値との比較に際し
て、位相を揃えるためのハードウェアの改造を伴わない
周期的振動現象監視診断方法を提供することにある。
診断時の基準データをニューラルネットワークによる振
動モデルとして得て、限られた実測データより作成され
た教師データを学習することで、構築するニューラルネ
ットワークの振動モデルを安定化すると共に、この振動
モデルより得られる基準データと実測値との比較に際し
て、位相を揃えるためのハードウェアの改造を伴わない
周期的振動現象監視診断方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明に係る周期的振動現象監視診断方法
は、各種プラント等の工学システムを構成する機器から
観測される周期的振動に係る周期的振動現象監視診断方
法において、観測された時系列データより再構成された
トラジェクトリを基にして教師データを作成すると共
に、ニューラルネットワークによる振動モデルを構築し
て、任意の時刻において観測された時系列データとこの
時系列データより初期値を与えられた前記ニューラルネ
ットワークにより構築された振動モデルの出力の時間発
展を比較することを特徴とする。
請求項1記載の発明に係る周期的振動現象監視診断方法
は、各種プラント等の工学システムを構成する機器から
観測される周期的振動に係る周期的振動現象監視診断方
法において、観測された時系列データより再構成された
トラジェクトリを基にして教師データを作成すると共
に、ニューラルネットワークによる振動モデルを構築し
て、任意の時刻において観測された時系列データとこの
時系列データより初期値を与えられた前記ニューラルネ
ットワークにより構築された振動モデルの出力の時間発
展を比較することを特徴とする。
【0018】観測された時系列データより再構成された
トラジェクトリを基にして形成したた教師データにより
ニューラルネットワークによる振動モデルを構築し、任
意の時刻において観測された時系列データと、この時系
列データより初期値を与えられた前記ニューラルネット
ワークの振動モデルの出力の時間発展を比較すことで、
各種プラントの工学システムにおける回転体等の振動デ
ータを診断する。
トラジェクトリを基にして形成したた教師データにより
ニューラルネットワークによる振動モデルを構築し、任
意の時刻において観測された時系列データと、この時系
列データより初期値を与えられた前記ニューラルネット
ワークの振動モデルの出力の時間発展を比較すことで、
各種プラントの工学システムにおける回転体等の振動デ
ータを診断する。
【0019】請求項2記載の発明に係る周期的振動現象
監視診断方法は、請求項1において、ニューラルネット
ワークによる振動モデルの構築に際して、観測からは得
られない力学系のトラジェクトリの周りの吸引領域であ
るベイスィンの情報を空間的に対称な構造を持つリミッ
トサイクルのベイスィンから合成すると共に、教師デー
タを補正して、前記ニューラルネットワークによる振動
モデルを安定化させることを特徴とする。
監視診断方法は、請求項1において、ニューラルネット
ワークによる振動モデルの構築に際して、観測からは得
られない力学系のトラジェクトリの周りの吸引領域であ
るベイスィンの情報を空間的に対称な構造を持つリミッ
トサイクルのベイスィンから合成すると共に、教師デー
タを補正して、前記ニューラルネットワークによる振動
モデルを安定化させることを特徴とする。
【0020】観測からは得られない力学系のトラジェク
トリの周りの吸引領域であるベイスィンの情報を、空間
的に対称な構造を持つリミットサイクルのベイスィンか
ら合成し、これにより教師データの補正することで、ニ
ューラルネットワークにより構築される振動モデルが安
定化する。
トリの周りの吸引領域であるベイスィンの情報を、空間
的に対称な構造を持つリミットサイクルのベイスィンか
ら合成し、これにより教師データの補正することで、ニ
ューラルネットワークにより構築される振動モデルが安
定化する。
【0021】請求項3記載の発明に係る周期的振動現象
監視診断方法は、請求項1において、ニューラルネット
ワークが獲得すべきトラジェクトリとニューラルネット
ワークが学習の結果獲得したトラジェクトリと比較し
て、それらの間に差がある場合に空間的に対称な構造を
持つリミットサイクルより合成されて教師データに付加
されたベクトルの勾配に相当するベイスィンの情報を修
正して、前記ニューラルネットワークの学習を補正する
ことを特徴とする。
監視診断方法は、請求項1において、ニューラルネット
ワークが獲得すべきトラジェクトリとニューラルネット
ワークが学習の結果獲得したトラジェクトリと比較し
て、それらの間に差がある場合に空間的に対称な構造を
持つリミットサイクルより合成されて教師データに付加
されたベクトルの勾配に相当するベイスィンの情報を修
正して、前記ニューラルネットワークの学習を補正する
ことを特徴とする。
【0022】ニューラルネットワークが獲得したトラジ
ェクトリと、ニューラルネットワークの学習により獲得
したトラジェクトリとを比較し、それらの間に差がある
場合に、空間的に対称な構造を持つリミットサイクルよ
り合成されて教師データに付加したベクトルの勾配に相
当するベイスィンの情報を修正することで、前記ニュー
ラルネットワークの学習補正を行う。
ェクトリと、ニューラルネットワークの学習により獲得
したトラジェクトリとを比較し、それらの間に差がある
場合に、空間的に対称な構造を持つリミットサイクルよ
り合成されて教師データに付加したベクトルの勾配に相
当するベイスィンの情報を修正することで、前記ニュー
ラルネットワークの学習補正を行う。
【0023】請求項4記載の発明に係る周期的振動現象
監視診断方法は、請求項1において、ニューラルネット
ワークによる振動モデルの出力と観測データの比較にお
いて、前記振動モデルの出力と観測データを入力して診
断の基準となる位相情報を出力するニューラルネットワ
ークにより構築される位相モデルを用いることを特徴と
する。
監視診断方法は、請求項1において、ニューラルネット
ワークによる振動モデルの出力と観測データの比較にお
いて、前記振動モデルの出力と観測データを入力して診
断の基準となる位相情報を出力するニューラルネットワ
ークにより構築される位相モデルを用いることを特徴と
する。
【0024】振動モデルの出力と観測データを入力して
診断の基準となる位相情報を出力するニューラルネット
ワークにより構築される位相モデルを用いて、ニューラ
ルネットワークによる振動モデルの出力と観測データと
の比較を行う。
診断の基準となる位相情報を出力するニューラルネット
ワークにより構築される位相モデルを用いて、ニューラ
ルネットワークによる振動モデルの出力と観測データと
の比較を行う。
【0025】請求項5記載の発明に係る周期的振動現象
監視診断方法は、請求項4において、位相情報を出力す
る位相モデルを複数のニューラルネットワークにより構
築することを特徴とする。複数のニューラルネットワー
クにより構築した位相モデルを使用して、ニューラルネ
ットワークによる振動モデルの出力と観測データとの比
較を行う。
監視診断方法は、請求項4において、位相情報を出力す
る位相モデルを複数のニューラルネットワークにより構
築することを特徴とする。複数のニューラルネットワー
クにより構築した位相モデルを使用して、ニューラルネ
ットワークによる振動モデルの出力と観測データとの比
較を行う。
【0026】請求項6記載の発明に係る周期的振動現象
監視診断方法は、請求項2及び請求項4において、位相
情報を出力するニューラルネットワークによる位相モデ
ルの構築に際して、前記観測からは得られない力学系の
トラジェクトリの周りの吸引領域であるベイスィンの情
報を空間的に対称な構造を持つリミットサイクルの位相
情報より教師データを作成することを特徴とする。
監視診断方法は、請求項2及び請求項4において、位相
情報を出力するニューラルネットワークによる位相モデ
ルの構築に際して、前記観測からは得られない力学系の
トラジェクトリの周りの吸引領域であるベイスィンの情
報を空間的に対称な構造を持つリミットサイクルの位相
情報より教師データを作成することを特徴とする。
【0027】観測からは得られない力学系のトラジェク
トリの周りの吸引領域であるベイスィンの情報を、空間
的に対称な構造を持つリミットサイクルの位相情報より
教師データを作成することにより、位相情報を出力する
ニューラルネットワークによる位相モデルの構築をす
る。
トリの周りの吸引領域であるベイスィンの情報を、空間
的に対称な構造を持つリミットサイクルの位相情報より
教師データを作成することにより、位相情報を出力する
ニューラルネットワークによる位相モデルの構築をす
る。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について図
面を参照して説明する。周期的振動現象監視診断方法に
おいては、ニューラルネットワークに与える教師データ
の補正を行い、また、比較する基準信号と実測値の2つ
の信号の位相を調整する必要のない評価手段を導入して
いる。なお、いずれも、計算機化された演算手段により
構成される。
面を参照して説明する。周期的振動現象監視診断方法に
おいては、ニューラルネットワークに与える教師データ
の補正を行い、また、比較する基準信号と実測値の2つ
の信号の位相を調整する必要のない評価手段を導入して
いる。なお、いずれも、計算機化された演算手段により
構成される。
【0029】(A)ニューラルネットワークによる基準
モデル構築手法として、例えば、図1のニューラルネッ
トワークによる微分方程式解法の模式構成図に示すよう
に、階層型のニューラルネットワーク1は、入力層ユニ
ット2と中間層ユニット3(この例では1層)、及び出
力層ユニット4とから構成されている。
モデル構築手法として、例えば、図1のニューラルネッ
トワークによる微分方程式解法の模式構成図に示すよう
に、階層型のニューラルネットワーク1は、入力層ユニ
ット2と中間層ユニット3(この例では1層)、及び出
力層ユニット4とから構成されている。
【0030】なお、ここで各層は同じ特性を持つユニッ
トにより構成されていて、隣り合う階層間においてユニ
ット同士の結合5を有すると共に、出力層ユニット4か
ら入力層ユニット2へのフィードバック6が行われてい
る。ここでは、入力層ユニット2に与えられた状態に対
して、出力層ユニット4から得られる変化率に微少発展
時間Δtを掛け、その値を入力層ユニット2にフィード
バック6することによって微分方程式(正確には差分方
程式)の時間発展を解くことができる。なお、この例で
は独立変数が3つある場合に相当する。
トにより構成されていて、隣り合う階層間においてユニ
ット同士の結合5を有すると共に、出力層ユニット4か
ら入力層ユニット2へのフィードバック6が行われてい
る。ここでは、入力層ユニット2に与えられた状態に対
して、出力層ユニット4から得られる変化率に微少発展
時間Δtを掛け、その値を入力層ユニット2にフィード
バック6することによって微分方程式(正確には差分方
程式)の時間発展を解くことができる。なお、この例で
は独立変数が3つある場合に相当する。
【0031】前記結合5は情報の伝達経路を意味し、あ
る重みを以て情報をユニットから他のユニットへ伝達す
るもので、入力層ユニット2は単に入力を他の層のユニ
ット(この例では中間層ユニット3)に伝えるだけのも
のである。他の層のユニットは、一般に非線形もしくは
線形の特性函数を持っており、これらの重ね合せによ
り、目的とする函数(学習によって獲得する)を近似す
るものである。
る重みを以て情報をユニットから他のユニットへ伝達す
るもので、入力層ユニット2は単に入力を他の層のユニ
ット(この例では中間層ユニット3)に伝えるだけのも
のである。他の層のユニットは、一般に非線形もしくは
線形の特性函数を持っており、これらの重ね合せによ
り、目的とする函数(学習によって獲得する)を近似す
るものである。
【0032】ここで例えば、中間層の1つのユニットに
着目すると、入力層ユニットiにおける入力をxi ,中
間層ユニットjとの結合の重みをwi とすると、中間層
ユニットjの出力Yj は次の式(1)または式(2)に
よって表わされる。
着目すると、入力層ユニットiにおける入力をxi ,中
間層ユニットjとの結合の重みをwi とすると、中間層
ユニットjの出力Yj は次の式(1)または式(2)に
よって表わされる。
【0033】
【数1】
【0034】
【数2】
【0035】なお、前記式(1)は線形特性、式(2)
はシグモイド函数(sigmoidal function)と呼ばれる非
線形特性の例で、ここでhj は、前記中間層ユニットj
における入力に対するしきい値である。このタイプのニ
ューラルネットワーク1において、学習とはユニット間
の結合係数wi を変更して、入出力のつじつまを合わせ
ることに相当するもので、出力層ユニット4の特性函数
としてシグモイド函数を用いることもあるが、前記式
(2)の取り得る範囲は[0,1]であるので、適当な
換算手段が必要となる。
はシグモイド函数(sigmoidal function)と呼ばれる非
線形特性の例で、ここでhj は、前記中間層ユニットj
における入力に対するしきい値である。このタイプのニ
ューラルネットワーク1において、学習とはユニット間
の結合係数wi を変更して、入出力のつじつまを合わせ
ることに相当するもので、出力層ユニット4の特性函数
としてシグモイド函数を用いることもあるが、前記式
(2)の取り得る範囲は[0,1]であるので、適当な
換算手段が必要となる。
【0036】この型のニューラルネットワーク1は、い
わゆるバックプロパゲーションにより与えられた教師デ
ータから、入出力の関係を学習する(公知文献1.日本
工業技術振興協会,ニューロコンピューティングの基礎
理論,海文堂(1990))。
わゆるバックプロパゲーションにより与えられた教師デ
ータから、入出力の関係を学習する(公知文献1.日本
工業技術振興協会,ニューロコンピューティングの基礎
理論,海文堂(1990))。
【0037】例えば、次の式(3)に示す微分方程式の
特性をニューラルネットワーク1に学習させるには、状
態X(一般にXはベクトル)を入力し、その状態Xによ
って決定される状態の変化率dX/dtを出力とするデ
ータ群を教師データとして作成することになる。
特性をニューラルネットワーク1に学習させるには、状
態X(一般にXはベクトル)を入力し、その状態Xによ
って決定される状態の変化率dX/dtを出力とするデ
ータ群を教師データとして作成することになる。
【0038】dX/dt=f(X) …(3)
【0039】充分学習の行われたニューラルネットワー
ク1を用いて前記式(3)の微分方程式の時間発展を解
くには、入力層ユニット2に状態Xを与え、出力層ユニ
ット4から得られた出力(変化率dX/dt)に適当な
微少時間Δtを掛ける。その微少時間Δtにおける変化
量(dX/dt Δt)を入力層ユニット2にフィード
バックし、その状態の値Xに加える(X(t+Δt)=
X(t)+dX/dtΔt)操作を行い、この一連の操
作を繰り返せばよい。
ク1を用いて前記式(3)の微分方程式の時間発展を解
くには、入力層ユニット2に状態Xを与え、出力層ユニ
ット4から得られた出力(変化率dX/dt)に適当な
微少時間Δtを掛ける。その微少時間Δtにおける変化
量(dX/dt Δt)を入力層ユニット2にフィード
バックし、その状態の値Xに加える(X(t+Δt)=
X(t)+dX/dtΔt)操作を行い、この一連の操
作を繰り返せばよい。
【0040】これは連続系の上記式(3)の微分方程式
を差分方程式に近似し、その解を数値積分によって求め
ていることになる。また、本件におけるニューラルネッ
トワーク1の適用においては、上記微分方程式の特性を
与えるための教師データを、監視診断対象の機器の観測
データより作成する。
を差分方程式に近似し、その解を数値積分によって求め
ていることになる。また、本件におけるニューラルネッ
トワーク1の適用においては、上記微分方程式の特性を
与えるための教師データを、監視診断対象の機器の観測
データより作成する。
【0041】なお、以下の(B)「観測データからの教
師データ作成」と、(C)「教師データの補正手法」、
及び(D)「教師データの再補正(ベイスィンの情報の
補正)による学習結果の制御方法」までが、振動モデル
の構築手順である。
師データ作成」と、(C)「教師データの補正手法」、
及び(D)「教師データの再補正(ベイスィンの情報の
補正)による学習結果の制御方法」までが、振動モデル
の構築手順である。
【0042】振動モデルの構築過程としては、図2の振
動モデルの構築フロー図に示すように、S1 (処理ステ
ップ)観測データからの教師データ作成と、S2 ベイス
ンのデータを合成して教師データに反映する、S3 ニュ
ーラルネットワークによる基準モデル構築(学習)す
る。
動モデルの構築フロー図に示すように、S1 (処理ステ
ップ)観測データからの教師データ作成と、S2 ベイス
ンのデータを合成して教師データに反映する、S3 ニュ
ーラルネットワークによる基準モデル構築(学習)す
る。
【0043】この結果が、S4 で学習誤差大の時は前記
S3 へ、また学習誤差大でない場合には、S5 ニューラ
ルネットワークの獲得したトラジェクトリと観測データ
より得られた基準データのトラジェクトリとの比較し、
この結果が、S6 で差が大の時は、S7 教師データ(ベ
イスン)の補正から、前記S3 へ、また差が大でない場
合は、S8 学習の終了(振動モデル構築の完了)とす
る。
S3 へ、また学習誤差大でない場合には、S5 ニューラ
ルネットワークの獲得したトラジェクトリと観測データ
より得られた基準データのトラジェクトリとの比較し、
この結果が、S6 で差が大の時は、S7 教師データ(ベ
イスン)の補正から、前記S3 へ、また差が大でない場
合は、S8 学習の終了(振動モデル構築の完了)とす
る。
【0044】(B)観測データからの教師データ作成
は、上記図2に示す「S1 観測データからの教師データ
作成」に対応するもので、不規則な時系列信号x(t)
から、系の決定論的性質を抽出するカオス(Chaos )特
性量解析では、観測データら時差ベクトルを構成する。
また、次の式(4)から多次元のトラジェクトリX
(t)を再構成する方法が一般である(公知文献2.H.
D.I.Abarbanel,Analysis of Observed Chaotic Data,Sp
ringer(1995))。
は、上記図2に示す「S1 観測データからの教師データ
作成」に対応するもので、不規則な時系列信号x(t)
から、系の決定論的性質を抽出するカオス(Chaos )特
性量解析では、観測データら時差ベクトルを構成する。
また、次の式(4)から多次元のトラジェクトリX
(t)を再構成する方法が一般である(公知文献2.H.
D.I.Abarbanel,Analysis of Observed Chaotic Data,Sp
ringer(1995))。
【0045】 X(t)={x(t),x(t+τ),…,x(t+(m−1)τ)} …( 4)
【0046】ここで、mは埋め込み次元( embedding d
imension)と呼ばれる。なお、時差ベクトルを構築する
際の遅れ時間τは、基本的周期の数分の1程度が適当で
ある。
imension)と呼ばれる。なお、時差ベクトルを構築する
際の遅れ時間τは、基本的周期の数分の1程度が適当で
ある。
【0047】ニューラルネットワークへの教師データ
は、次の式(5)に示すように、この再構成されたトラ
ジェクトリ上の状態X(t)と、その離散的な状態から
評価される微少時間内の変位ΔX(t)によって与えら
れる。但し、前記微少時間Δtは、近似の精度の観点か
ら充分小さい(大きくない)値とする。
は、次の式(5)に示すように、この再構成されたトラ
ジェクトリ上の状態X(t)と、その離散的な状態から
評価される微少時間内の変位ΔX(t)によって与えら
れる。但し、前記微少時間Δtは、近似の精度の観点か
ら充分小さい(大きくない)値とする。
【0048】 ΔX(t)=X(t+Δt)−X(t) …(5)
【0049】(C)教師データの補正手法としては、ニ
ューラルネットワークに与える教師データが学習対象の
トラジェクトリ上のベクトル場に限られている場合に、
基準モデルを構築するべきニューラルネットワークの出
力(上記(A)「ニューラルネットワークによる基準モ
デル構築手法」では微分方程式の解に相当する)は、目
的のトラジェクトリを描かない場合がある。
ューラルネットワークに与える教師データが学習対象の
トラジェクトリ上のベクトル場に限られている場合に、
基準モデルを構築するべきニューラルネットワークの出
力(上記(A)「ニューラルネットワークによる基準モ
デル構築手法」では微分方程式の解に相当する)は、目
的のトラジェクトリを描かない場合がある。
【0050】これは、トラジェクトリを安定化させるた
めのベイスィンの情報が教師データとして与えられなか
ったためであり、図3のリミットサイクルの相図は、教
師データの基となった空間的に対称なリミットサイクル
7(limit cycle :極限軌道)の過渡状態及び定常状態
を示す。なお、このリミットサイクル7の例は、Gucken
heimer&Holmes のHopf分岐モデル(公知文献3.J.M.T.
Thompson and H.B.Stewart,Nonlinear Dynamics and Ch
aos,John Wiley & Sons (1986))の、次の式(6),
(7)から求める。
めのベイスィンの情報が教師データとして与えられなか
ったためであり、図3のリミットサイクルの相図は、教
師データの基となった空間的に対称なリミットサイクル
7(limit cycle :極限軌道)の過渡状態及び定常状態
を示す。なお、このリミットサイクル7の例は、Gucken
heimer&Holmes のHopf分岐モデル(公知文献3.J.M.T.
Thompson and H.B.Stewart,Nonlinear Dynamics and Ch
aos,John Wiley & Sons (1986))の、次の式(6),
(7)から求める。
【0051】 dr/dt=r(μ−r2 ) …(6) dθ/dt=1 …(7)
【0052】なお、上記図3では2つの異なる初期値
8,9からの時間発展を示しており、どちらの場合も半
径μ0.5 の極限軌道(またはアトラクタ)に吸引される
様子がわかる。この例ではμ=1を採用しており、即
ち、極限軌道の半径はr=1(座標の原点から軌道上の
点までの距離)である。ここで各座標(x,y)は次の
式(8),(9)により求められる。
8,9からの時間発展を示しており、どちらの場合も半
径μ0.5 の極限軌道(またはアトラクタ)に吸引される
様子がわかる。この例ではμ=1を採用しており、即
ち、極限軌道の半径はr=1(座標の原点から軌道上の
点までの距離)である。ここで各座標(x,y)は次の
式(8),(9)により求められる。
【0053】 x=r cosθ …(8) y=r sinθ …(9)
【0054】この例に示されるように、極限軌道が存在
するためには、その極限軌道の回りにベイスィンと呼ば
れる極限軌道に限りなく近付くためのベクトル場を持つ
領域が必要である。前記式(6),(7)が示すよう
に、同一の角度θにおいて極限軌道の半径r=1よりも
半径rが小さい領域ではdrが正、極限軌道の半径r=
1よりも半径rが大きい領域ではdrが負となり、この
状態は時間発展と共に極限軌道の半径r=1へ近付いて
ゆくが、これがベイスィンの特性である。
するためには、その極限軌道の回りにベイスィンと呼ば
れる極限軌道に限りなく近付くためのベクトル場を持つ
領域が必要である。前記式(6),(7)が示すよう
に、同一の角度θにおいて極限軌道の半径r=1よりも
半径rが小さい領域ではdrが正、極限軌道の半径r=
1よりも半径rが大きい領域ではdrが負となり、この
状態は時間発展と共に極限軌道の半径r=1へ近付いて
ゆくが、これがベイスィンの特性である。
【0055】図4はリミットサイクルの径方向の変化率
分布図で、(a)は前記式(6)で示される軌道半径r
の時間変化率dr/dtの絶対値を等高線10で示し、
(b)は図4(a)のy軸(y=0)線上11におけるx
に対する軌道半径rの時間変化率dr/dtの絶対値を
示す。
分布図で、(a)は前記式(6)で示される軌道半径r
の時間変化率dr/dtの絶対値を等高線10で示し、
(b)は図4(a)のy軸(y=0)線上11におけるx
に対する軌道半径rの時間変化率dr/dtの絶対値を
示す。
【0056】上記図4(b)におけるdr=0が極限軌
道12に相当し、この極限軌道12から離れるに従って、d
rの絶対値は大きな値を持つことがわかる。また、極限
軌道12が安定に存在するためには、これまでに示したベ
イスィンの特性が力学系の特性として不可欠である。
道12に相当し、この極限軌道12から離れるに従って、d
rの絶対値は大きな値を持つことがわかる。また、極限
軌道12が安定に存在するためには、これまでに示したベ
イスィンの特性が力学系の特性として不可欠である。
【0057】ニューラルネットワークによる振動モデル
の構築に際して、観測から力学系のベイスィンの特性が
得られないような場合は、ニューラルネットワークに与
える教師データに何らかの方法を以て、トラジェクトリ
を安定化させるためのベイスィンの情報を付加する必要
がある。
の構築に際して、観測から力学系のベイスィンの特性が
得られないような場合は、ニューラルネットワークに与
える教師データに何らかの方法を以て、トラジェクトリ
を安定化させるためのベイスィンの情報を付加する必要
がある。
【0058】以下、力学系の次元が2次元である場合を
例に説明する。先に示した空間的に対称な構造を持つリ
ミットサイクルのベイスィンの特性を加工し、観測から
ベイスィンの特性を得られない系のベイスィンの情報を
作成することを考える。教師データの作成過程として
は、図5の教師データの作成フロー図に示すように、
A.基準データの作成は、S10(処理ステップ)データ
収集→時系列データから、S11周期の評価と一周期分の
データの抽出をして、S12時差座標Xと変化率ΔX
(t)/Δtを評価し、教師信号として採用する。
例に説明する。先に示した空間的に対称な構造を持つリ
ミットサイクルのベイスィンの特性を加工し、観測から
ベイスィンの特性を得られない系のベイスィンの情報を
作成することを考える。教師データの作成過程として
は、図5の教師データの作成フロー図に示すように、
A.基準データの作成は、S10(処理ステップ)データ
収集→時系列データから、S11周期の評価と一周期分の
データの抽出をして、S12時差座標Xと変化率ΔX
(t)/Δtを評価し、教師信号として採用する。
【0059】また、B.ベイスィンの合成は、S13標準
データ作成し、S14基準データ及び標準データをNr個
の区間に分割する、S15各区間について標準データを基
準データに変換する写像を求める、S16各区間で求めた
写像によって標準データのベイスィンを基準データ上に
変換・合成する、S17変換されたベイスィンについて座
標Xと変化率Δt/Δtを評価し、教師信号に反映す
る。さらに、C.位相情報の作成は、S18基準データの
時差座標Xと対応する標準データの位相θより教師デー
タを作成する。
データ作成し、S14基準データ及び標準データをNr個
の区間に分割する、S15各区間について標準データを基
準データに変換する写像を求める、S16各区間で求めた
写像によって標準データのベイスィンを基準データ上に
変換・合成する、S17変換されたベイスィンについて座
標Xと変化率Δt/Δtを評価し、教師信号に反映す
る。さらに、C.位相情報の作成は、S18基準データの
時差座標Xと対応する標準データの位相θより教師デー
タを作成する。
【0060】なお、上記図5と共に、次の[手順C−
1]から[手順C−4]にその過程を示す。 [手順C−1]観測された振動の時系列データより基準
データを作成する。観測された振動の時系列データx
(t)より時差座標X(t)を構築する。いま、次元は
2であるので、時差座標X(t)は次の式(10)に示
すようになる。
1]から[手順C−4]にその過程を示す。 [手順C−1]観測された振動の時系列データより基準
データを作成する。観測された振動の時系列データx
(t)より時差座標X(t)を構築する。いま、次元は
2であるので、時差座標X(t)は次の式(10)に示
すようになる。
【0061】 X(t)={x(t),x(t+τ)} …(10)
【0062】なお、この中から1周期分のデータを抽出
して基準データとするが、これはニューラルネットワー
ク1が学習すべき極限軌道であり、また、振動の周期に
ついては、周波数解析や周期点の検出によって可能であ
る。
して基準データとするが、これはニューラルネットワー
ク1が学習すべき極限軌道であり、また、振動の周期に
ついては、周波数解析や周期点の検出によって可能であ
る。
【0063】但し、観測値のサンプリング間隔Δtの整
数倍が、振動の1周期に一致することは少ないので、抽
出すべき時差座標ベクトルの数Nsは、NsΔtが振動
の1周期を超える最小の数とする。さらに、この1周期
分の基準データそれぞれについて、各サンプリング間隔
Δtにおける偏差から変化率ΔX(t)/Δtを次の式
(11)により求める。
数倍が、振動の1周期に一致することは少ないので、抽
出すべき時差座標ベクトルの数Nsは、NsΔtが振動
の1周期を超える最小の数とする。さらに、この1周期
分の基準データそれぞれについて、各サンプリング間隔
Δtにおける偏差から変化率ΔX(t)/Δtを次の式
(11)により求める。
【0064】 ΔX(t)/Δt={X(t+Δt)−X(t)}/Δt …(11)
【0065】なお、ここで求めた変化率は、上記式
(3)の近似を与える。また、前記時差座標X(t)
と、その点における評価された変化率ΔX(t)/Δt
の組により、ニューラルネットワーク1の教師データを
作成する。この時に、時差座標X(t)は、上記図1に
示すニューラルネットワーク1の入力層ユニット2に、
また、変化率ΔX(t)/Δtは、出力層ユニット4に
対応付けられるもので、以上は前記「A.基準データの
作成」に対応するものである。
(3)の近似を与える。また、前記時差座標X(t)
と、その点における評価された変化率ΔX(t)/Δt
の組により、ニューラルネットワーク1の教師データを
作成する。この時に、時差座標X(t)は、上記図1に
示すニューラルネットワーク1の入力層ユニット2に、
また、変化率ΔX(t)/Δtは、出力層ユニット4に
対応付けられるもので、以上は前記「A.基準データの
作成」に対応するものである。
【0066】[手順C−2]リミットサイクルより標準
データを作成する。前記[手順C−1]において、抽出
された基準データを幾つかの区間に分割するが、この分
割数をNrとして番号付けを行う。各区間には観測値x
(t)から構築された時差座標ベクトルX(t)が複数
(ここでは2次元なので最低4つ)含まれていなければ
ならない。
データを作成する。前記[手順C−1]において、抽出
された基準データを幾つかの区間に分割するが、この分
割数をNrとして番号付けを行う。各区間には観測値x
(t)から構築された時差座標ベクトルX(t)が複数
(ここでは2次元なので最低4つ)含まれていなければ
ならない。
【0067】次に空間的に対称なリミットサイクル、
(前記式(6),(7)に示されるGuckenheimer&Holme
s のHopf分岐モデル参照)の1周期分のデータ数Nsか
らなる標準データを作成し、観測から得られた基準デー
タ同様この区間をNrに分割して、同様に番号付けを行
う。なお、観測から得られた基準データ、及びリミット
サイクルから作成された標準データ上の同一番号の区間
を対応させるが、ここで、各対応する区間内のデータ数
は等しくなければならない。
(前記式(6),(7)に示されるGuckenheimer&Holme
s のHopf分岐モデル参照)の1周期分のデータ数Nsか
らなる標準データを作成し、観測から得られた基準デー
タ同様この区間をNrに分割して、同様に番号付けを行
う。なお、観測から得られた基準データ、及びリミット
サイクルから作成された標準データ上の同一番号の区間
を対応させるが、ここで、各対応する区間内のデータ数
は等しくなければならない。
【0068】以上は上記図5の「B.ベイスィンの合
成」における「S13及びS14」に対応するものである。 [手順C−3]リミットサイクルから、観測より得られ
た時差座標ベクトルへの変換行列を求める。
成」における「S13及びS14」に対応するものである。 [手順C−3]リミットサイクルから、観測より得られ
た時差座標ベクトルへの変換行列を求める。
【0069】前記対応付けを行った観測から得られた基
準データ、及びリミットサイクルから作成された標準デ
ータ上の同一番号の区間において、リミットサイクルよ
り作成された標準データXsから、観測より得られた基
準データXoへの変換行列Aを求める。ここで、変換行
列Aは、時差座標及び標準データの基となるリミットサ
イクルの次元Dに対して、D×D(ここでは2×2)の
正方行列である。
準データ、及びリミットサイクルから作成された標準デ
ータ上の同一番号の区間において、リミットサイクルよ
り作成された標準データXsから、観測より得られた基
準データXoへの変換行列Aを求める。ここで、変換行
列Aは、時差座標及び標準データの基となるリミットサ
イクルの次元Dに対して、D×D(ここでは2×2)の
正方行列である。
【0070】前記[手順C−2]において、対応させる
観測から得られた基準データ、及びリミットサイクルか
ら作成された標準データ上の同一番号の区間には、同一
数のデータが存在するが、この同一番号の区間内のデー
タ数をNeとする。また、リミットサイクルから作成さ
れた標準データXsと、観測から得られた基準データX
oの関係から、次の式(12)を定義する。
観測から得られた基準データ、及びリミットサイクルか
ら作成された標準データ上の同一番号の区間には、同一
数のデータが存在するが、この同一番号の区間内のデー
タ数をNeとする。また、リミットサイクルから作成さ
れた標準データXsと、観測から得られた基準データX
oの関係から、次の式(12)を定義する。
【0071】
【数3】
【0072】なお、求めるべき変換行列Aは、このSd
を最小にするものである。そこで、最小二乗法(この場
合に変換行列Aの各要素ajkによるSdの偏微分係数∂
Sd/∂ajkが0という条件を用いる)を適用して前記
変換行列Aを求める。
を最小にするものである。そこで、最小二乗法(この場
合に変換行列Aの各要素ajkによるSdの偏微分係数∂
Sd/∂ajkが0という条件を用いる)を適用して前記
変換行列Aを求める。
【0073】さらに、この変換行列Aに同変換行列Aを
評価した区間(観測から得られた基準データ及びリミッ
トサイクルから作成された標準データの区間)と同一の
番号付けを行う。なお以上は、上記図5の「B.ベイス
ィンの合成」における「S15」に対応するものである。
評価した区間(観測から得られた基準データ及びリミッ
トサイクルから作成された標準データの区間)と同一の
番号付けを行う。なお以上は、上記図5の「B.ベイス
ィンの合成」における「S15」に対応するものである。
【0074】[手順C−4]教師データの補正(ベイス
ィンの情報の追加)。観測から得られた時系列データを
基に作成されたニューラルネットワーク1の教師データ
は、前記入力層ユニット2に与えられる時差座標と出力
層ユニット4が出力するべき変化率よりなる。
ィンの情報の追加)。観測から得られた時系列データを
基に作成されたニューラルネットワーク1の教師データ
は、前記入力層ユニット2に与えられる時差座標と出力
層ユニット4が出力するべき変化率よりなる。
【0075】従って、ニューラルネットワーク1が実現
すべきトラジェクトリを安定化するには、観測から得ら
れた時系列データを基に作成された教師データと同じ形
式でベイスィンの情報を作成し、教師データとしてニュ
ーラルネットワーク1へ与える必要がある。このベイス
ィンの情報は、空間的に対称な構造を持つリミットサイ
クルのベイスィンの情報を、前記[手順C−3]で求め
た変換行列Aによって変換を行い作成する。
すべきトラジェクトリを安定化するには、観測から得ら
れた時系列データを基に作成された教師データと同じ形
式でベイスィンの情報を作成し、教師データとしてニュ
ーラルネットワーク1へ与える必要がある。このベイス
ィンの情報は、空間的に対称な構造を持つリミットサイ
クルのベイスィンの情報を、前記[手順C−3]で求め
た変換行列Aによって変換を行い作成する。
【0076】また、前記[手順C−2]でリミットサイ
クル上に設けられたNr個の各区間は、その上の点がr
=μ0.5 ,θ∈[θa ,θb ]によって特徴付けられ
る。但し、0≦θa ,θb ≦2πである。なお、リミッ
トサイクル上のどの点をθ=0とするかは任意に決定し
てよい。
クル上に設けられたNr個の各区間は、その上の点がr
=μ0.5 ,θ∈[θa ,θb ]によって特徴付けられ
る。但し、0≦θa ,θb ≦2πである。なお、リミッ
トサイクル上のどの点をθ=0とするかは任意に決定し
てよい。
【0077】いま、前記[手順C−2]でリミットサイ
クル上に設けられた1つの区間と観測から得られた、時
系列データを基に作成されたトラジェクトリ上の対応す
る区間との関係、即ち、前記[手順C−3]で同定され
た変換行列Aを以てリミットサイクルのベイスィンの情
報を写像し、ニューラルネットワーク1を安定化させる
ためのトラジェクトリのベイスィンの情報を作成して、
教師データへ反映させることを考える。
クル上に設けられた1つの区間と観測から得られた、時
系列データを基に作成されたトラジェクトリ上の対応す
る区間との関係、即ち、前記[手順C−3]で同定され
た変換行列Aを以てリミットサイクルのベイスィンの情
報を写像し、ニューラルネットワーク1を安定化させる
ためのトラジェクトリのベイスィンの情報を作成して、
教師データへ反映させることを考える。
【0078】前記[手順C−2]でリミットサイクル上
に設けられた1つの区間に対応する領域0≦r≦cμ
0.5 (c≧1.0 、cの上限は問題に依存する。本件で示
す例でcは1.5 以内),θ∈[θa ,θb ]上の点
(r,θ)における変化率(dr/dt,dθ/dt)
を、前記式(8),(9)及びリミットサイクル上に設
けられた同区間で定義された変換行列Aを以て、観測か
ら得られたトラジェクトリの周囲の空間に点X、及びそ
の点における変化率dX/dtとして写像する。
に設けられた1つの区間に対応する領域0≦r≦cμ
0.5 (c≧1.0 、cの上限は問題に依存する。本件で示
す例でcは1.5 以内),θ∈[θa ,θb ]上の点
(r,θ)における変化率(dr/dt,dθ/dt)
を、前記式(8),(9)及びリミットサイクル上に設
けられた同区間で定義された変換行列Aを以て、観測か
ら得られたトラジェクトリの周囲の空間に点X、及びそ
の点における変化率dX/dtとして写像する。
【0079】この時に、リミットサイクル上の点(r=
μ0.5 ,θ∈[θa ,θb ])より写像された、観測か
ら得られたトラジェクトリ上の変化率dX/dtと、式
(11)によって評価される観測から得られたトラジェ
クトリ上の変化率ΔX(t)/Δtが、ほぼ同じ大きさ
を持つように調整を施す。これは、同トラジェクトリ上
でΔX(t)/ΔtとdX/dtの大きさの比を求め
て、変換行列Aによって写像された変化率dX/dt
に、この比を掛けることによって行われる。
μ0.5 ,θ∈[θa ,θb ])より写像された、観測か
ら得られたトラジェクトリ上の変化率dX/dtと、式
(11)によって評価される観測から得られたトラジェ
クトリ上の変化率ΔX(t)/Δtが、ほぼ同じ大きさ
を持つように調整を施す。これは、同トラジェクトリ上
でΔX(t)/ΔtとdX/dtの大きさの比を求め
て、変換行列Aによって写像された変化率dX/dt
に、この比を掛けることによって行われる。
【0080】以上のようにして観測から得られたトラジ
ェクトリに対し、前記式(11)によって評価される観
測から得られたトラジェクトリ上の変化率ΔX(t)/
Δtと、リミットサイクルのベイスィンから変換行列A
を以て作成されたベイスィンにおけるベクトル場dX/
dtを、教師データとしてニューラルネットワーク1に
学習させることによって安定な振動モデルを得る。
ェクトリに対し、前記式(11)によって評価される観
測から得られたトラジェクトリ上の変化率ΔX(t)/
Δtと、リミットサイクルのベイスィンから変換行列A
を以て作成されたベイスィンにおけるベクトル場dX/
dtを、教師データとしてニューラルネットワーク1に
学習させることによって安定な振動モデルを得る。
【0081】なお以上は、上記図2の「S2 ベイスィン
のデータを合成し教師データに反映する」及び「S3 ニ
ューラルネットワークによる基準モデル構築(学習)」
に対応する。さらに、上記図5の「B.ベイスィンの合
成」における「S16及びS17」に対応するものである。
のデータを合成し教師データに反映する」及び「S3 ニ
ューラルネットワークによる基準モデル構築(学習)」
に対応する。さらに、上記図5の「B.ベイスィンの合
成」における「S16及びS17」に対応するものである。
【0082】(D)教師データの再補正(ベイスィンの
情報の補正)による学習結果の制御方法。前記(C)
「教師データの補正手法」によって与えられた教師デー
タを学習することにより、ニューラルネットワーク上に
構築される振動モデルは安定化することが期待される。
情報の補正)による学習結果の制御方法。前記(C)
「教師データの補正手法」によって与えられた教師デー
タを学習することにより、ニューラルネットワーク上に
構築される振動モデルは安定化することが期待される。
【0083】この一方で、学習の結果から獲得されたト
ラジェクトリ(ニューラルネットワークの出力の時間発
展)と、実際の観測から得られるトラジェクトリとの間
に無視できない差が生じることがある。
ラジェクトリ(ニューラルネットワークの出力の時間発
展)と、実際の観測から得られるトラジェクトリとの間
に無視できない差が生じることがある。
【0084】この原因としては、ニューラルネットワー
ク1の学習が充分でない場合と、ニューラルネットワー
ク1の出力層ユニット4側の教師データに問題がある場
合が挙げられる。先のニューラルネットワーク1の学習
が充分でない場合については、更に学習を進めることに
よって原理的には解決される。また、後のニューラルネ
ットワーク1の出力層ユニット4側の教師データに問題
がある場合については、教師データの再調整が必要とな
る。
ク1の学習が充分でない場合と、ニューラルネットワー
ク1の出力層ユニット4側の教師データに問題がある場
合が挙げられる。先のニューラルネットワーク1の学習
が充分でない場合については、更に学習を進めることに
よって原理的には解決される。また、後のニューラルネ
ットワーク1の出力層ユニット4側の教師データに問題
がある場合については、教師データの再調整が必要とな
る。
【0085】前記(C)「教師データの補正手法」で
は、リミットサイクルのベイスィンを変換行列Aを以
て、ニューラルネットが学習すべきトラジェクトリのあ
る空間上に写像して教師データを作成した。このように
して補われたベイスィンは、トラジェクトリ上にない状
態がトラジェクトリに限りなく近付くためのベクトル場
を与えるものであり、ニューラルネットワーク1が解く
微分方程式(正確には差分方程式)の解を安定化するの
に必要である。
は、リミットサイクルのベイスィンを変換行列Aを以
て、ニューラルネットが学習すべきトラジェクトリのあ
る空間上に写像して教師データを作成した。このように
して補われたベイスィンは、トラジェクトリ上にない状
態がトラジェクトリに限りなく近付くためのベクトル場
を与えるものであり、ニューラルネットワーク1が解く
微分方程式(正確には差分方程式)の解を安定化するの
に必要である。
【0086】いま、2次元空間上で閉じたトラジェクト
リ(本件が対象にしているニューラルネットワーク1が
学習すべきトラジェクトリは閉じたものであり、トラジ
ェクトリを境界にして内側と外側の区別が可能である)
の内側と外側のベイスィンにおいて、トラジェクトリ上
にない状態がトラジェクトリに近付くためのベクトル場
の成分を比較する。
リ(本件が対象にしているニューラルネットワーク1が
学習すべきトラジェクトリは閉じたものであり、トラジ
ェクトリを境界にして内側と外側の区別が可能である)
の内側と外側のベイスィンにおいて、トラジェクトリ上
にない状態がトラジェクトリに近付くためのベクトル場
の成分を比較する。
【0087】これら成分の大きさに違いがある場合に、
ニューラルネットワーク1が描くトラジェクトリは、本
来獲得すべきトラジェクトリに対し大きさが異なる場合
がある。この場合には、教師データに付加したベイスィ
ンのベクトル場を再修正して、ニューラルネットワーク
1の学習を再修正された教師データに対してやり直す必
要がある。
ニューラルネットワーク1が描くトラジェクトリは、本
来獲得すべきトラジェクトリに対し大きさが異なる場合
がある。この場合には、教師データに付加したベイスィ
ンのベクトル場を再修正して、ニューラルネットワーク
1の学習を再修正された教師データに対してやり直す必
要がある。
【0088】[手順D−1]修正するベイスィンの決
定。ニューラルネットワーク1が獲得したトラジェクト
リは、上記図1に示されるニューラルネットワーク1の
入力層ユニット2に適当な初期値(観測された時系列デ
ータより作成された基準データより選んでもよい)を与
えて、時間発展させることにより得ることができる。
定。ニューラルネットワーク1が獲得したトラジェクト
リは、上記図1に示されるニューラルネットワーク1の
入力層ユニット2に適当な初期値(観測された時系列デ
ータより作成された基準データより選んでもよい)を与
えて、時間発展させることにより得ることができる。
【0089】このニューラルネットワーク1の獲得した
トラジェクトリと、観測データより得られた基準データ
のトラジェクトリの大きさを比較する。前記したよう
に、これらのトラジェクトリは閉じており、従って、ト
ラジェクトリの内側にあるベイスィンと、トラジェクト
リの外側にあるベイスィンを区別できるものとする。
トラジェクトリと、観測データより得られた基準データ
のトラジェクトリの大きさを比較する。前記したよう
に、これらのトラジェクトリは閉じており、従って、ト
ラジェクトリの内側にあるベイスィンと、トラジェクト
リの外側にあるベイスィンを区別できるものとする。
【0090】ニューラルネットワーク1の描くトラジェ
クトリが基準データのトラジェクトリよりも小さい場合
は、ニューラルネットワーク1の教師データとして与え
られたトラジェクトリ内側のベイスィンの性質、即ち、
トラジェクトリの内側の状態がトラジェクトリに近付く
ためのベクトル場の成分の大きさが、外側のそれよりも
小さいということになる。
クトリが基準データのトラジェクトリよりも小さい場合
は、ニューラルネットワーク1の教師データとして与え
られたトラジェクトリ内側のベイスィンの性質、即ち、
トラジェクトリの内側の状態がトラジェクトリに近付く
ためのベクトル場の成分の大きさが、外側のそれよりも
小さいということになる。
【0091】この場合に、トラジェクトリの内側の状態
がトラジェクトリに近付くためのベクトル場の成分を大
きくするか、または、トラジェクトリの外側の状態がト
ラジェクトリに近付くためのベクトル場の成分を小さく
すればよいことになる。以下、ニューラルネットワーク
1の描くトラジェクトリが基準データのトラジェクトリ
よりも小さく、トラジェクトリの内側の状態がトラジェ
クトリに近付くためのベクトル場の成分を大きくする場
合について説明する。
がトラジェクトリに近付くためのベクトル場の成分を大
きくするか、または、トラジェクトリの外側の状態がト
ラジェクトリに近付くためのベクトル場の成分を小さく
すればよいことになる。以下、ニューラルネットワーク
1の描くトラジェクトリが基準データのトラジェクトリ
よりも小さく、トラジェクトリの内側の状態がトラジェ
クトリに近付くためのベクトル場の成分を大きくする場
合について説明する。
【0092】一方、ニューラルネットワーク1の描くト
ラジェクトリが基準データのトラジェクトリより大きい
場合は、トラジェクトリの外側の状態がトラジェクトリ
に近付くためのベクトル場の成分を大とするか、トラジ
ェクトリ内側の状態がトラジェクトリに近付くためのベ
クトル場の成分を小さくすればよいことになる。以上に
ついては、上記図2の「S5 ニューラルネットワークの
獲得したトラジェクトリと観測データより得られた基準
データのトラジェクトリとの比較」に対応する。
ラジェクトリが基準データのトラジェクトリより大きい
場合は、トラジェクトリの外側の状態がトラジェクトリ
に近付くためのベクトル場の成分を大とするか、トラジ
ェクトリ内側の状態がトラジェクトリに近付くためのベ
クトル場の成分を小さくすればよいことになる。以上に
ついては、上記図2の「S5 ニューラルネットワークの
獲得したトラジェクトリと観測データより得られた基準
データのトラジェクトリとの比較」に対応する。
【0093】[手順D−2]ベイスィンの修正と教師デ
ータへの反映。いま、トラジェクトリの内側の状態が、
トラジェクトリに近付くためのベクトル場の成分を大き
く補正して教師データに反映させる。この修正を施すべ
きベイスィンは、前記[手順C−4]で説明したよう
に、空間的に対称な構造を持つリミットサイクルのベイ
スィンより作成されている。
ータへの反映。いま、トラジェクトリの内側の状態が、
トラジェクトリに近付くためのベクトル場の成分を大き
く補正して教師データに反映させる。この修正を施すべ
きベイスィンは、前記[手順C−4]で説明したよう
に、空間的に対称な構造を持つリミットサイクルのベイ
スィンより作成されている。
【0094】また、前記(C)「教師データの補正手
法」で説明したように、前記式(6),(7)のリミッ
トサイクルの場合に、トラジェクトリ上にない状態がト
ラジェクトリに限りなく近付いて行く性質は、前記式
(6)のdr/dtに示される性質である。
法」で説明したように、前記式(6),(7)のリミッ
トサイクルの場合に、トラジェクトリ上にない状態がト
ラジェクトリに限りなく近付いて行く性質は、前記式
(6)のdr/dtに示される性質である。
【0095】上記図3に示す例で、即ち、前記式
(6),(7)においてμ=1を採用した場合に、トラ
ジェクトリの内側である半径r<1におけるdr/dt
を一律cad(cad>1、大きさは問題に依存し本件で示
される例では2〜4)倍する。但し、トラジェクトリの
内側における|caddr/dt|の最大値が、教師デー
タとして採用している範囲内でトラジェクトリの外側に
おける|dr/dt|の最大値を超えないようにする。
(6),(7)においてμ=1を採用した場合に、トラ
ジェクトリの内側である半径r<1におけるdr/dt
を一律cad(cad>1、大きさは問題に依存し本件で示
される例では2〜4)倍する。但し、トラジェクトリの
内側における|caddr/dt|の最大値が、教師デー
タとして採用している範囲内でトラジェクトリの外側に
おける|dr/dt|の最大値を超えないようにする。
【0096】なお、ここで|……|は絶対値を意味す
る。これは極端に絶対値が大きい教師データを与えるこ
とで、ニューラルネットワーク1の学習が阻害されるの
を防ぐためである。また、ニューラルネットワーク1
は、その原理から(公知文献4.日本機械学会,RC11
2 委員会報告書(1993)にもあるように)、教師データ中
の絶対値が大きいデータの学習に全体の学習が影響され
ることが知られている。
る。これは極端に絶対値が大きい教師データを与えるこ
とで、ニューラルネットワーク1の学習が阻害されるの
を防ぐためである。また、ニューラルネットワーク1
は、その原理から(公知文献4.日本機械学会,RC11
2 委員会報告書(1993)にもあるように)、教師データ中
の絶対値が大きいデータの学習に全体の学習が影響され
ることが知られている。
【0097】このような調整を行った後に、前記(C)
「教師データの補正手法」の手順により教師データを作
成し直すが、以上は上記図2の「S7 教師データ(ベイ
スィン)の補正」に対応する。 [手順D−3]再学習によるトラジェクトリの獲得。前
記[手順D−2]において調整された教師データを用い
てニューラルネットワーク1の学習を行う。
「教師データの補正手法」の手順により教師データを作
成し直すが、以上は上記図2の「S7 教師データ(ベイ
スィン)の補正」に対応する。 [手順D−3]再学習によるトラジェクトリの獲得。前
記[手順D−2]において調整された教師データを用い
てニューラルネットワーク1の学習を行う。
【0098】この結果から、ニューラルネットワーク1
に獲得されたトラジェクトリと、観測データより得られ
た基準データのトラジェクトリとの比較→ベイスィンの
調整→学習を繰り返すことによって、ニューラルネット
ワーク1の獲得するトラジェクトリを制御できる。な
お、以上は上記図2の「S3 ニューラルネットワークに
よる基準モデル構築(学習)」に対応する。
に獲得されたトラジェクトリと、観測データより得られ
た基準データのトラジェクトリとの比較→ベイスィンの
調整→学習を繰り返すことによって、ニューラルネット
ワーク1の獲得するトラジェクトリを制御できる。な
お、以上は上記図2の「S3 ニューラルネットワークに
よる基準モデル構築(学習)」に対応する。
【0099】(E)基準信号と実測値の比較評価手法。
ニューラルネットワークによって構築された振動モデル
と観測値とを比較する際に、それらの振幅の違いも重要
な監視診断における情報であるが、振幅に現われない変
化を検出するためには、それらの波形の間の位相のずれ
の評価が必要となる。上記「従来の技術」及び「発明が
解決しょうとする課題」において説明したように、2つ
の波形の間で位相の変化を評価するためには、何らかの
基準を以てある時刻における波形の位相を揃える必要が
ある。
ニューラルネットワークによって構築された振動モデル
と観測値とを比較する際に、それらの振幅の違いも重要
な監視診断における情報であるが、振幅に現われない変
化を検出するためには、それらの波形の間の位相のずれ
の評価が必要となる。上記「従来の技術」及び「発明が
解決しょうとする課題」において説明したように、2つ
の波形の間で位相の変化を評価するためには、何らかの
基準を以てある時刻における波形の位相を揃える必要が
ある。
【0100】本手法では疑似位相モデル構築過程として
は、図6の疑似位相モデル構築フロー図に示すように、
S20(処理ステップ)基準データの時差座標Xと対応す
る標準データの位相θより教師データを作成する。さら
に、S21教師データの分割、S22複数のニューラルネッ
トワークによる位相モデル構築(学習)し、S23で判断
して、学習誤差大の時は前記S22へ、また学習誤差大で
ない場合は、S24学習の終了(位相モデル構築の完了)
とする。
は、図6の疑似位相モデル構築フロー図に示すように、
S20(処理ステップ)基準データの時差座標Xと対応す
る標準データの位相θより教師データを作成する。さら
に、S21教師データの分割、S22複数のニューラルネッ
トワークによる位相モデル構築(学習)し、S23で判断
して、学習誤差大の時は前記S22へ、また学習誤差大で
ない場合は、S24学習の終了(位相モデル構築の完了)
とする。
【0101】上記図6に示すように、ハードウェアの改
造や拡張を伴わない位相評価手法について提案する。 [手順E−1]位相情報の作成。観測値から初期状態に
与えられたニューラルネットワーク1の出力の時間発展
及び観測値から時差座標により構成される位相空間上の
状態Xを入力として、位相情報を出力する位相モデルを
作成する。
造や拡張を伴わない位相評価手法について提案する。 [手順E−1]位相情報の作成。観測値から初期状態に
与えられたニューラルネットワーク1の出力の時間発展
及び観測値から時差座標により構成される位相空間上の
状態Xを入力として、位相情報を出力する位相モデルを
作成する。
【0102】なお、この位相モデルは、振動モデルと同
様にニューラルネットワーク1によって構成される。ま
た、前記(C)「教師データの補正手法」において、ベ
イスィンの情報を作成する時に用いられた、空間的に対
称な構造を持つリミットサイクルをここでも用いて、前
記式(7)を基にして疑似的な位相の教師データを作成
し、ニューラルネットに学習させる。
様にニューラルネットワーク1によって構成される。ま
た、前記(C)「教師データの補正手法」において、ベ
イスィンの情報を作成する時に用いられた、空間的に対
称な構造を持つリミットサイクルをここでも用いて、前
記式(7)を基にして疑似的な位相の教師データを作成
し、ニューラルネットに学習させる。
【0103】この時θ=0をリミットサイクルの位相図
上のどこにするかは任意である。なお以上は、上記図5
「C.位相情報の作成」に対応する。前記「[手順C−
4]教師データの補正」に従い、リミットサイクル上の
区間と、観測から得られたトラジェクトリ上の区間とを
対応付ける変換行列Aによって、観測から得られたトラ
ジェクトリ上の点X(t)={x(t),x(t+
τ)}と、リミットサイクル上の点のθを対応付けす
る。
上のどこにするかは任意である。なお以上は、上記図5
「C.位相情報の作成」に対応する。前記「[手順C−
4]教師データの補正」に従い、リミットサイクル上の
区間と、観測から得られたトラジェクトリ上の区間とを
対応付ける変換行列Aによって、観測から得られたトラ
ジェクトリ上の点X(t)={x(t),x(t+
τ)}と、リミットサイクル上の点のθを対応付けす
る。
【0104】即ち、変換行列Aによってリミットサイク
ル上の点Xsから、写像される観測から得られたトラジ
ェクトリ上の点Xoは、リミットサイクル上の点Xsの
位相情報θを持つのである。これを観測から得られたト
ラジェクトリ上の点Xoの疑似位相とする。
ル上の点Xsから、写像される観測から得られたトラジ
ェクトリ上の点Xoは、リミットサイクル上の点Xsの
位相情報θを持つのである。これを観測から得られたト
ラジェクトリ上の点Xoの疑似位相とする。
【0105】この疑似位相のモデルを構築するニューラ
ルネットワーク1に与える教師データは、前記入力層ユ
ニット2に対応するトラジェクトリ上の点X、出力層ユ
ニット4に対応する位相θ(X)よりなる。この教師デ
ータを学習することによって、ニューラルネットワーク
1上に目的とする疑似位相モデルが構築される。本手法
における監視診断対象は周期的な振動現象であり、ニュ
ーラルネットワーク1による疑似位相モデルの構築に際
しては、次のことに注意しなければならない。
ルネットワーク1に与える教師データは、前記入力層ユ
ニット2に対応するトラジェクトリ上の点X、出力層ユ
ニット4に対応する位相θ(X)よりなる。この教師デ
ータを学習することによって、ニューラルネットワーク
1上に目的とする疑似位相モデルが構築される。本手法
における監視診断対象は周期的な振動現象であり、ニュ
ーラルネットワーク1による疑似位相モデルの構築に際
しては、次のことに注意しなければならない。
【0106】前記のように位相情報を作成する際に、リ
ミットサイクル上のどの点をθ=0とするかは任意であ
るが、この点は同時にθ=2πでもある。即ちこの点
は、前記説明した手法に従うと、2つの解(θ=0及び
θ=2π)を持つことになり、ニューラルネットワーク
1においては、このような教師データを学習することは
できない。
ミットサイクル上のどの点をθ=0とするかは任意であ
るが、この点は同時にθ=2πでもある。即ちこの点
は、前記説明した手法に従うと、2つの解(θ=0及び
θ=2π)を持つことになり、ニューラルネットワーク
1においては、このような教師データを学習することは
できない。
【0107】そこで、少なくとも2つのニューラルネッ
トワークにより、疑似位相モデルを構築する必要があ
り、一方のニューラルネットワークはθ=0を含む領域
の教師データを学習し、もう一方のニューラルネットワ
ークがθ=2πを含む領域の教師データを学習すること
で、同問題を回避した疑似位相モデルを構築する。
トワークにより、疑似位相モデルを構築する必要があ
り、一方のニューラルネットワークはθ=0を含む領域
の教師データを学習し、もう一方のニューラルネットワ
ークがθ=2πを含む領域の教師データを学習すること
で、同問題を回避した疑似位相モデルを構築する。
【0108】[手順E−2]基準データと実測値の比較
評価。任意の時刻において観測された時系列から、時差
座標(式(4),(10)参照)により1周期分のトラ
ジェクトリXo(t)を構成する。この観測値より構成
されたトラジェクトリが監視診断対象である。次に、こ
のトラジェクトリにおいて、一番初期の状態をニューラ
ルネットワーク1によって構築された振動モデルの初期
値とし、この時間発展により基準となるトラジェクトリ
Xs(t)を作成する。
評価。任意の時刻において観測された時系列から、時差
座標(式(4),(10)参照)により1周期分のトラ
ジェクトリXo(t)を構成する。この観測値より構成
されたトラジェクトリが監視診断対象である。次に、こ
のトラジェクトリにおいて、一番初期の状態をニューラ
ルネットワーク1によって構築された振動モデルの初期
値とし、この時間発展により基準となるトラジェクトリ
Xs(t)を作成する。
【0109】これら2つのトラジェクトリXo(t)及
びXs(t)の形、あるいはXo(t)及びXs(t)
の1成分の振幅の比較において違いが検出された場合
に、何らかの異常が生じたと判断される。さらに、2つ
のトラジェクトリXo(t)とXs(t)の位相を、ニ
ューラルネットワーク1によって構築された疑似位相モ
デルによって評価し、それら位相の間に違いが生じた場
合に、たとえトラジェクトリXo(t)及びXs(t)
の1成分の振幅に違いが見られなくても、何らかの異常
が生じたと判断される。
びXs(t)の形、あるいはXo(t)及びXs(t)
の1成分の振幅の比較において違いが検出された場合
に、何らかの異常が生じたと判断される。さらに、2つ
のトラジェクトリXo(t)とXs(t)の位相を、ニ
ューラルネットワーク1によって構築された疑似位相モ
デルによって評価し、それら位相の間に違いが生じた場
合に、たとえトラジェクトリXo(t)及びXs(t)
の1成分の振幅に違いが見られなくても、何らかの異常
が生じたと判断される。
【0110】次に、上記周期的振動現象監視診断手法に
おける適用例及び手順について説明する。図7の監視診
断手法適用のブロック構成図に示すように、周期的振動
現象監視診断方法においては、監視診断対象13からセン
サ14によって測定された信号15は、サンプリング手段16
を介して時差座標によるトラジェクトリ構成に用いられ
る。
おける適用例及び手順について説明する。図7の監視診
断手法適用のブロック構成図に示すように、周期的振動
現象監視診断方法においては、監視診断対象13からセン
サ14によって測定された信号15は、サンプリング手段16
を介して時差座標によるトラジェクトリ構成に用いられ
る。
【0111】このトラジェクトリの一番初期の状態を、
ニューラルネットワーク1により構築された振動モデル
17の初期値とし、この時間発展により基準となるトラジ
ェクトリを得る。さらに、2つのトラジェクトリの状態
は、振動モデルの出力18とトラジェクトリの再編成19を
介して振幅形の比較を行い、同じ特性の疑似位相モデル
20,21にそれぞれ送られて、疑似位相の比較による位相
情報の評価を得る。
ニューラルネットワーク1により構築された振動モデル
17の初期値とし、この時間発展により基準となるトラジ
ェクトリを得る。さらに、2つのトラジェクトリの状態
は、振動モデルの出力18とトラジェクトリの再編成19を
介して振幅形の比較を行い、同じ特性の疑似位相モデル
20,21にそれぞれ送られて、疑似位相の比較による位相
情報の評価を得る。
【0112】また、前記のシステムの構築及び適用の手
順は、図8の監視診断手法適用のフロー図に示すよう
に、先ず、監視診断対象である系の正常時のデータであ
るS30(処理ステップ)振動現象のサンプリング(観察
1)から、S31教師データの作成及びその補正により、
S32振動モデル22の構築と、S33疑似位相モデル23を構
築する。
順は、図8の監視診断手法適用のフロー図に示すよう
に、先ず、監視診断対象である系の正常時のデータであ
るS30(処理ステップ)振動現象のサンプリング(観察
1)から、S31教師データの作成及びその補正により、
S32振動モデル22の構築と、S33疑似位相モデル23を構
築する。
【0113】次に、前記構築された振動モデル22と疑似
位相モデル23を監視診断に用いて、監視診断対象である
系のデータであるS34振動現象のサンプリング(観察
2)と、S35振動モデル(22)の初期値から、S36振動
モデルよりトラジェクトリを求める。
位相モデル23を監視診断に用いて、監視診断対象である
系のデータであるS34振動現象のサンプリング(観察
2)と、S35振動モデル(22)の初期値から、S36振動
モデルよりトラジェクトリを求める。
【0114】また、前記S34振動現象のサンプリング
(観察2)より、S37時系列データからトラジェクトリ
を再構成し、前記2つのトラジェクトリをS38比較し
て、S39振幅、トラジェクトリの形の差異大を評価し、
違いを検出した場合にはS40異常と判定し、違いが検出
されない場合は、S41異常とはいえないと判定する。
(観察2)より、S37時系列データからトラジェクトリ
を再構成し、前記2つのトラジェクトリをS38比較し
て、S39振幅、トラジェクトリの形の差異大を評価し、
違いを検出した場合にはS40異常と判定し、違いが検出
されない場合は、S41異常とはいえないと判定する。
【0115】一方、前記S37時系列データからのトラジ
ェクトリによるS42疑似位相モデル23と、前記S36振動
モデルより求めたトラジェクトリによるS43疑似位相モ
デル23とをS44比較して、S45疑似位相の差異大を評価
し、違いを検出した場合にはS40異常と判定し、違いが
検出されなかった場合には、S41異常とはいえないと判
定する。
ェクトリによるS42疑似位相モデル23と、前記S36振動
モデルより求めたトラジェクトリによるS43疑似位相モ
デル23とをS44比較して、S45疑似位相の差異大を評価
し、違いを検出した場合にはS40異常と判定し、違いが
検出されなかった場合には、S41異常とはいえないと判
定する。
【0116】なお、前記S39振幅、トラジェクトリの形
の差異大の評価、及びS45疑似位相の差異大の評価のい
ずれか一方で、異常と判定された場合には、監視診断対
象である系に異常が発生したものと判断される。
の差異大の評価、及びS45疑似位相の差異大の評価のい
ずれか一方で、異常と判定された場合には、監視診断対
象である系に異常が発生したものと判断される。
【0117】以下、振動モデル17及び疑似位相モデル2
0,21について説明する。図9のトラジェクトリ図は、v
an der Pol の方程式(公知文献5.戸田盛和,波動と
非線形問題30講,朝倉書店(1995))である次の式(1
3)により、x(t)を観測された信号と見立て、その
時差座標により再構成されたトラジェクトリ24を示す。
0,21について説明する。図9のトラジェクトリ図は、v
an der Pol の方程式(公知文献5.戸田盛和,波動と
非線形問題30講,朝倉書店(1995))である次の式(1
3)により、x(t)を観測された信号と見立て、その
時差座標により再構成されたトラジェクトリ24を示す。
【0118】
【数4】
【0119】なお、ここではパラメータε=2.0を採
用し、振動モデル17を構築するニューラルネットワーク
1は、このトラジェクトリ上のベクトル場とリミットサ
イクルのベイスィンから写像されたベイスィンを学習す
ることになる。
用し、振動モデル17を構築するニューラルネットワーク
1は、このトラジェクトリ上のベクトル場とリミットサ
イクルのベイスィンから写像されたベイスィンを学習す
ることになる。
【0120】図10のベイスィンの写像図は、(a)にリ
ミットサイクル25とそのベイスィン上の点26を、また、
(b)は観測から得たトラジェクトリ27と、リミットサ
イクルから写像されたベイスィン上の点28を示したもの
である。前記(C)「教師データの補正手法」において
示された手法により求められた変換行列Aによって、空
間的に対称な構造を持つリミットサイクルのある空間か
ら、上記図9のトラジェクトリ29の空間への写像の様子
を示している。
ミットサイクル25とそのベイスィン上の点26を、また、
(b)は観測から得たトラジェクトリ27と、リミットサ
イクルから写像されたベイスィン上の点28を示したもの
である。前記(C)「教師データの補正手法」において
示された手法により求められた変換行列Aによって、空
間的に対称な構造を持つリミットサイクルのある空間か
ら、上記図9のトラジェクトリ29の空間への写像の様子
を示している。
【0121】また、上記図10(a)のリミットサイクル
25周辺の空間に点26で示される状態は、観測から得られ
たトラジェクトリの回りの空間の点で示される位置に写
像される。ここで注目されるのは、上記図10(b)に示
す観測から得られたトラジェクトリ27の構造が、複雑な
所ほど写像されたベイスィン上の点28が密集しているこ
とである。
25周辺の空間に点26で示される状態は、観測から得られ
たトラジェクトリの回りの空間の点で示される位置に写
像される。ここで注目されるのは、上記図10(b)に示
す観測から得られたトラジェクトリ27の構造が、複雑な
所ほど写像されたベイスィン上の点28が密集しているこ
とである。
【0122】これにより、トラジェクトリ27の内側と外
側のベイスィンにおいて、トラジェクトリ27上にない点
がトラジェクトリ27に限りなく近付くための成分のバラ
ンスが取れていれば、ニューラルネットワーク1の解の
時間発展として得られる複雑な構造のトラジェクトリを
安定化することができる。
側のベイスィンにおいて、トラジェクトリ27上にない点
がトラジェクトリ27に限りなく近付くための成分のバラ
ンスが取れていれば、ニューラルネットワーク1の解の
時間発展として得られる複雑な構造のトラジェクトリを
安定化することができる。
【0123】図11のトラジェクトリ図は、ニューラルネ
ットワーク1が獲得したトラジェクトリと、教師データ
として与えたトラジェクトリを示したもので、教師デー
タとして与えたトラジェクトリ29(実線)に対する、ニ
ューラルネットワークが獲得したトラジェクトリ30,31
(破線)を示す。
ットワーク1が獲得したトラジェクトリと、教師データ
として与えたトラジェクトリを示したもので、教師デー
タとして与えたトラジェクトリ29(実線)に対する、ニ
ューラルネットワークが獲得したトラジェクトリ30,31
(破線)を示す。
【0124】なお、トラジェクトリ30(破線)は、ベイ
スィンを調整しなかった場合であり、本来獲得すべきト
ラジェクトリよりもその大きさが小さい。これは、前記
の(E)「基準信号と実測値の比較評価手法」におけ
る、トラジェクトリの内側のベイスィンにおいてトラジ
ェクトリ上にない点がトラジェクトリに限りなく近付く
ための成分がトラジェクトリの外側のそれに比べ小さい
ためである。
スィンを調整しなかった場合であり、本来獲得すべきト
ラジェクトリよりもその大きさが小さい。これは、前記
の(E)「基準信号と実測値の比較評価手法」におけ
る、トラジェクトリの内側のベイスィンにおいてトラジ
ェクトリ上にない点がトラジェクトリに限りなく近付く
ための成分がトラジェクトリの外側のそれに比べ小さい
ためである。
【0125】また、トラジェクトリ31(破線)は、トラ
ジェクトリ29(実線)の内側のベイスィンにおいて、ト
ラジェクトリ27上にない点がトラジェクトリ27に限りな
く近付くための成分を4倍にした場合である。但し、ト
ラジェクトリ31の外側の同成分の大きさを、絶対値にお
いて超えないように調整してある。このトラジェクトリ
31の場合の同成分については、図12のトラジェクトリに
限りなく近付くための成分の絶対値の分布図に示す。
ジェクトリ29(実線)の内側のベイスィンにおいて、ト
ラジェクトリ27上にない点がトラジェクトリ27に限りな
く近付くための成分を4倍にした場合である。但し、ト
ラジェクトリ31の外側の同成分の大きさを、絶対値にお
いて超えないように調整してある。このトラジェクトリ
31の場合の同成分については、図12のトラジェクトリに
限りなく近付くための成分の絶対値の分布図に示す。
【0126】なお、図12(a)はトラジェクトリ周囲の
同成分の絶対値を等高線32と、x(t+τ)=0の軸線
33を示し、図12(b)は(a)におけるx(t+τ)=
0における断面を示していて、|dr/dt|=0の位
置がリミットサイクル34となることから、ニューラルネ
ットワークによる振動モデルの構築が実証できた。
同成分の絶対値を等高線32と、x(t+τ)=0の軸線
33を示し、図12(b)は(a)におけるx(t+τ)=
0における断面を示していて、|dr/dt|=0の位
置がリミットサイクル34となることから、ニューラルネ
ットワークによる振動モデルの構築が実証できた。
【0127】ニューラルネットワークによる疑似位相モ
デル20,21については、図13のニューラルネットワーク
による疑似位相モデルの構成図に示す。前記(E)「基
準信号と実測値の比較評価手法」にあるように、この実
施例ではニューラルネットワーク35として、第1ニュー
ラルネットワーク36及び第2ニューラルネットワーク37
の2つのニューラルネットワークと、切替手段38により
構成して、同一の点がθ=0及びθ=2πといった2つ
の値を持つ問題を解決している。
デル20,21については、図13のニューラルネットワーク
による疑似位相モデルの構成図に示す。前記(E)「基
準信号と実測値の比較評価手法」にあるように、この実
施例ではニューラルネットワーク35として、第1ニュー
ラルネットワーク36及び第2ニューラルネットワーク37
の2つのニューラルネットワークと、切替手段38により
構成して、同一の点がθ=0及びθ=2πといった2つ
の値を持つ問題を解決している。
【0128】具体的には振動モデル17であるニューラル
ネットワークが獲得したトラジェクトリX=(x1 ,x
2 )を、x1 ≧0とx1 <0の2つの領域に分け、これ
らを領域1、領域2として、第1ニューラルネットワー
ク36と第2ニューラルネットワーク37に入力させる。
ネットワークが獲得したトラジェクトリX=(x1 ,x
2 )を、x1 ≧0とx1 <0の2つの領域に分け、これ
らを領域1、領域2として、第1ニューラルネットワー
ク36と第2ニューラルネットワーク37に入力させる。
【0129】図14のトラジェクトリの分割と位相情報の
対応図に示すように、トラジェクトリ上の点Xθoを領
域1ではθ=0、領域2ではθ=2πとして位相情報を
作成する。先ず、領域1における位相情報を、上記図13
に示すニューラルネットワーク35の第1ニューラルネッ
トワーク34への教師データとし、領域2における位相情
報を第2ニューラルネットワーク35への教師データとし
て各々に学習を行った。
対応図に示すように、トラジェクトリ上の点Xθoを領
域1ではθ=0、領域2ではθ=2πとして位相情報を
作成する。先ず、領域1における位相情報を、上記図13
に示すニューラルネットワーク35の第1ニューラルネッ
トワーク34への教師データとし、領域2における位相情
報を第2ニューラルネットワーク35への教師データとし
て各々に学習を行った。
【0130】この教師データは、第1及び第2ニューラ
ルネットワーク36,37における入力層に対応するトラジ
ェクトリの状態X=(x1 ,x2 )と、出力層に対応す
る位相θより構成される。実際の位相の評価において
は、入力となるトラジェクトリの状態X=(x1 ,
x2 )の値に応じて、第1ニューラルネットワーク36
(x1 ≧0の場合)、あるいは第2ニューラルネットワ
ーク37(x1 <0の場合)を切替手段36により切り替え
て用いる。
ルネットワーク36,37における入力層に対応するトラジ
ェクトリの状態X=(x1 ,x2 )と、出力層に対応す
る位相θより構成される。実際の位相の評価において
は、入力となるトラジェクトリの状態X=(x1 ,
x2 )の値に応じて、第1ニューラルネットワーク36
(x1 ≧0の場合)、あるいは第2ニューラルネットワ
ーク37(x1 <0の場合)を切替手段36により切り替え
て用いる。
【0131】図15の位相評価特性図において、(a)は
基準信号と評価対象信号を、(b)は前記基準信号と評
価対象信号を疑似位相モデルによる評価を示している。
この同ニューラルネットワークによる、疑似位相モデル
を用いた信号の位相評価の例では、上記図15(a)で基
準信号39(破線)に対して、評価すべき評価対象信号40
(実線)の振幅に大きな変化は見られないが、図15
(b)における疑似位相モデルによる評価においては、
基準信号41(破線)と評価対象信号42(実線)により、
その違いを明確にできる。
基準信号と評価対象信号を、(b)は前記基準信号と評
価対象信号を疑似位相モデルによる評価を示している。
この同ニューラルネットワークによる、疑似位相モデル
を用いた信号の位相評価の例では、上記図15(a)で基
準信号39(破線)に対して、評価すべき評価対象信号40
(実線)の振幅に大きな変化は見られないが、図15
(b)における疑似位相モデルによる評価においては、
基準信号41(破線)と評価対象信号42(実線)により、
その違いを明確にできる。
【0132】また、このことは、図16のトラジェクトリ
形の比較図に示すように、基準信号のトラジェクトリ43
と、評価対象信号のトラジェクトリ44の形からも判断す
ることができる。以上から、疑似位相モデル20,21の導
入により、位相評価手段としてハードウェアの改造なし
に、基準信号と実測された信号との間の位相の差を評価
できることが実証できた。
形の比較図に示すように、基準信号のトラジェクトリ43
と、評価対象信号のトラジェクトリ44の形からも判断す
ることができる。以上から、疑似位相モデル20,21の導
入により、位相評価手段としてハードウェアの改造なし
に、基準信号と実測された信号との間の位相の差を評価
できることが実証できた。
【0133】これにより本発明では、(a)観測からそ
のベイスィンの構造が不明な振動系のモデルをニューラ
ルネットワークによって構築する際に、安定なリミット
サイクルのベイスィン構造を基にして教師データを補う
ことができる。また、学習結果を教師データにフィード
バックさせることによって、ニューラルネットワークが
獲得した力学特性を安定化し、かつ、学習結果を観測さ
れた振動系の挙動により合わせるための補正ができる。
従ってこれらにより、観測データに根ざした誤差の少な
い安定なモデルを構築することができる。
のベイスィンの構造が不明な振動系のモデルをニューラ
ルネットワークによって構築する際に、安定なリミット
サイクルのベイスィン構造を基にして教師データを補う
ことができる。また、学習結果を教師データにフィード
バックさせることによって、ニューラルネットワークが
獲得した力学特性を安定化し、かつ、学習結果を観測さ
れた振動系の挙動により合わせるための補正ができる。
従ってこれらにより、観測データに根ざした誤差の少な
い安定なモデルを構築することができる。
【0134】(b)振動系のモデルを構築することによ
って、振動系の監視診断において観測信号とモデルの出
力の比較を行う際に、任意の時刻の観測値をモデルの初
期値とすることができる。このために、振動系の位相検
出のための手段を必要としないので、ハードウェアの直
接的な改造や工夫が不要となる。
って、振動系の監視診断において観測信号とモデルの出
力の比較を行う際に、任意の時刻の観測値をモデルの初
期値とすることができる。このために、振動系の位相検
出のための手段を必要としないので、ハードウェアの直
接的な改造や工夫が不要となる。
【0135】(c)ベイスィン構造を作成する際に用い
られたリミットサイクルの位相を基にして疑似位相モデ
ルを構築するために、前記(b)と同様に振動系の詳細
な位相検出のためのハードウェア上の手段が必要ない。
また、ニューラルネットワークに疑似位相モデルを構築
する際に用いる教師データを工夫することにより、監視
診断対象である振動データの位相の変化に対する検出精
度を向上することができる。
られたリミットサイクルの位相を基にして疑似位相モデ
ルを構築するために、前記(b)と同様に振動系の詳細
な位相検出のためのハードウェア上の手段が必要ない。
また、ニューラルネットワークに疑似位相モデルを構築
する際に用いる教師データを工夫することにより、監視
診断対象である振動データの位相の変化に対する検出精
度を向上することができる。
【0136】
【発明の効果】以上本発明によれば、各種プラントの工
学システムにおいて、回転体等の振動データを診断する
際の基準となるデータをニューラルネットワークによる
振動モデルとして得ると共に、限られた実測データより
作成された教師データを学習することで、構築するニュ
ーラルネットワークの振動モデルを安定化させることが
できる。
学システムにおいて、回転体等の振動データを診断する
際の基準となるデータをニューラルネットワークによる
振動モデルとして得ると共に、限られた実測データより
作成された教師データを学習することで、構築するニュ
ーラルネットワークの振動モデルを安定化させることが
できる。
【0137】さらに、この振動モデルより得られる基準
データと実測値とを比較する際に、必要な位相を揃える
ためのハードウェアの改造を必要とせず、容易に高精度
の周期的振動現象の監視診断が行えることから、信頼性
と共に経済性も向上する。
データと実測値とを比較する際に、必要な位相を揃える
ためのハードウェアの改造を必要とせず、容易に高精度
の周期的振動現象の監視診断が行えることから、信頼性
と共に経済性も向上する。
【図1】本発明に係る一実施の形態の周期的振動現象監
視診断方法におけるニューラルネットワークの模式図構
成図。
視診断方法におけるニューラルネットワークの模式図構
成図。
【図2】本発明に係る一実施の形態の振動モデルの構築
フロー図。
フロー図。
【図3】本発明に係る一実施の形態のリミットサイクル
の相図。
の相図。
【図4】本発明に係る一実施の形態のリミットサイクル
の変化率分布図で、(a)は|dr/dt|の等高線、
(b)は(a)におけるy軸上(y=0)における|d
r/dt|の分布を示す。
の変化率分布図で、(a)は|dr/dt|の等高線、
(b)は(a)におけるy軸上(y=0)における|d
r/dt|の分布を示す。
【図5】本発明に係る一実施の形態の教師データの作成
フロー図。
フロー図。
【図6】本発明に係る一実施の形態の疑似位相モデル構
築フロー図。
築フロー図。
【図7】本発明に係る一実施の形態の監視診断手法適用
のブロック構成図。
のブロック構成図。
【図8】本発明に係る一実施の形態の監視診断手法適用
のフロー図。
のフロー図。
【図9】本発明に係る一実施の形態で、van der Pol の
方程式の解の時間発展から得られるトラジェクトリ図。
方程式の解の時間発展から得られるトラジェクトリ図。
【図10】本発明に係る一実施の形態のベイスィンの写
像図で、(a)はリミットサイクルとそのベイスィン上
の点、(b)は観測から得たトラジェクトリとリミット
サイクルから写像されたベイスィン上の点を示す。
像図で、(a)はリミットサイクルとそのベイスィン上
の点、(b)は観測から得たトラジェクトリとリミット
サイクルから写像されたベイスィン上の点を示す。
【図11】本発明に係る一実施の形態で、ニューラルネ
ットワークが獲得したトラジェクトリ図。
ットワークが獲得したトラジェクトリ図。
【図12】本発明に係る一実施の形態のトラジェクトリ
図で、(a)はトラジェクトリ周囲の成分の絶対値の分
布、(b)は(a)におけるx(t+τ)=0の断面を
示す。
図で、(a)はトラジェクトリ周囲の成分の絶対値の分
布、(b)は(a)におけるx(t+τ)=0の断面を
示す。
【図13】本発明に係る一実施の形態のニューラルネッ
トワークによる疑似位相モデルの模式構成図。
トワークによる疑似位相モデルの模式構成図。
【図14】本発明に係る一実施の形態のトラジェクトリ
の分割と位相情報の対応図。
の分割と位相情報の対応図。
【図15】本発明に係る一実施の形態の位相評価特性図
で、(a)は基準信号と評価対象信号、(b)は基準信
号と評価対象信号の疑似位相モデルによる評価の位相を
示す。
で、(a)は基準信号と評価対象信号、(b)は基準信
号と評価対象信号の疑似位相モデルによる評価の位相を
示す。
【図16】本発明に係る一実施の形態のトラジェクトリ
形の比較図。
形の比較図。
1…基準モデルのニューラルネットワーク、2…入力
層、3…中間層、4…出力層、5…結合、6…フィード
バック、7,12,25,34…リミットサイクル(極限軌
道)、8,9…初期値、10…等高線、11…y軸、13…監
視診断対象、14…センサ、15…信号、16…サンプリング
手段、17,22…振動モデル、18…振動モデルの出力、19
…トラジェクトリの再構成、20,21,23…疑似位相モデ
ル、24,29…トラジェクトリ、26…リミットサイクルの
ベイスィン上の点、27…観測から得たトラジェクトリ、
28…リミットサイクルから写像されたベイスィン上の
点、29…教師データとして与えたトラジェクトリ、30…
獲得したトラジェクトリでベイスィン調整なし、31…獲
得したトラジェクトリでベイスィン調整あり、32…等高
線、33…軸線、35…疑似位相モデルのニューラルネット
ワーク、36…第1ニューラルネットワーク、37…第2ニ
ューラルネットワーク、38…切替手段、39,41…基準信
号、40,42…評価対象信号、43…基準信号のトラジェク
トリ、44…評価対象信号のトラジェクトリ、S1 〜
S8 ,S10〜S18,S20〜S24,S30〜S45…処理ステ
ップ。
層、3…中間層、4…出力層、5…結合、6…フィード
バック、7,12,25,34…リミットサイクル(極限軌
道)、8,9…初期値、10…等高線、11…y軸、13…監
視診断対象、14…センサ、15…信号、16…サンプリング
手段、17,22…振動モデル、18…振動モデルの出力、19
…トラジェクトリの再構成、20,21,23…疑似位相モデ
ル、24,29…トラジェクトリ、26…リミットサイクルの
ベイスィン上の点、27…観測から得たトラジェクトリ、
28…リミットサイクルから写像されたベイスィン上の
点、29…教師データとして与えたトラジェクトリ、30…
獲得したトラジェクトリでベイスィン調整なし、31…獲
得したトラジェクトリでベイスィン調整あり、32…等高
線、33…軸線、35…疑似位相モデルのニューラルネット
ワーク、36…第1ニューラルネットワーク、37…第2ニ
ューラルネットワーク、38…切替手段、39,41…基準信
号、40,42…評価対象信号、43…基準信号のトラジェク
トリ、44…評価対象信号のトラジェクトリ、S1 〜
S8 ,S10〜S18,S20〜S24,S30〜S45…処理ステ
ップ。
Claims (6)
- 【請求項1】 各種プラント等の工学システムを構成す
る機器から観測される周期的振動に係る周期的振動現象
監視診断方法において、観測された時系列データより再
構成されたトラジェクトリを基にして教師データを作成
すると共に、ニューラルネットワークによる振動モデル
を構築して、任意の時刻において観測された時系列デー
タとこの時系列データより初期値を与えられた前記ニュ
ーラルネットワークにより構築された振動モデルの出力
の時間発展を比較することを特徴とする周期的振動現象
監視診断方法。 - 【請求項2】 前記ニューラルネットワークによる振動
モデルの構築に際して、観測からは得られない力学系の
トラジェクトリの周りの吸引領域であるベイスィンの情
報を空間的に対称な構造を持つリミットサイクルのベイ
スィンから合成すると共に、教師データを補正して、前
記ニューラルネットワークによる振動モデルを安定化さ
せることを特徴とする請求項1記載の周期的振動現象監
視診断方法。 - 【請求項3】 前記ニューラルネットワークが獲得すべ
きトラジェクトリとニューラルネットワークが学習の結
果獲得したトラジェクトリと比較して、それらの間に差
がある場合に空間的に対称な構造を持つリミットサイク
ルより合成されて教師データに付加されたベクトルの勾
配に相当するベイスィンの情報を修正して、前記ニュー
ラルネットワークの学習を補正することを特徴とする請
求項1記載の周期的振動現象監視診断方法。 - 【請求項4】 前記ニューラルネットワークによる振動
モデルの出力と観測データの比較において、前記振動モ
デルの出力と観測データを入力して診断の基準となる位
相情報を出力するニューラルネットワークにより構築さ
れる位相モデルを用いることを特徴とする請求項1記載
の周期的振動現象監視診断方法。 - 【請求項5】 前記位相情報を出力する位相モデルを複
数のニューラルネットワークにより構築することを特徴
とする請求項4記載の周期的振動現象監視診断方法。 - 【請求項6】 前記位相情報を出力するニューラルネッ
トワークによる位相モデルの構築に際して、前記観測か
らは得られない力学系のトラジェクトリの周りの吸引領
域であるベイスィンの情報を空間的に対称な構造を持つ
リミットサイクルの位相情報より教師データを作成する
ことを特徴とする請求項2及び請求項4記載の周期的振
動現象監視診断方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35667497A JPH11183246A (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 周期的振動現象監視診断方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35667497A JPH11183246A (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 周期的振動現象監視診断方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11183246A true JPH11183246A (ja) | 1999-07-09 |
Family
ID=18450225
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35667497A Pending JPH11183246A (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 周期的振動現象監視診断方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11183246A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003149043A (ja) * | 2001-11-16 | 2003-05-21 | Toshiba Corp | 回転機械の振動診断方法及び装置 |
JP2003290894A (ja) * | 2002-04-01 | 2003-10-14 | Thermo Techno:Kk | 溶融金属移送ノズル内流動状態検知方法及びその装置 |
CN110579354A (zh) * | 2019-10-16 | 2019-12-17 | 西安交通大学 | 一种基于卷积神经网络的轴承检测方法 |
CN113566953A (zh) * | 2021-09-23 | 2021-10-29 | 中国空气动力研究与发展中心设备设计与测试技术研究所 | 一种柔壁喷管的在线监测方法 |
WO2023042895A1 (ja) * | 2021-09-17 | 2023-03-23 | 京セラ株式会社 | 学習済みモデル生成方法、推論装置、及び学習済みモデル生成装置 |
-
1997
- 1997-12-25 JP JP35667497A patent/JPH11183246A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003149043A (ja) * | 2001-11-16 | 2003-05-21 | Toshiba Corp | 回転機械の振動診断方法及び装置 |
JP2003290894A (ja) * | 2002-04-01 | 2003-10-14 | Thermo Techno:Kk | 溶融金属移送ノズル内流動状態検知方法及びその装置 |
CN110579354A (zh) * | 2019-10-16 | 2019-12-17 | 西安交通大学 | 一种基于卷积神经网络的轴承检测方法 |
WO2023042895A1 (ja) * | 2021-09-17 | 2023-03-23 | 京セラ株式会社 | 学習済みモデル生成方法、推論装置、及び学習済みモデル生成装置 |
CN113566953A (zh) * | 2021-09-23 | 2021-10-29 | 中国空气动力研究与发展中心设备设计与测试技术研究所 | 一种柔壁喷管的在线监测方法 |
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