JPH11182919A - 分岐チャンバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 現場施工作業が容易で、低コストの分岐チャ
ンバーを提供する。 【解決手段】 主管３に送風された空気を複数の分岐管
７に分配して送風する分岐チャンバー１である。該分岐
チャンバー１は一端に主管３が形成されると共に他端に
接続口部４を有するチャンバー本体２と、前記接続口部
４に連結された接続口部８を一端に有すると共に他端に
複数の分岐管７が形成された分岐部材６とからなる。前
記チャンバー本体２および前記分岐部材６が各々合成樹
脂により一体成形されている。前記チャンバー本体２は
ブロー成形により一体成形し、前記分岐部材６は射出成
形により一体成形するとよい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は空調された空気をダ
クトを介して複数の部屋に送風するための分岐チャンバ
ーに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、住宅等の各部屋を空調機を用いて
冷暖房することが行われている。空調機によって空調さ
れた空気は、通常、分岐チャンバーを介して各部屋に送
風される。

【０００３】前記分岐チャンバーとしては、図５に示す
ように、箱形のチャンバー本体５１の一端に空調機から
の空気をダクトを介して送風される主管５２が設けら
れ、他端には複数（図例では４個）の分岐管５３が設け
られている。そして、各分岐管５３から吹き出した空気
はダクトを介して各部屋に送風される。前記チャンバー
本体５１の上面の両端部には取付孔を有するフランジ部
５５が形成されており、例えば天井に設けられた吊りボ
ルト６０によって、分岐チャンバーは天井空間に取り付
けられる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の分岐チャンバー
は板金加工によって製作されていたため、プレス型、曲
げ型、抜き型等の金型が多数必要となるうえ、多数の板
金部材の組立品となるため、また部材の合わせ目が多
く、シール箇所も多くなるため、製作コストが高くつく
という問題がある。また、板金製品の分岐チャンバーは
重量がかさむため、現場での施工作業が大変である。さ
らには、結露による腐食を防止するためには防錆処理を
施す必要があるという問題もある。

【０００５】本発明はかかる問題に鑑みなされたもの
で、低コストで、現場施工作業も容易であり、さらに耐
食性に優れた分岐チャンバーを提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明の分岐チャンバー
は、主管に送風された空気を複数の分岐管に分配して送
風する分岐チャンバーにおいて、該分岐チャンバーは一
端に主管が形成されると共に他端に接続口部を有するチ
ャンバー本体と、前記接続口部に連結された接続口部を
一端に有すると共に他端に複数の分岐管が形成された分
岐部材とからなり、前記チャンバー本体および前記分岐
部材が各々合成樹脂により一体成形されている。

【０００７】本発明の分岐チャンバーは、チャンバー本
体と分岐部材とからなり、これらが各々合成樹脂により
一体成形されたものであるため、部品点数が少なく、各
部の製造、組立作業およびシール作業が容易であり、さ
らに軽量であるため現場施工も簡単に行うことができ
る。しかも耐腐食性にも優れるため、防錆処理も不要で
ある。

【０００８】特に、本発明では分岐チャンバーの形態に
着目して、分岐チャンバーを主管を備えたチャンバー本
体と、複数の分岐管を備えた分岐部材とに分けたため、
複雑形状の分岐部材を射出成形により容易に一体成形す
ることができる一方、チャンバー本体は量産性に優れた
ブロー成形により一体成形することができるようにな
り、チャンバー本体および分岐部材をそれぞれ上記の最
適な成形方法で一体成形することにより、一層の製造コ
ストの低減を図ることができる。

【０００９】また、前記チャンバー本体の接続口部の上
面部または下面部のいずれか一方に係合部を形成し、該
係合部に係止する第１係止部を前記分岐部材の接続口部
に設け、さらに取付金具を前記分岐部材に設けられた第
２係止部に係止した状態で前記チャンバー本体に付設す
ることで、チャンバー本体と分岐部材とを簡単かつ確実
に連結することができ、しかも取付金具により分岐チャ
ンバーを適宜の設置場所に安定的に取付支持することが
できる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図１および図２を参照して説明する。実施形態にかか
る分岐チャンバー１は、一端に主管３が形成されると共
に他端に接続口部４を有するチャンバー本体２と、前記
接続口部４に嵌合して連結された接続口部８を一端に有
すると共に他端に複数個（図例では６個）の分岐管７が
形成された分岐部材６とを備え、前記チャンバー本体２
と分岐部材６とを連結固定するとともに天井等の設置場
所に取り付けるための取付金具９が左右に一対付設され
ている。

【００１１】前記チャンバー本体２は高密度ポリエチレ
ンやポリプロピレン等の合成樹脂によりブロー成形され
たものである。前記主管３には小径管部１１と大径管部
１２とが連成されており、その境界部には切断を容易に
するためのＶ溝１３が形成されている。このため、空調
機に連通したダクトの口径に応じて小径管部１１あるい
は大径管部１２を適宜使用することができる。

【００１２】前記主管３と接続口部４との間には接続口
部４側に縦幅、横幅が拡大した中間部１５が形成されて
おり、図１および図３に示すように、接続口部４側の上
面両端部には前記取付金具９に開設された位置決め穴４
１に係合する位置決め凸部１６が左右に一対膨出状に形
成され、上面および下面の中央部には補強用の弧状凹部
１７が長さ方向に渡って一対形成されている。なお、該
中間部１５の上面あるいは下面と側面との隅部は曲面状
に形成されているので、該隅部には塵や埃が溜まりにく
い利点がある。

【００１３】また、前記接続口部４の周縁端部には、図
３に示すように、内側に曲げ形成されたフランジ部１８
が形成されており、その表面には多孔質合成樹脂帯から
なるシ−ル材１９が貼着されている。さらに、接続口部
４の下面部には、図４に示すように、接続口部４の外表
面から主管３側に立ち上がった傾斜面２１、中間部１５
から開口端側に延出した基部２３および前記傾斜面２１
の上端部から前記基部２３に垂下した係合面２２を有す
る係合部２０が３箇所突出形成されている。

【００１４】一方、前記分岐部材６はチャンバー本体２
と同様の合成樹脂により射出成形によって一体成形され
たものであり、分岐部材６の接続口部８は前記チャンバ
ー本体２の接続口部４に外嵌可能な寸法とされ、６個の
分岐管７が形成された前面部３１の裏面には補強用のリ
ブ３２が各分岐管７の近傍部に突設されている。前記接
続口部８の下面部には、図４に示すように、前記チャン
バー本体２の接続口部４に突設された係合部２０に各々
係合する門型の第１係止部３３が３箇所形成されてい
る。また、前面部３１の左右上端部には、図３に示すよ
うに、前記取付金具９の前端部に鉤状に形成された係合
溝部４２に係合する第２係止部３４が突設されている。

【００１５】分岐チャンバー１を組み立てるには、ま
ず、チャンバー本体２の接続口部４のフランジ部１８に
シール材１９を貼着しておき、該接続口部４に分岐部材
６の接続口部８を嵌着する。分岐チャンバー１の連結部
分は前記接続口部４，８のみであるため、シールすべき
部分は前記フランジ部１８のみであり、シール作業も簡
単であり、従来の板金製品の分岐チャンバーに比して組
み立てコストを著しく低減することができる。

【００１６】チャンバー本体２の接続口部４に分岐部材
６の接続口部８を嵌合させると、チャンバー本体２の接
続口部４に突設された係合部２０の傾斜面２１が分岐部
材６の接続口部８に形成された第１係止部３３の下壁３
５の内面に当接する。さらに嵌合を進めるととチャンバ
ー本体２の接続口部４が弾性変形して撓み、係合部２０
の傾斜面２１の上端部が係止部３４の内側に装入され、
該上端部が第１係止部３３の下壁３５を抜け出たところ
で係合部２０の係合面２２が第１係止部３３の下壁３５
の端面に係合し、抜け止めされる。

【００１７】次に、取付金具９の係合溝部４２を分岐部
材６の第２係止部３４に係止させた状態で、位置決め穴
４１をチャンバー本体２の位置決め凸部１６に嵌合して
位置決めする。そして、取付金具９に予め開設された連
結孔にドリル等を挿入し、チャンバー本体２の中間部１
４の上面部に貫通孔を開け、ブラインドリベット等の適
宜の連結部材４３によって取付金具９をチャンバー本体
２に固定する。

【００１８】前記係合部２０と第１係止部３３との係合
係止および取付金具９の係合溝部４２と第２係止部３４
との係合係止により、チャンバー本体２と分岐部材６と
は簡単確実に連結固定される。分岐チャンバー１は、取
付金具９の取付孔４４、４５に設置用の吊りボルトを挿
入固定して、あるいは設置面に雄ねじや釘を用いて直接
取り付けることができる。

【００１９】上記実施形態では、チャンバー本体２はブ
ロー成形により一体成形したものを示したが、射出成形
により成形してもよい。この場合、ブロー成形に比して
コスト高となるが、チャンバー本体がより複雑形状のも
の、例えばチャンバー本体の側面に枝管が形成されたも
のでも成形することができる。

【００２０】また、上記実施形態では、チャンバー本体
２と分岐部材６との下面部での連結を３組の係合部２０
と第１係止部３３とによって係合係止するようにした
が、すくなくとも１組の係合部２０と第１係止部３３が
あればよい。

【００２１】また、上記実施形態では、チャンバー本体
２と分岐部材６との連結を係合部２０と第１係止部３３
との係合係止および取付金具９の係合溝部４２と分岐部
材６の第２係止部３４との係合係止により行ったが、チ
ャンバー本体２の接続口部４の上面部および下面部の両
部に係合部２０を設け、一方分岐部材６の接続口部８に
前記係合部２０に係合する第１係止部２１を設けるよう
にしてもよい。さらに、前記係合部２０および第１係止
部２１を設けることなく、チャンバー本体２の接続口部
４と分岐部材６の接続口部８とを嵌着し、両部をブライ
ンドリベット等により適宜固定するだけでもよい。

【００２２】また、本実施形態では、取付金具９は分岐
部材６の第２係止部３４に係止された状態でチャンバー
本体２に付設したが、分岐部材６に係止されることな
く、単にチャンバー本体２のみに付設するようにしても
よい。もっとも、実施形態の取付金具９の固定方法によ
れば、取付金具９が分岐チャンバー１に対して強固に付
設されるため、所期の設置場所に分岐チャンバー１を安
定的に取付支持することができる。

【００２３】

【発明の効果】本発明の分岐チャンバーによれば、部品
点数が少なく、各部の製造、組立が容易であるため、製
造コストが低廉ですみ、しかも軽量であるため現場施工
作業性に優れ、耐腐食性にも優れる。

【００２４】特に、請求項２に記載したように、チャン
バー本体をブロー成形により一体成形することで、より
一層の製造コストの低減を図ることができる。

【００２５】また、請求項３に記載の連結構造とするこ
とで、チャンバー本体と分岐部材とを簡単かつ確実に連
結することができ、しかも分岐チャンバーを適宜の設置
場所に安定的に取付支持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施形態にかかる分岐チャンバーの一部切り欠
き平面図である。

【図２】同分岐チャンバーの正面図である。

【図３】図１のＡ方向部分断面図である。

【図４】係合部が形成されたチャンバー本体の接続口部
および第１係止部が形成された分岐部材の接続口部の部
分分解斜視図である。

【図５】従来の分岐チャンバーを示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 分岐チャンバー ２ チャンバー本体 ３ 主管 ４ 接続口部 ６ 分岐部材 ７ 分岐管 ８ 接続口部 ９ 取付金具 ２０ 係合部 ３３ 第１係止部 ３４ 第２係止部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 主管に送風された空気を複数の分岐管に
   分配して送風する分岐チャンバーにおいて、 前記分岐チャンバーは一端に主管が形成されると共に他
   端に接続口部を有するチャンバー本体と、前記接続口部
   に連結された接続口部を一端に有すると共に他端に複数
   の分岐管が形成された分岐部材とからなり、前記チャン
   バー本体および前記分岐部材は各々合成樹脂により一体
   成形されている分岐チャンバー。
2. 【請求項２】 前記チャンバー本体はブロー成形により
   一体成形され、かつ前記分岐部材は射出成形により一体
   成形された請求項１に記載した分岐チャンバー。
3. 【請求項３】 前記チャンバー本体の接続口部の上面部
   または下面部のいずれか一方に係合部が形成され、該係
   合部に係止する第１係止部が前記分岐部材の接続口部に
   設けられ、さらに取付金具が前記分岐部材に設けられた
   第２係止部に係止した状態で前記チャンバー本体に付設
   されている請求項１又は２に記載した分岐チャンバー。