JPH11182811A - 加圧流動床燃焼プラント - Google Patents

加圧流動床燃焼プラント

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JPH11182811A
JPH11182811A JP35307997A JP35307997A JPH11182811A JP H11182811 A JPH11182811 A JP H11182811A JP 35307997 A JP35307997 A JP 35307997A JP 35307997 A JP35307997 A JP 35307997A JP H11182811 A JPH11182811 A JP H11182811A
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JP
Japan
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fluidized bed
bed combustion
turbine
pressurized fluidized
gas
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JP35307997A
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English (en)
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Satoru Sato
知 佐藤
Fumiyuki Hirose
文之 広瀬
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスエキスパンダタービンの排気温度を過度
に上昇させることなく、窒素酸化物の発生量の増加を防
止して良好な環境特性を損なうことなく、プラントを起
動する手段を備えた加圧流動床燃焼プラントを提供す
る。 【解決手段】 ボイラ圧力容器2に流動床燃焼炉10を
有するボイラ本体1と、給炭装置3と、蒸気タービン4
と、蒸気タービン用発電機5と、復水器16と、燃焼用
空気を供給する圧縮機6と、圧縮機6と共軸のガスター
ビン7と、ガスタービン用モータ発電機8と、排熱回収
装置9とを含むプラントにおいて、空気流量調整手段1
2〜14,18,20と、プラントの運転状態量を検出
する検出手段34と、プラント起動時の運転状態量がプ
ラント構成機器の制約設定値または環境上の制約設定値
に達したときから、ボイラ圧力容器2に送風する空気流
量を調整する指令を前記空気流量調整手段に出力する制
御手段45を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加圧流動床燃焼
(PFBC)プラントに係り、特に、加圧流動床燃焼ボイ
ラから排出される窒素酸化物を削減するとともに、ガス
タービンの排気温度の過度の上昇を防止するため、加圧
流動床燃焼ボイラに送風する空気流量を調整する手段に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の加圧流動床燃焼プラントの系統構
成は、特開昭63−230827号公報,特開昭62−178731号公
報などに示されている。また、加圧流動床燃焼プラント
における燃料の制御や燃焼用空気の制御方法は、「Proce
edings of the AMERICAN POWERCONFERENCE」 1983 Vol.5
3-I p53などに記載されている。
【0003】図6は、従来の加圧流動床燃焼プラントの
一般的な系統構成を示す図である。図6において、加圧
流動床燃焼プラントは、石炭の燃焼により蒸気を発生す
るボイラ本体1と、ボイラ本体1に燃焼用空気を取り込
むボイラ圧力容器2と、石炭をボイラ本体1に供給する
給炭装置3と、ボイラ本体1から導入した蒸気により動
力を発生する蒸気タービン4と、蒸気タービン4の動力
により発電する蒸気タービン用発電機5と、前段側に入
口ガイドベーン12を配置され圧縮機インレットダクト
14から吸い込んだ空気をボイラ本体1に燃焼用空気と
して供給する圧縮機6と、圧縮機6と共軸でありボイラ
本体1で燃焼したガスを膨張させ動力を発生するガスエ
キスパンダタービン7と、ガスエキスパンダタービン7
の動力により発電するガスエキスパンダタービン用モー
タ発電機8と、熱交換によりガスエキスパンダタービン
7の排ガスの熱を回収して給水を加熱する排熱回収装置
9と、石炭を燃焼させる流動床燃焼炉10と、燃焼用空
気を流動床燃焼炉10に吹き込む燃焼空気ノズル11
と、圧縮機インレットガイドべーン12と、空気流量制
御減圧弁13と、圧縮機インレットダクト14と、排ガ
スを大気に放出する煙突15と、蒸気タービン4からの
蒸気を水に戻す復水器16と、弁17と、弁18と、弁
19とからなる。なお、圧縮機6,ガスエキスパンダタ
ービン7,ガスエキスパンダタービン用モータ発電機8
を総称して、「加圧流動床燃焼用ガスタービン」というこ
ともある。
【0004】圧縮機6から送風される加圧空気は、ボイ
ラ圧力容器2に送られる。燃焼空気ノズル11から流入
する加圧空気は、流動床燃焼炉10において、給炭装置
3から投入される石炭を燃焼させ、蒸気を発生させる。
発生した蒸気は、蒸気タービン4において膨張して動力
を発生し、蒸気タービン用発電機5により電気を発生さ
せる。燃焼した石炭および加圧空気は、流動床燃焼炉1
0において高温ガスとなり、ガスエキスパンダタービン
7において膨張して、動力を発生する。空気を加圧する
ために圧縮機6で必要となる動力は、この高温ガスのガ
スエキスパンダタービン7における膨張出力により賄わ
れる。ガスエキスパンダタービン用モータ発電機8は、
その際の余剰動力で、電気を発生する。
【0005】次に、加圧流動床燃焼プラントの起動につ
いて説明する。加圧流動床燃焼プラントにおいては、圧
縮機6からの送風空気をボイラ燃焼用空気として使用
し、蒸気を発生させるので、起動時に、各タービンが負
荷を受け持ち、蒸気タービン用発電機5とガスエキスパ
ンダタービン用モータ発電機8とから同時に電気を発生
させながら、順次起動するようなことはできない。ま
た、定格運転においても、ガスエキスパンダタービン7
に流入するガス温度が比較的低温(850℃)であるため
に、プラント全体の出力に占める加圧流動床燃焼用ガス
タービンの出力割合は、約20%程度であり、蒸気ター
ビン用発電機5の出力割合は、約80%程度となる。
【0006】したがって、プラントの起動時は、出力割
合が大きい蒸気系の起動に合わせるように、圧縮機6か
らの送風空気を調整することになる。この際、圧縮機6
からの送風は、通常のガスタービンの起動パターンとは
全く異なるスケジュールで、すなわち、ボイラ側の要求
に合わせて空気流量を調整し、運転することになる。ま
た、通常のガスタービンとは異なり、ガスエキスパンダ
タービン7側にガス温度を調整するガバナが無い加圧流
動床燃焼用ガスタービンにおいては、回転数および出力
を制御しない状態で、すなわち、動力を発生するか否か
にかかわらず、出たままの動力バランスで運転される。
ただし、起動用燃焼器を使用して先行的に系統に併入
し、ガスエキスパンダタービン用モータ発電機8をモー
タとして作用させ、系統周波数に同期した一定の回転数
で運転することはできる。
【0007】従来のガスタービンにおいては、起動時
に、軸停止状態から起動用モータにより低回転数まで回
転させた状態で燃料を燃焼器に投入し、定格回転数まで
昇速し、自らの圧縮機の動力をタービンで賄う定格速度
無負荷運転となる。この状態で系統に併入し、系統周波
数に同期させた後、燃料投入量を増加させ、燃焼温度を
上げ、定格出力まで負荷を上昇させる。この際、出力の
上昇は、主に(約70%)ガス温度の上昇によりなされて
おり、ガス量の増加は、2次的(約30%)に寄与する。
【0008】なお、圧縮機6の空気流量は、圧縮機6の
前段側に配置した入口ガイドベーン12により調整され
る。入口ガイドベーン12は、可変角度機構を持つ翼列
により流体の転向角を変えて空気流量を調整する機構で
あるので、効率の著しい低下がない流量調整範囲は、定
格空気流量の100%〜約70%程度となる。すなわ
ち、定格回転数無負荷運転状態での圧縮機の空気流量
は、定格(100%)から約70%程度までの範囲で調整
できる。
【0009】加圧流動床燃焼プラントの蒸気系の起動に
際しては、まず、加圧流動床燃焼ボイラにおいて石炭を
燃焼させなければならないから、熱風炉により流動床の
流動媒体を石炭の自燃温度まで加熱する。加熱した流動
床に石炭を投入し、燃焼熱により発生した蒸気を蒸気タ
ービンに投入し、低回転数から定格速度まで昇速し、系
統に併入した後に、ボイラへの送風空気量,燃料を増加
させ、蒸気量を増大させるとともに負荷を上昇させ、定
格負荷に至る。ボイラ起動から定格負荷までの操作にお
いて、空気流量を定格の約20%から増加させ、定格で
は100%とする。この際、加圧流動床燃焼用ガスター
ビンは、ボイラ起動に要求される空気流量を送風する。
既に述べたように、70%以下の空気流量調整が要求さ
れる範囲においては、圧縮機の空気流量が入口圧力に比
例するので、空気流量制御減圧弁13により圧縮機の入
口圧力を減圧し、空気流量を調整することになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】加圧流動床燃焼プラン
トにおいては、ボイラ起動に要求される空気流量を定格
の約20%から増加させる。その時には、当然のことな
がら、ガスエキスパンダタービンに流入するガス量も定
格の20%となる。
【0011】ガスエキスパンダタービンにおいては、定
格点において効率が最も高くなるように翼列の構造が設
計されている。したがって、起動時のガスエキスパンダ
タービン入口の圧力,ガス温度は、定格よりも低く、空
気流量が少なく、定格条件とはかけ離れた状態にある。
この低空気流量域でのガスエキスパンダタービンは、タ
ービン入口の圧力が低く、ガスが充分膨張できないの
で、熱落差がとれない。また、翼列への流入角が定格条
件とは違うため、タービンの動翼がガスをかき乱す状態
となり、風損が発生する。その結果、排気温度が高くな
っていた。
【0012】図7は、ガスエキスパンダタービンのガス
量および入口ガス温度をパラメータとして、ガスエキス
パンダタービンの排気温度の特性を示す図である。排ガ
ス温度は、ガスエキスパンダタービンの最下流側の動翼
の熱的な制約を受け、排熱回収系から上流が減温される
までのガスエキスパンダタービンの排気ダクトの耐熱温
度の制約を受ける。
【0013】この制約に達することを避けるために、起
動当初からの空気流量を多くした場合、送風する空気を
必要温度まで加温するので、流動床の媒体を加熱する熱
風炉の容量が過大になる。一方、熱応力が発生するの
で、当初から石炭を所定量まで投入できず、空気が過剰
な状態で石炭を燃焼させることになり、石炭の燃焼に伴
う窒素酸化物の発生量が過大になる問題があった。一般
に、投入する石炭に対して空気が少ない状態では、酸素
過小の還元雰囲気となり、流動床内に設置された伝熱管
等の腐食が進行し、プラント寿命の問題となる。これと
は逆に、酸素過大の酸化雰囲気においては、酸素分圧が
大きいために、窒素酸化物の発生が多くなり、環境上の
問題となる。
【0014】すなわち、タービン側としては、排気温度
の制約を守るために、相対的に空気流量を増やし起動す
る必要が生じ、プラントの環境特性およびボイラ側の熱
的な面からは、できるだけ小空気流量の起動が必要とさ
れ、相反する要求となっている。
【0015】本発明の目的は、加圧流動床燃焼プラント
に使用されるガスタービンの排気温度を過度に上昇させ
ることなく、また、窒素酸化物の発生量の増加を防止し
て良好な環境特性を損なうことなく起動する手段を備え
た加圧流動床燃焼プラントを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、ボイラ圧力容器内に石炭を燃焼させる流
動床燃焼炉を有し石炭の燃焼により蒸気を発生するボイ
ラ本体と、石炭をボイラ本体に供給する給炭装置と、ボ
イラ本体から導入した蒸気により動力を発生する蒸気タ
ービンと、蒸気タービンの動力により発電する蒸気ター
ビン用発電機と、蒸気タービンからの蒸気を水に戻す復
水器と、吸い込んだ空気をボイラ本体に燃焼用空気とし
て供給する少なくとも一台の圧縮機と、圧縮機と共軸で
ありボイラ本体で燃焼したガスを膨張させ動力を発生す
るガスエキスパンダタービンと、ガスエキスパンダター
ビンの動力により発電するガスエキスパンダタービン用
モータ発電機と、熱交換によりガスエキスパンダタービ
ンの排ガスの熱を回収して復水器から流動床燃焼炉への
給水を加熱する排熱回収装置とを含む加圧流動床燃焼プ
ラントにおいて、圧縮機の上流に配置されボイラ圧力容
器に送風する空気流量を調整する空気流量調整手段と、
加圧流動床燃焼プラントの運転状態量を検出する検出手
段と、加圧流動床燃焼プラント起動時の運転状態量を表
す信号が加圧流動床燃焼プラントを構成する機器の制約
設定値または環境上の制約設定値に達したときからボイ
ラ圧力容器内に送風する空気流量を調整する指令を空気
流量調整手段に出力する制御手段を備えた加圧流動床燃
焼プラントを提案する。
【0017】運転状態量の検出手段が、ガスエキスパン
ダタービンの排気温度の検出手段である場合は、機器の
制約設定値は、ガスエキスパンダタービンの排気温度の
制限値である。
【0018】運転状態量の検出手段が、排熱回収装置の
排ガス中の窒素酸化物濃度または窒素酸化物量の検出手
段である場合は、環境上の制約設定値は、窒素酸化物濃
度または窒素酸化物量の設定値である。
【0019】運転状態量の検出手段が、ガスエキスパン
ダタービンの排気温度の検出手段および排熱回収装置の
排ガス中の窒素酸化物濃度または窒素酸化物量の検出手
段である場合は、機器の制約設定値は、ガスエキスパン
ダタービンの排気温度の制限値であり、環境上の制約設
定値は、窒素酸化物濃度または窒素酸化物量の設定値で
ある。
【0020】運転状態量の検出手段が、排熱回収装置の
スチーミングなどの蒸気状態の検出手段である場合は、
機器の制約設定値は、蒸気状態の制限設定値とする。
【0021】いずれの加圧流動床燃焼プラントにおいて
も、空気流量調整手段は、圧縮機入口に設置されたガイ
ドベーン,圧縮機の上流に設置された絞り弁,圧縮機お
よびガスエキスパンダタービンの共軸の回転数を制御す
る手段,圧縮機出口からボイラ圧力容器への導管と流動
床燃焼炉からガスエキスパンダタービンへの導管との間
に設置されたバイパス弁要素,圧縮機出口からボイラ圧
力容器への導管設置された大気放出弁要素のいずれか、
または、複数の組み合わせである。
【0022】本発明においては、加圧流動床燃焼プラン
ト起動時の運転状態量を表す信号が加圧流動床燃焼プラ
ントを構成する機器の制約設定値または環境上の制約設
定値に達したときからボイラ圧力容器内に送風する空気
流量を調整する指令を空気流量調整手段に出力するの
で、加圧流動床燃焼プラントに使用されるガスタービン
の排気温度の過度の上昇を防止するとともに、窒素酸化
物の発生を抑制し、良好な環境特性を損なうことなく、
加圧流動床燃焼プラントを起動できる。
【0023】
【発明の実施の形態】次に、図1〜図7を参照して、本
発明による加圧流動床燃焼プラントを説明する。
【0024】《実施例1》図1は、本発明による加圧流
動床燃焼プラントの実施例1の系統構成を示すブロック
図である。図1の加圧流動床燃焼プラントは、図6の従
来例と同様に、石炭の燃焼により蒸気を発生するボイラ
本体1と、ボイラ本体1に燃焼用空気を取り込むボイラ
圧力容器2と、石炭をボイラ本体1に供給する給炭装置
3と、ボイラ本体1から導入した蒸気により動力を発生
する蒸気タービン4と、蒸気タービン4の動力により発
電する蒸気タービン用発電機5と、前段側に入口ガイド
ベーン12を配置され圧縮機インレットダクト14から
吸い込んだ空気をボイラ本体1に燃焼用空気として供給
する圧縮機6と、圧縮機6と共軸でありボイラ本体1で
燃焼したガスを膨張させ動力を発生するガスエキスパン
ダタービン7と、ガスエキスパンダタービン7の動力に
より発電するガスエキスパンダタービン用モータ発電機
8と、熱交換によりガスエキスパンダタービン7の排ガ
スの熱を回収して給水を加熱する排熱回収装置9と、石
炭を燃焼させる流動床燃焼炉10と、燃焼用空気を流動
床燃焼炉10に吹き込む燃焼空気ノズル11と、圧縮機
インレットガイドべーン12と、空気流量制御減圧弁1
3と、圧縮機インレットダクト14と、排ガスを放出す
る煙突15と、蒸気タービン4からの蒸気を水に戻す復
水器16と、弁17と、弁18と、弁19とを含んでい
る。
【0025】実施例1の加圧流動床燃焼プラントは、圧
縮機6からボイラ圧力容器2への供給路の途中に設置さ
れた大気放出弁20と、空気流量および給炭量を制御す
るプラント負荷制御装置30と、圧縮機6からボイラ圧
力容器2に供給される空気流量を測定する空気流量測定
装置31と、その信号を変換する信号変換器32と、プ
ラント負荷制御装置30からの信号と信号変換器32か
らの空気流量信号とを加算する加算器33と、ガスエキ
スパンダタービン7の排ガス温度検知器34と、その信
号を変換する信号変換器35と、変換された排ガス温度
と制限値とを比較し圧縮機からボイラに送風する空気流
量を演算する演算器44と、プラント負荷制御装置3
0,加算器33,演算器44からの出力信号を取り込み
圧縮機インレットガイドべーン12,空気流量制御減圧
弁13,大気放出弁20を制御する空気流量制御装置4
5とを備えている。
【0026】このように構成した図1の加圧流動床燃焼
プラントにおいて、圧縮機6により加圧された空気は、
ボイラ1の圧力容器2に入り、燃焼空気ノズル11を経
て、給炭装置3から供給された石炭と燃焼反応し、流動
床燃焼炉10において熱を発生する。流動床燃焼炉10
内のボイラで発生した水蒸気は、蒸気タービン4で膨張
して動力を生じ、蒸気タービン用発電機5で電力を発生
させる。一方、燃焼用空気は、石炭燃焼後に加圧高温ガ
スとなり、ガスエキスパンダタービン7で動力を発生
し、圧縮機6の動力を賄うとともに、余った動力が、ガ
スエキスパンダタービン用モータ発電機8より、電力を
発生させる。ガスエキスパンダタービン7を経た高温ガ
スは、排熱回収装置9において蒸気系に熱回収された
後、煙突15から大気に放出される。
【0027】プラント負荷制御装置30は、負荷要求信
号に応じて、給炭装置3からの給炭量を制御するととも
に、空気流量制御圧縮機インレットガイドベーン12,
空気流量制御減圧弁13,大気放出弁20により、ボイ
ラに供給する燃焼空気量とを調整する。
【0028】図2は、図1の実施例1と図6の従来例と
によるプラントの起動運転状態を比較して示すタイムチ
ャートである。石炭投入量のスケジュールは、プラント
の起動に合わせた暖機のための熱投入スケジュールと、
タービンの熱応力の制約に合わせた条件と、プラントの
負荷上昇とに応じて計画される。
【0029】一般に、流動床で石炭を燃やす場合、ある
量の石炭に対して燃焼用空気の量が過大になり、すなわ
ち、空気過剰率が大きくなれば、燃焼に伴い発生する窒
素酸化物の発生量が多くなり、反対に、ある量の石炭に
対して燃焼用空気の量が少なく、すなわち、空気過剰率
が小さくなれば、燃焼に伴い発生する窒素酸化物の発生
量が少なくなる。
【0030】ボイラ起動開始時には、ボイラ本体1に送
風を開始する。送風空気によりボイラ圧力容器2,流動
床燃焼炉10,ガスエキスパンダタービン7,(図示し
ない)排気ダクト中の未燃分をパージする。パージ後、
油燃料などを燃焼させる熱風炉により、流動床に石炭を
入れるだけで燃えだす投入燃料の自燃温度まで流動床燃
焼炉10を加熱する。この暖機期間を経て、加熱された
流動床燃焼炉10に給炭装置3から石炭を供給し、石炭
を燃焼させ、加圧流動床燃焼1の負荷を上昇させる。石
炭燃焼を開始すると、ガス温度が上昇し、ガスエキスパ
ンダタービン7に流入するガス温度が上昇し、ガスエキ
スパンダタービン7からの排気温度も上昇する。
【0031】既に述べたように、起動時の状態は、ガス
エキスパンダタービン7の入口の圧力,ガス温度が定格
より低く、ガス流量は少なく、定格条件とはかけ離れた
運転となる。この低ガス流量領域では、ガスエキスパン
ダタービン7の入口圧力が低く、ガスの膨張が十分でな
いため、熱落差をとれないばかりか、翼列への流入角が
定格時の条件とは異なるので、図2のii)の細線b→c3
→d3→e3に沿うような運転となり、タービンの動翼が
ガスをかき乱す状態での風損が発生し、窒素酸化物濃度
は、相対的に低下するものの、P→Q間で、排気温度が
制約条件よりも高くなる問題があった。
【0032】このP→Q間で排気温度が高くなる状態を
防止するため、従来の流動床燃焼プラントにおいては、
経年劣化,大気温度,ガスの性状などの変動要因を見込
んで余裕をとり、ボイラに送風する空気流量を増加する
計画操作が必要だったので、図2のi)の点線b→c1→
d1→e3に沿う運転を実行していた。そうすると、排気
温度を制約条件内に押さえることはできるものの、窒素
酸化物濃度は、点線V−Zで示すように、図2の細線に
沿う運転よりも、相対的に多くなっていた。
【0033】これに対して、本発明の実施例1において
は、排気温度の制約にかかるP点ですなわち、排気ダク
トの設計温度の閾値を制約として、この時点から前記閾
値を越えないように送風空気量を増加させるように、実
線b→c3→d2→e3に沿って運転を制御する。したが
って、P→Q間で排気温度が高くなる状態を防止でき
る。また、従来のi)の点線b→c1→d1→e3に沿う運
転と比較して、空気流量の増加を遅らせ、ボイラに送風
する空気量を最適な範囲で最小化し、窒素酸化物の発生
量を点線V−Zから実線V−W−X−Y−Zに削減でき
る。すなわち、排気温度の制約を満しながら、窒素酸化
物濃度比率を相対的に下げることが可能である。
【0034】《実施例2》図3は、本発明による加圧流
動床燃焼プラントの実施例2の系統構成を示すブロック
図である。図3の加圧流動床燃焼プラントは、窒素酸化
物濃度検出器36を備えている。この窒素酸化物濃度検
出器36は、ガスエキスパンダタービン7の排ガス中の
窒素酸化物濃度を測定しているが、排熱回収装置9から
煙突15により排気されるガス中の窒素酸化物濃度を測
定する位置に配置してもよい。
【0035】なお、図3の実施例は、周囲の気象条件の
一部を取り込むため、大気圧力検出器40と、その信号
を変換する信号変換器41と、大気温度検出器42と、
その信号を変換する信号変換器43も備えているが、本
実施例2の構成に本質的なものではない。また、より細
かい制御を実現するには、図1の実施例1に備えること
もできる。
【0036】図3の実施例2では、窒素酸化物濃度検出
器36で検出される窒素酸化物濃度を第1の制約とし
て、すなわち、環境規制値などの窒素酸化物濃度の閾値
を制約として、この閾値を越えないように、送風空気量
を減らす操作を実行する。図2に示した空気流量の調整
増加操作とは逆に、空気流量を減少調整すると、窒素酸
化物の発生量をより低減できる。
【0037】《実施例3》図4は、本発明による加圧流
動床燃焼プラントの実施例3の系統構成を示すブロック
図である。実施例3は、実施例1と実施例2とを組み合
わせた制御操作を実現するための系統構成を採用してい
る。
【0038】図4の実施例においては、周囲の環境や炭
質に合わせて、いずれの制約条件を重視するかの比率を
変更し、加圧流動床燃焼プラントを起動する。
【0039】《実施例4》図5は、本発明による加圧流
動床燃焼プラントの実施例4の系統構成を示すブロック
図である。図5の加圧流動床燃焼プラントは、排熱回収
装置9の蒸気条件を測定するため、蒸気温度検出器37
と、蒸気圧力検出器38とを備えている。第1の制約を
排熱回収装置9の蒸気温度,蒸気圧力とする場合でも、
実施例1と同様に、第1の制約範囲内で、他の制約を避
けながら、最適な運転を実現できる。すなわち、ガスエ
キスパンダタービン7の排気ダクトから流れ出るガスの
熱を吸収する排熱回収装置9において、給水圧が低い状
態で過大な排熱がある場合は、水のスチーミングが発生
する状態になるが、予め設置されたスチーミング防止設
定との偏差を基に、送風空気量を増加制御する。
【0040】なお、図1,図4の実施例では、比較器3
3が、プラント負荷制御装置30が指令する空気流量と
空気流量測定装置31が測定した圧縮機6からの送風流
量とを比較しているが、空気流量測定装置31,信号変
換器32,比較器33を削除し、圧縮機6の特性,圧縮
機インレットガイドベーン12の開度,空気流量制御減
圧弁13の開度に基づいて予め計算した空気流量の特性
マップを参照し、それに対応する空気が送風されるとし
て制御しても、本発明の目的は達成される。この場合、
圧縮機6の汚れ,大気圧条件については誤差の要因とな
るが、汚れは運転時間にほぼ比例し、圧力も比例するの
で、その分を補正すれば、誤差を十分に除去できる。
【0041】逆に、図3,図5の例では、圧縮機6の特
性,圧縮機インレットガイドベーン12の開度,空気流
量制御減圧弁13の開度に基づいて予め計算した空気流
量の特性マップを参照し、それに対応する空気が送風さ
れるとして制御しているが、図1,図4の実施例と同様
に、プラント負荷制御装置30が指令する空気流量と空
気流量測定装置31が測定した圧縮機6からの送風流量
とを比較してもよい。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、加圧流動床燃焼プラン
トに使用されるガスタービンの排気温度を過度に上昇さ
せることなく、また、窒素酸化物の発生量の増加を防止
して良好な環境特性を損なうことなく起動する手段を備
えた加圧流動床燃焼プラントが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による加圧流動床燃焼プラントの実施例
1の系統構成を示すブロック図である。
【図2】図1の実施例1と図6の従来例とによるプラン
トの起動運転状態を比較して示すタイムチャートであ
る。
【図3】本発明による加圧流動床燃焼プラントの実施例
2の系統構成を示すブロック図である。
【図4】本発明による加圧流動床燃焼プラントの実施例
3の系統構成を示すブロック図である。
【図5】本発明による加圧流動床燃焼プラントの実施例
4の系統構成を示すブロック図である。
【図6】従来の加圧流動床燃焼プラントの一般的な系統
構成を示す図である。
【図7】ガスエキスパンダタービンのガス量および入口
ガス温度をパラメータとして、ガスエキスパンダタービ
ンの排気温度の特性を示す図である。
【符号の説明】 1 加圧流動床燃焼ボイラ 2 ボイラ圧力容器 3 給炭装置 4 蒸気タービン 5 蒸気タービン用発電機 6 圧縮機 7 ガスエキスパンダタービン 8 ガスエキスパンダタービン用モータ発電機、 9 排熱回収装置 10 流動床燃焼炉 11 燃焼空気ノズル 12 空気流量制御圧縮機インレットガイドベーン 13 空気流量制御減圧弁 14 圧縮機インレットダクト 15 煙突 16 復水器 17 弁 18 弁 19 弁 20 大気放出弁 30 プラント負荷制御装置 31 空気流量測定装置 32 信号変換器 33 比較器 34 排気温度検出器 35 信号変換器 36 窒素酸化物濃度検出器 37 蒸気温度検出器 38 蒸気圧力検出器 44 演算器 45 空気流量制御装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボイラ圧力容器内に石炭を燃焼させる流
    動床燃焼炉を有し石炭の燃焼により蒸気を発生するボイ
    ラ本体と、石炭を前記ボイラ本体に供給する給炭装置
    と、前記ボイラ本体から導入した蒸気により動力を発生
    する蒸気タービンと、前記蒸気タービンの動力により発
    電する蒸気タービン用発電機と、前記蒸気タービンから
    の蒸気を水に戻す復水器と、吸い込んだ空気を前記ボイ
    ラ本体に燃焼用空気として供給する少なくとも一台の圧
    縮機と、前記圧縮機と共軸であり前記ボイラ本体で燃焼
    したガスを膨張させ動力を発生するガスエキスパンダタ
    ービンと、前記ガスエキスパンダタービンの動力により
    発電するガスエキスパンダタービン用モータ発電機と、
    熱交換により前記ガスエキスパンダタービンの排ガスの
    熱を回収して前記復水器から前記流動床燃焼炉への給水
    を加熱する排熱回収装置とを含む加圧流動床燃焼プラン
    トにおいて、 前記圧縮機の上流に配置され前記ボイラ圧力容器に送風
    する空気流量を調整する空気流量調整手段と、 前記加圧流動床燃焼プラントの運転状態量を検出する検
    出手段と、 前記加圧流動床燃焼プラント起動時の運転状態量を表す
    信号が前記加圧流動床燃焼プラントを構成する機器の制
    約設定値または環境上の制約設定値に達したときから、
    前記ボイラ圧力容器内に送風する空気流量を調整する指
    令を前記空気流量調整手段に出力する制御手段を備えた
    ことを特徴とする加圧流動床燃焼プラント。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の加圧流動床燃焼プラン
    トにおいて、 前記運転状態量の検出手段が、前記ガスエキスパンダタ
    ービンの排気温度の検出手段であり、 前記機器の制約設定値が、前記ガスエキスパンダタービ
    ンの排気温度の制限値であることを特徴とする加圧流動
    床燃焼ラント。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の加圧流動床燃焼プラン
    トにおいて、 前記運転状態量の検出手段が、前記排熱回収装置の排ガ
    ス中の窒素酸化物濃度または窒素酸化物量の検出手段で
    あり、 前記環境上の制約設定値が、窒素酸化物濃度または窒素
    酸化物量の設定値であることを特徴とする加圧流動床燃
    焼プラント。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の加圧流動床燃焼プラン
    トにおいて、 前記運転状態量の検出手段が、前記ガスエキスパンダタ
    ービンの排気温度の検出手段および前記排熱回収装置の
    排ガス中の窒素酸化物濃度または窒素酸化物量の検出手
    段であり、 前記機器の制約設定値が、前記ガスエキスパンダタービ
    ンの排気温度の制限値であり、 前記環境上の制約設定値が、窒素酸化物濃度または窒素
    酸化物量の設定値であることを特徴とする加圧流動床燃
    焼プラント。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の加圧流動床燃焼プラン
    トにおいて、 前記運転状態量の検出手段が、前記排熱回収装置のスチ
    ーミングなどの蒸気状態の検出手段であり、 前記機器の制約設定値が、蒸気状態の制限設定値である
    ことを特徴とする加圧流動床燃焼プラント。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか一項に記載
    の加圧流動床燃焼プラントにおいて、 前記空気流量調整手段が、前記圧縮機入口に設置された
    ガイドベーン,前記圧縮機の上流に設置された絞り弁,
    前記圧縮機および前記ガスエキスパンダタービンの共軸
    の回転数を制御する手段,前記圧縮機出口から前記ボイ
    ラ圧力容器への導管と前記流動床燃焼炉から前記ガスエ
    キスパンダタービンへの導管との間に設置されたバイパ
    ス弁要素,前記圧縮機出口から前記ボイラ圧力容器への
    前記導管設置された大気放出弁要素のいずれか、また
    は、複数の組み合わせであることを特徴とする加圧流動
    床燃焼プラント。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010087984A2 (en) * 2009-01-28 2010-08-05 Jonathan Feinstein Combined heat and power with a peak temperature heat load
JP2011137575A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Sanki Eng Co Ltd 加圧流動焼却炉の運転方法及び加圧流動焼却炉設備

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